JP3308891B2 - 光計測用ヘッドおよび光計測装置 - Google Patents

光計測用ヘッドおよび光計測装置

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JP3308891B2
JP3308891B2 JP10121598A JP10121598A JP3308891B2 JP 3308891 B2 JP3308891 B2 JP 3308891B2 JP 10121598 A JP10121598 A JP 10121598A JP 10121598 A JP10121598 A JP 10121598A JP 3308891 B2 JP3308891 B2 JP 3308891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光のファラデー効果
を利用して電流や磁場の計測を行うための光計測ヘッド
および光計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバをセンサとして用い、
その光ファイバの伝搬光の偏波面の変化から電流、磁場
などの物理量を測定する光計測技術が広く知られてい
る。例えば特開平7−270505号公報、特開平8−
178968号公報などには、ファラデー効果を利用し
て、電流によって生じる磁場に起因する光ファイバ伝搬
光の偏波面の変化を測定し、電流を計測する光計測法が
記載されている。これらの方法では、光計測用ヘッドと
して、導線の周りに周回する光ファイバを用いている。
光ファイバを周回させることにより、導線を流れる電流
によって発生する磁場以外の影響を低減することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ファイバ
はその可撓性のため容易に周回させることができるが、
外力によって簡単に揺れ動いたり、振動したりする。こ
のように光ファイバが動くと、偏波面の回転が誘起され
るとともに、光ファイバに応力が発生して複屈折が誘起
される。偏波面の回転や複屈折が誘起された光ファイバ
では、伝搬する光の偏光状態の変化成分として、測定対
象であるファラデー効果によるものの他に、時間的に変
化する偏波面の回転や複屈折によるものが加わってしま
い、測定精度を低下させてしまう。
【0004】このような悪影響を防ぐために筒状の光フ
ァイバ固定枠に光ファイバを巻き付けた光計測用ヘッド
を用いることができるが、光ファイバを固定枠に巻き付
けるときや巻き付けたあとに光ファイバを破損してしま
うおそれがあった。また、光ファイバを保護チューブ内
に挿通して光ファイバを保護し、光ファイバを挿通した
保護チューブを固定枠に巻き付けることも考えられる。
しかし、この状態では固定枠に衝撃が加わったり、固定
枠に振動が伝わった場合など、保護チューブ内において
光ファイバが振動し、先に記した偏波面の回転が誘起さ
れるとともに、応力が発生して複屈折が誘起されてしま
うおそれがある。
【0005】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、光ファイバを保護するとともに、取り扱いが
容易であり、外部からの振動や応力による測定精度の影
響を低減できる光計測用ヘッドおよび光計測装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、光のファラデー効果を利用して電流や磁
場の計測を行うための光計測用ヘッドにおいて、光ファ
イバの周囲に隙間が空くように前記光ファイバを保護チ
ューブ内に配置し、前記隙間に除振材料が充填してある
光ファイバケーブルと、前記光ファイバケーブルが周回
するように取り付け支持される筒状のケーブル保持部材
と、を有することを特徴とする光計測用ヘッドが提供さ
れる。
【0007】このような光計測用ヘッドでは、光ファイ
バを保護チューブで保護しているのでケーブル保持部材
に周回するように取り付けても破損することがなく、取
扱いが容易である。また、光ファイバと保護チューブと
の管の隙間に除振材料を充填しているので、光ファイバ
が保護チューブに押し付けられず、外部からの衝撃によ
って光ファイバが振動することが極力抑えられる。よっ
て、偏波面の回転が抑制される。また、除振材料が光フ
ァイバを覆っているので、応力に対しても強く、複屈折
の発生を低減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図面を参
照して説明する。図1は本形態の光計測装置の構成を示
す図である。光計測装置10は、光計測ヘッド11を有
している。この光計測ヘッド11は、主に、ケーブル保
持部材12と光ファイバケーブル13とから構成されて
いる。ケーブル保持部材12は、円筒状の部材であり、
アルミニウムや銅などの非強磁性、もしくはステンレス
などの保磁力の低い材料で形成されている。なお、ここ
で保磁力が低い材料とは、その材料で形成されたケーブ
ル保持部材12を使用した場合と、保磁力のない非強磁
性材料で形成されたケーブル保持部材12を挿入した場
合での、光ファイバ部分における磁束密度の差が10%
以内となるような材料を意味する。通常、単発的な磁場
の変化(例えばマイクロ秒オーダーのパルス状の磁場変
化、事故時に発生する突発的な大電流によって生じる磁
場の変化など)を検出する場合、測定誤差が10%以内
であれば十分なので、磁束密度の差が10%以内であれ
ば、目的とする単発現象の測定を十分な精度で行うこと
ができる。さらに、定常状態の変化(例えばミリ秒オー
ダーの磁場の変化やそのような磁場の変化を生じさせる
電流の変化など)を測定する場合には、1%以内とする
ことが好ましい。このような条件を満たす材料として
は、ステンレスが好ましい。
【0009】ケーブル保持部材12の内側には、被計測
物21として、導線、もしくは真空空洞管が挿入され
る。一方、ケーブル保持部材12の外周面には、光ファ
イバケーブル13が少なくとも1回巻き付けられてい
る。なお、ケーブル保持部材12は、円筒状でなくて
も、被計測物の周囲を光ファイバケーブル13が周回で
きるように支持するものであれば、任意の形状でもよ
い。ただし、計測精度を上述の測定誤差以内とする場合
には、閉ループを形成する形状、例えば図1のような円
筒状が望ましい。
【0010】また、光ファイバケーブル13の取り付け
場所は、ケーブル保持部材12の内周面であってもよ
い。光ファイバケーブル13は、後述するように、アル
ミニウムや銅などの非強磁性、もしくはステンレスなど
の保磁力の低い材料の保護チューブ31で、光ファイバ
を保護することにより構成されている。なお、ここで保
磁力が低い材料とは、その材料で形成された保護チュー
ブ31に光ファイバを挿入した場合と、保磁力のない非
強磁性材料で形成された保護チューブ31に光ファイバ
を挿入した場合での、光ファイバ部分における磁束密度
の差が10%以内となるような材料を意味する。通常、
単発的な磁場の変化(例えばマイクロ秒オーダーのパル
ス状の磁場変化、事故時に発生する突発的な大電流によ
って生じる磁場の変化など)を検出する場合、測定誤差
が10%以内であれば十分なので、磁束密度の差が10
%以内であれば、目的とする単発現象の測定を十分な精
度で行うことができる。さらに、定常状態の変化(例え
ばミリ秒オーダーの磁場の変化やそのような磁場の変化
を生じさせる電流の変化など)を測定する場合には、1
%以内とすることが好ましい。このような条件を満たす
材料としては、ステンレスが好ましい。
【0011】光ファイバケーブル13全体は、その保護
チューブ31が溶接されることにより、ケーブル保持部
材12に固定されている。溶接手段としては、通常使用
される電気、ガス溶接に加え、YAGレーザ溶接、炭酸
ガスレーザ溶接などを用いることができる。また、溶接
の方式としては、図のように多数の溶接部131におい
てのスポット溶接や、あるいは連続的な溶接がある。な
お、このような溶接によって光ファイバケーブル13を
固定する場合には、保護チューブ31とケーブル保持部
材12は、同一の材料であることが好ましい。
【0012】また、保護チューブ31とケーブル保持部
材12の材料としてはんだ付け可能なものを用いた場合
には、スポットまたは連続的にはんだ付けを行うことも
できる。はんだ付け可能な組み合わせの例としては、保
護チューブ31が銅でケーブル保持部材12も銅の場
合、保護チューブ31がステンレスでケーブル保持部材
12もステンレスの場合、保護チューブ31が銅でケー
ブル保持部材12がステンレスの場合、保護チューブ3
1がステンレスでケーブル保持部材12が銅の場合であ
る。
【0013】光ファイバケーブル13の入力端部には、
モニタ光を出力するモニタ光源14が、導光手段として
の偏波面保持ファイバ15および光コネクタ16を介し
て接続されている。光コネクタ16内には、偏光子も設
けられている。モニタ光源14には、主に、小型軽量で
あるレーザダイオード、スーパルミネセントダイオード
などの半導体光源が用いられる。あるいは、出力の安定
しているHe−Neレーザ、Arレーザなどの気体レー
ザや、YAGレーザなどの固体レーザでもよい。
【0014】一方、光ファイバケーブル13の出力端部
には、検光子部17が接続されている。検光子部17
は、光ファイバケーブル13からの出力光を平行光にす
るコリメートレンズと、そのモニタ光の偏波面を縦波成
分と横波成分とに分ける検光子とから構成されている。
ここで、検光子としては、偏光ビームスプリッタもしく
は偏光成分を分離する性能を有する光学結晶が用いられ
る。検光子部17で分離された縦波成分と横波成分は、
それぞれ光ファイバ18,19を介して信号処理部20
に送られる。
【0015】信号処理部20は、その光検出部20a
が、検光子部17で分離された縦波成分と横波成分のモ
ニタ光を電気信号に変換する。なお、光ファイバ18,
19を用いずに縦波成分と横波成分が各々直接光検出部
20aに入射するようにしてもよい。信号処理部20
は、この電気信号に基づいて、ケーブル保持部材12に
挿入された被計測物21の物理量の変化を計測する。計
測する物理量は、被計測物21が導線の場合には電流、
真空空洞管の場合には荷電粒子またはプラズマの流れで
ある。また、被計測物21を挿入しない状態で、磁場を
計測することもできる。
【0016】なお、光コネクタ16や検光子部17は、
光ファイバケーブル13をケーブル保持部材12に取り
付ける前に光ファイバケーブル13と接続してあっても
よいし、取り付け後でもよい。ただし、光ファイバケー
ブル13をケーブル保持部材12に取り付けた後で光コ
ネクタ16や検光子部17を取り付ける場合には、光フ
ァイバケーブル13の両端部は保護した状態で取り付け
作業を行う必要がある。
【0017】また、保護チューブ31は、上記の性質の
いずれかの性質を有するものでもよいが、ある程度以上
の力を加えることによって所望の形状に変形し、その形
状を固定でき、さらにそれより弱い力によって、固定さ
れている形状を基準に弾性変位するものであることが望
ましい。このような材料を用いることにより、光ファイ
バケーブル13をケーブル保持部材12に固定する際に
は、ケーブル保持部材12の外径よりもやや小径のリン
グ状に形成してその形状を固定し、その固定した形状か
らやや押し広げて光ファイバケーブル13を適度に弾性
変位させ、ケーブル保持部材12の外周に取り付ける。
これにより、弾性力で内側に戻ろうとする力を利用して
光ファイバケーブル13をケーブル保持部材12を仮固
定できる。よって、接着、はんだ付け、溶接などの固着
手段を用いて最終的に固着する場合に、作業が簡単とな
る。
【0018】次に、光ファイバケーブル13の具体的な
構成について説明する。図2は光ファイバケーブル13
の構成を示す断面図である。光ファイバ32と保護チュ
ーブ31との間には、均等な隙間13aが形成されてい
る。この隙間13aには、塑性材料としての樹脂33が
充填されている。光計測に使用する光ファイバケーブル
13は、例えば光ファイバ32の外径を0.38mm、
保護チューブ31の内径を0.4mmとする。このとき
の隙間13aの幅D1は、0.01mmである。
【0019】隙間13aに充填された樹脂33には、シ
リコーン樹脂などのように、半液状もしくは固形であ
り、かつ光ファイバ32に対して応力の発生が極めて少
ないものが使用されている。これにより、外部からの衝
撃による光ファイバ32の振動を極力抑えることができ
る。よって、偏波面の回転を抑制でき、高精度の光計測
が可能となる。
【0020】また、樹脂33が光ファイバ32を覆って
いるので、応力に対しても強く、複屈折の発生を低減で
きる。この点でも、高精度の光測定が可能となる。さら
に、ケーブル保持部材12に光ファイバケーブル13を
巻き付けるときの光ファイバ32の破損を防げるので、
取扱いが容易である。
【0021】この光ファイバ32の複屈折をさらに低く
するためには、ファラデー効果を示し、コアの光弾性定
数が1×10-12 Pa-1以下となる材料で形成すること
が好ましい。例えば、光ファイバ32を鉛ガラスを素材
とするコア、クラッド、オーバークラッドの3層構造と
した場合に、上記条件を満たすための各組成は、以下の
ようになる。 コアガラス組成(いずれも重量%) SiO2 :27.10% PbO :71.10% Na2 O: 0.20% K2 O : 1.30% クラッドガラス組成 SiO2 :27.25% PbO :71.95% Na2 O: 0.20% K2 O : 1.30% ここで、SiO2 とPbOは鉛ガラスの主成分であり、
Na2 OとK2 Oは、ガラス化を促進し結晶化を抑制す
ることによりガラス状態を安定に保つ成分である。 オーバークラッドガラス組成 SiO2 :27.23% PbO :70.42% Na2 O : 1.31% Cr2 3 : 0.05% Cu2 O : 1.01% ここで、SiO2 とPbOは鉛ガラスの主成分であり、
Na2 Oはガラス化を促進する成分、Cr2 3 とCu
2 Oは光ファイバ32のクラッドモードを吸収するため
の吸収剤である。
【0022】また、それぞれの直径は、コアが5.7μ
m、クラッドが31.7μm、オーバークラッドが12
5μm、さらに屈折率は、コアが1.85186、クラ
ッドが1.84857、オーバークラッドが1.857
46である。これにより、光ファイバ32の比屈折率差
は0.17%、開口数は0.11、規格化周波数は2.
35であり、波長850nmの光に対してシングルモー
ド条件を満たしている。ファラデー効果を示すベルデ定
数は波長850nmで約12.8×10-6rad/A・
turnであった。さらにこの光ファイバに直線偏光の
光を伝搬させたときの消光比は20dB以上である。
【0023】このような材料の光ファイバ32を用い、
かつ保護チューブ31には、前述したようにアルミニウ
ムや銅などの非強磁性、もしくはステンレスなどの保磁
力が低い材料を使用することにより、保護チューブ31
自身が発する磁場の影響を低減でき、偏波面の回転や複
屈折をより確実に低減することができる。また、これに
より、光ファイバ32の信頼性および消光比を高くする
ことができる。最終的には、直線偏光の光を伝搬させた
ときの消光比が、20db以上となるように形成するこ
とが好ましい。ただし、この条件は、本形態の構成であ
れば十分に達成できる。なお、消光比の測定は、レーザ
ダイオードまたはスーパルミネセントダイオード光源な
どを使用した一般の方法により行うことができる。
【0024】さらに、このような構成の光ファイバケー
ブル13を巻き付けるケーブル保持部材12の材料も、
アルミニウムや銅などのような非強磁性、もしくはステ
ンレスなどの保磁力が低い材料とすることにより、ケー
ブル保持部材12自身が発する磁場の影響を低減でき
る。さらに、アルミニウムやステンレスは、剛性を有す
るので、ケーブル保持部材12が外力によって変形しに
くい。これにより、光ファイバケーブル13の変形も防
止できる。
【0025】なお、外部からの振動によって光ファイバ
ケーブル13内の光ファイバが振動することを抑える上
から、塑性材料としてシリコーン樹脂などの除振材料を
使用することが好ましい。また、光ファイバケーブル1
3全体を曲げたりする場合、光ファイバ32に大きな複
屈折性を誘起するような応力が加わるのを抑える上か
ら、塑性材料は弾性を有する材料からなることが好まし
い。さらに、塑性材料が除振材料かつ弾性を有する材料
からなることがより好ましい。
【0026】次に、このような構成の光ファイバケーブ
ル13の製造方法について説明する。図3は光ファイバ
ケーブル13を製造するための設備の概略構成を示す図
である。光ファイバ32は、その軸芯が保護チューブ3
1の軸芯とほぼ一致するように位置決めされて保護チュ
ーブ31内に挿入され、両端部がフェルールなどの接続
具41,42で固定、封止されている。これにより、光
ファイバ32と保護チューブ31との間には、均等な隙
間13aが空いている。
【0027】保護チューブ31の一方の端部付近には、
液状の樹脂を注入するための注入孔31aが形成されて
いる。この注入孔31a部分には、保護チューブ31の
周囲を囲むように注入ヘッド43が取り付けられてい
る。注入ヘッド43は、注入管44を介して樹脂供給槽
45と接続されている。樹脂供給槽45内には、保護チ
ューブ31内への注入後に前述の樹脂33となる液状の
樹脂が充填されている。樹脂供給槽45内の樹脂は、注
入管44のコック44aと、空気抜き用の管46のコッ
ク46aを開くことにより、光ファイバケーブル13側
に供給される。
【0028】また、保護チューブ31の他方の端部付近
には、保護チューブ31内の空気を抜くための吸引孔3
1bが形成されている。この吸引孔31b部分には、保
護チューブ31の周囲を囲むように吸引ヘッド47が取
り付けられている。吸引ヘッド47は、吸引管48を介
して真空槽49と接続されている。さらに、真空槽49
は、管50を介して吸引ポンプ51と接続されている。
吸引ポンプ51を動作させ、吸引管48のコック48a
と管50のコック50aを開くことにより、保護チュー
ブ31内の空気が吸引される。
【0029】次に、図2の構成による光ファイバケーブ
ル13への樹脂注入の手順について説明する。まず、吸
引ポンプ51を作動し、真空槽49との間のコック50
aを開き、真空槽49の空気を十分に抜く。真空槽49
の空気が抜けたところで、樹脂供給槽45の両側のコッ
ク44a,46aを開くことで、液状の樹脂が、注入管
44、注入ヘッド43、注入孔31aを介して保護チュ
ーブ内に注入される。ここで、注入する樹脂には、充填
後に半液状もしくは固形に変化するとともに、光ファイ
バ32に対して応力の発生が極めて少ないものをあらか
じめ選択しておく。
【0030】通常、樹脂を一方的に注入するだけでは隙
間13aに均等に行き渡らないが、ここでは吸引ポンプ
51により注入部分と反対の側から吸引しているので、
高速でかつ均等に樹脂を注入することができる。
【0031】こうして、注入された樹脂が吸引管48側
まで吸引され、真空槽49に流れ始めたところで、真空
槽49側のコック48a,50aと、樹脂供給槽45側
のコック44a,46aを閉じることで、作業が終了す
る。その後、注入ヘッド43を外し、短時間で堅固に固
形化するエポキシ等の接着剤により孔31aおよび31
bを封止する。
【0032】以上により、光ファイバ32と保護チュー
ブ31の隙間13aに塑性材料を一様に充填した光ファ
イバケーブル13を製造することができる。なお、図3
では塑性材料を吸引孔31bから吸引することにより保
護チューブ31内に充填する例を示したが、吸引ポンプ
51、真空槽49を用いる代わりに真空槽49側のコッ
ク48aを大気中に開放しておき、樹脂供給槽45側の
コック44aから塑性材料を加圧して保護チューブ31
内に充填させてもよい。あるいは、吸引と加圧を組み合
わせて充填を行ってもよい。
【0033】次に、光ファイバケーブル13の他の製造
方法について説明する。図4は光ファイバケーブル13
の他の製造方法を示す図である。この方法で光ファイバ
ケーブル13を製造する場合、まず、ステップS1に示
すように、光ファイバ32を保護チューブ31に挿入す
る。このとき、光ファイバ32と保護チューブ31の隙
間には、樹脂部材34,35を一緒に挿入する。樹脂部
材34,35は、固形の線状部材である。また、樹脂部
材34,35には、容易に変形可能で、かつ光ファイバ
32に対して応力の発生が極めて少ない材料、例えばシ
リコーン樹脂が使用される。
【0034】挿入後、樹脂部材34,35は、保護チュ
ーブ31内に収まるように保護チューブ31と同じ長さ
に両端を切除する(ステップS2)。その後、ステップ
S3に示すように、保護チューブ31に一方向もしくは
多方向からゆっくりと圧力を加え、塑性変形させる。こ
の塑性変形の際、光ファイバケーブル13の端部には、
接続具を装着していても装着していなくてもよく、装着
していない場合は、接続具を装着する部分を残して変形
し、変形作業後に接続具を装着する。
【0035】図5は他の製造方法による光ファイバケー
ブル13の形状変化の様子を示す断面図であり、(A)
は図4のステップS1またはステップS2の状態の断面
図、(B)はステップS3の状態の断面図である。ま
ず、塑性変形させる前の段階では、図(A)に示すよう
に、例えば4本の樹脂34,35,36,37が光ファ
イバ32と保護チューブ31との隙間13aに挿入され
ている。
【0036】次いで、図(B)に示すように、保護チュ
ーブ31を例えば上下方向からプレスして塑性変形させ
る。こうして、保護チューブ31を変形させることによ
り、樹脂34,35,36,37が潰れて一体となり、
その一体となった樹脂33が隙間13a内に一様に充填
される。なお、変形の度合いは、隙間13aのプレスさ
れた部分の幅D3が適度に残る程度、具体的には、幅D
3が変形前の幅D2の9/10〜1/2の任意の範囲に
なるようにすることが好ましい。また、本形態の製造方
法では、多方向からのプレス方法にも適応できる。
【0037】このようにして作製した光ファイバケーブ
ル13の光ファイバに直線偏光光を伝搬させたところ、
ファラデー効果が生じない状態で20dB以上の高い消
光比が得られた。さらに、この光ファイバケーブル13
を用いた光計測ヘッドを磁場中に置いて光計測装置を作
動させたところ、ファラデー効果以外の影響が極めて少
ない高精度な測定ができた。これは、電流によって生じ
る磁場を測定することによって間接的に電流を測定する
場合も同様である。
【0038】なお、図5では、挿入する樹脂を4本とす
る例を示したが、その太さや塑性などに応じて適宜変更
できる。また、図1の説明では、本形態の光ファイバケ
ーブル13をケーブル保持部材12に巻き付ける構成と
したが、形状保持能力の高い材料を保護チューブ31に
使用することにより、ケーブル保持部材12の機能を持
ちあわせた光ファイバケーブル13をリング状にした状
態でそのまま計測に使用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、光ファ
イバを保護チューブで保護するようにしたので、ケーブ
ル保持部材に周回するように取り付けても破損すること
がなく、取扱いが容易となる。
【0040】また、光ファイバと保護チューブとの管の
隙間に除振材料を充填したので、光ファイバが保護チュ
ーブに押し付けられず、外部からの衝撃によって光ファ
イバが振動することが極力抑えられる。よって、偏波面
の回転を低減することができる。
【0041】さらに、除振材料が光ファイバを覆ってい
るので、応力に対しても強く、複屈折の発生を低減でき
る。これらのことから、より高精度な光計測が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態の光計測装置の構成を示す図である。
【図2】光ファイバケーブルの構成を示す断面図であ
る。
【図3】光ファイバケーブルを製造するための設備の概
略構成を示す図である。
【図4】光ファイバケーブルの他の製造方法を示す図で
ある。
【図5】他の製造方法による光ファイバケーブルの形状
変化の様子を示す断面図であり、(A)は図4のステッ
プS1またはステップS2の状態の断面図、(B)はス
テップS3の状態の断面図である。
【符号の説明】
10 光計測装置 11 光計測ヘッド 12 ケーブル保持部材 13 光ファイバケーブル 13a 隙間 14 モニタ光源 15 偏波面保持ファイバ 16 光コネクタ 17 検光子部 20 信号処理部 21 被計測物 31 保護チューブ 32 光ファイバ 33 樹脂
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−225282(JP,A) 特開 平4−345111(JP,A) 特開 平7−174791(JP,A) 特開 平9−274056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 15/24 G01R 33/032 G02B 6/44

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光のファラデー効果を利用して電流や磁
    場の計測を行うための光計測用ヘッドにおいて、 光ファイバの周囲に隙間が空くように前記光ファイバを
    保護チューブ内に配置し、前記隙間に除振材料が充填し
    てある光ファイバケーブルと、 前記光ファイバケーブルが周回するように取り付け支持
    される筒状のケーブル保持部材と、 を有することを特徴とする光計測用ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記除振材料はシリコーン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光計測用ヘッド。
  3. 【請求項3】 直線偏光光を伝搬させたときの前記光フ
    ァイバの消光比が20〔dB〕以上であることを特徴と
    する請求項1記載の光計測用ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記保護チューブを前記ケーブル保持部
    材に固着することを特徴とする請求項1記載の光計測用
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記保護チューブは金属製であり、溶接
    またははんだ付けにより前記ケーブル保持部材に固着す
    ることを特徴とする請求項4記載の光計測用ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバをファラデー効果を示す
    材料で形成し、一方、前記保護チューブを非強磁性の材
    料で形成することを特徴とする請求項1記載の光計測用
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記光ファイバのコアを、伝送光の波長
    における光弾性定数が1×10-12〔Pa-1〕以下の材
    料で形成することを特徴とする請求項1記載の光計測用
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバのコアの組成は、SiO
    2とPbOを含み、前記SiO2の重量%が5〜35%、
    前記PbOの重量%が85〜65%であることを特徴と
    する請求項7記載の光計測用ヘッド。
  9. 【請求項9】 光のファラデー効果を利用して電流や磁
    場の計測を行うための光計測装置において、 光ファイバの周囲に隙間が空くように前記光ファイバを
    保護チューブ内に配置 し、前記隙間に除振材料が充填し
    てある光ファイバケーブルと、前記光ファイバケーブル
    が周回するように取り付け支持される筒状のケーブル保
    持部材と、を有する光計測ヘッドと、 モニタ光を出力するモニタ光光源と、 前記光ファイバケーブル内の光ファイバに前記モニタ光
    を導光する導光手段と、 前記光ファイバから出力されたモニタ光の偏波面を分離
    して取り出す検光子部と、 前記検光子部からの2種類の光を電気信号に変換して測
    定対象の電流や磁場の値を求める信号処理部と、 を有することを特徴とする光計測装置。
  10. 【請求項10】 直線偏光光を伝搬させたときの前記光
    ファイバの消光比が20〔dB〕以上であることを特徴
    とする請求項9記載の光計測装置。
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