JP3310671B2 - ビータビイコライザにおける状態遷移メトリックを計算するためのシステムおよび方法 - Google Patents

ビータビイコライザにおける状態遷移メトリックを計算するためのシステムおよび方法

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JP3310671B2 JP50766093A JP50766093A JP3310671B2 JP 3310671 B2 JP3310671 B2 JP 3310671B2 JP 50766093 A JP50766093 A JP 50766093A JP 50766093 A JP50766093 A JP 50766093A JP 3310671 B2 JP3310671 B2 JP 3310671B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は一般的には位相変調信号を受信するよう動作
する受信機の受信機回路に関し、かつ、より特定的に
は、ビータビイコライザ(Viterbi equalizer)におけ
る状態遷移メトリック(state transition metric)
を計算するためのシステム、および関連する方法、そし
てこれを導入し受信機の一部を形成するイコライザ回路
に関する。
通信システムは情報(以後「情報信号」と称する)を
2つまたはそれ以上の位置の間で送信するよう動作し、
かつ送信チャネルによって相互結合された送信機および
受信機を含む。情報は送信チャネルによって前記送信機
により受信機に送信される。無線通信システムは前記送
信チャネルが無線周波チャネルからなる通信システムで
あり、この場合前記無線周波チャネルはある範囲の周波
数の電磁周波数スペクトルによって規定される。
無線通信システムの一部を形成する送信機は送信され
るべき情報信号を無線周波チャネルによって送信するの
に適した形式に変換するための回路を含む。そのような
回路は変調回路と称され変調と称されるプロセスを行
う。そのようなプロセスにおいては、前記情報信号は無
線周波電磁波に刻み込まれ、この場合該無線周波電磁波
は前記情報信号が送信されるべき無線周波チャネルを規
定する周波数範囲内の周波数のものである。無線周波電
磁波は一般に「キャリア信号」と称され、かつ該無線周
波電磁波はいったん前記情報信号によって変調される
と、通常、変調信号または変調された信号と称される。
変調信号を形成するためにキャリア信号に情報信号を
刻み込むための種々の変調機構が知られている。
1つのそのような変調機構は位相変調であり、その場
合は前記情報信号は前記キャリア信号に対して該キャリ
ア信号の位相が前記情報信号の情報内容に対応して変え
られるように前記キャリア信号に刻み込まれる。変調信
号の位相変化はそれによって変調信号の情報内容を形成
する。該変調信号の位相の適切な検出によって前記情報
信号の再生が可能になる。
関連する変調機構は差分位相変調(differential ph
ase modulation)であり、この場合は変調信号の差分
位相変化(すなわち、変調信号の隣接部分の間の位相
差)が変調信号の情報内容を形成する。変調信号の差分
位相変化の適切な検出が前記情報信号の再生を可能にす
る。
無線通信システムは送信機と受信機との間に何らの物
理的相互接続も要求されないという点で有利であり、い
ったん情報信号が変調されて変調信号が形成されると、
該変調信号は大きな距離にわたって送信できる。
セルラ通信システムは無線通信システムの1つの形式
である。そのようなセルラ通信システムにおいて動作す
る無線電話は変調信号の同時的な発生および受信を可能
にする回路を含み、それによって無線電話と遠隔に位置
する送受信機との間の2方向通信を可能にする。これら
の遠隔に位置する送受信機、一般には「ベースステーシ
ョン」と称される、は物理的に伝統的な電話ネットワー
クに接続されて無線電話と伝統的な電話ネットワークの
ある固定された位置との間の通信を可能にしている。
セルラ通信システムはある地理的領域にわたり間隔を
開けて離れた位置に数多くのベースステーションを配置
することにより形成される。各ベースステーションは1
つ、または数多くの、無線電話によってそこに送信され
る変調信号を受信し、かつ変調信号をその1つの、また
は多くの、無線電話に送信するための回路を含んでい
る。ある周波数帯域(アメリカ合衆国においては、800M
Hzと900MHzとの間に広がっている)がセルラ通信システ
ムによる無線電話通信のために割当てられている。
該セルラ通信システムを形成するベースステーション
の各々の配置は注意深く選択され、少なくとも1つのベ
ースステーションが前記地理的領域にわたる任意の場所
に位置する無線電話によって送信される変調信号を受信
するよう配置されることを保証する。
ベースステーションの間隔を開けた配置の性格のた
め、ベースステーションが位置する地理的領域の部分は
前記ベースステーションの個々の1つと関連している。
前記間隔を開けて配置されたベースステーションの各々
に最も近い地理的領域の部分は「セル」を規定し、複数
のセル(各々1つのベースステーションに関連する)が
一緒になってセルラ通信システムによって包含される地
理的領域を形成する。前記セルラ通信システムの任意の
セルの境界内に位置する無線電話は変調信号を少なくと
も1つのベースステーションに送信し、かつ少なくとも
1つのベースステーションから受信することができる。
セルラ通信システムのベースステーションおよび無線
電話は該無線電話と該無線電話が位置するセルに関連す
るベースステーションとの間で、該無線電話がセルの間
を移動する場合に、連続的なかつ中断されない通信がで
きるようにする回路を含んでいるから、セルラ通信シス
テムによる通信は自動車で移動している時に無線電話を
操作する者にとって特に都合がよいものである。
セルラ通信システムによる通信の人口が増大したこと
により、いくつかの場合において、セルラ無線電話通信
のために割当てられた周波数帯域のすべての利用可能な
チャネルを完全に使用している状態を生じている。その
結果、無線電話通信に割当てられた周波数帯域をより効
率的に利用するために種々のアイディアが提案されてい
る。無線電話通信のために割当てられた周波数帯域をよ
り効率的に利用することにより、現存するセルラ通信シ
ステムの送信容量を増大することができる。
1つのそのような提案によれば、2つまたはそれ以上
の無線電話が単一の送信チャネルを共有することを可能
にする。2つまたはそれ以上の無線電話が単一の送信チ
ャネルによって信号を送信しまたは受信する時、現存す
るセルラ通信システムの容量を倍にすることができる。
同じ送信チャネルを共有する無線電話から送信される、
あるいは該無線電話に送信される、信号は同時に送信で
きないが(同時送信は信号のオーバラップを引起こし、
それによって両方の信号の検出を不可能にする)、信号
は間欠的なバーストで送信できる。情報信号をディスク
リートまたは離散形式に符号化し(例えば、ディスクリ
ート形式の2進データストリームを形成し)かつそのよ
うな符号化プロセスによって発生されたディスクリート
形式に符号化された信号を変調することにより、結果と
して得られた変調信号は間欠的なバーストで送信でき
る。そのような変調信号は受信機によって再生されそれ
によって送信信号情報内容を決定できる。
キャリア信号に対しディスクリートに符号化された情
報信号を変調するのに適した変調技術は前に述べた、差
分(differential)位相変調技術である。より詳細に
は、特定の差分変調技術、π/4差分位相シフトキーイン
グ(DQPSK)変調技術がアメリカ合衆国における増大さ
れた容量のセルラ通信システムのための標準の変調技術
として選択されてきている。
情報信号をディスクリートの2進データストリームに
符号化することはまた、前記送信チャネルによって変調
信号を送信する間に該変調信号に導入されるノイズが前
記情報信号が伝統的なアナログ信号からなる場合よりも
前記情報信号がディスクリートな2進データストリーム
からなる場合のほうがより容易に検出および除去できる
ため、都合がよい。
離散的に符号化された(かつ上に述べたπ/4 DQPSK
変調技術によって変調された)情報信号からなる変調信
号の送信の間に符号間干渉の結果として生じる歪みは受
信機回路の一部を形成するイコライザ回路によって除去
できる。該イコライザは、例えば、IEEE Transaction
On Communication、1974年5月、第COM−22巻、第5
号、におけるGottfried Ungerboeckによる、“Adaptiv
e Maximum−Likelihood Receiver For Carrier−Mo
dulated Data−Transmission System"と題する論文に
記載されているような、最尤シーケンス推定装置(MLS
E)から構成することができる。
開示されたMLSEはマッチドフィルタおよびビタービイ
コライザからなる。マッチドフィルタおよびビタービイ
コライザはプロセッサ回路で実施されるアルゴリズムに
よって実現できる。
受信機によって受信された変調信号は復調回路によっ
て復調され、かつ次にMLSEのマッチドフィルタに印加さ
れる。該マッチドフィルタはろ波信号を発生し、該ろ波
信号はビダービイコライザに印加される。ビダービイコ
ライザはある周波数チャネルによる送信の間に符号間干
渉により引き起こされる信号の歪みを修正するよう動作
する。
前記ビタービイコライザは最も起こり得る一連のシン
ボルを表す最尤経路またはパス(maximun likelihood
paths)を決定する。ビタービアルゴリズムの可能な
経路またはパスの数は変調信号の可能なシンボルレベル
の数に関係するのみならず(π/4 DQPSK信号の場合に
は、各シンボルは8個の異なる値の内の1つである)、
一連のシンボルにおけるシンボルの数に指数関数的に
(exponentially)関係する。この指数関数的関係のた
め、最尤経路を決定するためにビタービイコライザに要
求される計算の数がかなり多くなる。そのようなかなり
の数の必要な計算は時間を消費しかつビタービイコライ
ザが適切な決定を行うめに多くの処理時間が必要とな
る。
従って、最尤経路を適切に決定するためにより少しの
処理時間を必要とするのみの複雑さの少ないビタービイ
コライザが望ましい。
発明の概要 従って、本発明は複雑さの少ないビタービイコライザ
における状態遷移メトリックを計算するためのシステム
および関連する方法を提供する。
本発明はさらに無線送受信機を好適に提供し、該無線
送受信機は無線受信機の一部を形成するビタービイコラ
イザにおける状態遷移メトリックを計算するためのシス
テム、および関連する方法、を有する。
本発明はさらに他の利点および特徴を有し、それらの
詳細は以下の好ましい実施例の詳細な説明を参照するこ
とによりさらに明瞭になるであろう。
従って、本発明によれば、複数のシンボルまたは記号
(symbols)から形成される信号を受信するよう動作す
る無線受信機の一部を形成するビタービイコライザにお
いて状態遷移メトリックを決定するためのシステムおよ
び関連する方法が提供され、前記状態遷移メトリックは
2つの連続する状態の関数として定義される。2つの連
続する状態の内の各々の状態は位相シフトキーイング変
調機構の可能な記号の内の記号の組に関して規定され
る。2つの連続する状態の関数として定義される、状態
遷移メトリックは前記位相シフトキーイング変調機構の
可能な記号の集合の内の許容される記号間の対による
(pairwise)差の関数として定義される状態遷移メトリ
ックに変換される。
図面の簡単な説明 本発明は添付の図面と共に以下の説明を参照すること
によりさらによく理解され、図面においては、 第1図は、変調信号を送信しかつ受信するよう動作可
能な通信システムのブロック図であり、 第2A図は、π/4 DQPSK信号の許容されるシンボルを
示すグラフ表現であり、 第2B図は、QPSK信号の許容されるシンボルを示すグラ
フ表現であり、 第2C図は、本発明の好ましい実施例に係わる状態遷移
メトリックを規定する対による差から形成される再帰関
数のブロック図表現であり、 第3図は、π/4 DQPSK変調機構の隣接シンボル間の
関係を示すグラフ表現であり、 第4図は、π/4 DQPSK変調機構の隣接シンボル間の
関係を示す、第3図と同様の、グラフ表現であり、 第5図は、π/4 DQPSK信号の可能なシンボル値の内
の第1の部分集合のシンボルを示すグラフ表現であり、 第6図は、π/4 DQPSK信号の可能なシンボル値の内
の第2の部分集合のシンボルを示すグラフ表現であり、 第7図は、本発明の好ましい実施例の受信機のチャネ
ルイコライザを構成する最尤シーケンス推定装置のブロ
ック図であり、 第8図は、本発明の好ましい実施例に係わるビタービ
イコライザを具備するプロセッサ回路のブロック図であ
り、 第9図は、本発明の別の実施例のビタービイコライザ
において状態遷移メトリックが取り得る可能な値を示す
テーブルであり、そして 第10図は、本発明の教示に従って構成された送受信機
のブロック図である。
好ましい実施例の詳細な説明 まず始めに第1図のブロック図を参照すると、参照番
号20で総括的に参照される、通信システムが示されてい
る。通信システム20はデジタル的に符号化された情報信
号を送信しかつ受信するよう動作可能である。ここでは
ブロック24によって表わされる、アナログ情報源は、例
えば、音声信号またはデータ信号のような、情報信号の
ソースを表わす。情報源24が音声信号からなる場合に
は、情報源24は該音声信号を所望の特性の電気信号に変
換するための、変換器、または他の適切な回路、を含ん
でいる。
アナログ情報源24によって発生された情報信号はソー
スエンコーダ28に供給される。ソースエンコーダ28は情
報源24によってそこに供給された情報信号を符号化機構
に従ってデジタル信号に変換する。
ソースエンコーダ28によって発生されたデジタル信号
はチャネルエンコーダ32に供給される。
チャネルエンコーダ32はそこに供給されたデジタル信
号を、例えば、ブロックおよび/またはたたみ込み符号
化技術(convolutional coding technique)のよう
な、コーディング技術に従って符号化する。チャネルエ
ンコーダ32はソースエンコーダ28によってそこに供給さ
れるデジタル信号の冗長度(redundancy)を増大するよ
う動作する。デジタル信号の冗長度を増大することによ
り、ある周波数チャネルによって送信される信号の歪み
が情報源24によって発生される情報信号の情報内容を誤
って解釈する結果を招く可能性が少なくなる。
チャネルエンコーダ32によって発生された符号化され
た信号は変調器38に供給される。変調器38はそこに供給
された符号化信号をある変調技術に従って変調するよう
動作する。本発明の好ましい実施例においては、変調器
38はそこに供給された信号を差分符号化変調機構に従っ
て変調し、特に、π/4 DQPSK変調信号を形成するよう
動作する。しかしながら、本発明の教示は、位相シフト
キーイング変調機構によって変調された信号を受信する
よう動作する任意の受信機において有利に使用できるこ
とが分る。
情報源24、ソースエンコーダ28、チャネルエンコーダ
32、および変調器38は一緒になって、通信システム20
の、参照数字42で示され、かつ点線で示されたブロック
によって図示された、送信機を構成する。
変調器38は、ここでは前にも述べたように好ましくは
π/4 DQPSK変調信号である変調信号を発生し、該変調
信号は、ここではブロック48で示される、ある周波数チ
ャネルによって送信される。典型的には、前記変調信号
が送信されるチャネルはノイズがないわけではなく、む
しろ、(図面において矢印52で示される)ノイズによっ
て引起こされる歪みおよび符号間干渉(intersymbol i
nterference)のため送信機42で発生された変調信号に
歪みを生ずる結果となる。
周波数チャネル48によって送信機42により送信された
変調信号は、ここでは点線で示されたブロックによって
示される、受信機56により受信される。受信機56は本発
明のシステムおよび方法を導入した受信機を表す。
受信機56によって受信された受信信号は受信機56の一
部を形成する復調器62に供給される。復調器62は前記受
信信号を本質的に送信機42の変調器38が変調信号を発生
するプロセスの逆であるプロセスによって受信信号を復
調する。
復調器62は復調信号を発生し、該復調信号はチャネル
イコライザ66に供給される。チャネルイコライザ66は周
波数チャネル48によって送信された信号に対する歪みを
修正するよう動作し、かつ本発明のシステムを導入して
いる。
チャネルイコライザ66は等化された信号を発生し、該
等化された信号はチャネルデコーダ70に供給される。チ
ャネルデコーダ70はシステム20の送信機42のエンコーダ
32に対応するが、チャネルイコライザ66によってそこに
供給された等化された(しかしながら、依然として符号
化された)信号をデコードするよう機能する。
チャネルデコーダ70はデコード信号を発生し、該デコ
ード信号はソースデコーダ74に供給される。ソースデコ
ーダ74はそこに供給された信号を情報シンク80に印加す
るのに適した形式に変換する。情報シンク80は、例え
ば、イアピースまたは受信機のスピーカ部、あるいはソ
ースデコーダ74によって発生されたデーコド信号を含む
電気信号を人間が知覚可能な形式に変換するための他の
そのよう変換器から構成することができる。
復調器62、チャネルイコライザ66、チャネルデコーダ
70、ソースデコーダ74、および情報シンク80を表わすブ
ロックは受信機56を示すブロック内に描かれており、そ
れによってブロック62〜80のそれぞれの回路が一緒にな
って受信機を構成することを表している。
次に第2A図のグラフに移ると、π/4差分4相位相シフ
トキーイング(DQPSK)信号の集合(constellation se
t)が図式的に示されている。該集合は横座標軸104およ
び縦座標軸108から形成され2つの軸が原点112において
交差する座標軸システムにプロットされている。横座標
軸104はcos(ωt)に関してスケーリングされ、かつ縦
座標軸108はsin(ωt)に関してスケーリングされてい
る。変数ωは角周波数であり、変数tは時間量を示す。
横座標軸および縦座標軸104および108はしばしば、それ
ぞれ、実軸および虚軸(real and imaginary axes)
と称される。
共にπ/4 DQPSK信号の集合を形成するシンボル値か
らなるシンボルセットが原点112の回りに延在する単位
円の回りに等距離で配置されたポイント116,120,124,12
8,132,136,140および144によって表わされている。軸10
4および108が、それぞれ、実軸および虚軸と称される場
合は、各ポイント116〜144は大きさおよび位相で表わす
ことができる。各ポイント116〜144の大きさ(振幅)は
(それぞれのポイント116〜144が原点112から単位円上
の同じ距離に配置されているため)同じであるから、各
ポイント116〜144は単に位相で表わすことができる。原
点112の回りの等しい間隔のため、π/4 DQPSKのシンボ
ルセットを構成する8個のポイントは互いに45度の角度
位相だけ離れている。従って、ラジアンに関して、ポイ
ント116はゼロのシンボルである称することができ、ポ
イント120はπ/4のシンボルと称することができ、ポイ
ント124はπ/2のシンボルと称することができ、ポイン
ト128は3π/4のシンボルと称することができ、ポイン
ト132はπのシンボルと称することができ、ポイント136
は5π/4のシンボルと称することができ、ポイント140
は3π/2のシンボルと称することができ、かつポイント
144は7π/4のシンボルと称することができる。差分符
号化機構においては、変調信号の情報内容は隣接シンボ
ル間の差分位相変化に含まれている。
ポイント116〜144はまた番号0〜7によって示すこと
ができ、すなわち、ポイント116は“0"によって表わす
ことができ、ポイント120は“1"によって表わすことが
でき、ポイント124は“2"で表わすことができ、以下同
様である。
従って、π/4 DQPSK変調機構においては、変調信号
の隣接シンボル間の位相変化が該信号の情報内容を形成
する。π/4 DQPSK信号の隣接シンボル間の可能な位相
変化は+/−π/4、および+/−3π/4であると規定さ
れる。送信機42の変調器38がπ/4 DQPSKの変調信号を
形成する時、該変調信号の各シンボルはポイント116〜1
44を規定する位相の1つに対応する位相となっており、
かつ、結果として得られる、変調信号の隣接シンボルは
位相が上に規定した位相だけオフセットすることにな
る。
第2B図は、第1A図と同じであるが、4相の(quartern
ary)位相シフトキーイング(QPSK)変調信号の可能な
シンボル値からなる集合を形成する各ポイントを示すグ
ラフ表現である。座標軸システムは前と同様に、ここで
は参照数字104′および108′で示される、横座標軸およ
び縦座標軸からなり、これらはそれぞれcos(ωt)お
よびsin(ωt)に関してスケーリングされている。4
つのポイント、ここではポイント120′,128′,136′お
よび144′は座標軸システム104′−108′によって規定
される原点を中心とする単位円上に位置し、かつ該単位
円上に互いに等しい距離だけ離れている。ポイント12
0′−144′はしばしば伝統的にそれらの位相位置に関し
て表現される。
本発明のシステムおよび方法は第2A図〜第2B図に示さ
れる可能なシンボル値を有する変調機構を含む、何らか
の位相シフトキーイング(PSK)変調信号を受信する場
合に使用できる。前に述べたように、特定のPSK変調機
構、すなわちπ/4 DQPSK変調機構が特に重要であり、
それはそのような変調機構がアメリカ合衆国における増
大する容量のセルラ通信システムのための標準の変調技
術として選択されているからである。
従って、以下の説明は、第1に一般のPSK変調機構に
関し、かつ、第2に、π/4 DQPSK変調機構に関し本発
明のシステムおよび方法を説明する。
一般的な位相シフトキーイング変調機構 再び第1図のブロック図を参照すると、PSK変調機構
に従ってそこに供給された信号を変調するよう動作する
変調器38を有する、送信機42は次の式で表される信号を
送信する。
この場合、 上の指数におけるdnは値{0,1,...,k−1}を有する差
分符号化データシンボルであり(PSK変調機構の可能な
シンボル値により規定される前記集合のポイントに割当
てられた数値に対応し、例えば、第2A図に示される変調
機構においてはk=8であり、かつ第2B図に示される変
調機構においてはk=4である)、そして f(t)は変調器38に印加される2進信号の送信され
た等価ベースバンドパルスである。式(1)によって表
されるシーケンスのシンボルは前記変調信号を構成する
シンボルのシンボル値を形成する。
送信チャネル48によってその送信後に、受信機56によ
って受信された信号は次の式で表される。
この場合、 h(t)=g(t)*f(t)、すなわち、送信され
た等価なベースバンドパルスおよび送信チャネル48を構
成するマルチパスチャネルの複数ローパスフィルタ等価
インパルス応答のコンボリューションであり、そして w(t)は加法性ホワイトガウスノイズ(additive
white,gaussian noise:AWGN)を表す時変値である。
受信機56のチャネルイコライザ66は好ましくは、上に
述べたように、最尤シーケンス推定装置(maximum lik
elihood sequence estimator:MLSE)から構成され
る。上に説明したように、MLSEはマッチドフィルタおよ
びビタービイコライザからなる。
前記MLSEのマッチドフィルタは、次の式によって数学
的に表現できる、サフィシャント統計量(sufficient
statistic)znと称される値を計算する。
この場合、 gMF(t)は前記マッチドフィルタのインパルス応答
であり、 y(t)は(上に規定した)受信信号であり、 rnはノイズシーケンスであり、そして である。
上の式において、s1の項はしばしばそれによって前記
変調信号が送信されるチャネルのチャネル自己相関関数
の要素と称される。
また、マッチドフィルタのインパルス応答、g
MF(t)はまたh(t)の時間反転、複素共役(time−
inverse,complex conjugate)に等しいことが注目さ
れ、次のようになる。
gMF(t)=h*(−t) (5) 前記MLSEは、次の式に従って、状態{σn-1}および
状態σの間の、サバイバメトリック(survivor metr
ics)と称される、メトリック方程式の値Jn(σ)を
最大にするシーケンス[α]を、最も送信される可能
性のあるものとして、決定するよう動作する。
この場合、F(σn-1)は次の式で規定される状
態遷移メトリックとして定義される。
この場合、 σ={dn-L+1・・・dn}、そして Lはシンボルの数におけるチャネルのメモリである。
状態遷移メトリックF(σn-1)は2つの連続す
る状態σn-1およびσの関数であることに注意を要す
る。
MLSEのビータビイコライザは前記サバイバメトリック
Jn(σ)の値を発生するよう動作する。PSK変調機構
においては、αの振幅は、1に正規化され、あるいは
1に正規化することができ、すなわち、|αn|=1であ
る。従って、サバイバメトリックJn(σ)を規定する
方程式は次のように書き替えることができる。
となる。
前記チャネルのシンボルの数におけるメモリが受け入
れ可能な値にセットされている場合は、この方程式はさ
らに単純化される。前記チャネルのメモリは符号間干渉
がマルチパスチャネルの異なる経路により送信された信
号の相対的な遅延時間を生ずるマルチパスチャネルによ
る信号遅延に関係し、かつ該信号遅延に比例する。2つ
のシンボル(すなわち、L=2の場合)のメモリはアメ
リカ合衆国セルラシステムにおいて動作する無線電話に
対し送信された信号の正確な受信のために受け入れ可能
なものと考えられる。L=2である場合、状態遷移メト
リックF(σn-1)は次の式のように書き替えるこ
とができる。
次に、伝統的には、状態遷移メトリックが2つの引き
続く状態の関数であると規定され、かつL=2である場
合に、状態遷移メトリックFの計算は各々の決定に対し
k3の計算を必要とするが、これはF(σn-1)がα
nn-1n-2のすべての組合わせに対して計算されな
ければならないからである。
状態遷移メトリック、F、を規定する前の式を詳細に
調べるとそのような値を決定するために必要とされる計
算の数をさらに簡略化することができる。変数a,bおよ
びcがPSK変調機構の可能なシンボル値によって規定さ
れる集合の位相集団のポイントに割当てられた集合
{0,...,k−1}(すなわち、数値)から得られる値で
あると定義することにより、時間σn-1およびσにお
ける任意の2つのポイントにおける状態は次のように規
定できる。
この場合、 a,bおよびcは集合{0,...,k−1}の要素である。
各項ej2πc/k,ej2πb/kおよびej2πa/kは前記集合
(constellation set)のシンボルを表す。
状態遷移メトリック、F、を規定する上の式は次のよ
うに書き替えることができる。
状態遷移メトリック、Fを規定する式を次のように書
き替えることにより、該状態遷移メトリックは可能なシ
ンボル値の集合のシンボル間の対により差の関数となる
ことに注意を要する。
ここで、L=2に対しては、2つの対による差が規定
され、かつ対による差の組、Z、は次のように規定され
る。
Z={(b−a),(c−a)} (14) 上記値(c−a)はc−b+b−aまたは(c−b)
+(b−a)と書き替えることができる。従って、上の
式はまた次のように書き替えることができる。
従って、状態遷移メトリック、F(σn-1)、の
値は前記集団の位相遷移(c−b)および(b−a)の
みの関数であり、すなわち、状態メトリック、F、は前
記集合の可能なシンボル値間の対による差の関数であ
る。
より一般的には、式Δは次のように規定することがで
きる。
この場合、初期条件は、 Δ=0 であり、また、 ZはPSK変調機構の可能なシンボル間の1組の対によ
る差分であり、 Lはシンボルの数におけるチャネルのメモリであり、
そして Sはチャネル自己相関関数の要素である。
1例として、以下に示すものはL=3の場合のΔの展
開である。L=3の場合、Z、すなわち、前記組の対に
よる差分は次のように規定できる。
Z={(b−a),(c−b),(d−c)} (17) 一般に、F(σn-1)=F(Z)=Re(Δ)で
ある。従って、L=3に対しては、Δは次のようにな
る。
上記項Δを展開することにより、Δはさらに次の
ように展開できる。
また、上記項Δを展開することにより、Δはさら
に次のように展開される。
Δは再帰関数(recursive function)であり、かつ
図式的に説明できる。第2C図は、上記式(20)を形成す
るために展開された、L=3の場合の関数を示す。総括
的に参照数字146で参照される、再帰関数は、それぞ
れ、ブロック148A,148Bおよび148C、乗算器要素150A,15
0Bおよび150C、そして加算要素152Aおよび152Bによって
示される、チャネル自己相関関数の要素の値からなる。
Lの他の値に対して形成される再帰関数もまた同様にし
て表現できる。
II/4 DQPSK変調機構 次に第3図にグラフ表現に移ると、π/4 DQPSK変調
機構の隣接シンボル間の関係が示されている。第2A図の
グラフ表現において規定された座標軸システムと同様
に、それぞれ、ここでは軸154および158である、横座標
軸および縦座標軸が原点、ここでは原点162、において
交差する。ゼロラジアンの位相を有するシンボル、ここ
では“X"166で示される、は横座標軸154の上にプロット
されている。シンボル166に続きかつそれにすぐ隣接し
て送信されるシンボルはシンボル166に対して上で規定
した位相(すなわち、+/−π4または+/−3π/4ラ
ジアン)だけ位相がオフセットしている。
図式的には、次の状態のシンボルはシンボル166の位
相に関して位相がオフセットしていなければならない。
特に、かつ上に説明した機構に従って、シンボル166の
送信に続いて送信されたシンボルはシンボル170,174,17
8または182に対応する位相のものでなければならない。
シンボル166は軸154の上にプロットされており、かつ各
々の可能な続いて送信されるシンボルは位相がオフセッ
トしており、かつ軸154または158の1つの上にプロット
される位相のものでないことに注意を要する。同様に、
もしシンボル166が、あるいは、シンボル166が縦座標軸
158上にプロットされるような位相のものであれば、可
能な引き続き送信されるシンボルは同様に軸154および1
58のオフセットした位置にプロットされる。
次に第4図のグラフ表現に移ると、π/4 DQPSK変調
機構の隣接シンボル間の関係が再び示されている。第3
図のグラフ表現において規定された座標軸システムと同
様に、横座標軸および縦座標軸、ここではそれぞれ204
および208、は原点、ここでは原点212、において交差す
る。π/4ラジアンの位相を有するシンボル、ここでは
“X"216で示されるもの、は座標軸システム204−208の
上にプロットされている。シンボル218に続き、かつそ
れに直ちに隣接して送信されるシンボルは上に規定した
位相だけシンボル218に関して位相がオフセットしてい
る。図式的には、次の状態のシンボルはシンボル218の
位相に関して位相がオフセットしていなければならな
い。特に、かつ上に説明した機構に従って、シンボル21
8の送信に続いて送信されるシンボルはシンボル222,22
6,230または234に対応する位相のものでなければならな
い。
シンボル218は両方の軸204および208からオフセット
してプロットされており、かつ各々の可能な、引き続き
送信されるシンボルは位相がオフセットしておりかつ軸
204および208の1つの上にプロットされる位相を有して
いることが注目される。同様に、もしシンボル218が、
あるいは、軸204および208に関して位相がオフセットし
たいずれかの他のシンボル値に対応した位相を有してお
れば、可能な引き続き送信されるシンボルは同様に軸20
4または208の内の1つの上の位置にプロットされるであ
ろう。
第5図は、前の図面のグラフ表現と同様に、原点、こ
こでは原点262、で交差する互いに直交する軸、ここで
は軸254および258からなる座標軸システムによって規定
されるグラフ表現である。ポイント266,270,274および2
78はπ/4 DQPSK変調信号の4つの可能なシンボル値を
表す。ポイント266−278は第3図のポイント170−182に
対応する。ポイント266−278は従って軸254または258の
内の1つの上の点によって表されるシンボルの送信に隣
接して直ちに送信できる可能な引き続き送信されるシン
ボルを表す。
第6図は、前の図面のグラフ表現と同様に、原点、こ
こでは原点312、で交差する互いに直交する軸、ここで
は軸304および308、から形成される座標軸システムによ
って規定されるグラフ表現である。ポイント322,326,33
0および334はπ/4 DQPSK変調信号の4つの可能なシン
ボル値を表し、かつ、従って、その部分集合を形成す
る。ポイント322−334は従って軸304または308の1つか
らオフセットしたポイントによって表されるシンボルの
送信に直ちに隣接した可能な引き続き送信されるシンボ
ルを表す。
前に述べたように、ビタービイコライザは最も起こり
そうなシンボルのシーケンスを表す最尤パスを決定する
よう動作する。ビタービイコライザは典型的には処理回
路内に構成されたアルゴリズム(ビータビアルゴリズ
ム)によって形成される。しかしながら、そのようなイ
コライザのハードウェア構成ももちろん可能である。
第1図の通信システム20のブロック図を参照すると、
ビタービイコライザは典型的には等化された(すなわ
ち、デコードされた)信号を発生するチャネルイコライ
ザ66の一部を形成する。ビタービイコライザの動作はし
ばしば信号の可能な状態が縦方向に延びる列の要素とし
て表されるトレリス(trellis)によって図式的に表現
される。隣接期間の可能な状態は同様に同様の縦方向に
延びる列によって表現される。
各時間期間の可能な状態は変調機構の可能なシンボル
値のシンボルの集合によって規定される。最も簡単な実
施例においては、該シンボルの集合は各々単一のシンボ
ルによって規定される。より複雑な実施例においては、
該シンボルの集合は各々2つのシンボルによって規定さ
れる(あるいは、いくつかの実施例においては、2つよ
り多くのシンボルによって規定される)。可能な状態が
2つのシンボルの集合によって規定されるビタービイコ
ライザは2つのシンボルのメモリ(memory)を有すると
いわれる。
時間的に任意のインターバルにおけるあるシンボルの
可能なシンボル値を各々表す、縦方向に延びた列の集合
はアレイを形成し、そのようなアレイは一般にビタービ
イコライザのトレリス(trellis)と称される。
再び第1図のブロック図を参照すると、π/4 DQPSK
変調機構に従ってそこに供給される信号を変調するよう
動作する変調器38を有する、送信機42は次の式で表すこ
とができる信号を送信する。
この場合、 上の指数におけるdnは(第2図のポイント116−144に
割当てられた数値に対応する)値0−7を有する差分符
号化データシンボルであり、そして f(t)は変調器38に印加される2進信号の送信され
た等化ベースバンドパルスの値である。式(21)によっ
て表される、シンボルのシーケンスは前記変調信号を構
成するシンボルのシンボル値を形成する。
送信チャネル48によるその送信後に、受信機56によっ
て受信された信号は次の式で表される。
この場合、 h(t)=g(t)*f(t)、すなわち、送信され
た等化ベースバンドパルスおよび送信チャネル48を構成
するマルチパスチャネルの複素、ローパスフィルタ等
化、インパルス応答のコンボリューションであり、そし
て w(t)は加法性ホワイトガウスノイズ(AWGN)を表
す時変値である。
受信機56のチャネルイコライザ66は好ましくは、上に
述べたように、最尤シーケンス推定装置(MLSE)から構
成される。第7図は、参照数字400で示される、MLSEの
ブロック図であり、本発明の好ましい実施例のチャネル
イコライザ66を具備する。MLSE400はライン406上の一連
の(a sequence of)シンボルを受信し、該シンボル
はマッチドフィルタ412に供給される。マッチドフィル
タ412はライン418上に処理された信号を発生し、該信号
はビタービイコライザ424に供給される。ビータビイコ
ライザ424はライン430上に等化された(すなわち、デコ
ードされた)信号を発生する。ライン430上に発生され
た信号はチャネルデコーダ70によって第1図に示されて
いる、チャネルデコード回路に与えられる。MLSE400は
好ましい実施例のイコライザを表すことが注目される。
本発明のシステムは他の設計のイコライザにおいても同
様に実施できる。
MLSE400のマッチドフィルタ412は次の式によって数学
的に表現できる、サフィシャント統計量znと称される、
値を計算する。
この場合、gMF(t)はマッチドフィルタのインパル
ス応答であり、 y(t)は(上に規定した)受信信号であり、 rnはノイズシーケンスであり、そして s1=gMF(t)*h(t)|t=nT =s−1* (24) である。
s1の項はしばしばそれによって変調信号が送信される
チャネルのチャネル自己相関関数の要素と称される。
マッチドフィルタのインパルス応答、gMT(t)はま
たh(t)の時間反転複素共役に等しく、従って次のよ
うに表現される。
gMF(t)=h*(−t) (25) MLSE400は、最も送信される可能性が高いシーケンス
として、次の式によって表される状態[σn-1]から状
態σの間の、サバイバメトリックと称される、メトリ
ック方程式Jn(σ)の値を最大にするシーケンス[α
]を決定するよう動作する。
この場合、F(σn-1)は次の式で支配される状
態遷移メトリックとして定義される。
この場合、 σ={dn-L+1・・・dn}、そして Lはシンボルの数におけるチャネルのメモリである。
状態遷移メトリックF(σn-1)は2つの連続す
る状態σn-1およびσの関数であることが判る。
ビータビイコライザ424は前記サバイバメトリックJn
(σ)の値を発生するよう動作する。π/4 DQPSK変
調機構においては、αの振幅は1であり、すなわち、
|αn|=1である。従って、サバイバメトリックJn(σ
)を規定する方程式は次のように書き替えることがで
きる。
この場合、 シンボルの数での、チャネルのメモリが受け入れ可能
な値にセットされている時、この式はさらに単純化でき
る。前記チャネルのメモリは符号間干渉によって送信信
号の遅延時間を生ずる結果となるマルチパスチャネルに
よる信号遅延に関係し、かつ該信号遅延に比例する。典
型的には、2つのシンボルの遅延(すなわち、L=2で
ある時)はマルチパスチャネルによって送信される信号
の遅延時間より小さい。L=2である時、状態遷移メト
リックF(σn-1)は次のように書き替えることが
できる。
伝統的には、π/4 DQPSK変調機構における状態遷移
メトリック、F、は、αnn-1n-2が各々4つの値
の内の任意のものを取り得るから、各々の決定に対し64
(43)の計算が行なわれる必要がある。
状態遷移メトリック、F、を規定する前の方程式を注
意深く調べることによりそのような値を決定するのに必
要な計算の数をさらに簡略化することができる。変数a,
bおよびcが[0,1,2,3,4,5,6,7,](すなわち、第2図
の集合の位相ポイントの集合116−144に割当てられた数
値)の集合から得られる値のものであると定義すること
により、時間σn-1およびσにおける任意の2つのポ
イントでのシンボル値は次のように規定できる。
この場合、 a,bおよびcは集合{0,1,2,3,4,5,6,7}の要素であ
る。
各々の項ej2πc/8、ej2πb/8およびej2πa/8は第2
A図に示される集合のシンボルを表す。
状態遷移メトリック、F、を規定する上の式は次のよ
うに書き替えることができる。
状態遷移メトリック、F、を規定する式をこのように
書き替えることにより、状態遷移メトリックは可能なシ
ンボル値の集合の各シンボル間の対による差の関数とな
ることが注目される。
前記値(c−a)はc−b+b−aまたは(c−b)
+(b−a)と書き替えることができる。従って、上の
方程式はまた次のように書き替えることができる。
従って、状態遷移メトリック、F(σn-1)は、
位相遷移の集合(c−b)および(b−a)のみの関数
であり、すなわち、状態遷移メトリック、F、は前記集
合の可能なシンボル値の間の対による差である。
Zを、Z={(b−a),(c−b)}と定義するこ
とにより、前記式(34)は前に述べた再帰的関係に関し
て次のように書き替えることができる。
F(Z)=Re(Δ) (35) この場合、 である。
前と同様に、Z={(b−a),(c−b)}である
から、式(36)はまた前に述べた再帰的関係に関して次
のように書き替えることができる。
上の式は第8図にブロック図形式で示される、プロセ
ッサ回路500のような、プロセッサ回路によって計算で
きる。受信され復調された信号はライン506によってプ
ロセッサ512の入力ポートに供給される。プロセッサ512
は該プロセッサ512の出力ポートに接続されたライン524
によりメモリ518にアクセスするために適切なアルゴリ
ズムを実施する。ここではライン530によって示され
る、適切なラインがメモリ518とプロセッサ512とを相互
接続する。プロセッサ512は状態遷移メトリックF(σ
n-1)の値を表す出力信号をライン536上に発生す
る。
上記式(34)は2つの値のみに関して状態遷移メトリ
ック、F、を規定し、前記2つの値は3つの変数に関し
て、状態遷移メトリック、F(σn-1)、の値を規
定する前の伝統的な方程式(30)と比較した、可能なシ
ンボルの間の対による差である。従って、状態遷移メト
リック、F、の値を決定するための必要な計算の数は1
桁低減される。従って、π/4 DQPSK変調機構において
は、状態遷移メトリック、F(σn-1)の値を決定
するためにたった16の計算(42)が必要であるのみであ
る。
変数a,bおよびcはπ/4 DQPSK集合の3つの連続する
シンボル(時間的に)を表すから、該3つの連続する変
数の内の任意の2つの隣接するものの間の差は奇数値で
ある。また、前記変数の交互のもの(alternating one
s)の間の差は偶数値である。すなわち、(c−a)は
偶数値であり、かつ(b−a)は奇数値である。
再び前記式(37)を参照すると、被乗数(すなわち、
かっこの外側の項)は、(b−a)項が奇数であるか
ら、複素値を形成する実数および虚数の双方の成分を持
つことが判る。
前記(37)の項を実数または虚数値のみをもつ被乗数
を形成するよう再配列することにより計算機的な単純化
を行なうことができる。式(37)は次のように書き替え
ることができる。
この式を調べると、状態遷移メトリックF(σn-1
)の値を計算するの必要な計算の数がさらに大きく低
減できるようになる。π/4 DQPSK変調機構において
は、かっこ内の項は4つの可能な複素値のみを表す。従
って、状態遷移メトリック、F(c−b,b−a)は、π/
2ラジアンだけ回転できる4つの値からなる。これはか
っこ内の式の部分のプラス/マイナス実数部、またプラ
ス/マイナス虚数部のいずれかを計算するのと等価であ
る。
次にΛによって表される、変数は式(38)の内側のか
っこ内の項に代えることができる。従って、Λは次のよ
うに規定できる。
Λi=S2+S1e−2πi/8 (39) この場合、i=c−bである。
代入により、式(38)は次のように書き替えることが
できる。
上記式(40)を調べることにより、前記差(c−a)
が偶数であるから、指数項は実数値または虚数値のいず
れかであることが示される。そのような値は(複素数で
ある)Λ項により乗算される。得られた積の実数部は従
って該得られた積の一方の側、または他方の側にのみあ
る。
すなわち、(c−a)の4つの差、すなわちc−a=
0,2,4または6、の各々に対して、F{(c−b),
(b−a)}の4つの異なる値が可能である。(c−
a)=0に対しては、{F(c−b),(b−a)}=
Re[Λc-b]である。(c−a)=2に対してはF
{(c−b),(b−a)}=−Im[Λc-b]である。
(c−a)=4に対しては、{F(c−b),(b−
a)}=−Re[Λc-b]である。そして、(c−a)=
6に対しては、{F(c−b),(b−a)}=+Im
[Λc-b]である。
従って、状態遷移メトリック、F、の可能な,許容さ
れる値は第9図に示された、参照数字600によって総括
的に参照される、前記テーブルと同様に、メモリ内のテ
ーブルに記憶される。テーブル600の左側に形成された
列606およびテーブル600の上側に形成された行612はと
もに16の要素を有するアレイを規定する。双方の差分
(b−a)および(c−b)は奇数値であるから、列60
6および行612はシンボル間の差の奇数値のみを取る(す
なわち、1,3,5および7の値)。
状態遷移メトリック、F、が取り得る16の可能な値は
単に4つのシンボルの値の実数値または虚数値であるか
ら、状態遷移メトリック、F、の値を計算するのに必要
とされる計算はさらに低減される。
状態遷移メトリックはサバイバメトリックが決定され
るべき時間ごとに計算される必要があるから、かつサバ
イバメトリックはあるシンボルが受信機によって受信さ
れ(かつあるシンボルが毎秒24,000回のオーダで受信機
によて受信される)時間ごとに決定される必要があるか
ら、状態遷移メトリック、F(σn-1)、を計算す
るのに必要な計算の数が低減されると、ビタービイコラ
イザおよびそれを含むMLSEの複雑さを大幅に低下させる
ことになる。本方法およびシステムは状態遷移メトリッ
クの値を計算するために必要な計算の数を1桁低減す
る。また、本方法およびシステムは計算の必要な数をさ
らに1桁低減することができる。
最後に第10図のブロック図に移ると、本発明の教示に
従って構成された、総括的に参照数字900によって参照
される、送受信機が示されている。
ここではアンテナ904によって示される、送信機によ
り送信された信号は送信チャネルによって送信され、か
つ前記送受信機のアンテナ906により受信される。アン
テナ906によって知覚される信号を示す信号はライン908
上に発生されかつフィルタ912に供給される。アンテナ9
04によって受信された信号を示す信号はライン908上に
発生されかつフィルタ912に供給される。フィルタ912は
ライン916上にろ波された信号を発生し、この信号は第
1のダウンミキサ回路920に供給される。ミキサ回路920
はさらにライン924上に発振信号を受信し、該発振信号
は発振器928により発生される。
ミキサ回路920はダウンミキシングされた信号をライ
ン932上に発生し該信号はフィルタ936に供給される。フ
ィルタ936はろ波された信号をライン940上に発生し、該
ろ波された信号は第2のダウンミキサ944に供給され
る。第2のダウンミキサ944はまた発振器952によって発
生される発振信号をライン948上に受信する。発振器928
および952の発振周波数は好ましくは、図示のごとく、
ライン960および964によるそれぞれに対する接続によっ
て発振器956の発振周波数により制御される。
第2のダウンミキサ944はライン948上に信号を発生
し、該信号はフィルタ952に供給される。フィルタ952は
ライン956上にろ波された信号を発生する。
参照数字908〜956によって示される要素は一緒になっ
て復調器960を構成し、該復調器960は、図面においては
点線で示された、ブロックによって表されている。
ライン956上に発生された信号は、イコライザ972に供
給される。図示のごとく、イコライザ972はマッチドフ
ィルタ976およびビタービアルゴリズム980からなる。イ
コライザ972は第7図に示される最尤シーケンス推定装
置を形成するために前の図面によって説明したビタービ
イコライザの特徴部分を導入している。イコライザ972
はライン986上に等化された信号を発生し、該等化され
た信号はデコーダ990に供給される。デコーダ990はライ
ン996上にデコードされた信号を発生し、該デコードさ
れた信号は音声デコーダ1002に供給される。音声デコー
ダ1002はライン1008上にデコードされた信号を発生し、
該信号は変換器、ここではスピーカ1012、に供給され
る。
送受信機900のブロック図はさらに該送受信機の送信
部を示している。該送受信機の送信部は概略的にライン
1062によって変調器1056に結合された、マイクロフォン
のような変換器1050、ライン1074上に変調器1056によっ
て発生される変調信号を受けるよう結合されたミキサ10
68を具備するものとして示されている。ミキサ1068の回
路はまた、ここではミキサ1068と発振器956との接続で
示されるように、基準発振器956によって発生される発
振信号を受信する。ミキサ1068はライン1080の上にミキ
シングされた信号を発生し、該信号はフィルタ1084に供
給される。フィルタ1084およびフィルタ912は、例え
ば、伝統的な送受切換器(duplexer)を構成する。フィ
ルタ1084はろ波された信号をライン1090上に発生し、該
信号はそこから信号を送信するためにアンテナ906に結
合される。イコライザ972のビタービアルゴリズムは伝
統的な構成のイコライザよりも複雑でないから、ライン
986上に等化された信号を発生するのに必要な処理時間
は低減される。
本発明が種々の図面に示された好ましい実施例に関し
て説明されたが、他の実施例も使用できかつ本発明と同
じ機能を達成するために本発明から離れることなく説明
した実施例に関し変更および付加を行ない得ることが理
解されるべきである。従って、本発明はいずれかの単一
の実施例に限定されるものではなくむしろ添付の請求の
範囲の記載に従った広さおよび範囲で解釈されるべきで
ある。
フロントページの続き (72)発明者 バーム・ケビン エル アメリカ合衆国イリノイ州 60195、ホ ッフマン・エステイツ、ウィンストン・ ドライブ 3695 (56)参考文献 特開 平3−77457(JP,A) 特開 平2−113633(JP,A) 特開 平1−155749(JP,A) 特開 昭62−151032(JP,A) 特表 平6−503461(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/18 - 27/22 H03M 13/41

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のシンボルからなる信号を受信するよ
    う動作する無線受信機の一部を形成するビタービイコラ
    イザにおける状態遷移メトリックを決定する方法であっ
    て、前記状態遷移メトリックは2つの連続する状態の関
    数として定義され、前記2つの連続する状態の各々は位
    相シフトキーイング変調機構の可能なシンボルの集合に
    よって規定され、 前記方法は前記2つの連続する状態の関数として規定さ
    れた状態遷移メトリックを、位相シフトキーイング変調
    機構の可能なシンボルの集合における可能なシンボル間
    の対ごとの差の関数として規定される状態遷移メトリッ
    クに変換する段階を具備する、ビタービイコライザにお
    ける状態遷移メトリックを決定する方法。
  2. 【請求項2】前記位相シフトキーイング変調機構は4相
    位相シフトキーイング変調機構からなる、請求の範囲第
    1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記位相シフトキーイング変調機構は差分
    4相位相シフトキーイング変調機構からなる、請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記変換段階は2つの連続する状態の関数
    として規定される状態遷移メトリックを前記位相シフト
    キーイング変調機構の可能なシンボルの集合における可
    能なシンボル間の対ごとの差分の再帰関数として規定さ
    れる状態遷移メトリックに変換する段階を含む、請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記状態遷移メトリックが前記変換段階の
    間に変換される再帰関数にある数の再帰係数を含み、前
    記再帰関数を構成する再帰係数の数は前記2つの連続す
    る状態の各々を規定するシンボルの集合を構成するシン
    ボルの数に比例する、請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記2つの連続する状態の各々が規定され
    る前記シンボルの集合は2つの要素からなる、請求の範
    囲第5項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記位相シフトキーイング変調機構はπ/4
    差分4相位相シフトキーイング変調機構からなる、請求
    の範囲第6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記再帰関数は前記再帰関数を構成する再
    帰要素の実数部または虚数部に対応する値を有する、請
    求の範囲第7項に記載の方法。
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