JP3311258B2 - 動圧軸受装置及びその製造方法 - Google Patents
動圧軸受装置及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受面に動圧発生
溝を設けることにより流体に動圧力を発生させ、その動
圧力によって固定部材に回転部材を支承させるようにし
た動圧軸受装置及びその製造方法に関する。
溝を設けることにより流体に動圧力を発生させ、その動
圧力によって固定部材に回転部材を支承させるようにし
た動圧軸受装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高速回転するモータ等の各種
回転機器において、流体の動圧力を利用した動圧軸受装
置が広く用いられつつある。動圧軸受装置では、固定部
材に対して回転部材が周状に面対向するように回転可能
に配置されているとともに、これら固定部材と回転部材
との各周状対向面に形成された軸受面どうしの間に所定
の潤滑流体が介在されている。そして、上記固定部材と
回転部材との両軸受面のうちの少なくとも一方側の面に
ヘリングボーン状やスパイラル状等の動圧発生溝が凹設
されており、回転部材が回転した際における動圧発生溝
のポンピング作用によって潤滑流体に動圧力が発生し、
その動圧力によって回転部材の支承が行われるようにな
っている。
回転機器において、流体の動圧力を利用した動圧軸受装
置が広く用いられつつある。動圧軸受装置では、固定部
材に対して回転部材が周状に面対向するように回転可能
に配置されているとともに、これら固定部材と回転部材
との各周状対向面に形成された軸受面どうしの間に所定
の潤滑流体が介在されている。そして、上記固定部材と
回転部材との両軸受面のうちの少なくとも一方側の面に
ヘリングボーン状やスパイラル状等の動圧発生溝が凹設
されており、回転部材が回転した際における動圧発生溝
のポンピング作用によって潤滑流体に動圧力が発生し、
その動圧力によって回転部材の支承が行われるようにな
っている。
【0003】例えば図5に示されているように、上述し
た動圧発生溝1は、固定部材又は回転部材のいずれかの
被加工部材2の軸受面に対して、ヘリングボーン状の溝
形状にて所定の溝深さを有するように形成されるが、い
ずれの溝形状においても、周方向に対して所定の角度を
なして斜めに延びる傾斜溝部1aが設けられる。このよ
うな傾斜溝部1aを有する動圧発生溝1は、例えばNC
旋盤を用いて加工されるが、通常は、被加工部材2と図
示を省略した加工工具との相対送り量Aに対して、相対
回転角度Bを必要な量に厳密に制御しており、これによ
って上記傾斜溝部1aが斜め方向に所定の長さ延びるよ
うに形成している。
た動圧発生溝1は、固定部材又は回転部材のいずれかの
被加工部材2の軸受面に対して、ヘリングボーン状の溝
形状にて所定の溝深さを有するように形成されるが、い
ずれの溝形状においても、周方向に対して所定の角度を
なして斜めに延びる傾斜溝部1aが設けられる。このよ
うな傾斜溝部1aを有する動圧発生溝1は、例えばNC
旋盤を用いて加工されるが、通常は、被加工部材2と図
示を省略した加工工具との相対送り量Aに対して、相対
回転角度Bを必要な量に厳密に制御しており、これによ
って上記傾斜溝部1aが斜め方向に所定の長さ延びるよ
うに形成している。
【0004】例えば、中空円筒状をなす被加工部材2の
内周面に対して動圧発生溝1を形成する場合には、複数
の突起部を有する加工工具を穴内に挿入し、その加工工
具を軸方向に押し込みながら、C軸制御機構と呼ばれる
回転角度制御機構によって被加工部材2と加工工具との
相対回転角度を制御し、両者を定められた角度だけ相対
的に回転させる。その結果、加工工具の突起部の通過跡
が溝として形成されることとなる。
内周面に対して動圧発生溝1を形成する場合には、複数
の突起部を有する加工工具を穴内に挿入し、その加工工
具を軸方向に押し込みながら、C軸制御機構と呼ばれる
回転角度制御機構によって被加工部材2と加工工具との
相対回転角度を制御し、両者を定められた角度だけ相対
的に回転させる。その結果、加工工具の突起部の通過跡
が溝として形成されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
厳密な回転角度制御機構を備えたNC旋盤を用いて動圧
発生溝を形成する場合には、複雑で高価な製造装置を用
いねばならない上に、設定操作に手間がかかり、そのた
め製造コストが増大することとなって簡易に製造するこ
とができないという問題がある。
厳密な回転角度制御機構を備えたNC旋盤を用いて動圧
発生溝を形成する場合には、複雑で高価な製造装置を用
いねばならない上に、設定操作に手間がかかり、そのた
め製造コストが増大することとなって簡易に製造するこ
とができないという問題がある。
【0006】そこで本発明は、通常のNC旋盤を用いて
動圧発生溝を簡易に製造することができるようにした動
圧軸受装置及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
動圧発生溝を簡易に製造することができるようにした動
圧軸受装置及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる動圧軸受装置は、固定部材に対して
回転部材が周状に面対向するように回転可能に配置され
ているとともに、これら固定部材と回転部材との両周状
対向面に軸受面が設けられ、当該両軸受面のうちの少な
くとも一方側に動圧発生溝が凹設された動圧軸受装置に
おいて、上記動圧発生溝は、周方向に対して略対称的な
傾斜角度をなして斜めに延びる第1の傾斜溝部及び第2
の傾斜溝部と、これら第1及び第2の傾斜溝部が互いに
近づく側における当該第1及び第2の傾斜溝部の各一端
部にそれぞれ合流し、その合流した部位から上記第1及
び第2の傾斜溝部が互いに離れる方向とは反対側の周方
向に延びる第1及び第2の周方向溝部と、を有し、上記
第1の傾斜溝部と第2の傾斜溝部とが前記回転部材の軸
方向に所定間隔離れて配置されているとともに、これら
第1の傾斜溝部及び第2の傾斜溝部にそれぞれ合流して
連通する前記第1及び第2の周方向溝部は、上記第1及
び第2の傾斜溝部にそれぞれ合流した部位から離れる側
の周方向における各端部どうしが回転軸方向に延びる軸
方向溝部を介して連通している。
め、本発明にかかる動圧軸受装置は、固定部材に対して
回転部材が周状に面対向するように回転可能に配置され
ているとともに、これら固定部材と回転部材との両周状
対向面に軸受面が設けられ、当該両軸受面のうちの少な
くとも一方側に動圧発生溝が凹設された動圧軸受装置に
おいて、上記動圧発生溝は、周方向に対して略対称的な
傾斜角度をなして斜めに延びる第1の傾斜溝部及び第2
の傾斜溝部と、これら第1及び第2の傾斜溝部が互いに
近づく側における当該第1及び第2の傾斜溝部の各一端
部にそれぞれ合流し、その合流した部位から上記第1及
び第2の傾斜溝部が互いに離れる方向とは反対側の周方
向に延びる第1及び第2の周方向溝部と、を有し、上記
第1の傾斜溝部と第2の傾斜溝部とが前記回転部材の軸
方向に所定間隔離れて配置されているとともに、これら
第1の傾斜溝部及び第2の傾斜溝部にそれぞれ合流して
連通する前記第1及び第2の周方向溝部は、上記第1及
び第2の傾斜溝部にそれぞれ合流した部位から離れる側
の周方向における各端部どうしが回転軸方向に延びる軸
方向溝部を介して連通している。
【0008】また、本発明にかかる動圧軸受装置の製造
方法は、周状に面対向するように配置される固定部材と
回転部材との両周状対向面に設けられる軸受面のうち、
少なくとも一方側の軸受面に対して動圧発生溝を凹設す
るようにした動圧軸受装置の製造方法において、上記動
圧発生溝を形成するにあたって、まず周方向と所定の角
度をなして斜めに延びるように傾斜溝部を形成し、つい
で上記傾斜溝部の一端部から周方向に延びるように周方
向溝部を形成する。
方法は、周状に面対向するように配置される固定部材と
回転部材との両周状対向面に設けられる軸受面のうち、
少なくとも一方側の軸受面に対して動圧発生溝を凹設す
るようにした動圧軸受装置の製造方法において、上記動
圧発生溝を形成するにあたって、まず周方向と所定の角
度をなして斜めに延びるように傾斜溝部を形成し、つい
で上記傾斜溝部の一端部から周方向に延びるように周方
向溝部を形成する。
【0009】さらに、本発明にかかる動圧軸受装置の製
造方法は、上記動圧発生溝を凹設する固定部材及び回転
部材のいずれかからなる被加工部材の表面に所定の加工
工具を当接させ、これら被加工部材と加工工具とを所定
の回転駆動機構により相対的に回転移動させつつ、上記
被加工部材と加工工具とを軸方向に相対的に送ることに
よって動圧発生溝の形成を行うようにした動圧軸受装置
の製造方法において、上記被加工部材及び加工工具の相
対回転速度と相対送り速度とを所定の関係に設定して傾
斜溝部を所定長さに形成した後、軸方向の相対送りを強
制停止させるとともに、前記回転駆動機構の駆動を遮断
して被加工部材を惰性により回転させ、当該被加工部材
の惰性回転が停止するまで周方向溝を形成する。
造方法は、上記動圧発生溝を凹設する固定部材及び回転
部材のいずれかからなる被加工部材の表面に所定の加工
工具を当接させ、これら被加工部材と加工工具とを所定
の回転駆動機構により相対的に回転移動させつつ、上記
被加工部材と加工工具とを軸方向に相対的に送ることに
よって動圧発生溝の形成を行うようにした動圧軸受装置
の製造方法において、上記被加工部材及び加工工具の相
対回転速度と相対送り速度とを所定の関係に設定して傾
斜溝部を所定長さに形成した後、軸方向の相対送りを強
制停止させるとともに、前記回転駆動機構の駆動を遮断
して被加工部材を惰性により回転させ、当該被加工部材
の惰性回転が停止するまで周方向溝を形成する。
【0010】このような動圧軸受装置及びその製造方法
により、傾斜溝部の形成後に回転駆動機構の駆動を遮断
し、回転の惰性により周方向溝部を形成することとすれ
ば、厳密な角度制御が不要となり、C軸制御機構と呼ば
れる角度制御機構を用いなくても、通常のNC旋盤によ
って動圧発生溝の形成が可能となる。
により、傾斜溝部の形成後に回転駆動機構の駆動を遮断
し、回転の惰性により周方向溝部を形成することとすれ
ば、厳密な角度制御が不要となり、C軸制御機構と呼ば
れる角度制御機構を用いなくても、通常のNC旋盤によ
って動圧発生溝の形成が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。まず、図1に示されている本
発明の製造方法を用いた実施形態にかかる動圧軸受装置
においては、固定部材としての軸受ホルダー11の内周
面に2組の動圧発生部12,12が、ラジアル動圧軸受
を構成するように環状に設けられている。これらの各動
圧発生部12,12は、ヘリングボーン形状をなす多数
の動圧発生溝13,13,・・・ を、環状に延在する
所定幅の凸段部14に凹設したものであって、それらの
各動圧発生溝13のポンピング作用によって潤滑流体に
発生させられる動圧により、上記軸受ホルダー11の内
部側に回転可能に挿入された回転軸(図示省略)の支承
が行われるように構成されている。
基づいて詳細に説明する。まず、図1に示されている本
発明の製造方法を用いた実施形態にかかる動圧軸受装置
においては、固定部材としての軸受ホルダー11の内周
面に2組の動圧発生部12,12が、ラジアル動圧軸受
を構成するように環状に設けられている。これらの各動
圧発生部12,12は、ヘリングボーン形状をなす多数
の動圧発生溝13,13,・・・ を、環状に延在する
所定幅の凸段部14に凹設したものであって、それらの
各動圧発生溝13のポンピング作用によって潤滑流体に
発生させられる動圧により、上記軸受ホルダー11の内
部側に回転可能に挿入された回転軸(図示省略)の支承
が行われるように構成されている。
【0012】このとき、特に図2に示されているよう
に、上記各動圧発生溝13は、図示上下において略対称
的な溝形状を有する一対の第1及び第2の傾斜溝部13
a,13bを有しているとともに、これら第1及び第2
の傾斜溝部13a,13bどうしが合流する中心部分に
周方向溝13cを有している。
に、上記各動圧発生溝13は、図示上下において略対称
的な溝形状を有する一対の第1及び第2の傾斜溝部13
a,13bを有しているとともに、これら第1及び第2
の傾斜溝部13a,13bどうしが合流する中心部分に
周方向溝13cを有している。
【0013】上記周方向溝13cは、図示左右方向であ
る周方向に所定の長さ延びているとともに、この周方向
溝13cの溝中心線Xに対して図示上側部位及び下側部
位のそれぞれに、上記第1及び第2の傾斜溝部13a,
13bが斜めに延びている。これらの各傾斜溝部13
a,13bは、周方向に対して略対称的な所定の傾斜角
度θをなしており、これら両傾斜溝部13a,13bの
一端部、より具体的には、図示を省略した回転軸の回転
方向Cにおける下流側の端部どうし、つまり、上記両傾
斜溝部13a,13bが互いに近づく側の端部どうし
が、上記周方向溝部13cを介して合流して互いに連通
している。そして、上記周方向溝13cは、上述した両
傾斜溝部13a,13bとの合流部位から、上記第1及
び第2の傾斜溝部13a,13bどうしが互いに離れる
方向とは反対側の周方向に延びている。
る周方向に所定の長さ延びているとともに、この周方向
溝13cの溝中心線Xに対して図示上側部位及び下側部
位のそれぞれに、上記第1及び第2の傾斜溝部13a,
13bが斜めに延びている。これらの各傾斜溝部13
a,13bは、周方向に対して略対称的な所定の傾斜角
度θをなしており、これら両傾斜溝部13a,13bの
一端部、より具体的には、図示を省略した回転軸の回転
方向Cにおける下流側の端部どうし、つまり、上記両傾
斜溝部13a,13bが互いに近づく側の端部どうし
が、上記周方向溝部13cを介して合流して互いに連通
している。そして、上記周方向溝13cは、上述した両
傾斜溝部13a,13bとの合流部位から、上記第1及
び第2の傾斜溝部13a,13bどうしが互いに離れる
方向とは反対側の周方向に延びている。
【0014】このとき、上述した両傾斜溝部13a,1
3b及び周方向溝部13cは、略同一の溝深さを有して
いる。
3b及び周方向溝部13cは、略同一の溝深さを有して
いる。
【0015】このような動圧発生溝13は、C軸制御機
構と呼ばれる角度制御機構を備えていない通常のNC旋
盤によって容易に形成することができる。すなわちま
ず、上述した被加工部材としての軸受ホルダー11を、
通常のNC旋盤にワークとしてセットし、動圧発生溝1
3を形成する内周側表面に対して切削バイト等の加工工
具を当接させる。そして、所定の回転駆動機構により被
加工部材を回転させることによって、加工工具を、図2
中のC方向又はその逆方向に相対的に回転移動させると
ともに、上記加工工具を、図2の下方向である軸方向D
に所定量送る。
構と呼ばれる角度制御機構を備えていない通常のNC旋
盤によって容易に形成することができる。すなわちま
ず、上述した被加工部材としての軸受ホルダー11を、
通常のNC旋盤にワークとしてセットし、動圧発生溝1
3を形成する内周側表面に対して切削バイト等の加工工
具を当接させる。そして、所定の回転駆動機構により被
加工部材を回転させることによって、加工工具を、図2
中のC方向又はその逆方向に相対的に回転移動させると
ともに、上記加工工具を、図2の下方向である軸方向D
に所定量送る。
【0016】この場合の溝加工は、第1の傾斜溝部13
a、周方向溝部13c、第2の傾斜溝部13bの順に行
われるが、まず第1の傾斜溝部13aにおいては、図示
を省略した回転軸の回転方向Cにおける上流側(図示左
側)の端部から下流側(図示右側)に向かって加工工具
が相対的に移動されつつ、図2の下方向である軸方向D
に送られ、これによって、第1の傾斜溝部13aが斜め
に形成される。このとき、被加工部材と加工工具との相
対回転速度及び相対送り速度は、予め所定の関係に設定
されており、その設定関係によって、上記第1の傾斜溝
部13aの周方向に対する傾斜角度が、上述したθにな
されるようになっている。
a、周方向溝部13c、第2の傾斜溝部13bの順に行
われるが、まず第1の傾斜溝部13aにおいては、図示
を省略した回転軸の回転方向Cにおける上流側(図示左
側)の端部から下流側(図示右側)に向かって加工工具
が相対的に移動されつつ、図2の下方向である軸方向D
に送られ、これによって、第1の傾斜溝部13aが斜め
に形成される。このとき、被加工部材と加工工具との相
対回転速度及び相対送り速度は、予め所定の関係に設定
されており、その設定関係によって、上記第1の傾斜溝
部13aの周方向に対する傾斜角度が、上述したθにな
されるようになっている。
【0017】次に、上記第1の傾斜溝部13aを所定の
長さ形成して、回転軸の回転方向Cにおける下流側(図
示右側)端部まで形成し終わったら、加工工具の軸方向
Dへの送りを強制停止させるとともに、前記回転駆動機
構の駆動を遮断する。この回転駆動機構の遮断動作は、
プログラム動作を一時的に休止する動作であって、具体
的には、駆動モータの電源をオフ状態としたり、駆動力
伝達機構の途中に設けられたクラッチ等の継断器を遮断
する等の手段が考えられる。
長さ形成して、回転軸の回転方向Cにおける下流側(図
示右側)端部まで形成し終わったら、加工工具の軸方向
Dへの送りを強制停止させるとともに、前記回転駆動機
構の駆動を遮断する。この回転駆動機構の遮断動作は、
プログラム動作を一時的に休止する動作であって、具体
的には、駆動モータの電源をオフ状態としたり、駆動力
伝達機構の途中に設けられたクラッチ等の継断器を遮断
する等の手段が考えられる。
【0018】このとき、上記加工工具の軸方向Dへの送
りは直ちに停止されるが、被加工部材が惰性で回転され
ることとなり、上記加工工具の回転方向Cへの送りは直
ちに停止されることなく慣性力によってある角度だけ移
動する。この慣性力による回転移動の間、被加工部材と
しての軸受ホルダー11には、上記回転方向Cの上流側
(図示上側)に延びるようにして周方向溝部13cが、
上記第1の傾斜溝部13aの溝深さと略同一の溝深さで
周方向に所定の長さ形成される。
りは直ちに停止されるが、被加工部材が惰性で回転され
ることとなり、上記加工工具の回転方向Cへの送りは直
ちに停止されることなく慣性力によってある角度だけ移
動する。この慣性力による回転移動の間、被加工部材と
しての軸受ホルダー11には、上記回転方向Cの上流側
(図示上側)に延びるようにして周方向溝部13cが、
上記第1の傾斜溝部13aの溝深さと略同一の溝深さで
周方向に所定の長さ形成される。
【0019】被加工部材としての軸受ホルダー11の惰
性回転が自然停止したら、前述した回転駆動機構の回転
駆動を、前記C方向とは逆の方向C’に行わせ、これに
より加工工具を、周方向溝部13cと第1の傾斜溝部1
3aとの合流位置まで戻す。そしてそのとき、加工工具
を図2の下方向である軸方向Dに送り始め、上記周方向
溝部13cと第1の傾斜溝部13aとの合流部分から、
上記逆回転方向C’の下流側に向かって第2の傾斜溝部
13bを斜めに形成する。この第2の傾斜溝部13b
は、周方向に図示下方に角度θをなして斜めに延びるよ
うに、上記逆回転速度と軸送り速度との関係が設定され
ている。
性回転が自然停止したら、前述した回転駆動機構の回転
駆動を、前記C方向とは逆の方向C’に行わせ、これに
より加工工具を、周方向溝部13cと第1の傾斜溝部1
3aとの合流位置まで戻す。そしてそのとき、加工工具
を図2の下方向である軸方向Dに送り始め、上記周方向
溝部13cと第1の傾斜溝部13aとの合流部分から、
上記逆回転方向C’の下流側に向かって第2の傾斜溝部
13bを斜めに形成する。この第2の傾斜溝部13b
は、周方向に図示下方に角度θをなして斜めに延びるよ
うに、上記逆回転速度と軸送り速度との関係が設定され
ている。
【0020】なお、上述した第1の傾斜溝部13a及び
第2の傾斜溝部13bは、軸受ホルダー11の環状段部
14の全幅にわたって形成されるため、第1の傾斜溝部
13aの図示上側端部、及び第2の傾斜溝部13bの図
示下側端部の各側部が空間にそれぞれ隣接しており、そ
こに周方向溝部が形成されることはない。
第2の傾斜溝部13bは、軸受ホルダー11の環状段部
14の全幅にわたって形成されるため、第1の傾斜溝部
13aの図示上側端部、及び第2の傾斜溝部13bの図
示下側端部の各側部が空間にそれぞれ隣接しており、そ
こに周方向溝部が形成されることはない。
【0021】このような本発明の製造方法を用いた実施
形態にかかる動圧軸受装置及びその製造方法により、第
1の傾斜溝部13aの形成後に回転駆動機構の駆動を遮
断し、回転の惰性により周方向溝部13cを形成するこ
ととすれば、厳密な角度制御が不要となり、C軸制御機
構と呼ばれる角度制御機構を用いなくても、通常のNC
旋盤によって動圧発生溝の形成が可能となる。
形態にかかる動圧軸受装置及びその製造方法により、第
1の傾斜溝部13aの形成後に回転駆動機構の駆動を遮
断し、回転の惰性により周方向溝部13cを形成するこ
ととすれば、厳密な角度制御が不要となり、C軸制御機
構と呼ばれる角度制御機構を用いなくても、通常のNC
旋盤によって動圧発生溝の形成が可能となる。
【0022】また、図3に示された実施形態にかかる動
圧発生溝23では、第1の傾斜溝部23aの端部から第
1の周方向溝部23cが延びているとともに、第2の傾
斜溝部23bの端部から第2の周方向溝部23dが延び
ており、これら第1の傾斜溝部23aと第2の傾斜溝部
23bとが、軸方向に延びる軸方向溝部23eを介して
連通されている。すなわち、上記軸方向溝部23eが設
けられている分だけ、第1の傾斜溝部23aと第2の傾
斜溝部23bとが軸方向に離れて設けられている。この
ような実施形態においても、上記実施形態と同様な作用
・効果を得ることができる。
圧発生溝23では、第1の傾斜溝部23aの端部から第
1の周方向溝部23cが延びているとともに、第2の傾
斜溝部23bの端部から第2の周方向溝部23dが延び
ており、これら第1の傾斜溝部23aと第2の傾斜溝部
23bとが、軸方向に延びる軸方向溝部23eを介して
連通されている。すなわち、上記軸方向溝部23eが設
けられている分だけ、第1の傾斜溝部23aと第2の傾
斜溝部23bとが軸方向に離れて設けられている。この
ような実施形態においても、上記実施形態と同様な作用
・効果を得ることができる。
【0023】さらに、図4に示された本発明の製造方法
を用いた実施形態にかかる動圧発生溝33では、第1の
傾斜溝部33aの端部から延びる周方向溝部33cの途
中位置から、第2の傾斜溝部33bが延びている。この
ような実施形態においても、上記実施形態と同様な作用
・効果を得ることができる。
を用いた実施形態にかかる動圧発生溝33では、第1の
傾斜溝部33aの端部から延びる周方向溝部33cの途
中位置から、第2の傾斜溝部33bが延びている。この
ような実施形態においても、上記実施形態と同様な作用
・効果を得ることができる。
【0024】以上、本発明者によってなされた発明を各
実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各
実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもな
い。例えば本発明は、上記実施形態のような固定部材
(軸受ホルダー)に動圧発生溝を形成する場合のみなら
ず、回転部材に動圧発生溝を形成する場合にも同様に適
用することができる。
実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各
実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもな
い。例えば本発明は、上記実施形態のような固定部材
(軸受ホルダー)に動圧発生溝を形成する場合のみなら
ず、回転部材に動圧発生溝を形成する場合にも同様に適
用することができる。
【0025】また、本発明は、上記実施形態のようなラ
ジアル動圧軸受のみならず、スラスト動圧軸受等の多種
多様な軸受に対しても同様に適用することができる。
ジアル動圧軸受のみならず、スラスト動圧軸受等の多種
多様な軸受に対しても同様に適用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる動圧軸
受装置及びその製造方法は、傾斜溝部の形成後に回転駆
動機構の駆動を遮断して周方向溝部を形成することによ
って、厳密な角度制御を不要とし、C軸制御機構と呼ば
れる角度制御機構を用いなくても通常のNC旋盤によっ
て動圧発生溝の形成を可能としたものであるから、動圧
発生溝を簡易に低コストで製造することができ、生産性
を向上させることができる。
受装置及びその製造方法は、傾斜溝部の形成後に回転駆
動機構の駆動を遮断して周方向溝部を形成することによ
って、厳密な角度制御を不要とし、C軸制御機構と呼ば
れる角度制御機構を用いなくても通常のNC旋盤によっ
て動圧発生溝の形成を可能としたものであるから、動圧
発生溝を簡易に低コストで製造することができ、生産性
を向上させることができる。
【図1】本発明の一実施形態にかかる動圧発生溝を有す
る動圧軸受装置の構造を表した縦断面説明図である。
る動圧軸受装置の構造を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に表された動圧発生溝を拡大して示した正
面説明図である。
面説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる動圧発生溝を表
わした正面説明図である。
わした正面説明図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態にかかる動圧発生
溝を表わした正面説明図である。
溝を表わした正面説明図である。
【図5】一般の動圧発生溝の一例を表わした正面説明図
である。
である。
11 軸受ホルダー(被加工部材) 13,23,33 動圧発生溝 13a,23a,33a 第1の傾斜溝部 13b,23b,33b 第2の傾斜溝部 13c,23c,23d,33c 周方向溝部 23e 軸方向溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−76411(JP,A) 特開 平8−219144(JP,A) 特開 平10−103342(JP,A) 実開 平1−115018(JP,U) 実開 昭62−63415(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 17/00 - 17/26 F16C 33/00 - 33/28
Claims (4)
- 【請求項1】 固定部材に対して回転部材が周状に面対
向するように回転可能に配置されているとともに、これ
ら固定部材と回転部材との両周状対向面に軸受面が設け
られ、当該両軸受面のうちの少なくとも一方側に動圧発
生溝が凹設された動圧軸受装置において、 上記動圧発生溝は、 周方向に対して略対称的な傾斜角度をなして斜めに延び
る第1の傾斜溝部及び第2の傾斜溝部と、 これら第1及び第2の傾斜溝部が互いに近づく側におけ
る当該第1及び第2の傾斜溝部の各一端部にそれぞれ合
流し、その合流した部位から上記第1及び第2の傾斜溝
部が互いに離れる方向とは反対側の周方向に延びる第1
及び第2の周方向溝部と、を有し、上記第1の傾斜溝部と第2の傾斜溝部とが、前記回転部
材の軸方向に所定間隔離れて配置されているとともに、 これら第1の傾斜溝部及び第2の傾斜溝部にそれぞれ合
流して連通する前記第1及び第2の周方向溝部は、上記
第1及び第2の傾斜溝部にそれぞれ合流した部位から離
れる側の周方向における各端部どうしが回転軸方向に延
びる軸方向溝部を介して 連通していることを特徴とする
動圧軸受装置。 - 【請求項2】 周状に面対向するように配置される固定
部材と回転部材との両周状対向面に設けられる軸受面の
うち、少なくとも一方側の軸受面に対して動圧発生溝を
凹設するようにした動圧軸受装置の製造方法において、 上記動圧発生溝を形成するにあたって、まず周方向と所
定の角度をなして斜めに延びるように傾斜溝部を形成
し、ついで上記傾斜溝部の一端部から周方向に延びるよ
うに周方向溝部を形成することを特徴とする動圧軸受装
置の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の動圧発生溝を凹設する固
定部材及び回転部材のいずれかからなる被加工部材の表
面に所定の加工工具を当接させ、これら被加工部材と加
工工具とを所定の回転駆動機構により相対的に回転移動
させつつ、上記被加工部材と加工工具とを軸方向に相対
的に送ることによって動圧発生溝の形成を行うようにし
た動圧軸受装置の製造方法において、 上記被加工部材及び加工工具の相対回転速度と相対送り
速度とを所定の関係に設定して傾斜溝部を所定長さに形
成した後、軸方向の相対送りを強制停止させるととも
に、前記回転駆動機構の駆動を遮断して被加工部材を惰
性により回転させ、当該被加工部材の惰性回転が自然停
止するまで周方向溝を形成するようにしたことをことを
特徴とする動圧軸受装置の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の周方向溝を形成した後
に、被加工部材と加工工具とを逆方向に相対回転させ、
ついで、上記被加工部材及び加工工具の相対逆回転速度
と相対送り速度とを所定の関係に設定して第2の傾斜溝
部を所定長さに形成することを特徴とする動圧軸受装置
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31295596A JP3311258B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 動圧軸受装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31295596A JP3311258B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 動圧軸受装置及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10141359A JPH10141359A (ja) | 1998-05-26 |
JP3311258B2 true JP3311258B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=18035501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31295596A Expired - Fee Related JP3311258B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 動圧軸受装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3311258B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI715450B (zh) * | 2020-02-25 | 2021-01-01 | 建準電機工業股份有限公司 | 軸承系統及其止推板 |
-
1996
- 1996-11-08 JP JP31295596A patent/JP3311258B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10141359A (ja) | 1998-05-26 |
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