JP3305736B2 - 成形用金型及びその製造方法 - Google Patents

成形用金型及びその製造方法

Info

Publication number
JP3305736B2
JP3305736B2 JP30024891A JP30024891A JP3305736B2 JP 3305736 B2 JP3305736 B2 JP 3305736B2 JP 30024891 A JP30024891 A JP 30024891A JP 30024891 A JP30024891 A JP 30024891A JP 3305736 B2 JP3305736 B2 JP 3305736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molding
flow path
flow
mold base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30024891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0531725A (ja
Inventor
晃 四ッ辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COKI ENGINEERING INC.
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
COKI ENGINEERING INC.
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COKI ENGINEERING INC., Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical COKI ENGINEERING INC.
Priority to JP30024891A priority Critical patent/JP3305736B2/ja
Publication of JPH0531725A publication Critical patent/JPH0531725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3305736B2 publication Critical patent/JP3305736B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C45/7312Construction of heating or cooling fluid flow channels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C45/7312Construction of heating or cooling fluid flow channels
    • B29C2045/7325Mould cavity linings for covering fluid channels or provided therewith

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック成形など
に用いられる成形用金型及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック成形に用いられる
成形用金型は、雄型(コア型)と雌型(キャビティ型)
とからなり、これらの型面(金型の表面、成形面)又は
これらとモールドベースなどの表面とが合わさってキャ
ビティが形成される。
【0003】従来の成形用金型(雄型及び/又は雌型、
以下「金型」という)は、金属材料を母材とし、機械加
工又は放電加工などによりその表面を所定の形状の型面
となるように加工することによって製造されている。製
造された金型は、適当な取り付け板や受け板(モールド
ベース)に取り付けられ、さらにそれらがフレームやラ
ムなどに支持されることによって成形機が構成されてい
る。
【0004】金型を加熱し又は冷却するために、モール
ドベース内にヒーターが埋め込まれ、またモールドベー
スの空いた箇所に加熱用又は冷却用の媒体を流通させる
ための流路が設けられる。また、場合によっては、金型
内にも媒体流通用の流路が設けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の金型で
は、金型を加熱又は冷却するための流路を、金型に対す
る直接的な機械加工によって形成しているので、型面に
近い位置にそのような流路を形成することができず、型
面から離れた位置に少数の流路を設けるのみであった。
【0006】したがって、流路に媒体を流通させた場合
であっても、型面を所定の温度になるまで加熱し又は冷
却するには多くの時間を要することとなる。例えば、従
来の金型では、型面の温度を80°上昇させるのに、金
型が小さい場合に30分程度、金型が大きい場合に1時
間から3時間程度を必要とする。これに対して、プラス
チックの成形サイクルは一般に数秒から数十秒と言う極
めて短時間のうちに行われる。つまり成形サイクルは、
金型の加熱又は冷却時間と比較すると瞬間的であるとも
言える。
【0007】このように、従来の金型では、型面の温度
をプラスチック成形の1成形サイクル中において可変制
御することは不可能であった。そのため、成形品の形
状、大きさ、肉厚、成形圧力、温度、時間などの種々の
成形条件に多くの制約があり、これらの多くの制約の中
で成形品の品質を向上させることは極めて困難であっ
た。
【0008】本発明は、上述の問題に鑑み、型面の加熱
又は冷却を短時間で行うことができ、成形の温度が適切
となるように制御して成形品の品質の向上を図ることの
できる成形用金型及びその製造方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る成
形用金型は、上述の課題を解決するため、成形面が形成
されるべき表面に機械加工または放電加工を行うことに
よって当該表面に開口する流通溝が設けられた金型基部
と、前記金型基部の前記表面及び前記流通溝の開口部を
覆うように且つ成形面を形成するように設けられて前記
金型基部と一体化したメッキ層とを有し、前記流通溝の
開口部が前記メッキ層により覆われることによって、加
熱用又は冷却用の媒体を流通させるための流路が形成さ
れて構成される。
【0010】請求項2の発明に係る成形用金型では、前
記流路は、加熱用の媒体を流通させるための流路と冷却
用の媒体を流通させるための流路とが分けて形成され
る。請求項3の発明に係る成形用金型の製造方法は、
形面に対してメッキ代を見込んだ形状の表面を有する
型母体を作製する工程と、前記金型母体に対して、前記
表面に機械加工または放電加工を行うことによって当該
表面に開口する流通溝を形成する工程と、前記流通溝内
に、常温よりも高い比較的に低い温度で溶解する充填材
を充填する工程と、前記金型母体の前記表面及び前記流
通溝内に充填された充填材の表面に電気メッキを行って
メッキ層を形成する工程と、前記メッキ層の表面が成形
の形状となるように仕上げ加工を行う工程と、前記充
填材を熱によって溶解させて除去し、前記流通溝の部分
に加熱用又は冷却用の媒体を流通させるための流路を形
成する工程とを含んでなる。
【0011】
【作用】流路は、金型基部の表面(つまり成形面が形成
される側の面)に設けられた流通溝の開口部をメッキ層
が覆うことによって形成される。したがって、流路は
形面に極めて近い位置に形成され、流路に加熱用又は冷
却用の媒体を流通させることによって成形面は急速に加
熱又は冷却される。
【0012】流通溝は、メッキ層が形成される以前の金
型基部の表面に、機械加工または放電加工を行うことに
よって当該表面に開口するように形成されるので、所望
の形状とすることが可能である。
【0013】
【実施例】図1は本発明に係る下金型5の断面正面図、
図2は本発明に係る下金型5の断面平面図である。図1
は図2のIーI線から断面して矢印方向に見た図であ
り、図2は図1のIIーII線から断面して矢印方向に
見た図である。
【0014】下金型5は、金型基部部材12及び13か
らなる金型基部11、金型基部11の表面に設けられて
一体化したメッキ層14、チタン又はセラミック材料な
どからなる断熱部材15、及び、金属材料などからなる
補強部材16などからなっている。
【0015】金型基部部材12及び13は、鋼、黄銅、
又はアルミニウム合金などの金属材料からなり、これら
の間はエポキシ樹脂などの接着剤を介して接合され且つ
5本のボルト31によって連結されている。下方の金型
基部部材13の上面には多数の浅い溝21が設けられて
おり、溝21の中に充填された接着剤は断熱材として作
用するので、これによって金型基部部材12及び13の
間に断熱効果がもたらされている。
【0016】なお、金型基部部材12及び13の間でさ
らに効果的な断熱効果を得たい場合には、これらの間に
セラミックス材料などからなる断熱板を介在させればよ
い。また、断熱効果を得る必要がない場合には、金型基
部部材12及び13を一体で作製することも可能であ
る。
【0017】金型基部部材12の表面(上面)には、多
数の互いに平行な流通溝22が設けられており、金型基
部部材12の両端縁に近い位置には、上述のそれぞれの
流通溝22の両端部と連通する横方向の2つの互いに平
行な連通穴23,24が設けられている。また、金型基
部11には、その下面から上述の連通穴23,24にそ
れぞれ連通する上下方向の連通穴23a,24aがそれ
ぞれ2つづつ設けられている。
【0018】また、金型基部部材12の表面には、円環
状の4つのランド部25が設けられており、各ランド部
25の中央には下金型5の全体の上下方向に貫通する穴
26が設けられており、この穴26に図4に示す突出し
ピン52が挿通するようになっている。
【0019】メッキ層14は、上述の流通溝22の上方
の開口部を覆っており、これによって、加熱用及び冷却
用の媒体を流通させるための流路20が形成されてい
る。金型基部11、断熱部材15、及び補強部材16
は、これらに設けられた穴36を貫通して金型基部部材
12のネジ穴35にネジ込まれた4本のボルト32によ
って互いに連結されて固定されている。なお、断熱部材
15及び補強部材16には、連通穴23a,24aにそ
れぞれ連通する連通穴23b,c、24b,c、及びシ
ール材を装着するための環状溝などが設けられている。
【0020】次に、下金型5の製造方法について説明す
る。図3は本発明に係る下金型5の製造方法を工程毎に
示す断面図である。図3においては、断熱部材15及び
補強部材16を省略してあり、また断熱用の溝21など
も省略してある。
【0021】図3(A)に示すように、まず、金型基部
11となる金型母体11aを金属材料からなる金型母体
部材12aと金型母体部材13aによって作製する。金
型母体11aの表面(上面)は、型面(最終的にキャビ
ティを形成することとなる型の表面)に対してメッキ代
を見込んで小さい形状に形成しておく。なお、先に述べ
たように金型母体11aを一体に作製してもよい。
【0022】次に、図3(B)に示すように、金型母体
11aに対して、型面が形成されるべき表面に流通溝2
2を形成する。流通溝22は、メッキ層14の強度を低
下させないために、開口部の幅寸法はできるだけ小さい
方が好ましい。しかし、熱交換の効率を良くするために
全体としてその表面積が大きいことが好ましいので、そ
の深さ寸法は開口部の幅寸法と同じかそれよりも大きい
ことが好ましい。流通溝22の個数及び配列などは型面
の形状及び寸法などによって異なるが、できるだけ多数
形成することがよく、型面の目標温度分布に応じて配列
することがよい。例えば型面の温度を均一にするために
は中央部よりも周辺部を密にすることも可能である。流
通溝22の形状も任意の形状とすることが可能である。
また、熱伝導をさらによくするために流通溝22に超伝
導パイプを挿入することも可能である。
【0023】なお、流通溝22の形成の際に、図2に示
すランド部25を同時に形成しておく。但し穴26は後
で加工する。流通溝22の形成は、主として機械加工に
よって行われるが、放電加工などによって行うことも可
能である。
【0024】次に、図3(C)に示すように、流通溝2
2内に、常温よりも高い比較的に低い温度で溶解する低
融点金属又はワックスなどの充填材41を充填し、金型
母体11aの表面を一様にしておく。充填材41として
ワックスを用いた場合には、その表面にメッキが可能な
ように、銀粉、カーボン粉などを塗布して導電性処理を
行う。
【0025】次に、図3(D)に示すように、金型母体
11a及び充填材41の表面に電気メッキを行ってメッ
キ層14aを形成する。これによって、金型母体11a
の表面とメッキ層14aとは一体化される。メッキ材料
としては、銅、ニッケル、ニッケル合金、その他の金属
又は合金が用いられ、また銅−ニッケルとニッケルとな
どによる複合メッキとしてもよい。銅は熱伝導率が高い
ので、加熱又は冷却速度を極めて高速とするができる。
ニッケルは銅よりも熱伝導率が低いが、強度を高くする
ことができる。メッキ厚さは、メッキ材料、流通溝22
の幅寸法、及び成形圧力などによって異なり、流通溝2
2の幅寸法及び成形圧力が小さい程少なくてよい。
【0026】次に、図3(E)に示すように、メッキ層
14aの表面が型面SCの形状となるように機械加工に
よって精密に仕上げ、型面SCを有したメッキ層14と
する。必要に応じて、型面SCに硬質クロムメッキなど
を施す。
【0027】そして、図3(F)に示すように、流通溝
22に連通する連通穴23,24、連通穴23a,24
aを機械加工によって形成する。その後、連通穴23の
入口に盲栓をし、金型母体11aの全体を加熱して連通
穴23aから圧縮空気を供給し、充填材41を熱で溶解
して連通穴24a又は連通穴24から流出させ、流通溝
22内の充填材41を除去する。これによって流路20
が形成される。
【0028】これにネジ穴35を加工し、また断熱部材
15及び補強部材16を合わせて穴26などを加工する
ことによって、図1に示すように型面SCに近い表層位
置に流路20が形成された下金型5が製造される。
【0029】図4は本発明に係る成形用金型1の断面正
面図である。なお図4において、連通穴24a〜cは図
1において90度回転した状態の位置で示されている。
成形用金型1は、上述した下金型5、上金型6、これら
が取り付けられたモールドベース7,8、ガイドピン5
1、突出しピン52、突出し板53、スプルーブシュ5
4、ロケートリング55などから構成されている。
【0030】上金型6は、上述した下金型5と同様の製
造方法によって、下金型5の金型基部11、メッキ層1
4、及び断熱部材15を有した同様の構造となるように
製造され、金型基部11の型面に近い表層位置に加熱用
又は冷却用の媒体を流通させる同様の流路20(図示せ
ず)が形成されている。そして、下金型5と上金型6と
の型面SCが合わさってキャビティCBが形成されてお
り、ここにスプルーブシュ54を介して圧入された樹脂
材料が注入される。下金型5と上金型6とは、図示しな
いラムなどの移動によってパーティングラインPLから
上下に分離される。
【0031】モールドベース7,8には、下金型5及び
上金型6の流路20に連通して加熱用又は冷却用の媒体
である油を給排するための供給穴23d及び排出穴24
dが形成されている。
【0032】供給穴23d及び排出穴24dは、図示し
ない電磁切換え弁に接続されており、電磁切換え弁を切
り換えることによって、熱油又は冷油が供給穴23dか
ら供給され、連通穴23c〜a、連通穴23、流通溝2
2、連通穴24、及び連通穴24a〜cを経由して排出
穴24dから排出される。なお、供給穴23dからの油
は、2つの連通穴23a〜cに対して共通に供給され、
また、2つの連通穴24a〜cからの油は排出穴24d
で合流する。
【0033】熱油又は冷油が流通溝22を流通する間
に、型面SCを急速に加熱又は冷却する。しかも、各金
型基部11は、金型基部部材12と金型基部部材13と
からなりこれらの間が溝21によって断熱され、さらに
金型基部11は断熱部材15を介して支持されているか
ら、実質的には型面SCを含む金型基部部材12のみを
加熱又は冷却することとなり、加熱又は冷却に要する時
間が極めて短時間となり、成形サイクル中における温度
制御を行うことができるとともに、加熱又は冷却の効率
が極めて高い。
【0034】図5は本発明に係る他の実施例の下金型5
aの断面正面図である。この下金型5aは、照明用の反
射鏡(リフレクタ)の成形用のものであり、型面SCは
反射鏡の反射面に沿うような球面状の曲面に形成されて
いる。下金型5aにおいては、加熱用及び冷却用のため
に、配列された1つ置きに両端部がそれぞれ連通された
2系統の流路20a,bが設けられており、各流路20
a,bに対して連通穴45a,46aを別々に形成し、
加熱用の供給穴45と冷却用の供給穴46から別々に油
を供給するようになっている。
【0035】このような下金型5aを用いることによっ
て、型面SCを急速に加熱又は冷却することが可能であ
るから、型面SCが高温となるよう成形サイクル中にお
いて急速に昇温することによって、プラスチック成形品
の型面SCによって成形される面(反射面)を光沢面
(鏡面)とすることができる。したがって、従来におい
ては成形された無光沢面に塗料を塗布して光沢面として
いたが、そのような塗布作業の必要がなくなる。
【0036】上述の実施例において、供給穴23d及び
排出穴24dのいずれから油を供給してもよい。上述の
製造方法においては、メッキ層14を形成してから連通
穴23,24などを加工しているが、充填材41を充填
する以前に連通穴23,24などを加工しておき、その
後に充填材41を充填してメッキ層14の形成を行って
もよい。
【0037】次に、上述した実施例の下金型5aを用い
た場合と、比較例である従来の構造の下金型を用いた場
合との比較を示す。実施例として上述の図5に示す下金
型5aを次のように作製した。
【0038】すなわち、下金型5aの金型母体部材12
a,13aを、鋼材(S55C)を用いNC加工機によ
って加工して作製した。金型母体部材12aの上面に
は、幅4mm、深さ8mmの流通溝22a,bを6mm
のピッチで多数形成した。金型母体部材12aの低部
(接合面)には、断熱のために、幅10mm、深さ1m
mの溝21を多数設け、そこに漏水防止と接着のために
エポキシ樹脂を充填し、金型母体部材13aをボルト3
1で締め付けて一体化した。
【0039】次に流通溝22a,bにワックスを充填
し、その上に銀粉を塗りつけて導電化した。そして、硫
酸銅メッキ浴を用いて厚さ6mmの電気メッキを行っ
た。表面をNC加工機を用いて目的とする形状に仕上
げ、表面に10ミクロンの硬質クロムメッキを行った。
各流通溝22a,bに連通する連通穴45a,46a及
び図示しない排出側の連通穴を機械加工によって設け、
必要に応じて適当な盲栓をする。
【0040】このようにしてできたものを120°Cに
加熱してワックスを溶解させ、供給穴45,46から圧
縮空気を送り込んでワックスを除去した。これに、補強
部材16を断熱部材15を介してボルト32により取り
付け、2段階の断熱構造とした。これを図4に示すよう
なモールドベースに組み込み、さらにそれを射出成形機
に取り付けた。
【0041】下金型5aを用いて成形を行うに当たり、
1成形サイクル中において型面SCの温度制御を行っ
た。すなわち、モールドベースを常時100°Cに加熱
しておき、成形機の型締信号に基づいて図示しない電磁
切換え弁を切り換え、供給穴45から160°Cの高温
油を5キログラム/平方センチメートルの圧力で送り込
んだところ、下金型5aの型面SCは5秒で150°C
に上昇した。
【0042】この状態で、硝子繊維30パーセント入り
ナイロン成形材料を、温度240°C、圧力400キロ
グラム/平方センチメートルで充填した。成形機から充
填終了の信号を受けて電磁切換え弁を切り換え、20°
Cの冷油を5キログラム/平方センチメートルの圧力で
供給穴46から送り込んだところ、下金型5aの型面S
Cは15秒で100°Cとなった。
【0043】このようにして成形された成形品は、下金
型5aの型面SCによって成形された表面が鏡面を呈し
ていた。これに対する比較例として、下金型5aと同様
の形状ではあるが流路20a,bによる加熱又は冷却を
行わず、モールドベースに設けられた流路に油を流通さ
せて加熱又は冷却する従来の構造の下金型を別途作製
し、1成形サイクル中において温度制御を行うことな
く、下金型5aを用いた場合と同様の条件によって成形
を行った。
【0044】次に、これらの成形品の状態を示す。 実施例 比較例 ────────────────────────── 成形品光沢 光沢面 無光沢面 結晶化率 高い 低い 寸法安定性 (120°C加熱後) 0.01% 0.05% 最小材料充填圧 (Kg/平方センチメートル) 400 650 金型昇温時間 (100から150°C) 5秒 30分 このように、本実施例の下金型5aを用いた場合には、
従来の金型(下金型)を用いた場合に比較して、金型
(型面)昇温時間が極めて速いことが明らかであり、得
られる成形品の表面状態に光沢があって品質において優
れていること明らかである。
【0045】なお、従来の金型では、金型温度が120
°Cの場合には成形品の表面が無光沢であった。そこで
追加の実験としてその金型温度を150°Cとしたとこ
ろ、成形品が突出しピン52で突き出されるときに変形
し、成形不良となった。
【0046】これに対して本実施例の下金型5aでは、
成形時の金型温度は150°Cであるが、その後すぐに
120°Cまで冷却されるので、成形品の突き出しによ
る変形は全く発生しなかった。また、結晶性材料では成
形品の結晶化率を向上させることがてき、その結果とし
て、実用時の寸法変化が少なく、力学的特性も高い値を
示した。さらに、最小材料充填圧力も低いので低圧での
成形が可能であり、大型の成形品への適応も可能であ
る。
【0047】つまり、本実施例の下金型5,5aを用い
た場合には次の利点がある。 1.成形材料の金型内流動性を大幅に向上させることが
でき、大物の成形が低圧で可能となる。 2.薄肉成形品の成形が容易である。 3.成形品の光沢が大幅に改良される。 4.複合材料の光沢が大幅に改善される。 5.結晶性樹脂等の成形では材料の結晶化度を向上させ
ることができ、その結果として成形品の品質を向上させ
ることができる。 6.成形品の残留応力あるいは分子の配向が改善され
る。
【0048】このように、プラスチックの成形加工分野
で長年抱えていた多くの問題点を解決することができ
る。本発明による成形用金型は、熱可塑性プラスチック
の成形に用いる場合には、薄肉成形品の成形、鏡面光沢
品の成形、偏肉成形品の成形、難流動性成形材料の成形
などの射出成形金型に好適に使用可能である。また熱硬
化性プラスチックの成形に用いる場合には、レジンイン
ジェクション成形、FRP成形などの金型に好適に使用
可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、成形面の加熱又は冷却
を短時間で行うことができ、成形の温度が適切となるよ
うに制御して成形品の品質の向上を図ることのできる成
形用金型及びその製造方法を提供することができる。
に、流通溝を形成するに際し、金型母体の成形面が形成
されるべき側の表面に、機械加工または放電加工を行う
ので、流通溝を正確に、精密に、且つ容易に形成するこ
とができ、加熱又は冷却用の流路を細密に設計すること
ができる。また、充填材は流通溝内に充填するだけでよ
いから、充填作業を容易に短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下金型の断面正面図である。
【図2】本発明に係る下金型の断面平面図である。
【図3】本発明に係る下金型の製造方法を工程毎に示す
断面図である。
【図4】本発明に係る成形用金型の断面正面図である。
【図5】本発明に係る他の実施例の下金型の断面正面図
である。
【符号の説明】
1 成形用金型 5 下金型(成形用金型) 11 金型基部 11a 金型母体 14a メッキ層 14 メッキ層 20 流路 22 流通溝 41 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−163291(JP,A) 特開 平4−220310(JP,A) 特開 平4−224911(JP,A) 特開 平1−115610(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/04 B22C 9/06 B29C 33/38 B29C 45/26 B29C 45/73

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形面が形成されるべき表面に機械加工ま
    たは放電加工を行うことによって当該表面に開口する
    通溝が設けられた金型基部と、 前記金型基部の前記表面及び前記流通溝の開口部を覆う
    ように且つ成形面を形成するように設けられて前記金型
    基部と一体化したメッキ層とを有し、 前記流通溝の開口部が前記メッキ層により覆われること
    によって、加熱用又は冷却用の媒体を流通させるための
    流路が形成されてなることを特徴とする成形用金型。
  2. 【請求項2】前記流路は、加熱用の媒体を流通させるた
    めの流路と冷却用の媒体を流通させるための流路とが分
    けて形成されてなることを特徴とする請求項1記載の成
    形用金型。
  3. 【請求項3】成形面に対してメッキ代を見込んだ形状
    表面を有する金型母体を作製する工程と、 前記金型母体に対して、前記表面に機械加工または放電
    加工を行うことによって当該表面に開口する流通溝を形
    成する工程と、 前記流通溝内に、常温よりも高い比較的に低い温度で溶
    解する充填材を充填する工程と、 前記金型母体の前記表面及び前記流通溝内に充填された
    充填材の表面に電気メッキを行ってメッキ層を形成する
    工程と、 前記メッキ層の表面が成形面の形状となるように仕上げ
    加工を行う工程と、 前記充填材を熱によって溶解させて除去し、前記流通溝
    の部分に加熱用又は冷却用の媒体を流通させるための流
    路を形成する工程とを含んでなることを特徴とする成形
    用金型の製造方法。
JP30024891A 1991-03-03 1991-11-15 成形用金型及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3305736B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30024891A JP3305736B2 (ja) 1991-03-03 1991-11-15 成形用金型及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-120706 1991-03-03
JP12070691 1991-03-03
JP30024891A JP3305736B2 (ja) 1991-03-03 1991-11-15 成形用金型及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0531725A JPH0531725A (ja) 1993-02-09
JP3305736B2 true JP3305736B2 (ja) 2002-07-24

Family

ID=26458235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30024891A Expired - Fee Related JP3305736B2 (ja) 1991-03-03 1991-11-15 成形用金型及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3305736B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0909626A3 (en) * 1997-10-17 2000-02-02 TOHOKU MUNEKATA Co., Ltd. Method and apparatus for injection moulding plastics
DE102004018994A1 (de) * 2004-04-20 2005-11-17 Mtu Aero Engines Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Wabendichtung
EP1950020B1 (en) * 2005-09-21 2013-08-28 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Mold, mold temperature regulation method, mold temperature regulation device, injection molding method, injection molding machine
JP2014205318A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 株式会社イケックス工業 金型の製造方法及び金型
KR102130735B1 (ko) 2014-09-03 2020-07-06 삼성전자주식회사 디스플레이장치
JP6475446B2 (ja) * 2014-09-12 2019-02-27 株式会社イケックス工業 金型の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0531725A (ja) 1993-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW322445B (ja)
EP0264725B1 (en) Dual feed bushing for multi-cavity injection molding
US20060115551A1 (en) Injection-mold pin
CA2565933A1 (en) Cooling circuit for cooling neck rings of preforms
JPH0457175B2 (ja)
TWI246456B (en) A gate cooling structure in a molding stack
JP3305736B2 (ja) 成形用金型及びその製造方法
JPH0626831B2 (ja) 高温面上での成形用の多層複合体金型構造物
EP0855261B1 (en) Injection molding apparatus with cooled core
JPS62117716A (ja) 金型およびその温度制御方法
JP2002537151A (ja) 型及び型作製方法
US5935621A (en) Injection molding apparatus having a cooled core
JPH1029215A (ja) プラスチック製品成形用金型及びこの金型の製法
JP3058613B2 (ja) プラスチック製品成形用金型
JP3255679B2 (ja) 成形用金型およびインモールド転写板の製造方法
USRE38265E1 (en) Injection molding apparatus having a cooled core
JP2002283355A (ja) 樹脂成形金型
US8403659B2 (en) Mold tooling with integrated thermal management fluid channels and method
JP2828161B2 (ja) プラスチック成形装置
JP4508825B2 (ja) インサート成形金型及びインサート成形品の製造方法並びにインサート成形品
JP3552593B2 (ja) 金属一体樹脂成形法
KR100815792B1 (ko) 예비성형물을 냉각하기 위한 장치, 냉각 팩 부착물 및 네크 링 삽입체
CN218985669U (zh) 一种模具顶针快速散热结构
CN211251240U (zh) 一种用于生产微断开关滑块件的模具设备
CN113182440B (zh) 一种用于间接热成型的叠层式水冷模具

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080510

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110510

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees