JP3307994B2 - ホログラム真偽確認方法および確認装置 - Google Patents

ホログラム真偽確認方法および確認装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホログラムに係わり、特
にホログラムを用いた確認方法および確認装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラムは証明書、証券、クレ
ジットカード等の一部に取り付け、その真偽を確認する
手段として利用されている。このようなホログラムを用
いた確認手段としては、従来、マシンリーダブルホログ
ラムと呼ばれるものを用いている。この方式は干渉縞の
ピッチを変えることにより、異なる複数の方向に回折す
るホログラムを複数個用意し、それぞれのホログラムに
光を入射し、それによって生ずる複数の回折光を1次元
センサで読み取るものである。この時の回折光はホログ
ラムに記録した情報により回折光の数、パターンが異な
り、読み取り装置側ではこの数やパターンを予め記憶し
ておき、この記憶したものとホログラムの情報が一致す
るかどうかを照合して判断している。また、クレジット
カードやレンタルビデオのパッケージ等の偽造防止用ホ
ログラムの真偽確認方法においては、実際にホログラム
を肉眼で検査することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
マシンリーダブルホログラムはその回折光のパターンが
単純で、複数個の受光素子からなる1次元センサを用い
て回折光を受けるか、受けないかの2値的な情報で照合
するものであるため、真偽の確認方法としては単純すぎ
て偽造防止上では問題があった。また、従来のクレジッ
トカードやレンタルビデオのパッケージ等の偽造防止ホ
ログラムを用いた方法では、肉眼の検査でしか真偽を確
認できないため、作業能率や正確さの面からも問題があ
った。
【0004】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、偽造防止としての信頼性を飛躍的に向上させ、さら
に真偽確認作業の能率、精度を向上させることが可能な
ホログラムを用いた確認方法および確認装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、例えばカード1に取り付けられたホログラム2に
対して、光源4より再生光5を照射し、その時得られる
回折光6と基準パターン3から得られる基準光とを干渉
させてパターン8を形成し、これと予め決めたパターン
とを照合することにより、ホログラム2の真偽を確認す
る。ホログラム2は確認される側が所有しているが、こ
の回折光と基準パターン3との基準光とが重なりあって
始めて意味のあるパターン8が形成されるため、ホログ
ラム2のみでは、正確なパターンが得られないので、偽
造防止効果を格段に向上させることが可能である。
【0006】また、図2に示すように、ホログラム10
に再生光14を照射したとき得られる回折光15と、基
準パターンが記録されているホログラム11に再生光1
6を照射して得られた時の回折光17とをハーフミラー
12を通して干渉させて干渉パターン13を形成し、こ
の干渉パターン13を2次元センサ等で検出し、予め決
められたパターンと照合することにより真偽を判別すす
ることができる。
【0007】
【作用】本発明は媒体によって位相がパターン状に変調
された光をそのまま読み取るのではなく、変調した光に
対し読み取り装置内でもう1つの光を照射し、干渉させ
て新たなパターンを形成し、これを読み取るようにした
ものである。このパターンは、カード等に添付してある
ものだけでは、たとえレーザ光を照射してその媒体から
の光を観察しても認識できず、もう一度基準光と干渉し
あわさなければならないため、どのような情報が記録さ
れているか判別するのは困難であり、偽造防止効果を高
めることができる。また、パターンとしてホログラムを
用いれば、単にパターン状に位相を変化させるものより
も微細で偽造しにくく、表面の汚れ、傷による影響も軽
減され、冗長性にも富むこととなる。また、計算機生成
ホログラムを用いれば、より特殊は波面を記録すること
ができるため、より内部の情報の流出を防ぐことができ
る。また、クレジットカード等の偽造防止に従来の肉眼
で観察して確認するだけのホログラムに置き換えて本発
明を適用すれば、正否確認を行う作業の能率、精度を格
段に向上させることができる。
【0008】
【実施例】次に図3、図4により本発明の実施例を説明
する。
【0009】まず始めに、ガラス基板上にレジスト(製
品名:OFPR−5000−50CP)を塗布し、この
基板に対して所望のパターンを刻ませるめたに感材上に
マスクを設置し、レーザないしUVを用いて露光し、ア
ルカリ現像を行う。こうして作成されたガラス基板22
をレーザ光23で照射し、透過したレーザ光24と参照
光25により2光束干渉させて、レジスト基板21に位
相変調されたパターンを記録する。この場合レジストの
膜厚は再生時の基準光との干渉時に生成される干渉パタ
ーンのコントラストを最も高めるように設計することが
必要である。
【0010】具体的には、パターン(レジスト)の有無
によって半波長分位相がずれるように膜厚を設計した。
即ち、 d=λ/2(n−1) ここに、dは膜厚、λは波長、nは媒質の屈折率で、今
回それぞれの数値はλ=0.633μm、n=1.6
4、塗布するレジスト膜厚はd=0.49μmとした。
【0011】次に最初のマスクパターン22の作成時と
同様にここで用いたレジストはポジ型であるため、レジ
スト基板にホログラムを作成させた後、アルカリ現像を
行うと干渉によって光が強めあった部分のレジストだけ
が溶解される。
【0012】すなわち、図5に示すように、マスクパタ
ーン22で位相変調された物体光24が位相変調により
180°づつ位相がずれている場合、これと平面波を干
渉させると、例えば位相0の所では強め合い、位相が1
80°ずれた所では弱めあうため、レジスト基板21に
は明暗の干渉パターンが作成される。その結果、レジス
ト基板21はガラス面とレジスト面のレリーフ形状にな
り、このことによって再生時にこの基板へ再生照明光を
照射すると、ホログラムからの回折光は撮影時の物体光
中に入れられた位相変調のマスクパターン通りに位相が
ずれることが確認された。
【0013】図4において、図3で説明したようなパタ
ーンが記録されたマスクパターン26を、例えばカード
27に取り付け、これに再生光28を照明した時の回折
光30と基準光29とをハーフミラー31を通して干渉
させ、干渉パターン33を形成してこれを基準パターン
と照合することにより、マスクパターン26の正否を確
認することが可能である。
【0014】図6は本発明の確認方法を実施するための
装置構成を示す図である。
【0015】確認すべき媒体がホログラムである場合、
このホログラム46はリーダー40に着脱可能に挿入
し、セットできるようにたっている。リーダー40には
ホログラム46を照明するための光源41、基準パター
ン43、基準パターン43を照明するための光源42、
ホログラム46、基準パターン43からの回折光の干渉
パターンを検出する2次元センサ44、2次元センサ4
4で検出したパターンと基準パターンとを照合する判別
装置45とが備えられており、確認すべきホログラム4
6をセットすれば自動的に機械読み取りによってその照
合を行うことができる。
【0016】なお、本発明におけるホログラムはレリー
フタイプとなるため、ホログラムを原版として大量に安
価に複製することが可能であり、またこのホログラムを
脆質ホログラム(剥離しようとするとバラバラになって
しまう材質のホログラム)にしておき、またホログラム
層の上部に保護層をもうけることによって偽造を防ぐこ
ともできる。
【0017】また、上記説明では、ホログラムをレジス
トを用いて作成するようにしたが、計算機生成ホログラ
ム(CGH)を用いて光の位相をパターン状に変化せれ
ば、一層特殊な波面を記録することが可能である。ま
た、本発明は単にカードに添付したホログラムの真偽確
認だけでなく、プリペードカードシステム、入退場の管
理システム等に適用したり、あるいはクレジットカード
の偽造防止対策等に用いることが可能である。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、確認され
る側が持っているパターンを偽造しようとしても、基準
光との重ね合わせにより始めて意味のあるパターンとな
るために、どのような情報が入っているか判別できない
ため困難であり、偽造防止効果を格段に向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を説明する図である。
【図2】 本発明の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の実施例を説明する図である。
【図4】 本発明の実施例を説明する図である。
【図5】 明暗パターンの作成を説明する図である。
【図6】 本発明の確認方法を実施するための装置構成
を示す図である。
【符号の説明】
1…カード、2…ホログラム、3…基準パターン、4…
光源、5…再生光、6…回折光、7…基準光、8…干渉
パターン、10、11…ホログラム、12…ハーフミラ
ー、13…干渉パターン、40…リーダー、41,42
…光源、43…基準パターン、44…2次元センサ、4
5…判別装置、46…ホログラム。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある決められたパターン状に位相を変化
    させる媒体に可干渉な光を透過あるいは反射させて位相
    変調された光と基準光とを干渉させ、干渉縞パターンを
    基準パターンと照合する方法において、位相を変調させ
    る媒体がホログラムであり、基準光と干渉させる位相変
    調された光は、前記ホログラムからの回折光であること
    を特徴とするホログラム真偽確認方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、基準光は
    ホログラムからの回折光であることを特徴とするホログ
    ラム真偽確認方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法において、媒体から
    の透過あるいは反射光と基準光とをハーフミラーを介し
    て干渉させることを特徴とするホログラム真偽確認方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法において、ホログラ
    ムの回折光と基準光との干渉によって所定の輪郭形状の
    パターンを形成し、2次元センサで検出するようにした
    ことを特徴とするホログラム真偽確認方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法において、媒体がカ
    ード形態であることを特徴とするホログラム真偽確認方
    法。
  6. 【請求項6】 ある決められたパターン状に位相を変化
    させる媒体が着脱可能にセットされる読取装置からな
    り、該読取装置は前記媒体を照明する光源と、基準光を
    得るための光源と、前記媒体からの透過または反射光と
    基準光との干渉パターンを検出するセンサと、センサで
    検出された干渉縞パターンと基準パターンとを照合する
    判別装置を備えたことを特徴とするホログラム真偽確認
    装置。
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CN1032390C (zh) * 1994-08-15 1996-07-24 孟武 一种双卡径迹激光全息防伪标识及其检验装置
DE19541071A1 (de) * 1995-11-03 1997-05-07 Bundesdruckerei Gmbh Verfahren zur Herstellung von nachahmungssicheren, Echtheitsmerkmale aufweisenden Hologrammen und Lesegerät zum Prüfen der Echtheit

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