JP3303831B2 - 経皮的ビリルビン濃度測定装置およびこの測定装置に用いる測定データ検査板 - Google Patents

経皮的ビリルビン濃度測定装置およびこの測定装置に用いる測定データ検査板

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JP3303831B2
JP3303831B2 JP09263299A JP9263299A JP3303831B2 JP 3303831 B2 JP3303831 B2 JP 3303831B2 JP 09263299 A JP09263299 A JP 09263299A JP 9263299 A JP9263299 A JP 9263299A JP 3303831 B2 JP3303831 B2 JP 3303831B2
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light beam
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昭夫 山西
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液中のビリルビ
ン濃度を皮膚の表面から測定する経皮的ビリルビン濃度
測定装置およびこの測定装置に用いる測定データ検査板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、黄疸、特に新生児の重症黄疸は
死亡をもたらし、また仮に死を免れても脳性麻痺などの
後遺症を残す核黄疸へと進むおそれがあることから、そ
の早期発見が極めて重要な課題となっている。黄疸の強
さの正確な判定は、新生児から採血した血清中のビリル
ビン濃度の測定によるべきであるが、すべての新生児に
ついて血液を採取し、測定を行うことは困難であり、ま
た、不必要である場合が多い。
【0003】そこで、従来、例えば特開昭54−148
586号公報に記載された黄疸計を用いて無侵襲で患者
の黄疸が診断されている。この黄疸計は、人体の皮膚に
対して光を入射する光源と、この光の反射光のうち皮下
脂肪に沈着しているビリルビンによる吸収率が互いに異
なる少なくとも2波長領域の光にそれぞれ応答する少な
くとも2つの受光素子とを備え、各受光素子の出力から
黄疸の度合いを測定するようにしたものであり、血清ビ
リルビン濃度を測定せずに皮下脂肪に沈着しているビリ
ルビンの濃度を測定することで間接的に黄疸の強さを測
定する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
黄疸計では、皮膚からの反射光に基づいて黄疸を測定し
ているので、ビリルビンが沈着する脂肪が存在する皮下
組織より表面側の表皮および真皮の厚さの相違(例えば
新生児における皮膚の成熟度の相違)や、患者本来の皮
膚の色、すなわち人種の相違によって、測定結果が影響
を受け易く、常に正確な黄疸の測定を行うのは困難であ
った。
【0005】本発明は、上記問題を解決するもので、表
皮および真皮の厚さの相違によって影響を受けることな
く、皮下組織の脂肪に沈着しているビリルビン濃度を精
度良く測定することが可能な経皮的ビリルビン濃度測定
装置を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、人種の相違によって影響
を受けることなく、皮下組織の脂肪に沈着しているビリ
ルビン濃度を精度良く測定することが可能な経皮的ビリ
ルビン濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、測定チェッカとして経皮
的ビリルビン濃度測定装置に用いることが可能な測定デ
ータ検査板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ビリ
ルビンにより吸収される第1の波長領域の光束とビリル
ビンにより殆ど吸収されない第2の波長領域の光束とを
人体の皮膚に向けて発光し、その反射光を受光して受光
光量に基づいてビリルビン濃度を測定する経皮的ビリル
ビン濃度測定装置であって、上記第1の波長領域の光束
上記第2の波長領域の光束とを発光する発光手段と、
この発光手段からの光束を人体の皮膚に向けて射出する
射出口と、上記射出口から射出された光束が人体の皮膚
内部で散乱した散乱光が入射する第1の入射口と、上記
射出口との距離が上記第1の入射口と異なり、上記射出
口から射出された光束が人体の皮膚内部で散乱した散乱
光が入射する第2の入射口と、上記第1の入射口に入射
した上記第1、第2の波長領域の光束をそれぞれ受光し
て、その受光光量に応じたレベルの第1、第2の電気信
号をそれぞれ出力する第1の光電変換手段と、上記第2
の入射口に入射した上記第1、第2の波長領域の光束を
それぞれ受光して、受光光量に応じたレベルの第3、第
4の電気信号をそれぞれ出力する第2の光電変換手段
と、上記第1,第2の電気信号から所定の演算方法によ
り算出される算出値と第3,第4の電気信号から上記演
算方法により算出される算出値との差を用いることで少
なくとも表皮による影響を打ち消してビリルビン濃度を
算出する濃度演算手段と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0009】この構成によれば、ビリルビンにより吸収
される第1の波長領域の光束とビリルビンにより殆ど吸
収されない第2の波長領域の光束とが発光され、この光
束が射出口から人体の皮膚に向けて射出されて、人体の
皮膚内部で散乱した散乱光が第1の入射口から入射する
とともに、射出口との距離が第1の入射口より例えば長
い第2の入射口から入射する。これによって、第2の入
射口に入射する光束の皮膚内部を通過する第2光路の光
路長は、第1の入射口に入射する光束の皮膚内部を通過
する第1光路の光路長より長くなり、第1光路は主に皮
膚の表皮および真皮を通過することになり、第2光路は
主に皮膚の皮下組織を通過することになる。
【0010】ところで、表皮は皮膚の表層にあるので、
表皮に関する光路長は、第1光路と第2光路とで殆ど変
わらない。従って、第1光路に関する第1,第2の電気
信号から所定の演算方法により算出される算出値と、第
2光路に関する第3,第4の電気信号から上記演算方法
により算出される算出値との差を用いてビリルビン濃度
を算出することにより、表皮による影響を打ち消してビ
リルビン濃度を算出することが可能になるので、算出さ
れるビリルビン濃度における、表皮に存在するメラニン
による測定誤差をなくすことが可能になる。
【0011】一方、表皮および真皮の厚さが薄くなるほ
ど、皮下組織に関する光路長は長くなるが、皮下組織に
関する第1光路の光路長と第2光路の光路長との差の大
きさは、表皮および真皮の厚さに関わりなく一定と考え
られる。従って、第1光路に関する第1,第2の電気信
号から所定の演算方法により算出される算出値と、第2
光路に関する第3,第4の電気信号から上記演算方法に
より算出される算出値との差を用いてビリルビン濃度を
算出することにより、表皮および真皮の厚さによる影響
を打ち消してビリルビン濃度を算出することが可能にな
るので、算出されるビリルビン濃度における、皮膚の成
熟度による測定誤差をなくすことが可能になる。これに
よって、ビリルビン濃度の測定精度を向上することが可
能になる。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
経皮的ビリルビン濃度測定装置において、上記射出口
は、円形状に形成されたもので、上記第1の入射口は、
上記射出口の外側に環状に形成されたもので、上記第2
の入射口は、上記第1の入射口の外側に環状に形成され
たものであることを特徴としている。
【0013】この構成によれば、円形状の射出口が中央
に形成され、環状の第1、第2の入射口が同心円上に形
成されているので、射出口から射出されて第1、第2の
入射口に入射する光束の各光路長のばらつきが低減され
る。
【0014】また、請求項3の発明は、請求項1記載の
経皮的ビリルビン濃度測定装置において、上記第1の入
射口は、円形状に形成されたもので、上記射出口は、上
記第1の入射口の外側に環状に形成されたもので、上記
第2の入射口は、上記射出口の外側に環状に形成された
ものであることを特徴としている。
【0015】この構成によれば、円形状の第1の入射口
が中央に形成され、その外側に環状の射出口が形成さ
れ、さらにその外側に環状の第2の入射口が形成される
ことにより、射出口が第1の入射口と第2の入射口との
間に形成されるので、射出口と第1の入射口との距離
と、射出口と第2の入射口との距離を、互いに無関係に
設定することが可能になり、入射光束の光路長設定の自
由度を増すことが可能になる。
【0016】また、請求項4の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の経皮的ビリルビン濃度測定装置におい
て、さらに、上記第1の入射口に入射した上記散乱光を
上記第1の波長領域の光束と上記第2の波長領域の光束
とに分離する第1の分離手段と、上記第2の入射口に入
射した上記散乱光を上記第1の波長領域の光束と上記第
2の波長領域の光束とに分離する第2の分離手段と、を
備え、上記発光手段は、上記第1および第2の波長領域
の光束を含む白色光を出力する白色光源を備えたもの
で、上記第1の光電変換手段は、上記第1の分離手段に
より分離された上記第1の波長領域の光束を受光して上
記第1の電気信号を出力する第1の光電変換素子と、上
記第1の分離手段により分離された上記第2の波長領域
の光束を受光して上記第2の電気信号を出力する第2の
光電変換素子と、を備えたもので、上記第2の光電変換
手段は、上記第2の分離手段により分離された上記第1
の波長領域の光束を受光して上記第3の電気信号を出力
する第3の光電変換素子と、上記第2の分離手段により
分離された上記第2の波長領域の光束を受光して上記第
4の電気信号を出力する第4の光電変換素子と、を備え
たものであることを特徴としている。
【0017】この構成によれば、白色光源から第1およ
び第2の波長領域の光束を含む白色光が発光され、第
1、第2の入射口に入射した散乱光は、第1、第2の分
離手段により、それぞれ、第1の波長領域の光束と第2
の波長領域の光束とに分離される。そして、第1の入射
口に入射して分離された第1、第2の波長領域の光束
は、それぞれ第1、第2の光電変換素子によって受光さ
れ、第2の入射口に入射して分離された第1、第2の波
長領域の光束は、それぞれ第3、第4の光電変換素子に
よって受光される。これによって、白色光源による1回
の発光によって、第1、第2、第3、第4の電気信号が
好適に得られ、測定に時間を要することがない。
【0018】また、請求項5の発明は、請求項4記載の
経皮的ビリルビン濃度測定装置において、さらに、上記
第1の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の分離手
段に導く第1の導光手段と、上記第2の入射口に入射し
た上記散乱光を上記第2の分離手段に導く第2の導光手
段と、を備えたことを特徴としている。
【0019】この構成によれば、第1、第2の入射口に
入射した散乱光が、第1、第2の導光手段により、それ
ぞれ第1、第2の分離手段に導かれることにより、各光
電変換素子の受光光量の減衰を防止することが可能にな
る。
【0020】また、請求項6の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の経皮的ビリルビン濃度測定装置におい
て、さらに、上記発光手段による発光動作を制御する発
光制御手段を備え、上記発光手段は、上記第1の波長領
域の光束を出力する第1の光源と、上記第2の波長領域
の光束を出力する第2の光源と、を備えたもので、上記
発光制御手段は、上記第1の光源と上記第2の光源とを
個別に発光動作させるもので、上記第1の光電変換手段
は、上記第1、第2の波長領域の光束を個別に受光して
上記第1、第2の電気信号を出力する第1の光電変換素
子を備えたもので、上記第2の光電変換手段は、上記第
1、第2の波長領域の光束を個別に受光して上記第3、
第4の電気信号を出力する第2の光電変換素子を備えた
ものであることを特徴としている。
【0021】この構成によれば、第1の波長領域の光束
を出力する第1の光源が発光すると、第1、第2の入射
口から入射した光束は、それぞれ第1、第2の光電変換
素子により受光されて第1、第3の電気信号が出力さ
れ、第2の波長領域の光束を出力する第2の光源が発光
すると、第1、第2の入射口から入射した光束は、それ
ぞれ第1、第2の光電変換素子により受光されて第2、
第4の電気信号が出力される。このように、第1、第2
の波長領域の光束を出力する光源を個別に設けることに
より、光束を分離する分離手段などが必要ないので、少
ない部品点数で簡素な構成により、第1、第2、第3、
第4の電気信号が好適に得られることとなる。
【0022】また、請求項7の発明は、請求項6記載の
経皮的ビリルビン濃度測定装置において、さらに、上記
第1の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の光電変
換素子に導く第1の導光手段と、上記第2の入射口に入
射した上記散乱光を上記第2の光電変換素子に導く第2
の導光手段と、を備えたことを特徴としている。
【0023】この構成によれば、第1、第2の入射口に
入射した散乱光が、第1、第2の導光手段により、それ
ぞれ第1、第2の光電変換素子に導かれることにより、
各光電変換素子の受光光量の減衰を防止することが可能
になる。
【0024】また、請求項8の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の経皮的ビリルビン濃度測定装置におい
て、上記第1、第2、第3、第4の電気信号にそれぞれ
対応する第1、第2、第3、第4の定数を記憶する記憶
手段を備え、上記濃度演算手段は、上記第1、第2、第
3、第4の電気信号に上記第1、第2、第3、第4の定
数をそれぞれ乗算した第1、第2、第3、第4の乗算値
を求め、上記第2の乗算値を上記第1の乗算値で除算し
た値の対数を求め、上記第4の乗算値を上記第3の乗算
値で除算した値の対数を求めて、上記両方の対数の差を
用いてビリルビン濃度を算出するものであることを特徴
としている。
【0025】この構成によれば、第1、第2、第3、第
4の電気信号に第1、第2、第3、第4の定数をそれぞ
れ乗算した第1、第2、第3、第4の乗算値が求めら
れ、第2の乗算値を第1の乗算値で除算した値の対数が
求められ、第4の乗算値を第3の乗算値で除算した値の
対数が求められて、両方の対数の差を用いてビリルビン
濃度が算出されることにより、ビリルビン濃度が精度良
く求められる。
【0026】また、請求項9の発明は、請求項8記載の
経皮的ビリルビン濃度測定装置において、上記第1、第
2、第3、第4の定数を求める定数演算手段と、求めた
各定数を上記記憶手段に記憶させる記憶制御手段とを備
え、上記定数演算手段は、波長依存性のない白色拡散板
を上記射出口および上記第1、第2の入射口に対向配置
した状態で上記発光手段を発光動作させたときに得られ
る上記第1〜第4の電気信号を第1〜第4の白色電気信
号としたときに、上記第1の白色電気信号に第1の定数
を乗算した乗算値と上記第2の白色電気信号に第2の定
数を乗算した乗算値とが等しくなるように第1の定数お
よび第2の定数を求め、上記第3の白色電気信号に第3
の定数を乗算した乗算値と上記第4の白色電気信号に第
4の定数を乗算した乗算値とが等しくなるように第3の
定数および第4の定数を求めるものであることを特徴と
している。
【0027】この構成によれば、波長依存性のない白色
拡散板を射出口および第1、第2の入射口に対向配置し
た状態で発光手段を発光動作させたときに得られる第1
〜第4の電気信号を第1〜第4の白色電気信号としたと
きに、第1の白色電気信号に第1の定数を乗算した乗算
値と第2の白色電気信号に第2の定数を乗算した乗算値
とが等しくなるように第1の定数および第2の定数が求
められ、第3の白色電気信号に第3の定数を乗算した乗
算値と第4の白色電気信号に第4の定数を乗算した乗算
値とが等しくなるように第3の定数および第4の定数が
求められることにより、第1〜第4の定数が好適に求め
られ、ビリルビン濃度が精度良く算出されることとな
る。
【0028】また、請求項10の発明は、請求項1〜9
のいずれかに記載の経皮的ビリルビン濃度測定装置の上
記射出口および上記第1、第2の入射口に対向配置させ
て用いる測定データ検査板であって、表面に所定の厚さ
を有して形成され、上記第1の波長領域の光束の吸収率
と上記第2の波長領域の光束の吸収率とがほぼ等しく、
かつ、入射光束を拡散する白色拡散部と、この白色拡散
部の下方に形成され、上記第1の波長領域の光束の吸収
率が上記第2の波長領域の光束の吸収率より大きく、か
つ、入射光束を拡散する波長選択吸収部と、を備えたこ
とを特徴としている。
【0029】この構成によれば、射出口および第1、第
2の入射口に対向配置させた状態で発光手段が発光した
ときに、第1の入射口に入射する光束は、主に白色拡散
部で拡散された光束からなり、第2の入射口に入射する
光束は、波長選択吸収部で拡散された光束も含まれるの
で、ビリルビン濃度の測定結果として高い数値が得られ
ることになり、これによって測定装置の簡易な検査が可
能になる。
【0030】また、請求項11の発明は、請求項10
載の測定データ検査板において、上記波長選択吸収部
は、上記白色拡散部に隣接して薄板状に形成され、上記
第1の波長領域の光束を吸収する色フィルタと、入射光
束を拡散する第2白色拡散部とからなるものであること
を特徴としている。
【0031】この構成によれば、射出口および第1、第
2の入射口に対向配置させた状態で発光手段が発光した
ときに、第2の入射口に入射する光束は、色フィルタを
通過して第2白色拡散部で拡散された光束も含まれるこ
ととなり、ビリルビン濃度の測定結果として高い数値が
得られることになり、これによって、色フィルタを用い
て容易に測定装置の簡易検査が可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る経皮的ビリル
ビン濃度測定装置の第1実施形態の外観を示す図で、
(a)は全体斜視図、(b)は(a)の部分拡大図、
(c)は突起部の平面図である。
【0033】この経皮的ビリルビン濃度測定装置10
は、図1(a)に示すように、手の平に収まる大きさの
箱体11を有しており、この箱体11内部に、後述する
光学系および電気的構成要素が配置されている。また、
箱体11の上面後端側には、測定結果、すなわち皮下脂
肪に沈着するビリルビン濃度を表示する表示部12が設
けられている。
【0034】また、箱体11の先端側には、円筒状の突
起部13が、矢印ARで示すように箱体11に対して出
退自在に設けられている。この突起部13は、ばね部材
などの付勢手段(図示省略)により箱体11に対して突
出方向(矢印のAR側)に付勢されており、測定者が被
測定者の人体の一部分、例えば額部分に押し付けて押圧
すると、上記付勢手段の付勢力に逆らって突起部13が
箱体11内に押し込まれ、後述するキセノンチューブ2
1(図2参照)が発光するように構成されている。
【0035】突起部13の端面には、図1(b)に示す
ように、キセノンチューブ21(図2参照)からの光束
が射出される円形状の射出口14が中央に設けられ、そ
の外側に、環状の第1の入射口15が設けられ、そのさ
らに外側に、環状の第2の入射口16が設けられ、最外
周部には、環状の遮光部17が設けられている。図1
(c)に示すように、射出口14と第1の入射口15と
の間、第1の入射口15と第2の入射口16との間は、
それぞれ黒色に塗装されたスペーサ18,19で隔てら
れており、遮光部17は、梨地黒処理されており、これ
によって外光が各入射口15,16に入射しないように
されている。
【0036】そして、突起部13が押し込まれてキセノ
ンチューブ21(図2参照)が発光すると、キセノンチ
ューブ21(図2参照)からの白色光が、図1(b)に
示す突起部13の射出口14から射出され、被測定者の
皮膚に入射するとともに、後述するように皮膚の内部で
散乱した光束が突起部13の第1、第2の入射口15,
16を介して、箱体11内部の光学系に入射するように
なっている。さらに、図1(a)における箱体11の後
面後端側には電源スイッチ11aが、奥側面部にはリセ
ットスイッチ45(図3参照)が設けられている。
【0037】図2は図1の箱体11に収容されている光
学系20を示す図である。この光学系20は、光源とし
てキセノンチューブ(発光手段)21を有しており、こ
のキセノンチューブ21が発光すると、複数波長を有す
る光(白色光)が発生する。
【0038】このキセノンチューブ21と対向するよう
に、導光手段として機能する光ファイバ22の一方端2
3が配置されており、キセノンチューブ21からの光束
が他方端24側に導かれ、当該他方端24から、突起部
13(図1参照)の射出口14を介して射出される。こ
の射出された光束は、被測定者の皮膚に入射し、後述す
るように皮膚内部で散乱した散乱光が、皮膚表面から第
1の入射口15を介して光ファイバ251の一方端26
1に入射するとともに、第2の入射口16を介して光フ
ァイバ252の一方端262に入射する。すなわち、射
出口14は光ファイバ22の他方端24に一致し、第1
の入射口15は光ファイバ251の一方端261に一致
し、第2の入射口16は光ファイバ252の一方端26
2に一致している。
【0039】光ファイバ251の一方端261に入射し
た散乱光は、他方端271側に導かれ、この他方端27
1から射出され、一方、光ファイバ252の一方端26
2に入射した散乱光は、他方端272に導かれ、この他
方端272から射出される。
【0040】他方端271(272)から射出された光
束は、青色波長領域の光束を反射するダイクロイックミ
ラー281(282)に入射して2方向に分離される。
【0041】ダイクロイックミラー281(282)に
よって反射された光束291(292)は、それぞれ、
集束レンズ301(302)で集光され、青色フィルタ
311(312)を介してフォトダイオードなどからな
る光電変換素子321(322)によって受光される。
また、ダイクロイックミラー281(282)を透過し
た光束331(332)は、それぞれ、集束レンズ34
1(342)で集光され、緑色フィルタ351(352)
を介してフォトダイオードなどからなる光電変換素子3
61(362)によって受光される。
【0042】光ファイバ251は第1の導光手段を構成
し、光ファイバ252は第2の導光手段を構成する。ま
た、光電変換素子321は第1の光電変換素子を構成
し、光電変換素子361は第2の光電変換素子を構成
し、光電変換素子322は第3の光電変換素子を構成
し、光電変換素子362は第4の光電変換素子を構成す
る。また、ダイクロイックミラー281は第1の分離手
段を構成し、ダイクロイックミラー282は第2の分離
手段を構成する。
【0043】なお、光ファイバ23,251,252
は、それぞれ、ガラスまたは合成樹脂からなる多数の細
いファイバの束で構成されている。
【0044】このような構成の光学系20によって、光
電変換素子321,322には、青色波長領域(第1の
波長領域)の光束が入射し、光電変換素子361,36
2には、緑色波長領域(第2の波長領域)の光束が入射
する。光電変換素子321,322の受光光量をI1
b),I2(λb)とし、光電変換素子361,362の受光
光量をI1(λg),I2(λg)とすると、皮下組織の脂肪に沈
着したビリルビンは、青色波長領域の吸光係数(吸収
率)が大きいので、I1(λb)<I1(λg)I2(λb)<I2(λg)
となる。
【0045】図3は図1に示す経皮的ビリルビン濃度測
定装置10(第1実施形態)の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【0046】この測定装置10は、CPUなどからなる
制御部40と、キセノンチューブ21を駆動する光源駆
動部41と、上述したように付勢手段の付勢力に逆らっ
て突起部13(図1参照)が箱体11内に押し込まれる
と、自動的にオンにされる測定スイッチ42と、A/D
変換器431,432,441,442と、測定結果を
クリアして次回の測定を実行できる状態に戻すためのリ
セットスイッチ45と、制御部40の制御プログラムや
予め設定された固定データなどを記憶するROM46と
電気信号データなどを一時的に保管するRAM47とを
備えている。このRAM(記憶手段)47は、バックア
ップ電源(図示省略)を有しており、メモリ内容が消去
されないようになっている。また、記憶手段として、バ
ックアップ電源を有するRAM47に代えて、EEPR
OMなどの書き換え可能な不揮発性メモリを備えるよう
にしてもよい。
【0047】制御部40は、発光制御手段としての機能
を有し、光源駆動部41と電気的に接続されており、上
述したように、付勢手段の付勢力に逆らって突起部13
(図1参照)が箱体11内に所定位置まで押し込まれる
と、測定スイッチ42が自動的にオンにされ、それに応
じて制御部40から光源駆動部41に発光指示信号が送
出され、光源駆動部41がキセノンチューブ21を発光
させる。
【0048】光ファイバ251(図2参照)を通ってダ
イクロイックミラー281により分離された光束29
1,331をそれぞれ受光する光電変換素子321,3
61は、A/D変換器431,441を介して制御部4
0とそれぞれ電気的に接続されており、光電変換素子3
21,361から受光光量I1(λb),I1(λg)に比例する
電気信号S1(λb),S1(λg)が制御部40にそれぞれ出力
される。
【0049】また、光ファイバ252(図2参照)を通
ってダイクロイックミラー282により分離された光束
292,332をそれぞれ受光する光電変換素子32
2,362は、A/D変換器432,442を介して制
御部40とそれぞれ電気的に接続されており、光電変換
素子322,362から受光光量I2(λb),I2(λg)に比
例する電気信号S2(λb),S2(λg)が制御部40にそれぞ
れ出力される。
【0050】そして、制御部40は、濃度演算手段とし
ての機能を有し、電気信号S1(λb),S1(λg),S2
b),S2(λg)を用いて、後述する測定原理にしたがっ
て、ビリルビン濃度を算出する演算を行い、その演算結
果を表示部12に表示する。
【0051】次に、図4、図5を用いて、第1実施形態
の測定原理および制御部40で行われる演算内容につい
て説明する。図4、図5は皮膚に対して光束を入射させ
たときの光路を模式的に示す新生児の皮膚断面図であ
る。
【0052】図4に示すように、人体の皮膚106で
は、表面から、メラニンが分布する表皮101、赤血球
が存在する真皮102、ビリルビンが脂肪に沈着して存
在する皮下組織103が形成されている。なお、上述し
たように、測定時には突起部13(図1参照)により皮
膚106の表面が押圧されることによって、真皮102
を虚血しており、赤血球が測定の障害とならないように
している。
【0053】図4において、皮膚への光束の入射位置を
点P0、皮膚からの光束を取り込む位置で点P0に近い
方を点P1、点P0から遠い方を点P2とする。点P0
は図1の射出口14に対応し、点P1は図1の第1の入
射口15に対応し、点P2は図1の第2の入射口16に
対応する。
【0054】点P0から皮膚106に入射した光束は、
皮膚106の内部で散乱される。そして、その一部は表
皮101および真皮102を通過して、点P1および点
P2で測定装置に入射する。一方、皮下組織103まで
到達した光束の大部分は、図4に示すように、点P2で
測定装置に入射する。そこで、点P0から皮膚106に
入射して点P1で測定装置に入射する光路(以下「第1
光路」という。)を通る光束の平均的な光路長(以下
「有効光路長」という。)L1と、点P0から皮膚106
に入射して点P2で測定装置に入射する光路(以下「第
2光路」という。)を通る光束の有効光路長L2との関係
は、図4から明らかなように、L1<L2になっている。
【0055】図5において、左側の皮膚104に比べ
て、右側の皮膚105の表皮101および真皮102が
薄くなっており、左側が標準的な皮膚、例えば成熟児の
皮膚(以下「標準皮膚」という。)で、右側が未発達の
皮膚、例えば未熟児の皮膚(以下「未発達皮膚」とい
う。)である。
【0056】まず、図5の左側に示す標準皮膚104に
ついて検討する。点P0から皮膚104に入射する光束
の光量をI0(λ)とすると、ランベールトベアの式によっ
て、点P1で測定装置に入射する光束の光量I1n(λ)は
式(1),(2)で表わされ、点P2で測定装置に入射する
光束の光量I2n(λ)は式(3),(4)で表わされる。 I1n(λ)=I0(λ)・F1n・10-K1n …(1) K1n=εB(λ)・CB・L1n+εM(λ)・CM・L1n …(2) I2n(λ)=I0(λ)・F2n・10-K2n …(3) K2n=εB(λ)・CB・L2n+εM(λ)・CM・L2n …(4) ただし、F1n,F2nは、第1、第2光路におけるビリルビ
ンおよびメラニン以外の光減衰ファクタ、εB(λ)はビ
リルビンの吸光係数、CBはビリルビン濃度、L1n,L2n
第1、第2光路の有効光路長、εM(λ)はメラニンの吸
光係数、CMはメラニン濃度である。
【0057】ここで、第1、第2光路における青色波長
領域(波長λb)の光束による測定データをE1n(λb),E
2n(λb)とすると、上記式(1)〜(4)より下記式(5)〜
(8)が得られる。 E1n(λb)=A1b・I1n(λb) =A1b・I0(λb)・F1n・10-K1nb …(5) K1nb=εB(λb)・CB・L1n+εM(λb)・CM・L1n…(6) E2n(λb)=A2b・I2n(λb) =A2b・I0(λb)・F2n・10-K2nb …(7) K2nb=εB(λb)・CB・L2n+εM(λb)・CM・L2n…(8) さらに、第1、第2光路における緑色波長領域(波長λ
g)の光束による測定データをE1n(λg),E2n(λg)とす
る。また、ビリルビンは緑色波長領域の光を殆ど吸収し
ないので、εB(λg)=0とする。これによって、上記式
(1)〜(4)より下記式(9)〜(12)が得られる。 E1n(λg)=A1g・I1n(λg) =A1g・I0(λg)・F1n・10-K1ng …(9) K1ng=εM(λg)・CM・L1n …(10) E2n(λg)=A2g・I2n(λg) =A2g・I0(λg)・F2n・10-K2ng …(11) K2ng=εM(λg)・CM・L2n …(12) ただし、A1b,A2b,A1g,A2gは、増幅度に相当する定数
である。この定数A1b,A2b,A1g,A2gは、実際の測定を
行う前に、波長依存性のない白色拡散板、例えば乳白色
板を測定対象として白色校正を行うことによって、あら
かじめ求めておく。白色校正では、測定対象が波長依存
性のない白色拡散板であるので、第1光路に関する式
(5),(9)において、 F1n・10-K1nb=F1n・10-K1ng=定数 になる。したがって、白色校正において、 E1n(λb)=E1n(λg) すなわち、 A1b・I1n(λb)=A1g・I1n(λg) となるように定数A1b,A1gを求めると、 A1b・I0(λb)=A1g・I0(λg) …(13) になる。このようにして求めた定数A1b,A1gをRAM4
7に記憶しておく。
【0058】また、同様に、この白色校正では、第2光
路に関する式(7),(11)において、 F2n・10-K2nb=F2n・10-K2ng=定数 になる。したがって、白色校正において、 E2n(λb)=E2n(λg) すなわち、 A2b・I2n(λb)=A2g・I2n(λg) となるように定数A2b,A2gを求めると、 A2b・I0(λb)=A2g・I0(λg) …(14) になる。このようにして求めた定数A2b,A2gをRAM4
7に記憶しておく。
【0059】第1光路に関する式(5),(9)と、式(13)
とから、 log[E1n(λg)/E1n(λb)]=K1nb−K1ng が得られ、この式と式(6),(10)とから、 log[E1n(λg)/E1n(λb)] =εB(λb)・CB・L1n+[εM(λb)−εM(λg)]・CM・L1n …(15) が得られる。
【0060】また、第2光路に関する式(7),(11)と、
式(14)とから、 log[E2n(λg)/E2n(λb)]=K2nb−K2ng が得られ、この式と式(8),(12)とから、 log[E2n(λg)/E2n(λb)] =εB(λb)・CB・L2n+[εM(λb)−εM(λg)]・CM・L2n …(16) が得られる。これらの式(15),(16)より、下記式(17)が
得られる。
【0061】 log[E1n(λg)/E1n(λb)]−log[E2n(λg)/E2n(λb)] =εB(λb)・CB・(L1n−L2n)+[εM(λb)−εM(λg)]・CM・(L1n−L2n) …(17) ここで、ビリルビンの分布する部位とメラニンの分布す
る部位は異なるので、ビリルビンに関する有効光路長
と、メラニンに関する有効光路長とは異なる。そこで、
第1、第2光路のビリルビンに関する有効光路長を
L1nB,L2nBとし、第1、第2光路のメラニンに関する有
効光路長をL1nM,L2nMとする。
【0062】メラニンは、図5に示す表皮101に存在
するので、第1光路、第2光路ともに、ほぼ等しい有効
光路長になると考えられることから、 L1nM=L2nM とおくことができる。
【0063】従って、式(17)は、その右辺第2項が消去
されて、 log[E1n(λg)/E1n(λb)]−log[E2n(λg)/E2n(λb)] =εB(λb)・CB・(L1nB−L2nB) …(18) となる。
【0064】この式(18)を書き換えると、 CB=J・[log[E1n(λg)/E1n(λb)]−log[E2n(λg)/E2n(λb)]]…(19) J=1/[εB(λb)・(L1nB−L2nB)] …(20) となる。
【0065】ここで、図5の右側に示す未発達皮膚10
5について検討する。上述した標準皮膚104の場合と
同様に、点P0からの入射光束の光量をI0(λ)とする
と、ランベールトベアの式によって、点P1で測定装置
に入射する光束の光量I1p(λ)は式(21),(22)で表わさ
れ、点P2で測定装置に入射する光束の光量I2p(λ)は
式(23),(24)で表わされる。 I1p(λ)=I0(λ)・F1p・10-K1p …(21) K1p=εB(λ)・CB・L1p+εM(λ)・CM・L1p …(22) I2p(λ)=I0(λ)・F2p・10-K2p …(23) K2p=εB(λ)・CB・L2p+εM(λ)・CM・L2p …(24) ここで、F1p,F2pは、第1、第2光路におけるビリルビ
ンおよびメラニン以外の光減衰ファクタ、εB(λ)はビ
リルビンの吸光係数、CBはビリルビン濃度、L1p,L2p
第1、第2光路の有効光路長、εM(λ)はメラニンの吸
光係数、CMはメラニン濃度である。
【0066】図5の右側に示す未発達皮膚105は、左
側に示す標準皮膚104に比べて、表皮101および真
皮102が薄くなっている。したがって、メラニンは表
皮101に存在するので、右側に示す未発達皮膚105
における第1、第2光路のメラニンに関する有効光路長
は、それぞれ、標準皮膚104における第1、第2光路
のメラニンに関する有効光路長よりも短い。
【0067】しかし、標準皮膚104の場合と同様に、
メラニンに関する有効光路長は、第1光路と第2光路と
でほぼ等しくなると考えられることから、未発達皮膚1
05における第1、第2光路のメラニンに関する有効光
路長L1pM,L2pMは、L1pM=L2pMとおくことができる。
【0068】また、図5から明らかなように、未発達皮
膚105において皮下組織103を通る光路長は標準皮
膚104に比べて長くなるので、未発達皮膚105にお
ける第1、第2光路のビリルビンに関する有効光路長L
1pB,L2pBの絶対値は、標準皮膚104における各有効
光路長の絶対値よりも大きくなる。しかし、ビリルビン
の存在する皮下組織103における第1光路の光路長と
第2光路の光路長の差は、未発達皮膚105の場合と標
準皮膚104の場合とでほぼ等しいと考えられる。
【0069】したがって、 L1pB−L2pB=L1nB−L2nB になる。
【0070】このように、式(20)における(L1nB−L2nB)
は、表皮101および真皮102の厚さに関わりなく一
定の値になると考えられる。また、式(20)のεB(λb)は
既知であり、ROM46に格納しておけばよい。したが
って、式(20)、すなわちJは定数になる。そこで、本測
定装置10を用いた式(19)による測定データと、そのと
きのビリルビン濃度を他の方法で測定した実測値とから
校正を行って定数Jを決定し、予めこの定数JをROM
46に格納しておくことによって、ビリルビン濃度を精
度良く求めることができる。
【0071】なお、上記式(1)〜(24)では、測定原理の
説明の便宜上、受光光量I1(λ),I2(λ)を用いて説明し
ているが、本測定装置の制御部40では、上述したよう
に、受光光量I1(λb),I1(λg),I2(λb),I2(λg)に代
えて、それらに比例する電気信号S1(λb),S1(λg),S2
(λb),S2(λg)を用いて、RAM47に記憶されている
増幅度に相当する定数A1b,A1g,A2b,A2gをそれぞれ乗
算して、測定データE1n(λb),E1n(λg),E2n(λb),E
2n(λg)を求め、上述した除算値の対数値、 log[E1n(λg)/E1n(λb)] log[E2n(λg)/E2n(λb)] を求めることによって、ビリルビン濃度算出の演算が行
われる。
【0072】この場合、1回の測定においてキセノンチ
ューブ21を複数回発光させて、電気信号S1(λb),S
1(λg),S2(λb),S2(λg)を複数回取り込んで、その平
均値を用いて測定データE1n(λb),E1n(λg),E2n
b),E2n(λg)を求めるようにしてもよい。これによって
測定偏差を低減し、測定精度を向上することができる。
【0073】次に、上記のように構成されたビリルビン
濃度測定装置10の測定動作について説明する。
【0074】測定者が箱体11の側面手前側に設けられ
た電源スイッチ11aをオフ状態からオン状態に切り換
えた後、リセットスイッチ45を押して測定可能な状態
にする。そして、濃度測定装置10の突起部13を被測
定者の一部、例えば額部分に押し当てる。これによっ
て、突起部13が付勢手段の付勢力に逆らいながら箱体
11内に後退し、所定量だけ押し込まれると、測定スイ
ッチ42が自動的に閉じられてキセノンチューブ21が
発光し、キセノンチューブ21からの白色光が被測定者
の皮膚に照射され、被測定者の皮膚内部で散乱した散乱
光が、第1の入射口15から入射して、ダイクロイック
ミラー281によって2つの色に分離されるとともに、
第2の入射口16から入射して、ダイクロイックミラー
282によって2つの色に分離される。そして、各2つ
の色は、それぞれ、光電変換素子321,361,32
2,362によって受光され、受光光量に比例する電気
信号S1(λb),S1(λg),S2(λb),S2(λg)が制御部40
に出力されて、これらを用いて、皮下組織103の脂肪
に沈着しているビリルビン濃度が求められ、その測定結
果が表示部12に表示される。
【0075】このように、第1実施形態によれば、射出
口14との距離が互いに異なる第1の入射口15と第2
の入射口16とを備えて、光路長が互いに異なる第1の
光路と第2の光路とを通過した光量を用いて、ビリルビ
ン濃度を求めるようにしたので、表皮101、真皮10
2の厚さ、すなわち皮膚の成熟度によって影響を受ける
ことなく、皮下組織103の脂肪に沈着しているビリル
ビン濃度を精度良く測定することができるとともに、メ
ラニンの濃度によって影響を受けることなく、ビリルビ
ン濃度を精度良く測定できる。従って、新生児が成熟児
か未熟児かに関わりなく、また、人種に関わりなく、ビ
リルビン濃度を精度良く測定することができる。
【0076】また、キセノンチューブ21を用いて、第
1、第2の波長領域を有する光束を発光しているので、
1回の発光で複数波長を出力することができ、測定時間
を短縮することができる。
【0077】また、突起部13が所定量だけ押し込まれ
ると、測定スイッチ42が自動的に閉じられてキセノン
チューブ21が発光するようにしているので、常に一定
の圧力で真皮の虚血、すなわち真皮からの赤血球の除去
を行うことができ、熟練を要することなく、精度良く測
定することができる。
【0078】また、図1(c)に示すように、射出口1
4と第1の入射口15との間にスペーサ18を配置し、
第1の入射口15と第2の入射口16との間にスペーサ
19を配置するようにしたので、射出口14と第1の入
射口15との距離および射出口14と第2の入射口15
との距離をスペーサ18,19の厚さのみによって決定
することができ、各距離の製造上の管理を容易に行うこ
とができる。
【0079】また、円形状の射出口14の外側に環状の
第1の入射口15を設け、さらにその外側に、環状の第
2の入射口16を設けるようにしたので、第2の入射口
16の半径が大きいことから、射出口14から遠方側の
第2の入射口16の入射面積を容易に増大することがで
き、これによって、第1の入射口15への入射光量と第
2の入射口16への入射光量とのバランスを取り易くな
る。
【0080】突起部13の端面には、図1(b)に示す
ように、キセノンチューブ21(図2参照)からの光束
が射出される円形状の射出口14が中央に設けられ、そ
の外側に、環状の第1の入射口15が設けられ、そのさ
らに外側に、環状の第2の入射口16が設けられ、最外
周部には、環状の遮光部17が設けられている。図1
(c)に示すように、射出口14と第1の入射口15と
の間、第1の入射口15と第2の入射口16との間は、
それぞれ黒色に塗装されたスペーサ18,19で隔てら
れており、遮光部17は、梨地黒処理されており、これ
によって外光が各入射口15,16に入射しないように
されている。
【0081】なお、本発明は、上記第1実施形態におい
て、以下の変形形態(1)〜(3)に示すように構成し
てもよい。
【0082】(1)図6は光学系20の変形形態を示す
図である。なお、図2と同一部材については同一符号を
付し、説明を省略する。
【0083】図6の光学系20は、発光手段として、キ
セノンチューブ21に代えて、青色波長領域(第1の波
長領域)の光束を出力する青色LED211と、緑色波
長領域(第2の波長領域)の光束を出力する緑色LED
212とを備えている。
【0084】青色LED211から出力された光束は、
コリメートレンズ501でコリメートされ、青色波長領
域を反射するダイクロイックミラー280に入射して反
射され、緑色LED212から出力された光束は、コリ
メートレンズ502でコリメートされ、ダイクロイック
ミラー280に入射して透過する。
【0085】ダイクロイックミラー280に対向するよ
うに光ファイバ220の一方端230が配置され、ダイ
クロイックミラー280の反射光及び透過光は、光ファ
イバ220の一方端230に入射して他方端240に導
かれ、当該他方端240から、突起部13の射出口14
(図1参照)を介して射出される。
【0086】この射出された光束は、被測定者の皮膚に
入射し、上述したように皮膚内部で散乱した散乱光が、
皮膚表面から第1の入射口15を介して光ファイバ25
1の一方端261に入射するとともに、第2の入射口1
6を介して光ファイバ252の一方端262に入射す
る。
【0087】光ファイバ251の一方端261に入射し
た散乱光は、他方端271側に導かれ、この他方端27
1から射出され、一方、光ファイバ252の一方端26
2に入射した散乱光は、他方端272に導かれ、この他
方端272から射出される。
【0088】他方端271(272)から射出された光
束511(512)は、集束レンズ521(522)で
集光され、フォトダイオードなどからなる光電変換素子
531(532)によって受光される。
【0089】青色LED211は第1の光源を構成し、
緑色LED212は第2の光源を構成する。また、光フ
ァイバ251は第1の導光手段を構成し、光ファイバ2
52は第2の導光手段を構成する。また、光電変換素子
531は第1の光電変換素子を構成し、光電変換素子5
32は第2の光電変換素子を構成する。
【0090】このような構成の光学系20によって、光
電変換素子531により、第1の入射口15から入射し
た光束が受光され、光電変換素子532により、第2の
入射口16から入射した光束が受光される。
【0091】図7は図6に示す光学系20を有する測定
装置10の電気的構成を示すブロック図である。なお、
図3と同一部材には同一符号を付している。
【0092】この測定装置10は、CPUなどからなる
制御部400と、青色LED211を駆動する光源駆動
部411と、緑色LED212を駆動する光源駆動部4
12と、A/D変換器541,542とを備えている。
【0093】制御部400は、発光制御手段としての機
能を有し、光源駆動部411,412と電気的に接続さ
れており、付勢手段の付勢力に逆らって突起部13(図
1参照)が箱体11内に押し込まれると、測定スイッチ
42が自動的にオンにされ、それに応じて制御部400
から光源駆動部411,412に個別に発光指示信号が
送出され、光源駆動部411が青色LED211を発光
させ、光源駆動部412が緑色LED212を発光させ
る。
【0094】光ファイバ251(図2参照)を通った光
束511を受光する光電変換素子531は、A/D変換
器541を介して制御部400と電気的に接続されてお
り、光電変換素子531から、受光光量I1(λb),I1
g)に比例する電気信号S1(λb),S1(λg)が制御部400
に出力される。また、光ファイバ252(図2参照)を
通った光束512を受光する光電変換素子532は、A
/D変換器542を介して制御部400と電気的に接続
されており、光電変換素子532から受光光量I2
b),I2(λg)に比例する電気信号S2(λb),S2(λg)が制
御部400に出力される。
【0095】そして、制御部400は、制御部40と同
様に、濃度演算手段としての機能を有し、電気信号S
1(λb),S1(λg),S2(λb),S2(λg)を用いて、上述し
た測定原理にしたがって、ビリルビン濃度を算出する演
算を行い、その演算結果を表示部12に表示する。
【0096】次に、図8のフローチャートを用いて、図
6に示す光学系20を有する測定装置10の測定動作手
順について説明する。
【0097】測定者により箱体11の側面手前側に設け
られた電源スイッチ11aがオフ状態からオン状態に切
り換えられ(#110)、リセットスイッチ45が押さ
れて測定可能な状態にされ(#120)、濃度測定装置
10の突起部13が被測定者の一部、例えば額部分に押
し当てられて、突起部13が付勢手段の付勢力に逆らい
ながら箱体11内に後退するように押し込まれ(#13
0)、測定スイッチ42がオンになるまで(#140で
NO)、押し込まれる(#130)。
【0098】そして、所定量だけ押し込まれて測定スイ
ッチ42がオンになると(#140でYES)、まず、
青色LED211が発光され(#150)、青色波長領
域の光束が被測定者の皮膚に照射され、被測定者の皮膚
内部で散乱した散乱光が、第1の入射口15から入射す
るとともに、第2の入射口16から入射する。
【0099】そして、第1の入射口15からの入射光
は、光電変換素子531によって受光され、受光光量に
比例する電気信号S1(λb)が制御部400に出力され、
第2の入射口16からの入射光は、光電変換素子532
によって受光され、受光光量に比例する電気信号S2
b)が制御部400に出力されて、それぞれRAM47に
格納される(#160)。
【0100】次いで、緑色LED212が発光され(#
170)、緑色波長領域の光束が被測定者の皮膚に照射
され、被測定者の皮膚内部で散乱した散乱光が、第1の
入射口15から入射するとともに、第2の入射口16か
ら入射する。
【0101】そして、第1の入射口15からの入射光
は、光電変換素子531によって受光され、受光光量に
比例する電気信号S1(λg)が制御部400に出力され、
第2の入射口16からの入射光は、光電変換素子532
によって受光され、受光光量に比例する電気信号S2
g)が制御部400に出力されて、それぞれRAM47に
格納される(#180)。
【0102】次いで、各LED211,212の発光動
作が予め設定された回数だけ行われたかどうかが判定さ
れ(#190)、まだ設定回数だけ行われていなければ
(#190でNO)、#150に戻って、以上の動作が
繰り返される。
【0103】一方、各LED211,212の発光動作
が予め設定された回数だけ行われていれば(#190で
YES)、その設定回数のデータの平均値を用いて上述
した測定原理にしたがってビリルビン濃度算出の演算が
行われ(#200)、測定結果が表示12に表示される
(#210)。
【0104】このように、本変形形態によれば、図6に
示すように、第1の波長領域の光束を出力する青色LE
D211と、第2の波長領域の光束を出力する緑色LE
D212とを備え、それぞれ個別に発光するようにした
ので、図2に示す光学系20の場合に比べて、ダイクロ
イックミラーや光電変換素子などの部品点数を削減する
ことができ、光学系20の構成を簡素化することができ
る。これによって、箱体11の一層の小型化を図ること
ができる。
【0105】また、各LED211,212と、コリメ
ートレンズ501,502と、ダイクロイックミラー2
80とを同一光軸上に配置し、各LED211,212
からの光束がコリメートされた平行光束を光ファイバ2
20に入射させるようにしたので、射出口14における
各色の光束の射出角度特性を一致させることができ、こ
れによって、測定精度を向上することができる。
【0106】(2)図9(a)は突起部13の変形形態
を示す斜視図、(b)はその平面図で、図10は図9に
示す突起部13を有する箱体11に収容されている光学
系20を示す図である。なお、図1、図2と同一部材に
ついては同一符号を付し、説明を省略する。
【0107】この変形形態では、突起部13の端面に
は、図9(a)に示すように、中央に円形状の第1の入
射口15が設けられ、その外側に、キセノンチューブ2
1(図10参照)からの光束が射出される環状の射出口
14が設けられ、そのさらに外側に、環状の第2の入射
口16が設けられ、最外周部には、環状の遮光部17が
設けられている。図9(b)に示すように、第1の入射
口15と射出口14との間、射出口14と第2の入射口
16との間は、それぞれ黒色に塗装されたスペーサ18
0,190で隔てられている。
【0108】このように、この変形形態では、上記第1
実施形態において、射出口14と第1の入射口15とが
互いに入れ替わったものになっている。したがって、図
10に示すように、光ファイバ251の一方端261
は、中央に配置された円形状なっており、光ファイバ2
2の他方端24は、その外側に配置された環状になって
いる。
【0109】一般に、射出口14から第2の入射口16
までの距離は、図4において、新生児の皮膚106にお
けるビリルビンが沈着する脂肪が存在する皮下組織10
3の範囲を通過させるために、一定の距離以下にする必
要がある。その場合において、上記第1実施形態のよう
に、第1の入射口15を、射出口14と第2の入射口1
6との間に配置すると、第1の入射口15の幅を一定寸
法以下にすることが必要になり、その面積が小さくな
り、入射光量が十分に得られないおそれがある。
【0110】しかし、この形態によれば、射出口14か
ら第2の入射口16までの距離と第1の入射口15の幅
とは、無関係になり、スペーサ180,190の厚さの
みによって、射出口14から第1、第2の入射口15,
16までの各距離を設定できるので、各距離の設定を容
易に行うことができ、第1の入射口15からの入射光量
が不足することがなくなる。
【0111】(3)上記第1実施形態において、緑色フ
ィルタ351,352に代えて、それぞれ赤色フィルタ
を備えるようにしてもよい。また、上記変形形態(1)
において、緑色LED212に代えて、赤色LEDを備
えるようにしてもよい。このように、第2の波長領域と
して、赤色波長領域の光束を用いても、ビリルビンは赤
色波長領域の光束を吸収しないので、上述したのと同様
にビリルビン濃度の測定を行うことができる。
【0112】次に、本発明に係る経皮的ビリルビン濃度
測定装置の第2実施形態について説明する。第1実施形
態では、2つの波長領域の光束をそれぞれ皮膚内部で2
つの光路を通過させているのに対し、第2実施形態で
は、3つの波長領域の光束を皮膚内部で同一光路を通過
させている。
【0113】図11は同第2実施形態の突起部を示す斜
視図、図12は同第2実施形態の光学系を示す図であ
る。
【0114】この経皮的ビリルビン濃度測定装置100
は、図11(a)に示すように、手の平に収まる大きさ
の箱体110を有しており、この箱体110内部に、後
述する光学系および電気的構成要素が配置されている。
また、箱体110の上面後端側には、測定結果、すなわ
ち皮下脂肪に沈着するビリルビン濃度を表示する表示部
120が設けられている。
【0115】また、箱体110の先端側には、円筒状の
突起部130が、矢印ARで示すように箱体110に対
して出退自在に設けられている。この突起部130は、
ばね部材などの付勢手段(図示省略)により箱体110
に対して突出方向(矢印のAR側)に付勢されており、
測定者が被測定者の人体の一部分、例えば額部分に押し
付けて押圧すると、上記付勢手段の付勢力に逆らって突
起部130が箱体110内に押し込まれ、後述するキセ
ノンチューブ215(図12参照)が発光するように構
成されている。
【0116】突起部130の端面には、図11(b)に
示すように、キセノンチューブ215(図12参照)か
らの光束が射出される環状の射出口140が外周側に設
けられ、その内側に、円形状の入射口150が設けられ
ている。
【0117】そして、突起部130が押し込まれてキセ
ノンチューブ215(図12参照)が発光すると、キセ
ノンチューブ215(図12参照)からの白色光束が、
図11(b)に示す突起部130の射出口140から射
出され、被測定者の皮膚に入射するとともに、皮膚の内
部で散乱した光束が突起部130の入射口150を介し
て、箱体110内部の光学系に入射するようになってい
る。さらに、図11(a)における箱体110の後面後
端側には電源スイッチ110aが、奥側面部にはリセッ
トスイッチ450(図13参照)が設けられている。
【0118】図12において、光学系205は、図11
に示す箱体110に収容され、光源としてキセノンチュ
ーブ(発光手段)215を有しており、このキセノンチ
ューブ215が発光すると、複数波長を有する光(白色
光)が発生する。
【0119】このキセノンチューブ215と対向するよ
うに、導光手段として機能する光ファイバ225の一方
端235が配置されており、キセノンチューブ215か
らの光束が他方端245側に導かれ、当該他方端245
から、突起部130の射出口140(図11参照)を介
して射出される。
【0120】この射出された光束は、被測定者の皮膚に
入射し、上述したように皮膚内部で散乱した散乱光が、
皮膚表面から入射口150を介して光ファイバ255の
一方端265に入射する。光ファイバ255の一方端2
65に入射した散乱光は、他方端275側に導かれ、こ
の他方端275から射出される。他方端275から射出
された光束295は、青色波長領域の光束を反射するダ
イクロイックミラー285に入射して2方向に分離され
る。
【0121】ダイクロイックミラー285によって反射
された光束296は、集束レンズ305で集光され、青
色フィルタ315を介してフォトダイオードなどからな
る光電変換素子325によって受光される。また、ダイ
クロイックミラー285を透過した光束297は、赤色
波長領域の光束を透過するダイクロイックミラー286
に入射して、さらに2方向に分離される。
【0122】ダイクロイックミラー286によって反射
された光束298は、集束レンズ306で集光され、緑
色フィルタ316を介してフォトダイオードなどからな
る光電変換素子326によって受光される。また、ダイ
クロイックミラー286を透過した光束299は、集束
レンズ307で集光され、赤色フィルタ317を介して
フォトダイオードなどからなる光電変換素子327によ
って受光される。
【0123】ダイクロイックミラー285は第1の分離
手段を構成し、ダイクロイックミラー286は第2の分
離手段を構成する。また、光電変換素子325は第1の
光電変換素子を構成し、光電変換素子326は第2の光
電変換素子を構成し、光電変換素子327は第3の光電
変換素子を構成する。
【0124】このような構成の光学系205によって、
光電変換素子325には、青色波長領域(第1の波長領
域)の光束が入射し、光電変換素子326には、緑色波
長領域(第2の波長領域)の光束が入射し、光電変換素
子327には、赤色波長領域(第3の波長領域)の光束
が入射する。
【0125】図13は図11に示す経皮的ビリルビン濃
度測定装置100(第2実施形態)の電気的構成を示す
ブロック図である。
【0126】この測定装置100は、CPUなどからな
る制御部405と、キセノンチューブ215を駆動する
光源駆動部415と、上述したように付勢手段の付勢力
に逆らって突起部130(図11参照)が箱体110内
に押し込まれると、自動的にオンにされる測定スイッチ
425と、A/D変換器435,436,437と、測
定結果をクリアして次回の測定を実行できる状態に戻す
ためのリセットスイッチ455と、制御部405の制御
プログラムや予め設定された固定データなどを記憶する
ROM465と電気信号データなどを一時的に保管する
RAM475とを備えている。このRAM(記憶手段)
475は、バックアップ電源(図示省略)を有してお
り、メモリ内容が消去されないようになっている。ま
た、記憶手段として、バックアップ電源を有するRAM
475に代えて、EEPROMなどの書き換え可能な不
揮発性メモリを備えるようにしてもよい。
【0127】制御部405は、発光制御手段としての機
能を有し、光源駆動部415と電気的に接続されてお
り、上述したように、付勢手段の付勢力に逆らって突起
部130(図11参照)が箱体110内に押し込まれる
と、測定スイッチ425が自動的にオンにされ、それに
応じて制御部405から光源駆動部415に発光指示信
号が送出され、光源駆動部415がキセノンチューブ2
15を発光させる。
【0128】光ファイバ255(図12参照)を通って
ダイクロイックミラー285,286により分離された
光束296,298,299をそれぞれ受光する光電変
換素子325,326,327は、A/D変換器43
5,436,437を介して制御部405とそれぞれ電
気的に接続されており、光電変換素子325,326,
327から受光光量I(λb),I(λg),I(λr)に比例する
電気信号S(λb),S(λg),S(λr)が制御部405にそれ
ぞれ出力される。
【0129】そして、制御部405は、濃度演算手段と
しての機能を有し、電気信号S(λb),S(λg),S(λr)を
用いて、後述する測定原理にしたがって、ビリルビン濃
度を算出する演算を行い、その演算結果を表示部120
に表示する。
【0130】次に、第2実施形態の測定原理および制御
部405で行われる演算内容について説明する。
【0131】皮膚に入射する光束の光量をI0(λ)とする
と、ランベールトベアの式によって、入射口150から
測定装置100に入射する光束の光量I(λ)は、式(3
1),(32)で表わされる。 I(λ)=I0(λ)・F・10-K …(31) K=εB(λ)・CB・L+εM(λ)・CM・L…(32) ただし、Fは、光路中におけるビリルビンおよびメラニ
ン以外の光減衰ファクタ、εB(λ)はビリルビンの吸光
係数、CBはビリルビン濃度、Lは光路の有効光路長、εM
(λ)はメラニンの吸光係数、CMはメラニン濃度である。
【0132】ここで、青色波長領域(波長λb)の光束
による測定データをE(λb)とすると、上記式(31),(32)
より下記式(33),(34)が得られる。 E(λb)=Ab・I(λb) =Ab・I0(λb)・F・10-Kb …(33) Kb=εB(λb)・CB・L+εM(λb)・CM・L…(34) さらに、緑色波長領域(波長λg)の光束による測定デ
ータをE(λg)とする。また、ビリルビンは緑色波長領域
の光を殆ど吸収しないので、εB(λg)=0とする。これ
によって、上記式(31),(32)より下記式(35),(36)が得
られる。 E(λg)=Ag・I(λg) =Ag・I0(λg)・F・10-Kg …(35) Kg=εM(λg)・CM・L …(36) さらに、また、赤色波長領域(波長λr)の光束による
測定データをE(λr)とする。また、ビリルビンは赤色波
長領域の光を殆ど吸収しないので、εB(λr)=0とす
る。これによって、上記式(31),(32)より下記式(37),
(38)が得られる。 E(λr)=Ar・I(λr) =Ar・I0(λr)・F・10-Kr …(37) Kr=εM(λr)・CM・L …(38) ただし、Ab,Ag,Arは、増幅度に相当する定数である。
この定数Ab,Ag,Arは、実際の測定を行う前に、波長依
存性のない白色拡散板、例えば乳白色板を用いて白色校
正を行うことによって、あらかじめ求めておく。白色校
正では、測定対象が波長依存性のない白色拡散板である
ので、式(33),(35),(37)において、 F・10-Kb=F・10-Kg=F・10-Kr=定数 になる。したがって、白色校正において、 E(λb)=E(λg)=E(λr) すなわち、 Ab・I(λb)=Ag・I(λg)=Ar・I(λr) となるように定数Ab,Ag,Arを求めると、 Ab・I0(λb)=Ag・I0(λg)=Ar・I0(λr) …(39) になる。このようにして求めた定数Ab,Ag,ArをRAM
47に記憶しておく。
【0133】式(33),(35)と、式(39)とから、 log[E(λg)/E(λb)]=Kb−Kg が得られ、この式と式(34),(36)とから、 log[E(λg)/E(λb)] =εB(λb)・CB・L+[εM(λb)−εM(λg)]・CM・L…(40) が得られる。
【0134】また、式(35),(37)と、式(39)とから、 log[E(λr)/E(λg)]=Kg−Kr が得られ、この式と式(36),(38)とから、 log[E(λr)/E(λg)] =[εM(λg)−εM(λr)]・CM・L…(41) が得られる。
【0135】式(40)と式(41)とからCMを消去すると、 εB(λb)・CB・L =log[E(λg)/E(λb)] −[εM(λb)−εM(λg)]/[εM(λg)−εM(λr)]・log[E(λr)/E(λg)]…(42) このように、メラニン濃度CMを消去することができた。
この式(42)の右辺をZとして式(42)を変形すると、 CB=Z/[εB(λb)・L] …(43) となる。
【0136】式(42)または式(43)において、εB(λb),
εM(λb),εM(λg),εM(λr)は既知であり、ROM4
6に格納しておけばよい。また、光路長Lは、絶対値を
正確に求めるのは困難であるが、常に一定の値になると
考えられる。したがって、本測定装置100を用いた式
(43)による測定データと、そのときのビリルビン濃度を
他の方法で測定した実測値とから校正を行って光路長L
を決定し、予めこの光路長LをROM46に格納してお
くことによって、メラニン濃度CMによる影響を除去し
て、ビリルビン濃度を精度良く求めることができる。
【0137】なお、上記式(31)〜(43)では、測定原理の
説明の便宜上、受光光量I(λ)を用いて説明している
が、本測定装置100の制御部405では、上述したよ
うに、受光光量I(λb),I(λg),I(λr)に代えて、それ
らに比例する電気信号S(λb),S(λg),S(λr)を用い
て、RAM47に記憶されている増幅度に相当する定数
Ab,Ag,Arをそれぞれ乗算して、測定データE(λb),E
(λg),E(λr)を求め、上述した除算値の対数値、 log[E(λg)/E(λb)] log[E(λr)/E(λg)] を求めることによって、ビリルビン濃度算出の演算が行
われる。
【0138】この場合、電気信号S(λb),S(λg),S(λ
r)を複数回取り込んで、その平均値を用いて測定データ
E(λb),E(λg),E(λr)を求めるようにしてもよい。
【0139】なお、上記のように構成されたビリルビン
濃度測定装置100(第2実施形態)の測定動作につい
ては、第1実施形態において2つの波長領域の光束をそ
れぞれ皮膚内部で2つの光路を通過させているのに対し
て、第2実施形態では、3つの波長領域の光束を皮膚内
部で同一光路を通過させている点が異なり、それに伴っ
てビリルビン濃度算出の演算内容が異なるだけで、それ
以外の点については第1実施形態の動作手順と同様であ
る。
【0140】図14は第2実施形態における光学系20
5の変形形態を示す図である。なお、図12と同一物に
ついては同一符号を付し、説明を省略する。
【0141】図14の光学系205は、発光手段とし
て、キセノンチューブ215に代えて、青色波長領域
(第1の波長領域)の光束を出力する青色LED216
と、緑色波長領域(第2の波長領域)の光束を出力する
緑色LED217と、赤色波長領域(第3の波長領域)
の光束を出力する赤色LED218とを備えている。
【0142】青色LED216から出力された光束は、
コリメートレンズ503でコリメートされ、青色波長領
域を反射するダイクロイックミラー287に入射して反
射される。緑色LED217から出力された光束は、コ
リメートレンズ504でコリメートされ、赤色波長領域
を透過するダイクロイックミラー288に入射して反射
される。赤色LED218から出力された光束は、コリ
メートレンズ505でコリメートされ、ダイクロイック
ミラー288に入射して透過し、さらにダイクロイック
ミラー287に入射して透過する。
【0143】ダイクロイックミラー287に対向するよ
うに光ファイバ226の一方端236が配置され、ダイ
クロイックミラー287の反射光及び透過光は、光ファ
イバ226の一方端236に入射して他方端246に導
かれ、当該他方端246から、突起部130の射出口1
40(図11参照)を介して射出される。
【0144】この射出された光束は、被測定者の皮膚に
入射し、上述したように皮膚内部で散乱した散乱光が、
皮膚表面から入射口150(図11参照)を介して光フ
ァイバ256の一方端266に入射する。
【0145】光ファイバ256の一方端266に入射し
た散乱光は、他方端276側に導かれ、この他方端27
6から射出される。他方端276から射出された光束5
15は、集束レンズ308で集光され、フォトダイオー
ドなどからなる光電変換素子328によって受光され
る。
【0146】青色LED216は第1の光源を構成し、
緑色LED217は第2の光源を構成し、赤色LED2
18は第3の光源を構成する。
【0147】図15は図14に示す光学系205を有す
る測定装置100の電気的構成を示すブロック図であ
る。なお、図13と同一部材には同一符号を付してい
る。
【0148】この測定装置100は、CPUなどからな
る制御部406と、青色LED216を駆動する光源駆
動部416と、緑色LED217を駆動する光源駆動部
417と、赤色LED218を駆動する光源駆動部41
8と、A/D変換器438とを備えている。
【0149】制御部406は、発光制御手段としての機
能を有し、光源駆動部416,417,418と電気的
に接続されており、付勢手段の付勢力に逆らって突起部
的にオンにされ、それに応じて制御部406から光源駆
動部416,417,418に個別に発光指示信号が送
出され、光源駆動部416が青色LED216を発光さ
せ、光源駆動部417が緑色LED217を発光させ、
光源駆動部418が赤色LED218を発光させる。
【0150】光ファイバ256(図14参照)を通った
光束515を受光する光電変換素子328は、A/D変
換器438を介して制御部406と電気的に接続されて
おり、光電変換素子328から、受光光量I(λb),I(λ
g),I(λr)に比例する電気信号S(λb),S(λg),S(λr)
が制御部406に出力される。
【0151】そして、制御部406は、制御部405と
同様に、濃度演算手段としての機能を有し、電気信号S
(λb),S(λg),S(λr)を用いて、上述した測定原理に
したがって、ビリルビン濃度を算出する演算を行い、そ
の演算結果を表示部120に表示する。
【0152】なお、上記のように構成された図14に示
す光学系205を有するビリルビン濃度測定装置100
の測定動作手順は、図8のフローチャートにおいて、発
光させるべきLEDが1個増えている点と、ビリルビン
濃度算出の演算内容とが異なるだけで、それ以外の点に
ついては同様である。
【0153】このように、本変形形態によれば、図14
に示すように、第1の波長領域の光束を出力する青色L
ED216と、第2の波長領域の光束を出力する緑色L
ED217と、第3の波長領域の光束を出力する赤色L
ED218とを備え、それぞれ個別に発光するようにし
たので、図12に示す光学系205の場合に比べて、光
電変換素子やキセノンチューブなどの大型部品を削減す
ることができ、光学系205の構成を簡素化することが
できる。これによって、箱体110の一層の小型化を図
ることができる。
【0154】また、各LED216,217,218
と、コリメートレンズ503,504,505と、ダイ
クロイックミラー287,288とを同一光軸上に配置
し、各LED216,217,218からの光束がコリ
メートされた平行光束を光ファイバ226に入射させる
ようにしたので、射出口140における各色の光束の射
出角度特性を一致させることができ、これによって、測
定精度を向上することができる。
【0155】なお、本発明は、上記第1、第2実施形態
および上記各変形形態において、制御部による制御動作
として、以下に示すようにしてもよい。すなわち、発光
手段、例えばキセノンチューブ21,215やLED2
11,212,216,217,218を発光させない
ときに、光電変換素子321,361,322,36
2,531,532,325,326,327,328
からの電気信号を取り込んで基準データとする。そし
て、発光手段を発光させた測定時の電気信号から上記基
準データを減算したデータをビリルビン濃度算出の演算
に用いたり、測定時の電気信号を上記基準データで除算
したデータをビリルビン濃度算出の演算に用いるように
してもよい。これによって、外光の影響を除去すること
ができ、測定精度を向上することができる。
【0156】また、図1、図9に示す突起部13の端面
を、それぞれ図16(a),(b)の断面図に示すよう
な形態に形成してもよい。すなわち、射出口14および
第1、第2の入射口15,16の端面と、遮光部17の
端面とに段差を設け、遮光部17の表面に対して射出口
14および第1、第2の入射口15,16の表面が凹部
になるように形成する。これによって、被測定者の皮膚
に押し当てたときに外光の侵入をさらに良好に防止する
ことができ、測定精度をさらに向上することができる。
【0157】次に、図17を用いて、本発明に係る測定
データ検査板の一実施形態について説明する。図17は
同実施形態を示す図で、(a)は外観を示す斜視図、
(b)は高濃度検査部の内部構成を示す断面図、(c)
は低濃度検査部の内部構成を示す断面図である。
【0158】この測定データ検査板は、経皮的ビリルビ
ン濃度測定装置10(第1実施形態)の測定対象とする
ことにより、その測定データの良否を大まかに検査する
チェッカとして日常の動作確認を行うためのものであ
る。
【0159】図17(a)に示すように、測定データ検
査板600は、高濃度検査部610および低濃度検査部
620を備え、各検査部610,620は、それぞれ、
図1に示す突起部13の射出口14および第1、第2の
入射口15,16をカバーするだけの大きさを有してい
る。
【0160】高濃度検査部610は、図17(b)に示
すように、表面に所定の厚さを有して形成された白色拡
散部611と、その下方に形成された波長選択吸収部6
12とを備えている。
【0161】白色拡散部611は、青色波長領域(第1
の波長領域)の光束の吸収率と緑色拡散する材質、例え
ば乳白色板(アクリル乳白色板、オパールガラス)や摺
りガラスで形成されている。波長選択吸収部612は、
波長選択吸収部614は、青色波長領域の光束の吸収率
が、緑色波長領域の光束の吸収率より大きく、かつ、入
射光束を拡散させる材質、例えば黄色アクリル板で形成
されている。
【0162】一方、低濃度検査部620は、高濃度検査
部610の白色拡散部611と同様の材質、例えば乳白
色板や摺りガラスのみで形成されている。
【0163】次に、このような構成の測定データ検査板
600を測定対象としたときの経皮的ビリルビン濃度測
定装置10(第1実施形態)の動作について説明する。
【0164】図1に示す突起部13の端面を測定データ
検査板600の高濃度検査部610に押し付けてキセノ
ンチューブやLEDからなる発光手段を発光させると、
図17(b)に模式的に示すように、射出口14に対応
する点P10から光束が入射し、第1の入射口15に対
応する点P11からは、主に白色拡散部611で拡散さ
れた光束が射出され、第2の入射口16に対応する点P
12からは、波長選択吸収部612まで到達して、そこ
で表面方向に拡散された光束が射出される。
【0165】従って、第1の入射口15から入射する光
束において、青色波長領域の入射光量と緑色波長領域の
入射光量とは、ほぼ同レベルになり、第2の入射口16
から入射する光束において、青色波長領域の入射光量は
緑色波長領域の入射光量に比べて減衰したものとなる。
【0166】すなわち、上記式(19)は、 CB=−J・log[E2n(λg)/E2n(λb)] となるので、表示部12(図1参照)には、ビリルビン
濃度として高い数値が表示される。
【0167】なお、第1の入射口15から入射する光束
でも、波長選択吸収部612の影響を受けるので、厳密
には、log[E1n(λg)/E1n(λb)]=0ではないが、その
絶対値は小さく、無視することができる。
【0168】一方、図1に示す突起部13の端面を測定
データ検査板600の低濃度検査部620に押し付けて
発光手段を発光させると、図17(c)に模式的に示す
ように、射出口14に対応する点P10から光束が入射
し、第1の入射口15に対応する点P11と、第2の入
射口16に対応する点P12とから、同様に拡散された
光束が射出される。
【0169】従って、青色波長領域および緑色波長領域
の減衰量は、第1の入射口15からの入射光束と第2の
入射口16からの入射光束とで殆ど変わらないので、表
示部12(図1参照)には、ビリルビン濃度として低い
数値が表示される。
【0170】このように、本実施形態によれば、高濃度
検査部610と低濃度検査部620とを備えた測定デー
タ検査板600を測定対象として用いることによって、
経皮的ビリルビン濃度測定装置10の表示部12(図1
参照)に高い数値と低い数値とを表示させることがで
き、これによって、測定装置10の簡易チェッカとして
日常的に使用することができる。
【0171】また、経皮的ビリルビン濃度測定装置10
を製造したときに、この測定データ検査板600を測定
対象としたときの測定値をRAM47またはROM46
に格納しておき、測定装置10の使用中に適宜この測定
データ検査板600を測定して測定値の変化を調べるこ
とにより、測定装置10の経時劣化を検査する標準校正
板として測定データ検査板600を用いることができ
る。
【0172】また、高濃度検査部610が2層で形成さ
れているので、特性の経時劣化が少なく、生産性を向上
することができる。
【0173】なお、白色拡散部611の厚さは、新生児
における皮膚の特性との相関関係に基づいて、その皮膚
特性に類似する特性が得られるような値に設定すること
が好ましい。
【0174】また、高濃度検査部610の内部構成は、
上記実施形態に限られず、例えば図18の断面図に示す
ように、白色拡散部611に隣接して薄板状に形成さ
れ、青色波長領域の光束を吸収する色フィルタ613
と、入射光束を拡散する第2白色拡散部614とで、波
長選択吸収部612を構成するようにしてもよい。
【0175】色フィルタ613は、青色波長領域の光束
の吸収率が、緑色波長領域の光束の吸収率より大きい材
質、例えば黄色波長領域の光束を透過する黄色フィルタ
で形成されている。第2白色拡散部614は、白色拡散
部611と同一の材質、例えば乳白色板(アクリル乳白
色板、オパールガラス)や摺りガラスで形成されてい
る。
【0176】この構成によれば、図18に模式的に示す
ように、第2の入射口16に対応する点P12からは、
色フィルタ613を通過し、第2白色拡散部614で表
面方向に拡散された光束が射出されることになるので、
上記実施形態と同様に、表示部12(図1参照)には、
ビリルビン濃度として高い数値が表示され、上記実施形
態と同様の効果を得ることができる。
【0177】また、この形態によれば、一般に流通して
いる色フィルタと乳白色板とを用いて波長選択吸収部6
12を容易に構成することができる。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ビリルビンにより吸収される第1の波長領域の
光束とビリルビンにより殆ど吸収されない第2の波長領
域の光 束とを発光し、この光束を射出口から人体の皮膚
に向けて射出して、人体の皮膚内部で散乱した散乱光を
第1の入射口から入射するとともに、射出口との距離が
第1の入射口と異なる第2の入射口から入射するように
したので、第2の入射口に入射する光束の皮膚内部を通
過する第2光路の光路長は、第1の入射口に入射する光
束の皮膚内部を通過する第1光路の光路長より長くな
り、これによって、第1光路に関する第1,第2の電気
信号から所定の演算方法により算出される算出値と、第
2光路に関する第3,第4の電気信号から上記演算方法
により算出される算出値との差を用いてビリルビン濃度
を算出することにより、表皮に存在するメラニンによる
測定誤差をなくすことができるとともに、表皮および真
皮の厚さによる影響を打ち消すことができるので、皮膚
の成熟度による測定誤差をなくすことができ、ビリルビ
ン濃度の測定精度を向上することができる。
【0179】また、請求項2の発明によれば、円形状の
射出口が中央に形成され、環状の第1、第2の入射口が
同心円上に形成されているので、射出口から射出されて
第1、第2の入射口に入射する光束の各光路長のばらつ
きを低減できる。
【0180】また、請求項3の発明によれば、円形状の
第1の入射口が中央に形成され、その外側に環状の射出
口が形成され、さらにその外側に環状の第2の入射口が
形成されることにより、射出口が第1の入射口と第2の
入射口との間に形成されるので、射出口と第1の入射口
との距離と、射出口と第2の入射口との距離を、互いに
無関係に設定することができ、入射光束の光路長設定の
自由度を増すことができる。
【0181】また、請求項4の発明によれば、白色光源
から第1および第2の波長領域の光束を含む白色光を出
力し、第1、第2の入射口に入射した散乱光は、第1、
第2の分離手段により、それぞれ、第1の波長領域の光
束と第2の波長領域の光束とに分離し、第1の入射口に
入射して分離された第1、第2の波長領域の光束は、そ
れぞれ第1、第2の光電変換素子によって受光し、第2
の入射口に入射して分離された第1、第2の波長領域の
光束は、それぞれ第3、第4の光電変換素子によって受
光することにより、白色光源による1回の発光によっ
て、第1、第2、第3、第4の電気信号が好適に得ら
れ、測定時間の短縮を図ることができる。
【0182】また、請求項5の発明によれば、第1、第
2の入射口に入射した散乱光を、第1、第2の導光手段
により、それぞれ第1、第2の分離手段に導くことによ
り、各光電変換素子の受光光量の減衰を防止することが
できる。
【0183】また、請求項6の発明によれば、第1の波
長領域の光束を出力する第1の光源を発光すると、第
1、第2の入射口から入射した光束をそれぞれ第1、第
2の光電変換素により受光して第1、第3の電気信号を
出力し、第2の波長領域の光束を出力する第2の光源を
発光すると、第1、第2の入射口から入射した光束をそ
れぞれ第1、第2の光電変換素子により受光して第2、
第4の電気信号を出力して、第1、第2の波長領域の光
束を出力する光源を個別に設けることにより、光束を分
離する分離手段などが必要ないので、少ない部品点数で
簡素な構成により、第1、第2、第3、第4の電気信号
を好適に得ることができる。
【0184】また、請求項7の発明によれば、第1、第
2の入射口に入射した散乱光を、第1、第2の導光手段
により、それぞれ第1、第2の光電変換素子に導くこと
により、各光電変換素子の受光光量の減衰を防止するこ
とができる。
【0185】また、請求項8の発明によれば、第1、第
2、第3、第4の電気信号に第1、第2、第3、第4の
定数をそれぞれ乗算した第1、第2、第3、第4の乗算
値を求め、第2の乗算値を第1の乗算値で除算した値の
対数を求め、第4の乗算値を第3の乗算値で除算した値
の対数を求めて、両方の対数の差を用いてビリルビン濃
度を算出することにより、ビリルビン濃度を精度良く求
めることができる。
【0186】また、請求項9の発明によれば、波長依存
性のない白色拡散板を射出口および第1、第2の入射口
に対向配置した状態で発光手段を発光動作させたときに
得られる第1〜第4の電気信号を第1〜第4の白色電気
信号としたときに、第1の白色電気信号に第1の定数を
乗算した乗算値と第2の白色電気信号に第2の定数を乗
算した乗算値とが等しくなるように第1の定数および第
2の定数を求め、第3の白色電気信号に第3の定数を乗
算した乗算値と第4の白色電気信号に第4の定数を乗算
した乗算値とが等しくなるように第3の定数および第4
の定数を求めることにより、第1〜第4の定数を好適に
求めることができ、ビリルビン濃度を精度良く算出する
ことが可能になる。
【0187】また、請求項10の発明によれば、射出口
および第1、第2の入射口に対向配置させた状態で発光
手段が発光したときに、第1の入射口に入射する光束
は、主に白色拡散部で拡散された光束からなり、第2の
入射口に入射する光束は、波長選択吸収部で拡散された
光束も含まれるようにしたので、ビリルビン濃度の測定
結果として高い数値が得られることになり、これによっ
て測定装置の簡易な検査を行うことができる。
【0188】また、請求項11の発明によれば、射出口
および第1、第2の入射口に対向配置させた状態で発光
手段が発光したときに、第2の入射口に入射する光束
は、色フィルタを通過して第2白色拡散部で拡散された
光束も含まれることになるので、ビリルビン濃度の測定
結果として高い数値が得られることになり、これによっ
て、色フィルタを用いて容易に測定装置の簡易検査を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る経皮的ビリルビン濃度測定装置の
第1実施形態の外観を示す図で、(a)は全体斜視図、
(b)は(a)の部分拡大図、(c)は突起部の平面図
である。
【図2】図1の箱体に収容されている光学系を示す図で
ある。
【図3】図1に示す経皮的ビリルビン濃度測定装置(第
1実施形態)の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】皮膚に対して光束を入射させたときの光路を模
式的に示す新生児の皮膚断面図である。
【図5】皮膚に対して光束を入射させたときの光路を模
式的に示す新生児の皮膚断面図である。
【図6】光学系の変形形態を示す図である。
【図7】図6に示す光学系を有する測定装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図8】図6に示す光学系を有する測定装置の測定動作
手順を示すフローチャートである。
【図9】(a)は突起部の変形形態を示す斜視図、
(b)はその平面図である。
【図10】図9に示す突起部を有する箱体に収容されて
いる光学系を示す図である。
【図11】本発明に係る経皮的ビリルビン濃度測定装置
の第2実施形態の突起部を示す斜視図である。
【図12】同第2実施形態の光学系を示す図である。
【図13】図11に示す経皮的ビリルビン濃度測定装置
(第2実施形態)の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図14】第2実施形態における光学系の変形形態を示
す図である。
【図15】図14に示す光学系を有する測定装置の電気
的構成を示すブロック図である。
【図16】(a)(b)は突起部の端面の変形形態を示
す断面図である。
【図17】本発明に係る測定データ検査板の一実施形態
を示す図で、(a)は外観を示す斜視図、(b)は高濃
度検査部の内部構成を示す断面図、(c)は低濃度検査
部の内部構成を示す断面図である。
【図18】同実施形態の高濃度検査部の変形形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
10,100 経皮的ビリルビン濃度測定装置 14 射出口 15 第1の入射口 16 第2の入射口 21 キセノンチューブ(発光手段、白色光源) 211 青色LED(第1の光源) 212 緑色LED(第2の光源) 251 光ファイバ(第1の導光手段) 252 光ファイバ(第2の導光手段) 281 ダイクロイックミラー(第1の分離手段) 282 ダイクロイックミラー(第2の分離手段) 321 光電変換素子(第1の光電変換素子) 361 光電変換素子(第2の光電変換素子) 322 光電変換素子(第3の光電変換素子) 362 光電変換素子(第4の光電変換素子) 40,400 制御部(濃度演算手段、発光制御手段、
定数演算手段、記憶制御手段) 47 RAM(記憶手段) 531 光電変換素子(第1の光電変換素子) 532 光電変換素子(第2の光電変換素子) 215 キセノンチューブ(発光手段、白色光源) 216 青色LED(第1の光源) 217 緑色LED(第2の光源) 218 赤色LED(第3の光源) 285 ダイクロイックミラー(第1の分離手段) 286 ダイクロイックミラー(第2の分離手段) 325 光電変換素子(第1の光電変換素子) 326 光電変換素子(第2の光電変換素子) 327 光電変換素子(第3の光電変換素子) 328 光電変換素子(第3の光電変換素子) 405,406 制御部(濃度演算手段、発光制御手
段) 475 RAM(記憶手段) 600 測定データ検査板 610 高濃度検査部 611 白色拡散部 612 波長選択吸収部 613 色フィルタ 614 第2白色拡散部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−127036(JP,A) 特開 平4−332535(JP,A) 特開 昭59−30046(JP,A) 特開 平4−127034(JP,A) 特開 昭48−101195(JP,A) 特開 昭47−45787(JP,A) 特開 平4−127035(JP,A) 特開 平8−332182(JP,A) 特開 平1−221136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/145 G01N 33/72

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビリルビンにより吸収される第1の波長
    領域の光束とビリルビンにより殆ど吸収されない第2の
    波長領域の光束とを人体の皮膚に向けて発光し、その反
    射光を受光して受光光量に基づいてビリルビン濃度を測
    定する経皮的ビリルビン濃度測定装置であって、 上記 第1の波長領域の光束と上記第2の波長領域の光束
    とを発光する発光手段と、 この発光手段からの光束を人体の皮膚に向けて射出する
    射出口と、 上記射出口から射出された光束が人体の皮膚内部で散乱
    した散乱光が入射する第1の入射口と、 上記射出口との距離が上記第1の入射口と異なり、上記
    射出口から射出された光束が人体の皮膚内部で散乱した
    散乱光が入射する第2の入射口と、 上記第1の入射口に入射した上記第1、第2の波長領域
    の光束をそれぞれ受光して、その受光光量に応じたレベ
    ルの第1、第2の電気信号をそれぞれ出力する第1の光
    電変換手段と、 上記第2の入射口に入射した上記第1、第2の波長領域
    の光束をそれぞれ受光して、受光光量に応じたレベルの
    第3、第4の電気信号をそれぞれ出力する第2の光電変
    換手段と、 上記第1,第2の電気信号から所定の演算方法により算
    出される算出値と第3,第4の電気信号から上記演算方
    法により算出される算出値との差を用いることで少なく
    とも表皮による影響を打ち消してビリルビン濃度を算出
    する濃度演算手段と、 を備えたことを特徴とする経皮的ビリルビン濃度測定装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の経皮的ビリルビン濃度測
    定装置において、上記射出口は、円形状に形成されたも
    ので、上記第1の入射口は、上記射出口の外側に環状に
    形成されたもので、上記第2の入射口は、上記第1の入
    射口の外側に環状に形成されたものであることを特徴と
    する経皮的ビリルビン濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の経皮的ビリルビン濃度測
    定装置において、上記第1の入射口は、円形状に形成さ
    れたもので、上記射出口は、上記第1の入射口の外側に
    環状に形成されたもので、上記第2の入射口は、上記射
    出口の外側に環状に形成されたものであることを特徴と
    する経皮的ビリルビン濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の経皮的
    ビリルビン濃度測定装置において、さらに、 上記第1の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の波
    長領域の光束と上記第2の波長領域の光束とに分離する
    第1の分離手段と、 上記第2の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の波
    長領域の光束と上記第2の波長領域の光束とに分離する
    第2の分離手段と、 を備え、 上記発光手段は、上記第1および第2の波長領域の光束
    を含む白色光を出力する白色光源を備えたもので、 上記第1の光電変換手段は、 上記第1の分離手段により分離された上記第1の波長領
    域の光束を受光して上記第1の電気信号を出力する第1
    の光電変換素子と、 上記第1の分離手段により分離された上記第2の波長領
    域の光束を受光して上記第2の電気信号を出力する第2
    の光電変換素子と、 を備えたもので、 上記第2の光電変換手段は、 上記第2の分離手段により分離された上記第1の波長領
    域の光束を受光して上記第3の電気信号を出力する第3
    の光電変換素子と、 上記第2の分離手段により分離された上記第2の波長領
    域の光束を受光して上記第4の電気信号を出力する第4
    の光電変換素子と、 を備えたものであることを特徴とする経皮的ビリルビン
    濃度測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の経皮的ビリルビン濃度測
    定装置において、さらに、 上記第1の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の分
    離手段に導く第1の導光手段と、 上記第2の入射口に入射した上記散乱光を上記第2の分
    離手段に導く第2の導光手段と、 を備えたことを特徴とする経皮的ビリルビン濃度測定装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の経皮的
    ビリルビン濃度測定装置において、さらに、上記発光手
    段による発光動作を制御する発光制御手段を備え、 上記発光手段は、上記第1の波長領域の光束を出力する
    第1の光源と、上記第2の波長領域の光束を出力する第
    2の光源と、を備えたもので、 上記発光制御手段は、上記第1の光源と上記第2の光源
    とを個別に発光動作させるもので、 上記第1の光電変換手段は、上記第1、第2の波長領域
    の光束を個別に受光して上記第1、第2の電気信号を出
    力する第1の光電変換素子を備えたもので、 上記第2の光電変換手段は、上記第1、第2の波長領域
    の光束を個別に受光して上記第3、第4の電気信号を出
    力する第2の光電変換素子を備えたものであることを特
    徴とする経皮的ビリルビン濃度測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の経皮的ビリルビン濃度測
    定装置において、さらに、 上記第1の入射口に入射した上記散乱光を上記第1の光
    電変換素子に導く第1の導光手段と、 上記第2の入射口に入射した上記散乱光を上記第2の光
    電変換素子に導く第2の導光手段と、 を備えたことを特徴とする経皮的ビリルビン濃度測定装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の経皮的
    ビリルビン濃度測定装置において、 上記第1、第2、第3、第4の電気信号にそれぞれ対応
    する第1、第2、第3、第4の定数を記憶する記憶手段
    を備え 記濃度演算手段は、 上記第1、第2、第3、第4の電気信号に上記第1、第
    2、第3、第4の定数をそれぞれ乗算した第1、第2、
    第3、第4の乗算値を求め、 上記第2の乗算値を上記第1の乗算値で除算した値の対
    数を求め、 上記第4の乗算値を上記第3の乗算値で除算した値の対
    数を求めて、 上記両方の対数の差を用いてビリルビン濃度を算出する
    ものであることを特徴とする経皮的ビリルビン濃度測定
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の経皮的ビリルビン濃度測
    定装置において、 上記第1、第2、第3、第4の定数を求める定数演算手
    段と、 求めた各定数を上記記憶手段に記憶させる記憶制御手段
    とを備え、 上記定数演算手段は、 波長依存性のない白色拡散板を上記射出口および上記第
    1、第2の入射口に対向配置した状態で上記発光手段を
    発光動作させたときに得られる上記第1〜第4の電気信
    号を第1〜第4の白色電気信号としたときに、 上記第1の白色電気信号に第1の定数を乗算した乗算値
    と上記第2の白色電気信号に第2の定数を乗算した乗算
    値とが等しくなるように第1の定数および第2の定数を
    求め、 上記第3の白色電気信号に第3の定数を乗算した乗算値
    と上記第4の白色電気信号に第4の定数を乗算した乗算
    値とが等しくなるように第3の定数および第4の定数を
    求めるものであることを特徴とする経皮的ビリルビン濃
    度測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の経皮
    的ビリルビン濃度測定装置の上記射出口および上記第
    1、第2の入射口に対向配置させて用いる測定データ検
    査板であって、 表面に所定の厚さを有して形成され、上記第1の波長領
    域の光束の吸収率と上記第2の波長領域の光束の吸収率
    とがほぼ等しく、かつ、入射光束を拡散する白色拡散部
    と、 この白色拡散部の下方に形成され、上記第1の波長領域
    の光束の吸収率が上記第2の波長領域の光束の吸収率よ
    り大きく、かつ、入射光束を拡散する波長選択吸収部
    と、 を備えたことを特徴とする測定データ検査板。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の測定データ検査板に
    おいて、上記波長選択吸収部は、上記白色拡散部に隣接
    して薄板状に形成され、上記第1の波長領域の光束を吸
    収する色フィルタと、入射光束を拡散する第2白色拡散
    部とからなるものであることを特徴とする測定データ検
    査板。
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