JP3311933B2 - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその製造方法

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JP3311933B2
JP3311933B2 JP17319496A JP17319496A JP3311933B2 JP 3311933 B2 JP3311933 B2 JP 3311933B2 JP 17319496 A JP17319496 A JP 17319496A JP 17319496 A JP17319496 A JP 17319496A JP 3311933 B2 JP3311933 B2 JP 3311933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に、従来のハーメチックシールの半
導体レーザ装置の一例を示す。
【0003】この半導体レーザ装置60は、円盤状をし
た金属製のステム61と一体になったヒートシンク62
上に、半導体レーザ素子63と、外部からの変調光を受
光する光信号受光素子64とが実装されている。
【0004】半導体レーザ素子63及び光信号受光素子
64は、ステム61を貫通する各端子67に、ボンディ
ングワイヤ68によって電気的に接続されている。
【0005】また、ステム61上には、半導体レーザ素
子63等を覆うキャップ69が取り付けられている。キ
ャップ69の上面には、半導体レーザ素子63から出射
されるレーザ光が通過するように、開口部69aが設け
られており、この開口部69aを覆うようにしてキャッ
プ69内面にガラス板71が取り付けられている。ま
た、キャップ69の上面には、開口部69aを覆うよう
にしてホログラム素子70が取り付けられている。
【0006】このような構造の半導体レーザ装置60に
おいては、キャップ69にホログラム素子70などの光
学部品を取り付ける場合、先にキャップ69をステム6
1に電気溶接で固定してから、キャップ69の開口部6
9a周辺に紫外線硬化樹脂(UV樹脂)72を塗布し、
この上にホログラム素子70を載置して微動させること
により光軸調整を行い、最後に、予め塗布しておいた紫
外線硬化樹脂72を硬化させてホログラム素子70をキ
ャップ69に固定するようになっている。
【0007】しかしながら、このような光軸調整の方法
では、ホログラム素子70を動かすために、開口部69
aの周辺に塗布した紫外線硬化樹脂72が光線の通路と
なる光学面上にはみ出し、ピックアップとしての特性を
低下させてしまうといった問題があった。そこで、紫外
線硬化樹脂72のはみ出しを少なくするために、紫外線
硬化樹脂72の塗布量を少なくすると、今度は接着強度
が低下してしまうといった問題を生じる。
【0008】ところで、最近では低価格化のために、ス
テム61、キャップ69及びホログラム素子70を含む
パッケージ全体をプラスチックで作製する傾向にあり、
その中には、キャップ69とホログラム素子70とを一
体化したものがある。
【0009】そして、キャップ69とホログラム素子7
0とを一体化した場合には、ステム61上で光軸調整を
行う必要が出てくる。
【0010】この場合、材質がプラスチックであること
から、キャップ69とステム61との接合に電気溶接を
使うことができない。仮に、材質が金属であったとして
も、従来の電極による溶接は困難で、YAGレーザ等に
よるスポット溶接になるが、大規模な設備が必要となっ
て現実的ではない。
【0011】このような理由から、キャップ69とホロ
グラム素子70とを一体化したプラスチック製のパッケ
ージの場合も、キャップ69とステム61との固定は、
紫外線硬化樹脂73による接着とする必要がある。
【0012】すなわち、光学部品であるホログラム素子
70とキャップ69とが一体として作製されている場合
には、ステム61上に紫外線硬化樹脂73を塗布し、こ
の上にキャップ69を載置して微動させることにより光
学調整を行い、この後、予め塗布しておいた紫外線硬化
樹脂73を硬化させて、キャップ69をステム61上に
固定する必要がある。この場合、従来の半導体レーザ装
置60では、ステム61とキャップ69の下端縁69a
との間の接合部分は特に工夫されておらず、従ってキャ
ップ69の下端縁69aはステム61上を自由に滑動で
きるようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】つまり、上記したキャ
ップ69とホログラム素子70との接着の場合と同様
に、光軸調整によるキャップ69の微動によって紫外線
硬化樹脂73がステム61上の他の部分へはみ出すとい
った問題を生じる。また、紫外線硬化樹脂73がキャッ
プ69の微動によって引き延ばされるため、十分な接着
強度が得られず、気密性が低下するといった問題もあっ
た。十分な接着強度を確保するためには、より多くの紫
外線硬化樹脂73を塗布すればよいが、紫外線硬化樹脂
73を多量に塗布すると、ステム61上の他の部分への
はみ出し量がさらに多くなってしまうといった悪循環と
なる。
【0014】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、ステム上にキャップを載置して
微動させることにより光学調整を行った場合でも、ステ
ム上の他の部分への接着剤のはみ出しを防止し、かつ十
分な接着強度が得られるようにした半導体レーザ装置及
びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1記載の半導体レーザ装置は、基材
上に半導体レーザ素子が実装されるとともに、この半導
体レーザ素子を覆うようにして前記基材にキャップ部材
が取り付けられ、このキャップ部材の開口部に光学部品
が取り付けられた構造の半導体レーザ装置において、前
記基材上であって、前記キャップ部材の下端縁との接合
部分となる複数箇所に、接合方向に沿って長く延びる長
穴が形成され、この長穴に対向する前記キャップ部材の
下端縁に、前記長穴の幅より若干幅狭であって、かつ長
穴の長さに比べて十分短い形状の足片が形成され、前記
基材上の接合部分及び長穴内に塗布された接着剤によっ
て、前記長穴と、この長穴に嵌入された足片とが接着さ
れるとともに、前記接合部分が接着されたものである。
【0016】また、本発明の請求項2記載の半導体レー
ザ装置の製造方法は、基材上に半導体レーザ素子が実装
されるとともに、この半導体レーザ素子を覆うようにし
て前記基材にキャップ部材が取り付けられ、このキャッ
プ部材の開口部に光学部品が取り付けられた構造の半導
体レーザ装置において、前記基材上であって、前記キャ
ップ部材の下端縁との接合部分となる複数箇所に、接合
方向に沿って長く延びる長穴を形成し、この長穴に対向
する前記キャップ部材の下端縁に、前記長穴の幅より若
干幅狭であって、かつ長穴の長さに比べて十分短い形状
の足片を形成し、基材上の前記接合部分及び前記長穴内
に接着剤を塗布した後、前記長穴に前記足片を嵌入し、
前記長穴内で前記キャップ部材の足片を動かすことによ
って光軸調整を行った後、前記接着剤にてキャップ部材
の下端縁及び足片を前記基板の接合部分及び長穴内に接
着するものである。
【0017】また、本発明の請求項3記載の発明は、請
求項1記載の半導体レーザ装置又は請求項2記載の半導
体レーザ装置の製造方法において、前記接着剤が紫外線
硬化樹脂又は熱硬化併用形の紫外線硬化樹脂としたもの
である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0022】図1は、ステム上にキャップの下端縁を嵌
合するための凹溝部を設けた半導体レーザ装置の一例を
示す断面図である。
【0023】本の半導体レーザ装置10は、円盤状を
した金属製のステム11と一体になった一つのヒートシ
ンク12の上面に、半導体レーザ素子13と、外部から
の変調光を受光する光信号受光素子14とが実装されて
いる。
【0024】半導体レーザ素子13及び光信号受光素子
14は、ステム11を貫通する各端子17に、ボンディ
ングワイヤ18によって電気的に接続されている。
【0025】また、ステム11上には、半導体レーザ素
子13等を覆うキャップ19が取り付けられている。キ
ャップ19は、底面が開放された円筒状に形成されてお
り、その上面には、半導体レーザ素子13から出射され
るレーザ光が通過するように、開口部19aが設けられ
ている。そして、この開口部19aを覆うようにして、
キャップ19内面にガラス板21が取り付けられてい
る。また、キャップ19の上面には、開口部19aを覆
うようにして、直方体状のホログラム素子20が取り付
けられている。
【0026】このホログラム素子20は、図示例では紫
外線硬化樹脂等の接着剤20aによって、その周縁部が
キャップ19の上面に接着されており、これによってキ
ャップ19の上面の開口部19aとホログラム素子20
との間が封止されている。ただし、キャップ19とホロ
グラム素子20とはプラスチックで一体的に形成された
構造であってもよい。
【0027】一方、ステム11上には、キャップ19の
下端縁19bの形状に適合する円筒形状の凹溝部11a
が形成されており、この凹溝部11aの幅は、キャップ
19の下端縁19bの幅よりも若干幅広に形成されてい
る。
【0028】キャップ19の下端縁19bは、この凹溝
部11aに嵌合された状態で、凹溝部11aの内部に予
め塗布された接着剤26によって接着、固定されてい
【0029】次に、上記構成の半導体レーザ装置10の
製造方法について説明する。
【0030】ステム11と一体となったヒートシンク1
2の上面に、半導体レーザ素子13と光信号受光素子1
4とを実装するとともに、ステム11に取り付けられた
各端子17と、半導体レーザ素子13及び光信号受光素
子14とを、それぞれボンディングワイヤ18によって
電気的に接続する。
【0031】次に、ステム11の凹溝部11aに紫外線
硬化樹脂26を塗布した後、ホログラム素子20が取り
付けられたキャップ19(若しくはホログラム素子20
が一体形成されたキャップ19)の下端縁19bを、凹
溝部11aに嵌め合わせ、凹溝部11a内でキャップ1
9を動かすことによって光軸調整を行う。
【0032】ここで、凹溝部11aの幅は、下端縁19
bの幅(肉厚)よりも0.1〜1.0mm程度大きく形
成されているため、光軸調整は水平方向に0.05〜
0.5mm程度の移動が行える。また、回転方向につい
ては、キャップ19の下端縁19bが円筒形状であり、
これに対応する凹溝部11aも円筒形状であるため、自
由に行える。特に、回転方向の調整においては、回転中
心がキャップ19の中心とずれていた場合であっても、
溝幅で規制されるため、水平方向に大きくずれて調整さ
れることはない。その意味では、キャップ19の下端縁
19bを凹溝部11aに嵌め合わせただけで、光軸調整
における粗調が行えることにもなる。また、紫外線硬化
樹脂26は凹溝部11a内に入っているので、キャップ
19をいくら動かしても、紫外線硬化樹脂26が凹溝部
11aから外部にはみ出すことはない。
【0033】このようにして光軸を調整した後、外部よ
り紫外線を照射することによって、凹溝部11a内の紫
外線硬化樹脂26が硬化され、キャップ19の下端縁1
9bとステム11の凹溝部11aとが接着、固定される
ことになる。
【0034】このように、本の半導体レーザ装置10
では、ステム11の平面部分でキャップ19の下端縁1
9bを固定する場合と異なり、凹溝部11aにキャップ
19の下端縁19bを嵌合させ、その隙間に紫外線硬化
樹脂26を充填させているので、接着面積が十分に確保
される。そのため、接着強度と気密性が著しく向上する
ものである。
【0035】なお、紫外線硬化樹脂26を用いた場合、
紫外線の当たらなかった部分は硬化されないので、接着
強度が不十分なままとなる可能性がある。そのため、
のような場合には、紫外線硬化樹脂26の代わりに、熱
硬化併用形の紫外線硬化樹脂を用いる。
【0036】すなわち、上記した光軸調整後、外部より
紫外線を照射することにより、凹溝部11a内の熱硬化
併用形の紫外線硬化樹脂を硬化させて、キャップ19の
下端縁19bを凹溝部11a内に仮固定し、この後加熱
することによって、紫外線が当たらなかった部分の樹脂
を硬化させ、キャップ19の下端縁19bを凹溝部11
a内に本固定するものである。
【0037】図2は、ステム上にキャップの下端縁を嵌
合するための凹溝部を設けた半導体レーザ装置の他の例
を示す断面図である。
【0038】本の半導体レーザ装置10も、その基本
的構成は図1に示したものと同様であるので、図1のも
のと同じ部材には同符号を付することとし、ここでは詳
細な説明を省略する。
【0039】本の半導体レーザ装置10が、図1に示
した半導体レーザ装置10と異なるところは、ステム1
1上に形成された凹溝部11aの代わりに、キャップ1
9の下端縁19bの外周形状よりも若干大径に形成され
た環状の段差部11bが形成された点である。
【0040】キャップ19の下端縁19bは、この段差
部11bに嵌合された状態で、段差部11bの内周部に
予め塗布された接着剤26によって接着、固定されてい
【0041】次に、上記構成の半導体レーザ装置10の
製造方法について説明する。
【0042】ステム11と一体となったヒートシンク1
2の上面に、半導体レーザ素子13と光信号受光素子1
4とを実装するとともに、ステム11に取り付けられた
各端子17と、半導体レーザ素子13及び光信号受光素
子14とを、それぞれボンディングワイヤ18によって
電気的に接続する。
【0043】次に、ステム11の段差部11bの内周部
に紫外線硬化樹脂26を塗布した後、ホログラム素子2
0が取り付けられたキャップ19(若しくはホログラム
素子20が一体形成されたキャップ19)の下端縁19
bを、段差部11bに嵌め合わせ、段差部11b内でキ
ャップ19を動かすことによって光軸調整を行う。
【0044】ここで、段差部11bの外径は、下端縁1
9bの外径よりも0.1〜1.0mm程度大きく形成さ
れているため、光軸調整は水平方向に0.05〜0.5
mm程度の移動が行える。また、回転方向については、
キャップ19の下端縁19bが円筒形状であり、これに
対応する段差部11bも円筒形状であるため、自由に行
える。特に、回転方向の調整においては、回転中心がキ
ャップ19の中心とずれていた場合であっても、段差部
11bで規制されるため、水平方向に大きくずれて調整
されることはない。その意味では、キャップ19の下端
縁19bを段差部11bに嵌め合わせただけで、光軸調
整における粗調が行えることにもなる。また、紫外線硬
化樹脂26は段差部11bの内周部に塗布されているの
で、キャップ19をいくら動かしても、紫外線硬化樹脂
26が段差部11bを越えて外部にはみ出すことはな
い。
【0045】このようにして光軸を調整した後、外部よ
り紫外線を照射することによって、段差部11bの内周
部に塗布された紫外線硬化樹脂26が硬化され、キャッ
プ19の下端縁19bとステム11の段差部11bとが
接着、固定されることになる。
【0046】このように、本の半導体レーザ装置10
では、ステム11の平面部分でキャップ19の下端縁1
9bを固定する場合と異なり、段差部11bにキャップ
19の下端縁19bを嵌合させ、その隙間にも紫外線硬
化樹脂26を充填させているので、接着面積が十分に確
保される。そのため、接着強度と気密性が著しく向上す
るものである。
【0047】なお、紫外線硬化樹脂26を用いた場合、
紫外線の当たらなかった部分は硬化されないので、接着
強度が不十分なままとなる可能性がある。そのため、
のような場合には、紫外線硬化樹脂26の代わりに、熱
硬化併用形の紫外線硬化樹脂を用いる。
【0048】すなわち、上記した光軸調整後、外部より
紫外線を照射することにより、段差部11bの内周部に
塗布された熱硬化併用形の紫外線硬化樹脂を硬化させ
て、キャップ19の下端縁19bを段差部11b内に仮
固定し、この後加熱することによって、紫外線が当たら
なかった部分の樹脂を硬化させ、キャップ19の下端縁
19bを段差部11b内に本固定するものである。
【0049】図3は、本発明の半導体レーザ装置10の
断面図、第4図はステム11の平面図であって、請求項
及びに対応した実施形態を示している。
【0050】本発明の半導体レーザ装置10も、その基
本的構成は図1に示したものと同様であるので、図1の
ものと同じ部材には同符号を付することとし、ここでは
詳細な説明を省略する。ただし、本実施形態では、接着
剤26として紫外線硬化樹脂を用いている。
【0051】本発明の半導体レーザ装置10が、図1に
示した半導体レーザ装置10と異なるところは、ステム
11上の接合部分(破線により示す)11dに凹溝部1
1aを形成する代わりに、その接合部分11dの複数箇
所(本実施形態では4箇所)に、周方向に長い長穴11
c,11c・・・を開設するとともに、キャップ19の
下端縁19bの対応する箇所に、足片19c,19c・
・・を設けたものである。この足片19cは、長穴11
cの幅より若干幅狭であって、かつ長穴11cの長さに
比べて十分短い形状に形成されている。
【0052】キャップ19の下端縁19bは、ステム1
1上の接合部分11dに予め塗布された接着剤26によ
って接着、固定されるとともに、キャップ19の足片1
9cは、ステム11に形成された長穴11cに嵌入され
た状態で、長穴11c内に予め塗布された接着剤26に
よって接着、固定されている。
【0053】次に、上記構成の半導体レーザ装置10の
製造方法について説明する。
【0054】ステム11と一体となったヒートシンク1
2の上面に、半導体レーザ素子13と光信号受光素子1
4とを実装するとともに、ステム11に取り付けられた
各端子17と、半導体レーザ素子13及び光信号受光素
子14とを、それぞれボンディングワイヤ18によって
電気的に接続する。
【0055】次に、ステム11上の接合部分及び長穴1
1c内に紫外線硬化樹脂26を塗布した後、ホログラム
素子20が取り付けられたキャップ19(若しくはホロ
グラム素子20が一体形成されたキャップ19)の下端
縁19bに形成された足片19cを長穴11cに嵌入
し、長穴11c内でキャップ19の足片19cを動かす
ことによって光軸調整を行う。
【0056】ここで、長穴11cの幅は、足片19cの
幅よりも0.1〜1.0mm程度大きく形成されている
ため、光軸調整は水平方向に0.05〜0.5mm程度
の移動が行える。また、回転方向については、長穴11
cの長さが足片19cの長さに比べて十分長く形成され
ているので、ほぼ長穴11cの長さ分だけ回転させるこ
とができる。特に、回転方向の調整においては、回転中
心がキャップ19の中心とずれていた場合であっても、
長穴11cで足片19cの動きが規制されるため、水平
方向に大きくずれて調整されることはない。その意味で
は、キャップ19の足片19cを長穴11cに嵌入した
だけで、光軸調整における粗調が行えることにもなる。
【0057】このようにして光軸を調整した後、外部よ
り紫外線を照射することによって、ステム11上の接合
部分11d及び長穴11c内に塗布された紫外線硬化樹
脂26が硬化され、キャップ19の下端縁19bとステ
ム11上の接合部分11d、及びキャップ19の足片1
9cと長穴11cとがそれぞれ接着、固定されることに
なる。
【0058】このように、本実施形態の半導体レーザ装
置10では、テスム11の平面部分でのみキャップ19
の下端縁19bを固定する場合と異なり、長穴11cに
キャップ19の下端縁19bに形成された足片19cを
嵌入し、その隙間にも紫外線硬化樹脂26を充填させて
いるので、接着面積が十分に確保される。そのため、接
着強度と気密性が著しく向上するものである。
【0059】なお、紫外線硬化樹脂26を用いた場合、
紫外線の当たらなかった部分は硬化されないので、接着
強度が不十分なままとなる可能性がある。そのため、こ
のような場合には、紫外線硬化樹脂26の代わりに、熱
硬化併用形の紫外線硬化樹脂27を用いる。
【0060】すなわち、上記した光軸調整後、外部より
紫外線を照射することにより、ステム11上の接合部分
及び長穴11c内に塗布された紫外線硬化樹脂27を硬
化させて、キャップ19の下端縁19b及び足片19c
をステム11上の接合部分及び長穴11c内に仮固定
し、この後加熱することによって、紫外線が当たらなか
った部分の樹脂を硬化させ、キャップ19の下端縁19
b及び足片19cをステム11上の接合部分及び長穴1
1c内に本固定するものである。
【0061】なお、図3及び図4に示した実施形態を、
図1及び図2に示した構成のものと組み合わせることに
より、より接着強度及び気密性に優れた半導体レーザ装
置を実現することが可能である。
【0062】
【0063】
【発明の効果】 発明の請求項記載の半導体レーザ装
置は、基材上であって、キャップ部材の下端縁との接合
部分となる複数箇所に、接合方向に沿って長く延びる長
穴が形成され、この長穴に対向するキャップ部材の下端
縁に、長穴の幅より若干幅狭であって、かつ長穴の長さ
に比べて十分短い形状の足片が形成され、基材上の接合
部分に塗布された接着剤によって、長穴と、この長穴に
嵌入された足片とが接着されるとともに、接合部分が接
着された構造としている。また、本発明の請求項記載
の半導体レーザ装置の製造方法は、基材上であって、キ
ャップ部材の下端縁との接合部分となる複数箇所に、接
合方向に沿って長く延びる長穴を形成し、この長穴に対
向するキャップ部材の下端縁に、長穴の幅より若干幅狭
であって、かつ長穴の長さに比べて十分短い形状の足片
を形成し、基材上の接合部分及び長穴に接着剤を塗布し
た後、長穴に足片を嵌入し、長穴内でキャップ部材の足
片を動かすことによって光軸調整を行った後、接着剤に
てキャップ部材の下端縁及び足片を基板の接合部分及び
長穴内に接着するものである。そのため、キャップ部材
を基材上で動かすことによって行う光軸調整が容易に行
える。また、光軸の水平方向の調整は長穴の幅によって
規制され、光軸の回転方向の調整は長穴の長さによって
規制されるため、水平方向に大きくずれて調整されるこ
とはない。その意味では、キャップ部材の下端縁に形成
された足片を長穴に嵌入しただけで、光軸調整における
粗調が行えることにもなる。また、光軸調整が長穴によ
って規制されることから、キャップ部材はステム上をあ
まり動くことはなく、従って接着剤のはみ出しもその分
減少するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステム上にキャップの下端縁を嵌合するための
凹溝部を設けた半導体レーザ装置の一例を示す断面図で
る。
【図2】ステム上にキャップの下端縁を嵌合するための
凹溝部を設けた半導体レーザ装置の他の例を示す断面図
である。
【図3】本発明の半導体レーザ装置の断面図である
【図4】本発明の半導体レーザ装置におけるステムの平
面図である
【図5】従来の半導体レーザ装置の断面図である。
【符号の説明】
10半導体レーザ装置 11ステム(基材) 11a凹溝部 11b段差部 11c長穴 11d接合部分 12ヒートシンク 13半導体レーザ素子 14光出力検出用受光素子 19キャップ 19a開口部 19b下端縁 19c足片 20ホログラム素子 26紫外線硬化樹脂

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に半導体レーザ素子が実装される
    とともに、この半導体レーザ素子を覆うようにして前記
    基材にキャップ部材が取り付けられ、このキャップ部材
    の開口部に光学部品が取り付けられた構造の半導体レー
    ザ装置において、 前記基材上であって、前記キャップ部材の下端縁との接
    合部分となる複数箇所に、接合方向に沿って長く延びる
    長穴が形成され、この長穴に対向する前記キャップ部材
    の下端縁に、前記長穴の幅より若干幅狭であって、かつ
    長穴の長さに比べて十分短い形状の足片が形成され、前
    記基材上の接合部分及び長穴内に塗布された接着剤によ
    って、前記長穴と、この長穴に嵌入された足片とが接着
    されるとともに、前記接合部分が接着されていることを
    特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 基材上に半導体レーザ素子が実装される
    とともに、この半導体レーザ素子を覆うようにして前記
    基材にキャップ部材が取り付けられ、このキャップ部材
    の開口部に光学部品が取り付けられた構造の半導体レー
    ザ装置において、 前記基材上であって、前記キャップ部材の下端縁との接
    合部分となる複数箇所に、接合方向に沿って長く延びる
    長穴を形成し、この長穴に対向する前記キャップ部材の
    下端縁に、前記長穴の幅より若干幅狭であって、かつ長
    穴の長さに比べて十分短い形状の足片を形成し、基材上
    の前記接合部分及び前記長穴内に接着剤を塗布した後、
    前記長穴に前記足片を嵌入し、前記長穴内で前記キャッ
    プ部材の足片を動かすことによって光軸調整を行った
    後、前記接着剤にてキャップ部材の下端縁及び足片を前
    記基板の接合部分及び長穴内に接着することを特徴とす
    る半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接着剤が紫外線硬化樹脂又は熱硬化
    併用形の紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の半導体レーザ装置又は請求項2記載の半導体レ
    ーザ装置の製造方法。
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