JP3308056B2 - 多孔性フィルム - Google Patents

多孔性フィルム

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JP3308056B2 JP21754693A JP21754693A JP3308056B2 JP 3308056 B2 JP3308056 B2 JP 3308056B2 JP 21754693 A JP21754693 A JP 21754693A JP 21754693 A JP21754693 A JP 21754693A JP 3308056 B2 JP3308056 B2 JP 3308056B2
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔性フィルムに関
し、更に詳細には、衛生材料、医療用材料、衣料用材料
等に有用な、しなやかな風合い、良好な透湿防漏性及び
強度を有する多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィン樹脂を、その製膜時に、40重量%以
上の多量の炭酸カルシウム等の無機物粒子を無機充填剤
として添加・混合した組成物をフィルム状に成形した
後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる
多孔性フィルムが、透湿性あるいは透気性フィルムとし
て広く用いられている。
【0003】上述の多孔性フィルムは、比較的安価に生
産できるものの、下記〜の問題点がある。 二軸延伸の場合には白化現象、すなわち充填剤と樹脂
マトリックスとの界面剥離現象を均一に行わせる延伸性
及び表面強度に問題が発生する。 充填剤とマトリックス樹脂との接着性が低いため、延
伸による開孔は容易となる反面、無機充填剤が脱落しや
すく、生産環境条件を損なうことがある。 通常、無機充填剤としては、炭酸カルシウムを用いる
のが一般的であるが、炭酸カルシウムの有する親水性の
ため、経時的に防水性が低下する。 前記無機充填剤が大量に含有されているため、該フィ
ルム同士または該フィルムと他の物品とを溶融して接合
する、いわゆるヒートシールや超音波エンボス等による
融着を阻害するおそれがある。 該フィルムに対し接着剤または粘着剤を用いた場合
に、フィルム表面の無機充填剤の脱落による接着力の低
下が発生することがある。特に、使い捨ておむつの透湿
防漏フィルムの如く、止着テープによる止着機能を止着
テープと共に分担する構成素材として使用される場合に
は、充填剤の脱落により使用中における止着テープの剥
離等の問題が生じ、使用分野が極めて制限される。
【0004】この様な問題を解決するために互いに相溶
性の小さい2種類の樹脂を溶融混練製膜した後、一軸ま
たは二軸に延伸して得られる、樹脂同士の相分離挙動を
用いた多孔性フィルムが種々提案されている。
【0005】例えば、特開昭58−198536号公報
には、熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Aに対して、相
溶性が小さく且つ溶融点が20℃以上高い熱可塑性樹脂
Bとの混合物を、該熱可塑性樹脂Bの溶融点以上の温度
で溶融混練し、次に熱可塑性樹脂Aの溶融点より高く熱
可塑性樹脂Bの溶融点より低い温度でシート化し、更に
熱可塑性樹脂Aの溶融点以下の温度で延伸して得られる
多孔性フィルムが記載されている。
【0006】また、特開昭62−218428号公報及
び特開昭62−297130号公報には、溶融混練し、
製膜した後の延伸性及び開孔性を分散相の粒子径により
制御するために、マトリックス樹脂の粘度改質剤とし
て、液状あるいはワックス状のポリブタジエン、液状ポ
リイソプレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体
等のエラストマーを添加した多孔性フィルムが記載され
ている。
【0007】更に、特開昭64−26655号公報に
は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリエーテ
ル型熱可塑性エラストマー、固有粘度が0.5以下の熱
可塑性ポリエステルを必須成分とし、分散粒子径を調整
するためにポリエステル・ポリエーテル型熱可塑性エラ
ストマーを添加した多孔性フィルムが、また、特開平4
−142341号公報には、上記の必須成分に、分散粒
子径を調整するためにポリエステル・ポリエーテル型熱
可塑性エラストマーを添加するとともに通気性改良剤と
してエチレン系共重合体を添加した多孔性フィルムが記
載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
多孔性フィルムは、何れも、延伸加工を施すことにより
通気性、透湿性は付与されてはいるものの、柔軟性、耐
水圧、臭気、熱接着性等要望されている物性の全てを満
足するには至っていない。
【0009】即ち、上述の特開昭58−198536号
公報記載の多孔性フィルムは、連続相となる熱可塑性樹
脂Aと熱可塑性樹脂Aに対して相溶性が小さい熱可塑性
樹脂Bとの2成分のみであることから、連続相樹脂の延
伸性と(連続相−分散層)界面における部分的な剥離の
コントロールが困難であるため延伸しても通気、透湿等
に必要十分な開孔が得られなかったり、また逆に、開孔
が大きくなりすぎ防漏性が低下するという問題がある。
【0010】また、特開昭62−218428号公報及
び特開昭62−297130号公報に記載の多孔性フィ
ルムは、粘度改質剤であるエラストマーを添加すること
により、分散相の粒径をある程度コントロールできるも
のの、フィルムの延伸加工、開孔性を制御するのに必ず
しも適正なものとはならないという問題がある。例え
ば、低倍率の延伸においては、均一延伸性を低下させ、
外観が悪くなり、更には、十分な開孔が得られず、ま
た、高倍率の延伸においては、分散粒子径に関わらず
(連続相−分散相)界面にできる剥離が急激に生じ、必
要以上の開孔が生成して、耐水圧の低下を招く原因とな
る。更に、前述のエラストマーは、臭気を発するものが
多く、衛生材料素材として用いることは困難である。
【0011】更に特開昭64−26655号公報及び特
開平4−142341号公報に記載の多孔性フィルム
は、分散粒子径を調整するためのエラストマーを添加す
ることにより、粒径をある程度コントロールできるもの
の、フィルムの延伸加工、開孔性を制御するのに必ずし
も適正なものとはならないという問題がある。
【0012】従って、本発明の目的は、良好な延伸加工
性、透湿性、防漏性、ヒートシール性、表面強度を有
し、衛生材料としても用いることが可能な無臭に近い多
孔性フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン系樹脂(A)、ポリエステル系樹脂(B)熱可塑性
エラストマー(C)及び延伸開孔剤としてオレフィン系
共重合体(D)を含有する組成物を、溶融成形して得ら
れたフィルムを延伸処理してなる多孔性フィルムであっ
て、上記熱可塑性エラストマー(C)が、ウレタン系熱
可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー又
はスチレン系熱可塑性エラストマーであり、上記オレフ
ィン系共重合体(D)を、上記ポリオレフィン系樹脂
(A)、上記ポリエステル系樹脂(B)及び上記熱可塑
性エラストマー(C)の混合物100重量部に対して、
1〜30重量部含有することを特徴とする多孔性フィル
ムを提供することにより上記目的を達成したものであ
る。
【0014】以下、本発明の多孔性フィルムについて詳
細に説明する。本発明の多孔性フィルムは、特性の組成
物を溶融成形して得られたフィルムを延伸処理してなる
ことを特徴とする。
【0015】本発明において用いる上記特定の組成物が
含有する上記ポリオレフィン系樹脂(A)(以下、樹脂
(A)という)は、連続相(マトリックス相)を形成す
るための成分であり、例えば、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン又はこれらの変性物若しくは誘導体
等を用いることができ、市販品を用いることもできる。
【0016】本発明において用いる上記特定の組成物が
含有する上記ポリエステル系樹脂(B)(以下、樹脂
(B)という)は、分散相を形成するための成分であ
り、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートや、これらの変性物等を用いることが
でき、該変性物としては、例えば上記テレフタレートの
分子を構成するジカルボン酸の全部又は一部として、イ
ソフタル酸等の他の(テレフタル酸以外の)芳香族ジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸等を、また、ジオール成分の全部又は一部として、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を
用い、これらを種々組み合わせて重合して得られるポリ
エステル等が挙げられる。また、上記樹脂(B)として
は、市販品を用いることもできる。
【0017】上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との配合
割合は、上記樹脂(A)100重量部に対して、上記樹
脂(B)10〜100重量部の範囲とするのが好まし
い。上記樹脂(B)が、10重量部未満であると、分散
相の量が少なくフィルムに貫通微細孔が発生しないた
め、良好な透湿性が得られず、100重量部を超える
と、マトリックス相(連続相)であるべき樹脂(A)と
分散相であるべき樹脂(B)とが相反転を起こし易く本
発明の目的とする多孔性フィルムを形成しにくいので好
ましくない。
【0018】本発明において用いる上記特定の組成物
は、上記熱可塑性エラストマー(C)を必須の第3成分
として含有する。上記熱可塑性エラストマー(C)は、
分散相である上記樹脂(B)の分散状態、及び上記樹脂
(B)による分散相と上記樹脂(A)による連続相との
界面で起こる剥離の度合いをコントロールするための成
分であり、分散相を形成する樹脂(B)に対する相溶性
の高いことが要求される。
【0019】本発明に用いる上記熱可塑性エラストマー
(C)は、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系
熱可塑性エラストマー又はスチレン系熱可塑性エラスト
マーであり、具体的には、ウレタン系熱可塑性エラスト
マーとしては、ハードセグメントにウレタン構造、ソフ
トセグメントにポリエステルあるいはポリエーテルを有
するブロック共重合体等;アミド系熱可塑性エラストマ
ーとしては、ハードセグメントにポリアミド、ソフトセ
グメントにポリエステルあるいはポリエーテルを有する
ブロック共重合体等;スチレン系熱可塑性エラストマー
としては、ハードセグメントにポリスチレン、ソフトセ
グメントにブタジエンゴム、水素添加ブタジエンゴムま
たはイソプレンゴムを有するブロック共重合体等を好ま
しく用いることができる。
【0020】また、上記熱可塑性エラストマー(C)と
しては、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン
ブロック共重合体であるシェルジャパン(株)製、商品
名「カリフレックス」;ポリスチレン−ポリブタジエン
−ポリスチレンブロック共重合体であるシェルジャパン
(株)製、商品名「カリフレックス」;ポリスチレン−
ポリエチレン/ブチレン−ポリスチレンであるシェルジ
ャパン(株)製、商品名「クレイトン」;ウレタン系熱
可塑性エラストマーである大日本インキ化学工業(株)
製、商品名「パンデックス」;アミド系熱可塑性エラス
トマーである大日本インキ化学工業(株)製、商品名
「グリラックスA」等の市販品を用いることもできる。
【0021】上記熱可塑性エラストマー(C)の配合割
合は、上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との混合物10
0重量部に対して、0.05〜30重量部とするのが好
ましい。上記配合割合が、0.05重量部未満あるいは
30重量部を超えると、加工性が悪化するので好ましく
ない。
【0022】また、本発明の多孔性フィルムにおいて用
いる上記特定の組成物は、上記樹脂(A)、上記樹脂
(B)及び上記熱可塑性エラストマー(C)に加えて、
更に、延伸開孔剤(第4成分)としてオレフィン系共重
合体(D)を含有する。上記オレフィン系共重合体
(D)は、連続相を形成する上記樹脂(A)と相溶性の
大きいセグメント、及び上記熱可塑性エラストマー
(C)との相互作用をコントロールできるセグメントを
有するブロック共重合体が好ましく、例えば連続相樹脂
(A)にポリエチレンを用いた場合における上記オレフ
ィン系共重合体(D)としては、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エ
チレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル
酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリ
ル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタク
リル酸グリシジル共重合体、エチレン−無水マレイン酸
−アクリル酸エステル共重合体から選ばれる1種または
2種以上の混合物からなるエチレン系(ブロック)共重
合体を好ましく用いることができ、市販品を用いること
もできる。
【0023】上記オレフィン系共重合体(D)の配合割
合は、上記樹脂(A)、上記樹脂(B)及び上記熱可塑
性エラストマー(C)の混合物100重量部に対して、
1〜30重量部の範囲とするのが好ましく、これにより
延伸開孔性を向上させることができる。上記配合割合
が、1重量部未満の場合には、延伸性はある程度改良さ
れるものの開孔性が付与されるに至らず、30重量部を
超える場合には、マトリックスの力学的物性を変化させ
てしまう可能性があるので好ましくない。
【0024】本発明の多孔性フィルムは、上記組成物を
溶融成形して得られるフィルムを延伸処理してなるもの
である。前記組成物を溶融混練すると、マクロ的には混
合されるが、ミクロ的には相分離して海島(連続相−分
散相)構造を呈する状態となり、これを製膜(成形)し
て得られる膜(フィルム)を適当な温度で延伸処理する
と、相分離した樹脂界面の一部が剥離して、フィルムの
表面から裏面に対して微細な連続孔が発生し、これによ
り透湿性を有した多孔性フィルムが得られる。
【0025】即ち、本発明の多孔性フィルムは、上記樹
脂(A)を連続相、上記樹脂(B)を分散相とし、更に
上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との界面の一部に界面
剥離により生じた微細孔を有するフィルムである。
【0026】また、上記樹脂(A)と上記樹脂(B)と
により形成される海島構造においては、上記樹脂(A)
及び上記樹脂(B)のうち体積分率の大きい成分が海相
(連続相)となる傾向を示し、また、溶融粘度の高い成
分が島相(分散相)になる傾向がある。従って、上記樹
脂(B)として、溶融粘度の高い樹脂(B)を選定する
ことにより分散相の割合を多くすることができ、必要な
透湿度及び耐水圧に応じて種々の樹脂の組み合わせとす
ることができる。
【0027】前記組成物を溶融成形してフィルムとする
には、例えば、前記組成物をヘンシェルミキサー等によ
りドライブレンドした後、2軸混練機等を用いて、上記
樹脂(A)及び樹脂(B)の双方の融点以上の温度で溶
融混練して、ペレットとし、次いで、得られたペレット
をインフレーション押出機等により製膜する等して行う
ことができる。
【0028】上述の如く、上記樹脂(A)及び樹脂
(B)を双方の融点以上の温度で混練することにより、
樹脂(A)中に樹脂(B)が分散したエマルジョン形態
となる。樹脂(A)及び樹脂(B)の相溶性が良好の場
合は、分散相である樹脂(B)が形成する島(分散相)
の大きさが小さくなり、数が増えることとなる。
【0029】上記延伸処理を行うには、溶融形成して得
られたフィルムを、ロール縦一軸延伸等により延伸する
等して行うことができる。この際、上記延伸処理は、延
伸温度を30〜100℃、延伸倍率を1.2〜10の範
囲として行うのが好ましい。
【0030】本発明の多孔性フィルムは、上記組成物を
溶融成形した後、延伸処理することにより、連続相と分
散相との界面で一部分が剥離して形成された微細孔を有
するが、その際、平均孔径が、0.1〜100μとなる
ように調製することが好ましい。平均孔径が0.1μ未
満であると、透湿性が小さく、逆に100μを超える
と、透湿性は大きくても防漏性が不十分であるので好ま
しくない。
【0031】また、上記平均孔径とし、分散粒子〔分散
相である樹脂(B)の粒子〕の脱落を抑制するには、分
散相である樹脂(B)の粒子の平均粒径が0.5〜30
μとなるように調製することが好ましい。0.5μ未満
の場合、開孔径が小さくなる傾向にあり大きな孔を得よ
うとすると分散粒子が脱落する恐れがある。一方、30
μを超える場合、開孔径が大きくなる恐れがあり防漏性
が悪化する可能性があるので好ましくない。
【0032】尚、本発明においては、前記組成物に、熱
安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤、
帯電防止剤等を添加して、多孔性フィルムとすることも
できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれられに限定されるもの
ではない。
【0034】〔実施例及び比較例〕 実施品1 直鎖低密度ポリエチレン〔LLDPE/三井石油化学
(株)製、商品名「ウルトゼックス」〕100重量部、
ポリエチレンテレフタレート〔PET/ユニチカ(株)
製、商品名「MA2100」〕60重量部、第3成分と
してポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロ
ック共重合体(SIS、シェルジャパン(株)製、商品
名「カリフレックス」)5重量部、及び第4成分として
エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合
体(E−EA−MAH/住友化学(株)製、商品名「ボ
ンダイン」)10重量部からなる組成物をヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした後、2軸混練押出機(池貝
鉄工(株)製、商品名「PCM−45」、L/D=2
6)を用い200℃で溶融混練した後ペレットとした。
得られたペレットをスクリュー径50mm、L/D=28
のインフレーション押出機で製膜(成形)しフィルムを
得た。得られたフィルムをロール縦一軸延伸により延伸
処理し多孔性フィルムを得た。
【0035】実施品2 実施品1の第3成分としてポリスチレン−ポリブタジエ
ン−ポリスチレン(SBS/シェルジャパン(株)製、
商品名「カリフレックス」)を用いた以外は、実施品1
と同様にして、多孔性フィルムを得た。
【0036】実施品3 実施品1の第3成分としてポリスチレン−ポリエチレン
/ブチレン−ポリスチレン(SEBS/シェルジャパン
(株)製、商品名「クレイトン」)を用いた以外は、実
施品1と同様にして、多孔性フィルムを得た。
【0037】実施品4 実施品1の第3成分としてアジペート系の熱可塑性ポリ
ウレタン(TPU/大日本インキ化学工業(株)製、商
品名「パンデックス」)を用いた以外は、実施品1と同
様にして、多孔性フィルムを得た。
【0038】比較品1 第3成分及び第4成分を用いない以外は実施品1と同様
にして、多孔性フィルムを得た。
【0039】比較品2 第3成分を用いない以外は実施品1と同様にして、多孔
性フィルムを得た。
【0040】比較品3 直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE/三井石油化学
(株)製、商品名「ウルトゼックス」)37重量部、炭
酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名「ライト
ン」)58重量部、流動パラフィン(中央化成製、商品
名「350S」)10重量部からなる組成物をヘンシェ
ルミキサーでドライブレンドした後、2軸混練押出機
(池貝鉄工(株)製、商品名「PCM−45」、L/D
=26)を用い200℃で溶融混練した後ペレットとし
た。得られたペレットをスクリュー径50mm、L/D=
28のインフレーション押出機で製膜(成形)しフィル
ムを得た。得られたフィルムをロール縦一軸延伸により
延伸処理し多孔性フィルムを得た。
【0041】上記の得られた実施品1〜4及び比較品1
〜3について、各性能評価を行った。その結果を下記
〔表1〕及び〔表2〕に示す。
【0042】各性能項目の試験方法は次の通りである。 透湿度:JIS Z−0208 耐水圧:JIS L−1092 引張強度:JIS K−7113
【0043】ヒートシール強度:3mm幅の加熱板を用い
118℃で0.2秒間、5kg/cm2 の圧力をかけてヒー
トシールさせたサンプル(多孔性フィルム)をT剥離し
たときの強度である。サンプルは30mm幅でヒートシー
ル線に垂直になるように切断し調製した。なお、本試験
は、同一フィルム同士の接着強度を測定している。
【0044】分散相脱落:粘着テープを多孔性フィルム
表面に接着させ引き剥がすことにより多孔性フィルム表
面に存在する分散相粒子の粘着テープへの移行を測定し
た。測定に際してはFT−IRを用いてATR法により
粘着テープの表面分析を行い決定した。評価は以下の通
りである。 ○:分散相粒子特有の吸収ピークが検出されない。 ×:分散相粒子特有の吸収ピークが検出される。
【0045】外観・臭い 10人のモニターによる官能試験により以下の基準で評
価した。評価は以下の通りである。 ○:外観(臭い)が気にならない。 △:外観(臭い)がやや気になる。 ×:外観(臭い)が気になる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムは、良好な延伸
加工性、透湿性、防漏性、ヒートシール性、表面強度を
有し、衛生材料としても用いることが可能な無臭に近い
ものであり、具体的には、下記〜に示す効果を奏す
る。
【0049】無機充填剤を含有しないため無機充填剤
が脱落して環境条件を損なったり、使用する無機充填剤
としての親水性により経時的に防水性が低下することが
ない。 2次加工において、本発明のフィルム同士または本発
明のフィルムと他の物品とを溶融して接合する、いわゆ
るヒートシールや超音波エンボス等による融着を可能と
するため、ホットメルト等の接着剤及び接着剤塗工装置
が不要となりコスト低減になるのと同時に、加工設備の
トラブルが減少しメンテナンス等が簡潔になる等の利点
がある。 本発明のフィルムに対し接着剤または粘着剤を用いた
場合にフィルム表面の分散離水の脱落が起こりにくい
為、感圧接着剤等の接着力の低下を抑えることができ
る。 本発明の多孔性フィルムに用いる第3成分は無臭であ
り、安定した延伸性と開孔性を制御できるために使用分
野が限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 77:12 C08L 77:12 (56)参考文献 特開 平6−298977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂(A)、ポリエス
    テル系樹脂(B)熱可塑性エラストマー(C)及び延
    伸開孔剤としてオレフィン系共重合体(D)を含有する
    組成物を、溶融成形して得られたフィルムを延伸処理し
    てなる多孔性フィルムであって、 上記熱可塑性エラストマー(C)が、ウレタン系熱可塑
    性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー又はス
    チレン系熱可塑性エラストマーであり、 上記オレフィン系共重合体(D)を、上記ポリオレフィ
    ン系樹脂(A)、上記ポリエステル系樹脂(B)及び上
    記熱可塑性エラストマー(C)の混合物100重量部に
    対して、1〜30重量部含有する ことを特徴とする多孔
    性フィルム。
  2. 【請求項2】 上記組成物の配合割合が、下記及び
    に示す配合割合であることを特徴とする請求項1記載の
    多孔性フィルム。上記ポリオレフィン系樹脂(A)1
    00重量部に対して、上記ポリエステル系樹脂(B)が
    10〜100重量部、 上記ポリオレフィン系樹脂(A)と上記ポリエステル
    系樹脂(B)との混合物100重量部に対して、上記熱
    可塑性エラストマー(C)が0.05〜30重量部。
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