JP3308941B2 - 電子ビーム加速器を利用した産業用エックス線源及び電子線源 - Google Patents
電子ビーム加速器を利用した産業用エックス線源及び電子線源Info
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Description
エックス線源に関するものであり、より詳しくは10MeV
級、数kW以上のビームエネルギーと出力を有し、連続的
に運転される電子ビーム加速器とこれから引き出される
電子ビームを利用し、半径方向に集束され、また、空間
的に均一な電子ビーム及びエックス線を照射できる照射
装置を含んだ電子線源及びエックス線源に関するもので
ある。
同一で単に照射装置の電子引き出し窓にエックス線発生
用ターゲットを追加的に含むか否かにより、エックス線
源と電子線源が変わるので、本発明でエックス線源や電
子線源と限定するのが困難でエックス線源及び電子線源
と命名する。
により、直流高電圧加速方式と高周波加速方式に分ける
ことができる。
ムエネルギーに該当する直流電圧を電極間に印加して電
子を加速する方法で、連続ビームを得ることができ、エ
ネルギー変換効率が高い。しかし、加速エネルギーに該
当する高電圧を発生させなければならないため装置の大
きさは、高エネルギーになるほど大きくなって産業的に
利用可能な範囲は、電子ビーム加速器のビームエネルギ
ーが5MeV以下の加速器である。
ve)ないし定常波(standing wave)の形態を有する高周波
電界(electrical field)を利用して電子を加速する方法
であり、相対的に小さい装置を利用して高いエネルギー
の電子ビームを得ることができる。
速器は、照射(irradiation)対象物質の放射化(activati
on)のため使用可能な電子ビームエネルギーが10MeV以下
に規定されているので、高周波加速方式を利用した電子
加速器は、主にビームエネルギーが5ないし10MeVの領域
で用いられている。
業用電子ビーム加速器は、RF線形加速器(radio frequen
cy linear accelerator、以下RF Linacと称する)と1980
年代末フランス原子力庁(CEA)のポトラー(J.Pottler)に
より提案されたロードトロン(Rhodotron)がある。
高エネルギー線形電子加速器の加速原理を利用したもの
であり、進行波を利用して電子を加速する。
avity wall)で起きるRF電力の損失と電子ビーム損失の
ため生じる不均一な熱により、歪み(distortion)が起
き、このためビーム不安定性(instability)が生じるこ
とがある。このような理由で産業用として応用されるRF
Linacは、平均出力が25kW程度であり、不連続的なパル
スモードで動作する。
有する低い周波数の電磁波(Electromagnetic wave)を利
用し、同軸空洞を用いるためRF電力損失により発生され
る空洞の熱負荷が既存のRF Linacの場合より小さく、こ
のような理由で高いビーム出力を有する電子ビームを得
ることができる。したがって、現在世界的に用いられる
産業用加速器市場中10MeV、25kW以上の電子ビームを要
求する所では、ロードトロンがほぼ唯一に用いられてい
る実情である。
いられる定常波モードがTEM波(Transverse Electromagn
etic wave)であるため加速時加速空洞の中央でいくつの
ビームが同時に交差する構造を有するようになるので、
高出力へ行くほどビーム損失を引き起こす可能性があ
る。
は、前記加速器により加速された電子ビームを医療機器
や電線、飲食物等被照射物に照射する装置であり、電子
ビーム源(source)として用いる時は、照射装置の引き出
し部に大気圧との気圧差を維持するための引き出し窓を
設け、X線源として用いる時は、引き出し部にX線発生用
ターゲットを設ける。したがって、引き出し部を除いて
はX線源と電子ビーム源に用いる照射装置が同一であ
る。
に、加速器で加速された電子ビーム74は、平板形状のエ
ックス線ターゲット76に衝突し、この時、発生されるエ
ックス線は、ターゲットを透過して加工しようとする製
品(図示せず)に照射される。
射装置は、エックス線が片方向でのみ照射されるので、
加工製品に均一なエックス線照射がむずかしい。また、
加工製品に均一にエックス線照射されないと、局部的な
加熱により製品に損傷を負わせたり、外形が変形される
等の問題が生じる。
は、不均一なエックス線照射を防止するため加工製品を
回転させながら均一な照射を受けるようにする装置を別
途に準備しなければならない不便な点があるだけでな
く、このような装置に適用できる製品も限界がある。
radiation)によりエックス線を生じるようになる時、
低エネルギー電子ビームの場合、全立体角(4π)方向に
均一なエックス線を生じるようになるけれど、電子の加
速エネルギーが数MeVを越えるようになると発生された
大部分のエックス線は、電子の方向と一致する方向に最
大の強度(intensity)を有することになる。
電子を偏向磁石等で偏向させ入射させる従来のエックス
線発生システムでは、入射する電子がターゲットに対し
て垂直に入射できない。したがって、照射しようとする
製品に最大のエックス線エネルギーを照射させることが
できないだけでなく、発生されたエックス線の損失をも
たらす。
た従来の加速器及び照射装置の問題点を解決するため案
出されたこととして、本発明の目的は、同軸空洞内にTM
010モードを加速モードとして用いて10MeV級のエネルギ
ーと数kW以上の出力を有する連続運転が可能で加速空洞
内に電子ビームの交差がならない電子ビーム加速器とこ
れから引き出された電子ビームを利用して電子ビーム及
びエックス線を照射できる照射装置で形成された電子ビ
ーム源及びエックス線源を提供する。
め本発明では、a)同軸を有するシリンダ形態の内部導体
及び外部導体と、前記内部導体と外部導体の両端を密封
しながら支える二つの側面導体を有しており、前記内部
導体と外部導体と側面導体とで形成された空間が真空で
ある同軸加速空洞と、b)前記同軸加速空洞の一つの側面
導体側で反対側側面導体側に前記同軸加速空洞内に電子
ビームを入射させる電子銃と、c)前記同軸加速空洞の二
つの側面導体側に位置し、同軸加速空洞を通過する電子
を180゜偏向させる複数個の偏向電磁石と、d)前記同軸
加速空洞にRFを印加して前記同軸加速空洞内に加速モー
ドとしてTM010モードの電磁界(electromagnetic field)
を形成するRFシステムを含む加速器と、前記加速器で加
速された電子ビームを被照射物に照射する照射装置とを
含むエックス線源及び電子線源を提供する。
洞を採択して偏向電磁石の個数を減らしたエックス線源
及び電子線源を提供する。
真空容器に受容される。
発明の望ましい実施例をより詳しく説明する。
線源及び電子ビーム源の概略図であり、説明の便宜のた
め一部が切開されて示されている。示したように、本実
施例は、同軸空洞を有する加速器100と、前記加速器100
とビームライン(beam line)40で連結されたエックス線
照射装置70及び電子ビーム照射装置80等で構成されてい
る。
記同軸加速空洞30に電子ビームを入射させる電子銃10
と、前記同軸加速空洞30を通過する電子を180゜偏向さ
せる偏向電磁石20、20aと、前記同軸加速空洞30にRFを
印加して所定の電磁界を形成するRFシステム60とで構成
されている。
ンダ形態の内部導体31と外部導体32、そして二導体31、
32の両端を密封しながら電子銃10と偏向電磁石20、20a
に向ける通路が各々位置した側面導体39で形成されてお
り、前記RFシステム60からRFを引き出す導波管(Wave gu
ide)61が外部導体32に連結されている。この導波管61
は、同軸線(coaxial line)で置き換えられることができ
る。
個を用いて直列に連結しており、これは図2で再び説明
する。
真空容器50に受容されており、真空容器50は、構造的に
大気圧を効果的に耐えることができる形態を有し、この
ような真空容器50を採択する場合には、前記電子銃10及
び偏向電磁石20、20aは各々真空容器50の側壁に位置す
るようになって真空ポート51を通して真空を維持するこ
とになる。シリンダ形状の真空容器50の所定位置に円周
方向で多数個の診断ポート(diagnostics port)52が配列
されている。
と外部導体32と側面導体39からなる同軸加速空洞30が形
成されており、偏向電磁石20、20aは、側面導体39と連
結され、真空容器50の同軸加速空洞30位置に放射線形状
で配列されている。
空洞30内に加速に必要なTM010モードを形成する。前記T
M010モードは、電磁波の進行方向に対して磁界が垂直で
あり、前記加速空洞30の中心軸(center axis)から一定
な距離が離れた同軸面で最大の電界と0の磁界値を有す
ることを特徴とし、ちょうどこの位置で電子の加速がお
こなわれる。
よる加速器の作動関係を説明する。
10から電子を加速空洞30内に入射させ、電子は加速周期
に会い加速される。
の直線長さ方向に配置された反対側の偏向電磁石20aに
より180°回転後加速空洞30内に再入射され、加速空洞
の電界により再び加速され、再び電子銃10側の偏向電磁
石20に反射される。このような加速動作を数回繰り返す
ことにより10MeV程度の高いエネルギーを得るようにな
る。
ビーム加速器100は、数m波長(周波数は100ないし200MH
z)の電磁波を用いるため加速空洞30の熱負荷が相対的に
小さくて数kWないし数百kW級の高出力電子ビームを得る
ことができる。また、各偏向電磁石20、20aに向けるビ
ームライン36に出力ポートを装着し、多様なエネルギー
の電子ビームを引き出すことができる。
径は、電子の運動エネルギーと印加された磁界値により
決定され、だんだんエネルギーが増加する電子を加速周
期に同期化させるためには、電磁石の磁界値と位置を各
段階における電子のエネルギーを考慮して決定しなけれ
ばならない。この際ビーム光学(beam optics)により、
集束電磁石(focusing magnet)が必要に応じて添加され
ることもできる。
を容易に合わせで同期化(synchronization)を容易にで
きることになる。
ムは、90°偏向電磁石41などを通してX線発生用ターゲ
ット76を有するX線照射装置70と引き出し窓81を有する
電子ビーム照射装置80に至って被照射物90の電子ビーム
照射ないしエックス線照射等に利用される。
換効率は、空洞30外部に位置した180°偏向電磁石20の
個数により制限され、本実施例では、前記偏向電磁石の
個数を減らすため加速空洞を二つ設けている。
電子を加速する本発明の実施例による加速器の原理を示
す図面であり、二つの同軸空洞33、34に印加される電磁
波は、相互180°の位相差(Phase difference)を有す
る。電子銃10から第1同軸空洞33の加速電界の位相に同
期化され、入射された電子は、電界により加速され、前
記同軸空洞33、34の長さと同軸空洞33、34間のビームラ
イン35の長さを適切に選択するとビームライン35を経て
第2同軸空洞34に入射された電子は、再び加速電界によ
り加速される。第2同軸空洞34外部に出てきた電子は、
偏向電磁石20aにより第2同軸空洞34に再び入射され、こ
の時もやはり加速電界により再び加速される。前記のよ
うな原理で電子ビームが偏向電磁石20、20a間で二回加
速されるので、同一なビーム出力に対して一つの加速空
洞を用いたものより偏向電磁石20、20aの個数を減らす
ことができる。
の加速器を比較して下の表1にまとめる。
した本発明による均一なエックス線照射装置の具体的な
構成及び動作原理を示す図面であり、電子ビーム照射装
置に対しては、図3(A)のエックス線ターゲット76を引
き出し窓に交替して設ければよい。したがって、電子ビ
ーム照射装置に対しては、その説明を省略する。
クス線を空間的に均一に照射できるようにするために
は、図3(A)ないし図3(B)に示されたエックス線照射
装置70の動作条件は、次の通りである。
ターゲット76に空間的に均一に入射されなければならな
く、エックス線ターゲット76の中心に向けて入射される
べきであり、その入射角が90°になるべきである。
は、加速された電子を横方向及び縦方向にすべて偏向さ
せる2次元偏向磁石71と偏向された電子の軌道74をエッ
クス線ターゲット76の中心に向けて半径方向に入射する
ように電子ビーム誘導装置である磁気回路75を含んでい
る。
初に2次元偏向磁石71を通過する。前記偏向電磁石71
は、加速された電子を横方向及び縦方向すべて偏向させ
るため2次元偏向を起こす。縦方向偏向は、ターゲット7
6に縦方向で電子が均一に入射できるように偏向させ、
これは図3Bに示している。
向とはやや異なるように制御されるべきである。ターゲ
ット76に入射される電子ビームが横方向に均一に照射さ
れては、実際ターゲット76に照射される電子ビームは均
一に照射できない。むしろ横方向で調べる時、ターゲッ
ト76の両端に照射される電子ビームの分布が中心より多
くなければならないことが分かる。実際に重要なこと
は、ターゲット76の円周方向に均一な電子ビームを照射
しなければならないので、上記の条件を満足できるよう
に横方向の偏向をコントロールしなければならなく、こ
れは偏向時間による電流の波形をコントロールすること
により得ることができる。
電子は、一連の磁石と磁極により発生された磁界が存在
する領域75に入っていくようになり、この時、電子はロ
ーレンツ力(Lorentz force)を受けて電子の軌道は、エ
ックス線ターゲット76の中心に向けて半径方向に入射す
ることになる。
する磁気回路75の構成をより詳しく示したものであり理
解のため図3(A)、図3(B)と磁気回路の配置方向を別
にして示しており、二つに分離して示しているが、これ
は理解の便宜のためのものであり、一つで形成すること
ができる。ここで磁気回路75は、磁性体75aにソレノイ
ドコイル75bを巻線してエックス線ターゲット76を中心
に半径方向に磁界を誘導させている。
できる間隔をおいて相互向かい合う形状でソレノイドコ
イル75bに電流を通電させることにより磁界を形成する
ことになる。この際形成される磁界の強度は、二つの電
極の間隔dによって変わり、これはソレノイドコイル75b
の巻線数及び電流と、偏向電磁石71との距離、ターゲッ
ト76の位置などを考慮して決定される。
加速により高いエネルギー(数MeV)の電子が入射するこ
とにより多くの熱が生じ、これを効果的に取り除くため
前記エックス線ターゲット76内に冷却通路77を設けて解
決できる。
入射するようになるとターゲット76を構成する物質がス
パッタリング(sputtering)され、出てくることになる。
のみならず多様なメカニズムを介して気体が生じ、これ
は電子加速器100本体に流入され、電子ビームの損失を
もたらす。このような真空の低下を防ぐため真空箱78と
電子加速器の本体は、ウィンドウ72により空間的に分離
されており、ターゲット76が位置する真空箱78もやはり
真空ポート73を設けて真空ポンプにより真空を維持させ
ている。
来の照射装置を比較すると下の表2のようである。
クス線発生源は、次のような効果がある。
は、加速モードとして同軸加速空洞のTM010モードを用
いることにより、空洞内にで電子ビームが相互交差しな
い構造を有するため電子ビームの損失を排除できる。
より加速空洞の大気圧による変形を防止できる。
たは、四極管であるグリッドチューブ(grid tube)を用
いて適合な周波数(200MHz領域)を用いることにより装置
の密集化をなすことができる。
有しており、その他特徴は、上述の実施例を通して分か
ることである。
たがこれは例示であり、多様な変化と変形が可能である
が、これはすべて本発明の権利範囲に属することであ
り、これは添付された請求範囲を通して分かる。
子ビーム誘導装置の磁性体の形状や形態、その間隔は変
形できるが、これは本発明の精神を外れないことであ
る。
れたことを示しているが一つの空洞を用いることができ
ることはもちろんである。
ビーム源の概略図であり理解のため一部切開された図面
である。
いた電子加速器の原理を示す加速器の斜視図である。
正面図、(B)は、本発明によるエックス線照射装置の
側面図である。
た図面である。
Claims (4)
- 【請求項1】 a)同軸を有するシリンダ形態の内部導体
及び外部導体と、前記内部導体と外部導体の両端を密封
しながら支える二つの側面導体を有しており、前記内部
導体と外部導体と側面導体からなる空間が真空である同
軸加速空洞と、b)前記同軸加速空洞の一つの側面導体側
から反対側側面導体側に前記同軸加速空洞内に電子を入
射させる電子銃と、c)前記同軸加速空洞の二つの側面導
体に位置し、同軸加速空洞を通過する電子を180°偏向
させる複数個の偏向電磁石と、d)前記同軸加速空洞にRF
を印加するRFシステムとを含んでおり、前記同軸加速空
洞内にTM010モードを加速モードとして用いることを特
徴とする加速器と、前記加速器で加速された電子ビーム
を被照射物に照射する照射装置とを含むことを特徴とす
るエックス線源及び電子線源。 - 【請求項2】 前記同軸空洞が外部の大気圧により変形
されることを防止するための真空容器をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載のエックス線源及び電子線
源。 - 【請求項3】 a)各々同軸を有するシリンダ形態の内部
導体及び外部導体と、前記内部導体と外部導体の両端を
密封しながら支える二つの側面導体を各々有しており、
前記内部導体と外部導体と側面導体で形成された空間は
真空であり、電子ビームが通過しながら加速され、両者
が前記電子ビームの加速方向にビームラインにより所定
間隔離隔され、同軸連結された第1及び第2同軸加速空洞
と、b)前記第1同軸加速空洞の側面導体中前記第2同軸加
速空洞と連結されていない側面導体側から前記第1、2同
軸加速空洞が連結された方向に電子を入射させる電子銃
と、c)前記第1同軸加速空洞の電子ビームが入射される
方向の側面導体と、前記第2同軸加速空洞の側面導体中
前記第1同軸加速空洞と連結されていない側面導体側に
各々位置し、前記第1、2同軸加速空洞を通過する電子を
180°偏向させる複数個の偏向電磁石と、d)前記第1、2
同軸加速空洞にRFを印加するRFシステムとを含んでお
り、前記各同軸加速空洞内にTM010モードを加速モード
とすることを特徴とする加速器と、前記加速器で加速さ
れた電子ビームを被照射物に照射する照射装置とを含む
ことを特徴とするエックス線源及び電子線源。 - 【請求項4】 前記同軸空洞が外部の大気圧により変形
されることを防止するための真空容器をさらに含むこと
を特徴とする請求項3に記載のエックス線源及び電子線
源。
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