JP3304214B2 - 簡易測定方法及び簡易測定装置 - Google Patents

簡易測定方法及び簡易測定装置

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JP3304214B2
JP3304214B2 JP25605394A JP25605394A JP3304214B2 JP 3304214 B2 JP3304214 B2 JP 3304214B2 JP 25605394 A JP25605394 A JP 25605394A JP 25605394 A JP25605394 A JP 25605394A JP 3304214 B2 JP3304214 B2 JP 3304214B2
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恵理子 松山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は簡易な測定方法および簡
易な測定装置に関し、詳しくは試料中の標的の存在の有
無を決定する特異的な結合反応を用いる分析方法を応用
して分析対象物を簡便かつ迅速に測定する方法および装
置に関する。本発明の対象とされる試料としては、例え
ば、血清、血漿、全血、尿、糞便などすべての生物学的
流体およびその産物である。
【0002】
【従来の技術】従来、微粒子を用いたイムノクロマトグ
ラフ法にはコロイド状金属粒子、コロイド状金属酸化物
粒子、さらにはコロイド状非金属粒子が標識粒子として
広く用いられており、特開昭55−15100および特
開昭64−35372に記載されているごとくすでに公
知である。また、近年、合成高分子化学分野の発展と共
に染色された合成高分子ラテックス粒子の技術開発には
めざましいものがあり、この微粒子を用いるイムノクロ
マトグラフ法も開発され、特開平6−18032および
特開平6−160388に記載されているごとくすでに
公知の方法である。本法を利用した製品には妊娠診断薬
(クリアブルーワンステップ〈登録商標〉ユニパス社
製)によって代表される。
【0003】従来のイムノクロマトグラフ法を利用する
検出方法においては、上述の妊娠診断薬にみられるよう
に1種類の着色コロイド粒子や1種類の着色ラテックス
粒子を用いて、抗原となるヒトゴナドトロピン(hC
G)を検出して所期目的を達成するものであった。しか
しながら、本発明の最も重要な特許構成要件の1つであ
る『色調の異なる着色ラテックスを用い、同一支持体上
において同時に簡便、迅速、明確に測定する』と云う方
法は未だ開示された例がない。
【0004】また、本発明の簡易測定装置は検体溶解
部、検体採取部および検出部の3機能を有しそれぞれの
機能が分割可能な部品より構成されているのが特徴であ
る。(図3) 測定時はそれぞれの部品を一体化または連結して使用
し、測定後は検出部のみを取り外すことができるので、
極めて簡単な操作で目的が達成され、衛生的、かつ、検
査結果の保存などすぐれた特徴を有する簡易測定装置は
未だ開示された例がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、イムノクロマト
グラフ法を用いた体外診断薬分野への応用として、現在
市販されている妊娠診断薬(クリアブルーワンステップ
〈登録商標〉ユニパス社製)にみられるように、妊娠の
重要なマーカーとして、尿中のヒトゴナドトロピン ペ
プチドホルモンの検出でもって妊娠の有無を判定もしく
は診断の一助とする方法は体外診断薬の分野では操作が
簡単、迅速、かつ、正確な情報が得られる点で画期的な
製品である。しかしながら、クリアブルーワンステップ
など市販のイムノクロマトグラフ法を用いた妊娠診断薬
では尿中のヒトゴナドトロピンを検出するラインと反応
終了を示す2本のラインで示され、これらのラインを示
す色調が例えば、ブルーなどの同一色であるため、使用
者は薬局、薬店あるいは医師による充分な説明あるいは
能書などを充分理解していなければ、しばしば誤認ある
いは判定結果を違えることにもなりうるもので大きな社
会問題にもなりかねない。
【0006】特に、我が国においては、妊娠診断薬は一
般用の体外診断薬として薬局、薬店で購入が可能である
ため、本製品は、いつでも、どこでも、誰にでも操作が
でき、結果が間違うことなく明確に判定できることが最
も重要なところである。本発明はこの点を特に重視し、
2種類以上の色調の異なる着色ラテックス粒子を用い、
いつでも、どこでも、誰にでも操作が可能な簡易測定装
置を考案し、結果の判定については陰性側および陽性側
が明確に区別できる方法を開示するものである。例え
ば、実施例2の1態様に従って説明すると、検査結果が
陰性の場合は青色のインジケーターライン1本で示さ
れ、陽性の場合は青色のインジケーターラインと、例え
ば、ヘモグロビンが検出されたときに現われる赤色のラ
インの2本で示される。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の完成に至
った経緯および課題を解決するための手段について詳細
に述べる。近年、抗原−抗体反応を利用して、目的とす
る免疫学的能力を有する物質の検出は医療分野を中心と
してすばらしい進歩を遂げている。そもそも、抗原−抗
体反応そのものは生体内あるいは自然界で必然性に応じ
て反応が生じているものであり、その原理・仕組みを人
類が解明しつつあることによって多大な恩恵を受けてい
る。特に医療分野では診断の予測あるいは診断の一助と
して大きな意義をもっており、血液、尿、糞便、体液な
どを被検液として用いるため、患者への苦痛を与えるこ
となく検査できる点が利点である。
【0008】本来、抗原−抗体反応とは「錠前と鍵穴」
の関係にたとえられるごとく、免疫学的な反応に授かる
物質と対応する物質との結合によって特異的な結合体を
形成するものであって、その大部分は共有結合のような
強い結合ではなく、極く弱い結合を保持し成立してい
る。このことから人為的に抗原−抗体反応複合体より抗
原あるいは抗体をそれぞれ単独に回収することができ
る。したがって、抗原−抗体反応系には、丁度、酵素に
対する基質の関係と同様にアフィニティー(親和性)の
概念が成立する訳である。すなわち、目的とする酵素を
単離・精製したいときは、目的とする酵素の基質をあら
かじめ樹脂(担体)に固定しておき、目的とする酵素の
みが基質と結合するので、水洗後、溶離液で溶出するこ
とによって一挙に高純度の酵素が回収できる。このよう
な単離・精製手段をアフィニティークロマトグラフィー
と命名されている。本法の検出手段として用いるイムノ
クロマトグラフィーは、クロマトグラフィーの体系から
みると、まさしくアフィニティークロマトグラフィーに
包括されるべきものであって、一般にクロマトグラフィ
ーの名称で述べられている溶質と溶媒との分配係数の差
でもって物質を分離・精製するという手段とは異なるも
のである。
【0009】すなわち、あらかじめ支持体上に固相化し
た抗原もしくは抗体が存在し、支持体の下端に着色した
標識微粒子が水などの溶媒を媒体として支持体のもつ毛
細管現象の作用で順次拡散・移動し、その際、免疫的に
形成せしめた複合体−着色標識粒子によって、先の抗原
もしくは抗体を固相化しておいた位置にその複合体−微
粒子が到達し、その場所で特異的に抗原−抗体反応を生
じ、着色シグナルとして目視的に観察することができる
ものである。
【0010】以上のようなアフィニティークロマトグラ
フィーの原理に基づいて、本法をさらに発展せしめ鋭意
研究を重ねた結果、以下、本発明の完成に至った。本特
許記載のイムノクロマトグラフィーに用いる微粒子には
色調の異なる別々のコロイド状金属粒子、あるいは色調
の異なる別々のコロイド状金属酸化物粒子、さらには色
調の異なる別々のコロイド状非金属粒子を用いることが
できるが、色調の多様性やイムノクロマトグラフィー展
開後の鮮明さを考慮すると合成高分子ラテックス粒子が
好ましい。イムノクロマトグラフィーに用いる市販の合
成高分子ラテックス粒子は当業者が本クロマトグラフィ
ーを最適な条件で実施できるように設計されており、ま
た、現在の高分子化学の合成技術水準からみても、高い
水準の技術を駆使した高品質の製品である。ちなみに、
本発明者らの本特許記載の実施例における使用実績から
みても、抗原もしくは抗体による標識粒子の調製、標識
後の乾燥工程による安定性さらには支持体上での拡散・
移動性および固相化位置における着色の鮮明性などに何
ら問題を生じるものではない。このような高品質のラッ
テクス粒子は当業者が容易に入手することができる。
【0011】例えば、ブルーラテックス粒子分散液、グ
リーンラテックス粒子分散液およびレッドラテックス粒
子分散液の色調の異なったラテックス粒子はポリマーラ
ボラトリー社より容易に入手することができる。その
他、ローヌプーラン社、セラダイン社、インターナショ
ナルダイナミクスコーポレーション社および積水化学工
業株式会社などからも入手が可能である。また、イムノ
クロマトグラフ用のラテックス粒子の大きさは0.05
〜5μmの範囲で市販されており、この範囲内の任意の
大きさで使用も可能であるが、好ましくは標識する抗原
もしくは抗体によって、適宜、粒子の大きさを選択する
ことも感度・精度の上からも重要であり、通常0.45
μmの大きさが適している。
【0012】次に本発明に用いるイムノクロマトグラフ
ィーに使用する支持体について説明する。本発明に有用
なイムノクロマトグラフィーに使用する支持体は毛細管
現象を起こす作用を有し、かつ、合成高分子標識ラテッ
クス粒子と検出しようとする物質との複合体がイムノク
ロマトグラフ用展開剤、例えば、水や緩衝液などですみ
やかに拡散・移動できるような支持体であれば良い。一
般にイムノクロマトグラフィーに使用する担体としてガ
ラス繊維状のシート、濾紙あるいはナイロンシート、ニ
トロセルロースシートなどが使用できるが、本発明に好
適なシートはニトロセルロースシートである。ニトロセ
ルロースシートはBAS−85(Schleicher
& Schuell社製)、HAHY(Millip
ore社製)として市販されており、当業者は容易に入
手することができる。
【0013】次に支持体上へ複数の抗原もしくは抗体の
固相化方法について説明する。本発明の完成に有用な支
持体としてニトロセルロースシートを選ぶことができ、
本支持体へ複数の抗原もしくは抗体を固相化するに当た
っては、実施例に記載した態様を例にあげて具体的に説
明すれば良く理解することができる。
【0014】本発明のインジケーター物質とは被検液中
に存在する測定しようとする物質およびその物質と免疫
学的に反応する能力のある物質と交差反応を示さない物
質であれば本発明に用いることができるので、特に限定
されないが、通常、他動物のイムノグロブリンが好適で
ある。また、赤色のラインは交通標識の信号機の色と同
様な解釈であり、警告あるいは異常を示し、青色のライ
ンのみの場合は異常が認められなかったことを示す意味
である。したがって、このように色調の異なった色で陰
性あるいは陽性を区別することは、誰にでも理解されや
すいので誤った判定が避けられ安心して使用することが
できる。
【0015】すなわち、通常、イムノクロマトグラフィ
ーを行うのに適した任意の大きさに整えたニトロセルロ
ース支持体をあらかじめ準備し、本支持体の任意に選ん
だ一定のゾーンに第1の抗原もしくは抗体(実施例2で
は抗ウサギIgGポリクロナール抗体)を塗布またはス
プレーで散布し、上記以外のゾーンに第2の抗原もしく
は抗体(実施例2では抗ヒトヘモグロビン抗体)を塗布
またはスプレーで散布するなどして固相化する。また第
3、第4、第5などの抗原もしくは抗体の固相化も同様
に為し得る。なお、ここで支持体に固相化した抗原もし
くは抗体は後のイムノクロマトグラフィーの展開によっ
て、それぞれ位置の異なった固相化したゾーンで抗原−
抗体反応を生じ着色する訳であるから、あらかじめ着色
の形状を設定しておくことが望ましい。
【0016】しかしながら、本発明においてはそれぞれ
のゾーンで色調の異なる着色を示すので着色の形状が
●、−、+、◎、×、△、…などのいかなる表示方法で
あっても許容できる。好ましくは、スポット状(●)ま
たはライン状(−)の表示が簡単、明瞭である。
【0017】次に、乾燥工程について説明する。通常の
乾燥は室温放置で良いが、必要であれば30〜50℃の
熱風による乾燥あるいは真空乾燥などの方法を適宜行っ
ても差支えはない。乾燥後、ニトロセルロース支持体上
の第1および第2あるいは第3、第4、第5などの抗原
もしくは抗体の固相化したゾーン以外の領域を不活化す
るために、別なタンパク質でもってマスキングすること
が通常行われている。一般にマスキング剤としては生理
食塩水に0.2%を溶解したカゼイン溶液あるいは1%
スキムミルク(DIFCO社製)、4%ブロックエース
(明治乳業社製)などを用いるが、使用する抗原または
抗体あるいは支持体の性質によって、その都度、適切な
マスキング剤を選択する必要がある。
【0018】次に、合成高分子標識着色ラテックス粒子
の調製法ならびに装着方法について説明する。各々の色
調を有する別々のラテックス粒子にそれぞれ複数の抗原
もしくは抗体を標識するにあたっては、例えば、赤色の
ラテックス粒子には第1の抗原もしくは抗体、青色のラ
テックス粒子には第2の抗原もしくは抗体、さらに黄
色、あるいは緑色のラテックス粒子には第3、第4の抗
原もしくは抗体をそれぞれ個別に標識しておく。標識方
法は通常行われている方法であれば特に限定はしない
が、一般にはラテックス粒子と標識する物質を室温約1
時間位混和することによって達成できる。その後、各々
標識した着色ラテックス粒子を個別に遠心分離などの方
法またはミリポアフィルターによる吸引濾過法によって
集め、通常使用されている緩衝液、例えば、リン酸緩衝
液などでよく洗浄後、マスキング剤で各々の標識ラテッ
クス粒子を個別にマスキングしておく。マスキング剤は
先の支持体で抗原もしくは抗体の固相化後に用いたマス
キング剤と同様なもので良い。
【0019】しかしながら、マスキング剤の選択は標識
に使用した抗原または抗体および支持体の性質によっ
て、その都度、適格か否かを判断する必要がある。この
ようにして各々、個別に標識し得た着色ラテックス粒子
を保存液に貯えておく。各々の標識着色ラテックス粒子
を保存した液より一定量ずつ取り出しよく混和後、よく
洗浄して不織布などの多孔性ポリマーに含浸させて凍結
乾燥を行う。これを支持体の一定の場所に装着すること
によって本発明の検出可能な試験片が完成する。なお、
標識ラテックス粒子の支持体への装着については特に限
定されるものではなく、標識ラテックス粒子を直接支持
体へ塗布する方法等も利用することができる。装着位置
についてはイムノクロマトグラフィーの展開方法によっ
て定まるもので、例えば展開が上昇法の場合には下端部
に、下降法の場合には上端に、水平方式の場合には両端
部のどちらか一方に、円形方式の場合には同心円の中心
部分に装着することになる。
【0020】本発明においては展開方法を特に限定する
ものではないが、通常、一般に行われている上昇法が望
ましい。この場合、試験者は装着した支持体部分を被検
液に浸すのみで展開できるので有利である。
【0021】次に、試験片について説明する。(図1参
照) イムノクロマトグラフィーに関する試験片については、
すでに数多くの発明が開示されているので、特に本発明
で詳細に言及する必要はない。しかしながら、本発明の
方法が確実に、また正確に当事者によって容易に実施で
きる「証」としてその1例を記す。実施例に示した試験
片はニトロセルロースなど、使用しやすさなどを考慮し
て任意の長方形の大きさに裁断し支持体を作製する。支
持体の下端部分を被検液に浸して毛細管現象により水な
どの溶媒を媒体として微量に溶けている抗原もしくは抗
体を吸い上げ、ニトロセルロース支持体上部へ移動せし
める不活性材質から選ばれる部分を装着する。本不活性
な材質には一般に濾紙、ガラス繊維シート、メンブラン
フィルターシートなどが用いられる。ニトロセルロース
支持体の下端部分には先に説明した不織布上に載せた標
識混合着色ラテックス粒子の凍乾物(着色ラテックス粒
子標識物質凍乾担体)を一定の大きさに裁断したもの
を、例えば、両面テープなどで軽く固定しておくか、最
終的に試験片として組み終えた段階でセロテープなどで
圧着固定しても差支えがない。また、図1に示したごと
く、ニトロセルロース上のそれぞれ異なった位置にあら
かじめ複数の抗原もしくは抗体を固相化しておく。
【0022】一方、ニトロセルロース支持体の上端部分
には、図1に示すごとく吸水性の担体を装着することに
よって、イムノクロマトグラフィーの展開が正確に、ま
た迅速に為し得るため、さらには展開し終えた後の液漏
れなどを防ぐ目的で本担体を装着しておくことが望まし
い。このような吸水性担体はアドバンテック東洋社製の
濾紙No.526やワットマン社製の17Cr,3MM
などが市販されており容易に入手することができる。以
上、このような簡単な試験片で本発明の方法を検証また
は実施することができる。
【0023】本明細書において記載の都合上、検出すべ
き物質が抗原である場合には、例えば、ニトロセルロー
ス支持体上に検出すべき物質の一定部位を認識できる抗
体を固相化し、一方、合成高分子ラテックス粒子への標
識には先の抗体とは別な個所の抗原分子を認識できる抗
体であれば本発明の方法は達成できる。また、本発明は
上述とは逆に抗体の検出の場合には、固相化抗原−検出
すべき物質−検出すべき物質の抗体からなる系でもって
実施できることは当業者には容易に理解されよう。した
がって、本発明は検出すべき物質が抗原である場合だけ
に限定されず、抗体をも包含するものであり、表現とし
ては「抗原もしくは抗体」として記してあるが、どちら
か一方が定まればおのずから対応する他方が定まること
になり、「抗原」および「抗体」なる文字を適宜使い分
けることにより、本発明の方法を実施することができ
る。
【0024】次に簡易測定装置について説明する。本装
置の1例を図3に示したが、被検体が糞便など半固形の
場合あるいは尿、血液、など流体の場合はそれらの物性
に応じて、適宜、採取部分の形状を変える必要があるこ
とは自明である。被検体が半固形状の場合は、例えば、
スパイラル状の溝や、○リング状の窪み、スポット状の
窪みなどを設けることによって本目的が達成できる。一
方、尿や血液などの流体の場合には、例えば、採取部分
をスプーン状にしたり、一定量の液体が吸収できる濾紙
やガラス繊維シートなどの不活性なシートをはさみ込む
ことによって目的が達成できる。図3に示した本装置は
被検体が糞便であって、糞便中のヒトヘモグロビンを測
定する1形状を説明するが、本発明の装置はこれによっ
て必ずしも限定されるものではない。糞便の採取にあた
っては、検体採取部品と検出部品を連結して先端部分を
便に数ヶ所突き刺し、検体採取穴に便を容易に入れるこ
とができる。そのとき、他の部分についた便はトイレッ
トペーパーなどで拭き取り便の一定量を採取することが
可能である。便を採取した採取部先端で軽く押して検体
溶解部のシールを破り、そのまま、さらに押し込んで連
結密着させ、次いで一体化した簡易測定装置を上下に激
しく振り混ぜて便を溶解する。
【0025】その後、一体化した簡易測定装置を水平に
保つことによって一定量の溶解液が検体取り込み口に入
り、この溶解液量でもって展開・移動せしめ、3〜5分
後に青色のラインと赤色のラインの2本が認められれば
陽性、青色のラインのみの場合には陰性であると容易に
判定することができる。また、検査結果の取り扱いにつ
いては、検出部を取り外すことができるので以下に示す
メリットがある。すなわち、簡易型の本装置は極めて簡
単な操作で目的が達成され、検査結果の保存または郵送
あるいは持ち運びが簡単であるため、従来、被検者が直
接外来に便を提出することを考えれば、極めて衛生的で
あり、被検者に対する精神面の苦痛が取り除かれ、さら
には、医療従事者へのバイオハザードの面からも極めて
メリットの大きい装置である。
【0026】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細
に、具体的に説明するが、本発明の方法および装置につ
いてはこれらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 ヘモグロビン、トランスフェリンの検出方法
【0027】(1)抗ヒトヘモグロビンモノクロナール
抗体の作製 2回結晶ヒトヘモグロビン(Sigma社製)を滅菌蒸
留水に溶解し、10mg/mlのヒトヘモグロビン溶液
を調製した。次にヒトヘモグロビン溶液とFreund
のコンプリートアジュバントを等量混合しオイルエマル
ジョンとした。これをBALB/cAマウス(BALB
/cA jcl,7週齢、雌)の背部皮下に0.2ml
ずつ投与した。初回免疫後、7日目と16日目に追加免
疫を行い、さらに細胞融合3日前にヒトヘモグロビン溶
液を0.25mg/0.2mlずつ腹腔内に投与した。
最終免疫から3日目のマウス脾細胞とミエローマ細胞
(P3x63−Ag−6,5,3)を10:1の割合で
50%ポリエチレングリコール4000を用いて融合
し、HAT培地により選択した。細胞融合後、14日目
に培養上清のヒトヘモグロビンに対する抗体活性をEI
A法により測定した。測定方法はヒトヘモグロビン10
0μg/mlで固相化した96穴EIAプレート(コー
スター社製)を用い融合細胞の培養液200μlを添加
した。その後、37℃、1時間反応後、洗浄を行いペル
オキシダーゼ標識抗マウスIgG(Cappel社製、
1:500)200μlを添加した。洗浄後、基質液
(0.1M −フェニレンジアミンと0.012%過
酸化水素水)を各ウエルに200μlずつ添加し、室温
で5分間反応させた。反応後、各ウエルに4硫酸50
μlずつ添加し酵素反応を停止した。次に492nmに
おける吸光値を測定し、ヒトヘモグロビンに反応するク
ローンを限界希釈法により2回クローニングを行った。
その結果、クローニング後に腹水として得られたモノク
ロナール抗体は10クローンであった。これらの得られ
た各々の腹水1mlをPBS1mlで2倍に希釈し、飽
和硫酸アンモニウム2mlを滴加して4℃、4時間放置
した。その後、3,000rpm,20分間遠心分離し
沈査をPBS(リン酸緩衝生理食塩液)2mlに浮遊し
透析を行った。この中で反応性の良い2クローン(K−
6,K−8)を選択し以下の試験に用いた。なお、2ク
ローンのイムノグロブリン サブクラスはIgG1 ,L
鎖はカッパー型であった。
【0028】(2)抗体固相化支持体の作製 ニトロセルロースシート(BAS−85,Schlei
cher & Schuell社製)を5mm×50m
mに裁断し、その下端より10mmの位置に抗ヒトヘモ
グロビンモノクロナール抗体溶液0.5mg/ml(K
−6),15mmの位置に抗ヒトトランスフェリンモノ
クロナール抗体溶液0.5mg/ml(ケミコン社
製)、20mmの位置に抗ウサギIgGポリクロナール
抗体溶液0.5mg/ml(Cappel社製)を各々
エアーブラシ(オリンポス社製)を用いて塗布し、抗ヒ
トヘモグロビン抗体と抗ヒトトランスフェリン抗体およ
び抗ウサギIgG抗体のラインを作製した。室温で2時
間乾燥後、1%スキムミルク(DIFCO社製)−0.
1%ツィーン20を含むPBSに37℃、2時間浸漬し
マスキングを行った。その後、充分に乾燥し抗体固相化
支持体を作製した。
【0029】(3)着色ラテックス粒子標識物の調製 a.レッドラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体 レッドラテックス粒子分散液(PL−Latex,10
%,450nm,Polymer Laborator
ies社製)300μlにPBS1.2mlを加え、1
3,000rpm,5分間遠心分離を行った。沈査に抗
ヒトヘモグロビンモノクロナール抗体溶液(0.5mg
/ml)(K−8)1mlを加え、充分混和して、室温
1時間反応を行った。未反応の抗ヒトヘモグロビンモノ
クロナール抗体を除去するため、13,000rpm,
5分間遠心分離を行い、沈査をPBS1.5mlに懸濁
し、再度遠心分離を行った。4%ブロックエース(明治
乳業社製)1mlを加え、室温60分間反応させてマス
キングを行った。その後、13,000rpm,5分間
遠心分離を行い、沈査を1%スキムミルク−0.01%
アジ化ナトリウムを含むPBS1.5mlに懸濁し冷蔵
保存した。 b.グリーンラテックス粒子標識抗ヒトトランスフェリ
ン抗体 グリーンラテックス粒子分散液(PL−Latex,1
0%,450nm,Polymer Laborato
ries社製)および抗ヒトトランスフェリンモノクロ
ナール抗体(0.5mg/ml,アドバンス イムノケ
ミカル社製)を用いて上記と同様な操作で調製した。 c.ブルーラテックス粒子標識ウサギIgG ブルーラテックス粒子分散液(PL−Latex,10
%,450nm,Polymer Laborator
ies社製)およびウサギIgG(0.5mg/ml,
Cappel社製)を用いて上記と同様な操作で調製し
た。 d.着色ラッテクス粒子標識物凍乾担体 それら3種類の着色ラテックス粒子標識物を等量混和
し、ベンリーゼ(登録商標)不織布(旭化成社製)5m
m×5mmに10μl含浸させ凍結乾燥をして調製し
た。
【0030】(4)試験片の作製 抗体固相化支持体の下端から2.5mmの位置まで着色
ラテックス標識物凍乾担体を重ねた。さらに、着色ラテ
ックス標識物凍乾担体上に被検液浸漬用担体を下端から
2.5mmの位置まで重ねた。また、抗体固相化支持体
の上端から5mmの位置まで吸水性担体5mm×20m
m(No.526,アドバンテック東洋社製)を重ね、
最後に透明なテープを上部に貼り固定して試験片とし
た。(図1)
【0031】(5)標準液を用いた反応性試験 ヒトヘモグロビン(2回結晶、Sigma社製)、ヒト
トランスフェリン(ケミコン社製)を各々100μg/
mlになるように0.1%BSAを含むPBSで溶解し
2種類の標準液を調製した。標準液200μlを試験片
の被検液浸漬用担体に滴加してのち展開した。5分後、
あらかじめ固相化したライン部分の着色の有無により判
定を行った。なお、対照として0.1%BSAを含むP
BSのみを用いて同様に操作した。2種類の標準液を展
開した場合には赤色のライン(ヒトヘモグロビン)、緑
色のライン(ヒトトランスフェリン)青色のライン(イ
ンジケーター物質)が検出された。また、ヒトヘモグロ
ビン標準液では赤色と青色のライン、ヒトトランスフェ
リン標準液では緑色と青色のライン、対照では青色のラ
インのみが検出された。(図2)
【0032】実施例2 便中ヒトヘモグロビンの検出方
法(試験片) (1)抗体固相化支持体の作製 ニトロセルロースシート(BAS−85,Schlei
cher & Schuell社製)を5mm×50m
mに裁断し、その下端より10mmの位置に抗ヒトヘモ
グロビンモノクロナール抗体溶液0.5mg/ml(K
−6),20mmの位置に抗ウサギIgGポリクロナー
ル抗体溶液0.5mg/ml(Cappel社製)を各
々エアーブラシ(オリンポス社製)を用いて塗布し、抗
ヒトヘモグロビン抗体および抗ウサギIgG抗体のライ
ンを作製した。室温で2時間乾燥後、1%スキムミルク
(DIFCO社製)−0.1%ツィーン20を含むPB
Sに37℃、2時間浸漬しマスキングを行った。その
後、充分に乾燥し抗体固相化支持体を作製した。
【0033】(2)着色ラテックス粒子標識物の調製 レッドラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体およ
びブルーラテックス粒子標識ウサギIgGは実施例1で
調製した各々の標識ラテックス粒子を使用した。着色ラテックス粒子標識物凍乾担体 それら2種類の着色ラテックス粒子標識物を等量混合
し、ベンリーゼ(登録商標)不織布(旭化成社製)5m
m×5mmに10μl含浸させ凍結乾燥をして調製し
た。 (3)試験片の作製 実施例1と同様に作製した。
【0034】(4)標準液を用いた反応性試験 ヒトヘモグロビン(2回結晶、Sigma社製)を各々
1mg/ml,1μg/ml,100ng/ml,10
ng/mlになるように0.1%BSAを含むPBSで
溶解し標準液を調製した。標準液200μlを試験片の
被検液浸漬用担体に滴加してのち展開した。なお、対照
として0.1%BSAを含むPBSを用いて同様に操作
した。ヒトヘモグロビン濃度が100ng/mlまで赤
色のラインを検出した。また、インジケーター物質であ
るウサギIgGのラインは全例検出された。なお、試験
結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】(5)糞便中のヒトヘモグロビン検出試験 便潜血陰性便にヒトヘモグロビンを便1gあたり1,
0.1,0.05,0.01mgを添加し、よく混和し
た。次に各ヒトヘモグロビン添加便を10mgずつ採取
して、各々0.005%ツィーン20−0.1%BSA
を含むPBS2mlに懸濁し、よく混和後、スポンジで
すばやく濾過した液を便懸濁液とした。便懸液200μ
lを被検液浸漬用担体に滴加してのち展開した。ヒトヘ
モグロビン無添加便も対照として同様の測定を行った。
ヒトヘモグロビン添加便は0.05mg/g濃度まで赤
色のラインが検出された。また、インジケーター物質で
あるウサギIgGの青色のラインは全例検出された。な
お、試験結果を表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3 便中ヒトヘモグロビンの検出法
(一体型簡易測定装置を用いた測定) (1)一体型簡易測定装置の作製 本装置は検体溶解部(31)、検体採取部(32)、検
出部(33)から構成されている。検体溶解部(31)
には溶解液(34)(0.1%BSA−0.005%ツ
ィーン20を含むPBS)2mlを加え、開口部は液漏
れを生じないようにアルミ製基材のシールで完全に接着
した。検出部(33)は上下に2分割できる構造であ
り、この中に実施例1で作製した試験片を装着した。次
に検体採取部(32)の検出部(33)側の開口部のと
ころに、検体溶解液吸収性担体(37)として5mm×
30mmに裁断した濾紙(No.526、アドバンテッ
ク東洋社製)を挿入した。連結部(38)を介して、検
出部(33)と検体採取部(32)を連結して検体採取
可能な装置とした。
【0039】(2)検査法 検体採取仕様の検体採取部(32)側で便を数回突き刺
し、検体採取穴(35)に便を入れた。検体採取部(3
2)の先端についた余分な便をトイレットペーパーでふ
きとり、検体溶解部(31)のシールを検体採取部の先
端で破り、検体溶解部(31)と検体採取仕様にしたも
のを連結後、一体型簡易測定装置にして、その装置を上
下に激しく振り便を溶解した。判定部を上にした後、た
だちに一体型簡易測定装置を水平に静置した。この操作
により一定量(200μl)の検体溶解液が取り込み口
より入り、展開・移動して、5分後反応が終了した。そ
の後、検体採取部(32)と検出部(33)の連結部分
から検出部(33)を取り外し結果を判定した。
【0040】(3)糞便中のヒトヘモグロビン検出試験 便潜血陰性便にヒトヘモグロビンを便1gあたり、各々
1,0.1,0.05,0.01mgを添加し、よく混
和してヒトヘモグロビン添加便を調製した。この添加便
を実施例3(2)の検査法で測定した。なお、表3に示
すように一体型簡易測定装置を用いても、試験片のみの
場合と同じ結果を示した。
【0041】
【表3】
【0042】(4)大腸がん患者便の測定 大腸がんと診断された患者の便10例について、一体型
簡易測定装置を用いて測定を行った。なお、対照として
健常者便10例も同様に行った。その結果、大腸がんの
患者便では全例赤色のライン(ヒトヘモグロビン)と青
色のライン(ウサギIgG)が検出され、便潜血陽性と
判定された。また、健常者便では全例青色のライン(ウ
サギIgG)が検出されたのみで便潜血陰性と判定され
た。
【0043】比較例1 ラテックス法との比較 糞便検体140例を用い、ラテックス凝集法を原理とし
た便中のヘモグロビン測定試薬『OC−ヘモディア』
(登録商標)(栄研化学社製)と一体型簡易測定装置を
用いた便潜血測定法を比較した。表4に示すように14
0例中131例が両方で一致し、一致率は93.6%で
あり良好な結果を示した。
【0044】
【表4】
【0045】比較例2 従来法と本発明による判定結果
の難易性の比較 インジケーターラインと検出すべき物質のラインが異な
る色調の場合(本発明法)と同一の色調である場合(従
来法)に対する判定結果の難易性についてパネラーを無
作為に12名選び比較を行った。 (1)従来法(同一色調)試験片の作製 抗体固相化支持体は実施例2の抗ウサギIgGポリクロ
ナール抗体溶液の代わりに抗マウスIgG抗体(Cap
pel社製)を用いて同様に作製した。一方、ブルーラ
ッテクス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体は実施例1と
同様に作製した。この粒子をベンリーゼ(登録商標)不
織布(5mm×5mm,旭化成社製)に10μl含浸さ
せ凍結乾燥をして調製した。先の支持体と担体を用いて
実施例1の方法に従って試験片を作製し、実施例2の標
準液を用いて反応性試験を行ったところ、ヒトヘモグロ
ビン濃度が100ng/mlまで青色のラインを検出し
た。また、インジケーターラインは全例青色のラインと
して検出され、本試験片は正常に作動することが判っ
た。
【0046】(2)本発明による方法と従来法の着色試
験片の作製 実施例2で作製した本発明の試験片と従来法の試験片に
各々ヒトヘモグロビン標準液(1μg/ml、0.1%
BSAを含むPBSで溶解)を実施例2(4)の方法に
従って反応せしめ、両法による着色試験片を各々作製し
た。
【0047】(3)本発明による方法と従来法による判
定結果に対する難易性の比較 両法の判定結果に対する難易性を比較するため、パネラ
ー12名(女性5名含む)を任意に選出し、2点嗜好試
験法による官能検査(「官能検査ハンドブック」日科技
連官能検査委員会(編)、1985)に準拠して判定を
行った。表5に示したように本検査に準拠した方法か
ら、12名ともに本発明による方法の方が「判定しやす
い」との回答が得られ、明らかに本発明の方法が優れて
いた。
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、色調の異なる標識ラテ
ックス粒子を用い、イムノクロマトグラフィーによって
複数の物質を目視的に別々の色調で同時に検出すること
ができる。本発明による簡易型の測定装置を提供するこ
とによって、例えば、一般用医薬品としての体外診断薬
に応用すれば、いつでも、どこでも、誰にでも容易に実
施することができる。さらに、検査結果の判定には色調
の異なるラテックス粒子を用いていることから、間違う
ことなく明確に判定できることが特徴である。また、本
簡易測定装置は連結可能な一体型の装置として考案して
いるので、検査終了後、すみやかに検出部品のみを切り
離し、回収して検査機関や病院へ郵送したり、届けたり
することができる。このように本装置はきわめて衛生的
である、また医療従事者に対するバイオハザードの面か
らも極めて優れた装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験片の1態様を示したものであり、
該試験片上部図および断面図である。
【図2】本発明の方法を用いた測定結果の1態様を示し
たものであり、ヒトヘモグロビン、ヒトトランスフェリ
ンを同時に検出、測定した結果である。
【図3】本発明は連結一体型簡易測定装置の1態様を示
したものであり、一体型(全体図)、検体採取仕様(断
面図、上部図)、測定仕様(上部図)である。
【符号の説明】
1 吸収性担体 2 抗体固相化支持体 3 着色ラテックス粒子標識物凍乾担体 4 被検液浸漬用担体 5 抗ウサギIgG抗体固相化ゾーン 6 抗ヒトトランスフェリン抗体固相化ゾーン 7 抗ヒトヘモグロビン抗体固相化ゾーン 21 ヒトヘモグロビン標準液とヒトトランスフェリ
ン標準液の混合液を展開したクロマトグラム 22 ヒトヘモグロビン標準液を展開したクロマトグ
ラム 23 ヒトトランスフェリン標準液を展開したクロマ
トグラム 24 対照を展開したクロマトグラム 31 検体溶解部 32 検体採取部 33 検出部 34 溶解液 35 検体採取穴 36 検体溶解液取り込み口 37 検体溶解液吸収性担体 38 連結部 39 試験片 40 判定窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 恵理子 東京都中央区日本橋室町1−5−3 わ かもと製薬株式会社内 (72)発明者 前田 孚 東京都中央区日本橋室町1−5−3 わ かもと製薬株式会社内 審査官 松本 征二 (56)参考文献 特開 平8−5635(JP,A) 特開 平5−312806(JP,A) 特開 平6−174712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 - 33/98

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類以上の色調の異なる着色ラテックス
    粒子を用いる免疫学的測定方法において、 a. あらかじめ、2種類以上の色調の異なる着色ラテッ
    クス粒子をインジケーター物質および1種類以上の免疫
    学的反応に授かる物質に各々別個に標識せしめ、 b. 一方、同一支持体上の異なる位置に少なくとも2種
    類以上からなる免疫学的に反応する能力のある物質を、
    あらかじめ固相化し、 c. ついで上記a記載のインジケーター物質を標識した
    着色ラテックス粒子および1種類以上の免疫学的反応に
    授かる物質を標識した着色ラテックス粒子からなる混合
    物と被検液中の特定の少なくとも1種類以上の免疫学的
    物質と反応せしめ、 d. ついで、インジケーター物質を標識した着色ラテッ
    クス粒子と免疫学的に形成させた標識着色ラテックス複
    合体との混合物、被検体を媒体として展開、移動せし
    め、 e. 2種類以上の免疫学的に反応する能力を有する物質
    をあらかじめ固相化しておいた複数の位置に、それぞれ
    対応するインジケーター物質を標識せしめた着色ラテッ
    クス粒子と免疫学的に形成せしめた標識着色ラテックス
    複合体によって、別々の色調で着色することを特徴とす
    る免疫学的測定方法。
  2. 【請求項2】 被検液中の特定の免疫学的物質がヘモグ
    ロビンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の方法による
    試験片。
  4. 【請求項4】 検体溶解部、検体採取部および検出部の
    3機能部からなり、必要に応じて各機能部を一体化ある
    いは連結できる簡易測定装置であって、 a. 採取が検体採取部と検出部の連結によって達成さ
    れ、 b. 採取後の検体の溶解と溶解液の一定量のサンプリン
    グおよび免疫学的反応が検体溶解部、検体採取部および
    検出部の一体化または連結によって達成され、 c. 免疫学的最終反応終了後、検出部を切り離すことの
    できる簡易測定装置。ここにおいて、上記検出部は請求
    項3記載の試験片を内蔵するものである。
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