JP3311664B2 - 白色塗料およびその塗膜 - Google Patents

白色塗料およびその塗膜

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JP3311664B2 JP36376997A JP36376997A JP3311664B2 JP 3311664 B2 JP3311664 B2 JP 3311664B2 JP 36376997 A JP36376997 A JP 36376997A JP 36376997 A JP36376997 A JP 36376997A JP 3311664 B2 JP3311664 B2 JP 3311664B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市のヒートアイラ
ンド化現象を緩和するための技術に係り,特に都市の各
種構造物の表面に対して,光を高反射しかつ熱を高放射
する機能を有し且つ優れた付着性,耐汚染性,耐候性を
具備する塗膜を形成することにより,構造物温度を低減
する技術に関し,このための塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,都市のヒートアイランド化が問題
となってきている。これは冷暖房などによる廃熱量の増
大,建物や道路などのコンクリート化やアスファルト化
による太陽熱の吸収の増大,そして蓄熱した熱の大気へ
の放熱等が主たる原因に挙げられている。例えばコンク
リート建物の場合には,太陽熱を吸収しやすいので建物
内の温度が上昇し,その分冷房負荷が増大し,その際の
廃熱が屋外に排出されると共に,コンクリート自身が蓄
熱体となってその外表面から大気に放熱する。
【0003】コンクリート構造物が密集する都市では,
このような現象の高密度化と,地表がコンクリート系構
造物で覆われているので地盤のヒートシンク作用が良好
に機能しないこともあって大気温度が異常に上昇するよ
うな現象が起きている。このようなヒートアイランド化
現象を既成都市の形態のままで人工的に緩和することは
容易なことではないが,基本的には都市が吸収する太陽
熱を緩和すればよい。すなわち,都市構造物の表面に照
射される太陽光線のうち特に放射エネルギー密度の高い
波長の光線を天空に向けて反射させ,また該構造物に吸
収された熱が天空に放射されやすくすればよい。
【0004】一般に,コンクリート等の都市構造物の表
面には美観や保護を目的として塗料が塗装されている
が,ヒートアイランド化を抑制するために,前記のよう
な熱的な配慮を構造物表面の塗膜に施すようなことは行
なわれていなかったと言っても過言ではない。これまで
も,都市構造物の表面に,白色顔料を配合した白色塗料
を塗装して白色塗膜を形成することも行われていたが,
白色以外のものよりも,熱の吸収が少ないといった程度
の考慮がなされていたとしても,太陽光の反射と熱の放
射が最も高くなるように設計されたものではなかった。
【0005】例えば,従来の白色塗料においては,結合
剤として一般的にアクリル樹脂,ふっ素樹脂等の有機合
成樹脂が使用されていたが,アクリル樹脂はチョーキン
グ等が生じやすく,太陽光の反射と熱の放射を高く維持
することが出来ず,他方,ふっ素樹脂はチョーキング等
が生じにくいが,耐汚染性が悪く,また白色顔料を多量
に配合すると塗膜の付着性等が悪くなることから,太陽
光の反射と熱の放射を高く維持することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】都市のヒートアイラン
ド化抑制対策の一つとして,建物等の都市構造材料の表
面に光の高反射,熱の高放射の機能を持たせることが考
えられるが,これらの機能を建物を保護する塗膜に付与
することが市場において要求されるような社会趨勢にあ
ると予測される。しかし,外装材や内装材の塗膜には,
その適用基材や用途に応じて多様な目的を有しており,
また付着性,耐汚染性,耐候性等の塗膜性能を満足しな
がら,前記のような機能を果たす汎用的な塗膜の形成は
簡単なことではない。本発明の課題は,このような要求
を満たすことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば,一般
式, R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤とアルミ
ナ又はシリカからなる白色顔料を含有した白色塗料であ
って,前記一般式中のR 1 がアリール基であるオルガノ
シラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5〜80
重量%含有し,かつ光の反射率が80%以上で且つ熱の
放射率が80%以上の塗膜を生成する白色塗料を提供す
る。
【0008】 また,本発明によれば,各種構造物の屋
外表面に形成された光の反射率80%以上および熱の放
射率80%以上の白色塗膜であって, 一般式,R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤を含有
し,そのさい前記一般式中のR 1 がアリール基であるオ
ルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5
〜80重量%含有し,かつアルミナ又はシリカからなる
白色顔料を塗膜固形分中30〜90重量%含有した白色
塗膜を提供する。
【0009】 さらに,本発明によれば,光の反射率8
0%以上および熱の放射率80%以上の白色塗膜であっ
て, 一般式,R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤を含有
し,そのさい前記一般式中のR 1 がアリール基であるオ
ルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5
〜80重量%含有し,かつアルミナ又はシリカからなる
白色顔料を塗膜固形分中30〜90重量%含有した白色
塗膜を各種構造物の屋外表面に形成することを特徴とす
るヒートアイランド化現象の緩和法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に従う白色塗料は,太陽光
の反射率が80%以上で且つ熱の放射率が80%以上の
塗膜が形成されるものであり,その塗料は,結合剤,白
色顔料及び溶媒を必須の構成成分とし,必要に応じて,
例えば体質顔料や各種添加剤,例えばチタニウムキレー
ト化合物,アルミニウムキレート化合物,ジルコニウム
キレート化合物等の硬化促進剤,分散剤,酸化防止剤,
防かび剤等を適宜配合したものである。本発明に従う白
色塗膜は,最も好ましくは純白色のものであるが,太陽
光の反射率が80%以上で且つ熱の放射率が80%以上
である限り,その白色度を阻害しない程度に着色してい
てもよい。したがって,本明細書で使用する「白色塗
膜」という語は,実際には太陽光の反射率が80%以上
で且つ熱の放射率が80%以上の『白色系の塗膜』を意
味している。同様に白色塗料も白色系の塗料を意味し,
白色顔料も白色系の顔料を意味する。
【0011】この塗料の構成成分のうち,塗料の結合剤
は, 一般式,R1 Si(OR2 3 で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物
である。
【0012】式中のR1 は炭素数1〜8の有機基であ
り,例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,i−
プロピル基等のアルキル基や,γ−クロロプロピル基,
3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アル
キル基,ビニル基,γ−グリシドキシプロピル基等のグ
リシドアルキル基,γ−メタクリルオキシプロピル基等
の(メタ)アクリルオキシアルキル基,γ−メルカプト
プロピル基等のメルカプトアルキル基,フェニル基やフ
リル基,チェニル基,ピリジル基,ナフチル基等のアリ
ール基,3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等の
エポキシアルキル基,γ−アミノプロピル基等のアミノ
アルキル基等が挙げられる。
【0013】式中のR2 は炭素数1〜5のアルキル基で
あり,例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,i
−プロピル基,n−ブチル基,s−ブチル基,t−ブチ
ル基,i−ブチル基等が挙げられる。
【0014】これらのオルガノシランの具体例として
は,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシ
ラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエトキシ
シラン,n−プロピルトリメトキシシラン,n−プロピ
ルトリエトキシシラン,i−プロピルトリメトキシシラ
ン,i−プロピルトリエトキシシラン,γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリメ
トキシシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリエ
トキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン,γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン,フェニルトリ
メトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン,3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。
【0015】また,これらのオルガノシランの平均2〜
10量体の部分加水分解縮合物も同様に使用可能であ
る。
【0016】特に,式中のR1 がアリール基であるオル
ガノシラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5〜
80重量%配合したものは可撓性のある塗膜が得られ,
そのためクラック等が生じにくくなるので好ましい。
【0017】さらに,一般式R1 n Si(OR2 4-n
〔R1 2 は前記と同様であり,nは0又は2である〕
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物
を結合剤中30重量%を越えない範囲で併用することも
可能である。
【0018】これらのオルガノシラン又はその部分加水
分解縮合物は,塗料の作製にあたって,メタノール,エ
タノール,プロパノール,ブタノール等のアルコール
類,キシレン,トルエン等の炭化水素類,メチルエチル
ケトン,アセトン等のケトン類等の溶媒で10〜50重
量%濃度溶液として使用され,そのさい,さらに必要に
応じ塩酸,硝酸,酢酸等の酸化合物を併用してもよい。
これらオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物から
なる結合剤の配合量は,塗膜固形分中10〜70重量
%,好ましくは15〜50重量%が適当である。
【0019】このようなオルガノシラン又はその部分加
水分解縮合物からなる結合剤を使用した本発明に従う塗
料は,通常の有機合成樹脂を使用したものに比べて優れ
た耐汚染性および耐候性等に優れた塗膜が形成され且つ
本発明に従う結合剤は塗膜の光の反射率および熱の放射
率をほとんど低下させないという特徴があり,また白色
顔料を多量に含有させても付着性の低下が少ないという
特徴がある。
【0020】塗料中に含有させる白色顔料としては,ア
ルミナ又はシリカが好適である。白色顔料の配合量は,
得られる白色塗膜が太陽光の反射効率および熱の放射効
率を高めるべく,具体的には光の反射率が80%以上で
熱の放射率が80%以上となるべく,使用する顔料に応
じて適切に選定するが,塗膜固形分中30〜90重量
%,好ましくは50〜85重量%の範囲にある。
【0021】このように構成された本発明の白色塗料
は,その塗料固形分は,塗装作業性,厚膜化等の観点か
ら40〜90重量%,好ましくは50〜85重量%であ
るのが適当である。
【0022】図1は,各種材料表面の日射吸収率と長波
長輻射率を示しているが,同図によれば,ペイントのう
ち日射吸収率が低く長波長輻射率が高いのは白色ペイン
トであり,それぞれ0.2および0.9である。また,図
2は太陽エネルギーの分光特性(波長と放射エネルギー
密度の関係図)の例を示しているが,同図のように太陽
光は波長が0.5μm前後で放射エネルギー密度が最も
高い。一方,図3は黒体の単色放射発散度(縦軸)と波
長の関係を示すものであるが,300o K(27℃)で
の放射発散度は10μmが高い。このよう事実から,波
長0.5μm前後をピークとする光線を高反射し,かつ
波長10μm前後をピークとする熱線を高放射する白色
塗料であれば,材料の表面温度の上昇を低くすることが
できることがわかる。
【0023】図4は,厚み120mmの内側コンクリー
トと厚み60mmの外側コンクリートの間に断熱材を介
装した積層コンクリートを屋上スラブ材料とし,内側コ
ンクリートの下面を屋内の25℃の対流空気に曝し,外
側コンクリートの上面を太陽光に曝した場合,暗い色調
を持つコンクリート(c材料),明るい色調をもつコン
クリート(b材料)および後記の実施例1と同様の塗装
を外側コンクリート上面に形成した場合(a)につい
て,東京の8月の晴天日の13時における反射率と表面
温度の関係を示したものである。実施例1の塗膜をもつ
もの(a)では,反射率は90%(0.9)であり,表
面温度も30℃以下であるのに対し,コンクリートのま
までは反射率は40%(0.4)および10%(0.1)
であり,表面温度は41℃(b材料)および48℃(c
材料)と試算される。このように,同じコンクリートで
も,日射吸収率が高い(光の反射率が小さい)材料ほど
表面温度が高く,日射反射率が低い(光の反射率が高
い)材料ほど表面温度が低くなり,この傾向は最高気温
を示す日中程顕著であるが,本発明の白色塗料の塗膜を
形成すると,表面温度の上昇を低く抑えることができ
る。また夜間においても,表面温度がc,b,aの順に
低くなる。このように,本発明の白色塗料は,波長0.
5μm前後をピークとする光線を高反射しかつ波長10
μm前後をピークとする熱線を高放射する高反射・高放
射の塗膜を形成する点に特徴がある。
【0024】本発明に従う白色塗膜を形成する基材とし
ては,鉄,アルミニウム,ステンレス,銅,亜鉛等の金
属基材,コンクリート,モルタル,ガラス等の無機質基
材,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネート,ポリオレフィ
ン等のプラスチック基材,アスファルト,木材基材等が
代表的なものとして挙げられる。これら基材に予め表面
処理を施したり或いはプライマー等を塗布することによ
って塗膜の密着性,耐食性,防水性等を一層改良するこ
ともできる。
【0025】本発明の実施にさいしては,このような基
材表面に本発明の白色塗料を塗装し,自然乾燥もしくは
100℃以下の温度で強制乾燥させて白色塗膜を形成す
ればよい。塗膜の硬化膜厚については特に制限はない
が,塗膜強度や隠蔽性等の観点から0.1〜2mm,好
ましくは0.2〜1mmが適当である。また白色塗膜の
耐久性向上や保持のため,さらに汚染防止のため,白色
塗膜表面に透明塗料を塗布して,透明保護膜を形成する
ことも可能である。透明保護膜の硬化膜厚は,通常0.
02〜0.5mmが適当である。
【0026】
〔実施例1〕
メチルトリメトキシシランの平均10量体の部分加水分解縮合物 4部 フェニルトリメトキシシランの平均10量体の部分加水分解縮合物 14部 白色アルミナ(注1) 60部 キシレン 20部 分散剤 1部 テトラブチルチタネート 1部 (注1)電融白色アルミナ質研削剤を母粒として,これを微粉砕し整粒した平 均粒径4μmの粉末
【0027】上記の成分組成からなる白色塗料を,鋼板
(150×50×0.3mm)に硬化膜厚100μmに
なるように塗布し,自然乾燥させた。得られた塗板につ
き,光の反射性,熱の放射性,付着性,可撓性,耐汚染
性の各試験に供した。それらの試験結果を表1に総括し
て示した。各試験は次の方法に従って行ない,その結果
を記述の方法で評価した。
【0028】[光の反射性]オプトリサーチ株式会社製の
反射率測定器MSR7000を用いて,波長0.28〜
2.5μmの分光反射率を測定し,太陽光の放射エネル
ギー密度の最も高い波長0.5μmでの反射率 (%) を
もって光の反射性を評価した。
【0029】[熱の放射性]島津製作所株式会社製の放射
率測定器FTIRを用いて,分光放射率を測定し,大気
の窓と言われる波長8〜13μmでの放射率 (%) をも
って熱の放射性を評価した。
【0030】[塗膜の付着性]試片を45o クロスカット
セロハンテープ剥離試験に供し,次の4段階で試験結果
を評価した。 ◎:異常なし,セロハンテープで剥離なし ○:カット部周辺のみクラック発生,セロハンテープで
剥離なし △:カット部より3mm以上クラック発生,セロハンテ
ープで剥離なし ×:剥離
【0031】[塗膜の可撓性]試片をJISK5400に
基づき耐屈曲性試験(10mm)に供し,次の4段階で
試験結果を評価した。 ◎:クラックおよび剥離なし ○:微小クラック発生,剥離なし △:大きいクラック発生,剥離なし ×:剥離
【0032】[塗膜の耐汚染性]試片を2週間屋外に放置
し,汚染の程度を次の4段階で評価した。 ◎:汚れが水で容易に除去できる。 ○:汚れが水で容易に除去できないが,ウエスで拭くと
除去できる。 △:汚れが水で容易に除去できず,ウエスで拭いても若
干残る。 ×:汚れが水で容易に除去できず,ウエスで拭いても相
当残る。
【0033】〔実施例2〕メチルトリメトキシシランの
部分加水分解縮合物4部を24部に変更し,白色アルミ
ナ60部を40部に変更した白色塗料を使用した以外
は,実施例1と同様にして塗板を作成し,各試験に供し
た。その結果を表1に併記した。
【0034】〔参考例〕 メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物4部を
18部に変更し,フェニルトリメトキシシランの部分加
水分解縮合物14部を0部に変更した白色塗料を使用し
た以外は,実施例1と同様にして塗板を作成し,各試験
に供した。その結果を表1に併記した。
【0034】〔比較例1〕 ふっ素樹脂溶液(固形分50%) 35部 白色アルミナ(前掲注1と同じ) 60部 分散剤 1部 ポリイソシアネート溶液(固形分50%) 4部 上記の成分組成からなる白色塗料を実施例1と同様にし
て塗板を作成し各試験に供した。その結果を表1に併記
した。
【0036】〔比較例2〕ふっ素樹脂溶液35部を53
部に変更し,白色アルミナ60部を40部に変更し,ポ
リイソシアネート溶液4部を6部に変更した白色塗料を
使用した以外は,比較例1と同様にして塗板を作成し,
各試験に供した。その結果を表1に併記した。
【0037】
【表1】
【0038】 表1の結果に見られるように,比較例1
〜2のものに比べて,実施例1〜の塗板は,光の反射
率,熱の放射性が高く,また付着性,可とう性,耐汚染
性も良好であり,屋外構造物表面に形成した場合に,良
好な光反射性と熱放散性を長期にわたって維持できるこ
とがわかる。また,フェニルトリメトキシシランの部分
加水分解縮合物を14部を含有する実施例1と2のもの
はこれを含有しない参考例のものに比べて付着性と可と
う性が向上していることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の白色塗料
により形成した塗膜によれば,コンクリート系材料やそ
の他の人工材料で構成される構造物の屋外表面に対し
て,優れた光反射性・熱放射性を同時に具備させること
ができるので,これらの構造物が密集する都市のヒート
アイランド化を防止することができる。また,屋内の基
材表面に対しても,例えば照明の光の反射が大きくな
り,その結果,省電力で明るさが維持できる。このよう
なことから,冷暖房や照明等の効率が良くなりそれが省
電力,省資源となり,都市のヒートアイランド化の防止
にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種材料表面の日射吸収率と長波長輻射率を示
す図である。
【図2】太陽エネルギーの分光特性を示す図であり,波
長と放射エネルギー密度との関係を示す図である。
【図3】黒体の単色放射発散度と波長の関係を温度に応
じて示した図である。
【図4】コンクリート材料とそれに本発明の塗膜を形成
したものの太陽光反射率と表面温度の関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴田 政博 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 水野 民雄 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 館山 陽介 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 石原 眞興 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社那須工場内 (56)参考文献 特開 昭55−120669(JP,A) 特開 昭58−193054(JP,A) 特開 昭62−138564(JP,A) 特開 平9−176617(JP,A) 特開 昭62−32157(JP,A) 特開 昭60−86173(JP,A) 特開 平11−58582(JP,A) 特開 平9−31329(JP,A) 国際公開97/44398(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/00 - 183/16 C09D 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式, R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
    数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
    ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤とアルミ
    ナ又はシリカからなる白色顔料を含有した白色塗料であ
    って,前記一般式中のR 1 がアリール基であるオルガノ
    シラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5〜80
    重量%含有し,かつ光の反射率が80%以上で且つ熱の
    放射率が80%以上の塗膜を生成する白色塗料。
  2. 【請求項2】 白色顔料が塗膜固形分中30〜90重量
    %となるように含有する請求項1に記載の白色塗料。
  3. 【請求項3】 各種構造物の屋外表面に形成された光の
    反射率80%以上および熱の放射率80%以上の白色塗
    膜であって, 一般式,R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
    数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
    ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤を含有
    し,そのさい前記一般式中のR 1 がアリール基であるオ
    ルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5
    〜80重量%含有し,かつアルミナ又はシリカからなる
    白色顔料を塗膜固形分中30〜90重量%含有した白色
    塗膜。
  4. 【請求項4】 光の反射率80%以上および熱の放射率
    80%以上の白色塗膜であって, 一般式,R1Si(OR2)3 〔但し,式中のR1は炭素数1〜8の有機基,R2は炭素
    数1〜5のアルキル基である〕で表されるオルガノシラ
    ン又はその部分加水分解縮合物からなる結合剤を含有
    し,そのさい前記一般式中のR 1 がアリール基であるオ
    ルガノシラン又はその部分加水分解縮合物を結合剤中5
    〜80重量%含有し,かつアルミナ又はシリカからなる
    白色顔料を塗膜固形分中30〜90重量%含有した白色
    塗膜を各種構造物の屋外表面に形成することを特徴とす
    るヒートアイランド化現象の緩和法。
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