JP3309993B2 - 遠距離通信ケーブル - Google Patents

遠距離通信ケーブル

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光ファイバ遠距離通信ケーブルに関する。
一般的に、光ファイバケーブルは、外被内に配置され
た光ファイバを具備している。良好な信号伝送を保証す
るために、一般的には、ケーブルが扱われる間に光ファ
イバが受ける機械的応力、特に、ケーブルの設置及び使
用中に起こる応力を最小限に維持することが望ましい。
長年に渡り、光ファイバを相当の大きさの強度部材に結
合させることが行われており、この強度部材は、ケーブ
ルの構造体、特に、強度部材と、光ファイバとの間の結
合を弱めることを提供し、それにより、ケーブルに発生
する機械的力（特に、引っ張り又は圧縮時の長手方向の
力）は、強度部材によって耐えられる。
強度部材と光ファイバとの間の結合を弱めることは、
強度部材より長い光ファイバを提供することによって、
又は、光ファイバと強度部材との間に低摩擦係数を有す
る層及び緩衝層を介在させることによって、製造中に実
現可能である。これらの種類のケーブルは、製造するの
に高価であり、また、その結果として生じるケーブル
は、収納する光ファイバの数に比較して大きいものとな
る。
これらの欠点を軽減するために、フランス国特許公開
第2665266号は、機械的力、例えば、引っ張り又は圧縮
力が、外被と光ファイバとの間で分担されるような光フ
ァイバと外被との間の長手結合を提供する光ファイバケ
ーブルの製造を提案している。この文献に開示されてい
る実施形態において、光ファイバは複数のモジュールに
細分され、各モジュールが、光ファイバと接触するモジ
ュール被覆で覆われ、複数のモジュールは、それらの間
の長手結合を提供するために、モジュール被覆と接触す
る外被内で一団とされている。この文献に開示された長
手結合は、実際上、外被に関して余剰長さなく配置され
た光ファイバに相応し、すなわち、外被の任意の伸縮
が、光ファイバの伸縮に対応することを提供する。
各光ファイバによって耐えられる力は、光ファイバの
伝送特性を要求性能に関して許容外に低下させる敷居値
より低く維持されなければならない。こうして形成され
るケーブルが、もし、それが多数の光ファイバを収納す
るならば、大きな力に耐えられることは、容易に理解さ
れる。
さらに、種々の寸法のケーブルを製造することが望ま
れる時に、外被を製造するために対応する工具を有する
ことだけでなく、この工具を変更するために、製造ライ
ンを停止することが必要である。従って、製造コストの
ためには、種々の寸法を有するケーブルの数を最小限に
することが好ましい。さらに、光ファイバのコストは、
ケーブルのコストの非常に大きな部分を構成し、それに
より、ケーブルにとって、光ファイバと外被との間で力
を分担させるためだけに多数の光ファイバを有すること
は望ましくない。
本発明により、光ファイバと外被との間の長手結合を
保証するように外被内に配置された光ファイバを具備す
る遠距離通信ケーブルが提案され、このケーブルは、光
ファイバと外被との間の長手結合を保証するように外被
内にさらに配置された少なくとも一つの安定化ファイバ
を有している。
こうして、少数の光ファイバを有し、光ファイバの数
より多いファイバを収納するのに適当な外被を有するケ
ーブルにとって、光ファイバの間に残る空間は、所定の
寸法のケーブルが、収納する光ファイバの数に係わらず
に大きな力に耐えるのに適当であるように、ケーブルが
受ける力の一部に耐える安定化ファイバを受け入れるの
に都合良く使用される。安定化ファイバは非常に低コス
トであり、それにより、少数の光ファイバを収納するケ
ーブルにとって、ケーブルは、低減されたコストで製造
するだけでなく、引っ張り又は圧縮の耐性において、通
常の非常に高価なケーブルと同じ性能を有することが、
この前後関係において判る。
本発明の有利な変形例において、安定化ファイバは、
実質的に、光ファイバと同じ寸法である。こうして、製
造中及び使用中において、これらのファイバは実質的に
類似の機械的な反作用を有し、それにより、扱いが容易
である。
本発明の有利な特徴により、安定化ファイバは、光フ
ァイバと同様に伝送特性を有するように選択可能であ
る。こうして、安定化ファイバは低コストであるが、安
定化ファイバは、従来通りに、低い感応度の信号を伝送
するために、又は、短距離で信号を伝送するために使用
可能である。
光ファイバより大きな熱膨張係数を有する外被に関す
る本発明のもう一つの有利な特徴により、安定化ファイ
バは、外被より小さな熱膨張係数を有している。こうし
て、安定化ファイバは、外被の膨張及び収縮に対しての
耐性を提供し、その結果として、外被の膨張又は収縮の
ために光ファイバが受ける力を減少する。安定化ファイ
バは、好ましくは、光ファイバ以下の熱膨張係数を有す
る。こうして、外被の膨張係数の相殺がさらに改善さ
れ、温度変化中において光ファイバが受けるはずの引っ
張り又は圧縮をいずれも光ファイバが受けないように、
光ファイバの膨張係数と等しい又は実質的に等しい安定
化ファイバを加えた外被の全体膨張係数を実現すること
でさえ可能である。
それぞれがモジュール被覆で覆われた少なくとも一つ
の光ファイバを具備する複数のモジュールを有する光フ
ァイバケーブルに関する本発明のもう一つの特徴によ
り、本発明のケーブルは、モジュールの間に分配された
複数の安定化ファイバを有している。このケーブルは、
好ましくは、各モジュール内に同数のファイバを有して
いる。こうして、モジュール内の光ファイバの数に反比
例する数の安定化ファイバを有するように各モジュール
を提供することによって、複数のモジュールに均等に力
を分担させることができる。
同様に複数のモジュールを有するケーブルに関する本
発明のもう一つの特徴により、安定化ファイバが共通の
モジュール内に一団とされる。これは、モジュールの製
造を容易にする。
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して説
明される本発明の三つの限定されない特定の実施形態の
以下の記述を読むことから明らかとなる。
図１は、本発明の遠距離通信ケーブルの第一実施形態
の断面図である。
図２は、本発明の遠距離通信ケーブルの第二実施形態
の断面図である。
図３は、本発明の遠距離通信ケーブルの第三実施形態
の断面図である。
図１を参照すると、図示された実施形態において、本
発明の遠距離通信ケーブルは、それぞれが着色識別の層
２で覆われた一組の光ファイバ１を具備している。光フ
ァイバはモジュール内に一団とされ、図示した実施形態
において、各モジュールは、二つ又は三つの光ファイバ
を収納している。各モジュールは、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、又は、ポリアミドから形成された
薄い厚さの容易に裂けるモジュール被覆３で覆われ、好
ましくは、ファイバが繰り出されると同時にファイバモ
ジュールに押し出し成形され、共に組み付けられる。
モジュール被覆３は、好ましくは、互いにモジュール
を識別するために着色され、モジュール被覆の厚さは、
数千分の一ミリメートルから数十分の一ミリメートルの
範囲内であり、好ましくは、百分の一ミリメートルから
十分の一ミリメートルの範囲内である。モジュール被覆
の薄い厚さは、温度周期変化中に光ファイバ１が受ける
引っ張り応力及び圧縮応力を防止し、その製造コストを
低く維持する。
一組のモジュール３は外被４内に一団とされ、この外
被は、好ましくは、低膨張係数及び低弛緩効果を有する
材料の押し出し成形層から構成され、高弾性形状により
授けられ、及び、好ましくは互いに対で接触する二つの
直径方向に対向するファイバとして配置された補強部材
５により補強されることによって高い強さを有してい
る。補強部材５は、好ましくは、外被４を構成する材料
より小さな熱膨張係数を有している。この例として、補
強部材５は、グラスファイバ、カーボンファイバ、又
は、選択的に、硬化アラミドファイバであり、このアラ
ミドファイバは、僅かな負の熱膨張係数を有し、こうし
て、外被４を構成する材料の膨張係数を相殺する助けと
なる。
モジュールは、さらに、安定化ファイバ６を有してい
る。図１の実施形態において、安定化ファイバの数は、
各モジュールのファイバの全数を４とすれば十分であ
り、すなわち、光ファイバの数と安定化ファイバの数と
を加えると４に等しくなる。安定化ファイバの直径は、
実質的に、光ファイバと等しく、また、光ファイバと同
様な機械的特性を有している。外被４が光ファイバ１よ
り大きな熱膨張係数を有する時には、安定化ファイバ６
は、外被の可能な長さ変化に対抗するように、外被４よ
り小さな又はそればかりでなく光ファイバより小さな熱
膨張係数を有することが好ましく、それにより、その結
果として、外被に安定化ファイバを加えた全体的な熱膨
張係数は、光ファイバの熱膨張係数と実質的に等しくな
る。このために、安定化ファイバは、好ましくは、グラ
スファイバ、カーボンファイバ、又は、アラミドファイ
バである。
光ファイバ１及び安定化ファイバ６は、外被４との長
手結合を保証するように配置されている。図１の実施形
態において、ファイバと外被４との間の長手結合は、引
っ張り又は圧縮時における外被４の任意の長さ変化が全
てのファイバ上において同じ方向に分担される応力を発
生するように、外被４内に任意の過剰長さなしにファイ
バを設置することによって実現される。
図２は、外被４が補強部材を有しないことだけが第一
実施形態と異なる第二実施形態を示している。本実施形
態は、特に、多数の光ファイバ１及び／又は安定化ファ
イバ２、又は、小さな力だけしか受けないファイバを収
納するケーブルに適している。
図３は、本発明のケーブルの第三実施形態を図示し、
同じ構成要素は同じ参照番号によって示されている。本
実施形態において、外被４は、低膨張係数、低弛緩効
果、及び高い強さを有する材料からの押し出し成形の層
７を有し、この層は第二層８によって覆われ、第二層の
機能は、ケーブルの最終外観及び耐磨耗性を提供するこ
とであり、また、筒状ダクト内への設置中の力を最小限
とするように摩擦係数を低減することである。
本実施形態において、安定化ファイバ６は、モジュー
ル被覆３で覆われた単一のモジュール内に一団とされ、
この場合において、長手結合は、第一に、各モジュール
内に互いに接触するようにファイバを配置し、第二に、
モジュールに応力を発生させることなく軽くモジュール
を圧縮するようにモジュールと接触させて外被４を配置
することによって提供される。
安定化ファイバは、光ファイバと実質的に等しい直径
であり、また、光ファイバと近い物理特性を有するため
に、安定化ファイバと光ファイバとは、完全に相互交換
可能であり、それにより、同じ製造工具及び同じ製造ラ
インが、種々の数の光ファイバを有する一方で、各光フ
ァイバにとって同じ機械的性能及び同じ伝送性能を有す
るケーブルを製造するのに使用可能であることは理解さ
れる。
もちろん、本発明は、前述の実施形態に限定されず、
種々の実施形態が、請求の範囲によって定義されたよう
な本発明の範囲を越えることなく実施可能である。
特に、本発明は、光ファイバがモジュールに細分され
たケーブルについて述べられているが、本発明は、光フ
ァイバ１及び安定化ファイバ４を直接的に外被４内に配
置することによって、又は、光ファイバを収納するモジ
ュールの外側に安定化ファイバを配置することによって
も実施可能である。
さらに、外側層のための適当な選択によって、低摩擦
係数を維持する一方でケーブルの強さを増大するため
に、粗撚りのグラスファイバ又はアラミドファイバの一
層又は多層で外被４を補強することが可能である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−80236（ＪＰ，Ａ) 米国特許4913515（ＵＳ，Ａ) 米国特許4550976（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G02B 6/44

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】外被（４）内に複数の光ファイバ（１）を
    具備する遠距離通信ケーブルであって、前記ケーブル上
    の引っ張り又は圧縮力が複数の前記光ファイバ（１）と
    前記外被（４）とに分配されるように、複数の前記光フ
    ァイバが前記外被に関して過剰長さなく前記外被内に配
    置された遠距離通信ケーブルにおいて、光伝送特性を有
    しないか又は前記光ファイバより低い光伝送特性しか有
    していない少なくとも一つの安定化ファイバ（６）が前
    記複数の光ファイバの一部と置換されて前記外被内に配
    置され、前記光ファイバと同様に前記安定化ファイバは
    前記外被に関して過剰長さなく前記外被内に配置されて
    いるために、前記安定化ファイバには前記引っ張り又は
    圧縮力の一部が分配されることを特徴とする遠距離通信
    ケーブル。
  2. 【請求項２】前記安定化ファイバは前記光ファイバと実
    質的に等しい直径であることを特徴とする請求項１に記
    載の遠距離通信ケーブル。
  3. 【請求項３】前記安定化ファイバは前記光ファイバと同
    程度の機械的強度を有することを特徴とする請求項１に
    記載の遠距離通信ケーブル。
  4. 【請求項４】前記外被（４）は前記光ファイバ（１）よ
    り大きな熱膨張係数を有し、前記安定化ファイバ（６）
    は前記外被（４）より小さな熱膨張係数を有することを
    特徴とする請求項１に記載の遠距離通信ケーブル。
  5. 【請求項５】前記安定化ファイバ（６）は前記光ファイ
    バ（１）以下の熱膨張係数を有することを特徴とする請
    求項４に記載の遠距離通信ケーブル。
  6. 【請求項６】前記外被（４）に全ての前記安定化ファイ
    バを加えた全体の熱膨張係数は、前記光ファイバ（１）
    の熱膨張係数と実質的に等しいことを特徴とする請求項
    ４に記載の遠距離通信ケーブル。
  7. 【請求項７】前記複数の光ファイバ（１）は、それぞれ
    にモジュール被覆（３）で覆われた複数のモジュールへ
    分配され、複数の前記安定化ファイバ（６）が各前記モ
    ジュールにおける少なくとも一つの前記光ファイバ
    （１）と置換されていることを特徴とする請求項１に記
    載の遠距離通信ケーブル。
  8. 【請求項８】各前記モジュールにおいて、前記光ファイ
    バ（１）の数と前記少なくとも一つの安定化ファイバ
    （６）の数との合計は等しいことを特徴とする請求項７
    に記載の遠距離通信ケーブル。
  9. 【請求項９】前記複数の光ファイバ（１）は、それぞれ
    にモジュール被覆（３）で覆われた複数のモジュールへ
    分配され、複数の前記安定化ファイバ（６）が一つの前
    記モジュールだけの全ての前記光ファイバ（１）と置換
    されていることを特徴とする請求項１に記載の遠距離通
    信ケーブル。
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