JP3303924B2 - マルチビームセンサシステム - Google Patents

マルチビームセンサシステム

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JP3303924B2 JP19535791A JP19535791A JP3303924B2 JP 3303924 B2 JP3303924 B2 JP 3303924B2 JP 19535791 A JP19535791 A JP 19535791A JP 19535791 A JP19535791 A JP 19535791A JP 3303924 B2 JP3303924 B2 JP 3303924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数対の投光器と受光
器が対向されて配置されてなるマルチビームセンサシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図3に示すように、複数対の投光
器と受光器とが対向して配置されてなるマルチビームセ
ンサシステムが知られている。図3においては、投光器
取付支柱23には4個の投光器T1,T2,T3,T4 が取り
付けられており、これに対向して配置されている受光器
取付支柱24には、4個の投光器T1,T2,T3,T4 とそ
れぞれ対をなす4個の受光器R1,R2,R3,R4 が取り付
けられている。この構成によれば、低い位置から高い位
置まで赤外線ビームを投射できるので、警戒範囲を広く
とることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のマル
チビームセンサシステムにおいては、各投光器は互いに
非同期で赤外線ビームを投光し、この投光器から投射さ
れる赤外線ビームは受光器側では一般的に大きな拡がり
を持つ。そして、各受光器はそれぞれ受光信号を処理す
る信号系を備えているから、図3に示す構成において
は、例えば投光器T1 より投射された赤外線ビームは受
光器R1 で受光されるばかりでなく、同時に受光器R2,
3 及びR4 でも受光されてしまい、赤外線の相互干渉
が生じてしまうという問題があった。
【0004】このような赤外線の相互干渉は、対向する
投光器が取り付けられている投光器支柱以外の他の投光
器取付支柱に取り付けられている投光器からの赤外線ビ
ームによっても生じることがある。即ち、いま例えば図
4に示すように、一つの投光器取付支柱に取り付けられ
た複数の投光器を備える投光器群TG1と、該投光器群T
G1に対向して配置されている受光器群RG1によって一つ
のマルチビームセンサシステムが構成され、また他の投
光器取付支柱に取り付けられた複数の投光器を備える投
光器群TG2と、該投光器群TG2に対向して配置されてい
る受光器群RG2によってもう一つのマルチビームセンサ
システムが構成されているとすると、図中の破線で示す
ように、受光器群RG1を構成する受光器は投光器群TG2
を構成する投光器からの赤外線ビームを受光する場合が
あり、このような場合には投光器群TG1からの赤外線ビ
ームが遮光された場合にも警報は出力されない。
【0005】このように従来のマルチビームセンサシス
テムにおいては、受光器は対向する投光器以外の投光器
からの赤外線ビームを受光することがあり、このような
赤外線の相互干渉によりマルチビームセンサシステムが
有効に機能しない場合があるという問題があった。
【0006】また、従来のマルチビームセンサシステム
においては、上述したように各投光器にはそれぞれ赤外
線ビームを投光するための駆動回路を、各受光器にはそ
れぞれ受光信号を処理する信号処理回路を備えなければ
ならないので、コストが高くなるという問題もあった。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、赤外線の相互干渉の影響を排除することができる
マルチビームセンサシステムを提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のマルチビームセンサシステムは、
複数対の投光器と受光器が対向されて配置されてなるマ
ルチビームセンサシステムにおいて、投光器側において
はスタートパルスに引き続いて予め定められた順序で順
次データパルスを投光し、受光器側では前記スタートパ
ルスを検出した後、前記予め定められた投光順序に対応
してデータパルスを投光する投光器に対向する受光器の
みの受光信号を得、且つ前記スタートパルスと前記デー
タパルスは共に所定の搬送波周波数に所定の変調を施す
ことにより生成され、且つ互いの搬送波周波数は異なる
ものであることを特徴とする。請求項2記載のマルチビ
ームセンサシステムは、請求項1において、受光器側に
おける前記スタートパルスの検出は全ての受光器の受光
信号に基づいて行うことを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載のマルチビームセンサシステムで
は、複数の投光器と、該投光器に対向して配置される複
数の受光器とを備える。投光器側からは、まず、スター
トパルスが投光され、それに引き続いてデータパルスが
投光される。データパルスは各投光器から定められた順
序で順次に投光される。受光器側では前記スタートパル
スを検出した後、前記予め定められた投光順序に対応し
てデータパルスを投光する投光器に対向する受光器のみ
の受光信号を得る。そして、前記スタートパルスと前記
データパルスは共に所定の搬送波周波数に所定の変調を
施すことにより生成され、且つ互いの搬送波周波数は異
なるものとなされている。請求項2記載のマルチビーム
センサでは、上記請求項1の作用に加え、受光器側にお
ける前記スタートパルスの検出は全ての受光器の受光信
号に基づいて行われる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
図1は本発明に係るマルチビームセンサシステムの一実
施例の構成を示す図であり、図中、1は投光部、2は投
光器駆動回路、3はスイッチ回路、10は受光部、11
はOR回路、12はスタートパルス検出回路、13は制
御回路、14はスイッチ回路、15はデータパルス検出
回路を示す。
【0011】図1に示すように、本発明に係るマルチビ
ームセンサシステムは、投光部1と受光部10とを備え
る。まず投光部1について説明する。投光部1は、n個
の投光器T1,T2,T3,…,Tn と、投光器駆動回路2
と、スイッチ回路3とを備えている。投光器T1,T2,T
3,…,Tnはそれぞれ赤外線を発光する発光素子及び投光
光学系で構成されている。投光器駆動回路2は、図2に
示すシーケンスを有する駆動信号SDを繰り返し発生す
ると共に、スイッチ回路3の切り替えを行う。
【0012】駆動信号SDはスタートパルスSPとn個
のデータパルスDP1,DP2,DP3,… ,DPn とを含ん
でいる(なお、以下データパルスを総称する場合には単
にDPと記す)。スタートパルスSP及びデータパルス
DPはそれぞれ所定の周波数の搬送波を変調して生成さ
れるが、スタートパルスSPとデータパルスDPの搬送
波周波数は互いに異なる値に選択される。図2において
はスタートパルスSP及びデータパルスDPは共に搬送
波をパルス振幅変調して生成されるが、スタートパルス
SPの搬送波周波数はf1 、データパルスDPの搬送波
周波数はf2 (≠f1 )となされている。図2において
0 で示すスタートパルスSPの期間、t1 で示すスタ
ートパルスSPが終了してから第1のデータパルスDP
1 が発生されるまでの期間、t2で示すデータパルスD
Pの期間、及びt3 で示すデータパルスDPi (i=1,2,
…,n-1)が終了してから次のデータパルスDPi+1 が発
生されるまでの期間は必要に応じて任意に設定すること
ができるが、当該マルチビームセンサシステムを侵入者
検知に使用する場合には、人間が赤外線ビームを遮光す
る時間は最短でも50msec程度であることから、スタート
パルスSPの開始から最後のデータパルスDPnが終了
するまで20〜30msecとするのがよい。このようにすると
侵入者が赤外線ビームを遮光している間に図2に示す駆
動信号SDのシーケンスを2回程度繰り返すことがで
き、以て侵入者の検知を良好に行うことができるからで
ある。
【0013】さて、投光器駆動回路2は、スタートパル
スSPを発生するとスイッチ回路3を介して予め設定さ
れている所定の投光器、例えば投光器T1に供給し、そ
の後発生するデータパルスDP1,DP2,DP3,… ,DP
n についてはスイッチ回路3を介してそれぞれT1,T2,
3,… ,Tn に順次供給する。これにより、スタートパ
ルスSP及びデータパルスDP1 は投光器T1 から投光
され、データパルスDP2 は投光器T2 から投光され、
データパルスDPn は投光器Tn から投光される。そし
て投光器駆動回路2は、最後のデータパルスDPn を投
光器Tn に供給すると、所定時間経過した後再び図2に
示す駆動信号SDを生成してそれぞれの投光器に供給す
る動作を繰り返し行う。
【0014】次に受光部10について説明する。受光部
10は、n個の投光器T1,T2,T3,…, Tn に対向して
配置されるn個の受光器R1,R2,R3,…,Rn を備えて
いる。各受光器が赤外線を受光する受光素子及び受光光
学系で構成されていることは当然である。これらの受光
器から出力される受光信号はOR回路11及びスイッチ
回路14に供給される。スイッチ回路14は、全ての受
光器から出力される受光信号の中から、現在投光してい
る投光器に対向する受光器から出力される受光信号のみ
を選択してデータパルス検出回路15に供給するもので
あり、これによってデータパルスDPi が投光器Ti
ら投光されているときには受光器Ri の受光信号のみが
スイッチ回路14を介してデータパルス検出回路15に
供給される。スイッチ回路14の切り替えは、マイクロ
コンピュータあるいは論理回路で構成される制御回路1
3が行うが、上記のような切り替えを行うためには、制
御回路13は現在投光部1では投光器Ti からデータパ
ルスDPi が投光されていることを検知する必要があ
る。そのために用いられるのがスタートパルスSPであ
る。即ち、スタートパルスSPはスイッチ回路14の切
り替えのための同期信号として用いられるものである。
【0015】スタートパルスSPの検出は、次のように
行われる。全ての受光器からの受光信号はOR回路11
を介してスタートパルス検出回路12に入力される。ス
タートパルス検出回路12は、スタートパルスSPに用
いられている搬送波周波数成分を抽出するフィルタ、当
該フィルタの出力を検波する検波回路及び当該検波出力
の立ち上がりでパルスを発生するパルス発生回路等で構
成される。従って、投光部1からスタートパルスSPが
投光されると、当該スタートパルスSPは受光部10の
スタートパルス検出回路12において検出され、パルス
が出力される。制御回路13は図2に示す駆動信号SD
のシーケンスを認識しており、スタートパルス検出回路
12から出力されるパルスの立ち上がりを検知すると、
これを駆動信号SDの開始と認識し、その時点から(t
0 +t1 )時間を経過したとき受光器R1 からの受光信
号をデータパルス検出回路15に供給するようにスイッ
チ回路14を切り替える。
【0016】このようにスタートパルスSPを検出する
に際して全ての受光器からの受光信号の論理和をとるの
は次の理由による。即ち、特定の受光器、例えば受光器
1からの受光信号のみに基づいてスタートパルスSP
を検出するようにできることは勿論であるが、当該受光
器R1 が故障した場合にはスタートパルスSPを検出す
ることができず、その結果駆動信号DSのシーケンスに
同期してスイッチ回路14の切り替えを行うことが不可
能になるので、上述したように全ての受光器からの受光
信号の論理和をとることによって、一つでも正常な受光
器があればスタートパルスSPを検出できるようにして
いるのである。
【0017】以上のようにして投光器T1 からデータパ
ルスDP1 が投光されているときには受光器R1 からの
受光信号のみがデータパルス検出回路15に供給され
る。そして、データパルスDP1 の期間が終了すると制
御回路13はスイッチ回路14を切り替えて、データパ
ルス検出回路15にはどのような信号も供給されない状
態とする。これによってデータパルスとデータパルスの
間の期間におけるノイズ信号の混入を防止することがで
きる。
【0018】そして制御回路13は、データパルスDP
1 が終了した時点からt3 時間経過したとき、受光器R
2 からの受光信号のみをデータパルス検出回路15に供
給するようにスイッチ回路14を切り替える。以上の動
作が繰り返されることによって、投光器Ti からデータ
パルスDPi が投光されているときには、当該投光器T
i に対向する受光器Ri から出力される受光信号のみが
データパルス検出回路15に供給されることになる。
【0019】データパルス検出回路15は、データパル
スDPに用いられている搬送波周波数成分を抽出するフ
ィルタ、当該フィルタの出力を検波する検波回路及び当
該検波出力の立ち上がりで所定の時間幅を有するパルス
を発生するパルス発生回路等で構成されている。そし
て、データパルス検出回路15の出力は制御回路13に
入力され、侵入者の有無の判断に用いられる。
【0020】このように、制御回路15は、上述したス
イッチ回路14の切り替え制御と共に、データパルス検
出回路15からの出力に基づいて侵入者の検知の処理を
行うものであり、例えば次のような信号処理を行うこと
によって侵入者の有無を判断する。上述したように制御
回路13は図2に示す駆動信号SDのシーケンスを認識
しているから、各データパルスDPの期間にデータパル
ス検出回路15から出力される信号のレベルを検知する
ことによって、どの投光器から投光された赤外線ビーム
が遮光されたかを判断することができ、遮光された赤外
線ビームの位置及び/または本数が予め設定されている
発報条件を満足している場合には図示しない受信器に警
報信号KSを出力する。この発報条件は任意に設定する
ことができ、例えば赤外線ビームが1本でも遮光された
場合に警報信号KSを出力するようにもできるし、全て
の赤外線ビームが同時に遮光された場合にのみ警報信号
KSを出力するようにすることも可能である。
【0021】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく種々
の変形が可能である。例えば本発明のマルチビームセン
サシステムを図4に示すような場合に適用するときに
は、投光器群TG1と投光器群TG2とではスタートパルス
SP及びデータパルスDPの搬送波周波数をそれぞれ異
ならせることによって光の相互干渉を防止することがで
きるものである。また、上記実施例では変調としてパル
ス振幅変調を行うものとしたが、周波数変調等の適宜の
変調を行うことができることは明らかである。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、投光器からは時分割でデータパルスを投光
し、且つ所定の変調を施しているので、従来生じていた
光の相互干渉を排除することができ、その結果多くの投
光器、受光器を配置することができる。また、投光部に
おける投光のための信号系、受光部における受光のため
の信号系としては、それぞれ全ての投光器、受光器で共
用する信号系を一つだけ配置すればよいので、安価に構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るマルチビームセンサシステムの
一実施例の構成を示す図である。
【図2】 駆動信号の例を示す図である。
【図3】 従来のマルチビームセンサシステムの概略の
構成例を示す図である。
【図4】 従来のマルチビームセンサシステムの問題点
を説明するための図である。
【符号の説明】
1…投光部、2…投光器駆動回路、3…スイッチ回路、
10…受光部、11…OR回路、12…スタートパルス
検出回路、13…制御回路、14…スイッチ回路、15
…データパルス検出回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数対の投光器と受光器が対向されて配置
    されてなるマルチビームセンサシステムにおいて、 投光器側においてはスタートパルスに引き続いて予め定
    められた順序で順次データパルスを投光し、 受光器側では前記スタートパルスを検出した後、前記予
    め定められた投光順序に対応してデータパルスを投光す
    る投光器に対向する受光器のみの受光信号を得、 且つ前記スタートパルスと前記データパルスは共に所定
    の搬送波周波数に所定の変調を施すことにより生成さ
    れ、且つ互いの搬送波周波数は異なるものであることを
    特徴とするマルチビームセンサシステム。
  2. 【請求項2】受光器側における前記スタートパルスの検
    出は全ての受光器の受光信号に基づいて行うことを特徴
    とする請求項1記載のマルチビームセンサシステム。
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