JP3804450B2 - 光学情報読み取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報がホログラムパターンとして記録された光記録媒体から情報を読み取る光学情報読み取り装置に係り、特に、この光記録媒体に記録されている情報を簡潔な構成により読み取る光学情報読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード、証明用カード等の用途に用いる記録媒体は、この記録媒体に記録された記録内容、或いは記録媒体そのものが不正に偽造・変造されていないかどうかを識別する必要がある。
上記した記録媒体の識別を行う一つの方法として、例えばクレジットカードや銀行カード等には、偽造品や変造品ではない真正品であることを証明する為のホログラムを設けて構成したものがある。
上記のホログラムは、白色光の干渉により生成される虚像である単一ホログラム映像を視覚的に認識可能としたものである。
【0003】
しかしながら上記した、虚像であるホログラム映像を認識するホログラムは、現状では製造者マーク等の単一ホログラム映像しか記録できないので、不正利用や偽造の防止には十分な機能を有するとは言えず、また記録可能な情報量にも限界があるものであった。
【0004】
そこで、本出願人は先に、不正利用や偽造の防止に十分効果的なホログラムを使用する記録媒体として、CGH(Computer Generated Hologram)を応用した光記録媒体に関する技術を特開平10−198259号公報に開示し、また上記の光記録媒体の読み取り装置に関する技術を特開2000−194794号公報に開示して、それぞれ提案している。
【0005】
上記の開示技術に係る光記録媒体10b、及び光記録媒体の読み取り装置10aの断面図を図10に示す。
図10図示の光記録媒体10bは、単色光10cの照射に応じて生成される回折光10dにより所定のパターンを実像として投影面上に投影するよう構成された少なくとも1箇所のホログラムパターン(情報記録部、CGH)10eを備えて構成されている。
【0006】
一方、読み取り装置10aは、単色光10cの光源である発光部10gと、発光部10gから出射された単色光10cを光記録媒体10bのCGH(10e)へ向けて反射する第1のミラー10hと、CGH(10e)から出射した回折光10dを順次反射する第2のミラー10i及び第3のミラー10jと、第3のミラー10jから反射された回折光10dにより再生像が投影されるスクリーン手段である表示窓10fとを備えて構成されている。
【0007】
上記の読み取り装置10aを用いて光記録媒体10bの真贋判別(真正品であるか否かを判別する)を行う際には、光記録媒体10bのCGH(ホログラムパターン)10eに単色光10cを照射して生成する回折光10dを表示窓10fに投影させることにより、光記録媒体10bのホログラムパターン10eに記録されている所定の映像パターンを再生して視認することにより、或いは図示せざる受光素子により上記の再生映像パターンを読み取って画像処理することにより、光記録媒体10bの真贋を判定等を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記に説明したように、従来のホログラム付クレジットカードやホログラム付キャッシュカード等の光記録媒体は、ホログラムパターンとして形成されたカードを発光する会社や銀行特有の真贋判別用パターンである虚像のホログラム映像をカードの外観上、直視により認識することによって当該カードの真贋判定を行っていた。
【0009】
上記した虚像を直視して認識する構成のホログラムパターンは、表示面積が大きいので視認されるホログラム映像は容易に判別可能であるが、そのためにカード偽造や変造が容易となる恐れがあった。
すなわちホログラムそのものが第3者でも容易に作成可能であるので、偽造ホログラムパターンを比較的容易に製造することができ、上記の虚像直視型ホログラムを有する光記録媒体の偽造品の製造を完全に防止することは困難であった。
【0010】
一方、先に図10を用いて説明した、ホログラム映像を実像としてスクリーン手段上に生成するタイプである、本出願人が先に提案した光記録媒体10b、及び光記録媒体10bの読み取り装置10aに係る構成によれば、個々のホログラムパターン10eは1辺が数百μm程度の領域であるので十分に小さく、また大容量の情報を記録しておくことができるうえ、情報を読み取るためには単色光を照射して回折光を読み出す必要があるので、そのような精密な構成のCGH(ホログラムパターン)10eは偽造が現実には不可能である。
従って、その種の光記録媒体10bは偽造や変造を行うことが極めて困難であり不正使用を強力に防止することが出来る、という特徴を有していた。
【0011】
しかしながら図10図示の構成においては、読み取り装置10aとホログラムパターン10eとの高さ方向(ホログラムパターン10e面に垂直な方向)の位置関係が正規の位置から逸脱すると、回折光10dの再生像がぼやけて情報が読み取れないという欠点があるので、読み取り装置10aとホログラムパターン10eとの相対的な位置を厳密に管理して使用しなければならず、応用範囲が限られてしまうなど実用上大きな問題を有していた。
【0012】
そこで光記録媒体10b及び読み取り装置10aを実用化するに際して、例えば読み取り装置10aとホログラムパターン10eとの間に高さを規制するための位置決め手段を設けたり、或いはその位置決め手段を設けることが出来ない場合は操作者の手により光記録媒体10bを最適な位置に保持して読み取り操作を行う必要があった。
その場合、光記録媒体10bを手で保持することによる手ぶれが発生したり、あるいは高さの規制を目測に頼るため、読み取り装置10aとホログラムパターン10eとの高さ方向の位置関係が正規の位置から変動し、回折光による再生像がぼやけるなどして、情報が正しく読み取れない恐れがあった。
【0013】
また、図10の断面図において、CGH(10e)を発した回折光10dは、第2のミラー10iと第3のミラー10jとによりそれぞれ反転されて表示窓10fに達し、所定の再生画像パターンを実像として生成することを先に説明した。
生成した実像は、実像の投射面とは反対方向から、すなわち表示窓10fを外部から観察することとなる。
一方、光記録媒体10bの再生方法としては、上記の読み取り装置10aを用いる正規の方法とは別に、光記録媒体10bのCGH(10e)に直接レーザポインタ等を用いて単色光を照射し、照射により得られた回折光を直接壁面などの反射面に投射して、正像である回折像を得る簡易的な方法も存在する。
【0014】
ところが、上記の説明からも容易に導かれるように、図10図示構成による正規の再生方法により得られた再生像と、簡易的再生方法により得られた正像である再生像とは鏡像反転すなわち裏返しの関係となっており、図10図示の読み取り装置10aでは逆像の再生像のみしか得る事が出来なかった。
【0015】
CGH(10e)の再生画像としてブランドマークやハウスマーク等の周知の出所表示を行う場合には、裏返しの像である逆像のブランドマーク等は商品やカードの品位を低下させ真正性を疑わせる恐れも有るので、偽造防止用途として用いることが困難である、という問題があった。
【0016】
また、図10図示構成とは詳細が異なる構成の読み取り装置11a及び光記録媒体11bの断面図である図11に示すように、従来技術に係る構成において、ホログラムの保護等のためのケース11k内部に光記録媒体11bを収納する構成とする場合がある。
この場合には読み取り装置11aとホログラム(CGH)11eとの間に上記のケース11kが介在するので、ケース11k自体の製作精度のバラツキや、各種仕様の差異のために高さが異なる複数種類のケース11kが存在する可能性がある。
【0017】
光記録媒体11bを収納するケース11kが異なる高さ寸法を有する複数種類が存在するのであれば、読み取り装置11aとホログラムパターン11eの高さの位置関係が個々の光記録媒体ごとに変動するので、先に説明したのと同様の理由により情報の正しい読み取りに支障をきたす、という問題があった。
【0018】
さらに、光記録媒体11bをケース11kに収納する場合、以下に説明するような新たな問題が生じた。
すなわち、図11の要部を拡大した断面図である図12において、ケース11kは光透過性を有する材質で構成されているものとする。
【0019】
図12からもわかるように発光部11gから出射して第1のミラー11hで反射された単色光11cは、CGH(11e)へ到達する前にケース11k上面で所定の反射率で反射し、その反射光11mは光記録媒体11bとは反対の方向へ進行する。
上記の反射光11mは、条件によっては読み取り装置11aの光学系の迷光となり再生像の認識に影響を及ぼす、という問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記した問題点に鑑みて成されたものであり、光記録媒体が光透過性のケースに収納され、この光記録媒体のホログラムパターンに外部から単色光を照射して再生像を得る場合に、ケース表面で反射される単色光の不要光の影響を少なくして良好な再生像が得られる光学情報読み取り装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、光記録媒体に形成されたホログラムパターンからなる反射型の情報記録部に単色光を照射し、反射して得られる再生像を表示部に表示させて前記光記録媒体の真贋判別を行う光学情報読み取り装置において、前記光記録媒体を収納する光透過性の保護ケースと、前記単色光を出射する発光部と、前記光透過性の保護ケースの外部にあって、前記単色光が前記光透過性の保護ケースを介して前記光透過性の保護ケース内に収納されている前記光記録媒体を照射するように、前記単色光を反射する単色反射ミラーと、前記光透過性の保護ケースの外部にあって、前記反射型の情報記録部を照射し、前記反射型の情報記録部で反射されて得られる前記再生像を前記表示窓に表示させる回折光反転ミラー部と、前記光透過性の保護ケース表面で反射された単色光の不要光が前記表示部に到達するのを遮る遮光板と、を備えたことを特徴とする光学情報読み取り装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の好ましい実施例につき、図1〜図9を用いて説明を行なう。
図1は本発明の実施の形態に係る第1の実施例である光学情報読み取り装置の透過斜視図、図2は図1の装置と光記録媒体の断面図、図3は図1の光学情報読み取り装置の光学配置図、図4は光記録媒体の簡易的な画像再生方法を説明する模式図、図5は図3の光学配置図において保護ケースに光記録媒体が収納された構成における光学配置図、図6は本発明の実施の形態に係る第2の実施例である光学情報読み取り装置の光学配置図、図7は本発明の実施の形態に係る第3の実施例である光学情報読み取り装置の要部断面図、図8は一般的な光学情報読み取り装置における回折像の再生の原理を説明するための図、図9は光学情報読取装置とCGHとの距離が変化したときのスポット径とスポット中心間隔との変化を示す平面図及びグラフである。
前述したものと同一部分には同一符号を付しその説明を省略する。
【0023】
まず、本発明の実施の形態に係る第1の実施例である光学情報読み取り装置1aを、図1〜図4を用いて説明する。
【0024】
本実施例の光学情報読み取り装置1aの透過斜視図である図1、及び図1の装置1aと光記録媒体1bの要部断面図である図2において、まず光記録媒体1bには、画像情報が記録された反射型CGH(Computer Generated Hologram:情報記録部)1eが貼付または成型により設けられている。
【0025】
このCGH(1e)は、回折格子を含む平面内で互いに回転させて配置した複数の回折格子を組み合わせて、回折光の投射面において2次元的に明点が配置する回折像が得られるよう、コンピュータによる数値計算を用いてホログラムパターンを設計し構成したものである。
このCGH(1e)の回折光からカードの真贋判別等を行うための再生画像が得られることは先に従来技術において説明した通りである。
尚、本実施例の読み取り装置1aが用いるCGH(ホログラム)1eは、例えば月刊誌「OプラスE」(株式会社 新技術コミュニケーションズ発行;No.204;1996年11月号)に記載された技術を用いることによって構成することが可能である。
【0026】
図1及び図2に示す本実施例のホログラム視認装置(光学情報読み取り装置)1aは、単色光レーザなどの所定波長の単色光を出力する発光部(発光手段)1gと、この発光部1gから出力される光ビーム(単色光)をCGH(1e)へ向かう所定の方向に反射する単色光反射ミラー1iと、単色光の照射に応じてCGH(1e)から出射された回折光を反転させて表示窓1fへ向けて出射する回折光反転ミラー1pと、反射型CGH(1e)に記録されたホログラムの画像情報を表示する表示窓1fと、装置の底面に設けられた反射型CGHの大きさと略等しい大きさの開口部(図2)1qとを含めて構成されている。
【0027】
そして、上記の光学情報読み取り装置1aを用いて光記録媒体1bの真贋判別等の動作を行う際には、光記録媒体1b上にホログラム視認装置(光学情報読み取り装置)1aを載置し、下記する如く光記録媒体1bの反射型CGH(1e)に記録されたホログラムの画像情報を表示窓1fに表示させて、視認を行うものである。
【0028】
尚、本実施例において、上記に説明した単色光反射ミラー1iを設けることなく、直接所定の角度で発光部1gから光ビーム(単色光)をCGH(1e)へ照射するよう構成してもよい。
【0029】
上記の真贋判別動作(読み取り動作)をより具体的に、動作の順を追って説明する。
まず光学情報読み取り装置1aに付属するスイッチ1sをオン状態として、発光部ドライバ回路1t及びバッテリ手段1uを用いて発光部1gの駆動を開始する。
すると発光部1gから単色光が照射され、照射された単色光は単色光反射ミラー1iで反射されて筐体底部の開口部1qに達する。
このとき反射型CGH(1e)が開口部1qの直下に位置するように光記録媒体1bを操作者の手により位置合わせを行うと、反射型CGH(1e)で回折される1次回折光が回折光反転ミラー1pで画像情報が反転されつつ表示窓1fに投射され、表示窓1fには所定の再生画像情報が表示されるものである。
【0030】
上記の光記録媒体1bの具体的な用途としては、クレジットカード、キャッシュカードまたは身分証明用カードなどが挙げられる。
また上記のCGH(1e)は、例えば3値以上のホログラムデータを形成して所望の画像が得られるようにして複雑な画像を記録しておくことにより、光記録媒体1bのCGH(1e)に記録されている情報は、偽造・変造を極めて困難とすることができる。
【0031】
なお、CGH(1e)の大きさは、1辺が100μm以上の四角形であれば上記した機能を発揮することが出来るので、その大きさは特定の大きさに限定されることはなく大小様々な所望の形態に構成し、また任意の情報を記録することが可能である。
【0032】
上記したような、CGHの偽造困難性、記録情報の大容量、記録情報の多様性という従来技術の構成と同様の特徴に加え、本実施例の光学情報読み取り装置1aは、下記する格別の構成を備えることにより、従来にない本実施例固有の効果を奏するものである。
【0033】
すなわち、図1の光学情報読み取り装置1aの光学配置図である図3に示すように、本実施例の光学情報読み取り装置1aは、以下のような特徴的な構成をそれぞれ含むものである。
(1)表示窓1fの回折像投射面は、光記録媒体1bに設けたCGH(1e)の回折面と相対向しており、かつ同一の光軸1v上にほぼ連設して配置されてある点。
情報の読み取り動作時において、光学情報読取装置1aの表示窓1fのほぼ真下にCGH(1e)が位置するように構成したので、操作者が行うCGH(1e)と光学情報読み取り装置1aとの位置合わせ操作が従来と比較してより容易となっている。
このために再生像をより迅速に、より確実に表示窓1f上に再生することが出来る。
【0034】
(2)0次回折光1wが表示窓1fに達することが無いように、CGH(1e)に対する単色光の入射角θ1その他の光学的配置がなされている点。
単色光1cの入射に応じてCGH(1e)より出射される回折光のうち、回折像の生成に寄与することが無い0次回折光(0次反射光)1wが表示窓1fへ到達することが無いように単色光1cのCGH(1e)に対する入射角θ1やその他の光学的配置が設定されてあるので、0次反射光1wが回折像にかぶって回折像を不鮮明にするような不具合が防止されるものである。
【0035】
(3)回折光1dを反転して表示窓1fへ向けて出射する回折光反転ミラー1pを有する点。
CGH(1e)から出射する回折光の中で、少なくとも1次回折光を含む回折光を表示窓1fへ向けて反射する回折光反転ミラー1pをCGH(1e)と表示窓1fとの間に配置し、再生像を生成するための回折光が確実に表示窓1fへ到達するように構成してある。
また、回折光反転ミラー1pの位置および角度を変化させることにより、様々な入射角θ1、回折角θ2、θ3(回折角の定義は図3参照)に対応する光学情報読み取り装置を構成することが出来る。
【0036】
(4)正像である実像が表示窓1fで得られるよう、回折光を表示窓1fへ向けて反射する回折光反転ミラー1pを有する点。
図3の構成のように回折光反転ミラー1pを特に奇数個配置することによって、光学情報読み取り装置1aの表示窓1f上で得られる実像を正像として、以下に説明するような簡易的な再生方法で再生した回折像(正像)に対して絵柄が反転しないよう構成することが可能となっている。
【0037】
上記した光記録媒体1bの簡易的な再生方法とは、例えば図4に図示する如く、CGHパターン(1e)に対してペン型のレーザーポインター4a等により単色光(レーザ光)を照射する方法で回折像を再生させる方法である。
図4の簡易的再生方法では、レーザポインタ4aからの単色光照射に応じた回折光を、身近にある投射面、例えば壁面に投影し、生成した回折像(正像)を投射側から観察するものである。
【0038】
回折像のそれぞれの絵柄が鏡像反転の方向が同一であることから、図4のような簡易的な再生方法と、先に図1等を用いて説明した光学情報読み取り装置1aを用いた正規の認識方法とに共通して同一の光記録媒体1bを用いることが出来、従って光記録媒体1bの汎用性が向上するので、従来技術に係る構成と比較してさらにCGH及び光記録媒体1bの応用範囲を広げることが出来る。
【0039】
以上のように本実施例の光学情報読み取り装置1aによれば、上記した(1)〜(4)という格別な構成を有しているので、それぞれの構成による従来にない固有の効果が発揮されるものである。
すなわち光学情報読み取り装置1aとCGH(1e)との位置合わせ操作が容易であるので再生像を迅速、確実に得ることが出来、単色光の入射角や回折光の回折角が様々に異なる場合にも対応するように光学情報読み取り装置1aを構成できるので設計の汎用性が大きく、簡易的な再生方法による再生像と、正規の読み取り装置1aによる再生像とを反転の無い絵柄とすることが出来るので、光記録媒体1bの汎用性が向上するものである。
【0040】
次に本発明の実施形態に係る第2の実施例である光学情報読み取り装置を、図5〜図6を用いて説明する。
【0041】
先に説明した第1の実施例の光学情報読み取り装置1aと同一の構成を有する装置の光学配置図である図5に示すように、CGH(5e)またはCGH(5e)が設けられた媒体を保護する目的で、CGH(5e)又は媒体の上面を単色光が透過可能な透明なケース(保護ケース)5kで覆う構成とする場合があることは、先に説明した通りである。
【0042】
このような場合、発光部1gからの照射光(単色光)1cがCGH(5e)に到達する前にケース5k上面で所定の反射率で反射してしまい、この反射光5mが直接表示窓1fに投影されてしまう恐れがあった。
そうするとCGHの再生像と、投影されたケース上面からの反射光5mとが重なり、CGHの再生像の認識が困難になる恐れがあった。
【0043】
そこで本実施例の光学情報読み取り装置では、その光学配置図である図6に示すように、回折光6dを遮るなどして像の再生に影響を及ぼすことの無い位置に、ケース上面からの反射光6mを遮るように遮光板6xを設けてある。
従って遮光板6xによって遮光がなされることにより、不要な光が表示窓6fに入ることがなく、CGH再生像を良好な状態で認識することができる。
【0044】
また、上記の構成に加えて、遮光板6xにおける反射光6mが入射する面に、反射防止コーティング等の反射防止処理を施して、遮光した反射光が迷光にならないように十分減衰させる構成としても良い。
更に、図6の構成とは異なり、従来技術に係る構成の光学読み取り装置において、保護ケースによる反射光が表示窓に達することのないように反射光を遮光する遮光板を設ける構成も考えることが出来、これもまた本発明が包含するものである。
【0045】
次に、図7を用いて本発明の実施形態に係る第3の実施例の説明を行う。
【0046】
本実施例の光学情報読み取り装置7a及び光記録媒体7bの要部断面図である図7に示すように、本実施例では、光記録読み取り装置7aと、光記録媒体7bを収納した保護ケース7kとの位置決めをするために、装置側に凸部7s、ケース側に凹部7tを設けた点に特徴がある。
本実施例によれば、上記の位置決めのための構成を設けたことにより、CGH(7e)に入射する単色光の入射位置、入射角及び回折角が正確な位置に固定されるので、CGH(7e)による再生像の認識をすばやく確実に行なうことができる。
なお位置決めを行うための図7図示構成とは異なる構成として、装置側が凹部で、ケース側が凸部としても良いことは言うまでも無い。
【0047】
次に、光学情報読取装置とCGHとの距離が変化しても、再生像を確実に認識できる様に構成した、本発明の実施形態に係る第4の実施例の光学情報読み取り装置について説明する。
【0048】
図8は、一般的な光学情報読み取り装置における回折像の再生の原理を説明するための図である。
図8においては、発光部8gから出射された単色光(照射光)8cがCGH8eを照射し、生成した回折光8dが表示窓8fに達して像が再生された状態を表している。
この場合、回折光8dは2本のビームに分かれて回折するよう構成されており、それぞれの回折光ビームによる2つのスポットが、スポット中心間隔Wを挟んで表示窓上に投影されている。
実際の回折像再生にあたっては、このスポットを複数個投影させて、例えばドットパターンとして認識を行うためのパターンを描いている。図8では説明を明瞭とする目的で最小単位である2本のビームスポットのみを示したものである。
【0049】
本発明人は、表示窓8f上に表示されたスポットの径dとスポット中心間隔Wとの関係を、パターンの認識度合いとの関連から定性的に考察を行なった。その考察結果を以下に説明する。
【0050】
図9(A)は、光学情報読取装置とCGH(8e)との光学的距離が変化したときの、スポット径dとスポット中心間隔Wとの変化を計算機を用いて算出した平面図である。
尚、「光学情報読み取り装置とCGH(8e)との光学的距離」は、具体的には光学情報読み取り装置の対物レンズ8y主平面からCGH(8e)へ至る距離(図8におけるL2)と、CGH(8e)から光学情報読み取り装置の表示窓8fへ至る距離(図8におけるL1)との合計値を用いている。
【0051】
図9(A)において、まず光学情報読み取り装置とCGH(8e)との距離が近い場合、2つの隣接するスポットが重なりパターンはぼやける(状態▲1▼)。
そして、光学情報読み取り装置とCGH(8e)との距離がスポットの合焦点(ビーム断面の径が最小となる点)に近づくにつれ、スポット径dが小さくなり、同時にスポット中心間隔Wも離れていくのでスポット同士の重なりはなくなる(状態▲2▼)。
そして、合焦点ではスポット中心間隔Wが開き、同時にスポットの外縁部間の隙間Hが生じパターンもさらに鮮明になる(状態▲3▼)。
さらに光学情報読取装置の表示窓8fとCGH(8e)との距離が遠くなるとスポット径は大きくなるが、スポット間隔Wは離れるので、スポット間の隙間Hはなくなるが、パターンはまだボケずに認識が可能である(状態▲4▼)。
距離がより大きくなると、最後にはスポット中心間隔Wよりもスポット径dがおおきくなり、スポット同士がかさなりパターンはボケてしまう。(状態▲5▼)
【0052】
このように、光学情報読み取り装置とCGH(8e)との距離が変化すると、スポット径dとスポット中心間隔Wとがそれぞれ変化し、変化した値の相互の関係がパターンの像の認識範囲に影響する事がわかる。
すなわち、各スポットの外縁部の隙間Hが0以上であれば、2つのスポットをそれぞれ区別して認識できるので、各スポット(ドット)から構成されるパターンは認識可能である、ということが出来る。
【0053】
したがって、パターンが認識できる条件は、
(スポット外縁部間の隙間H)=(スポット中心間隔W)−(スポット直径d)≧0…(式2)
なる条件を満たせばよいことがわかる。
【0054】
(式2)より自明に導かれる条件として、
d≦W…(式3)
を満足するように光学情報読み取り装置及び光記録媒体を構成すれば、たとえ合焦点前後で光学情報読み取り装置とCGHの距離が変化する場合でも、パターンがボケないで認識することが可能となる。
【0055】
従来、光学情報読み取り装置に使用される光学系では焦点深度は短く、広げるにも制約があり、光学情報読み取り装置とCGHの距離が大きく変動する場合、なんらかのフォーカス機構が設ける必要があった。
ところが上記に説明した本実施例の光学情報読み取り装置では、特別なフォーカス機構を設けなくても焦点深度の幅以上に、パターンの認識範囲を広げることができる。
【0056】
次に、上記に説明した定性的な考察に基き、定量的にスポット間の外縁部隙間Hをスポット中心間隔Wとスポットの径dの関係による式で表すと下記のようになる。
(任意Xの位置でのスポット間の外縁部隙間H)
=(スポット中心間隔W)−(スポット直径d)
=(X-L1)・tan(π・θd/180)−d0・sqrt(1+(4λ(X-L1-L2)/ π・d02)2)…(式4)
ただし、合焦点でのスポット径d0はガウシアンビームと仮定して、
d0 =2(4λ/π)(( L1+L2)/D)…(式5)
とする。
また、
L1 :表示窓からCGHまでの距離、
L2 :CGHから発光部レンズ主平面までの距離、
θd :隣り合わせのスポットのなす角度、
λ :単色光の波長、
D :レンズ開口径。
(記号は図8参照のこと。)
【0057】
本実施例における具体的な構成例として、上式により計算を行なった結果を、図9(B)に示す。
図9(B)のグラフにおいて、縦軸は上記したスポットの外縁部の隙間H、横軸は上記した光学情報読み取り装置とCGHとの光学的距離である。
ここで各変数の具体的な数値は、L1(初期値)=92mm、L2(初期値)=73mm、θd=0.13°、λ=641nm 、D=3mm である。
そして上記のL1+L2を所定範囲内で変化させて、計算値により図9(B)のグラフを作成した。
また、実験値も測定をして、目視による像の確認もおこなったが、ほぼ計算値と一致した(図9(B)グラフ中の○印プロット)。
上記の具体的実施例の計算結果によると、隙間が存在する領域d≦Wを満たす範囲は約35mmである。一方、この場合の焦点深度はガウシアンビームと仮定した場合約4mmであるので、ほぼ10倍程度、認識可能領域が広くなっている。
すなわち本実施例の光学情報読み取り装置では、上記の第1〜第3実施例の光学情報読み取り装置、或いは従来技術に係る構成の光学情報読み取り装置において、所定範囲内で上記の(式3)が成立するように構成したので、所定範囲内で光学情報読み取り装置と光記録媒体との距離が変動しても、特別な焦点合わせ機構を設けずとも正しく情報を読み取ることが可能となり、低コストの光学情報読み取り装置を提供することが出来る。
【0058】
上記に詳細に説明した各実施例によれば、以下のような従来に無い効果が発揮される。
まず、光学情報読取装置1aの表示窓1fのほぼ真下にCGH(1e)が位置するように決められた回折角に対し、反転ミラー1pをCGH(1e)と表示窓1fとの間に配置したので、再生したいCGH(1e)に対して読み取り装置1aの位置を容易に合わせることが出来る効果を奏する。
【0059】
また反転ミラー1pを奇数個にすることで、例えばペン型のレーザーポインター4aで再生方法を共通化することが可能となり、CGHの用途が広がる。
CGHと光学情報読み取り装置の間に、透明な保護ケース等がある場合でも
保護ケース上面の照射光の反射を遮る遮光板を設けたので、表示窓の画像情報に影響を与えることがない。
さらにCGHと保護ケースの間隔が多少変動した場合でも、特別な焦点合わせ機構なしでもピントのあった良好な画像を得られるので、安価な光学情報読み取り装置を提供できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、光透過性の保護ケース表面で反射された単色光の不要光が表示部に到達するのを遮る遮光板を備えているので、良好な再生像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る第1の実施例である光学情報読み取り装置の透過斜視図である。
【図2】 図1の装置と光記録媒体の断面図である。
【図3】 図1の光学情報読み取り装置の光学配置図である。
【図4】 光記録媒体の簡易的な画像再生方法を説明する模式図である。
【図5】 図3の光学配置図において保護ケースに光記録媒体が収納された構成における光学配置図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る第2の実施例である光学情報読み取り装置の光学配置図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る第3の実施例である光学情報読み取り装置の要部断面図である。
【図8】 一般的な光学情報読み取り装置における回折像の再生の原理を説明するための図である。
【図9】 光学情報読み取り装置とCGHとの距離が変化したときのスポット径とスポット中心間隔との変化を示す平面図及びグラフである。
【図10】 従来技術に係る光記録媒体及び光記録媒体の読み取り装置の断面図である。
【図11】 従来技術に係る光記録媒体及び光記録媒体の読み取り装置の断面図である。
【図12】 図11の要部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1a 光学情報読み取り装置
1b キャッシュカード、クレジットカード(光記録媒体)
1c 単色光
1d、6d 回折光
1e CGH、ホログラムパターン(情報記録部)
1f、6f 表示窓(スクリーン手段)
1g 発光部(照射手段)
1p 回折光反転ミラー(反射手段)
6m ケース上面の反射光(不要光)
d スポット像(スポット光)の径
W 隣接する各スポット像(スポット光)の中心間隔
Claims (1)
- 光記録媒体に形成されたホログラムパターンからなる反射型の情報記録部に単色光を照射し、反射して得られる再生像を表示部に表示させて前記光記録媒体の真贋判別を行う光学情報読み取り装置において、
前記光記録媒体を収納する光透過性の保護ケースと、
前記単色光を出射する発光部と、
前記光透過性の保護ケースの外部にあって、前記単色光が前記光透過性の保護ケースを介して前記光透過性の保護ケース内に収納されている前記光記録媒体を照射するように、前記単色光を反射する単色反射ミラーと、
前記光透過性の保護ケースの外部にあって、前記反射型の情報記録部を照射し、前記反射型の情報記録部で反射されて得られる前記再生像を前記表示窓に表示させる回折光反転ミラー部と、
前記光透過性の保護ケース表面で反射された単色光の不要光が前記表示部に到達するのを遮る遮光板と、
を備えたことを特徴とする光学情報読み取り装置。
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