JP3312020B2 - 鋼板材吊り具 - Google Patents

鋼板材吊り具

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JP3312020B2 JP2000052529A JP2000052529A JP3312020B2 JP 3312020 B2 JP3312020 B2 JP 3312020B2 JP 2000052529 A JP2000052529 A JP 2000052529A JP 2000052529 A JP2000052529 A JP 2000052529A JP 3312020 B2 JP3312020 B2 JP 3312020B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板材吊り具に関
し、詳しくは、建築横梁、山留主材、切梁、腹起し、セ
グメントなどを吊り下げるための鋼板材吊り具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、土木工事や建築工事などにお
いて、たとえば、H鋼などの横梁を吊り上げる時には、
複数のクランプを用いて、そのクランプによって横梁を
バランスよく挟持するとともに、各クランプに、クレー
ンからのワイヤーなどを取り付けて、そのクレーンによ
って、横梁を吊り上げるようにしている。
【0003】しかるに、クランプにより横梁を挟持する
時には、横梁にしっかりと固定する必要があることか
ら、横梁に傷が付き易く、また、しっかりと固定して
も、吊り上げ時に滑ってしまう場合もあり、安定かつ円
滑な作業を確保できない場合もある。
【0004】そのため、例えば、特開平6−13567
9号公報や特開平6−72688号公報には、横梁を単
に挟持するのではなく、ボルトを挿通するために横梁に
予め穿孔されている穴を利用して、この穴に挿通固定す
るような吊り具が提案されている。すなわち、特開平6
−135679号公報に記載されるクランプは、図11
に示されるように、穴に挿通するための本体部分1と、
この本体部分1の小径円柱部分2に対して、水平方向に
旋回可能に取り付けられるナット部材3と、ナット部材
3の旋回を規制するストッパ部材4とを備えている。こ
のクランプでは、横梁10の穴に本体部分1を挿通させ
るとともに、その挿通後に、ナット部材3を小径円柱部
分2に対して水平方向に旋回させるようにして取り付け
て、さらに、取り付けたナット部材3の旋回をストッパ
部材4によって規制することにより、クランプを横梁1
0に固定させ、これによって、吊り上げ作業を行ない、
作業終了後は、ストッパ部材4を取り外して、ナット部
材3を小径円柱部分2から取り外した後、本体部分1を
引き抜くことにより、横梁10からクランプを取り外す
ようにしている。
【0005】また、特開平6−72688号公報に記載
されるクランプは、図12に示されるように、吊り手部
分5、フランジ部分6、穴に挿通するための本体部分7
を備えており、本体部分7には、つめ部材8が、ハンド
ル部材9の操作よって進退可能に設けられている。この
クランプでは、横梁10の穴に本体部分7を挿通させる
とともに、その挿通後に、つめ部材8を突出させて、つ
め部材8とフランジ部分6との間で、クランプを横梁1
0に固定させ、これによって、吊り上げ作業を行ない、
作業終了後は、ハンドル部材9の操作よってつめ部材8
を退避させた後、本体部分7を引き抜くことにより、横
梁10からクランプを取り外すようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−1
35679号公報に記載されるクランプは、その取り付
けにおいて、本体部分1を横梁10の穴に挿通させた後
に、その裏側から手を入れて、ナット部材3を小径円柱
部分2に対して水平方向に旋回させるようにして取り付
けて、さらに、取り付けたナット部材3の旋回をストッ
パ部材4によって規制しなければならず、また、その取
り外しにおいても、その裏側から手を入れて、ストッパ
部材4を取り外して、ナット部材3を小径円柱部分2か
ら取り外した後、本体部分1を引き抜かなければなら
ず、実際の作業においては、手が入りずらく、かなり煩
雑となり、正確かつ確実な作業を確保しにくいという不
具合がある。
【0007】一方、特開平6−72688号公報に記載
されるクランプでは、裏側から手を入れずに作業するこ
とができるが、本体部分7に進退可能に設けられるつめ
部材8は、本体部分7とは別部材であり、耐力が弱く、
通常使用される横梁10などの鋼板材を、吊り上げるこ
とができないという不具合がある。
【0008】本発明は、このような不具合に鑑みなされ
たものであり、その目的とするところは、簡易な構成に
よって、挿入方向に対する裏側での作業を不要とし、か
つ、耐力を有し、重量のある鋼板材であっても、良好に
吊り上げることのできる、鋼板材吊り具を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、鋼板材吊り具であって、
吊り具本体と、この吊り具本体に対して移動可能なスラ
イド部材とを備え、前記吊り具本体は、吊り上げ装置に
より吊り上げるための吊り部と、前記吊り部から突出形
成され、鋼板材の穴に挿入するための挿入部とを有し、
前記挿入部は、長手方向に延び、その先端部が、中間部
よりも太く形成されており、前記スライド部材は、前記
吊り具本体に、前記挿入部の長手方向に対してスライド
可能に支持されるとともに、その先端部から、長手方向
に沿って、その厚みが、順次、厚くなるように形成され
ており、前記挿入部を前記鋼板材の穴に挿入するととも
に、前記スライド部材を、前記挿入部に対して挿入方向
にスライドさせて、前記鋼板材の穴に挿入することによ
り、この挿入部とスライド部材とで、前記挿入部の先端
部が前記鋼板材の穴から抜けないロック状態として、吊
り作業を可能とし、前記スライド部材を、前記挿入部に
対して引き抜き方向にスライドさせることにより、前記
鋼板材の穴から前記スライド部材を引き抜いてロック解
除状態とした後、前記挿入部を前記鋼板材の穴から引き
抜くことにより、取り外すことができるように構成され
ていることを特徴としている。
【0010】このような構成によると、挿入部を鋼板材
の穴に挿入するとともに、スライド部材を鋼板材の穴に
挿入することにより、この挿入部とスライド部材とで、
挿入部の先端部が鋼板材の穴から抜けないロック状態と
される。つまり、挿入部の先端部は、その中間部よりも
太く形成されているので、鋼板材の穴にスライド部材が
挿入されることにより、この挿入部の先端部が、その穴
から抜けないようにされた状態においては、鋼板材吊り
具が、鋼板材の穴から抜けることなく、確実に固定され
る。
【0011】一方、スライド部材を、鋼板材の穴から引
き抜いてロック解除状態とした後には、鋼板材の穴に
は、そのスライド部材が引き抜かれた分の隙間があるの
で、たとえ、挿入部の先端部が太く形成されていても、
その挿入部を鋼板材の穴から引き抜くことができ、鋼板
材吊り具を、鋼板材の穴から容易に取り外すことができ
る。
【0012】そして、この鋼板材吊り具では、挿入部を
鋼板材の穴に挿入するとともに、その挿入方向にスライ
ド部材をスライドさせることにより固定することがで
き、また、引き抜き方向にスライド部材をスライドさせ
た後、挿入部を鋼板材の穴から引き抜くことにより取り
外すことができる、つまり、鋼板材の穴の裏側から作業
することなく、固定および取り外しすることができるの
で、迅速に、正確かつ確実な作業を確保することができ
る。
【0013】また、固定している状態では、挿入部の太
い先端部が、鋼板材の穴から抜けないようにされている
ことから、耐力が強く、重量のある鋼板材であっても、
良好に吊り上げることできる。
【0014】
【0015】しかも、このような構成によると、スライ
ド部材は、先端部から、その厚みが、長手方向に沿っ
て、順次、厚くなるように形成されているので、鋼板材
の穴がより小さい場合には、スライド部材のより先端側
を鋼板材の穴に挿入することにより、挿入部とスライド
部材とで、鋼板材の穴をほぼ塞ぐことができ、また、鋼
板材の穴がより大きい場合には、スライド部材のより後
側までを鋼板材の穴に挿入することにより、挿入部とス
ライド部材とで、鋼板材の穴をほぼ塞ぐことができる。
そのため、スライド部材を適宜の位置まで挿入すること
により、鋼板材の穴の大きさに対応させて、その穴を塞
ぐことができる。したがって、穴の大きさが異なる種々
の鋼板材に対応して、良好に固定して吊り作業すること
ができる。
【0016】また、請求項に記載の発明は、請求項
に記載の発明において、前記スライド部材を前記吊り具
本体に固定するための、ストッパ部材が設けられている
ことを特徴としている。
【0017】このような構成によると、挿入部を鋼板材
の穴に挿入するとともに、スライド部材を鋼板材の穴に
挿入してロック状態とする時に、このストッパ部材によ
り、スライド部材を吊り具本体に固定すれば、鋼板材吊
り具を、鋼板材に対して確実に固定することができる。
【0018】また、請求項に記載の発明は、請求項
または2に記載の発明において、前記吊り部には、前記
挿入部の先端部との間の間隔を調節するための位置決め
部材が設けられていることを特徴としている。
【0019】このような構成によると、位置決め部材に
よって、挿入部の先端部との間の間隔を調節することが
できるので、鋼板材の厚みに応じて、適宜、この位置決
め部材を調節することにより、種々の厚みの鋼板材に対
しても、安定して固定することができる。そのため、鋼
板材に対してがたつきなく固定することができるので、
たとえば、吊り作業中において、横引きになったとして
も、安定した作業を確保することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の鋼板材吊り具の
一実施形態を示す正断面図、図2は、その上面図、図3
は、その側面図である。
【0021】図1において、この鋼板材吊り具11は、
吊り具本体12と、この吊り具本体12に対して移動可
能なスライド部材13とを備えている。
【0022】吊り具本体12は、クレーンなどの吊り上
げ装置により、吊り上げるための吊り部14と、吊り部
14から突出形成され、鋼板材15(図5参照)の穴1
6(図5参照)に挿入するための挿入部17とを有して
いる。
【0023】吊り部14は、略矩形状をなし、その上部
の一端側には、上方に向かって矩形状に膨出する上側係
止部18が形成されるとともに、その下部には、上向き
に凹む段部が形成されている。この段部に形成される凹
んだ下面19には、位置決め部材としての位置決めボル
ト37が螺着されている。すなわち、この位置決めボル
ト37は、その下面19から上方に向かって形成される
ねじ孔38に螺着されており、その頭部39は、螺退時
には、後述する挿入部17の先端部21と水平方向にお
いて略同じ位置まで螺退でき、また、螺進時には、段部
に収納されて吊り部14の下面40と面一となるまで螺
進できるように形成されている。
【0024】また、その略中央部には、吊り上げ装置か
らのシャックル、カップリングまたはワイヤー(図8参
照)などを挿通するための吊り穴20が形成されてい
る。
【0025】また、挿入部17は、吊り部14と一体に
形成され、その下部一側端部から、下方に向かって長手
方向に延び、その先端部21が、中間部22よりも太く
形成されている。先端部21は、一定の長さの断面略円
柱状をなし、中間部22から、内側に膨出するように形
成されている。すなわち、中間部22は、断面略楕球状
をなし、その内側外周面23が、後述するスライド部材
13の外周面24とで断面略円形を形成し得るように形
成されており、また、その外側外周面25が、先端部2
1の外周面26と面一となように形成されている。
【0026】さらに、この外側外周面25が連続する吊
り部14の一側端部27は、外側外周面25と面一なる
ように、略円弧状に形成されており、これによって、吊
り具本体12の一側端部28(吊り部14の一側端部2
7、中間部22の外側外周面25および先端部21の外
周面)が、同一かつ面一の円弧状となるようにされてい
る。
【0027】そして、スライド部材13は、この吊り具
本体12の一側端部28に、スライド可能に支持されて
いる。すなわち、このスライド部材13は、挿入部17
と同方向に延びる略矩形状をなし、吊り具本体12の一
側端部28と当接する裏面が、その一側端部28と同一
の円弧状として形成されており、また、その反対側の表
面、つまり、外周面24が、前述したように、中間部2
2の内側外周面23とで断面略円形を形成し得る円弧状
として形成されている。
【0028】また、このスライド部材13には、その幅
方向中央部において、長手方向に沿う長溝29が形成さ
れており、一方、吊り具本体12の一側端部28の長手
方向略中間部には、この長溝29に嵌合されるガイドボ
ルト30が取り付けられている。これによって、スライ
ド部材13は、このガイドボルト30に案内されつつ、
吊り具本体12の一側端部28において、上下方向にス
ライド移動される。
【0029】また、このスライド部材13の後端部に
は、側方に向かって矩形状に膨出するストッパ部31が
形成されるとともに、このストッパ部31には、その膨
出方向に貫通状のねじ孔32が形成されている。そし
て、このねじ孔32に、ストッパ部材としてのストッパ
ねじ33を螺着させるとともに、吊り具本体12の一側
端部28に対して締め付けることで、スライド部材13
を吊り具本体12に固定すれば、後述する吊り作業にお
いて、鋼板材吊り具11を、鋼板材15に対して確実に
固定することができる。したがって、確実かつ安全な吊
り作業を行なうことができる。
【0030】また、このスライド部材13は、その先端
部から後端部に向かって、長手方向に沿って、その厚み
が、順次、厚くなるように形成されている。すなわち、
スライド部材13の先端部には、複数の段部が形成され
ており、その先端から後端に向かって、それぞれ厚みが
厚くなる、第1外周面34、第2外周面35、第3外周
面36が形成されている。これによって、後述する吊り
作業において、挿入部17の中間部22とスライド部材
13とが重ね合わされた時、たとえば、中間部22と第
1外周面34とが重ね合わされた場合、中間部22と第
2外周面35とが重ね合わされた場合、中間部22と第
3外周面36とが重ね合わされた場合のそれぞれについ
て、順次、その径が太くなるようになる。
【0031】次に、この鋼板材吊り具11を用いて、鋼
板材15を吊り上げる作業について説明する。
【0032】まず、この鋼板材吊り具11を使用する前
には、図4に示すように、吊り具本体12に対して、ス
ライド部材13を上方に引き上げた状態で、ストッパね
じ33を締め付けて、このストッパねじ33を吊り部1
4の上側係止部18の上面に当接させることにより、こ
の状態を保持させておく。
【0033】次いで、この鋼板材吊り具11を、鋼板材
15に固定する時には、図5に示すように、挿入部17
を、その先端部21から鋼板材15の穴16に挿入する
とともに、ストッパねじ33を緩めて、スライド部材1
3を吊り具本体12の一側端部28に対して挿入方向に
スライドさせることにより、鋼板材15の穴16に挿入
する。そうすると、図6に示すように、挿入部17とス
ライド部材13とで、挿入部17の先端部21が鋼板材
15の穴16から抜けないロック状態が形成される。つ
まり、挿入部17の先端部21は、その中間部22より
も太く形成されているので、鋼板材15の穴16にスラ
イド部材13が挿入されることにより、穴16が、その
分、塞がり、挿入部17の先端部21の内側上面41
が、穴16の裏側の外周面に引っかかる状態となって、
その結果、鋼板材吊り具11が、鋼板材15の穴16か
ら抜けないようになる。そのため、このスライド部材1
3の穴16への挿入により、鋼板材吊り具11を鋼板材
15に確実に固定することができる。
【0034】また、この固定においては、その時に固定
する鋼板材15の穴16の径に対応させるべく、このス
ライド部材13を、穴16が塞がるまで挿入すればよ
い。すなわち、スライド部材13には、第1外周面3
4、第2外周面35、第3外周面36が形成されてお
り、スライド部材13をいずれの位置まで挿入するかに
よって、中間部22とスライド部材13とが重ね合わさ
れた時の径の太さを変化させることができるので、スラ
イド部材13を穴16が塞がるまで挿入すれば、そのま
ま、鋼板材15の穴16の径に対応した太さで挿入する
ことができる。これによって、穴16に対して挿入部1
7をがたつかせることなく、良好に固定することができ
る。なお、図6においては、スライド部材13は、穴1
6に対して第3外周面36まで挿入されている。
【0035】また、挿入部17に、それぞれ厚みが厚く
なる、第1外周面34、第2外周面35、第3外周面3
6を形成しておくことによって、穴16の径がそれぞれ
異なる鋼板材15(この場合には3種類)に対応させる
ことができ、鋼板材吊り具11の、広い範囲での使用を
確保することができる。
【0036】そして、スライド部材13を穴16が塞が
るまで挿入した後、再び、ストッパねじ33を、吊り具
本体12の一側端部28に対して締め付けることで、ス
ライド部材13を吊り具本体12に固定する。これによ
って、鋼板材吊り具11は、鋼板材15に対して確実に
固定される。
【0037】また、この固定作業においては、たとえ
ば、図7に示すように、位置決めボルト37を螺退させ
て、その頭部39を鋼板材15に当接させるようにする
ことが好ましい。すなわち、鋼板材吊り具11を鋼板材
15に固定する時には、鋼板材15における穴16の上
下の外周面を、吊り部14の下面40と挿入部17の先
端部21の内側上面41との間で挟むようにしている
が、吊り部14の下面40と先端部21の内側上面41
との間が、鋼板材15に対して広い場合には、固定後に
がたつきを生じる場合がある。
【0038】そのため、この位置決めボルト37を、吊
り具本体12に対して螺退および螺進させることにより
鋼板材15の厚みに合わせて調節し、その鋼板材15に
おける穴16の上側の外周面に当接させておくことによ
り、その鋼板材15における穴16の上下の外周面を、
位置決めボルト37の頭部39と先端部21の内側上面
41との間で挟むようにして固定することにより、種々
の厚みの鋼板材15に対しても、安定して固定すること
ができる。そのため、鋼板材15に対してがたつきなく
固定することができるので、たとえば、吊り上げ作業中
において、横引きになったとしても、安定した作業を確
保することができる。
【0039】そして、このようにして固定した後には、
図6および図7に示すように、吊り穴20に、クレーン
などの吊り上げ装置からのシャックル、カップリングま
たはワイヤー42を挿通固定した後、図8に示すように
吊り上げて、鋼板材15を所定の場所に設置する。な
お、図8では、鋼板材15は、H鋼からなる横梁として
例示されている。
【0040】鋼板材15の吊り上げ作業が終了した後
は、まず、ストッパねじ33を緩めて、図9に示すよう
に、スライド部材13を吊り具本体12の一側端部28
に対して引き抜き方向にスライドさせることにより、鋼
板材15の穴16から引き抜いてロック解除状態とす
る。そうすると、鋼板材15の穴16には、そのスライ
ド部材13が引き抜かれた分の隙間ができるので、次い
で、図10に示すように、挿入部17を、その先端部2
1とともに、鋼板材15の穴16から引き抜くことによ
り、鋼板材吊り具11を、鋼板材15の穴16から容易
に取り外すことができる。
【0041】このような鋼板材吊り具11では、挿入部
17を鋼板材15の穴16に挿入するとともに、その挿
入方向にスライド部材13をスライドさせることにより
固定することができ、また、引き抜き方向にスライド部
材13をスライドさせた後、挿入部17を鋼板材15の
穴16から引き抜くことにより取り外すことができる、
つまり、鋼板材15の穴16の裏側から作業することな
く、固定および取り外しすることができるので、迅速
に、正確かつ確実な作業を確保することができる。ま
た、固定している状態では、吊り具本体12と一体の挿
入部17の太い先端部21が、鋼板材15の穴16から
抜けないようにされていることから、耐力が強く、重量
のある鋼板材15であっても、良好に吊り上げることの
できる。
【0042】なお、本実施形態の鋼板材吊り具11で
は、たとえば、1トン以上、より具体的には、1〜3ト
ン程度の鋼板材15を吊り上げることができる。また、
本実施形態の鋼板材吊り具11では、スライド部材13
に、第1外周面34、第2外周面35、第3外周面36
を形成して、中間部22とスライド部材13とが重ね合
わされた時の径の太さを調節して、穴16の径がそれぞ
れ異なる鋼板材15に対応し得るように構成している
が、より具体的には、たとえば、第1外周面34、第2
外周面35、第3外周面36の厚さを、それぞれ1mm
ずつ厚くして、穴16の径が1mmずつ異なる3種類の
鋼板材15に対応できるように構成されるとともに、表
1に示すように、挿入部17の中間部22の外径および
先端部21の外径が異なる吊り具本体12を複数用意す
ることで、より適用範囲を広くすることができる。
【0043】
【表1】
【0044】また、本実施形態では、スライド部材13
に、第1外周面34、第2外周面35、第3外周面36
を形成して、3種類の穴16に対応できるようにしてい
るが、厚みの異なる外周面をそれ以上多くして、3種類
以上の穴16に対応できるように構成してもよく、ま
た、厚みの異なる外周面をそれ以下として、3種類未満
の穴16に対応できるように構成してもよい。また、厚
みの異なる外周面を多段で形成するのではなく、その先
端部から後端部に向けて、長手方向に沿って、順次厚く
なるようなテーパ状に形成してもよい。
【0045】また、以上に述べた鋼板材15としては、
より具体的には、建築横梁、山留主材、切梁、腹起し、
セグメントなどが例示される。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、鋼板材の穴の裏側から作業することなく、
固定および取り外しすることができるので、迅速に、正
確かつ確実な作業を確保することができる。また、固定
している状態では、挿入部の太い先端部が、鋼板材の穴
から抜けないようにされていることから、耐力が強く、
重量のある鋼板材であっても、良好に吊り上げること
できる。
【0047】しかも、スライド部材を適宜の位置まで挿
入することにより、鋼板材の穴の大きさに対応させて、
その穴を塞ぐことができる。したがって、穴の大きさが
異なる種々の鋼板材に対応して、良好に固定して吊り作
業することができる。
【0048】請求項に記載の発明によれば、ストッパ
部材により、スライド部材を吊り具本体に固定すれば、
鋼板材吊り具を、鋼板材に対して確実に固定することが
できる。したがって、より一層、確実かつ安全な吊り作
業を行なうことができる。
【0049】請求項に記載の発明によれば、位置決め
部材を調節することにより、種々の厚みの鋼板材に対し
ても、安定して固定することができる。そのため、鋼板
材に対してがたつきなく固定することができるので、た
とえば、吊り作業中において、横引きになったとして
も、安定した作業を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼板材吊り具の一実施形態を示す正断
面図である。
【図2】図1に示す鋼板材吊り具の上面図である。
【図3】図1に示す鋼板材吊り具の側面図である。
【図4】図1に示す鋼板材吊り具の使用前の状態を示す
図である。
【図5】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図で
あって、鋼板材の穴に挿入部を挿入する状態を示す図で
ある。
【図6】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図で
あって、挿入部とスライド部材とで、挿入部の先端部が
鋼板材の穴から抜けないロック状態を形成している図で
ある。
【図7】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図で
あって、位置決めボルトを鋼板材の厚みに合わせて調節
して、鋼板材吊り具を鋼板材に固定している状態を示す
図である。
【図8】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図で
あって、吊り上げ装置によって鋼板材を吊り上げている
状態を示す図である。
【図9】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図で
あって、スライド部材を鋼板材の穴から引き抜いてロッ
ク解除した状態を示す図である。
【図10】図1に示す鋼板材吊り具の使用状態を示す図
であって、挿入部を鋼板材の穴から引き抜いた状態を示
す図である。
【図11】従来の吊り具を示す側面図である。
【図12】従来の吊り具を示す側面図である。
【符号の説明】
11 鋼板材吊り具 12 吊り具本体 13 スライド部材 14 吊り部 15 鋼板材 16 穴 17 挿入部 21 先端部 22 中間部 34 第1外周面 35 第2外周面 36 第3外周面 33 ストッパねじ 37 位置決めボルト
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−49473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 1/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊り具本体と、この吊り具本体に対して
    移動可能なスライド部材とを備え、 前記吊り具本体は、吊り上げ装置により吊り上げるため
    の吊り部と、前記吊り部から突出形成され、鋼板材の穴
    に挿入するための挿入部とを有し、前記挿入部は、長手
    方向に延び、その先端部が、中間部よりも太く形成され
    ており、 前記スライド部材は、前記吊り具本体に、前記挿入部の
    長手方向に対してスライド可能に支持されるとともに、
    その先端部から、長手方向に沿って、その厚みが、順
    次、厚くなるように形成されており、 前記挿入部を前記鋼板材の穴に挿入するとともに、前記
    スライド部材を、前記挿入部に対して挿入方向にスライ
    ドさせて、前記鋼板材の穴に挿入することにより、この
    挿入部とスライド部材とで、前記挿入部の先端部が前記
    鋼板材の穴から抜けないロック状態として、吊り作業を
    可能とし、 前記スライド部材を、前記挿入部に対して引き抜き方向
    にスライドさせることにより、前記鋼板材の穴から前記
    スライド部材を引き抜いてロック解除状態とした後、前
    記挿入部を前記鋼板材の穴から引き抜くことにより、取
    り外すことができるように構成されていることを特徴と
    する、鋼板材吊り具。
  2. 【請求項2】 前記スライド部材を前記吊り具本体に固
    定するための、ストッパ部材が設けられていることを特
    徴とする、請求項に記載の鋼板材吊り具。
  3. 【請求項3】 前記吊り部には、前記挿入部の先端部と
    の間の間隔を調節するための位置決め部材が設けられて
    いることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼板
    材吊り具。
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