JP3001863B1 - 防水層の劣化防止法 - Google Patents
防水層の劣化防止法Info
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Abstract
止する。 【解決手段】 防水層の表面に,中空ビーズを塗膜固形
分中20〜98容積%含有する断熱性下層塗膜を形成
し,この下層塗膜の上に,白色顔料を分散させた塗料を
塗布して光の反射率が80%以上で且つ熱の放射率が8
0%以上の高反射・高放射性の上層塗膜を形成する防水
層の劣化防止法。
Description
施工した場合の防水層の劣化を防止する方法に関する。
の施工は,柔軟性と遮水性のある樹脂シート(ゴムシー
ト)をコンクリートスラブの表面に敷設し,その上をア
スファルトやモルタルで覆うのが最も一般的である。
水層は,その防水性能が経年変化しないことが理想的で
ある。しかし,実際には経年変化して漏水を見るので,
点検保守を必要とし,状況によっては再施工を要するこ
とになる。防水層の劣化は,部分的な「ふくれ」(防水
層の部分的な膨脹),スラブからの「浮き」(全体的な
接着不良),「ひび割れ」,部分的な「はがれ」(剥
脱)等といった欠陥となって現れる。
し,例えば材料の変質,施工不良,振動,環境変化等が
防水層の劣化をもたらすが,防水層とコンクリートスラ
ブ層との間に温度差が発生し,これが繰り返されたり,
防水層の温度が大きく上下すると劣化を促進する。最近
では屋上スラブとその表面の防水層との温度差が発生し
易い状況が増えており,また防水層の温度が上下する環
境も増加しているので,この防水層が劣化しやすい環境
にある。
度差が発生し,とくに,最近の都市のヒートアイランド
化による外気温度の異常な上昇により,この温度差も大
きくなりつつあり,これに伴って温度変化も大きくな
り,防水層は高温に曝されることになる。また基体のコ
ンクリートスラブは蓄熱材として機能するので,昼間に
熱を保有した基体スラブが,夜間では表層部の防水層だ
けが冷える現象が生じ,夜と昼では基体スラブと防水層
の温度が逆転し,温度差が経時的に±逆転しながら繰り
返し発生する現象も生じる。このような防水層の熱的な
変動が防水層の劣化を早め,短期間で防水機能を果たさ
なくなることも多い。このようにして防水層に発生した
欠陥は遮水性に影響を及ぼすだけでなく,美観上におい
ても好ましくない。
が施されることもあるが,前記のような熱的な原因で発
生する防水層の欠陥を防止することを目的として塗装が
施されることは無かったと言っても過言ではない。
スバルーンを主剤とし,これに白セメントと珪砂を配合
してなる無機粉体に,常温架橋型合成エマルジョン樹脂
液を混合してペーストとした断熱性塗材が提案され,ま
た,この断熱性塗材を塗布したあと,その上に反射塗料
例えばシリコン系塗布層を形成することによって,太陽
光を反射させるようにしたものが記載されている。しか
し,このものは,強度の弱いシラスバルーンを主剤とす
るので,塗膜強度の改善が必要とされるであろう。他
方,シラスバルーンの空孔内に樹脂液が充填された場合
には強度が上昇するかも知れないが,この場合には断熱
性が失われることになる。また反射塗料についても,太
陽光の反射と熱の放射が必ずしも最も高くなるように配
慮されたものではないので,防水層の劣化を防止する効
果は十分ではないであろう。事実,防水層に適用した例
は該公報には記載がない。
従来よりその対策に苦慮している防水層の劣化の問題を
解決することを課題としたものである。
題を解決するために種々の試験研究を重ねた結果,防水
層の上に特定の断熱性を有する塗膜と,特定の光の反射
率および熱の放射率をもつ白色塗膜を形成すると,防水
層の欠陥発生を長期にわたって防止できることを見い出
した。本発明はこの知見に基づいてなされたものであ
る。
に,シエル内に真空または気体を封入した粒子からなる
中空ビーズを樹脂液に分散させてなる塗料を塗布するこ
とにより,該中空ビーズを塗膜固形分中20〜98容積
%含有する断熱性下層塗膜を形成し,この下層塗膜の上
に,白色顔料を分散させた塗料を塗布して光の反射率が
80%以上で且つ熱の放射率が80%以上の高反射・高
放射性の上層塗膜を形成すること,更に必要に応じ,こ
の上層塗膜の上に透明保護塗膜を形成すること,を特徴
とする防水層の劣化防止法を提供する。
を防止するために,防水層の表面に断熱層と光反射熱放
射層を施す点に特徴があり,これら断熱層と光反射熱放
射層を適切な塗膜によって形成するものである。
基体スラブのコンクリート1の上に防水層2を形成する
場合には,該基体スラブ1の表面に例えば接着剤3を介
してゴムシート4を敷設し,この上をアスファルト5で
覆うことによって形成されるが,本発明においては,こ
のように形成された防水層2の上に断熱層の下層塗膜6
を施し,その上に光反射熱放射層の上層塗膜7を施す。
また,図2に示すように,上層塗膜7の上に透明保護膜
8を施すこともできる。いずれの場合も,好ましくは図
3のように,防水層2の表面(アスファルト5の表面)
に下地層9を施してから下層塗膜6を施す。
熱層であり,層中のビーズは結合剤中に分散固定されて
いる。この中空ビーズは,薄いシエル内に空洞を形成し
たものであり,代表的な外形は球体であるが,卵形,偏
平球形,うろこ型などであってもよく,平均外径は施工
場所に応じて適当なものを選択するが,10〜500μ
m程度のもの,好ましくは20〜150μmのものが適
当である。
は,塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体または
アクリル酸エステル−スチレン共重合体等の高分子有機
材料(樹脂)が好適である。これに代えて無機材料例え
ばガラス等も使用することができる。シエル内は空洞で
ある必要があり,この空洞が下層塗膜6の伝熱抵抗を高
める。空洞内には気体(代表的には空気)が封入される
ことにより中空ビーズの圧縮強度を高めるが,場合によ
っては減圧または真空であってもよい。多孔質材料例え
ばシラスバルーンのような表面にまで細孔が連通してい
る多孔粒子では,その細孔に塗料中の液体成分が侵入し
て空孔を塞ぎ,このため断熱性を低下させるので好まし
くない。
を分散固定するための結合剤としては,アクリル樹脂,
アルキド樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,フッ素
樹脂あるいはこれらの変性樹脂や混合樹脂等を使用する
ことができる。これらの結合剤と前記の中空ビーズを必
須成分として塗料を構成するが,必要に応じて,有機溶
剤,水あるいはこれらの混合物などの溶媒,硬化剤(架
橋剤),着色顔料,体質顔料などの顔料,分散剤,増粘
剤,酸化防止剤,防カビ剤などの各種添加剤等の成分を
加えて塗料とする。塗料の形態は,無溶剤型,有機溶剤
型あるいは水希釈型等の各種形態での使用が可能であ
る。またこれら塗料は,自然乾燥型,焼付硬化型あるい
は紫外線硬化型等特に制限はない。
ビーズが塗膜固形分中20〜98容量%,好ましくは5
0〜95容量%となるように,中空ビーズを配合したも
のである。中空ビーズの配合量が前記範囲より少ないと
断熱性効果が悪く,逆に多いと相対的に結合剤の量が少
なくなるため下層塗膜の物理的,化学的強度が悪くなり
いずれも好ましくない。このように,中空ビーズの配合
により塗膜の断熱性が向上するが,他方において,中空
ビーズの配合により塗料の比重が小さくなるため塗装作
業性も向上し,また厚膜化できるという有利な作用を果
たす。
るには,粒径分布の異なる二種以上の中空ビーズを混合
することもできる。すなわち比較的粗大な粒径を有する
中空ビーズと,比較的微細な粒径を有する中空ビーズを
適量配合することにより,粗大粒子の間隙に微細粒子が
入り込むようにすることによって,中空ビーズの充填率
を向上させ,ひいては,下層塗膜中での空洞率を均一に
高めることにより,断熱性を向上させることができる。
また,材質や形状の異なる二種以上の中空ビーズを適宜
配合して塗膜強度や塗装作業性を向上させることもでき
る。
放射用の上層塗膜7について説明する。上層塗膜7は,
太陽光の反射率が80%以上で,熱の放射率が80%以
上のものである。この高反射性・高放熱性の上層塗膜を
形成する塗料は,アクリル樹脂,アルキド樹脂,シリコ
ーン樹脂,フッ素樹脂もしくはこれらの変性樹脂や混合
樹脂,あるいは後述するオルガノシランまたはその部分
加水分解縮合物等の無機材料等の結合剤と,白色顔料を
必須構成成分とし,さらに必要に応じて,有機溶剤,水
あるいはこれらの混合物などの溶媒,硬化剤(架橋
剤),体質顔料,分散剤,酸化防止剤,防カビ剤,紫外
線吸収剤などの各種添加剤等を配合した塗料である。塗
料形態や硬化形態は前述の下層6の塗膜を形成する塗料
と同様に特に制限はない。
ナ,シリカ(石英ガラスの粉砕物等も含む),硫酸バリ
ウム,ポリテトラフルオロエチレンまたは酸化マグネシ
ウムから選ばれる少なくとも一種の白色顔料が好適であ
る。白色顔料の配合量は,得られる白色塗膜が太陽光等
の光の反射効率,熱の放射効率をよくするため光の反射
率が80%以上かつ熱の放射率が80%以上である必要
上,塗膜固形分中40〜90容量%,好ましくは50〜
85容量%が適当である。
長ふく射率を示しているが,同図によれば,ペイントの
うち日射吸収率が低く長波長ふく射率が高いのは白色ペ
イントであり,それぞれ0.2および0.9である。ま
た,図5は太陽エネルギーの分光特性(波長と放射エネ
ルギ密度の関係図)の例を示しているが,同図のように
太陽光は波長が0.5μm前後で放射エネルギ密度が最
も高い。一方,図6は黒体の単色放射発散度(縦軸)と
波長の関係を示すものであるが,300°K(27℃)
での放射発散度は10μm前後が高い。
をピークとする光線を高反射し,且つ波長10μm前後
をピークとする熱線を高放射する白色塗料があれば,材
料の表面温度の上昇を低くすることができることがわか
る。
トと厚み60mmの外側コンクリートの間に断熱材を介
装した積層コンクリートを屋上スラブ材料とし,内側コ
ンクリートの下面を屋内の25℃の対流空気に曝し,外
側コンクリートの上面を太陽光に曝した場合,暗い色調
をつもコンクリート(c材料),明るい色調をもつコン
クリート(b材料)および後記の本発明実施例と同じ上
層塗膜を該外側コンクリート上面に形成した場合(a)
について,東京の8月の晴天日の13時における反射率
と表面温度の関係を示したものである。本発明実施例の
塗膜をもつもの(a)では,反射率は90%(0.9)
であり,表面温度も30℃以下であるのに対し,コンク
リートのままでは反射率は40%(0.4)および10
%(0.1)であり,表面温度は41℃(b材料)およ
び48℃(c材料)と試算される。このように,同じコ
ンクリートでも,日射吸収率が高い(光の反射率が小さ
い)材料ほど表面温度が高く,日射吸収率が低い(光の
反射率が高い)材料ほど表面温度が低くなり,この傾向
は最高気温を示す日中程顕著であるが,本発明の塗膜を
形成すると,表面温度の上昇を低く抑えることができ
る。また夜間においても,表面温度がc,b,aの順に
低くなる。
適切な白色顔料の結合剤中分散により,波長0.5μm
前後をピークとする光線を高反射し且つ波長10μm前
後をピークとする熱線を高放射する高反射・高放射の塗
膜である点に特徴がある。
の表面には,図2に示すように,透明保護膜8を設ける
のが好ましい。この透明保護膜8は,上層塗膜7の汚染
を防止して上層塗膜7の高反射・高放射の機能を長期に
わたって維持することを主たる目的とするものである
が,最外表面を形成する関係上,熱の放射層としても機
能する。透明保護膜8は,前述上層の白色塗膜が汚染さ
れると太陽光の反射率が低下して光の反射性および熱の
放射性が劣化するのを防止するものであるから,この保
護膜8を形成するための塗料は,該白色塗膜を保護する
とともに光の反射及び熱の放射を低下させないことが必
要である。このために透明度が高い塗料を使用する。該
塗料としては,前述の白色塗膜を形成する場合と同じ
く,白色顔料などの着色顔料を配合しない以外は,同様
の塗料成分が特に制限なく使用できる。すなわち,透明
保護膜8は,前記の上層塗膜7を形成する塗料から白色
顔料を除いた結合剤成分,さらにはこれに必要に応じて
添加される添加剤とからなる透明塗料を塗布することに
よって形成できる。
層塗膜の上に予めオルガノシラン又はその部分加水分解
縮合物溶液を塗布するのが好ましく,これによって透明
保護膜を形成したさいの上層塗膜の白色度の低下を防止
することができる。オルガノシランは,一般式 R1Si(OR2)3 で示される化合物である。
り,例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,i−
プロピル基などのアルキル基や,γ−クロロプロピル
基,3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化
アルキル基,ビニル基,γ−グリシドキシプロピル基等
のグリシドアルキル基,γ−メタクリルオキシプロピル
基等の(メタ)アクリルオキシアルキル基,γ−メルカ
プトプロピル基等のメルカプトアルキル基,フェニル基
や,フリル基,チエニル基,ピリジル基,ナフチル基等
のアリール基,3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基等のエポキシアルキル基,γ−アミノプロピル基等の
アミノアルキル基などが挙げられる。式中のR2は炭素
数1〜5のアルキル基であり,例えばメチル基,エチル
基,n−プロピル基,i−プロピル基,n−ブチル基,
s−ブチル基,t−ブチル基,i−ブチル基などが挙げ
られる。
は,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシ
ラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエトキシ
シラン,n−プロピルトリメトキシシラン,n−プロピ
ルトリエトキシシラン,i−プロピルトリメトキシシラ
ン,i−プロピルトリエトキシシラン,γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエ
トキシシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリメ
トキシシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリエ
トキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン,γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン,フェニルトリ
メトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン,3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン,などが
挙げられる。
0量体の部分加水分解縮合物も同様に使用可能である。
ガノシランまたはその部分加水分解物も一部併用可能で
ある。
合物は,メタノール,エタノール,プロパノール,ブタ
ノール等のアルコール類,キンレン,トルエン等の炭化
水素類,メチルエチルケトン,アセトン等のケトン類な
どの10〜50重量%濃度溶液として使用され,さらに
必要に応じ塩酸,硝酸,酢酸などの酸化合物や,チタニ
ウムキレート化合物,アルミニウムキレート化合物,ジ
ルコニウムキレート化合物などの硬化促進剤を併用して
もよい。
布する前の防水層2の表面に下地層9を塗布し,塗料と
防水層表面との密着性の改善や,防水層の耐食性,遮水
性等の改善を図ることもできる。下地層9を形成する材
料としては,エポキシ樹脂系,ウレタン樹脂系,アクリ
ル樹脂系,塩化ゴム系等の従来より普通に使用されてシ
ーラー若しくはプライマーが使用できる。
は,対象とする防水層表面を,必要に応じて清掃処理
し,場合によってはシーラー若しくはプライマーを塗布
したあと,まず前述の微細中空ビーズを配合した塗料を
塗布して下層塗膜6を形成する。下層塗膜6の硬化塗膜
厚は特に制限はないが,塗膜強度や断熱性効果等の観点
から0.1〜10mm,好ましくは1〜5mmが適当で
ある。次いで,この下層塗膜6の表面に前述の白色顔料
を配合した塗料を塗装して,上層塗膜7を形成する。上
層塗膜7の硬化塗膜厚は特に制限はないが,塗膜強度や
隠蔽性等の観から0.1〜3mm,好ましくは0.5〜1
mmが適当である。なお,下層塗膜6および上層塗膜7
の硬化方法は,使用する結合剤の種類に応じて,自然乾
燥,焼付硬化法等の周知の方法により硬化することがで
きる。
層塗膜7の耐久性向上,保持のために,また上層塗膜7
の汚染防止のため,上層塗膜表面に前述の透明塗料を塗
装して,透明保護膜8を形成するのが望ましい。透明保
護膜8の硬化塗膜厚は特に制限ないが,通常0.02〜
0.5mmが適当である。
に直接透明保護膜8を形成すると若干白色度が低下する
傾向があるため,あらかじめ上層塗膜表面に前述のオル
ガノシラン又はその部分加水分解縮合物溶液を含浸,塗
布しておくのが望ましい。
「%」および「部」は特に断らないかぎり重量基準で示
す。
塗膜形成用の塗料を作製した。
した真比重0.2の粒子。
微粉砕,整粒した粉末。平均粒径:4μm
(厚み1.5mmのゴムシートの上に厚み10mmのア
スファルトを敷設した防水層)を,約10m2づつA,
BおよびCの3区画に区分し,AおよびB領域に対し,
下記のエポキシ樹脂系シーラー(厚み約30μm)を施
した。
て,前記の下層塗膜形成用の塗料を乾燥膜厚2mmにな
るように塗装し,自然乾燥させたあと,前記の上層塗膜
形成用の塗料を乾燥膜厚1mmになるように塗装し,自
然乾燥させた。これにより,中空状ガラスビーズ82容
量%が分散した膜厚2mmの下層塗膜と,その上に膜厚
1mmの白色の上層塗膜をもつ防水層が得られた。上層
塗膜は光の反射率が91%で熱の放射率は90%を示し
た。なお,光の反射率はJIS A 5759に準ずる
方法で測定し,熱の放射率は株式会社島津製作所製の放
射率測定器FTIRを用いて大気の窓と言われる波長8
〜13μmでの放射率の値で評価した。
対し,中塗が乾燥膜厚30mmで,上塗が乾燥膜厚30
mmの従来の塗装を行った。用いた塗料は市販の次のも
のである。 ・中塗の塗料(フッ素樹脂系) フッ素樹脂溶液 40% (旭碍子株式会社製の商品名#ルミフロン) 酸化チタン 30% 酢酸ブチル 27% ポリイソシアネート 3% (日本ポリウレタン株式会社製 コロネートHX) ・上塗の塗料(フッソ樹脂系) フッ素樹脂溶液 60% (旭碍子株式会社製の商品名#ルミフロン) 酸化チタン 30% 酢酸ブチル 5% ポリイソシアネート 5% (日本ポリウレタン株式会社製 コロネートHX)
1年経過した時点での各区画の防水層の劣化状況を目視
観察した。その結果,C区画では防水層に「ふくれ」お
よび「浮き」が生じ,一部防水層が剥離している箇所も
あった。また,B区画の防水層でも「ふくれ」「浮き」
および「剥離」が観測された。その程度は,C区画の防
水層の劣化程度を100とすると,相対比で約45%程
度の劣化であった。これに対し,A区画では,「ふく
れ」「浮き」「剥離」等の防水層の欠陥は全く見られな
かった。すなわち,A区画の塗膜厚みはB区画よりも1
/20であるにも拘わらず,防水層の劣化は全く生じな
かった。
易な方法で防水層の劣化を防止することができ,屋上ス
ラブをもつ建築物の耐久性の向上はもとより,美観も向
上させることができる。
面図である。
す略断面図である。
す略断面図である。
図である。
と放射エネルギ密度との関係を示す図である。
じて示した図である。
本発明の処理を施したもの(a)の太陽光反射率と表面
温度の関係を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 防水層の表面に,シエル内に真空または
気体を封入した粒子からなる中空ビーズを樹脂液に分散
させてなる塗料を塗布することにより,該中空ビーズを
塗膜固形分中20〜98容積%含有する断熱性下層塗膜
を形成し,この下層塗膜の上に,白色顔料を分散させた
塗料を塗布して光の反射率が80%以上で且つ熱の放射
率が80%以上の高反射・高放射性の上層塗膜を形成す
る防水層の劣化防止法。 - 【請求項2】 防水層の表面に,シエル内に真空または
気体を封入した粒子からなる中空ビーズを樹脂液に分散
させてなる塗料を塗布することにより,該中空ビーズを
塗膜固形分中20〜98容積%含有する断熱性下層塗膜
を形成し,この下層塗膜の上に,白色顔料を分散させた
塗料を塗布して光の反射率が80%以上で且つ熱の放射
率が80%以上の高反射・高放射性の上層塗膜を形成
し,この上層塗膜の上に透明保護膜を形成する防水層の
劣化防止法。 - 【請求項3】 中空ビーズは,樹脂製またはガラス製の
シエル内に空気を封入した粒子からなる請求項1または
2に記載の防水層の劣化防止法。 - 【請求項4】 上層塗膜と透明保護膜の間に,一般式R
1Si(OR2)3,〔但し,式中R1は炭素数1〜8の有機
基,R2は炭素数1〜5のアルキル基を表す〕で示され
るオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物溶液を
塗布する請求項2または3に記載の防水層の劣化防止
法。 - 【請求項5】 上層塗膜は,酸化チタン,アルミナ,シ
リカ,硫酸バリウム,ポリテトラフルオロエチレンまた
は酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種の白色
顔料を含有し,且つ波長0.28〜2.5μmの分光反射
率を測定したときの波長0.5μmにおける反射率が8
0%以上で且つ波長8〜13μmでの熱の放射率が80
%以上である請求項1,2,3または4に記載の防水層
の劣化防止法。 - 【請求項6】 防水層は,建物屋上等のコンクリート表
面にゴムシートを敷設し,その上にアスファルトまたは
モルタルを覆って形成されたものである請求項1,2,
3,4または5に記載の防水層の劣化防止法。
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