JP2004069710A - 光応用測定装置および光応用電流測定装置 - Google Patents

光応用測定装置および光応用電流測定装置 Download PDF

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生田 栄
Kiyohisa Terai
寺井 清寿
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高橋 正雄
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Abstract

  【課題】 高精度でしかも長期に亘って安定性を有する、実用性の高い光応用測定装置および光応用電流測定装置を提供する。
  【解決手段】 送信ファイバ3のコリメータ、偏光子4、センサファイバ5とそのコリメータ、検光子7、および受信ファイバ8のコリメータを含む光学系のうち、センサファイバ5を除く光学部品を、光学系収納箱21内に収納する。各コリメータを構成するファイバコネクタ15、送信ファイバ3と受信ファイバ8のコリメータを構成する取付部材16、およびセンサファイバ5のコリメータを構成するレンズホルダ22、調節スリーブ23、およびコネクタホルダ24などの固定部材と、光学系収納箱21を、ニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼で構成する。各固定部材間、および各固定部材と光学系収納箱21との間を、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定する。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、温度・電界や磁界などの物理量の変化によって偏光特性が変化する光学素子をセンサとして利用して、測定対象となる物理量を求める光応用測定装置および光応用電流測定装置に関するものである。
 従来、磁界によって偏光の旋光角度が変化するファラデー効果や、応力によって複屈折が発生する光弾性効果などを利用し、偏光を測定することによって磁界・電界・歪・温度などの各種の物理量を測定する試みが広く行われており、各種の光応用測定装置が提案されている。
[1.従来の光応用電流測定装置]
 図16は、従来の光応用測定装置として、特に、光応用電流測定装置の代表的な一例を示す構成図である。この図16に示すように、レーザダイオードや発光ダイオードからなる光源1からの光はレンズ2によって集光され、送信ファイバ3に入射する。この送信ファイバ3を伝播した光は、レンズ2によって平行ビームとされ、偏光子4を通って直線偏光に変換される。この光は、レンズ2によって集光され、センサファイバ5に入射する。このセンサファイバ5は、被測定電流の流れる導体6の周囲に巻回されており、光は、このセンサファイバ5を伝播する間に、導体6を流れる被測定電流の作る磁界に比例したファラデー旋光を受け、角度θだけ回転した直線偏光となって出力される。したがって、この旋光角度θを測定することにより電流値を得ることができる。
 このような旋光角度θの測定方法として、図16においては、偏光子4に対して45度回転させて配置されたウォラストンプリズムからなる検光子7を使用し、直交する2つの偏光線分の光に分けて検出する方法が採用されている。すなわち、まず、センサファイバ5から出射した光は、レンズ2によって再び平行ビームとされ、ウォラストンプリズムからなる検光子7によって、x,yの2成分の光に分けられる。この2成分の光は、個別のレンズ2を介して2つの受信ファイバ8にそれぞれ入射する。この受信ファイバ8をそれぞれ伝播したx,yの2成分の光は、2つの検出器9にそれぞれ導かれる。
 次に、x,yの2成分の光信号は、2つの検出器9によってそれぞれ電気信号Vx,Vyに変換される。この場合の電気信号Vx,Vyは、次の式(1)によって表される。
Figure 2004069710
 このようにして検出器9で得られた電気信号Vx,Vyは、さらに、2つのAGC増幅器10にそれぞれ送られ、次の式(2)によって、直流分成分で規格化される。
Figure 2004069710
 この電気信号Vx’,Vy’は、除算器11とROMテーブル12によって処理され、次の式(3)に示すような、和と差のわり算のアークサインを求める演算によって、電流値Iが求められる。
Figure 2004069710
 以上のような光応用電流測定装置においては、電流信号出力が光信号強度に無関係であるため、アライメントずれや光源の劣化による光量の変化などによる誤差を生じることなく、高精度の電流測定を行うことができる。このような光応用電流測定装置は、絶縁特性に優れており、構成もコンパクトであることから、特に、電力系統における高圧機器用の電流測定装置として、その一層の高性能化が期待されている。
[2.従来の光応用電流測定装置の光学系]
 また、以上のような光応用電流測定装置において、送信ファイバ3から受信ファイバ8に至るまでの光学系は、例えば、図17および図18に示すように構成されている。ここで、図17は、光学系の具体的な構成の一例を示す平面図、図18は、図17の断面図である。
 図17に示すように、送信ファイバ3から2つの受信ファイバ8に至るまでの光学系を構成する複数の光学部品は、光ファイバ部分を除いて、細長い光学系取付基板13上に配置されている。まず、光学系取付基板13の長手方向の一端には、被測定電流が流れる導体6を貫通させる円形の取付部13aが設けられ、この取付部13aの周囲にセンサファイバ5が巻回されている。このセンサファイバ5の両端部は、光学系取付基板13の長手方向に沿って互いに平行にかつ同じ位置となるように配置されている。そして、センサファイバ5の入射端部の延長線上に、偏光子4、レンズ2、および送信ファイバ3の出射端部が一列に並べられると共に、センサファイバ5の出射端部の延長線上に、検光子7、レンズ2、および第1の受信ファイバ8の入射端部が一列に並べられている。
 この場合、偏光子4は、その偏光方位が水平あるいは垂直方向に対して45度をなすように配置されている。また、検光子7は、任意の方向に偏光している入射光を水平方向と垂直方向に偏光する2つの直線偏光に分解し、それぞれ異なる方向に出射する光学部品であるが、図17においては、ここでは、光学系取付基板13の長手方向と、それに対して90度をなす方向(偏光子4側に向かう方向)に出射するように配置されている。
 さらに、第2の受信ファイバ8の入射端部は、送信ファイバ3の出射端部と第1の受信ファイバ8の入射端部との間に、これらと平行に設けられている。そして、このように配置された第2の受信ファイバ8の入射端部に対して、前述した検光子7で90度方向に出射した光を導くために、この検光子7と偏光子4の間には、光路を90度折り曲げるための折り曲げ鏡14が配置されている。
 一方、このように配置された各ファイバ3,5,8の各端部には、このファイバ端部を支持するためのファイバコネクタ15がそれぞれ設けられており、各ファイバコネクタ15と各ファイバ3,5,8に結合される各レンズ2は、光軸を一致させる一定の位置関係となるようにして個別の取付部材16に取り付けられている。これらの取付部材16は、金属製であり、図18に示すように、光学系取付基板13上に、接着剤17によって固定されている。また、偏光子4や検光子7、および折り曲げ鏡14についても、同様に、接着剤17によって光学系取付基板13上に固定されている。そして、このように光学部品が固定された光学系取付基板13の表面は、その重量が問題とならない程度の軽量の簡単なカバーによって覆われ、全体として、光学系収納箱を構成している。
 以上のような構成を有する図17および図18の光学系の動作は、次の通りである。すなわち、この光学系において、各ファイバ3,5,8の各ファイバコネクタ15と、取付部材16、およびレンズ2からなる構造物は、ファイバからの光を平行ビームに変換するか、あるいは逆に、平行ビームを集光してファイバに入射させるコリメータとして機能する。
 したがって、まず、図示していない光源を出射した光は、送信ファイバ3によって導かれ、その出射端部のコリメータにより平行ビームとなって偏光子4に達する。この場合、偏光子4は、前述したように、その偏光方位が水平あるいは垂直方向に対して45度をなすように配置されているため、この偏光子4によって、光は方位45度の直線偏光に変換される。この光は、センサファイバ5の入射端部のコリメータにより集光ビームとなってセンサファイバ5に入射する。
 センサファイバ5に入射した光は、このセンサファイバ5を伝播する間に、導体6に流れる被測定電流の作る磁界によってファラデー旋光を受けてその方位が変化した後、センサファイバ5の出射端部のコリメータにより平行ビームとなって検光子7に入射する。この検光子7によって、光は、水平方向に偏光する直線偏光(x成分)と垂直方向に偏光する直線偏光(y成分)とに分解される。このように分解された2つの光のうち、一方の光はそのままの状態で、また他方の光は折り曲げ鏡14を介して、2つの受信ファイバ8の入射端部のコリメータにそれぞれ入射し、各コリメータで集光ビームとなって各受信ファイバ8にそれぞれ入射する。
 以上のような光学系の動作において、各光学部品は、高精度で位置決めされている必要がある。この場合、光学系取付基板13は、各光学部品を所定の位置に正確に保持固定するように機能する。この光学系取付基板13上における各光学部品の取付は、前述したように、接着剤17によって行われているが、このような取付は、具体的には次のような手順によって行われている。すなわち、光学部品の取付に当たっては、光学部品の下面に接着剤を塗布し、この状態で、光学部品を微動装置によって保持しながら光学系取付基板13上で位置決めし、その位置に接着固定している。
 しかしながら、図16〜図18に示したような従来の光応用電流測定装置には、次のような問題点がある。
(1) 接着剤に起因する光学部品の位置ずれや脱落の可能性
(2) 光ファイバとそれに光を入射する集光光学系との間の位置ずれとそれによる光量変化
(3) 温度・湿度や外部磁界などの周囲環境や応力などの影響による精度低下
(4) 光ファイバ端面の異物付着による光量変化
(5) 受信ファイバの曲がりによる光損失
これらの問題点(1) 〜(5) の具体的な内容について、以下に説明する。
(1) 「接着剤に起因する光学部品の位置ずれや脱落の可能性」について
 図17と図18に示したように、従来、光学系の光学部品は、光学系収納箱の一部である光学系取付基板13に対し、取付部材16などの固定部材を使用して接着剤で固定されているにすぎない。この場合、接着剤は、一般的に、金属やガラスに対して膨脹率が10倍以上大きいため、周囲温度が大きく変化した場合には、接着剤が大きく収縮してしまい、その結果、光学部品同士の位置がずれてしまう。また、光学系に温度変化や振動が繰り返し加わった場合には、前述したような大きな収縮と外部機械力との相乗的な影響によって接着剤が劣化し、長期間の後には、光学部品が脱落してしまう可能性がある。
(2) 「光ファイバとそれに光を入射する集光光学系との間の位置ずれとそれによる光量変化」について
 光ファイバのコア径は極めて小径であるため、特に、このような光ファイバとそれに光を入射する集光光学系との間には極めて精度の高いアライメントが要求される。しかしながら、振動や温度変化が生じた場合、あるいは、接着剤の収縮を生じた場合には、センサと集光光学系との間のアライメントが崩れ、センサに入射する光量が大きく変化する可能性がある。このような光量変化は、測定精度の低下につながる。
 特に、センサファイバを構成する光ファイバには、偏光情報を伝播することが要求されることから、シングルモード光ファイバが使用されるが、このようなシングルモード光ファイバのコア径は2〜10μm程度と極めて小径であるため、振動や温度変化、接着剤の収縮などによって容易にアライメントが崩れ、ひどい場合にはセンサファイバに光を入射できなくなる可能性がある。
 また、光学系の各部で、光量変化を生じた場合でも、ある程度の光量を確保することができれば、光学系のうち、検光子までの部分で発生した光量変化分については、電子回路で補正可能である。しかしながら、検光子以降で発生した光量変化分については、必ずしもx,y成分共に同位相とならないため、電子回路で補正することは困難であり、誤差の原因となる。
 この場合、受信ファイバを構成する光ファイバには、マルチモード光ファイバを使用することができるため、前述したシングルモード光ファイバを使用したセンサファイバに比べれば、比較的容易に光を入射することができる。しかしながら、前述したように、検光子以降で発生した光量変化分の補正は困難であるため、受信ファイバの入射時に光量変化が多少でも発生した場合には、この光量変化分はそのまま誤差の原因となってしまう。
(3) 「温度・湿度や外部磁界などの周囲環境や応力などの影響による精度低下」について
 光学部品は、基本的に、温度・湿度や外部磁界などの周囲環境の影響を受けやすいが、図17と図18に示したように、光学系取付基板13上に光学部品を取り付けて、この光学系取付基板13を簡単なカバーで覆うだけの構造では、これらの周囲環境の影響から光学系を十分に保護することはできない。そのため、特に、センサファイバ以外の光学部品の光学特性が周囲環境の影響によって変化し、これらの光学部品を通過する光の誤差の原因となる可能性がある。
 また、光応用電流測定装置において、センサファイバは、図17と図18に示したように、被測定電流の流れる導体の外周に配置された固定部材(図17、図18中では光学系取付基板13の取付部13a)に巻回されるが、センサファイバを固定部材に対して強固に固定した場合には、温度変化により固定部材からセンサファイバに大きな応力が加わり、誤差の原因となる。
(4) 「光ファイバ端面の異物付着による光量変化」について
 光ファイバのコア径は極めて小径であるため、その端面に異物が付着した場合には光量損失を生じる。特に、センサファイバを構成するシングルモード光ファイバのコア径は、前述したように、2〜10μm程度と極めて小径であるため、その端面に極めて微小の異物が付着した場合でも、大きな光量損失を生じてしまい、誤差の原因となる。
(5) 「受信ファイバの曲がりによる光損失」について
 受信ファイバは、入射した光を検出器まで100%導くことが望ましいが、曲り部分においては光の一部がファイバの外に逃げてしまい、光損失を生じてしまう。しかしながら、配設上の都合などから、受信ファイバを全く曲げずに配設し、その状態を維持することは通常困難であるため、このような受信ファイバの曲りによる光損失の発生は避けられない。
 なお、以上のような問題点(1) 〜(5) は、図16〜図18に示した光応用電流測定装置に限らず、光ファイバを含む光学系を使用して各種の物理量を測定する光応用測定装置一般に同様に存在している。
 本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その第1の目的は、高精度でしかも長期に亘って安定性を有する、実用性の高い光応用測定装置を提供することである。
 本発明の第2の目的は、温度・湿度や外部磁界などの周囲環境の影響を回避可能であり、高精度でしかも長期に亘って安定性を有する光学系を備えた光応用測定装置を提供することである。
 本発明の第3の目的は、従来の光応用測定装置の構造に起因する光量損失を改善し、測定精度を向上させた光応用測定装置を提供することである。
 本発明の第4の目的は、光ファイバに入射する光量の変化や光ファイバ端面への異物の付着を抑制可能であり、光量の安定性に優れた高精度の光学系を備えた光応用測定装置を提供することである。
 本発明の第5の目的は、受信ファイバの曲りによる光損失を低減可能であり、光量の安定性に優れた高精度の光学系を備えた光応用測定装置を提供することである。
 本発明の第6の目的は、センサファイバに対する応力などの外部影響を低減可能であり、高精度でかつ小型・簡略なセンサファイバを備えた光応用測定装置を提供することであり、特に、電力系統に適した光応用電流測定装置を提供することである。
 上記目的を達成するため、請求項1、2記載の各発明は、光を導く光ファイバと、この光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系と、この光学系の一部に設けられたセンサ部とを備え、前記センサ部を通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、次のような特徴を有する。
 すなわち、請求項1記載の発明は、前記集光手段の、前記光ファイバの端面における入射光のスポットサイズがこの光ファイバのコア径の21/2以上となるように構成されていることを特徴としている。請求項2記載の発明は、前記集光手段の、前記光ファイバの端面における入射光のスポットサイズがこの光ファイバのコア径の2-1/2以下となるように構成されていることを特徴としている。
 以上のような構成を有する請求項1,2記載の各発明によれば、光ファイバに入射する光のファイバ端面におけるスポットサイズを光ファイバのコア径よりも大きくするか、あるいは逆に小さくすることによって、アライメントの変化に対するファイバ入射光量の変化を低減することができる。
 請求項3記載の発明は、前記集光手段が、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)から構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項3記載の発明によれば、光ファイバに入射する集光手段に屈折率分布型レンズを使用することにより、レンズの外周とレンズの光学的中心との同軸度を容易に得ることができ、レンズ端面とファイバ端面との間の距離を機械加工で容易に設定できるため、アライメント精度を向上することができる。
 請求項4記載の発明は、前記集光手段が、レンズから構成され、このレンズの焦点位置がレンズ端面に位置するように構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項4記載の発明によれば、光ファイバに入射する集光手段にレンズを使用し、このレンズの焦点位置がレンズ端面に位置するように設計することにより、光ファイバとレンズとを突き合わせ配置することができる。そして、このように突き合わせ配置することにより、光ファイバとレンズを同一振動条件下に設定することができるため、光量変化を抑制し、光量の安定性を向上することができる。
 請求項5記載の発明は、前記請求項3または4記載の発明において、前記光ファイバの端部にはこのファイバ端部を支持するファイバコネクタが設けられ、前記レンズが、前記ファイバコネクタの直径と等しい直径を有することを特徴としている。以上のような構成を有する請求項5記載の発明によれば、前記請求項3,4記載の発明の作用効果に加えて、さらに、ファイバコネクタの直径とレンズの直径を同一にすることにより、光ファイバとレンズの同軸度を向上でき、アライメント精度を一層向上することができる。
 請求項6記載の発明は、前記受信用光ファイバが、コア径が100μm以上のマルチモード光ファイバから構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項6記載の発明によれば、受信用光ファイバに、大径のマルチモード光ファイバを使用することにより、アライメントの変化に対するファイバ入射光量の変化を低減することができる。
 請求項7記載の発明は、前記受信用光ファイバが、NAが0.25以上のマルチモード光ファイバから構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項7記載の発明によれば、受信用光ファイバに、高NAのマルチモード光ファイバを使用することにより、ファイバの曲りによる光損失を低減することができ、検出器への到達光量の変化を低減することができる。
 請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記マルチモード光ファイバが、多成分ガラスから構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項8記載の発明によれば、請求項6または7記載の発明の作用効果に加えて、さらに、受信用光ファイバを、多成分ガラスのマルチモード光ファイバを使用することにより、一層の高NAと低損失を実現することができる。
 請求項9記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記マルチモード光ファイバのコアが石英から構成され、クラッドがプラスチックから構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項9記載の発明によれば、請求項6または7記載の発明の作用効果に加えて、さらに、受信用光ファイバのコアを石英、クラッドをプラスチックであることから、赤外域での高い透過率と、プラスチッククラッドによる高NAを実現することができる。
 また、上記目的を達成するため、請求項10記載の発明は、測定対象となる物理量を検出可能な位置に配置されたセンサ用光ファイバを備え、このセンサ用光ファイバを通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、次のような特徴を有する。
 すなわち、請求項10記載の発明においては、前記検出可能な位置に円環状取付部材が設けられ、前記センサ用光ファイバが、この円環状取付部材に沿って巻回される。そして、この円環状取付部材は、前記センサ用光ファイバを部分的に固定する固定部を有する。そして、この固定部は、センサ用光ファイバを収納する溝部とを有し、この溝部は、前記センサ用光ファイバの径よりも大きい寸法を有する。
 以上のような構成を有する請求項10記載の発明によれば、センサ用光ファイバを円環状取付部材に対して、緩やかにかつ部分的に固定することができるため、外部の影響を受けにくくすることができ、強固に固定した場合のように大きな応力を生じることがないため、そのような応力に起因する複屈折量の増加を抑制することができる。したがって、測定精度を向上することができる。
 請求項11記載の発明は、前記請求項10記載の発明において、前記円環状取付部材の前記固定部は、前記円環状取付部材の周方向における複数箇所に分散配置されていることを特徴としている。請求項12記載の発明は、前記請求項10または19記載の発明において、センサ用光ファイバの両端部のみが接着によって固定されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項11、12記載の各発明によれば、前記請求項10記載の発明の作用効果に加えて、さらに、構造を簡略化することができ、設計の自由度を向上できる。また、センサ用光ファイバをより緩やかに固定することができるため、応力に起因する複屈折量の増加を一層抑制することができる。
 請求項13記載の発明は、前記請求項10〜12記載の発明において、前記センサ用光ファイバが、複数のターン数で巻回され、前記円環状取付部材の前記固定部が、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形でこれらを固定するように構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項13記載の発明によれば、前記請求項10〜12記載の発明の作用効果に加えて、さらに、複数のターン数を有するセンサ用光ファイバを、各ターンのファイバを緩やかに配置しながら、しかも互いに干渉することなしに、良好に配置することができる。
 請求項14記載の発明は、前記請求項10〜13記載の発明において、前記センサ用光ファイバが、複数のセンサを構成する複数のセンサ用光ファイバであり、前記円環状取付部材の前記固定部が、前記複数のセンサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形でこれらを一括的に固定するように構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項14記載の発明によれば、前記請求項10〜13記載の発明の作用効果に加えて、さらに、複数のセンサを構成する複数のセンサ用光ファイバを、各ファイバを緩やかに配置しながら、しかも互いに干渉することなしに、良好に配置することができる。特に、単一の円環状取付部材に複数のセンサを一括的に構成することができるため、複数のセンサを別に配置した場合に比べて、センサ全体の構成を小型・簡略化することができる。
 請求項15記載の発明は、前記請求項13または14記載の発明において、前記円環状取付部材の前記固定部が、複数の前記溝部を有し、各溝部に前記センサ用光ファイバが収納されるように構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項15記載の発明によれば、固定部に設けた複数の溝部に、複数ターンのセンサ用光ファイバの各ターンのファイバ、あるいは、複数のセンサを構成する複数のセンサ用光ファイバを互いに分離して容易に配置することができる。したがって、このような複数ターンあるいは複数のセンサを構成するセンサ用光ファイバにおける、緩やかでかつ互いに干渉しないような良好な配置を容易に実現することができる。
 請求項16記載の発明は、前記請求項13〜15記載の発明において、前記円環状取付部材の前記固定部が、ファイバガイド部を有することを特徴としている。このファイバガイド部は、前記溝部内に収納されて、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形で各ファイバを個別にガイドするように構成される。以上のような構成を有する請求項16記載の発明によれば、固定部に設けたファイバガイド部により、複数ターンのセンサ用光ファイバの各ターンのファイバ、あるいは、複数のセンサを構成する複数のセンサ用光ファイバを互いに分離して容易に配置することができる。したがって、このような複数ターンあるいは複数のセンサを構成するセンサ用光ファイバにおける、緩やかでかつ互いに干渉しないような良好な配置を容易に実現することができる。
 請求項17記載の発明は、前記請求項16記載の発明において、前記円環状取付部材の前記ファイバガイド部が、前記円環状取付部材の周方向における複数箇所に分散配置されていることを特徴としている。請求項18記載の発明は、前記請求項16または17記載の発明において、前記円環状取付部材の前記ファイバガイド部は、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間にそれぞれ配置された複数の円筒状ガイドであることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項17、18記載の発明によれば、前記請求項16記載の発明の作用効果に加えて、さらに、構造を簡略化することができ、設計の自由度を向上できる。また、センサ用光ファイバをより緩やかに固定することができるため、応力に起因する複屈折量の増加を一層抑制することができる。
 請求項19記載の発明は、前記請求項13または14記載の発明において、前記円環状取付部材の前記固定部が、軸方向に積層配置される複数のディスク状収納部を有し、各ディスク状収納部が、軸方向の片側の端面に前記溝部をそれぞれ有することを特徴としている。
 以上のような構成を有する請求項19記載の発明によれば、前記請求項13または14記載の発明の作用効果に加えて、さらに、ディスク状収納部を規格化することができ、固定部の構造を簡略化することができる。特に、ディスク状収納部の積層数を増減することによって、容易に設計変更が可能であるため、実用性に優れている。
 請求項20記載の発明は、前記請求項10から請求項11に記載の光応用測定装置の中から選択された光応用測定装置の構成を有し、前記円環状取付部材が、前記導体を囲むように配置されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項20記載の発明によれば、前記請求項10〜19に記載の各発明と同様の作用効果を得ることができ、導体に流れる被測定電流を高精度で測定することができる。
 請求項21記載の発明は、前記請求項20記載の発明において、前記センサ用光ファイバは、その電流測定感度低下が10%以下となるように構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項21記載の発明によれば、前記請求項20記載の発明と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、センサ用光ファイバの電流測定感度低下を10%以下とすることにより、外部の影響を受けにくくすることができる。すなわち、測定電流0A限界における光ファイバの電流測定感度Sは、光ファイバの複屈折をδ(ラジアン)とした場合に、次の式(4)で表される。
 S=sinδ/δ…式(4)
この場合に、電流測定感度Sを90%以上とするためには、複屈折δを、δ<0.80ラジアン、すなわち、45度以下にする必要がある。通常、計測用に使用される光変流器に要求される精度は、定格電流値において±1%以下である。外部の影響を受けない条件での電流測定感度Sを91%(δ=0.74)とすると、要求される精度は、複屈折δが0.70〜0.80ラジアンの場合に満足される。前記式(4)の関数は、電流測定感度Sが小さくなるほどδの変動による影響が大きくなるため、電流測定感度Sの低下を10%以下とすることにより、センサ用光ファイバの高精度を実現することができる。
 また、より高い精度と安定性を実現するためには、許容精度幅が電流測定感度Sの幅となるようにし、電流測定感度Sを98%以上とすることが望ましい。この場合に要求されるδの範囲は、0〜0.35ラジアンである。
 なお、ここで説明した電流測定感度Sは、ベルデ定数Vで決定されるファラデー旋光角が、Sを乗じた場合に低下することを意味している。すなわち、ファラデー旋光角Φは、導体の周囲の光ファイバのターン数をn、導体に流れる電流値をIとした場合に、次の式(5)によって表される。
 Φ=S・m・nVI…式(5)
ここで、mは一方向の光路の場合に1であり、往復光路の場合に2である。
 請求項22記載の発明は、前記請求項20または21記載の発明において、前記導体が、絶縁ガスを封入したタンク内に配置され、前記センサ用光ファイバが、前記絶縁ガス領域の外側でかつ前記タンクの電流路の内側となる部分に配置されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項22記載の発明によれば、前記請求項20または21記載の発明の作用効果が得られることに加えて、さらに、センサ用光ファイバを、絶縁ガス領域の外側でかつタンクの電流路の内側に配置することにより、導体からの発熱の影響や被測定電流以外の電流による影響が少なくなるため、導体に流れる電流を正確に測定することができる。また、ガス領域の外側に配置することにより、センサ用光ファイバの取り扱いが容易となる。
 請求項23記載の発明は、前記請求項20〜22記載の各発明において、前記導体が、絶縁ガスを封入したタンク内に配置され、前記タンクが、複数のタンクを絶縁スペーサを介して接続して構成され、前記円環状固定部材が、前記絶縁スペーサであることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項23記載の発明によれば、前記請求項20〜22記載の発明の作用効果が得られることに加えて、さらに、タンク間を接続する絶縁スペーサをセンサ用光ファイバの取付部材として利用することにより、電力系統の小型・簡略化を図ることができる。
 請求項24記載の発明は、前記請求項20〜23記載の各発明において、前記センサ用光ファイバが、石英ファイバから構成されていることを特徴としている。以上のような構成を有する請求項24記載の発明によれば、前記請求項20〜23記載の発明の作用効果が得られることに加えて、さらに、センサ用光ファイバとして、石英ファイバを使用することにより、ファイバのターン数を1以上の整数倍とし、ファラデー旋光角Φを45度以内とすることによって、通信用ファイバで使用されている波長領域以下(1.55μm以下)で、電力系統での測定に必要な最大電流:2×21/2×63kA=178kAまでを測定することができる。すなわち、電力系統で要求される電流計測器の条件を満足することができる。
 以上説明したように、本発明によれば、光学系の製造方法とその構成を改良し、また、光ファイバとこの光ファイバに光を入射する集光手段や受信ファイバの構成を改良し、あるいは、センサファイバの固定構造を改良することにより、従来に比べて、高精度でしかも長期に亘って安定性を有する、実用性の高い光応用測定装置を提供することができる。
 以下には、本発明による光応用測定装置を、図16〜図18に示したような光応用電流測定装置として適用した場合の複数の実施の形態について、図1〜図15を参照して具体的に説明する。
[1.第1の実施の形態]
 図1は、本発明による光応用測定装置の第1の実施の形態を示す構成図である。なお、図17および図18に示した従来例においては、センサファイバ中を単一方向にのみ光が通過する方式の光学系の構成を示したが、本実施の形態においては、センサファイバ中を光が往復する方式の光学系に適用した場合の構成を示している。このような方式の差異は、設計上の選択にすぎず、本発明の本質に関わるものではないため、ここではその説明を省略する。
[1−1.構成]
 図1に示すように、送信ファイバ3から2つの受信ファイバ8に至るまでの光学系を構成する複数の光学部品は、光ファイバ部分を除いて、光学系収納箱21内に収納されており、レーザ溶接によって光学系収納箱21に固定されている。図中WLは、このようなレーザ溶接部を示している。以下には、各部の構成について順次説明する。
[1−1−1.光学系収納箱]
 光学系収納箱21は、ニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼から構成された3つのブロックをレーザ溶接によって互いに接合して構成されている。これらの3つのブロックは、それぞれに固定する光学部品に合わせてくり抜いて構成されている。
[1−1−2.センサファイバ周辺]
 光学系収納箱21のブロック積層方向における一方のブロックの端部には、センサファイバ5の一方の端部に取り付けられたファイバコネクタ15とそれに結合されるレンズ2を含むコリメータが、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されている。このセンサファイバ5のコリメータは、単一の取付部材16の代わりに、レンズホルダ22、調節スリーブ23、およびコネクタホルダ24を使用して組み立てられている。
 ここで、レンズホルダ22は、レンズ2を取り付ける固定部材であり、コネクタホルダ24は、ファイバコネクタ15を保持する固定部材であり、調節スリーブ23は、レンズ2とファイバコネクタ15との間のアライメントを行うために、レンズホルダ22とファイバホルダ24との間に設けられた固定部材である。すなわち、このコリメータの組み立て時には、調節スリーブ23とコネクタホルダ24との摺動によって光軸方向のアライメントが行われ、レンズ2とセンサファイバ5の光軸の一致については、レンズホルダ22と調節スリーブ23を光軸と直交方向に摺動させてアライメントが行われる。これらのアライメントは、別に容易した治具によって行われ、位置決めされた時点で、各部材間がレーザ溶接によって固定される。
 これらのレンズホルダ22、調節スリーブ23、およびコネクタホルダ24とファイバコネクタ15は、いずれも、前述した光学系収納箱21と同一の、ニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼から構成されている。そして、レンズホルダ22は、光学系収納箱21にレーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されており、また、レンズホルダ22、調節スリーブ23、コネクタホルダ24、およびファイバコネクタ15の各部材間も、それぞれレーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されている。なお、センサファイバ5の他方の端部には、センサファイバ5を伝播してきた往路光を反射させて復路光として反対方向に伝播させるための反射鏡18が取り付けられている。
[1−1−3.送信ファイバ側]
 センサファイバ5のコリメータの延長線上には、ビームスプリッタ19、偏光子4、レンズ2、および送信ファイバ3のコリメータが一列に配置されている。このうち、ビームスプリッタ19は、偏光子4からの直線偏光の一部を通過させてセンサファイバ5に入射すると共に、センサファイバ5からの出射光の一部を90度方向に反射するために配置されている。このビームスプリッタ19と偏光子4は、光学系収納箱21の中央のブロック内に組み込まれている。
 また、送信ファイバ3のファイバコネクタ15とそれに結合されるレンズ2を含むコリメータは、光学系収納箱21のセンサファイバ5と反対側のブロックの端部に、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されている。この送信ファイバ3のコリメータは、前記センサファイバ5のコリメータとは異なり、単一の取付部材(固定部材)16を使用して組み立てられている。
 さらに、このコリメータの取付部材16とファイバコネクタ15は、いずれも、前述した光学系収納箱21と同一の、ニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼から構成されている。そして、取付部材16は、光学系収納箱21にレーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されており、この取付部材16とファイバコネクタ15の間も、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されている。
[1−1−4.受信ファイバ側]
 ビームスプリッタ19の反射光の光路上には、検光子7および折り曲げ鏡14が一列に配置されており、さらに、検光子7の90度方向の出射光の光路上には、第1の受信ファイバ8のコリメータが配置され、また、折り曲げ鏡14の折り曲げ光の光路上には、第2の受信ファイバ8のコリメータが配置されている。このうち、検光子7と折り曲げ鏡14は、前述したビームスプリッタ19および偏光子4と同様に、光学系収納箱21の中央のブロック内に組み込まれている。
 また、2つの受信ファイバ8の各コリメータは、前述した送信ファイバ3のコリメータと平行に配置されている。この2つの受信ファイバ8の各コリメータは、前述した送信ファイバ3のコリメータと同様にファイバコネクタ15とレンズ2、および取付部材(固定部材)16からそれぞれ組み立てられており、同様に、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって光学系収納箱21にそれぞれ固定されている。
 さらに、この2つの受信ファイバ8の各コリメータの取付部材16とファイバコネクタ15は、いずれも、前述した光学系収納箱21と同一の、ニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼から構成されている。そして、取付部材16は、光学系収納箱21にレーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されており、この取付部材16とファイバコネクタ15の間喪、レーザ溶接(レーザ溶接部WL)によって固定されている。
[1−2.作用]
 以上のような構成を有する第1の実施の形態の光学系の動作は、次の通りである。すなわち、まず、図示していない光源を出射した光は、送信ファイバ3によって導かれ、その出射端部のコリメータにより平行ビームとなって偏光子4に達する。この場合、偏光子4は、前述したように、その偏光方位が水平あるいは垂直方向に対して45度をなすように配置されているため、この偏光子4によって、光は方位45度の直線偏光に変換される。この光は、ビームスプリッタ19に入射し、その一部がこのビームスプリッタ19を通過した後、センサファイバ5の端部のコリメータにより集光ビームとなってセンサファイバ5の一端に入射する。
 センサファイバ5の一端に入射した光は、このセンサファイバ5を伝播して他端の反射鏡18で反射し、再びコリメータに戻る。このようにセンサファイバ5を往復する間に、この光は、導体6に流れる被測定電流の作る磁界によってファラデー旋光を受けてその方位が変化した後、センサファイバ5の端部のコリメータにより平行ビームとなってビームスプリッタ19に戻る。ビームスプリッタ19に戻った光の一部は反射して検光子7に入射する。この検光子7によって、光は、水平方向に偏光する直線偏光(x成分)と垂直方向に偏光する直線偏光(y成分)とに分解される。このように分解された2つの光のうち、一方の光はそのままの状態で、また他方の光は折り曲げ鏡14を介して、2つの受信ファイバ8の入射端部のコリメータにそれぞれ入射し、各コリメータで集光ビームとなって各受信ファイバ8にそれぞれ入射する。このように受信ファイバ8に入射した光は、従来の技術の項で図16の光応用電流測定装置に関して説明したのと同様に、検出器などを含む信号処理手段によって、同様の手順で処理される。
[1−3.効果]
 以上のように、本実施の形態においては、ファイバコネクタ15、取付部材16、レンズホルダ22、調節スリーブ23、およびコネクタホルダ24などの固定部材と光学系収納箱21を、リンを含まないニッケル合金鋼で構成している。このように、リンを含まない合金で固定部材と光学系収納箱を作製し、レーザ溶接で組み立てているため、異種材料の介在やひび割れなどを発生することなしに信頼性の高い固定部を形成することができ、光学部品を強固に安定した状態で固定することが可能となる。その結果、従来問題となっていたような、各光学部品の位置ずれや脱落などを発生する可能性がなくなり、高精度の光学系を長期間に亘って安定した状態で維持することが可能となる。
 また、レーザ溶接は、非接触加工であるため、光学部品に力を加えずに組み立てることができ、光学部品の光学特性に影響を与える可能性はない。さらに、レーザ溶接は、入熱量の小さい溶接方法であるため、光学系全体に与える熱歪みを、実用上無視できる程度まで小さくすることができる。
 特に、送信ファイバ3、センサファイバ5、受信ファイバ8などの光ファイバ以外の光学部品を収納した光学系収納箱21を磁性金属であるニッケル合金鋼で構成しているため、その内部に収納された光学部品を外部磁界から遮蔽することができ、センサファイバ以外の光学部品における不都合なファラデー旋光の発生を防止することができる。その結果、外部磁界による誤差やノイズの影響を低減することができる。また、このように、光ファイバを除く光学部品を光学系収納箱21に収納しているため、光学系収納箱にセンサファイバ5を取り付けた図17および図18の従来例に比べて、光学系収納箱21を小型・簡略化することができる。
 さらに、本実施の形態において使用しているニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼の熱膨脹率は、他の金属に比べて10分の1程度と極めて低い。したがって、このような熱膨脹率の低いニッケル合金鋼を、固定部材と光学系収納箱の材料とすることにより、光学系全体の温度安定性を確保することができる。
[1−4.変形例]
 なお、前記第1の実施の形態においては、固定部材と光学系収納箱の材質をニッケル含有率が30〜40%のニッケル合金鋼としたが、他の含有率を有するニッケル合金鋼を使用することも可能である。また、ニッケル合金鋼に限らず、別の各種の磁性金属やリンを含まない金属を同様に使用可能であり、その場合にも、材質によって多少の差はあるものの、優れた作用効果を得ることができる。
 さらに、リンを含まない金属は、少なくとも固定部材と光学系収納箱の固定部分に使用すれば、一定の作用効果を得ることができる。そしてまた、光学系収納箱を、磁性金属から構成しないことも可能である。この場合には、光学系収納箱に比べて、外部磁界からの遮蔽効果は劣るものの、レーザ溶接で固定することにより、前述したような十分な作用効果を得ることができる。
 一方、前記第1の実施の形態においては、光学系収納箱を、3つのブロックを溶接して構成したが、光学系収納箱の具体的な構成は自由に変更可能であり、例えば、2つのブロックを溶接して構成したり、あるいは逆に、4つ以上のブロックを溶接して構成することも可能である。また、単体のブロックをくり抜いて構成することも可能である。そしてまた、光学系収納箱を、板状部材から構成したり、あるいは、板状部材とブロックを組み合わせて構成することなども考えられる。
[2.第2の実施の形態]
 図2は、本発明による光応用測定装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
[2−1.構成]
 図2に示すように、送信ファイバ3の出射端部とセンサファイバ5の入射端部との結合部分には、第1のレンズ2a、偏光子4、第2のレンズ2bが一列に配置されている。この場合、送信ファイバ3の出射光を、第1のレンズ2aによって平行ビームにして偏光子4に入射し、偏光子4で直線偏光にした光を、第2のレンズ2bによって集光してセンサファイバ5に入射するように構成されている。また、送信ファイバ3とセンサファイバ5は、コア径の等しいシングルモード光ファイバによって構成されている。
 そして、本実施の形態においては特に、第1と第2のレンズ2a,2bが、次のように選択されている。すなわち、第1と第2のレンズ2a,2bは、第1のレンズ2aの焦点距離faと第2のレンズ2bの焦点距離fbが、fb≧21/2faの関係を有するように選択されている。そして、これらのレンズ2a,2bの各焦点位置に、送信ファイバ3の出射端面とセンサファイバ5の入射端面がそれぞれ配置されている。このようなレンズ2a,2bの焦点距離fa,fbの関係とファイバ3,5の配置によって、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズは、送信ファイバ3のコア径のfb/fa倍、すなわち、21/2倍以上に設定される。この場合、前述したように、送信ファイバ3とセンサファイバ5のコア径は等しいため、結局、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズは、センサファイバ5のコア径の21/2倍以上に設定されることになる。
[2−2.作用効果]
 以上のような構成を有する第2の実施の形態においては、次のような作用効果が得られる。すなわち、送信ファイバ3からセンサファイバ5への結合効率は、送信ファイバ3とセンサファイバ5がコア径の等しいシングルモード光ファイバである場合には、fa=fbの時に最大となるが、振動や温度変化によるアライメントずれに対しては、結合効率が急激に低下する。これに対して、本実施の形態においては、センサファイバ5のコア径に対し、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズを21/2倍以上と大きく設定しているため、このようなコア径とスポットサイズとの差が、アライメントずれに対する余裕となり、アライメントずれに対する光量変化を低減し、光量の安定性を向上させることができる。特に、本実施の形態においては、コア径に対してスポットサイズを大きく設定しているため、アライメントずれに対する余裕度を大きくとることができる。
 したがって、本実施の形態によれば、センサファイバ5のコア径に対して入射ビームのスポットサイズを大きくしたことにより、センサファイバ5に入射する光量の安定性を向上し、光学系の精度を向上することができ、それによって、光応用測定装置の測定精度を向上することができる。
[2−3.変形例]
 なお、以上のように、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズをセンサファイバ5のコア径より大きくするための具体的な方法は、前記第2の実施の形態のように、焦点距離の異なるレンズを使用することに限定されない。すなわち、第2の実施の形態の変形例としては、焦点距離の同じレンズを使用して、第2のレンズ2bの焦点位置から若干ずらした位置にセンサファイバ5の入射端面を配置することも可能である。このように構成した場合でも、第2の実施の形態と同様に、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズを大きくすることができ、同様の作用効果を得ることができる。
 また、前記第2の実施の形態における発明では、受信ファイバの入射端部のコリメータに適用することも同様に可能である。その場合にも、前記第2の実施の形態と同様に、アライメントずれに対する光量変化を低減することができる。
[3.第3の実施の形態]
 図3は、本発明による光応用測定装置の第3の実施の形態を示す構成図である。
[3−1.構成]
 図3に示すように、本実施の形態における基本的な構成は、前記第2の実施の形態と同様である。すなわち、送信ファイバ3の出射端部とセンサファイバ5の入射端部との結合部分には、第1のレンズ2a、偏光子4、第2のレンズ2bが一列に配置され、送信ファイバ3の出射光を、第1のレンズ2aによって平行ビームにして偏光子4に入射し、偏光子4で直線偏光にした光を、第2のレンズ2bによって集光してセンサファイバ5に入射するように構成されている。また、送信ファイバ3とセンサファイバ5は、コア径の等しいシングルモード光ファイバによって構成されている。
 そして、本実施の形態においては特に、第1と第2のレンズ2a,2bが、次のように選択されている。すなわち、第1と第2のレンズ2a,2bは、前記第2の実施の形態とは逆に、第1のレンズ2aの焦点距離faと第2のレンズ2bの焦点距離fbが、fa≧21/2fbの関係を有するように選択されている。そして、これらのレンズ2a,2bの各焦点位置に、送信ファイバ3の出射端面とセンサファイバ5の入射端面がそれぞれ配置されている。このようなレンズ2a,2bの焦点距離fa,fbの関係とファイバ3,5の配置によって、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズは、送信ファイバ3のコア径のfb/fa倍、すなわち、2-1/2倍以下に設定される。この場合、前述したように、送信ファイバ3とセンサファイバ5のコア径は等しいため、結局、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズは、センサファイバ5のコア径の2-1/2倍以下に設定されることになる。
[3−2.作用効果]
 以上のような構成を有する第3の実施の形態においては、センサファイバ5のコア径に対し、センサファイバ5の入射端面でのビームのスポットサイズを2-1/2倍以下と小さく設定しているため、このようなコア径とスポットサイズとの差が、アライメントずれに対する余裕となる。この場合、センサファイバ5のNAより大きなNAで光が入射することとなり、損失を生じるが、アライメントずれがコア径の範囲内であれば、この範囲では光量変化を生じない。
 このように、本実施の形態においては、コア径に対してスポットサイズを小さく設定しているため、アライメントずれに対する余裕度を、第2の実施の形態と同程度に大きくとることはできないが、その一方で、アライメントずれに対する光量変化を生じないという利点がある。すなわち、アライメントずれを生じても、ビームの全てをセンサファイバ5のコアに入射することができるため、光量変化を生じることはない。そのため、本実施の形態は、特に、光量変化を嫌う装置への適用に有効である。
 したがって、本実施の形態によれば、センサファイバ5のコア径に対して入射ビームのスポットサイズを小さくしたことにより、センサファイバ5に入射する光量の安定性を高く確保し、光学系の精度を向上することができ、それによって、光応用測定装置の測定精度を向上することができる。
[3−3.変形例]
 なお、前記第3の実施の形態における発明では、受信ファイバの入射端部のコリメータに適用することも同様に可能である。その場合にも、前記第3の実施の形態と同様に、アライメントずれに対する光量変化を防止することができる。
[4.第4の実施の形態]
 図4は、本発明による光応用測定装置の第4の実施の形態を示す構成図である。
[4−1.構成]
 図4に示すように、第4の実施の形態においては、送信ファイバ3の出射光を平行ビームにして偏光子4に入射するためのレンズとして、前記第2、第3の実施の形態のレンズ2aと同様のレンズ2が配置されている。また、偏光子4で直線偏光にした光を集光してセンサファイバ5に入射するレンズとしては、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)31が配置されている。
 このGRINレンズ31は、その焦点位置がレンズ端面に位置するように設計されると共に、その直径は、センサファイバ5の入射端部に設けられたファイバコネクタ15の直径と等しくされている。さらに、このGRINレンズ31とセンサファイバ5は、GRINレンズ31のレンズ端面とセンサファイバ5のファイバ端面とが面接触するように突き合わせ配置されている。この場合、GRINレンズ31のレンズ端面は、ファイバコネクタ15の端面に対しても面接触している。そして、このような状態で、GRINレンズ31とファイバコネクタ15とは、単一の取付部材16に取り付けられている。
[4−2.作用効果]
 以上のような構成を有する第4の実施の形態においては、センサファイバ5への入射光を集光するためのレンズとして、GRINレンズ31を使用していることから、レンズ外周とレンズ光軸との間に高い同軸度を得ることができる。そのため、このGRINレンズ31とセンサファイバ5との光軸を光軸調整機構なしで正確に合わせることができ、光量の安定性を向上することができる。特に、本実施の形態においては、センサファイバ5の端部を支持するファイバコネクタ15とGRINレンズ31の直径を等しくしているため、これらを取付部材16に取り付けることにより、容易に光軸合わせを行うことができる。
 また、GRINレンズ31においては、焦点位置がレンズ端面に位置するように正確に設計することができるため、前述したように、このGRINレンズ31のレンズ端面とセンサファイバ5のファイバ端面とが面接触するように突き合わせ配置することができる。このような焦点位置での突き合わせ配置によって、GRINレンズ31とセンサファイバ5とを同一振動条件下に設定することができるため、振動による結合効率の低下を抑制することができ、光量の安定性を向上することができる。
 さらに、レンズや光ファイバなどの光学部品の端面には、反射率低減のために蒸着などの方法によって無反射膜を形成する必要があるが、本実施の形態においては、GRINレンズ31のレンズ端面とセンサファイバ5のファイバ端面を突き合わせているため、このような無反射膜が不要となる利点もある。また、センサファイバ5のファイバ端面は、最もビーム径が小さくなり、埃や汚れ、結露などの異物付着による光量変化が発生しやすい部分であるが、本実施の形態においては、GRINレンズ31のレンズ端面とセンサファイバ5のファイバ端面を突き合わせているため、ファイバ端面におけるこのような異物の侵入・付着を防止することができ、この点からも光量の安定性を向上できる。
 したがって、本実施の形態によれば、センサファイバ5に光を入射するレンズとしてGRINレンズ31を使用し、そのレンズ端面をファイバ端面と突き合わせたことにより、センサファイバ5に入射する光量の安定性を向上し、光学系の精度を向上することができ、それによって、光応用測定装置の測定精度を向上することができる。
[4−3.変形例]
 なお、前記第4の実施の形態においては、センサファイバ5に光を入射するためのレンズとしてGRINレンズを使用したが、このようにGRINレンズを使用する代わりに、球面レンズを使用することも可能である。図5は、このように球面レンズ32を使用して、その焦点位置がレンズ端面に位置するように設計した例を示している。このように構成した場合にも、前記第4の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
 また、前記第4の実施の形態における発明では、受信ファイバの入射端部のコリメータに適用することも同様に可能である。その場合にも、前記第4の実施の形態と同様に光量の安定性を向上することができる。
[5.第5の実施の形態]
 図6は、本発明による光応用測定装置の第5の実施の形態を示す構成図である。
[5−1.構成]
 図6に示すように、センサファイバ5の出射端部と2つの受信ファイバの各入射端部との結合部分は、センサファイバ5の出射光を、レンズ2によって平行ビームにしてウォラストンプリズムからなる検光子7に入射し、この検光子7によってx,yの2成分に分解された光を2つのレンズ2によってそれぞれ集光して2つの受信ファイバ8にそれぞれ入射するように構成されている。そして、本実施の形態においては特に、受信ファイバ8として、コア径が100μm以上でかつNAが0.25以上のステップインデックス型のマルチモード光ファイバが使用されている。
[5−2.作用効果]
 以上のような構成を有する第5の実施の形態においては、次のような作用効果を得ることができる。
 すなわち、受信ファイバ8への結合部における損失が振動などで変化すると、誤差の原因となるため、通常、このような受信ファイバ8としては、マルチモード光ファイバが使用されている。しかしながら、通常使用されている屈折率分布型(GI型)ファイバは、そのコア径が50μmしかなく、また、コアの中心部に光を集光させた場合とコアの周辺部に光を集光させた場合とでは結合効率が異なるため、振動により光量損失が発生する。また、このような、屈折率分布型(GI型)ファイバのNAは、0.2程度と低いため、レンズからの光とファイバとの間の角度にずれがある場合には、損失が増加し、誤差の原因となる。
 これに対して、本実施の形態においては、コア径が100μm以上の大径のマルチモード光ファイバを使用しているため、アライメントずれに起因する結合効率の変化を抑制することができる。また、NAが0.25以上の光ファイバを使用しているため、光ファイバの曲りによる光損失を低減することができる。
 したがって、本実施の形態によれば、受信ファイバ8として、コア径とNAが高いマルチモード光ファイバを使用したことにより、受信ファイバ8に入射する光量の安定性を向上し、光損失を低減して、光学系の精度を向上することができ、それによって、光応用測定装置の測定精度を向上することができる。
[5−3.変形例]
 また、受信ファイバ8に使用する光ファイバとしては、多成分ガラスからなるマルチモード光ファイバを使用することが考えられる。このように構成した場合には、一層の高NAと低損失を実現することができる。さらに、コアが石英、クラッドがプラスチックからなるマルチモード光ファイバを使用することも考えられる。このように構成した場合には、赤外域での高い透過率と高NAを実現することができる。
[6.第6の実施の形態]
 図7は、本発明による光応用測定装置の第6の実施の形態を示す構成図である。本実施の形態においては、前記第1の実施の形態と同様に、センサファイバ中を光が往復する方式の光学系に適用した場合の構成を示している。
[6−1.構成]
[6−1−1.センサファイバ]
 図7に示すように、本実施の形態の光応用電流測定装置は、センサとして、センサファイバ(センサ用光ファイバ)5を使用している。このセンサファイバ5は、被測定電流が流れる導体6の周囲に配置された円環状取付部材51に沿って巻回されており、この円環状取付部材51によって部分的に固定されている。より詳細には、円環状取付部材51は、その外周面に沿って、センサファイバ5の径より大きい寸法の溝部とその開口面を閉塞する押さえ部とを含む固定部(図示していない)を有している。そして、センサファイバ5は、このような固定部の溝部内に余裕を持って収納されており、これによって、円環状取付部材51に緩やかに固定されている。なお、このセンサファイバ5としては、石英ファイバが使用され、外部の影響を受けにくくするために捻りが加えられている。また、このセンサファイバ5の電流測定感度低下は10%以下となるように構成されている。
[6−1−2.光応用電流測定装置全体]
 以上のようなセンサファイバ5を有する本実施の形態の光応用測定装置は、図7に示すように、大別して、センサ光学部41、信号処理部42、および伝送ファイバ部43から構成されている。このうち、信号処理部42は、測定光を発生する光源1、センサ光学部41からの2つの光を検出し、その強度に応じた電気信号に変換する検出器44a,44b、この検出器44a,44bで得られた信号を演算処理する信号処理回路45、および処理結果を出力する出力端子46を備えている。このような構成を有する信号処理部42は、センサ光学部41から十分に(少なくとも10m以上)離れた位置に配置されている。一方、伝送ファイバ部43は、信号処理部42内の光源1からセンサ光学部41に光を送る送信ファイバ3と、センサ光学部41から信号処理部42内の2つの検出器44a,44bに光を送る2つの受信ファイバ8a,8bを備えている。ここで、光源1は、レーザダイオードあるいはスーパールミネセントダイオードなどから構成されている。
 また、センサ光学部41は、前述したセンサファイバ5と結合光学系47を備えている。このうち、結合光学系47は、結合光学箱21と、この結合光学箱21内に収納された、複数の光学部品、すなわち、4つのレンズ2a〜2d、偏光子4、2つのビームスプリッタ19a,19b、および2つの検光子7a,7bを備えている。
 ここで、レンズ2a〜2dは、光ファイバからの光を平行ビームに変換するかあるいは平行ビームを集光して光ファイバに入射するために使用される。偏光子4は、レンズ2aからの光を水平方向に関して45度方向の直線偏光に変換するために使用される。第1のビームスプリッタ19aは、偏光子4からセンサファイバ5に入射する光およびセンサファイバ5から出射する光をその入射方向に応じて透過光と反射光とに分割するために使用され、第2のビームスプリッタ19bは、第1のビームスプリッタ19aからの反射光を透過光と反射光とに分割するために使用される。2つの検光子7a,7bは、第2のビームスプリッタ19bからの水平方向及び垂直方向の直線偏光の光をそれぞれ透過させることにより、直交するx,yの各偏光成分の光を抽出するために使用される。
 すなわち、この結合光学系47は、送信ファイバ3からの光を、第1のレンズ2a、偏光子4、第1のビームスプリッタ19a、および第2のレンズ2bを介してセンサファイバ5の始端部に導くようになっている。また、このセンサファイバ5からの出射光は、第2のレンズ2bを透過した後、第1のビームスプリッタ24aで反射して、第2のビームスプリッタ19bに送られ、2方向の光に分割されるようになっている。そして、この一方の分割光は、第1の検光子7aおよび第3のレンズ2cを介して一方の受信ファイバ8aに送られるようになっている。また、他方の分割光は、第2の検光子7bおよび第4のレンズ2dを介して他方の受信ファイバ8bに送られるようになっている。なお、センサファイバ5の始端部と反対側の終端部には、反射鏡18が設けられている。この反射鏡18によって、センサファイバ5内を伝播してきた光を反射して再びセンサファイバ5内に戻し、反対方向に伝播させるようになっている。
[6−2.作用]
 以上のような構成を有する第6の実施の形態において、導体6を流れる被測定電流の測定は、次のようにして行われる。すなわち、まず、信号処理部42の光源1から発した光が、送信ファイバ3を通って、センサ光学部41の結合光学系47に送られる。この送信ファイバ3からの光は、第1のレンズ2aによって平行ビームに変換され、偏光子4によって直線偏光に変換された後、第1のビームスプリッタ19aを透過して第2のレンズ2bによって集光され、センサファイバ5の始端部に入射する。
 センサファイバ5に入射した光は、このセンサファイバ5内を伝播して終端部の反射鏡18で反射された後、再びセンサファイバ5内に戻され、反対方向に伝播してその始端部から結合光学系47側に出射する。この場合、センサファイバ5内を往復方向に通過する光は、導体6を流れる被測定電流によって誘起されるファラデー効果により、その偏光面が回転する。
 そして、センサファイバ5からの出射光は、結合光学系47の第2のレンズ2bで平行ビームに変換された後、第1のビームスプリッタ19aで反射され、第2のビームスプリッタ19bで2方向の光に分割される。このうち、一方の分割光は、第1の検光子7aに送られ、この第1の検光子7aによってx方向の偏光成分が抽出された後、第3のレンズ2cおよび受信ファイバ8aを介して信号処理部42の一方の検出器44aに送られる。また、他方の分割光は、第2の検光子7bに送られ、この第2の検光子7bによってy方向の偏光成分が抽出された後、第4のレンズ2dおよび受信ファイバ8bを介して信号処理部42の他方の検出器44bに送られる。
 さらに、このようにして、各検出器44a,44bに送られたx方向とy方向の偏光成分を表す各光信号は、各検出器44a,44bで、電気信号に変換され、増幅される。そして、これらの電気信号は、信号処理回路45に送られて、演算処理され、得られた処理結果、すなわち、測定結果は、出力端子46によって出力される。なお、この場合の具体的な信号処理については、従来の技術の項で説明したのと同様に処理可能であるため、ここでは説明を省略する。
[6−3.効果]
 以上のように、本実施の形態においては、センサとしてセンサファイバ5を使用し、このセンサファイバを、円環状取付部材51に緩やかに固定しているため、従来のように強固に固定した場合に比べて、大きな応力を生じることがない。したがって、そのような応力に起因する複屈折量の増加を抑制することができ、測定精度を向上することができる。また、センサファイバ5は、導体6周囲の空きスペースを利用して設置できるため、装置全体を小型・簡略化することができ、低コスト化の面でも有利である。
 一方、本実施の形態においては、センサファイバ5の固有の複屈折と固定方法に基づく複屈折の和によって決定される電流測定感度低下が10%以下となるように構成しているため、外部の影響を受けにくくすることができ、測定精度を向上することができる。特に、電流測定感度を98%以上、すなわち、電流測定感度低下を2%以内にした場合には、より高い精度と安定性を実現することができる。この場合には、所定精度を実現するために必要な外部の影響に伴う複屈折の許容範囲が広くなる。
 さらに、電力系統で要求される電流計測器として適当なベルデ定数値を有する石英ファイバを使用しているため、電力系統での測定に必要な最大電流を測定することができる。この場合、石英ファイバは、光弾性定数が大きいため、外部の影響を比較的受けやすいが、本実施の形態のように、円環状取付部材51に緩やかに固定することにより、外部の影響から十分に保護することができる。
[7.第7の実施の形態]
 図8は、本発明による光応用測定装置の第7の実施の形態を示す断面図である。なお、この第7の実施の形態は、センサファイバの固定構造に特徴を有するものであり、センサファイバ自身については、前記第6の実施の形態のセンサファイバと同様に構成されている。
[7−1.構成]
 図8に示すように、本実施の形態のセンサファイバ5は、被測定電流が流れる導体6の周囲に配置された円環状取付部材51に沿って巻回されており、円環状取付部材51の外周面に固定されたセンサ固定具(固定部)52によって固定されている。このセンサ固定具52は、センサファイバ5の径より大きい寸法の溝部とこの溝部の開口面を閉塞する押さえ部を備えており、この溝部内に、センサファイバ5が余裕を持って収納され、緩やかに固定されている。
 また、導体6は、電力系統のガス絶縁機器であり、絶縁ガスを封入したタンク53内に収納されている。そして、センサファイバ5を取り付けた円環状取付部材51は、このタンク53の対向する端部に設けられた2つのタンクフランジ54a,54bの間に配置されている。この場合、円環状取付部材53のタンクフランジ54a,54bとの接続面には、オーリング55a,55bが設けられており、センサファイバ5は、このオーリング55a,55bと円環状取付部材51によって、導体6を含むガス領域56から隔離されている。
 さらに、円環状取付部材51は、絶縁材料によって絶縁物フランジとして構成されており、この円環状取付部材51のセンサ固定具52の外側には、タンクフランジ54a,54b間を電気的かつ機械的に接続するための金属フランジ57が配置されている。この金属フランジ57と、タンクフランジ54a,54bとは、ボルト58によって強固に接続固定されている。すなわち、金属フランジ57は、タンク53の電流路の一部を構成しており、この内側に配置されたセンサ固定具52内に収納されたセンサファイバ5は、タンク53の電流路の内側に配置されていることになる。なお、以上のような固定構造を除けば、本実施の形態のセンサファイバ5は、前述したとおり、前記第1の実施の形態のセンサファイバ5と全く同様に構成されている。
[7−2.作用効果]
 以上のような構成を有する本実施の形態によれば、前記第6の実施の形態のセンサファイバ5と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、次のような作用効果が得られる。
 すなわち、センサファイバ5がタンク53内のガス領域56から分離された空間内に配置されているため、導体6の通電に伴ってタンク53内のガスの温度が上昇した場合でも、この温度上昇がセンサファイバ5に影響を及ぼす可能性はほとんどない。しかも、このセンサファイバ5は、タンク53の電流路の内側に位置しているため、導体6に流れる被測定電流以外の電流による影響の可能性もほとんどない。さらに、このような電力系統のタンク53の密閉性は高いため、外部からの影響も問題とならない程度に少なくすることができ、水分などの異物の付着を確実に防止できるなど、センサファイバ5にとって、好適な気密環境を得ることができる。したがって、本実施の形態によれば、センサファイバ5に対する外部の影響を十分に低減でき、測定精度を向上することができる。
[7−3.変形例]
 なお、前記第7の実施の形態においては、円環状取付部材51を絶縁物フランジとして構成したが、円環状取付部材51を金属フランジとして構成することも可能である。この場合には、円環状取付部材51とタンク53との間に絶縁物を介在させて電流路の形成を回避する必要がある。
 また、図9に示すように、電力系統においてタンク53間接続やガス区分用として通常使用されている絶縁スペーサ59を、円環状取付部材として使用することも可能である。この図9においては、絶縁スペーサ59の外周面にセンサ固定具52が固定され、このセンサ固定具52によってセンサファイバ5が前記第7の実施の形態と同様に固定されている。この場合には、フランジを新たに増設することなしに、センサ固定具52やセンサファイバ5などを追加するだけで簡単にセンサを構成し、電流測定が容易に可能となるため、電力系統の小型・簡略化を図ることができ、また、低コスト化の面でも有利である。
[8.第8の実施の形態]
 図10は、本発明による光応用測定装置の第8の実施の形態を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図である。なお、この第8の実施の形態は、センサファイバの固定構造に特徴を有するものであり、センサファイバ自身については、前記第6の実施の形態のセンサファイバと同様に構成されている。
[8−1.構成]
 図10に示すように、本実施の形態のセンサファイバ5は、円環状取付部材51の外周面に固定されたセンサ固定具52によって固定されている。このセンサ固定具52は、センサファイバ5の径より大きい寸法の複数の互いに分離した溝部を有する溝付き固定部61と、この溝付き固定部61の溝部の開口面を閉塞する押さえ部62を備えている。また、円環状取付部材51の周方向の一部には、このようなセンサ固定具52のない領域63が設けられている。すなわち、本実施の形態においては、溝部をねじ状に切らず、複数の溝部を互いに分離して設けているため、センサファイバ5を複数のターン数で巻回する場合に隣接する溝部に移行することを可能にするために、このようなセンサ固定具52のない領域63が設けられているのである。なお、溝付き固定部61と押さえ部62は、シリコンゴム、絶縁物、アルミなどの金属材料で構成されている。
 そして、本実施の形態においては、このようなセンサ固定具52に対し、2つのセンサを構成する2つのセンサファイバ5a,5bが固定されている。すなわち、第1のセンサファイバ5aは、4ターンで巻回されており、各ターンのファイバが、溝付き固定部61の4つの溝部に順次収納されている。この第1のセンサファイバ5aは、その両端に取り付けられた結合光学系47aおよび反射鏡18aと共に、第1のセンサを構成している。また、第2のセンサファイバ5bは、1ターンのみで巻回されており、溝付き固定部61の1つの溝部に収納されている。この第2のセンサファイバ5bは、その両端に取り付けられた結合光学系47bおよび反射鏡18bと共に、第2のセンサを構成している。
 この場合、センサファイバ5a,5bは、その両端部の反射鏡18a,18bと結合光学系47a,47bで接着によって固定されていると共に、溝付き固定部61に対しても接着によって部分的に固定されている。このうち、センサファイバ5a,5bと溝付き固定部61との間の接着による固定は、ヤング率が低く柔らかなシリコンゴムを接着材として行われている。
[8−2.作用効果]
 以上のような構成を有する本実施の形態によれば、前記第6の実施の形態のセンサファイバ5と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、次のような作用効果が得られる。
 すなわち、複数の溝部を有する溝付き固定部61を使用して、2つのセンサファイバ5a,5bを、各ファイバをそれぞれ緩やかに配置しながら、しかも互いに干渉することなしに、良好かつ容易に配置することができる。特に、単一の円環状取付部材51に対して、2つのセンサを一括的に構成することができるため、複数のセンサを別に配設した場合に比べて、センサ全体の構成を小型・簡略化することができる。したがって、本実施の形態によれば、2つのセンサを構成する2つのセンサファイバ5a,5bを、互いに干渉することなく緩やかに配設でき、それぞれの測定精度を向上することができる。
[8−3.変形例]
 なお、前記第8の実施の形態のように、溝付き固定部61に対して接着によって固定した場合には、押さえ部62を省略することも可能であり、この場合には、構成をより簡略にすることができる。逆に、前記第8の実施の形態のように、押さえ部62を使用した場合には、この押さえ部62によって、センサファイバが溝付き固定部61から外れることを防止できる。
 そのため、このように押さえ部62を使用した場合には、さらに、接着による固定部分を、センサファイバの両端部の反射鏡および結合光学系部分のみとする構成も可能である。このようにセンサファイバの接着による固定部分を低減することにより、センサファイバを一層緩やかな状態で固定できる。そしてまた、押さえ部62を、円環状取付部材51の周方向に分散配置することも可能である。いずれの場合も、固定に伴う応力によって生じる複屈折の増加を抑制することができるため、測定精度をより向上することができる。
 一方、図11は、前記第8の実施の形態の一つの変形例として、円環状取付部材51に溝部を直接設けた構成を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図である。このように構成した場合には、前記第8の実施の形態と同様の作用効果が得られることに加え、さらに、センサ固定具52を別に設けた場合に比べて部材数を低減でき、構成を簡略化することができる。
 さらに、図12は、前記第8の実施の形態の一つの変形例を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図である。このように構成した場合には、センサ固定具52のない領域63を特に設ける必要はなく、センサ固定具52間の部分を利用してセンサファイバ5を隣接する溝部に容易に移行することができる。また、この変形例においても、前記第8の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
 そしてまた、単一の円環状取付部材51に3つ以上のセンサを構成する3つ以上のセンサファイバを取り付ける構成や、あるいは逆に、1つのセンサを構成する1つのセンサファイバのみを取り付ける構成なども可能であり、その場合にも同様に優れた作用効果を得ることができる。
[9.第9の実施の形態]
 図13は、本発明による光応用測定装置の第9の実施の形態を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図である。なお、この第9の実施の形態は、センサファイバの固定構造に特徴を有するものであり、センサファイバ自身については、前記第6の実施の形態のセンサファイバと同様に構成されている。
[9−1.構成]
 図13に示すように、本実施の形態において、円環状取付部材51には、その軸方向の端面に開口面を有する溝部64が、軸方向に沿って伸びるように形成されている。そして、この溝部64内に、2つのセンサを構成する2つのセンサファイバ5a,5bが固定されている。すなわち、第1のセンサファイバ5aは、4ターンで巻回され、第2のセンサファイバ5bは、1ターンのみで巻回されており、溝部64内に一括的に収納されている。また、各ターンのファイバ間は、この溝部64内に挿入された複数の円筒状ガイド65によって互いに分離されている。この複数の円筒状ガイド65は、ポリテトラフロロエチレンなどのフッ素系樹脂やシリコンゴムなどの絶縁物あるいはアルミニウムなどの金属から構成されており、円環状取付部材51の周方向に沿って分散配置されている。
 また、円環状取付部材51の一部には、2つのセンサファイバ5a,5bの両端部を引き出すために、ファイバ出入口66が設けられている。さらに、溝部64の開口面は、押さえ部52によって閉塞されている。なお、本実施の形態において、センサファイバ5a,5bは、その両端部の反射鏡18a,18bと結合光学系47a,47bにおいてのみ、接着によって固定されており、それ以外の部分については、接着されていない。
[9−2.作用効果]
 以上のような構成を有する本実施の形態によれば、前記第6の実施の形態のセンサファイバ5と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、次のような作用効果が得られる。
すなわち、円環状取付部材51に直接設けた溝部64とこの溝部64に部分的に挿入した複数の円筒状ガイド65を使用して、2つのセンサファイバ5a,5bを、各ファイバをそれぞれ緩やかに配置しながら、しかも互いに干渉することなしに、良好かつ容易に配置することができる。特に、前記第8の実施の形態と同様に、単一の円環状取付部材51に対して、2つのセンサを一括的に構成することができるため、複数のセンサを別に配設した場合に比べて、センサ全体の構成を小型・簡略化することができる。
 したがって、本実施の形態によれば、前記第8の実施の形態と同様に、2つのセンサを構成する2つのセンサファイバ5a,5bを、互いに干渉することなく緩やかに配設でき、それぞれの測定精度を向上することができる。また、接着による固定をセンサファイバ5a,5bの両端部のみで行っているため、センサファイバ5a,5bを一層緩やかな状態で固定でき、測定精度をより向上することができる。さらに、このように、円筒状ガイド65などのファイバガイドを使用する構成は、簡略であり、設計の自由度に優れている。
[9−3.変形例]
 なお、前記第9の実施の形態の変形例としては、例えば、円筒状ガイド65によってセンサファイバ5a,5bを接着によって固定することなども可能である。また、ファイバガイドの構成は自由に変更可能であり、例えば、単一のファイバガイドによって複数のファイバを一括的にガイドするような構成も可能である。
[10.第10の実施の形態]
 図14および図15は、本発明による光応用測定装置の第10の実施の形態を示す図であり、図14は断面図、図15は、センサファイバの配設方法を説明する斜視図である。なお、この第8の実施の形態は、センサファイバの固定構造に特徴を有するものであり、センサファイバ自身については、前記第6の実施の形態のセンサファイバと同様に構成されている。
[10−1.構成]
 図14に示すように、本実施の形態の円環状取付部材51の外周面には、複数のディスク状収納部67が、軸方向に積層配置されている。この場合、各ディスク状収納部67は、軸方向の片側の端面に、一つの溝部68をそれぞれ有しており、各溝部68に、複数のターン数で巻回されたセンサファイバ5の各ターンのファイバがそれぞれ収納されている。
 より詳細には、図15に示すように、各ディスク状収納部67の周方向の一部には、前記第8の実施の形態におけるセンサ固定具52のない領域63と同じ目的で、切欠き部69が設けられている。すなわち、この切欠き部69は、一つのディスク状収納部67の溝部68内に配設したセンサファイバ5を、隣接するディスク状収納部67の溝部68内に移行することを可能にするために設けられている。また、センサファイバ5は、前記第9の実施の形態と同様に、その両端部においてのみ、接着によって固定されており、それ以外の部分については、接着されていない。
[10−2.作用効果]
 以上のような構成を有する本実施の形態によれば、前記第6の実施の形態のセンサファイバ5と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、次のような作用効果が得られる。
 すなわち、複数のディスク状収納部67を使用して、図15に示すように、その各溝部68に、センサファイバ5の各ターンのファイバをそれぞれ収納しながら、ディスク状収納部67を順次積層することにより、センサファイバ5の各ターンのファイバをそれぞれ緩やかに配置しながら、しかも互いに干渉することなしに、良好かつ容易に配置することができる。
 したがって、本実施の形態によれば、前記第8、第9の実施の形態と同様に、センサファイバ5の各ターンのファイバを、互いに干渉することなく緩やかに配設でき、測定精度を向上することができる。また、第9の実施の形態と同様に、接着による固定をセンサファイバ5の両端部のみで行っているため、センサファイバ5を一層緩やかな状態で固定でき、測定精度をより向上することができる。さらに、このようなディスク状収納部67は、規格化することができ、固定構造の簡略化を図ることができる。特に、ディスク状収納部67の積層数を増減することによって、容易に設計変更が可能であるため、実用性に優れている。
[10−3.変形例]
 なお、前記第10の実施の形態の変形例としては、例えば、ディスク状収納部67間を接着によって固定することも可能である。また、前記第8、第9の実施の形態と同様に、複数のセンサを構成する複数のセンサファイバを一括的に取り付けることも可能である。
[11.他の実施の形態]
 なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、他にも多種多様の形態を実施することが可能である。例えば、前記第1、第6の実施の形態においては、センサファイバ中を光が往復する方式の光学系に適用した場合について説明したが、本発明は、センサファイバ中を単一方向にのみ光が通過する方式の光学系にも同様に適用可能であり、同様に優れた作用効果を得ることができる。また、本発明は、光応用電流測定装置に限らず、光ファイバを含む光学系を使用して各種の物理量を測定する各種の光応用測定装置に同様に適用可能であり、同様に優れた作用効果を得ることができる。
本発明による第1の実施の形態の光学系を示す構成図。 本発明による第2の実施の形態の送信ファイバとセンサファイバとの間の結合部分を示す構成図。 本発明による第3の実施の形態の送信ファイバとセンサファイバとの間の結合部分を示す構成図。 本発明による第4の実施の形態の送信ファイバとセンサファイバとの間の結合部分を示す構成図。 図4の結合部分の変形例を示す構成図。 本発明による第5の実施の形態のセンサファイバと2つの受信ファイバとの間の結合部分を示す構成図。 本発明による第6の実施の形態の光応用電流測定装置を示す構成図。 本発明による第7の実施の形態のセンサファイバの固定構造を示す断面図。 図8の固定構造の変形例を示す断面図。 本発明による第8の実施の形態のセンサファイバの固定構造を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図。 図10の固定構造の一つの変形例を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図。 図10の固定構造の別の変形例を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図。 本発明による第9の実施の形態のセンサファイバの固定構造を示す図であり、(A)は構成図、(B)は(A)のX−X線断面図、(C)は(A)のY−Y線断面図。 本発明による第10の実施の形態のセンサファイバの固定構造を示す断面図。 図14の固定構造におけるセンサファイバの配設方法を示す斜視図。 従来の光応用電流測定装置の一例を示す構成図。 図16の装置に使用される従来の光学系の具体的な構成の一例を示す平面図。 図17の断面図。
符号の説明
 1:光源
 2,2a〜2d:レンズ
 3:送信ファイバ
 4:偏光子
 5,5a,5b:センサファイバ
 6:導体
 7,7a,7b:検光子
 8:受信ファイバ
 9:検出器
 10:AGC増幅器
 11:除算器
 12:ROMテーブル
 13:光学系取付基板
 14:折り曲げ鏡
 15:ファイバコネクタ
 16:取付部材
 17:接着剤
 18,18a,18b:反射鏡
 19,19a,19b:ビームスプリッタ
 21:光学系収納箱
 22:レンズホルダ
 23:調節スリーブ
 24:コネクタホルダ
 31:屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)
 32:球面レンズ
 41:センサ光学部
 42:信号処理部
 43:伝送ファイバ部
 44a,44b:検出器
 45:信号処理回路
 46:出力端子
 47,47a,47b:結合光学系
 51:円環状取付部材
 52:センサ固定具
 53:タンク
 54a,54b:タンクフランジ
 55a,55b:オーリング
 56:ガス領域
 57:金属フランジ
 58:ボルト
 59:絶縁スペーサ
 61:溝付き固定部
 62:押さえ部
 63:センサ固定具のない領域
 64:溝部
 65:円筒状ガイド
 66:ファイバ出入口
 67:ディスク状収納部
 68:溝部
 69:切欠き部

Claims (24)

  1.  光を導く光ファイバと、この光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系と、この光学系の一部に設けられたセンサ部とを備え、前記センサ部を通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記集光手段は、前記光ファイバの端面における入射光のスポットサイズがこの光ファイバのコア径の21/2以上となるように構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  2.  光を導く光ファイバと、この光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系と、この光学系の一部に設けられたセンサ部とを備え、前記センサ部を通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記集光手段は、前記光ファイバの端面における入射光のスポットサイズがこの光ファイバのコア径の2-1/2以下となるように構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  3.  光を導く光ファイバと、この光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系と、この光学系の一部に設けられたセンサ部とを備え、前記センサ部を通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記集光手段は、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)から構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  4.  光を導く光ファイバと、この光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系と、この光学系の一部に設けられたセンサ部とを備え、前記センサ部を通過した光の偏光状態を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記集光手段は、レンズから構成され、このレンズは、その焦点位置がレンズ端面に位置するように構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  5.  前記光ファイバの端部にはこのファイバ端部を支持するファイバコネクタが設けられ、
     前記レンズは、前記ファイバコネクタの直径と等しい直径を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の光応用測定装置。
  6.  センサ用光学素子と、このセンサ用光学素子の出射光の偏光状態により透過光量が変化する検光子と、この検光子を透過した光を導く受信用光ファイバと、この受信用光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系を備え、前記受信用光ファイバによって導かれた光の光量を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記受信用光ファイバは、コア径が100μm以上のマルチモード光ファイバから構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  7.  センサ用光学素子と、このセンサ用光学素子の出射光の偏光状態により透過光量が変化する検光子と、この検光子を透過した光を導く受信用光ファイバと、この受信用光ファイバに光を入射するための集光手段とを含む複数の光学部品から構成された光学系を備え、前記受信用光ファイバによって導かれた光の光量を検出することによって測定対象となる物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記受信用光ファイバは、NAが0.25以上のマルチモード光ファイバから構成されていることを特徴とする光応用測定装置。
  8.  前記マルチモード光ファイバは、多成分ガラスから構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7記載の光応用測定装置。
  9.  前記マルチモード光ファイバは、コアが石英から構成され、クラッドがプラスチックから構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7記載の光応用測定装置。
  10.  測定対象となる物理量を検出可能な位置に配置されたセンサ用光ファイバを備え、このセンサ用光ファイバを通過した光の偏光状態を検出することによって前記物理量を求めるように構成された光応用測定装置において、
     前記検出可能な位置に円環状取付部材が設けられ、
     前記センサ用光ファイバは、前記円環状取付部材に沿って巻回され、
     前記円環状取付部材は、前記センサ用光ファイバを部分的に固定する固定部を有し、
     前記固定部は、センサ用光ファイバを収納する溝部を有し、
     この溝部は、前記センサ用光ファイバの径よりも大きい寸法を有することを特徴とする光応用測定装置。
  11.  前記円環状取付部材の前記固定部は、前記円環状取付部材の周方向における複数箇所に分散配置されていることを特徴とする請求項10記載の光応用測定装置。
  12.  前記センサ用光ファイバは、その両端部のみが接着によって固定されていることを特徴とする請求項10または請求項11記載の光応用測定装置。
  13.  前記センサ用光ファイバは、複数のターン数で巻回され、前記円環状取付部材の前記固定部は、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形でこれらを固定するように構成されていることを特徴とする請求項10から請求項12までのいずれか一つに記載の光応用測定装置。
  14.  前記センサ用光ファイバは、複数のセンサを構成する複数のセンサ用光ファイバであり、
     前記円環状取付部材の前記固定部は、前記複数のセンサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形でこれらを一括的に固定する構成されていることを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれか一つに記載の光応用測定装置。
  15.  前記円環状取付部材の前記固定部は、複数の前記溝部を有し、各溝部に前記センサ用光ファイバが収納されるように構成されていることを特徴とする請求項13または請求項14記載の光応用測定装置。
  16.  前記円環状取付部材の前記固定部は、前記溝部内に収納されて、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間を分離する形で各ファイバを個別にガイドするファイバガイド部を有することを特徴とする請求項13から請求項15までのいずれか一つに記載の光応用測定装置。
  17.  前記円環状取付部材の前記ファイバガイド部は、前記円環状取付部材の周方向における複数箇所に分散配置されていることを特徴とする請求項16記載の光応用測定装置。
  18.  前記円環状取付部材の前記ファイバガイド部は、前記センサ用光ファイバの隣接するファイバ間にそれぞれ配置された複数の円筒状ガイドであることを特徴とする請求項16または請求項17記載の光応用測定装置。
  19.  前記円環状取付部材の前記固定部は、軸方向に積層配置される複数のディスク状収納部を有し、
     各ディスク状収納部は、軸方向の片側の端面に前記溝部をそれぞれ有することを特徴とする請求項13または請求項14記載の光応用測定装置。
  20.  被測定電流が流れる導体の近傍に配置されたセンサ用光ファイバを備え、このセンサ用光ファイバ中を通過した光の偏光状態を検出することによって前記導体に流れる電流を求めるように構成された光応用電流測定装置において、
     前記請求項10から請求項19に記載の光応用測定装置の中から選択された光応用測定装置の構成を有し、
     前記円環状取付部材は、前記導体を囲むように配置されていることを特徴とする光応用電流測定装置。
  21.  前記センサ用光ファイバは、その電流測定感度低下が10%以下となるように構成されていることを特徴とする請求項20記載の光応用電流測定装置。
  22.  前記導体は、絶縁ガスを封入したタンク内に配置され、
     前記センサ用光ファイバは、前記絶縁ガス領域の外側でかつ前記タンクの電流路の内側となる部分に配置されていることを特徴とする請求項20または請求項21記載の光応用電流測定装置。
  23.  前記導体は、絶縁ガスを封入したタンク内に配置され、前記タンクは、複数のタンクを絶縁スペーサを介して接続して構成され、
     前記円環状固定部材は、前記絶縁スペーサであることを特徴とする請求項20から請求項22までのいずれか一つに記載の光応用電流測定装置。
  24.  前記センサ用光ファイバは、石英ファイバから構成されていることを特徴とする請求項20から請求項23までのいずれか一つに記載の光応用電流測定装置。
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