JP3306692B2 - 孔版式製版印刷装置 - Google Patents

孔版式製版印刷装置

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JP3306692B2
JP3306692B2 JP20750994A JP20750994A JP3306692B2 JP 3306692 B2 JP3306692 B2 JP 3306692B2 JP 20750994 A JP20750994 A JP 20750994A JP 20750994 A JP20750994 A JP 20750994A JP 3306692 B2 JP3306692 B2 JP 3306692B2
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Ricoh Co Ltd
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製版・印刷一体型の孔
版式製版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の孔版式印刷装置の製版部及び給版
部では、熱可塑性樹脂フィルムに多孔質可撓性の支持体
として和紙等を貼り合わせた孔版マスタが、ロール状に
形成された給版ロールから供給され、その孔版マスタが
プラテンローラでサーマルヘッドに押し付けられながら
搬送されることで感熱穿孔製版が行われ、さらに搬送ロ
ーラによって搬送され、製版の終了した時点でカッタユ
ニットにより切断されて、一版毎にマスタの先端が印刷
ドラムのクランパで挾持されて印刷ドラムの外周に巻き
付けられるようになっていた。ところが、最近では、印
刷画質の向上や版そのもののコストを下げるために実質
的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成るマスタ(以下、
単に「マスタ」という)が用いられるようになりつつあ
る。このようなマスタは、それ自体の腰が弱いため、マ
スタ自体の腰の強さを利用して給版・搬送する従来方式
の採用は困難となった。
【0003】このような不具合を解決するものとして、
例えば特公平5−70595号公報に示されているよう
に、孔版原紙(マスタ)がその外周に巻装された版胴
(印刷ドラム)と、該版胴の周壁部(支持円筒体)の外
周に近接して配設され、該周壁部に対し相対的に回動し
得る着排版ユニット(給版ユニット及び排版ユニット)
とを有し、該着排版ユニットは、少なくとも、孔版原紙
の一端がロール状に巻回されて収納されている原紙供給
部(給版ロールの給版ロール軸を支持している給版ロー
ル軸支持手段)と、原紙供給部からの孔版原紙の他端を
巻き取り収容する排版巻取部(排版ロールの排版ロール
軸を支持している排版ロール軸支持手段)と、孔版原紙
を製版する穿孔製版手段(製版手段)とを具備する技術
が有効であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術においては、一度印刷に使用された使用済マスタに
は、インキが付着しているため、その使用済マスタを巻
取るときにそのインキも一緒に巻取ってしまう。その一
緒に巻取られたインキは、巻取るときの張力や経時変化
などにより、巻取られた使用済マスタの両端部から滲み
出てくる。こうして滲み出たインキは排版ロール軸上に
残り、そのまま放置した場合には、そのインキが漏れて
印刷ドラム上などに滴下し印刷物に汚れが発生したり、
あるいは印刷等により印刷ドラムが回転している場合に
は、インキが、印刷装置等の周辺に飛び散って上記汚れ
を発生させる他に印刷装置周辺の機構部分に付着して装
置故障の原因となってしまう問題点がある。
【0005】したがって、かかる問題点を解決するため
に、本発明は、排版ロール軸上に滲み出たインキが、漏
れて印刷ドラム上などに滴下したり、印刷装置の周辺に
飛び散ってしまうことのない孔版式製版印刷装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、外周面に孔版用のマス
タが巻き付けられ回転中心軸の周りに回転する印刷ドラ
ムと、上記印刷ドラムの内周面にインキを供給するイン
キ供給手段と、上記マスタの一端が給版ロール軸の周り
に巻き付けられ該マスタを上記印刷ドラムに供給する給
版ロールの上記給版ロール軸を支持する給版ロール軸支
持手段と、上記マスタを製版する製版手段と、上記マス
タの他端が排版ロール軸の周りに巻き付けられ使用済マ
スタを上記印刷ドラムから巻き取る排版ロールの上記排
版ロール軸を支持する排版ロール軸支持手段と、上記回
転中心軸の周りに上記印刷ドラムに対して回動自在であ
り、上記給版ロール軸支持手段及び上記排版ロール軸支
持手段を有する給排版ユニットとを具備する孔版式製版
印刷装置であって、上記使用済マスタを上記排版ロール
に巻き取るための巻取開口部を備え、該巻取開口部を除
き、上記排版ロールを実質的に密閉する排版ロール収納
器を有し、上記排版ロールから滲み出たインキを吸収す
るインキ吸収部材を、上記排版ロール収納器の内側に配
設したことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版式製版印刷装置において、上記インキ吸収部材を、上
記排版ロール端部近傍の上記排版ロール軸を支持する上
記排版ロール収納器の側壁に設けたことを特徴としてい
る。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2記載の孔
版式製版印刷装置において、上記インキ吸収部材が多孔
質構造を有し、その多孔質の孔径が、上記排版ロール軸
の支持部から遠ざかるほど大きいことを特徴としてい
る。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
何れか1つに記載の孔版式製版印刷装置において、上記
排版ロール軸支持手段が印刷装置本体側に対してホーム
ポジションを占めた状態のときの、上記排版ロール収納
器の底壁部が、上記給排版ユニットが印刷時に回転され
る回転方向の下流側からその上流側へ向かって低く傾斜
して配置されており、その基端部が上記底壁部の最上流
側で上方へ向かって延びて形成された上流側周壁部に設
けられ、その先端部が上記排版ロール収納器の内方であ
って上記基端部から上記下流側に向かって低く傾斜して
延出したインキガイド部材を有し、かつ、上記インキガ
イド部材を、上記排版ロール軸方向における上記排版ロ
ールの略中央部の外周面よりその遠心方向へ離隔した部
位から上記排版ロール両端部近傍の上記排版ロール軸に
近づく方向に略V字状に傾斜させて上記上流側周壁部に
設けたことを特徴としている。
【0010】なお、上記排版ロールを実質的に密閉する
排版ロール収納器とは、請求項1乃至4記載の発明にお
いては、使用済マスタの巻き取り部分の両端から排版ロ
ール軸上に滲み出て滴下するインキが、あるいは、印刷
時に印刷ドラム及び給排版ユニットと共に排版ロール収
納器が回転されたときに排版ロール収納器内に飛び散る
インキが、排版ロール収納器以外のインキ吸収部材やイ
ンキガイド部材等の手段で吸収されたり集められたりす
るので、排版ロール収納器の巻取開口部を除く全ての部
位を略密閉すればよい構成も含む。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、排版ロールに巻
き取るために必要な巻取開口部を除き、排版ロールを実
質的に密閉する排版ロール収納器を有することにより、
使用済マスタの巻き取り部分の両端から排版ロール軸上
に滲み出て滴下するインキが排版ロール収納器内に収納
されると共に、印刷時等に印刷ドラム及び給排版ユニッ
トと一緒に排版ロール収納器が回転されたときにも、上
記インキが印刷装置等の周辺部へ飛散しないし、さら
に、排版ロール収納器内に収納されたインキが、排版ロ
ール収納器の内側に配設されたインキ吸収部材で吸収さ
れるので、排版ロール収納器内に収納されたインキがよ
り確実に保持される。
【0012】請求項2記載の発明によれば、使用済マス
タの巻き取り部分の両端から排版ロールの軸上に滲み出
たインキが、排版ロールの両端部に一番近い、排版ロー
ル端部近傍の排版ロール軸を支持する排版ロール収納器
の側壁に設けられたインキ吸収部材で迅速、かつ、確実
に吸収される。
【0013】請求項3記載の発明によれば、インキ吸収
部材が多孔質構造を有し、その多孔質の孔径が、排版ロ
ール軸の支持部から遠ざかるほど大きいことにより、さ
らに、使用済マスタの巻き取り部分の両端から排版ロー
ルの軸上に滲み出たインキが、インキ吸収部材の多孔質
の孔径の大きい方へ順次浸透しつつ拡散されていく。
【0014】請求項4記載の発明によれば、始めに各イ
ンキ吸収部材で吸収されなかった上記インキが、あるい
は各インキ吸収部材で吸収され得ない過剰の上記インキ
が、排版ロール軸支持手段が印刷装置本体側に対してホ
ームポジションを占めた静止状態において、排版ロール
収納器の底壁部の上流側へ集められる。そして、印刷時
に、印刷ドラム及び給排版ユニットと共に排版ロール収
納器が回転されると、排版ロール収納器の底壁部の上流
側へ集められたインキは、遠心力の働きにより、上流側
周壁部を伝いながらインキガイド部材の基端部に集めら
れ、さらにインキガイド部材の中央部から排版ロール軸
における排版ロール両端部近傍へとインキガイド部材に
沿って導かれて集められ、集められたインキが排版ロー
ル両端部近傍に配設されたインキ吸収部材で確実に吸収
される。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。図1乃至図19を参照して、一実施例
について詳述する。図1は、該実施例を示す孔版式製版
印刷装置の要部構成図であり、まず、この要部構成につ
いて説明する。
【0016】図1において、符号300は孔版式製版印
刷装置を示す。符号301は孔版式製版印刷装置300
の所定位置に配設されたフレームを示す。この孔版式製
版印刷装置300は、フレーム301に支持されていて
外周面に孔版用のマスタ1が巻き付けられ回転中心軸6
の周りに回転する印刷ドラム5と、印刷ドラム5の内周
面にインキを供給するインキ供給手段60と、マスタ1
の一端が給版ロール軸としての芯管2sの周りに巻き付
けられマスタ1を印刷ドラム5に供給する給版ロール2
の芯管2sを支持する給版ロール軸支持手段175と、
回転中心軸6の周りに印刷ドラム5に対して回動自在で
あり、給版ロール軸支持手段175を有する給版ユニッ
ト170と、孔版式製版印刷装置300の本体側(以
下、単に「印刷装置本体側」という)に支持された、マ
スタ1を製版する製版手段としてのサーマルヘッド4
と、給版ロール軸支持手段175の近傍に配設され製版
時にマスタ1をサーマルヘッド4に押し付けながらマス
タ搬送方向に搬送するプラテンローラ3と、マスタ1の
他端が排版ロール軸としての巻取軸9の周りに巻き付け
られ使用済マスタ1bを印刷ドラム5から巻き取る排版
ロール10の巻取軸9を支持する排版ロール軸支持手段
185と、回転中心軸6の周りに印刷ドラム5及び給版
ユニット170に対して回動自在であり、排版ロール軸
支持手段185を有する排版ユニット180と、使用済
マスタ1bを排版ロール10に巻き取るための巻取開口
部69(図16参照)を備え、該巻取開口部を除き、排
版ロール10を密閉する排版ロール収納器65とから主
に構成されている。
【0017】給版ユニット170は、給版ロール軸支持
手段175、給版ロール2、プラテンローラ3、後述す
る、給版アーム対7a,7b、バランサウェイト62A
及び給版用摩擦クラッチ15から主に構成される。
【0018】排版ユニット180は、排版ロール軸支持
手段185、排版ロール10、排版ロール収納器65、
後述する、排版アーム対8a,8b、排版ロール用歯車
51、バランサウェイト62B及び排版用摩擦クラッチ
16から主に構成される。
【0019】なお、印刷ドラム5、給版ユニット17
0、排版ユニット180及びインキ供給手段60がドラ
ムユニット220を構成していて、ドラムユニット22
0は印刷装置本体側からフレーム301を介して図示し
ない脱着機構によって着脱自在となっている(図2参
照)。
【0020】以下、印刷ドラム5周りの構成、インキ供
給手段60、給版ユニット170の各構成要素、排版ユ
ニット180の各構成要素、サーマルヘッド4周りの構
成等について説明する。
【0021】図3において、印刷ドラム5の外周には、
その両側縁部及び繋ぎ目を除く略全周にわたりインキ通
過性の多数の微細な開孔部5hが形成された支持円筒体
5aが設けられていて、この支持円筒体5aの外周面上
に0.1mm厚のインキ通過性のメッシュスクリーン5
bが巻かれている。したがって、支持円筒体5aの略全
周において、印刷ドラム5の内部に配設されたインキ供
給手段60からその内周面に供給されるインキが通過可
能となっている。
【0022】図2及び図3において、支持円筒体5a及
びメッシュスクリーン5bの両側端部は、これらの両側
端部を挾んで配設された円板状のドラムフランジ部12
a,12bの外周部に取り付けられている。各ドラムフ
ランジ部12a,12bの中央基部にはドラム軸13
a,13bがそれぞれ一体的に形成されていて、印刷ド
ラム5は、軸受14を介して回転中心軸6に回動可能に
支持されている。印刷ドラム5は、後述するドラム駆動
手段230により、図1に示す矢印A方向及び矢印B方
向に回転駆動される。
【0023】両ドラム軸13a,13b上には、印刷ド
ラム5を挟んでその内側に一対の給版アーム7a,7b
(以下、「給版アーム対7a,7b」というときがあ
る)が、その外側に一対の排版アーム8a,8b(以
下、「排版アーム対8a,8b」というときがある)が
それぞれ図示しない軸受を介して回転中心軸6に対して
回動自在に支持されている。各給版アーム7a,7bの
基部は給版用摩擦クラッチ15を介してドラム軸13
a,13bに、各排版アーム8a,8bの基部は排版用
摩擦クラッチ16を介してドラム軸13a,13bにそ
れぞれ連結されている。給版用摩擦クラッチ15は、後
述するように、マスタ初期セット時及び印刷時に、給版
アーム7a,7bとドラム軸13a,13bとを接続し
て一体的に回動させ、一方、製版及び排版時に給版アー
ム7a,7bとドラム軸13a,13bとの接続を断つ
ようにそれぞれ設定されている。排版用摩擦クラッチ1
6は、後述するように、印刷時に、排版アーム8a,8
bとドラム軸13a,13bとを接続して一体的に回動
させ、一方、マスタ初期セット時並びに製版及び排版時
に排版アーム8a,8bとドラム軸13a,13bとの
接続を断つようにそれぞれ設定されている。給版用摩擦
クラッチ15及び排版用摩擦クラッチ16は、ジャム時
の手操作処置のために手動で外れるようになっている。
【0024】図2に示すように、ドラム軸13bの一端
側にはドラム歯車17が一体形成されている。ドラム歯
車17の外側には、印刷装置本体側の図示しない側板に
固設されドラム駆動軸18の一端に連結された駆動モー
タMが配設されている。ドラム駆動軸18の他端には、
ドラムユニット220装着時にドラム歯車17と噛合す
る歯部が形成された駆動歯車19が固設されている。上
記のとおり、ドラム駆動手段230は、駆動モータM、
ドラム駆動軸18及び駆動歯車19から構成される。な
お、ドラム駆動手段230は図2のみに示す。
【0025】図3において、各給版アーム7a,7b及
び各排版アーム8a,8bの基部側には、図1及び図4
に示すホームポジション(以下、「定位置」あるいは
「給版位置」というときがある)状態における各給版ア
ーム7a,7b及び各排版アーム8a,8bに対して回
転中心軸6を介して対称位置に、回転バランスを保持す
るための、比重大の材料から成るバランサウエィト62
a,62Bが固設されている。バランサウエィト62
a,62Bは、給版アーム対7a,7b及び排版アーム
対8a,8bが回転した場合に他の部品に干渉しないよ
うにそれぞれ配置されている。バランサウエィト62
a,62Bは、側面視において略扇状を成し、回転中心
軸6に対する給版ユニット170及び排版ユニット18
0の回転モーメント成分と釣り合うようにその大きさ及
び重量が設定されている。後述するように、印刷工程に
おいて、印刷ドラム5、給版ユニット170及び排版ユ
ニット180は、一体となって高速で回転する。このと
き、上記のように、バランサウエィト62a,62Bが
設けられているため、これらの一体化した物体の全体と
しては、回転バランスが良くなって回転時の負荷変動が
小さくなるので、より安定した高速印刷を行なえる。な
お、バランサウエィト62a,62Bは、図3のみに図
示し、その他の図面においてはその図示の簡明化を図る
ため省略している。また、この実施例においてホームポ
ジション(給版位置)とは、排版アーム対8a,8bの
自由端部が回転中心軸6における鉛直面の略真上の位置
を占めた状態、すなわち図において回転中心軸6上に略
直立した位置をいう。
【0026】各給版アーム7a,7bの自由端部の間に
は、各アームを連結して剛性を保持するための図示しな
い連結部材が他の部品に干渉しないようにそれぞれ橋架
されている。
【0027】図1において、インキ供給手段60は、印
刷ドラム5の内部に配設され印刷ドラム5の内周面、す
なわち支持円筒体5aの内周面にインキを供給するイン
キローラ20と、インキローラ20と微小間隙を置いて
平行に配置されていて、インキローラ20との間にイン
キ溜り21を形成するドクタローラ22と、印刷ドラム
5の回転中心軸6を兼ねると共にインキ溜り21へイン
キを供給するインキ供給パイプ6とから主に構成されて
いる。
【0028】インキローラ20に対向する印刷ドラム5
の外周面下方の近傍には、軸11sの周りに押圧手段と
してのプレスローラ11が回転可能に設けられている。
軸11sはその両軸端に配置された一対のアーム23,
23に支持されていて、これらのアーム23,23は印
刷装置本体側の図示しない側板に取り付けられた軸23
sの周りに揺動可能に支持されている。プレスローラ1
1は、印刷時に印刷ドラム5に印刷用紙Pを介して圧接
する印刷位置と、非印刷時に未使用給版ロール2U、使
用済マスタ1bが巻取軸9に最後まで巻き取られて満杯
状態になった排版ロール10(図中仮想線で示す)及び
排版ロール収納器65等の突出部分との接触を避けるた
めに印刷ドラム5の外周面から離間した非印刷位置とを
選択的に占めるようになっている。軸23sの図におい
て左側近傍には、図示しない用紙搬送手段によってその
上流側より給送される印刷用紙Pを印刷ドラム5とプレ
スローラ11との間に搬送する上下一対のフィードロー
ラ対24a,24bが配設されている。フィードローラ
対24a,24bのニップ部の上方及び下方には、印刷
ドラム5とプレスローラ11との間に印刷用紙Pを案内
するための上下一対のガイド板25a,25bが配置さ
れている。
【0029】図1、図2及び図4において、マスタ1
は、非常に薄い3μm厚の実質的に熱可塑性樹脂フィル
ムのみから成り、給版ロール2の小径の芯管2sに連続
シート状に巻かれている。マスタ1のサーマルヘッド4
との当接面には帯電防止剤が塗布されている。ここで、
実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成るマスタと
は、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみから成るものの
他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を
含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの
両主面、すなわち表面及び裏面のうち少なくとも一方に
オーバーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成して
成るものを含む。
【0030】給版ロール軸支持手段175は、後述す
る、着脱溝7h及びブレーキユニット26で構成されて
いる。
【0031】給版アーム対7a,7bの自由端部には、
給版ロール2若しくは未使用給版ロール2Uを着脱する
ためのU字状の着脱溝7hがそれぞれ形成されている。
各着脱溝7hには、給版ロール2の各端部の芯管2sに
所定の制動力を負荷するブレーキユニット26がそれぞ
れ設けられていて、給版ロール2は両端部の芯管2sを
介して両ブレーキユニット26により回転可能、かつ、
着脱可能に支持されていると共に、給版アーム対7a,
7bの回動時にブレーキユニット26からその慣性によ
り外れたりしないように支持される。したがって、給版
ロール2の両端部の芯管2sには常時所定の制動力が負
荷されていて、給版ロール2から引き出されるマスタ1
には常に一定の張力が付与される。給版ロール2は、そ
の外径寸法が従来のものに比べて著しく小さくなってい
る。
【0032】給版ロール2支持部近傍の給版アーム対7
a,7bには、給版ロール2から供給されるマスタ1を
自身の周面の一部に巻き付けて搬送するプラテンローラ
3が、給版アーム対7a,7bに回転自在に支持された
軸3sに取り付けられている。プラテンローラ3は、J
IS硬度A40°の合成ゴムから成る帯電防止材料でで
きていて、回転中心軸6と平行にその軸方向に延在して
設けられている。
【0033】図8において、符号210はプラテンロー
ラ駆動手段を示す。プラテンローラ駆動手段210は、
後述する、図示しないDCモータ、板カム32、カムフ
ォロアブラケット33、引張りコイルばね34、パルス
モータ28及び歯車31から主に構成される。
【0034】図2及び図8に示すように、プラテンロー
ラ3の軸3sの一端には、歯車30が固設されている。
印刷装置本体側の側板(図示せず)には、回転駆動軸3
2sに連結されたDCモータ(図示せず)が設けられて
いて、この回転駆動軸32sに板カム32が取り付けら
れている。また、印刷装置本体側におけるカム32の近
傍には、カム32の輪郭周面に接触して転動するローラ
33a付きのカムフォロアブラケット33が配設されて
いる。
【0035】カムフォロアブラケット33は、3角形状
の板に腕が突出した形状をなし、その3角状部の一端が
ローラ33aの取付部を形成していて、その基端が軸3
3sで上記側板に枢着されている。また、カムフォロア
ブラケット33の突出した腕状の自由端は、上記側板に
係止された引張りコイルばね34により図において反時
計回り方向の回動習性が与えられている。また、カムフ
ォロアブラケット33の突出した腕の一側端には、その
回転駆動軸31sに固設された歯車30と後述する所定
時期に噛合する歯車31を有するパルスモータ28が取
り付けられている。
【0036】排版アーム対8a,8bは、図1及び図4
に示すホームポジション(給版位置)において、図7に
示すように、排版アーム停止手段35によって位置決め
停止されるようになっている。この排版アーム停止手段
35は、印刷装置本体側の側板39に設けられた、回転
中心軸6(図1に示す)と平行な方向に突出可能な案内
ピン36を有するプランジャ突出型のソレノイド37
と、排版アーム8aの自由端部近傍に設けられ案内ピン
36が突出して嵌合するための係止孔38とから構成さ
れている。
【0037】給版アーム対7a,7b及び排版アーム対
8a,8bは、図1及び図4に示すホームポジション
(給版位置)等において、給排版アーム接合手段40に
よって一体的に結合されるようになっている。この給排
版アーム接合手段40は、図4乃至図6に示すように、
給版アーム7bの所定位置に植設された係止ピン41
と、排版アーム8bの所定位置に軸43で枢着されてい
て、その一端部に係止ピン41と所定時期に係合する嵌
合溝45hが形成された係止レバー45と、排版アーム
8bの所定位置に固設されていて、プランジャ46pを
有しこのプランジャ46pで係止レバー45の他端部に
ピンを介して回動可能に連結されたソレノイド46と、
係止レバー45の一端部近傍と排版アーム8bの所定位
置に植設されたピン8pとの間に設けられ図において係
止レバー45の嵌合溝45h部を反時計回り方向に付勢
する接合ばね42と、排版アーム8bの所定位置に植設
され係止レバー45の他端部を衝止するためのストッパ
ー44とから構成される。係止レバー45は、板金でで
きていて略L字状をなしている。
【0038】図1及び図4において、符号50は、製版
時にサーマルヘッド4をプラテンローラ3にマスタ1を
介して当接させる製版位置(図中仮想線で示す)と、非
製版時に製版位置から離間させる非製版位置(図中実線
で示す)とに選択的に変位させるためのサーマルヘッド
接離手段を示す。サーマルヘッド接離手段50は、後述
する、図示しないDCモータ、カム47、カムフォロア
アーム48、ばね49及びサーマルヘッド4から主に構
成される。
【0039】印刷装置本体側の図示しない側板には、板
カム47が一体的に取り付けられた駆動軸47sに連結
された図示しないDCモータが固設されている。また、
カム47の近傍には、上記側板に軸48sで枢着されて
いて、カム47の輪郭周面と接触して転動するローラ4
8a付きのカムフォロアアーム48が配設されている。
カムフォロアアーム48の基端にはローラ48aの取付
部が形成されており、その自由端にはプラテンローラ3
の軸3sと平行な方向に延在して設けられたサーマルヘ
ッド4が取り付けられている。またカムフォロアアーム
48のローラ48aの取付部と軸48sとの間には、そ
の一端が印刷装置本体側の図示しない側板に係止された
引張りコイルばね49の他端が係止されている。引張り
コイルばね49により、サーマルヘッド4には図におい
て反時計回り方向の回動習性が与えられている。サーマ
ルヘッド4は、マスタ1の副走査搬送方向と直交する方
向、すなわち、主走査方向に一列に多数の微細発熱体が
配列された周知の構成を有する。
【0040】次に、排版ユニット180側の構成要素に
ついて説明する。図2、図4、図9及び図16に示すよ
うに、巻取軸9は、丸棒状をなしていて、ポリアミド
(PA)樹脂でできている。排版ロール10は使用済マ
スタ1bをロール円状に巻き取るものであり、その巻取
軸9には、給版ロール2から繰り出されたマスタ1の他
端が予め接着されている。巻取軸9には、印刷ドラム5
の外周面にマスタ1を始めに巻装するときに、すなわち
マスタ初期セット時に用いるための、印刷ドラム5の約
1外周長に相当する分のマスタ1が予め巻き付けられて
いる。巻取軸9の一端部には、切欠き溝9aが形成され
ている。図9に示すように、巻取軸9の両端部には、排
版ロール収納器65にセットされたときにインキをシー
ルすると共に巻取軸9の軸受を兼ねる軸受シール72が
回転可能に予め装着されている。軸受シール72は、例
えば焼結合金又はプラスチックの滑り軸受でできてい
て、全輪状をなし、その外周の中央部には図示を省略し
た溝が形成されている。
【0041】図9及び図16に示すように、排版ロール
収納器65は、これにセットされる巻取軸9の軸受シー
ル72を中心として収納器下67と、この収納器下67
に開閉自在に設けられた収納器上66とに分割された直
方体状の蓋付き箱状をなしている。排版ロール収納器6
5は、ポリプロピレン(PP)樹脂でできていて、一体
的に形成されている。また収納器下67と収納器上66
との分割面は、閉じられたときに完全密閉される合わせ
構造を有している。収納器下67と収納器上66との図
における前後方向の両側壁の分割面中央部には、軸受シ
ール72を着脱自在に装着するための半輪状の突起が形
成された軸受シール着脱部72hが、それぞれ形成され
ている。図18に詳しく示すように、排版ロール収納器
65の背面壁には、いわゆるPPヒンジ73が形成され
ていて、収納器下67と収納器上66とがここを回転中
心として開閉される。一方、図17に詳しく示すよう
に、排版ロール収納器65の巻取開口部69近傍の正面
壁には、収納器下67上端部に嵌合突起71が、収納器
上66下端部に嵌合突起71と自在に嵌合可能な弾性を
有するロック爪70がそれぞれ一体形成されている。上
記のとおり、排版ロール収納器65は、収納器下67に
対して収納器上66が開閉可能になっていて、排版ロー
ル収納器65に排版ロール10の巻取軸9を着脱自在に
装着することができる構成となっている。したがって、
マスタ1を全て使い終わったときや、マスタ1がジャム
したときなどに、排版ロール収納器65から排版ロール
10をその巻取軸9ごと取り外すことができる。
【0042】図18において、符号67aは底壁部を、
符号67bは上流側周壁部をそれぞれ示す。排版ロール
10両端部近傍の底壁部67aには、取付板68に着脱
自在に取り付けるための、U溝76が形成された着脱部
左74及び着脱部右75が延出されている。なお、後述
する本発明の変形例等に示す排版ロール収納器の各図に
は、説明の簡明化を図るため上記した着脱部左74及び
着脱部右75等の図示を随時省略する。
【0043】図9及び図16に示すように、各排版アー
ム対8a,8bの自由端部の間には、排版ロール収納器
65を着脱自在に取り付け、かつ、両アームの剛性を保
持するための取付板68が橋架・固設されている。取付
板68の所定部位には、U溝76に着脱自在に係合する
ための、U溝76の幅よりも大きい突起がその上端に形
成された係合突起(図示せず)が、着脱部右75の上面
を着脱自在にクランプするためのクランプ機構(図示せ
ず)がそれぞれ設けられている。
【0044】図9において、符号185は排版ロール軸
支持手段を示す。排版ロール軸支持手段185は、後述
する、ロール駆動軸52及びスライド軸53で主に構成
される。
【0045】排版アーム8aの自由端部には、パイプ材
から成り、排版ロール10の巻取軸9の切欠き溝9aと
嵌合して排版ロール10の一端を支持するための、その
軸に対して直角方向に突出した係合突起52aを有する
ロール駆動軸52が回動可能に設けられている。ロール
駆動軸52の軸端には排版ロール用歯車51が固設され
ている。一方、排版アーム8bの自由端部には、有底部
が形成されたパイプ状部材から成り、排版ロール10の
巻取軸9を緩く嵌入させて排版ロール10の他端を支持
するための、プラテンローラ3の軸3sと平行に図中L
R方向に摺動自在なスライド軸53が設けられている。
【0046】また、ロール駆動軸52及びスライド軸5
3近傍の排版アーム対8a,8bの自由端部には、ロー
ル駆動軸52及びスライド軸53が巻取方向と反対の方
向に緩むのを防止する図示しないブレーキユニットが設
けられていて、後述する、印刷ドラム5外周面上へのマ
スタ1の初期セット巻装時に緩まない程度の制動力が負
荷されている。
【0047】図4において、符号55は、排版ロール1
0の巻取軸9を回転駆動する排版ロール駆動手段を示
す。排版ロール駆動手段55は、後述する、排版巻取モ
ータ56、駆動歯車58、連結アーム59及び歯車61
で主に構成される。
【0048】印刷装置本体側の図示しない側板には、排
版巻取モータ56が固設されている。排版巻取モータ5
6には、その回転出力軸57に駆動歯車58が固設され
ている。駆動歯車58の隣には、連結アーム59によっ
て所定の間隔に保たれ軸61sの周りに回転可能に支持
されると共に駆動歯車58と常時噛合する歯車61が設
けられている。
【0049】排版ロール用歯車51と歯車61とが後述
する所定の動作時期において噛合若しくはその噛合を解
除する連結アーム59の揺動動作は、回転出力軸57、
軸61s及びロール駆動軸52との位置関係が、回転出
力軸57と軸61sとを結ぶ半直線と、ロール駆動軸5
2と軸61sとを結ぶ半直線とが略直角又はそれより大
きい鈍角になるように設定されているので、排版巻取モ
ータ56の回転駆動による駆動歯車58の回転動作だけ
で実施可能なようになされている。すなわち、後述する
製版開始時においては、排版巻取モータ56の駆動歯車
58が図中矢印B方向に回転すると、歯車の回転モーメ
ントの作用を受けて連結アーム59を介して歯車61
が、排版ロール用歯車51に接近する方向に揺動して排
版ロール用歯車51に噛み合い、排版巻取モータ56の
回転力がロール駆動軸52に伝達される。一方、製版終
了時においては、排版巻取モータ56の駆動歯車58が
図中矢印B方向と反対方向に若干逆回転されることによ
り、連結アーム59を介して歯車61が、排版ロール用
歯車51から離れる方向に揺動して排版ロール用歯車5
1との噛み合いが外れる。
【0050】次に、図1乃至図19を参照して動作を説
明する。なお、図10乃至図15において、印刷ドラム
5周りの構成要素、排版アーム停止手段35、排版ロー
ル用歯車51、ロール駆動軸52、ブレーキユニット2
6、給排版アーム接合手段40、サーマルヘッド接離手
段50及び排版ロール駆動手段55、取付板68等の詳
細な構成要素は、説明の簡明化を図るためその図示を随
時省略する。
【0051】まず、未使用給版ロール2Uを給版ユニッ
ト170にセットし、印刷ドラム5の外周面にマスタ1
を巻装給版するマスタ初期セット時について説明する。
図10において、未使用給版ロール2U及び印刷ドラム
5の約1外周長に相当する分のマスタ1が予め巻き付け
られ、かつ、軸受シール72が装着されている巻取軸9
(以下、「未使用排版ロール10U」ともいう)のセッ
ト品の取り付け(以下、「セット」という)は以下のよ
うになされる。すなわち、先ず、印刷装置本体側からド
ラムユニット220を取り外して、取付板68の所定部
位に排版ロール収納器65を取り付ける。この取り付け
は、着脱部左74のU溝76に上記係合突起を勘合さ
せ、着脱部右75の上面を上記クランプ機構により係止
させることで行われる。そして、収納器下67に対して
収納器上66を開けて、各軸受シール着脱部72hに巻
取軸9の各軸受シール72をセットする。次いで、排版
アーム8aと排版アーム8bとの間で、巻取軸9の一端
側の切欠き溝9aにロール駆動軸52の係合突起52a
を嵌合させ、また巻取軸9の他端をスライド軸53内に
嵌入させることによって、排版ロール10の巻取軸9
が、ロール駆動軸52及びスライド軸53を介して回動
可能、かつ、着脱自在に配設される。
【0052】次いで、マスタ1の先端部をプラテンロー
ラ3の外側周面上に通して、未使用給版ロール2Uをブ
レーキユニット26を介して給版アーム対7a,7bの
着脱溝7hにセットする。この後、ドラムユニット22
0をフレーム301を介して印刷装置本体側に装着す
る。このとき、印刷装置本体側に上述した各手段により
支持されている、サーマルヘッド4、プレスローラ1
1、駆動歯車31及び歯車61は、給版ユニット170
及び排版ユニット180の上記突出部分等から離間され
ているため干渉等の不具合は発生しない。そして、図1
及び図4にも示すように、排版ユニット180は、排版
アーム停止手段35(図7に示す)の作動により両図に
示すホームポジション(給版位置)において停止され
る。すなわち、図7において、ソレノイド37がオンす
ることにより、排版アーム8aの係止孔38に案内ピン
36が嵌入されて排版ユニット180が給版位置に停止
される。また、ソレノイド37がオフされることにより
その停止状態が解除される。以降の動作において、この
排版アーム停止手段35による排版ユニット180の停
止及びその解除動作の説明は随時省略する。
【0053】次いで、図示しないマスタセットキーを押
下することにより、排版ユニット180は給版位置のま
まで、ドラム駆動手段230(図2に示す)が作動す
る。すなわち、駆動モータMから供給された駆動力で、
印刷ドラム5及び給版ユニット170が一体となって矢
印A方向に緩やかに回転されて、排版ロール10の巻取
軸9と未使用給版ロール2Uとの間のマスタ1が版胴5
の外周面上に当接され、インキ付着等による摩擦力によ
り巻取軸9が図中矢印A方向に回転される。こうして、
マスタ1が巻取軸9から順次繰り出されつつ印刷ドラム
5の外周面に巻き付けられる。
【0054】このとき、排版アーム対8a,8bは排版
用摩擦クラッチ16(図2及び図3に示す)により印刷
ドラム5に対してその接続を断たれていて給版位置を占
めており、また給版アーム対7a,7bは給版用摩擦ク
ラッチ15(図2及び図3に示す)によって印刷ドラム
5と接続された状態である。給版ロール2の芯管2sに
はブレーキユニット26により、同様に巻取軸9にも上
記ブレーキユニットによりそれぞれ所定の制動力が作用
しているので、巻取軸9から引き出されたマスタ1には
所定の張力が付与され、張りを持たせた状態でシワを発
生させること無く印刷ドラム5の外周面にマスタ1を巻
き付けることができる。
【0055】次いで、図11において、給版ユニット1
70と排版ユニット180とが、給排版アーム接合手段
40によって一体的に結合される。すなわち、図4乃至
図6において、給版アーム7bが矢印A方向に給版位置
近傍にまで回転されたとき、係止ピン41と摺接案内部
45aとが摺接することにより、嵌合溝45hに係止ピ
ン41が嵌合されて給版アーム対7a,7bと排版アー
ム対8a,8bとが、一体的に結合される。ここまでが
製版前の準備工程である。また、給版アーム対7a,7
bと排版アーム対8a,8bとの結合状態を解除すると
きは、ソレノイド46がオンすることによるプランジャ
46pの吸引動作を介して、嵌合溝45h部が軸43を
中心として時計回り方向に回動され、嵌合溝45hと係
止ピン41との嵌合が解除される。
【0056】次いで、図12において、製版及び排版が
同時に行われる。図示しない製版スタートキーをオンす
ると、先ず、原稿の画像情報が原稿読取装置(共に図示
せず)で読み取られる。これと並行して、給版ユニット
170側において、サーマルヘッド4が、サーマルヘッ
ド接離手段50(図4に示す)の作動によりプラテンロ
ーラ3にマスタ1を介して当接する製版位置に変位され
る。すなわち、図4に示すように、図示しないDCモー
タの回転駆動によりカム47が回転され、その大径部と
ローラ48aとの係合状態が解除されると共に、ばね4
9の付勢力によってカムフォロアアーム48が矢印D方
向に回動し、サーマルヘッド4の発熱体部がマスタ1を
介してプラテンローラ3に押し付けられることになる。
【0057】一方、上記動作と同時に、製版は、図8に
示すように、プラテンローラ駆動手段210の作動を伴
って行われる。すなわち、図示しないDCモータの回転
駆動によりカム32が、図中矢印B方向に回転されるこ
とによって、カムフォロアブラケット33が軸33sを
中心として回動されて、歯車31が歯車30に噛合する
こととなる。このとき、パルスモータ28が回転駆動さ
れることによって、歯車30及びプラテンローラ3が図
中矢印B方向に回転されて、マスタ1が給版ロール2か
ら順次引き出されつつ搬送されると共に、図示しない原
稿読取装置から読み込まれた画像情報に応じて、サーマ
ルヘッド4の発熱体部が選択的に発熱しマスタ1の先端
から順次穿孔され製版が行われる。
【0058】この製版動作と同時に、ドラム駆動手段2
30の駆動モータMから供給される駆動力で、印刷ドラ
ム5のみが図中矢印B方向にプラテンローラ3の周速度
と同期した速度で回転されて、製版済マスタ1aが印刷
ドラム5の外周面に巻き付けられていく。このとき、排
版アーム対8a,8bの排版用摩擦クラッチ16(図3
に示す)及び給版アーム対7a,7bの給版用摩擦クラ
ッチ15(図3に示す)は、印刷ドラム5に対してその
接続を断たれている。プラテンローラ3から供給される
製版済マスタ1aに適正な張力を与えて印刷ドラム5に
巻き付けるために、印刷ドラム5の周速度がプラテンロ
ーラ3の周速度よりも僅かに速くなるように設定されて
いる。
【0059】上記製版動作と並行して、図4及び図12
に示すように、排版ユニット180側において、排版ロ
ール駆動手段55が作動することにより、上述した動作
で排版ロール用歯車51と歯車61とが噛合される。こ
の状態において、排版巻取モータ56が回転駆動される
ことにより、ロール駆動軸52を介して巻取軸9が矢印
B方向に回転され、巻取軸9の周囲に所定長さ(一版
分)の使用済マスタ1bがロール状に巻き取られてい
く。
【0060】製版終了後、図4及び図13に示すよう
に、サーマルヘッド4は、サーマルヘッド接離手段50
の作動によりマスタ1を介してプラテンローラ3から矢
印U方向に離間されて非製版位置を占める。
【0061】これと同時に、図8において、プラテンロ
ーラ駆動手段210が作動する。先ず、パルスモータ2
8の回転が停止される。次いで、上記DCモータの回転
駆動によりカム32が、図中矢印B方向にさらに回転さ
れることによってその大径部とローラ33aとの係合が
解除され、引張りコイルばね34の付勢力によりカムフ
ォロアブラケット33が軸33sを中心として反時計回
り方向に回動される。これにより、駆動歯車31と歯車
30との噛合状態が解除され、駆動歯車31が、給版ユ
ニット170及び排版ユニット180等の突出部分と干
渉しない位置を占める。
【0062】一方、上記各動作と同時に、排版ロール駆
動手段55が作動する。すなわち、排版巻取モータ56
の駆動が停止されることにより排版ロール10の回転が
停止され、次いで上述した動作で歯車61は排版ロール
用歯車51から離間されて、図4の給版位置と同じ状態
になる。
【0063】次いで、排版アーム停止手段35の作動に
より、排版ユニット180の停止状態が解除される。そ
して図13の状態から、給版ユニット170、排版ユニ
ット180及び印刷ドラム5が一体となって、すなわ
ち、排版アーム対8a,8bの排版用摩擦クラッチ16
及び給版アーム対7a,7bの給版用摩擦クラッチ15
がそれぞれ印刷ドラム5に接続された状態で図14の位
置(製版済マスタ1aの製版初頭位置)に到るまで回転
される。
【0064】図14において、印刷工程が始まり、図示
しない給紙台上に積載されている印刷用紙Pが、図示し
ない用紙搬送手段によりフィードローラ対24a,24
b(図1に示す)へ向けて送られ、さらにフィードロー
ラ対24a,24bにより印刷ドラム5の回転と同期し
た所定のタイミングで印刷ドラム5の外周面とプレスロ
ーラ11との間に送出される。そして、印刷ドラム5の
外周面から下方に離間していたプレスローラ11が、ア
ーム23(図1に示す)の揺動によって矢印Uで示す上
方に移動し、同図中の矢印B方向に回転する印刷ドラム
5の外周面に巻装された製版済マスタ1aに印刷用紙P
が押圧されることにより、製版済マスタ1aの穿孔部分
からインキが印刷用紙Pの表面に転移される。
【0065】なお、この時、インキローラ20(図1に
示す)も印刷ドラム5の回転方向と同一方向に回転し、
インキを印刷ドラム5の内周面に供給する。このように
して、印刷された印刷用紙Pは、プレスローラ11を過
ぎると、図示しない排紙剥離手段によって印刷ドラム5
の外周面から剥離され、排紙搬送手段によって排紙台
(共に図示しない)上に排紙積載される。図14の印刷
工程を経過して、図15に示すように、給版ユニット1
70及び排版ユニット180がプレスローラ11に近付
くと、プレスローラ11は給版ロール2や排版ロール1
0等の上記突出部分に干渉しないように印刷ドラム5か
ら離間される。このようにして、1枚目の試し刷り、い
わゆる版付けが終了する。
【0066】次に、図示しないテンキーにより印刷枚数
を入力し、図示しない印刷スタートキーをオンすること
により、上記した印刷、給紙、排紙の各工程が所定回数
繰り返されて印刷が行われる。このようにして、製版・
給版、排版及び印刷の各工程は、図11又は図13の状
態から再び繰り返される。
【0067】このようにして、製版・給版、排版及び印
刷の各工程の動作を繰り返していくうちに、図18及び
図19に示すように、排版時において使用済マスタ1b
に付着したインキk1が、巻き取るときの張力や経時変
化により、排版ロール10の巻取軸9に巻き取られた使
用済マスタ1bの巻取り部分の両端から次第に滲み出て
くる。このインキk1は、実験の結果、その粘性等によ
り主に巻取軸9の上下面に両図に示すように漸次溜まっ
てきて、このインキk1が所定量溜ると排版ロール収納
器65の底壁部67a内に滴下し、排版ロール収納器6
5の底壁部67a内に溜められ収納された収納インキk
2になる。こうして、給版ロール2のマスタ1を全て使
用して使用済マスタ1bとして巻取軸9に巻き取られ、
排版ロール10が使用済マスタ1bで満杯状態になる
と、その排版ロール10は排版ロール収納器65と一緒
に排版アーム対8a,8bの自由端部から取り外され
る。そして、これらの使用済みの、排版ロール10及び
排版ロール収納器65は、排版ロール収納器65ごと廃
棄され、新しいものとそれぞれ交換される。
【0068】したがって、上記実施例によれば、使用済
マスタ1bの巻き取り部分の両端から巻取軸9上下面に
滲み出て滴下した収納インキk2が、排版ロール収納器
65内に収納されると共に、印刷時に印刷ドラム5、給
版ユニット170及び排版ユニット180(以下、「給
排版ユニット」というときがある)と一緒に排版ロール
収納器65が回転されたときにも、印刷ドラム5の周辺
部へ飛散することが無くなる。それ故に、収納インキk
2が、排版ロール収納器65より漏れて印刷ドラム5上
等へ滴下し印刷物に汚れが発生したり、あるいは印刷等
により印刷ドラムが回転している場合には、収納インキ
k2が、印刷装置等の周辺に飛び散って上記汚れを発生
させる他に印刷装置周辺の機構部分に付着して装置故障
の原因となってしまうことが無くなる。また、使用済マ
スタ1bのインキが付着した排版ロール10の部位に手
を触れることがないため上記インキで手を汚さなくても
すむという利点がある。また、排版ロール10が所定の
張力をもって使用済マスタ1bを巻き取ることにより、
排版ロール10に巻き取られた使用済マスタ1bに付着
したインキが巻取軸9の外周方向に絞り出されるため、
結果的に排版ロール10の巻取径を小さくすることがで
きる利点がある。
【0069】上記実施例では、使用済マスタ1bの巻き
取り部分の両端から巻取軸9上に多量のインキk1が滲
み出たり、あるいはインキk1の性状及び経時変化等に
よりその粘性が小さくなった場合に、インキk1が、排
版ロール収納器65の内壁を伝わって特に巻取開口部6
9に流れ出したり、収納器下67と収納器上66との合
わせ目部分から滲み出して滴下したり、またこの現象に
伴って印刷時等に印刷ドラム5、給排版ユニットと共に
排版ロール収納器65が回転されたときに飛散すること
が考えられる。そこで、上記問題点を解消する目的のた
めに、変形例1を創作した。
【0070】図20及び図21に変形例1を示す。両図
において、符号80は変形例1の排版ロール収納器を示
す。この変形例1は、上記実施例の排版ロール収納器6
5に代えて、排版ロール10から滲み出たインキk1を
吸収するインキ吸収部材81が、収納器下67及び収納
器上66の内側に配設された排版ロール収納器80を有
することのみ相違する。インキ吸収部材81は、インキ
吸収性の多孔質の材質でできていて、樹脂製の発泡スポ
ンジを用いている。このインキ吸収部材81としての発
泡スポンジは、排版ロール収納器80の巻取開口部69
を除き、その内側の略全周に貼り付けられている。収納
器下67と収納器上66との開閉部位における発泡スポ
ンジは、収納器上66が開閉可能なように切断され、か
つ、これらの切断された部分が上下方向にオーバラップ
していて、収納器下67と収納器上66との合わせ目か
らの収納インキk2の滲み出しが防止されている。
【0071】変形例1の基本的な動作は、上記実施例と
同じであるためその説明を省略し、上記実施例と異なる
点のみ以下に述べる。この変形例1によれば、排版ロー
ル収納器80内に収納された収納インキk2が、さら
に、インキ吸収部材81で吸収されて吸収インキk3と
なる。したがって、上記実施例の利点に加えて、排版ロ
ール収納器80内に収納された収納インキk2がより確
実に排版ロール収納器80内に保持されるので、上記実
施例の利点が強まる。また、排版ロール10の新品との
交換時やマスタ1のジャム処理等のトラブル処理時にお
いて、排版ロール10の巻取軸9を排版ロール収納器8
0から取り外す場合に、インキk1が巻取開口部69等
より漏れるのを防ぐことができる。
【0072】なお、変形例1に使用されるインキ吸収部
材81は、排版ロール収納器65が所定の剛性を持って
いるため、それ自体は剛性を必要とせず、例えば和紙や
発泡ポリウレタンスポンジ等変形例1のものを含め、柔
らかいものを用いてもよい。特に発泡ポリウレタンスポ
ンジは、インキ吸収力に優れており、インキ吸収部材8
1として非常に有効である。
【0073】上述したように、問題となるインキk1
は、使用済マスタ1bの巻き取り部分の両端から排版ロ
ール10の巻取軸9の上下面に滲み出てくる。そこで、
巻取軸9の上下面に滲み出たインキk1をそのすぐ後に
吸収し、インキ吸収部材81を節約する目的のために、
変形例2を創作した。
【0074】図22及び図23に変形例2を示す。両図
において、符号85は変形例2の排版ロール収納器を示
す。この変形例2は、上記変形例1の排版ロール収納器
80に代えて、排版ロール収納器85を有することのみ
相違する。排版ロール収納器85は、排版ロール収納器
80に対して、排版ロール10から滲み出たインキk1
を吸収するインキ吸収部材81Aを、排版ロール10両
端部近傍の巻取軸9を回転自在に支持する一対の側壁8
6a,86bに設けたこと、軸受シール72を除去し軸
受シール部87を有することが主に相違する。
【0075】排版ロール収納器85の側壁86a,86
bの外周部を覆う4辺の周壁の厚さは、上記した収納器
上66及び収納器下67の厚さに比べ薄く形成されてい
て、これらの各端部が側壁86a,86bの外周部にイ
ンキシール性をもって貼着されている。排版ロール収納
器85は、これにセットされる巻取軸9を中心として収
納器下67Aと、この収納器下67Aに開閉自在に設け
られた収納器上66Aとに分割された直方体状の蓋付き
箱状をなしている。収納器下67Aと収納器上66Aと
の各側壁86a,86bの分割面中央部には、巻取軸9
を着脱自在に装着すると共にインキシール性を有し、か
つ、巻取軸9を回転自在に支持する軸受シール部87
が、それぞれ形成されている。この軸受シール部87
は、以下に説明するインキ吸収部材81Aの材料によ
り、軸受及びインキシール性の両機能が付与されてい
る。
【0076】インキ吸収部材81Aは、排版ロール収納
器85の強度部材としての側壁86a,86bの役割も
兼ねるため、所定の強度を有し、かつ、インキ吸収性の
多孔質材料であるポリフェニレンサルファイド(PP
S)樹脂を用いている。このインキ吸収性部材81Aに
は、材料強度をあげるためにガラス繊維が30体積%混
入されている。このガラス繊維の含有量は、大きいほど
その材料強度は上がるが、その含有量が多すぎると上記
多孔質構造の孔を塞ぐことになり、一方、その含有量が
少なすぎると材料強度的に弱くなって変形能が大きくな
ったり破損等の問題を生じる。それ故に、望ましいガラ
スの含有量は10〜40体積%であり、特に望ましくは
20〜30体積%である。インキ吸収性部材81Aとし
ては、さらに具体例をあげれば、ポリオレフィンの特殊
なパウダーを使用した、親水性樹脂多孔質機能材料であ
るサンファインAQ(商品名:旭化成工業株式会社製)
を使用できる。このサンファインAQは、その多孔質構
造による毛細管現象でインキk1及び収納インキk2を
強力に吸い上げる。
【0077】各側壁86a,86bの内壁部と排版ロー
ル10の各端部との距離は、近づくほど望ましいが、使
用済マスタ1bの巻き取りの際のマスタスキューもある
ため、これも考慮して1〜3mmとなるように配置する
のがよい。
【0078】変形例2の基本的な動作は、変形例1と同
じであるためその説明を省略し、変形例1と異なる点の
み以下に述べる。この変形例2によれば、使用済マスタ
1bの巻き取り部分の両端から巻取軸9上下面に滲み出
たインキk1が、排版ロール10両端部近傍の巻取軸9
を回転自在に支持する一対の側壁86a,86bに設け
られたインキ吸収部材81Aで、滲み出たすぐ後に迅
速、かつ、確実に吸収されるので、巻取軸9上下面に滲
み出て残留するインキk1の量を少なくすることができ
る。それ故に、インキ吸収部材81Aを効率良く、また
節約して使用することが可能となる。
【0079】以上述べたとおり、変形例2に使用される
インキ吸収部材81Aは、排版ロール収納器85の強度
部材としての側壁86a,86bの役割も兼ねるため、
上記のものに限らず、インキ吸収性であって所定の強度
及び剛性を有する、プラスチック多孔質の材料、アルミ
ニウムやマグネシウム等の金属の焼結体、あるいはケイ
素酸化物やケイ素炭化物やケイ素窒化物等を含有してな
るセラミックを用いてもよい。したがって、側壁86
a,86b以外の4辺周壁部の材質は、それほどの強度
及び剛性は必要なく、インキ非通過性の樹脂コーティン
グ等で防水処理を施した紙等であってもよく、変形例1
に比べて、インキ吸収部材81Aを効率良く、節約して
使用することが可能となり、また排版ロール収納器自体
を安価に製作できる。
【0080】変形例2において、給版ロール2における
マスタ1の使用が初期であって排版ロール径10が小さ
いときは、使用済マスタ1bの巻き取り時にその使用済
マスタ1bに掛る張力が大きいため、排版ロール10が
巻き締める力も大きくなって、使用済マスタ1bに付着
したインキが絞り出されインキk1の量が多くなる。ま
た、排版ロール径10が小さいことにより、インキ吸収
部材81Aとインキk1の接触面積も少ないため、イン
キ吸収力が落ちてしまう。そこで、インキ吸収力の低下
を防ぐ目的のために、変形例3を創作した。
【0081】図24に変形例3を示す。同図において、
符号90は変形例3の排版ロール収納器を示す。この変
形例3は、変形例2の排版ロール収納器85に代えて、
排版ロール収納器90を有することのみ相違する。排版
ロール収納器90は、排版ロール収納器85に対して、
そのインキ吸収部材81Aに代えて、多孔質構造を有し
その多孔質の孔径が、巻取軸9の支持部としての軸受シ
ール部87から遠ざかるほど大きいインキ吸収部材81
Bを有することのみ相違する。
【0082】インキ吸収部材81Bは、インキ吸収部材
81Aと同様にポリフェニレンサルファイド(PPS)
樹脂からできている。インキ吸収性部材81Bにはガラ
ス繊維が30体積%混入されている。すなわち、各側壁
86a,86bは、軸受シール部87近傍の孔径をh
1、軸受シール部87近傍から漸次放射状に遠ざかる部
位の孔径をh2、h3とすると、h3>h2>h1なる
多孔質構造を有するインキ吸収部材81Bで形成されて
いる。
【0083】変形例3の基本的な動作は、変形例2と同
じであるためその説明を省略し、変形例2と異なる点の
み以下に述べる。なお、図24を参照し、図22及び図
23の一部を借りて説明する。使用済マスタ1bの巻取
り部分の両端から滲み出たインキk1は、軸受シール部
87近傍のインキ吸収部材81Bの多孔質構造の多数の
孔内に浸透していくが、吸収インキk3はその孔径の大
きい方へ浸透しやすいので、その吸収インキk3は、孔
径の大きいh1→h2→h3へと順次浸透しつつ拡散し
ていく。したがって、変形例3によれば、変形例2の利
点に加えて、インキ吸収部材81Bのインキ吸収力を保
持しておくことができる利点がある。
【0084】なお、変形例2及び3では、側壁86a,
86b全体をインキ吸収部材81Aとしたが、これに限
定されず、例えば側壁86a,86bの内側にインキ吸
収部材81Aを貼着したものであってもよい。また、イ
ンキ吸収部材81Aが軸受シール部の機能を有さないも
のにあっては、上記実施例に準じて適宜、軸受シール7
2を配設した構造とすればよい。
【0085】上記実施例では、排版ロール収納器65の
底壁部67a内に溜った収納インキk2が、印刷時等に
印刷ドラム5、給排版ユニットと共に排版ロール収納器
65が回転されたときに、巻取開口部69から飛散する
虞がある。また、変形例1乃至3では、始めに各インキ
吸収部材81,81A,81Bで吸収されなかった収納
インキk2が、各インキ吸収部材81,81A,81B
で吸収され得ない過剰の収納インキk2が発生したよう
な場合に、上記同様に、収納インキk2が流れ出して、
巻取開口部69から飛散する虞がある。そこで、上記問
題点を解決する目的で変形例4を創作した。
【0086】図25乃至図30に変形例4を示す。同図
において、符号95は変形例4の排版ロール収納器を示
す。この変形例4は、上記実施例の排版ロール収納器6
5に代えて、排版ロール収納器95を有することのみ相
違する。排版ロール収納器95は、排版ロール収納器6
5に対して、排版ロール軸支持手段185(図1、図4
及び図9参照)が印刷装置本体側に対して図1及び図4
に示すホームポジション(給版位置)を占めた状態のと
きの、排版ロール収納器95の97が、印刷ドラム5、
給排版ユニットが印刷時に回転される図中矢印B方向の
下流側からその上流側へ向かって低く傾斜して配置され
ていること、及びその基端部96bが底壁部97の最上
流側で上方へ向かって延びて形成された上流側周壁部9
8(図25において正面壁部)に設けられ、その先端部
96aが排版ロール収納器95の内方であって基端部9
6bから下流側に向かって低く傾斜して延出したインキ
ガイド部材96であって、インキガイド部材96を、巻
取軸9方向における排版ロール10の略中央部の外周面
よりその遠心方向へ離隔した部位から排版ロール10両
端部近傍の巻取軸9に近づく方向に略V字状に傾斜させ
て上流側周壁部98に設けたことのみ相違する。
【0087】図27及び図29において、符号99は、
排版ユニット180の排版ロール軸支持手段185が図
1及び図4に示すホームポジション(給版位置)を占め
た状態のときにおいて、回転中心軸6の中心と排版ロー
ル軸支持手段185の中心とを結ぶ鉛直線を示す。ま
た、符号100は、排版ロール軸支持手段185の中心
を通る水平線を示す。これら鉛直線99及び水平線10
0が図示されたところから明確なように、ホームポジシ
ョン(給版位置)を占めた状態のときの、排版ロール収
納器95の全体が、印刷ドラム5、給排版ユニットが印
刷時に回転される図中矢印B方向の下流側からその上流
側へ向かって低く傾斜して配置されている。断面矩形状
の排版ロール収納器95を、水平線100に対してその
底壁部97が図において左下がりになるように配設され
また図27及び図29に示すように、図1及び図4に示
すホームポジション(給版位置)において、取付板68
は、排版ロール収納器95の底壁部97を着脱自在に取
り付けるべく、印刷ドラム5、給排版ユニットが印刷時
に回転される図中矢印B方向の下流側からその上流側へ
向かって低く傾斜して、排版アーム対8a,8bの間に
固設されている。換言すれば、断面矩形状の排版ロール
収納器95は、水平線100に対してその底壁部97を
含めその直方体箱状の全体が図において右下がりに傾斜
して配置されるように、図1及び図4に示すホームポジ
ション(給版位置)における排版アーム対8a,8bの
間に固設されている。
【0088】インキガイド部材96は、ポリプロピレン
(PP)でできていて、上流側周壁部98の内壁に熱融
着で貼着されている。
【0089】変形例4の基本的な動作は、上記実施例と
同じであるためその説明を省略し、上記実施例と異なる
点のみ、図1、図4、図9及び図25乃至図30を参照
して以下に述べる。図27及び図28に示すように、排
版ユニット180の排版ロール軸支持手段185(図
1、図4及び図9参照))が印刷装置本体側に対してホ
ームポジションを占めた静止状態において、排版ロール
収納器95内の底壁部97に収納され溜った収納インキ
k2が、排版ロール収納器95の底壁部97の上記上流
側へ集められる。そして、印刷時に、印刷ドラム5、給
排版ユニットと共に排版ロール収納器95が回転される
と、図29及び図30に示すように、排版ロール収納器
95の底壁部97の上記上流側へ集められた収納インキ
k2は、遠心力の働きにより、上流側周壁部98を伝い
ながらインキガイド部材96の基端部96bに形成され
た断面鋭角状のすみ肉部分に集められる。さらに、すみ
肉部分に集められた収納インキk2は、インキガイド部
材96の中央部から巻取軸9における排版ロール10両
端部近傍へとインキガイド部材96に沿って導かれて集
められるので、収納インキk2が巻取開口部69から外
へ漏れたり、飛散したりすることがより一層防止され
る。
【0090】また、この変形例4は、上記変形例1乃至
3に適用することができる。変形例4を、上記変形例1
乃至3に適用した場合には、始めに各インキ吸収部材8
1,81A,81Bで吸収されなかった収納インキk1
が、あるいは各インキ吸収部材81,81A,81Bで
吸収され得ない過剰の収納インキk1が、変形例4と同
様の動作によって排版ロール10の両端部近傍のインキ
ガイド部材96の基端部96bに集められるので、この
集められた収納インキk2が、排版ロール10両端部近
傍に配設された各インキ吸収部材81,81A,81B
で吸収される。したがって、変形例4を、上記変形例1
乃至3に適用した例によれば、上記各変形例の利点に加
えて、さらにより一層、収納インキk2が巻取開口部6
9から外へ漏れたり、飛散したりしない利点がある。
【0091】なお、変形例4に限らず、変形例4の排版
ロール収納器95に代えて、図31に示すような排版ロ
ール収納器105であってもよい(変形例5)。排版ロ
ール収納器105は、上記実施例の排版ロール収納器6
5に対して、その底壁部に代えて底壁部106と、変形
例4と略同様のインキガイド部材96とを有するもので
ある。排版ロール収納器105は、断面台形状をなして
いて、その底壁部106は、排版ロール軸支持手段18
5(図1、図4及び図9参照)が印刷装置本体側に対し
て図1及び図4に示すホームポジション(給版位置)を
占めた状態において、印刷ドラム5、給排版ユニットが
印刷時に回転される図中矢印B方向の下流側からその上
流側へ向かって低く傾斜して配置されている。変形例5
の動作は、変形例4と同じであるためその説明を省略す
る。
【0092】なお、変形例4及び5に限らず、上記実施
例及び変形例1乃至3における排版ロール収納器65,
80,85,90の上流側周壁部67bにインキガイド
部材96を付設し、かつ、図1及び図4に示すホームポ
ジション(給版位置)に代えて、給排版ユニットを図1
及び図4に示す位置から図において右側に鋭角分、例え
ば30度ほど回転変位させた位置をもってホームポジシ
ョン(給版位置)とした構成であってもよい。このよう
に構成しても変形例4及び5と同様の利点がある。
【0093】すなわち、請求項4記載の発明は、請求項
1乃至3の何れか1つに記載の孔版式製版印刷装置にお
いて、上記排版ロール軸支持手段が印刷装置本体側に対
してホームポジションを占めた状態のときの、上記排版
ロール収納器の底壁部が、上記給排版ユニットが印刷時
に回転される回転方向の下流側からその上流側へ向かっ
て低く傾斜して配置されており、その基端部が上記底壁
部の最上流側で上方へ向かって延びて形成された上流側
周壁部に設けられ、その先端部が上記排版ロール収納器
の内方であって上記基端部から上記下流側に向かって低
く傾斜して延出したインキガイド部材であって、該イン
キガイド部材を、上記排版ロール軸方向における上記排
版ロールの略中央部の外周面よりその遠心方向へ離隔し
た部位から上記排版ロール両端部近傍の上記排版ロール
軸に近づく方向に略V字状に傾斜させて上記上流側周壁
部に設けた構成であればよい。
【0094】なお、インキガイド部材は、上記のものに
限らず、例えば、図32(a)に示すように、先端部が
排版ロール収納器95、105の内方であって基端部9
6bから上記下流側に向かって低く傾斜したものであっ
て、その断面形状が略チャンネル状に折り曲げられたイ
ンキガイド部材96Aや、あるいは図32(b)に示す
ように、先端部が排版ロール収納器95、105の内方
であって基端部96bから上記下流側に向かって低く傾
斜したものであって、その断面形状が半円状にカールし
たインキガイド部材96B等であってもよい。このよう
なインキガイド部材96Aやインキガイド部材96Bで
あれば、収納インキk2をより確実に排版ロール10の
両端部近傍におけるインキガイド部材96の基端部96
bに集めることができる。
【0095】以上述べたように、上記実施例及び上記各
変形例によれば、従来の孔版印刷装置のようなマスタを
切断するカッターを不要としていることにより、たとえ
使用するマスタが非常に薄い実質的に熱可塑性樹脂フィ
ルムのみから成るものであっても、搬送上のトラブルが
発生しない。
【0096】また上記実施例及び上記各変形例によれ
ば、印刷装置本体側にプラテンローラ3に対して接離自
在な製版手段としてのサーマルヘッド4を設けたので、
重くて大きいサーマルヘッド4を印刷ドラム5と一体に
して回転させる必要がない。また、サーマルヘッド4へ
の電気的信号供給においても、特公平5−70595号
公報に記載された装置に用いられる回転式カップリング
コネクタのような高価で信頼性の低いものを使用する必
要がない。
【0097】また上記実施例等によれば、排版ロール1
0の巻取軸9を回転駆動する排版ロール駆動手段55及
びプラテンローラ3を駆動するプラテンローラ駆動手段
210を印刷装置本体側に有するので、印刷ドラム5と
一体にして印刷中に回転する必要がなく、その慣性を小
さくすることができる。
【0098】また上記実施例によれば、印刷ドラム5と
給版ユニット170と排版ユニット180とが、印刷装
置本体側に対して正しい位置関係で、かつ、互いに相対
的に動作するので、マスタ1の使用量を少なくすること
ができる。
【0099】また上記実施例によれば、給版ユニット1
70及び排版ユニット180は、マスタ1を印刷ドラム
5の外周面に巻き付けない状態で互いに隣接して印刷ド
ラム5に対して位置決めする排版アーム停止手段35及
び給排版アーム接合手段40を有しているので、給版ロ
ール2及び排版ロール10をセットで交換できる。ま
た、マスタのジャムやしわが発生した場合にも、給版ロ
ール2と排版ロール10とをセット交換可能な状態にす
ると共に、マニュアルでその修正動作をしてから再セッ
トすることで簡単にジャム処理やしわ除去を行なうこと
ができる。
【0100】なお、変形例4及び5では、インキガイド
部材96を上流側周壁部98とは別体として上流側周壁
部98に設けるとしたが、これに限らず、一体形成可能
な形状の場合には、上流側周壁部98と同一の材料で一
体成形してもよい。
【0101】また、インキガイド部材の材質は、上記の
ものに限定されず、例えばアルミニウム合金や鋼板等の
金属、非インキ通過性及び/又はインキ吸収性の下記す
る材料等であってもよい。これらの材質からなるインキ
ガイド部材を、接着、溶着、熱融着等の貼着手段で、あ
るいはビス締結等の機械的結合手段で上流側周壁部98
に取り付けてもよい。
【0102】なお、押圧手段は、上記実施例等のプレス
ローラ11に限らず、その外周部が一部切り欠かれて形
成されたもの、例えば特開平5−201115号公報に
記載されているようなプレス胴等であってもよいことは
言うまでもない。
【0103】なお、インキ供給手段は、上記実施例等の
ものに限らず、例えば、特開平5−69649号公報に
記載されているようなスキージブレード41を具備した
ものや、あるいは特開昭62−42873号公報に記載
されているような周知の手段であってもよい。
【0104】なお、排版アーム停止手段35は、上記実
施例等においては排版アーム8a側のみに設けたが、こ
れに限らず、これに付加してさらに排版アーム8b側に
設けてもよい。同様に、給排版アーム接合手段40は、
上記実施例等においては給版アーム7b側及び排版アー
ム8b側のみに設けたが、これに限らず、これに付加し
てさらに給版アーム7a側及び排版アーム8a側に設け
ても良い。また、給版用摩擦クラッチ15及び排版用摩
擦クラッチ16は、各ドラム軸13a,13bの両側に
それぞれ設けたが、これに限らず、ドラム軸13a又は
ドラム軸13bの何れか片方に設けたものであってもよ
い。
【0105】なお、上記実施例等の給版ロール軸支持手
段は、上記のものに限らず、排版ロール軸支持手段18
5と同様の構成を有するものを用いてもよい。また同様
に、上記実施例等の排版ロール軸支持手段は、上記のも
のに限らず、給版ロール軸支持手段175と同様の構成
を有するものを用いてもよい。
【0106】なお、上記実施例等ではマスタの厚さは3
μmであったが、2乃至10μmでも良好な状態で使用
できる。また上記実施例等においては、実質的に熱可塑
性樹脂フィルムのみから成るマスタを用いたが、これに
限らず、多孔質の支持体として和紙等を用いた従来の孔
版マスタ、あるいは多孔質の支持体を極めて薄くした孔
版マスタも使用できることは言うまでもない。
【0107】なお、排版ロール軸としての巻取軸の材質
は、上記のものに限らず、所定の強度及び剛性を有し、
インキ非通過性であってインキに侵されにくいものであ
れば他の樹脂、金属あるいは紙芯等であってもよく、イ
ンキ吸収性のものであればさらに好ましい。また、巻取
軸の形状は、パイプ状のものでもよい。
【0108】なお、排版ロール収納器の材質は、上記の
ものに限らず、例えば、インキが滲み出さないインキ非
通過性の他の樹脂や、内表面及び/又は外表面にインキ
非通過性の極薄い樹脂を貼着・コーティングして防水性
を高めた紙、あるいはアルミニウム合金等の金属製のも
のでもよい。要するに、排版ロール収納器の材質は、上
記実施例、変形例1乃至5等の目的、動作及び利点に適
合するような、インキが滲み出さないインキ非通過性の
ものであって、所定の強度及び剛性を有するものであれ
ばよい。
【0109】巻取軸や排版ロール収納器が、紙などの安
価な材料でできている場合には、マスタ1を使い終わっ
た後に排版ロールを排版ロール収納器ごと捨てることが
でき、またインキが付着した排版ロール部等に手を触れ
ることがないため、インキで手を汚さなくても済むとい
う利点がある。
【0110】なお、排版ロール収納器の構造は、上記実
施例等の半割り構造のものに限らず、排版ロール収納器
65の半割り構造に代えて、例えば排版ロール10の巻
取軸9を着脱自在に装着するために、巻取軸9の支持部
をU字状に切り欠いた着脱部と、この着脱部を密閉する
着脱部材とを有するものであってもよい。また排版ロー
ル収納器の形状は、上記のものに限らず、例えば両側壁
が巻取軸9の支持部を除き閉じられた円筒状のものでも
よく、要するに巻取軸9の両端部を支持すると共に、使
用済マスタ1bで満杯状態になった排版ロール10を回
転可能に、かつ、巻取開口部を除き、同排版ロール10
を実質的に密閉できるものであればよい。
【0111】なお、上記実施例等では、排版ロール10
の巻取軸9を排版ロール収納器65,80,85,9
0,95,105ごと捨てるとしたが、これに限らず、
これらの巻取軸及び排版ロール収納器をリサイクルして
も良いことは言うまでもない。
【0112】また、インキ吸収部材は、上記変形例等の
和紙、樹脂製の発泡スポンジ、ポリウレタンスポンジ、
あるいはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等
に限らず、例えば紙パルプ圧縮成形材や、インキ吸収性
の多孔質構造を有する材料、すなわちポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、疎
水性ポリマー若しくは液晶ポリマー等の多孔質機能材料
でも上記各変形例と同様に良好な結果が得られる。ま
た、インキ吸収部材として疎水性ポリマーを用いた場合
には、疎水性ポリマーで吸収されたインキの水分の大部
分が蒸発し、疎水性ポリマーに残留した油分も固まるこ
とがないので、長期にわたってそのインキ吸収容量が確
保されると共に、インキ吸収能力を維持することができ
る利点がある。
【0113】また、請求項1記載の発明において、給版
ロール軸支持手段及び排版ロール軸支持手段を有する給
排版ユニットとは、上記実施例等のもの、すなわち回転
中心軸6の周りに印刷ドラム5に対して回動自在であ
り、給版ロール軸支持手段175を有する給版ユニット
170、及び回転中心軸6の周りに印刷ドラム5及び給
版ユニット170に対して回動自在であり、排版ロール
軸支持手段185を有する排版ユニット180に限ら
ず、例えば本願出願人から既に提案されている特願平5
−275690号に記載した、給版ユニット70及び排
版ユニット80等からなる構成、あるいは特公平5−7
0595号公報に記載された着排版ユニット等をも含
み、これらに上記実施例及び変形例1乃至5等の排版ロ
ール収納器を付設し準用してもよい。
【0114】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、使用済マスタを排版ロールに巻き取るために
必要な巻取開口部を除き、排版ロールを実質的に密閉す
る排版ロール収納器を有することにより、使用済マスタ
の巻き取り部分の両端から排版ロール軸上に滲み出て滴
下するインキが排版ロール収納器内に収納されると共
に、印刷時等に印刷ドラム及び給排版ユニットと一緒に
排版ロール収納器が回転されたときにも、上記インキが
印刷装置等の周辺部へ飛散しないので、そのインキが漏
れて印刷ドラム上などに滴下し印刷物に汚れが発生した
り、そのインキが印刷装置等の周辺に飛び散って上記汚
れを発生させたり、印刷装置周辺の機構部分に付着して
装置故障の原因となってしまうことがなく、かつ、排版
ロール収納器内に収納されたインキが排版ロール収納器
の内側に配設されたインキ吸収部材で吸収されるので、
さらに、排版ロール収納器内に収納されたインキがより
確実に保持される。
【0115】請求項2記載の発明によれば、使用済マス
タの巻き取り部分の両端から排版ロールの軸上に滲み出
たインキが、排版ロールの両端部に一番近い、排版ロー
ル端部近傍の排版ロール軸を支持する排版ロール収納器
の側壁に設けられたインキ吸収部材で迅速、かつ、確実
に吸収されるので、インキ吸収部材を効率良く、また節
約して使用することができる。
【0116】請求項3記載の発明によれば、インキ吸収
部材が多孔質構造を有し、その多孔質の孔径が、排版ロ
ール軸の支持部から遠ざかるほど大きいことにより、さ
らに、使用済マスタの巻き取り部分の両端から排版ロー
ルの軸上に滲み出たインキが、インキ吸収部材の多孔質
の孔径の大きい方へ順次浸透しつつ拡散されていくの
で、上記インキ吸収部材のインキ吸収力を保持しておく
ことができる。
【0117】請求項4記載の発明によれば、始めに各イ
ンキ吸収部材で吸収されなかった上記インキが、あるい
は各インキ吸収部材で吸収され得ない過剰の上記インキ
が、上記作用によって、排版ロール軸における排版ロー
ル両端部近傍に集められ、こうして集められたインキ
を、排版ロール両端部近傍に配設されたインキ吸収部材
で確実に吸収させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版式製版印刷装置の
要部の一部断面側面図である。
【図2】図1における印刷ドラム及び給排版ユニットが
時計回り方向に約30度回転した場合の要部の平面図で
ある。
【図3】図1の給排版ユニット周りの要部の縦断面図で
ある。
【図4】サーマルヘッド接離手段及び排版ロール駆動手
段周りの構成を示す要部の側面図である。
【図5】給排版アーム接合手段の平面図である。
【図6】給排版アーム接合手段の一部断面側面図であ
る。
【図7】排版アーム停止手段周りの構成を示す一部断面
平面図である。
【図8】プラテンローラ駆動手段周りの構成を示す側断
面図である。
【図9】排版ロール軸支持手段周りの構成、排版ロール
及び巻取軸の要部を示す一部断面正面図である。
【図10】上記実施例のマスタ初期セット時の動作を示
す要部の側面図である。
【図11】上記実施例のマスタ初期セット時の動作を示
す要部の側面図である。
【図12】上記実施例の製版及び排版動作を示す要部の
側面図である。
【図13】上記実施例の製版及び排版終了時の動作を示
す要部の側面図である。
【図14】上記実施例の印刷開始時の動作を示す要部の
側面図である。
【図15】上記実施例の印刷途中の動作を示す要部の側
面図である。
【図16】上記実施例の排版ロール収納器周りの構成を
示す要部の斜視図である。
【図17】図16の排版ロール収納器のロック部を示す
要部拡大側断面図である。
【図18】上記実施例の排版ロール収納器の構成及び動
作を表わす図であって、図19のS18−S18線にお
ける側断面を表わす。
【図19】上記実施例の排版ロール収納器の構成及び動
作を表わす縦断面図である。
【図20】変形例1の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす図であって、図21のS20−S20線におけ
る側断面を表わす。
【図21】変形例1の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす縦断面図である。
【図22】変形例2の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす図であって、図23のS22−S22線におけ
る側断面を表わす。
【図23】変形例2の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす縦断面図である。
【図24】変形例3の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす図であって、図23のS24−S24線におけ
る側断面を表わす。
【図25】変形例4の排版ロール収納器の一部を破断し
て示す要部の斜視図である。
【図26】変形例4の排版ロール収納器の内部を背面側
より破断して示す要部の斜視図である。
【図27】変形例4の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす図であって、図28のS27−S27線におけ
る側断面を表わす。
【図28】変形例4の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす縦断面図である。
【図29】変形例4の排版ロール収納器の動作を表わす
図であって、図30のS29−S29線における側断面
を表わす。
【図30】変形例4の排版ロール収納器の動作を表わす
縦断面図である。
【図31】変形例5の排版ロール収納器の構成及び動作
を表わす側断面図である。
【図32】図32(a)及び図32(b)は、インキガ
イド部材の断面が異なるそれぞれ別の例を表わした要部
の断面図である。
【符号の説明】
1 孔版用のマスタ 1a 製版済マスタ 1b 使用済マスタ 2 給版ロール 2s 給版ロール軸としての芯管 2U 未使用給版ロール 3 プラテンローラ 4 製版手段としてのサーマルヘッド 5 印刷ドラム 6 回転中心軸 7a,7b 給版アーム対 8a,8b 排版アーム対 9 排版ロール軸としての巻取軸 10 排版ロール 60 インキ供給手段 65,80,85,90,95,105 排版ロール
収納器 69 巻取開口部 81,81A,81B インキ吸収部材 86a,86b 側壁 96 インキガイド部材 96a インキガイド部材の先端部 96b インキガイド部材の基端部 97 底壁部 98 上流側周壁部 170 給版ユニット 175 給版ロール軸支持手段 180 排版ユニット 185 排版ロール軸支持手段 k1 排版ロールから滲み出たインキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41L 13/04 B41F 35/02 B41L 13/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に孔版用のマスタが巻き付けられ回
    転中心軸の周りに回転する印刷ドラムと、 上記印刷ドラムの内周面にインキを供給するインキ供給
    手段と、 上記マスタの一端が給版ロール軸の周りに巻き付けられ
    該マスタを上記印刷ドラムに供給する給版ロールの上記
    給版ロール軸を支持する給版ロール軸支持手段と、 上記マスタを製版する製版手段と、 上記マスタの他端が排版ロール軸の周りに巻き付けられ
    使用済マスタを上記印刷ドラムから巻き取る排版ロール
    の上記排版ロール軸を支持する排版ロール軸支持手段
    と、 上記回転中心軸の周りに上記印刷ドラムに対して回動自
    在であり、上記給版ロール軸支持手段及び上記排版ロー
    ル軸支持手段を有する給排版ユニットとを具備する孔版
    式製版印刷装置であって、 上記使用済マスタを上記排版ロールに巻き取るための巻
    取開口部を備え、該巻取開口部を除き、上記排版ロール
    を実質的に密閉する排版ロール収納器を有し、 上記排版ロールから滲み出たインキを吸収するインキ吸
    収部材を、上記排版ロール収納器の内側に配設した こと
    を特徴とする孔版式製版印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項記載の孔版式製版印刷装置におい
    て、上記インキ吸収部材を、上記排版ロール端部近傍の上記
    排版ロール軸を支持する上記排版ロール収納器の側壁に
    設けた ことを特徴とする孔版式製版印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項記載の孔版式製版印刷装置におい
    て、上記インキ吸収部材が多孔質構造を有し、その多孔質の
    孔径が、上記排版ロール軸の支持部から遠ざかるほど大
    きい ことを特徴とする孔版式製版印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れか1つに記載の孔版
    式製版印刷装置において、上記排版ロール軸支持手段が印刷装置本体側に対してホ
    ームポジションを占めた状態のときの、上記排版ロール
    収納器の底壁部が、上記給排版ユニットが印刷時に回転
    される回転方向の下流側からその上流側へ向かって低く
    傾斜して配置されており、 その基端部が上記底壁部の最上流側で上方へ向かって延
    びて形成された上流側周壁部に設けられ、その先端部が
    上記排版ロール収納器の内方であって上記基端部から上
    記下流側に向かって低く傾斜して延出したインキガイド
    部材を有し、かつ、上記インキガイド部材を、上記排版
    ロール軸方向における上記排版ロールの略中央部の外周
    面よりその遠心方向へ離隔した部位から上記排版ロール
    両端部近傍の上記排版ロール軸に近づく方向に略V字状
    に傾斜させて上記上流側周壁部に設けた ことを特徴とす
    る孔版式製版印刷装置。
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