JP3312199B2 - プリント配線基板に対するビルドアップ用の絶縁層用樹脂組成物および多層配線基板 - Google Patents

プリント配線基板に対するビルドアップ用の絶縁層用樹脂組成物および多層配線基板

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JP3312199B2 JP25664698A JP25664698A JP3312199B2 JP 3312199 B2 JP3312199 B2 JP 3312199B2 JP 25664698 A JP25664698 A JP 25664698A JP 25664698 A JP25664698 A JP 25664698A JP 3312199 B2 JP3312199 B2 JP 3312199B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/31Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/312Non-condensed aromatic systems, e.g. benzene

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
の絶縁層用の樹脂組成物、この組成物によって形成され
たプリント配線基板の絶縁層、およびこの絶縁層をビル
ドアップ用の層間絶縁層として有する多層配線基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品をコンパクトに電子
機器に組み込むためにプリント基板が一般的に使用され
ている。このプリント基板は、積層板に張り合わせた銅
箔を配線パターンに従ってエッチングするもので、高密
度に電子部品を実装することは困難であるが、コスト面
で有利である。一方、ハイブリッドIC用としては、ビ
ルドアップ多層配線構造が古くから用いられてきた。こ
れは、セラミック基板上に導体と絶縁体の厚膜ペースト
を順次印刷して積み重ね、焼成するもので、コスト面で
は不利であるが、高密度実装が可能となる。
【0003】近年、電子機器に対する小型化、高性能化
および低価格化などの要求に伴い、プリント基板の電子
部品の微細化、多層化、および電子部品の高密度実装化
が急速に進み、プリント基板に対してもビルドアップ多
層配線構造の検討が活性化してきた。ビルドアップ用絶
縁膜は、配線パターンの層間に形成されるもので、上層
の配線パターンとの接続すべき箇所(一般に「ビアホー
ル」と称される部分)を除いた全面に被膜形成されるも
のである。
【0004】従来のビルドアップ構造の作製プロセスの
一例を以下に示す。具体的には、まず、両面に配線パタ
ーンが形成され、これらの配線パターンどうしがスルー
ホールを介して導通されたコア基板を用意する。次に、
感光性樹脂をコア基板の両面の全体にコートして、露
光、現像して、ビアホールを備えた絶縁膜を形成する。
次いで、無電解めっき、電解めっきで絶縁膜の上に導体
を形成し、これをエッチングして配線パターンを形成す
る。その後、必要に応じて、絶縁膜の形成から導体パタ
ーンの形成までの工程を繰り返して多層配線構造を作製
する。
【0005】従来、絶縁膜を形成するための感光性樹脂
としては、たとえばビスフェノール型エポキシアクリレ
ート、増感剤、エポキシ化合物、硬化剤などからなる感
光性組成物(特開昭50−144431号公報および特
公昭51−40451号公報)などが用いられている。
また、これらの感光性組成物は、現像時に多量の有機溶
媒を使用し、環境汚染や火災の危険性などの問題がある
ことから、最近ではそれらに代わって希薄アルカリ水溶
液で現像可能な感光性組成物が用いられている。そのよ
うなアルカリ現像型感光性樹脂組成物としては、たとえ
ばエポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、さ
らに多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベースポ
リマーとする感光性組成物(特公昭56−40329号
公報および特公昭57−45785号公報)が用いられ
ている。また、ノボラック型エポキシ樹脂を用いた耐熱
性、耐薬品性に優れたアルカリ現像型感光性組成物(特
開昭61−243869号公報)なども用いられてい
る。
【0006】ビルドアップ法では、樹脂絶縁膜上に導体
を形成する際に、樹脂絶縁膜と導体との密着性向上のた
め樹脂絶縁膜の表面を粗化した後、無電解めっきを施す
方法が一般的に用いられる。樹脂絶縁膜の表面粗化のた
めには、従来より、絶縁膜の表面に化学的エッチングに
よって微細な孔を設ける方法が知られている。具体的に
は、絶縁膜中に酸あるいはアルカリによって可溶な粒
子、すなわちフィラー成分を添加しておき、エッチング
処理(表面粗化処理)によってフィラーを溶解して絶縁
膜の表面に孔を形成するものである。このフィラー成分
としては、たとえば炭酸カルシウムを用いることができ
る。この方法によれば、絶縁膜表面に形成した孔にめっ
きされる金属が入り込み、そのアンカー効果によって導
体と樹脂絶縁膜との間の密着力が向上する。
【0007】従来は、絶縁膜の膜厚(通常40μm〜1
00μm)を考慮し、平均粒径(累積分布の50%に相
当する粒子径)が1μm〜10μmのフィラーを用いて
きた。これらのフィラーは通常天然の鉱物(たとえば石
灰石)を粉砕・分級したもの(たとえば重質炭酸カルシ
ウム)である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プリント配線基板の絶縁層用組成物は、上記したように
エポキシ樹脂をベースとした樹脂組成物であり、ガラス
転移温度(Tg)が150℃以下と耐熱性に問題があっ
た。
【0009】また、天然の鉱物を粉砕・分級したフィラ
ーを添加する従来の方法は、薄膜(20μm前後)の絶
縁膜に対し、導体(めっき)密着力や絶縁性を満足する
ことができないという点で、また、とくに、炭酸カルシ
ウムフィラーはイオン性物質であり、これを含んだ樹脂
組成物は高温高湿下における絶縁信頼性で問題があっ
た。
【0010】本発明は、上記した事情のもとで考え出さ
れたものであって、耐熱性に優れ、導体密着力および絶
縁性(とくに高温高湿下の絶縁信頼性)の向上したプリ
ント基板(多層配線基板)の絶縁層を得ることを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】ところで、特開平9−1
76459号公報などには、縮合多環芳香族化合物また
はこれを含む混合物を、架橋剤としての芳香族化合物と
反応させて得られる熱硬化性樹脂が縮合多環多核芳香族
樹脂として記載されている。同公報に記載された縮合多
環多核芳香族樹脂は、安価で耐熱性に優れることからプ
リント配線用の基板の材料として好適に使用される。本
発明者らは、この縮合多環多核芳香族樹脂の優れた耐熱
性に着目し、鋭意検討した結果、縮合多環多核芳香族樹
脂をプリント配線基板の絶縁層用の材料とする本発明に
至った。同公報には、縮合多環多核芳香族樹脂をプリン
ト配線基板の絶縁層用の材料として使用するといったこ
とが開示も示唆もされておらず、この点において本発明
は同公報に記載された発明とは本質的に異なる新規なも
のである。
【0012】すなわち、本発明の第1の側面によれば、
縮合多環芳香族化合物またはこれを含む混合物を、架橋
剤としての芳香族化合物と反応させて得られる熱硬化性
樹脂と、有機溶媒と、非イオン性の無機フィラーと、を
少なくとも含むことを特徴とする、プリント配線基板の
絶縁層用樹脂組成物が提供される。
【0013】上記非イオン性の無機フィラーは、上記熱
硬化性樹脂100重量部に対して、たとえば3〜100
重量部になるようにして含有される、より好ましくは5
〜50重量部とされる。また、上記非イオン性の無機フ
ィラーの粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましく
は3μm以下とされる。
【0014】なお、上記非イオン性の無機フィラーとし
て、シリカフィラー、アルミナフィラー、および窒化ア
ルミニウムフィラーなどが挙げられ、好ましくはこれの
うちの少なくとも1つが上記樹脂組成物に含有される。
【0015】また、本発明の第2の側面によれば、プリ
ント配線基板の表面を覆うようにして形成された絶縁層
であって、本発明の第1の側面に記載したいずれか1つ
の絶縁層用樹脂組成物から形成されていることを特徴と
する、プリント配線基板の絶縁層が提供される。
【0016】好ましい実施の形態においては、表面を化
学的に処理して当該表面における上記無機フィラーを除
去することにより凹凸を形成した後に、無電解めっきを
施すことによって導体層が形成されている。
【0017】好ましい実施の形態においてはさらに、レ
ーザ加工を施すことによって上下に貫通するビアホール
が形成されている。
【0018】また、本発明の第3の側面によれば、プリ
ント配線基板を覆うようにして絶縁層が形成され、かつ
上記プリント配線基板の第1の配線パターンと導通する
ようにして上記絶縁層上に第2の配線パターンがさらに
形成された多層配線基板であって、上記絶縁層は、本発
明の第1の側面に記載したいずれか1つの絶縁層用樹脂
組成物から形成されていることを特徴とする、多層配線
基板が提供される。なお、配線パターンは、必ずしも2
層とする必要はなく、3層以上であってもよい。また、
基板の両面側をそれぞれ多層配線としたものも本発明の
適用範囲である。
【0019】天然の鉱物を粉砕・分級したフィラーを添
加する従来の方法は、薄膜(20μm前後)の絶縁膜に
対し、導体(めっき)密着力や絶縁性を満足することが
できないという点で、また、とくに、炭酸カルシウムフ
ィラーはイオン性物質であり、これを含んだ樹脂組成物
は高温高湿下における絶縁信頼性で問題があった。これ
に対して本発明では、フィラーとして非イオン性の無機
フィラーが採用されており、これによって高温高湿下に
おける絶縁信頼性が高められている。そして、本発明の
絶縁層では、その表面を化学的に処理して凹凸を形成し
た後に、無電解めっきを施すことによって絶縁層の表面
に導体層が形成されることから、絶縁層と導体層の間の
密着性が高められている。すなわち、絶縁層の表面に形
成された凹凸を導体成分によって埋めるようにして絶縁
層の表面がめっきされることから、そのアンカー効果に
よって絶縁層と導体層との間の密着力が向上する。
【0020】また、従来のプリント配線基板の絶縁層用
組成物は、上記したようにエポキシ樹脂をベースとした
樹脂組成物であり、耐熱性に問題があったのは上述した
通りである。これに対して本発明では、熱硬化性樹脂と
して縮合多環芳香族化合物またはこれを含む混合物を、
架橋剤としての芳香族化合物と反応させて得られるもの
が使用されている。この熱硬化性樹脂は、特開平9−1
76459号公報などにも記載されているように耐熱性
に優れることから、本発明の樹脂組成物ひいては絶縁層
は熱に強いものとされる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の多層回路基板を図
1を参照しつつ説明する。なお、図1は、多層配線基板
の要部拡大断面図である。
【0022】図1に示しように、 本発明の多層配線基
板1は、基板2の表面に第1の配線パターン3が形成さ
れ、これを覆うようにして絶縁層4が形成されており、
さらに、この絶縁層4の表面に第2の配線パターン5が
形成されている。そして、絶縁層4の適所にはビアホー
ル40が形成されており、このビアホール40が導体成
分によって埋められて第1の配線パターン3と第2の配
線パターン5が導通されている。
【0023】上記基板2は、絶縁性および耐熱性を有す
る材料、たとえばガラスエポキシ樹脂、セラミックある
いはポリイミド樹脂などによって形成されている。
【0024】上記第1および第2の配線パターン3,5
は、第2の配線パターン4上に実装される各種の電子部
品を駆動させるため回路であり、たとえば銅メッキを
施すなどして形成されている。
【0025】上記絶縁層4は、熱硬化性樹脂と、有機溶
媒と、非イオン性の無機フィラーと、を少なくとも含ん
でいる。
【0026】上記熱可塑性樹脂としては、縮合多環芳香
族化合物またはこれを含む混合物と、架橋剤としての芳
香族化合物とを、たとえば酸触媒の存在下において反応
させて得られるものが使用される。すなわち、特開平9
−176459号公報などにおいて、縮合多環多核芳香
族樹脂として記載されている熱硬化性樹脂が用いられ
る。
【0027】縮合多環芳香族化合物としては、ナフタレ
ン、アセナフテン、フェナントレン、アントラセン、ピ
レンなどの縮合多環炭化水素類、ナフトールおよびその
アルキル置換体などのヒドロキシ含有誘導体などが挙げ
られる。もちろん、例示した縮合多環芳香族化合物を1
種用いても複数種併用してもよい。また、縮合多環芳香
族化合物を含む混合物としては、縮合多環芳香族化合物
と単環芳香族化合物との混合物が挙げられる。単環芳香
族化合物としては、フェノール、アルキルフェノール、
レゾルシンなどのフェノール類やアルキルベンゼンなど
が挙げられる。
【0028】架橋剤としては、少なくとも2個のヒドロ
キシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合
物、すなわちベンゼン、キシレン、ナフタレン、アント
ラセンなどの単環もしくは縮合多環芳香族化合物のヒド
ロキシメチルまたはハロメチル置換誘導体が挙げられ
る。ジヒドロキシメチルベンゼン(キシレングリコー
ル)、ジヒドロキシメチルキシレン、トリヒドロキシメ
チルベンゼン、ジヒドロキシメチルナフタレンなどのヒ
ドロキシメチル化合物が好適に使用される。
【0029】酸触媒としては、スルホン酸、とくに縮合
多環芳香族化合物あるいは架橋剤の少なくとも一方と反
応性があるか、または水不溶性のものが好適に使用され
る。
【0030】有機溶媒としては、塩化メチレン、ジクロ
ロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンなどのエーテル類、イソホロンなど
のケトン類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類など
が使用される。
【0031】非イオン性の無機フィラーとしては、シリ
カフィラー、アルミナフィラー、あるいは窒化アルミニ
ウムフィラーなどが挙げられ、好ましくはこれらのうち
の少なくとも1種が使用される。無機フィラーの含有量
は、熱硬化性樹脂100重量部に対して3〜100重量
部とされる。これは、無機フィラーの含有量が3重量部
以下であると、後述する絶縁層4の表面粗化工程におい
て表面の凹凸を形成しにくく、100重量部以上である
と熱硬化性樹脂との相溶性が悪化するとともに、絶縁層
4が脆化するからである。より良好な結果を得るために
は、無機フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対して5〜50重量部とされる。また、絶縁層4の
表面に所望の凹凸を形成するために、無機フィラーの粒
径は、5μm以下、好ましくは3μm以下とされる。
【0032】さらに、必要に応じて種々の添加物、たと
えばフタロシアニンなどの着色顔料、シリコーンおよび
フッ素系化合物からなる消泡剤、レベリング剤、酸化防
止剤などを添加してもよい。
【0033】上記した構成の多層配線基板1は、たとえ
ば以下のようにして製造される。
【0034】まず、ガラスエポキシ樹脂製などの基板2
上に無電解めっきによって銅などの金属被膜を形成した
後に、この金属被膜上に電解めっきによりさらに銅被膜
を成長させて導体層を形成する。そして、この導体層を
エッチング処理して所望の第1の配線パターン3を形成
する。
【0035】次に、基板2および第1の配線パターン3
を覆うようにして絶縁層4を形成する。この絶縁層4
は、熱硬化性樹脂を有機溶媒に溶解させ、これに非イオ
ン性の無機フィラーを分散させた絶縁性樹脂組成物を基
板2および第1の配線パターン3を覆うようにして塗布
して絶縁被膜を形成し、これを加熱乾燥、加熱硬化させ
ることによって形成される。樹脂組成物の塗布には、ス
クリーン印刷、カーテンコート、ロールコートあるいは
スピンコートなどの方法が採用される。このとき、絶縁
被膜の厚みは、たとえば20μmとされる。加熱乾燥
は、たとえば100〜150℃で行われ、加熱硬化は、
たとえば150〜250℃で行われる。
【0036】続いて、絶縁層4の適部に、すなわち第1
の配線パターン3と第2の配線パターン5を導通すべき
箇所にビアホール40を形成する。このビアホール40
は、たとえば炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UV−
YAGレーザ、YAGレーザなどを用いたレーザ加工機
によって形成される。
【0037】そして、過マンガン酸水溶液などのアルカ
リ性水溶液によって絶縁層4の表面を処理する。このと
き、絶縁層4の表面から無機フィラーが分離し、これに
よって絶縁層4の表面に微細な凹凸が形成される。
【0038】次に、第2の配線パターン5を形成する。
この第2の配線パターン5は、第1の配線パターン3と
同様にして形成される。すなわち、絶縁層4の表面に無
電解めっきによって銅などの金属被膜を形成した後に、
さらに電解メッキによって金属被膜を成長させて導体層
を形成する。このとき、ビアホール40内にも導体層が
形成され、無機フィラーが分離することによって形成さ
れた凹凸にも導体層が形成される。そして、この導体層
をエッチング処理することによって、第1の配線パター
ンと所望の部位において導通した第2の配線パターン5
が形成される。このようにして形成された第2の配線パ
ターン5では、絶縁層5の表面に凹凸が形成され、この
凹凸にまで導体層が形成されていることから、そのアン
カー効果によって第2の配線パターン5の絶縁層4に対
する密着性が高められている。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明の技術的な範囲は以下の実施例に限定
されるものではない。なお、熱硬化性樹脂(縮合多環多
核芳香族化合物)として、住金化工(株)製SKレジン
(SKR−NM)(以下、「SKレジン」という)を使
用した。この樹脂は、原料物質としてのナフタレンと架
橋剤としてのパラキシレングリコールとを、架橋剤のヒ
ドロメチル基と反応性のあるβ−ナフタレンスルホン酸
触媒の存在下で反応させて得た、Bステージ状態の褐色
透明な樹脂である。
【0040】〔実施例1〕 SKレンジ50gを有機溶媒としてのイソホロン50g
に溶解し、シリカフィラー(平均粒径2μm)8gを混
合して樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を前処理
を施した両面銅張りのガラス布基材BTレジン樹脂積層
プリント基板(100×100mm)上に20μmの厚
さに塗布し、140℃で30分間加熱乾燥した後に、2
00℃で60分間さらに加熱して絶縁層を形成した。次
に、60℃に保たれた前処理剤(シプレー製、コンディ
ショナー211)、70℃、pH=11に保たれた酸化
剤(シプレー製、プロモーター213)、60℃に保た
れた中和剤(シプレー製、ニュートライザー216−
4)に順次10分間ずつ浸漬した。これによって、絶縁
層の表層にあるシリカフィラーを除去されて絶縁層の表
面に微細な凹凸が形成された。続いて、無電解銅めっき
を施し、さらに電解銅めっきを施して絶縁層上に導体層
を形成した後に、180℃で60分間アニール処理を行
った。このようにして得られたプリント基板について、
導体層と絶縁層の密着性を確認すべくピール強度を測定
したところ、0.7kg/cmと高い値が得られた。
【0041】〔実施例2〕実施例1と同様に調整した組
成物を厚さ0.5mmのアルミニウム板(100×10
0mm)上に40μmの厚さに塗布し、次いで、140
℃で30分間加熱乾燥し、さらに200℃で60分間加
熱した。この試料を希塩酸に浸漬し、基材であるアルミ
ニウム板を溶解させ、フィイルム状の絶縁膜を作製し
た。この絶縁膜について、熱分解温度およびガラス転移
温度を測定したところ、TGA(Thermogravametric An
alysis)での5wt%重量減少温度は370℃であり、
TMA(Thermomechanical Analysis )およびDMA
(Dynamic Mechanical Analysis)でのガラス転移温度
はそれぞれ190℃および220℃であった。
【0042】〔実施例3〕実施例1と同様にして調整し
た組成物の絶縁層上に、実施例1と同様にして厚さ8μ
mの銅の導体層を形成した。次に、ネガ型のレジストを
用いてレジストのパターン(L/S=60/60μmの
櫛歯パターン)を形成した。このレジストパターンに従
って、エッチングで配線を形成した。その後、配線の表
面に前処理を施した後に、実施例1と同様に調整した組
成物を厚さ20μmに塗布し、次いで140℃で30分
間加熱乾燥し、さらに200℃で60分間加熱した。こ
の基板を120℃、相対湿度85%の雰囲気下で20V
の直流電圧を印加して高温高湿バイアス試験を行った。
この結果、50時間後においても、外観不良および配線
の腐食は確認されず、絶縁抵抗も109 Ω以上であっ
た。
【0043】〔実施例4〕実施例1において、シリカフ
ィラーに代えて、アルミナフィラー(平均粒径1μm)
10gと窒化アルミニウムフィラー(平均粒径2μm)
5gとを混合して、樹脂組成物を調整した。これを実施
例1と同様にしてアルカリ溶液処理したところ、絶縁層
の表面に微細な凹凸が形成された。
【0044】〔実施例5〕実施例1において、シリカフ
ィラーに代えて、水酸化マグネシウムフィラー(平均粒
径3μm)10gと窒化アルミナフィラー(平均粒径2
μm)3gとを混合して、樹脂組成物を調整した。これ
を実施例1と同様にしてアルカリ溶液処理したところ、
絶縁層の表面に微細な凹凸が形成された。このため、本
実施例の構成においても、そのアンカー効果によって絶
縁層と導体層との間の密着性が向上することが期待でき
る。
【0045】〔比較例1〕SKレンジ50gをイソホロ
ン50gに溶解し、炭酸カルシウムフィラー(平均粒径
5μm)8gを混合して樹脂組成物を調整した。実施例
3と同様に、櫛歯電極を形成し、上下をこの樹脂組成物
の絶縁層で挟んで高温高湿バイアス試験を行った。その
結果、絶縁抵抗が20時間後に105 Ω以下となり、絶
縁不良となった。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のプリン
ト配線基板(多層配線基板)の絶縁層用の樹脂組成物に
おいては、無機フィラーとして非イオン性のものが用い
られていることから、高温高湿における絶縁性が良好に
確保されている。また、絶縁層の表層から無機フィラー
を脱離させることによって絶縁層の表面に凹凸を形成し
た後に導体層(第2の配線パターン)を形成することに
よって導体層(第2の配線パターン)と絶縁層との間の
密着力が良好に確保されている。さらに、樹脂組成物に
熱硬化性樹脂として、いわゆる縮合多環多核芳香族が含
まされていることから、上記樹脂組成物を用いて形成さ
れた絶縁層は耐熱性に優れたものとされる。
【0047】したがって、本発明の樹脂組成物は、プリ
ント配線基板(多層配線基板)の絶縁層を形成する材料
として良好に用いることができ、またこの樹脂組成物に
よって形成された絶縁層は、耐熱性に優れ、導体(第2
の配線パターン)と密着性に優れたものとされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の要部を拡大した断面図
である。
【符号の説明】 1 多層配線基板 2 基板 3 第1の配線パターン 4 絶縁層 5 第2の配線パターン 40 ビアホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/18 H05K 3/18 E 3/46 3/46 T (56)参考文献 特開 平6−224525(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00 - 65/04 H01B 3/30 H05K 3/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環芳香族化合物またはこれを含む
    混合物を、架橋剤としての芳香族化合物と反応させて得
    られる熱硬化性樹脂と、有機溶媒と、非イオン性の無機
    フィラーと、を少なくとも含み、上記非イオン性の無機
    フィラーは、シリカフィラー、アルミナフィラー、およ
    び窒化アルミニウムフィラーよりなる群から少なくとも
    1つが選択され、その粒径が5μm以下であることを特
    徴とする、プリント配線基板に対するビルドアップ用の
    絶縁層用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記非イオン性の無機フィラーの含有量
    が、上記熱硬化性樹脂100重量部に対して、3〜10
    0重量部である、請求項1に記載のプリント配線基板に
    対するビルドアップ用の絶縁層用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 第1の配線パターンが形成されたプリン
    ト配線基板と、このプリント配線基板を覆うように形成
    されたビルドアップ用の絶縁層と、この絶縁層上に形成
    された第2の配線パターンと、を含む多層配線基板であ
    って、 上記ビルドアップ用の絶縁層は、縮合多環芳香族化合物
    またはこれを含む混合物を、架橋剤としての芳香族化合
    物と反応させて得られる熱硬化性樹脂と、有機溶媒と、
    非イオン性の無機フィラーと、を少なくとも含む樹脂組
    成物から形成されたものであり、上記非イオン性の無機
    フィラーは、シリカフィラー、アルミナフィラー、およ
    び窒化アルミニウムフィラーよりなる群から少なくとも
    1つが選択され、その粒径が5μm以下であり、 上記第2の配線パターンは、上記ビルドアップ用の絶縁
    層に形成したビアホールを介して上記第1の配線パター
    ンと導通していることを特徴とする、多層配線基板。
  4. 【請求項4】 上記第2の配線パターンは、上記ビルド
    アップ用の絶縁層の表面を化学的に処理して当該表面に
    おける上記無機フィラーを除去することにより凹凸を形
    成した後に、無電解めっきを施し、さらに電解めっきを
    施すことによって形成された導体層をエッチングして形
    成されたものである、請求項3に記載の多層配線基板。
  5. 【請求項5】 上記ビアホールは、上記ビルドアップ用
    の絶縁層にレーザ加工を施すことによって形成されたも
    のである、請求項3または4に記載の多層配線基板。
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