JP3305356B2 - フェニルアセトニトリルをα−塩素化する方法 - Google Patents

フェニルアセトニトリルをα−塩素化する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェニルアセトニトリ
ルを塩素化剤としての塩化スルフリル又は塩素ガスと接
触させる方法で、フェニルアセトニトリルをα−塩素化
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような方法は、Zhur.Obschei Khi
m.28、771(1948)から公知である。ここに
記載の方法は、1日の反応後に、供給されたニトリルの
量に対して80.3%の変化率の度合をもたらす。米国
特許(US−A)第3880972号も、この文献に関
連し、β−ニトリル−、β,β−ジフルオロエチルアミ
ンの製造と関連しており、これは、塩化ベンジルを中間
段階としての、塩化スルフリルを用いる塩素化により
α,α−ジクロロフェニル−アセトニトリルにすること
を包含する。
【0003】この方法の欠点は、それ自体も予測できな
い誘導時間の後にまで、この塩素化は開始せず、一旦反
応が開始すると、それは、まず、激しく進行して不所望
の多量のガスを形成する。それにもかかわらず、高度の
変換率を得るためには、長い反応時間を必要とする。反
応成分が全て反応器中に導入されるので、一旦反応が開
始すると、反応速度を低下させることはできず、激しく
進行しすぎて、これが安全性の理由から、大規模にこの
反応を実施することを困難にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
化反応が予測可能な様に開始し、この反応の進行及び速
度を制御できる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】これは、本発明により、
フェニルアセトニトリルを一定量の強酸の存在で、適当
な塩素化剤と接触させることにより、達成される。
【0006】芳香族化合物の塩素化の概観は、例えば、
J.S.PizeyのSynthetic Reagents、第4巻336−3
96頁(1981)に示されている。塩素化スルフリル
の影響下における芳香族化合物の側鎖塩素化は、通例、
ラジカル機構を経て進行し、(UV)光及びラジカル開
始剤例えば過酸化物により促進される。例えば、過酸化
物の不存在下で、トルエンの側鎖塩素化(これはフェニ
ルアセトニトリルと比較可能な反応である)が、塩化ス
ルフリルの影響下では行なわれないことが知られてい
る。例えば過酸化ベンゾイルの添加の後にのみこの反応
は起こる。更に、芳香族シアン化物の側鎖塩素化がおそ
らくラジカルメカニズムで行なわれる事実を示している
徴候は、文献に記載のように、Cl2ガスを用いるシア
ン化ベンジルの光塩素化によりシアン化α−モノクロロ
−ベンジルを生じることである(Chem.Zentrallblatt
(1927)II、45)。他方、芳香族化合物の核塩
素化は、無機的メカニズムを経て行なわれ、この塩素化
は、例えば、ルイス酸(例えばAlCl3及びFeC
3)により触媒作用される。更に、同じ概観は、塩化
スルフリルを用いては、アルキルニトリルの塩素化が有
効に実施できないことを示している。アセトニトリル及
びクロロアセトニトリルは、室温で24時間後には当量
の塩化スルフリルとは反応しないことも公知である(Wi
jman D.P.Kaufman P.R.Freeman W.R.;J.Or
g.Chem.29、2706(1964))。
【0007】ところで、塩化スルフリルを用いる、シア
ン化ベンジルの塩素化時のラジカル開始剤の使用は、反
応の明確な促進をもたらさず、他方、強酸は、この反応
で触媒としての予想外の機能を有することが判明した。
このことは、長い誘導時間がさけられ、反応速度は、単
に強酸の存在を確保することにより促進されることを意
味する。フェニルアセトニトリルの塩素化のための公知
方法では、強酸の触媒作用は認められない。これらの製
造法は、大気条件下に実施される。長い反応時間が必要
である理由は、反応進行に伴なう蒸発に依り、反応混合
物のHCl濃度が徐々に減少する事実に認められる。本
発明の方法では、反応は有利に、加圧下に実施して、で
きるだけ高いHCl濃度にすべきである。
【0008】充分な強酸の存在は、基質と塩素化剤との
誘導時間なしでの即時の反応を保証する。これは、基質
及び/又は塩素化剤の供給により反応の進行を制御する
ことを可能にする。更に、この側鎖塩素化は、非常に高
い選択率で進行し、塩化スルフリルを用いるアルキルナ
フタリンの塩素化のために発見されていること(英国特
許第263844号参照)とは反対に、核の塩素化は起
こらないことが判明した。従って、不所望の副生成物
が、この反応で形成されている。α−位に2個のH原子
を有する化合物中では、モノクロル化された生成物が非
塩素化出発物質よりも早く塩素化するように見える。そ
れというのも、この反応の間のどの瞬間にも、この反応
混合物中にモノクロル化された生成物が実質的に認めら
れないからである。
【0009】HClの存在下での塩素ガスを用いる飽和
アルキルニトリルの塩素化は、J.Gen.Chem.USSR
、905−906(1955)に記載されており、こ
こでは、塩素化が無機反応メカニズムに従って進行する
ことが提案されている。一般に、芳香族化合物の側鎖塩
素化はラジカルメカニズムを経て進行することが提示さ
れている事実を見れば、特に、HClが通例、無機メカ
ニズムを経て進行し、核塩素化をする反応のための触媒
であると考えられているので、HClガスがフェニルア
セトニトリルの側鎖塩素化のための好適な触媒であると
は、予期しないはずである。従って、決して、J.Gen.
Chem.USSR 25 905−906(1955)に記載
のようなアルキルニトリルの塩素化のための方法は、芳
香族化合物の選択的側鎖塩素化のために使用できるとは
予想されなかった。本発明の方法の方向での何の暗示も
していない最後の文献以来、長い時間も過ぎている。例
えば、前記の最近の文献である1975年の米国特許
(US−A)第3880972号及び1981年のPize
y′s book参照。
【0010】この発明による方法では、フェニルアセト
ニトリルの側鎖が塩素化される。例えば、シアン化ベ
ンジルが塩素化されてα,α−ジクロロフェニルアセト
ニトリルになる。このフェニルアセトニトリルは、場
合により、核内で置換されていてもよいかかつ/又は、
側鎖中に1個の置換基を有していてもよい。
【0011】このような化合物の例は、次式のものであ
る:
【0012】
【化1】
【0013】[式中n=1〜5であり、Rnは、各々独
立して、H、アルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲ
ン又は
【0014】
【化2】
【0015】であり、RはH、アルキル、アリール、ア
ルコキシ又はハロゲンである]。
【0016】Rn及びR中のアルキル及びアルコキシ基
は、1〜6個のC−原子を有していてよく、アリール基
は、C−原子数1〜6のアルキル、C−原子数1〜6の
アルコキシ及びハロゲンよりなる群から選択された置換
基1個以上で置換されていてよい。
【0017】このような化合物は、例えば、米国特許
(US−A)第4435522号明細書に記載のゴム促
進剤又は米国特許第3880972号明細書に記載のβ
−フェニル−β,β−ジフルオロエチルアミンのような
最終生成物の製造に好適な中間体である。
【0018】好適な塩素化剤として、このような反応の
ために通常使用される塩素化剤である塩化スルフリル
(SO2Cl2)又は塩素ガス(Cl2)が使用される。
低い安定性の基質の場合には、塩化スルフリルを使用す
るのが有利である。それというのも、例えば塩化ガスと
比べて厳しさの低い条件を使用できるからである。
【0019】基質の安定性に限界がない場合には、経済
的理由から、その低い価格を計算すると、塩素ガスの使
用が有利である。更に、塩素ガスの使用は、例えば塩化
スルフリルと比べて有利であり、即ち副産物としてSO
2を発生せず、環境内での最終塩形成が少なくなること
を意味する。
【0020】試薬が供給される順序は、厳密ではない。
実際に、通例は塩素化剤を基質に添加する。反応の間に
塩素化剤を供給するのが有利であり、このことはその損
失を制限する。更に、この反応の進行は、供給速度を介
するこの方法で良好に制御できる。
【0021】触媒としては、原則的に、全ての強酸例え
ば、この反応に関連して不活性のブレンステッド酸例え
ばp−トルエンスルホン酸、ナフィオンH、ポリ燐酸、
HCl、HBr又はこれらの混合物を使用することがで
きる。HClの使用が有利である。それというのも、こ
の酸は、この方法にとって不適ではないからである。触
媒はそのものとして添加できるか又はその場で生成する
こともできる。
【0022】反応混合物中の強酸の量は、広範に変動可
能であり、通例、ニトリル1モル当り強酸0.005〜
1.0モルである。酸の最小量は、例えば反応混合物の
温度及び圧力に依り決まる。強酸の最適濃度は、当業者
により容易に決められうる。
【0023】反応開始時の酸濃度が充分高いと、誘導時
間は生じない。反応開始時の酸濃度が低いと、酸の濃度
に依り決まる誘導時間が生じる。従って、反応混合物中
に存在する酸の量は、誘導時間が生じないか又は短かく
なるように選択して、2種の反応成分の高い濃度は反応
が開始する前には生じないようにする。さもないと反応
の進行は制御不能であるからである。反応開始前に反応
混合物中に強酸が既に存在するように塩素化剤及び基質
を配量するのが有利である。更に、強酸の量が反応混合
物中に多くなると、反応速度は高くなる。反応の間に、
充分なHClが、通例、所望レベルでの酸濃度を保持す
るように形成される。場合によっては、反応の終りに、
少量の基質が反応混合物中に残り、その結果として反応
速度が低下し、僅かなHClが形成される場合には、付
加的に酸を添加することができる。これは、酸の損失を
修正して反応速度を比較的高いレベルに保持させる。反
応が大気圧下で実施される場合には、強酸を少なくとも
部分的に、反応の経過中に供給するのが有利である。
【0024】本発明による方法は、塩素化反応で不活性
である溶剤を用いて又は用いないで実施することができ
る。この反応を溶剤なしで実施するのが有利である。そ
れにより、最大の生産能及び更なる処理に関する最も簡
単な方法が得られる。
【0025】本発明の方法の有利な態様では、フェニル
アセトニトリルを供給し、溶剤なしで反応温度にする。
次いでHClガスを供給し、その後、塩素化剤を塩素化
剤の変換率が即座に生じるような速度で供給する。
【0026】この反応は、大気条件下で又は高められた
圧力下で、例えば0.1〜15MP、有利に0.2〜1
MPで実施することができる。この反応を高HCl濃
度の使用を可能とする圧力下で実施するのが有利であ
る。これは、反応混合物中の高いHCl濃度を、全反応
を通して保持することを可能にし、その結果として、反
応速度も増大する。更に、これは、反応を高い温度で実
施することにより、塩素化剤(SOCl)の多大の
損失を起こすことなく反応速度を更に増大することを可
能にし、その間、充分なHClが高い反応速度を保持す
るための触媒として残存する。更に、反応を加圧下に実
施する場合には、反応を開始させるために非常に少量の
HClが必要なだけであり、その後、充分なHClが発
生し、溶液中に残り、反応速度を高く保つことが判明し
た。例えばSOClを使用する場合に、装置中の少
量のHO又は反応成分は、既に、反応を開始するのに
充分なHClを発生することが可能である。温度は、通
例、0〜100℃有利に30〜60℃の間である。実際
に、温度及び圧力は、溶液中に充分な塩素化剤及び酸が
残るように選択する。
【0027】
【実施例】次の実施例を用いて本発明を詳述するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0028】比較例A シアン化ベンジル1161g(99%;9.8モル)及
びSO2Cl23052g(99%;22.4モル)を、
内容積8lを有し、底部排出口、バッフル、撹拌機及び
還流冷却器を備えた二重壁ガラス反応器中に連続的に導
入する。反応混合物を撹拌しながら40℃に加熱する。
6時間後に反応が開始し、これは、ガスの激しい形成か
ら判る。この反応中の温度を40℃に保持する。30時
間後にガス形成が観察されなくなったら反応混合物を流
出させ(1859.5g)、集め、ガスクロマトグラフ
ィ(GC)を用いて分析する。
【0029】シアン化ベンジル91%が、96%の変換
率でα,α−ジクロロベンジルシアニドに、かつ0.1
%の変換率でα−モノクロロベンジルシアニドに変換さ
れる。シアン化ベンジルの不完全な変換は、蒸発/エン
トレインメントの結果としての反応器からのSO2Cl2
の損失に依る。
【0030】例I シアン化ベンジル604.5g(99%;5.1モル)及
びSO2Cl21587g(99%;11.6モル)を、
内容積3.5lを有し、底部排出口、バッフル、撹拌
機、還流冷却器及びガス供給管を備えた二重壁ガラス反
応器中に連続的に導入する。反応混合物を撹拌しながら
40℃に加熱し、直後に、乾燥HClガス14g(HC
l/CN=0.075)を30分かかって供給する。H
Clガスの全てが供給された後に、反応は2分以内に開
始し、これは、観察可能なガスの発生から判る。この反
応の間中温度を40℃に保持する。21時間後にガス形
成がもはや認められなくなったら、反応混合物(96
2.1g)を流出させ、GCを用いて分析する。シアン
化ベンジルの88%が97%の選択率でα,α−ジクロ
ロベンジルシアニドに、かつ0.1%の選択率でα−モ
ノクロロベンジルシアニドに変換される。シアン化ベン
ジルの不完全な変換は、蒸発/エントレインメントに依
る反応器からのSO2Cl2の損失に帰因する。
【0031】比較例B シアン化ベンジル980g(99%;8.3モル)を、
内容積3.5lを有し、底部排出口、バッフル、撹拌
機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた二重壁ガラス反
応器中に導入し、次いで、30℃に加熱する。次いで、
撹拌しながら、SO2Cl22630g(99%;19.
3モル)を220g/hの速度で供給する(配量時間=
12時間)。1.5時間後に、突然激しいガス形成が起
こる。配量を一時的に停止し、約10分後に再開する。
反応の進行をガスクロマトグラフィを用いて追跡する。
4時間、8時間、12時間、24時間及び31時間後
に、シアン化ベンジルの変換率は、それぞれ13.7
%、35.3%、77%、96.7%及び99%である。
α,α−ジクロロベンジルシアニドへの変換率は99%
である。
【0032】例II シアン化ベンジル980g(99%;8.3モル)を、
内容積3.5lを有し、底部排出口、バッフル、撹拌
機、還流冷却器、ガス供給管及び滴下ロートを備えた二
重壁ガラス反応器中に導入し、30℃に加熱する。次い
で、HClガス31gを30分かかって導入する。直後
にSO2Cl22630g(99%;19.3モル)の供
給を撹拌しながら220g/hの速度で開始する(配量
時間=12時間)。約15分後に反応が開始し、これ
は、ガスの発生により認められる。反応の進行をガスク
ロマトグラフィにより追跡する。4時間、8時間、12
時間、24時間及び31時間後にシアン化ベンジルの変
換率は、それぞれ、32%、62%、84%、96%及
び99%である。α,α−ジクロロベンジルシアニドへ
の選択率は99%である。
【0033】例III シアン化ベンジル988.5g(99%;8.36モル)
を内容積2.8lを有し、インペラ撹拌機、還流冷却
器、圧力調整器、サーモカップル、サンプリングポイン
ト、SO2Cl2配量系及びガス供給管を備えた円筒状二
重壁反応器中に導入する。次いで、反応器をN2を用い
て掃気する。反応器の最大圧力を、圧力制御により4バ
ールにする。反応器内容物を30℃に加熱し、その後、
HClガス40.5gを撹拌しながら5分かかって供給
する。次いで、SO2Cl22510g(99%;18.
4モル)の供給を436.5g/hの速度で開始し(配
量時間=5.75時間)、その間反応混合物の温度を3
0℃に保持し、反応器内の圧力を4バールに保持する。
SO2Cl2の配量の開始後10分以内に反応は開始す
る。反応の進行を、ガスクロマトグラフィを用いて追跡
する。SO2Cl2の配量の開始1時間、2時間、4時間
及び8時間後のシアン化ベンジルの変換率は、それぞれ
19%、38%、73%及び99.9%である。α,α
−ジクロロベンジルシアニドへの選択率は定量的であ
る。
【0034】例IV シアン化ベンジル988.5g(99%;8.36モル)
を、内容積2.8lを有し、インペラ撹拌機、還流冷却
器、圧力調整器、サーモカップル、サンプリングポイン
ト、SO2Cl2配量装置及びガス供給管を備えた円筒状
二重壁反応器中に導入する。この反応容器をN2を用い
て掃気する。反応器の最大圧力を、圧力調整器を用いて
4バールにする。反応器内容物を50℃に加熱し、その
後、HClガス5gを撹拌しながら、1分かかって供給
する。次いで、撹拌しながら、SO2Cl22510g
(99%;18.4モル)の供給を1091.3g/hの
速度で開始し(配量時間=2.3時間)、その間、反応
混合物の温度を50℃に、反応器中の圧力を4バールに
保持する。SO2Cl2の供給の開始後10分以内に反応
は開始する。この反応の進行を、適時にガスクロマトグ
ラフィを用いて追跡する。SO2Cl2の開始の後、1時
間、2時間、4時間及び5時間のシアン化ベンジルの変
換率は、それぞれ、48%、90%、99.6%及び1
00%である。シアン化ベンジルは定量的にα,α−ジ
クロロベンジルシアニドに変換されている。
【0035】比較例C シアン化ベンジル80g(99%;0.68モル)を内
容積250mlを有し、バッフル4個、撹拌機、還流冷
却器及びガス供給管を備えた円筒状反応器中に導入す
る。次いで、この反応器を、N2を用いて掃気する。反
応器内容物を40℃に加熱し、その後乾燥Clガスを6
l/hの速度で導入する。45分後に、温度効果が観察
され(40→45℃)、ガスが形成される。
【0036】次いで、Cl2ガスの供給速度を8〜9l
/hに高め、その間、反応混合物の温度を40℃に保持
する。Cl2の供給の開始の後4.5時間に、Cl2ガス
のスリップスルー(Slipthrough)が認められ、Cl2
スの供給速度が2〜3l/hに低下される。この反応の
進行を、適時に採取した試料のGCを用いる分析により
追跡する。4時間の反応時間の後に、反応速度はかなり
低下する。シアン化ベンジルは、実質的に定量的にα,
α−ジクロロベンジルシアニドに変換される。
【0037】例V シアン化ベンジル80g(99%;0.68モル)を内
容積250mlを有し、バッフル4個、撹拌機、還流冷
却器及び2本のガス供給管を備えた円筒状反応器内に導
入する。次いでN2を用いてこの反応器を掃気する。
【0038】反応器内容物を40℃に加熱し、その後、
乾燥HClガスを45分かかって、8〜9l/hの速度
で導入する。次いで、Cl2ガスの供給を6〜7l/h
の速度で開始する。塩素化反応は、直ちに開始する。反
応混合物の温度40℃に保持する。4時間後に、Cl2
ガスのスリップスルーが認められ、Cl2ガスの供給速
度が1l/hに低下される。
【0039】反応の進行を、適時に採取した試料のGC
を用いる分析により追跡する。1時間、3時間及び5時
間後に、シアン化ベンジルの変換率は、それぞれ、24
%、73%及び85%である。シアン化ベンジルは実質
的に、定量的にα,α−ジクルベンジルシアニドに変換
される。
【0040】例VI シアン化ベンジル80g(99%;0.68モル)を、
内容積250mlを有し、バッフル4個、撹拌機、還流
冷却器及び2本のガス供給管を備えた円筒状反応器内に
導入する。次いで、N2を用いて反応器を掃気する。
【0041】反応器内容物を40℃に加熱し、その後、
無水HClガスを8〜9l/hの速度で導入する。45
分後に、HClガスの供給速度を2〜3l/hに低下
し、乾燥ガスの供給を10l/hの速度で開始する。塩
素化反応は、直ちに開始する。1時間45分の反応時間
の後に、Cl2ガスのスリップスルーが認められ、Cl2
ガスの供給速度が5〜6l/hに低下される。この反応
の進行を、適時に採取した試料をGCで分析することに
より追跡する。1時間、3時間、5時間及び6時間後
に、シアン化ベンジルの変換率は、それぞれ、44%、
80%、88%及び91%である。シアン化ベンジル
は、実質的に定量的にα,α−ジクロロベンジルシアニ
ドに変換される。
【0042】例VII シアン化ベンジル80g(99%;0.68モル)を、
内容積250mlを有し、バッフル4個、撹拌機、還流
冷却器及びガス供給管を備えた円筒状反応器内に導入す
る。次いで、N2を用いて反応器を掃気する。反応器内
容物を40℃に加熱し、その後、p−トルエンスルホン
酸1.2gを添加する(H+/CN=0.01)。
【0043】次いで、乾燥Cl2ガスの供給を8〜9l
/hの速度で開始する。直ちに塩素化反応が開始する。
反応混合物の温度を40℃に保持する。15分後に、C
2ガス供給速度を6〜7l/hに低下する。反応の進
行を、適時に採取した試料をGCを用いて分析すること
により追跡する。2時間及び4時間後に、シアン化ベン
ジルの変換率は、それぞれ36.5%及び69.5%であ
る。シアン化ベンジルは実質的に定量的にシアン化ジク
ロロベンジルに変換される。
【0044】例VIII α,α−ジクロロフェニル酢酸エチルエステル70g中
に溶かされたシアン化α−メチルベンジル(99%;
0.076モル)10gを、内容積250mlを有し、
バッフル4個、撹拌機、還流冷却器及び2本のガス供給
管を備えた円筒状反応器中に導入する。次いでN2を用
いて反応器を掃気する。反応器内容物を40℃に加熱
し、その後、HClガスを8〜9l/hの速度で導入す
る。1時間後に、HClガスの供給速度を2〜3l/h
に低下させ、乾燥Cl2ガスの供給を6〜7l/hの速
度で開始する。塩素化反応は、直ちに開始する。40分
の反応時間の後に、Cl2ガスのスリップスルーが認め
られ、Cl2ガスの供給速度が4l/hに低下される。
反応の進行を、適時に採取された試料をGCを用いて分
析することにより追跡する。1時間、2.5時間及び3.
5時間の後に、シアン化α−メチルベンジルの変換率
は、それぞれ5.5%、14.5%及び20%である。シ
アン化α−メチルベンジルは、実質的に定量的にα−ク
ロロ−α−メチルベンジルシアニドに変換される。
【0045】例IX α,α−ジクロロフェニル酢酸エチルエステル60g中
に溶かされたp−メチルフェニルアセトニトリル15g
(99%;0.11モル)を、内容積250mlを有
し、バッフル4個、撹拌機、還流冷却器及び2本のガス
供給管を備えた円筒状反応器中に導入する。次いで、N
2を用いて反応容器を掃気する。反応器内容物を40℃
に加熱し、その後、HClガスを8〜9l/hの速度で
導入する。1時間後に、HClガスの供給速度を2l/
hに低下させ、乾燥Cl2ガスの供給を6〜7l/hの
速度で開始する。塩素化反応は直ちに開始する。適時に
採取した試料をGCを用いて分析することにより、反応
の進行を追跡する。1時間、2時間、4時間及び5時間
後に、p−メチルフェニルアセトニトリルの変換率は、
それぞれ、45.5%、64.5%、78.5%及び84.
5%である。p−メチルフェニルアセトニトリルは、実
質的に定量的にα,α−ジクロロ(p−メチルフェニ
ル)アセトニトリルに変換される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コルネリス ヴィルヘルムス ヴァン デン ブレーク オランダ国 ランドグラーフ マリー ケーネンストラート 8 (56)参考文献 米国特許3880927(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 253/30 C07C 255/35

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェニルアセトニトリルを塩素化剤と
    しての塩化スルフリル又は塩素ガスと接触させて前記フ
    ェニルアセトニトリル類のα−位の全ての水素原子をα
    −塩素化する方法でフェニルアセトニトリルをα−塩
    素化する場合に、この反応の開始時にニトリル1モル当
    たり強酸0.005〜1.0モルを存在させることを特徴
    とする、フェニルアセトニトリルをα−塩素化する方
    法。
  2. 【請求項2】 反応を大気圧下で実施し、かつ強酸の少
    なくとも1部分を反応の途中で供給する、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 反応を0.1〜15MPaの圧力下に実
    施する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 酸をその場で形成させる、請求項1から
    3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 強酸としてHClを使用する、請求項
    から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 出発物質としてシアン化ベンジルを使用
    する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 塩素化剤を前記フェニルアセトニトリル
    に供給する、請求項1からまでのいずれか1項記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 強酸の少なくとも1部分を、塩素化剤の
    供給が開始される前に供給する、請求項1からまでの
    いずれか1項に記載の方法。
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