JP3312712B2 - 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法 - Google Patents

高感度煙検出装置の最適閾値設定方法

Info

Publication number
JP3312712B2
JP3312712B2 JP01350995A JP1350995A JP3312712B2 JP 3312712 B2 JP3312712 B2 JP 3312712B2 JP 01350995 A JP01350995 A JP 01350995A JP 1350995 A JP1350995 A JP 1350995A JP 3312712 B2 JP3312712 B2 JP 3312712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
threshold value
value
distribution
threshold
setting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01350995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08202970A (ja
Inventor
洌 渡辺
茂 大谷
一郎 遠藤
幸衛 宮尾
健人 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hochiki Corp filed Critical Hochiki Corp
Priority to JP01350995A priority Critical patent/JP3312712B2/ja
Publication of JPH08202970A publication Critical patent/JPH08202970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3312712B2 publication Critical patent/JP3312712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータルームや
クリーンルーム等の警戒空間からファンの駆動により空
気を吸引し、吸引した空気に含まれる煙粒子に対するビ
ームスポットの光の照射で得られた受光信号を比較器で
閾値と比較してパルス信号に変換してパルス数をカウン
トから煙量を測定する高感度煙検出装置の最適閾値設定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の高感度煙検出装置にあっ
ては、半導体関連のクリーンルームやコンピュータルー
ムなどの警戒空間にサンプリングパイプを張り巡らし、
ファンやポンプで空気を吸引して高感度検出装置に導
き、レーザ光を集光したビームスポットを当てて煙粒子
1つ1つのパルス的な散乱光を受光部で把え、比較器で
閾値と比較してパルス信号に変換し、このパルス信号の
カウントにより煙量を検出している。
【0003】図11は従来の高感度煙検出器の検出処理
であり、受光信号には煙粒子の散乱によるパルス成分a
1,a2,a3,a4が含まれており、例えば閾値TH
2を設定することで、煙粒子の数に一致したパルス信号
Cを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の高感度煙検出装置にあっては、図11の受光信号
Aに対し閾値をどのように設定するかが煙粒子の検出精
度に大きく影響する。例えば図11の受光信号Aに対し
低めの閾値TH1を設定したとすると、通常、受光信号
にはレベルの低い電気的なノイズ成分Nが含まれてお
り、このノイズを含んだパルス信号Bが得られ、カウン
ト数が著しく増加して計測精度が低下する。
【0005】逆に閾値TH3のように高めに設定する
と、ノイズ成分Nの影響は除去できるが、煙粒子による
信号成分の内、径の小さな煙粒子によるパルス成分a
2,a4のパルス信号が欠落し、カウント数が実際より
少なめになって検出精度が低下する。このためノイズ成
分を検出せず且つ煙粒子によるパルス成分の欠落のない
最適な閾値として例えばTH2を設定する必要がある
が、このような閾値TH2の設定は、例えばオシロスコ
ープ等で受光信号を実際に観測しながら設定するという
ような繁雑な作業が必要であり、実験室的には可能であ
るが、装置の現場設置状態で行うことは困難であった。
【0006】また電気的なノイズ成分の状況は、設置場
所により様々であり、装置の出荷段階で最適閾値を設定
していても、設置した場所に適合した最適値になるとは
限らず、装置の信頼性を十分に保証できない問題があっ
た。本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、装置の設置状態で計測処理を通じて最適な閾
値を自動的に設定して検出精度と信頼性を向上する高感
度煙検出装置の最適閾値設定方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、ファンの駆動により警戒空間からサンプ
リングパイプにより空気を吸引し、吸引した空気に含ま
れる煙粒子に対するビームスポットの光の照射で得られ
た受光信号を比較器で閾値と比較してパルス信号に変換
し、このパルス信号の数をカウントして煙量を測定する
高感度煙検出装置の最適閾値設定方法として次の手順で
最適閾値を求める。
【0008】第1測定過程 ファンによる空気吸引量を規定値とした状態で、比較器
から出力されるパルス信号のパルス幅に対するパルス数
の第1分布を一定のゲート時間に亘り計測する。例えば
ファンのモータ駆動電流を定常監視時の電流値に設定し
た状態で測定する。
【0009】第2計測過程 ファンによる空気吸引量を他の規定値に変化させた状態
で、比較器から出力されるパルス信号のパルス幅に対す
るパルス数の第2分布を、第1計測過程のゲート時間に
対し空気吸引量の変化に応じて設定した他の一定のゲー
ト時間に亘り計測する。例えば第1測定過程における定
常監視状態のモータ駆動電流より低い電流値でファンを
駆動し、更に、ゲート時間を電流変化比の逆数となるよ
うに拡大する。
【0010】相関算出過程 第1及び第2測定過程で測定した第1分布と第2分布の
相関を求めるマッチングを行う。例えば第1分布と第2
分布の自己相関値を算出する。 最適閾値決定過程 予め定めた最小閾値から最大閾値の範囲で所定値ずつ閾
値を変換させながら第1測定過程、第2測定過程及び第
3測定過程を繰り返して求めた各分布の相関の中から、
最も相関の強い分布が得られた閾値を最適閾値として決
定する。例えば自己相関値を算出している場合には、複
数の自己相関閾値の中の最大値に対応した閾値を最適閾
値として決定する。
【0011】
【作用】本発明の最適閾値設定方法は、ファンの駆動電
流を2段階に変化させることで、検出部の空気流量、即
ち煙粒子の通過速度を変化させ、煙粒子の通過時間を変
えることでパルス信号のパルス幅を変化させる。そして
煙粒子の異なる通過速度におけるパルス幅に対するパル
スの数のヒストグラム分布をとると、閾値が適切でノイ
ズ成分のパルスを含んでいなければ、分布するパルス幅
の位置は異なるが、分布の形は同じであり、強い相関を
もつ。
【0012】これに対し閾値が不適切でノイズ成分のパ
ルスを含んでいた場合には、煙粒子の速度を変えてパル
ス幅が変化しても、電気的なノイズは空気の速度に関係
しないランダムなものであり、煙粒子の速度変化でシフ
トしたパルス幅の位置の分布は異なったものとなる。こ
のため2つの分布の相関は低くなる。そこで本発明は、
閾値を変化させながら、気流の速度を2段階に変化させ
て求めたパルス幅に対するパルス数のヒストグラム分布
の相関を見て、最も相関の強い分布が得られた閾値を最
適閾値として決定する。これによって装置設置場所の状
況に応じて最適な閾値が設定され、ノイズ成分による影
響を受けることなく正確に煙粒子をカウントして測定精
度と信頼性を大幅に向上できる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の最適閾値設定方法が適用され
る高感度煙検出装置の実施例である。図1において、装
置本体1には、検煙部2、回路部3、流量計測部4およ
びファン部5が設けられる。検煙部2からは、クリーン
ルームなどの室内となる警戒空間7に対し、サンプリン
グ管6が配管されている。サンプリング管6は、警戒空
間7から試料空気をファン部5による吸引で搬送するも
ので、警戒空間7においてサンプリング管6には試料空
気を吸引するための複数の小孔が開けられている。
【0014】装置本体に設けた検煙部2は、図2の構成
を有する。図2において、検煙部2にはレーザダイオー
ドを用いた投光部8が設けられ、投光部8からのレーザ
光9を集光してビームスポットに絞り込み、エアー通過
部10に結像している。投光部8に対しては、レーザビ
ーム9の方向に対し受光角度θだけずらして受光部12
が配置されている。
【0015】受光部12には、フィルタ13、集光レン
ズ14およびフォトダイオードなどの受光素子15が設
けられる。投光部8の反対側には光トラップ11が形成
され、エアー通過部10を通ったレーザ光9が乱反射し
て受光部12に入射しないように吸収している。更に、
受光部12に相対した位置には試験LED16が設けら
れている。
【0016】煙粒子の検出原理は、投光部8に設けたレ
ーザダイオードからのレーザ光9をレンズで集光してス
ボット光に絞り込み、このレーザスポット光を、エアー
通過部10の煙粒子が通過するときに発する散乱光を受
光部12の受光素子(フォトダイオード)15で受光し
て、パルス的な受光信号を取り出す。再び図1を参照す
るに、検煙部2については流量計測部4が設けられ、フ
ァン部5によりサンプリング管6より吸引する試料空気
の流速または流量を計測する。この流量または流速の計
測には、白金膜サーミスタが使用される。また流量計測
部4の計測結果は、流量変動による煙粒子の計数値の補
正や、流量が一定値以下に低下した時にサンプリング管
6やファン部5の異常の有無を判断し、その警報に用い
られる。ファン部5はファンをモータにより回転駆動し
ており、モータに供給する駆動電流を変えることでファ
ンの回転速度を変え、これによってサンプリング管6に
よる試料空気の流速即ち流量を変えることができる。
【0017】図3は、図1の装置本体1に設けた回路部
3の実施例である。図3において装置本体の回路部3
は、受光部12の受光素子15からの受光信号をセンサ
アンプ17で増幅した後、比較器18の+入力端子に与
えている。比較器18の−入力端子には、閾値設定回路
22で設定された閾値THが与えられている。受光部1
2で受光された煙粒子によるパルス状の受光信号がセン
サアンプ17で増幅された後に比較器18に入力して閾
値THを越えると、比較器18の出力がLレベルからH
レベルに立ち上がり、閾値THを越えるパルス幅をもつ
パルス信号を生成する。
【0018】比較器18からのパルス信号はパルス幅測
定回路23に与えられ、パルス幅が測定される。このパ
ルス幅は、例えば所定周波数のクロック信号を比較器1
8からのパルス信号のHレベル区間に亘ってゲートして
カウントすることで求めることができる。回路部の全体
的な制御は、MPU20により行われる。MPU20に
対しては、インタフェース回路21を介して、閾値設定
回路22、パルス幅測定回路23、更にファン部5が接
続される。MPU20には、本発明の最適閾値設定方法
を実現するための閾値構成処理部24の機能がプログラ
ム制御により設けられている。
【0019】閾値校正処理部24は、装置の電源投入に
伴うMPU20のパワーオンスタートによる初期化診断
処理の1つの処理項目として最適閾値の設定処理を実行
する。また装置の使用中にあっては、例えば一定の時間
間隔で起動して最適閾値設定処理を行う。勿論、メンテ
ナンスの際の外部からのスイッチなどによる設定指令
で、閾値校正処理部24による最適閾値設定処理を行う
こともできる。
【0020】次に、図3のMPU20に設けた閾値校正
処理部24による本発明の最適閾値設定処理の原理を説
明する。まず本発明にあっては、閾値校正処理の際にフ
ァン部5に対する駆動電流を2段階に変化させて、図2
の検煙部2を通過する試料空気の流速(流量)を2段階
に変化させた状態で測定処理を行う。
【0021】図4は、ファン部5に対するモータ駆動電
流iに対する試料空気の流量Qと流速vの特性を示して
いる。まず通常の測定状態にあっては、モータ駆動電流
i1がファン部5に供給され、このときの空気流量Qと
流速vは、Q1,v1となる。閾値校正処理部24にあ
っては、第1段階にあっては、この通常時のモータ駆動
電流i1でファン部5を駆動して、空気流量Q1即ち流
速v1とした状態で、一定のゲート時間Tに亘って比較
器18より、そのときの閾値THの設定で得られたパル
ス信号のパルス幅をパルス幅測定回路23で行って、イ
ンタフェース回路28を介して取り込む。
【0022】続いてファン部5のモータ駆動電流i1を
モータ駆動電流i2に減少させて、空気流量および流速
をQ2,v2とした状態で、同じ閾値THの設定状態で
比較器18より得られたパルス信号のパルス幅を速度比
v1/v2に最初のゲート時間Tを掛け合わせて伸ばし
たゲート時間(T×v1/v2)に亘って行う。図5
は、図4のモータ駆動電流i1により空気流量Q1およ
び流速v1としたときの煙粒子による受光信号成分a1
1,a12と閾値THの設定で得られたパルス信号b1
1,b12を示す。この図5と同じ煙粒子の通過に対し、
図4でモータ駆動電流をi2に減少させると、検煙部に
対する煙粒子の通過時間がその分、減るため、図6のよ
うに、図5に対し煙粒子によるパルス成分A11,A12の
パルス幅が増加し、閾値THで得られたパルス信号B1
1,B12もパルス幅が増加する。
【0023】勿論、パルス成分A11,A12の間隔も速度
変化に応じて広がる。例えば図5のパルス信号b1のパ
ルス幅がW1であり、速度を半分に減らしたとすると、
図6のパルス信号B11のパルス幅W2は2倍に増加す
る。次に、図5のモータ駆動電流i1で得られたパルス
信号と図6の減少したモータ駆動電流i2で得られたパ
ルス信号のゲート時間T1(T1×v1/v2)に亘る
パルス幅の検出結果に基づくパルス数のヒストグラム分
布を説明する。
【0024】図7は、閾値THの設定が適切に行われ、
電気的ノイズによるパルス信号を含まず、煙粒子による
パルス信号のみが得られたときのヒストグラム分布のシ
フトを示す。まずヒストグラム分布25は、図5の第1
段階のモータ駆動電流i1即ち流速v1の状態で、ゲー
ト時間T1に亘って比較器18から出力されるパルス信
号のパルス幅を測定して、パルス幅を横軸、パルス数を
縦軸として示したヒストグラム分布である。これに対し
図6のように、第2段階のモータ駆動電流i2に減少さ
せて流速をv2に低下させると、パルス信号のパルス幅
が広がることから、ヒストグラム分布26のように、パ
ルス幅が増加した位置にシフトし、2つのヒストグラム
分布25,26の形は理想的には同じになる。
【0025】これに対し閾値THの設定が不適切であっ
た場合には、図8のように、第1段階で測定したヒスト
グラム分布25の中にもノイズ成分によるパルス幅の分
布が含まれ、また速度を低下させてパルス幅を拡大する
位置にシフトさせた第2段階で得られるヒストグラム分
布27についてのノイズ成分によるパルス幅の分布が含
まれ、電気的なノイズはランダムであることから、煙粒
子によるパルス幅のヒストグラム分布が同じであって
も、ランダムなノイズ成分によるパルス幅の分布が異な
り、両者の合成としてそれぞれのヒストグラム分布2
5,27が得られることから、両者は異なった形の分布
をもつ。
【0026】本発明は、このように検煙部2に対する試
料空気の流速を2段階に変化させて、そのときの閾値T
Hで得られたパルス幅に対するパルス数のヒストグラム
分布を比較し、この比較により、図7のようにノイズ成
分がなければ2つのヒストグラム分布25,26の相関
は極めて強く、一方、ノイズ成分が含まれていると、図
8のように2つのヒストグラム分布25,27の相関は
低くなることに着目して、最適な閾値THを決める。
【0027】具体的には、比較器18に対する閾値TH
の値を、予め定めた最小値から最大値の間で所定値ずつ
変化させながら2段階の速度変化をファン部5に対する
電流切替えで行って、そのときのヒストグラム分布を求
め、両分布の相関例えば自己相関値を計算する。そし
て、段階的に変化させた各閾値ごとに求められた2つの
ヒストグラム分布の自己相関値の中から最大値を与える
閾値を最適閾値として決定する。
【0028】図9は、図3のMPU20に設けた閾値校
正処理部24による最適閾値設定処理のフローチャート
である。まずステップS1で、ファン部5のモータ電流
iをi=i1(v=v1)に設定し、比較器18に対す
る閾値THを最小閾値THmin にする。次にステップS
2で、ゲート時間Tに亘って比較器18から得られるパ
ルス信号の数と幅を計測し、ステップS3で、パルス幅
のヒストグラム分布を求める。続いてステップS4で、
ファン部5に対するモータ電流をi=i2(v=v2)
に減少させる。
【0029】続いてステップS5で、ゲート時間Tをス
テップS2で使用したゲート時間Tに速度比(i1/i
2)を掛け合わせた値として、同じ閾値によって比較器
18より出力されるパルス信号のパルス数と幅を計測
し、ステップS6で、パルス幅のヒストグラム分布を求
める。続いてステップS7で、2つのヒストグラム分布
の自己相関値を算出する。
【0030】例えば図10に示すように、ステップS3
で最初のヒストグラム分布25が得られ、この分布はデ
ータ上は系列データ28に示すように、例えば離散的な
パルス幅W1〜W14をパラメータとして、それぞれに
おけるパルス数を格納したデータ構造をもつ。ヒストグ
ラム分布25にあっては、パルス幅W2〜W6で有効な
パルス数C1,C2,C3,C2,C1があり、それ以
外は全て0となっている。同様に、ステップS6で得ら
れた2段階目のヒストグラム分布26は系列データ30
のようになり、パルス幅W9〜W13でパルス数がC
1,C2,C3,C2,C1と分布し、それ以外は全て
0である。
【0031】ここで図10は図7と同様、ノイズ成分を
含まない閾値THが適正に設定された状態でのヒストグ
ラム分布25,26を例にとっており、分布の形は理想
的には完全に一致している。この場合の自己相関値の計
算は、系列データ28,30をそれぞれP11,P12とす
ると、一方の系列データ28を固定した状態で他方の系
列データ30を1つずつシフトしながら、次式により自
己相関値Cを算出する。
【0032】
【数1】
【0033】そして、固定した系列データ28に対し系
列データ30を左方向に8回シフトして行ったときの自
己相関値がピーク値として得られるので、このピーク値
を、2つのヒストグラム分布25,26の分布の一致具
合を示す自己相関値として記憶保持する。再び図9を参
照するに、ステップS7で自己相関値の算出が済んだな
らば、ステップS8に進み、閾値THが最大値THmax
に達したか否かチェックし、達していなければ、ステッ
プS10で、モータ駆動電流iを再びi1に戻し、また
閾値THを所定値ΔTHだけ増加させ、ステップS2か
らの処理を繰り返す。
【0034】ステップS8で、閾値THが最大値THma
x に達したならば、一連の計測処理が終了したことから
ステップS9に進み、閾値THの設定変更ごとに、ステ
ップS7で求めた複数の自己相関値の中から最大となる
自己相関値に対応する閾値を選択して最適値として決定
し、一連の処理を終了する。図9のフローチャートに示
した最適閾値を設定するための閾値校正処理にあって
は、構成のために実際に煙粒子の計測結果を必要とする
ことから、検煙部2に対し適当な手段により微量の煙を
安定的に流入させながら行うことになる。勿論、サンプ
リング管6が配管された警戒空間7で試験用の煙を発生
させた状態で行うようにしてもよい。
【0035】尚、上記の実施例は、MPUによるプログ
ラム制御で最適閾値の設定を行っているが、本発明はこ
れに限定されず、専用のハードウェア回路で行うように
してもよい。また上記の実施例にあっては、ファンに対
するモータ駆動電流を定常時の電流i1から減少させて
2段階の計測を行っているが、逆に増加させて2段階の
計測を行うようにしてもよい。また、測定された2つの
ヒストグラム分布の相関を自己相関により求めている
が、分布パターン自体の差分を求めて一致具合を判定す
るパターンマッチングなど、適宜の相関関係の判断を採
用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、検煙部に対する試料空気の通過速度(流量)を2段
階変化させることで、煙粒子によるパルス信号のパルス
幅を変化させ、これによって気流速度には依存しない電
気的なノイズによるパルス信号と煙粒子によるパルス信
号を区別させ、気流速度を変える前と変えた後のパルス
幅のヒストグラム分布の相関が最も強くなる閾値を最適
閾値とすることで、ランダムに生ずる電気的なノイズ成
分による影響を受けることなく正確に煙粒子をカウント
することができ、測定精度と信頼性を大幅に向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される高感度煙検出装置の全体構
成の説明図
【図2】図2の検煙部の構造を示した説明図
【図3】本発明の最適閾値設定方法を実現する装置構成
のブロック図
【図4】図3のファン部における駆動電流とエアー流量
の特性グラフ図
【図5】電流i1でファンを駆動したときの受光信号と
パルス信号の説明図
【図6】電流i1をi2に下げてファンを駆動したとき
の受光信号とパルス信号の説明図
【図7】ノイズ成分によるパルスを含まない場合のエア
ー流量を2段階に変化させて得たパルス幅に対するパル
ス数のヒストグラム分布の説明図
【図8】ノイズ成分を含む場合のヒストグラム分布の説
明図
【図9】本発明の方法を実現する図3のMPUによる処
理動作のフローチャート
【図10】2つのヒストグラム分布に関する自己相関計
算の説明図
【図11】従来装置における閾値の設定とパルス信号の
様子を示した説明図
【符号の説明】
1:装置本体 2:検煙部 3:回路部 4:流量計測部 5:ファン部 6:サンプリング管 7:警戒空間 8:投光部(レーザ光源) 9:レーザビーム 10:エアー通過部 11:光トラップ 12:受光部 13:フィルタ 14:集光レンズ 15:受光素子 16:試験用LED 17:センサアンプ 18:比較器 20:MPU 21:インタフェース回路 22:閾値設定回路 23:パルス幅計測回路 24:閾値校正処理部 25,26,27:ヒストグラム分布 28,30:系列データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮尾 幸衛 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (72)発明者 中井 健人 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−36159(JP,A) 特開 平6−103475(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ファンの駆動により警戒空間からサンプリ
    ングパイプにより空気を吸引し、吸引した空気に含まれ
    る煙粒子に対するビームスポットの光の照射で得られた
    受光信号を比較器で閾値と比較してパルス信号に変換
    し、該パルス信号の数をカウントして煙量を測定する高
    感度煙検出装置の最適閾値設定方法に於いて、 前記ファンによる空気吸引量を規定値とした状態で、前
    記比較器から出力されるパルス信号のパルス幅に対する
    パルス数の第1分布を一定のゲート時間に亘り計測する
    第1測定過程と、 前記ファンによる空気吸引量を他の規定値に変化させた
    状態で、前記比較器から出力されるパルス信号のパルス
    幅に対するパルス数の第2分布を、前記ゲート時間を前
    記空気吸引量の変化に応じて設定した一定のゲート時間
    に亘り計測する第2測定過程と、 前記第1及び第2測定過程で測定した第1分布と第2分
    布の相関を求める相関算出過程と、 予め定めた最小閾値から最大閾値の範囲に所定値ずつ閾
    値を変換させながら前記第1測定過程、第2測定過程及
    び第3測定過程を繰り返して求めた各分布の相関の中か
    ら、最も相関の強い分布を得た閾値を最適閾値として決
    定する閾値決定過程と、を備えたことを特徴とする高感
    度煙検出装置の最適閾値設定方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の高感度煙検出器の最適閾値
    設定方法に於いて、 前記第1測定過程は、ファンのモータ駆動電流を定常監
    視時の電流値に設定し、前記第2測定過程は、定常監視
    状態のモータ駆動電流より低い電流値でファンを駆動
    し、更に、ゲート時間を電流変化比の逆数となるように
    拡大することを特徴とする高感度煙検出装置の最適閾値
    設定方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の高感度煙検出器の最適閾値
    設定方法に於いて、 前記相関算出過程は第1分布と第2分布の自己相関値を
    算出し、前記最適閾値決定過程は複数の自己相関値の中
    の最大値に対応した閾値を最適閾値として決定すること
    を特徴とする高感度煙検出装置の最適閾値設定方法。
JP01350995A 1995-01-31 1995-01-31 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法 Expired - Fee Related JP3312712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01350995A JP3312712B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01350995A JP3312712B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08202970A JPH08202970A (ja) 1996-08-09
JP3312712B2 true JP3312712B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=11835121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01350995A Expired - Fee Related JP3312712B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3312712B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1975896A2 (en) 2007-03-30 2008-10-01 Nohmi Bosai Ltd. Smoke detector and sampling air supplying method for smoke detector
CN110491067A (zh) * 2019-08-26 2019-11-22 北京数制科技有限公司 火灾监控方法及系统

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004034001A1 (de) * 2002-10-07 2004-04-22 Wagner Alarm- Und Sicherungssysteme Gmbh Vorrichtung zur bestimmung von strömungsgrössen eines fluids sowie verfahren zum betrieb einer solchen vorrichtung
AU2003902318A0 (en) * 2003-05-14 2003-05-29 Vision Fire And Security Pty Ltd Improved Sensing Apparatus And Method
JP2010238095A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nohmi Bosai Ltd 光電式煙感知器
JP6066692B2 (ja) * 2012-11-27 2017-01-25 能美防災株式会社 移動式の煙検知装置を用いた煙の発生位置の特定方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1975896A2 (en) 2007-03-30 2008-10-01 Nohmi Bosai Ltd. Smoke detector and sampling air supplying method for smoke detector
CN110491067A (zh) * 2019-08-26 2019-11-22 北京数制科技有限公司 火灾监控方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08202970A (ja) 1996-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5411430B2 (ja) 測距装置
JP3029357B2 (ja) 距離測定装置の汚れ検出装置
JP2008122395A (ja) In−Situ走査ビームの粒子モニタのための信号処理方法
US4984889A (en) Particle size measuring system with coincidence detection
WO1998048867A1 (en) Optical detection and quantification of microair in blood
US3662176A (en) Photo-optical particle analysis method and apparatus
JP2941593B2 (ja) 距離測定装置
JP3312712B2 (ja) 高感度煙検出装置の最適閾値設定方法
EP0008874B1 (en) Method and apparatus for discriminating red blood cells from platelets
SE467553B (sv) Optisk metod att detektera och klassificera nederboerd genom detektering av spritt resp bakaatspritt ljus fraan en ljusstraale
JP3588535B2 (ja) 煙感知装置
JPH08159949A (ja) 粒子検出装置
JP2004069688A (ja) 反射光分析システム
JP2002221567A (ja) 目標識別装置
JP2000074968A (ja) 信号検出装置
JP3193670B2 (ja) 煙感知装置
JPH0786455B2 (ja) 粒子測定方法及び装置
JP3927197B2 (ja) 煙感知装置
JP3783991B2 (ja) 煙感知装置
JP4284031B2 (ja) フローサイトメータ
JP3780701B2 (ja) 煙感知装置
JPH0413947A (ja) 流体中の粒子計測方法及びその装置
GB2367358A (en) Smoke detecting apparatus
SU1597816A1 (ru) Способ обнаружени структуры оптических неоднородностей атмосферы
JPH05206236A (ja) 真空装置内のパーティクルの測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees