JP3303024B2 - 耐硫酸腐食性および加工性に優れたNi基合金 - Google Patents
耐硫酸腐食性および加工性に優れたNi基合金Info
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Description
含む酸性腐食環境において優れた耐食性を示しさらに優
れた加工性を示すNi基合金に関するものであり、特
に、硫酸酸性環境が、Fe3+やNo3 - 等の酸化性物質
を含む環境、例えば、B,C重油焚ボイラーや石炭ボイ
ラーの燃料ガス処理システムにおける空気予熱器、脱硫
装置、煙道、煙突などにおいて硫酸を生ずる環境やごみ
焼却炉の排気系において硫酸を生ずる環境に対して優れ
た耐食性を示しさらに優れた加工性を示すNi基合金に
関するものである。
ーにB重油、C重油または石炭などを燃して純水を加熱
し、高温水蒸気を作製し、この高温水蒸気を利用して蒸
気ダービンを回し発電している。
に示されるように、まず脱硝装置により脱硝処理したの
ち空気予熱器に送って燃焼用空気を予熱し、さらに脱硫
装置にて脱硫処理し、ついで煙突から大気中に放出され
ている。
スは空気予熱器に送られ、そこで燃焼用空気を予熱する
ことにより150〜250℃に冷却され、さらに脱硫装
置を通ることにより150℃未満(約80℃)に冷却さ
れたのち煙突から放出される。
スは、250℃以下に温度が下がるが、その成分は空気
以外に水蒸気、COX ,SOX を多く含み、その他HC
l、脱硝されなかった微量のNOX のほか、装置から発
生するFe3+イオンを含み、更には未燃炭素のススやダ
スト等の固形浮遊物を含むと言われている。
0℃程度に冷却されると水蒸気とSO3 が反応してH2
SO4 となって結露し、80%前後の濃硫酸が生成され
る。この結露した硫酸には、HCl,NOx ,O2 ,C
OX を始めとする腐食性ガス、および酸化性イオンのF
e3+を含み、スス本体である微細な炭素やダストが少量
ながら含まれていると言われ、かかる多様な腐食因子が
含まれている結露した硫酸は、特に腐食性が強く、この
結露した硫酸による腐食は「硫酸露点腐食」と言われて
いる。
量は110〜130℃の温度範囲で最大となるところか
ら、この温度範囲で金属材料の硫酸露点腐食量は最大と
なる。
た部分、すなわち、空気予熱器、電気集塵器集電板、煙
道、脱硫装置および煙突などの燃焼ガスが150℃以下
に温度低下する部分で発生する。空気予熱器内の燃焼ガ
スの温度は150℃を越えているが、燃焼用空気が通る
パイプの表面は150℃以下となっており、このパイプ
に接触した燃焼ガスは150℃以下に温度低下し、硫酸
が結露してこのパイプ部分で硫酸露点腐食が発生する。
かかる空気予熱器、電気集塵器集電板、煙道、脱硫装置
及び煙突には、従来、低合金鋼、ステンレス鋼などが使
用され、硫酸が結露することのないように保温されてい
たが、硫酸の凝縮を100%防止することはできず、部
位によっては硫酸露点腐食等の腐食が生じていた。
金に比べて格段に優れた耐硫酸腐食性を有するNi基合
金を用い、腐食に対する信頼性を改善するケースもあ
る。
ては、例えば、 Cr:21〜23%、 Mo:12〜14%、 Fe:2.5〜5.5%、 W:2.5〜3.5%、 を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなるNi基
合金(以下、従来Ni基合金Aという)、 Mo:25〜30%、 Fe:0.1〜2.0%、 を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなるNi基
合金(以下、従来Ni基合金Bという)、などがあり、
その他にも種々の耐硫酸腐食性に優れたNi基合金が知
られている。
は従来鋼に比べて優れた耐硫酸腐食性を有するものの、
十分満足できるものではなく、例えば現在、空気予熱器
と脱硫装置の間にヒートパイプ等の熱交換器を設置し
て、燃焼ガスの熱の一層の有効利用を計ろうとする計画
もあるが、上記従来のNi基合金では上記計画を推進で
きるだけの十分な耐硫酸腐食性は得られない。
等の燃焼で生ずる硫酸には、硫酸成分の他、Fe3+、ス
ス、ダスト、その他の酸等多様な物質が混入しており、
そのため硫酸酸性物質と言っても腐食特性は、混入する
物質の種類、量、また硫酸や硫酸塩の濃度、環境温度等
によって大きく異なる。
り、例えば硫酸吸収塔が挙げられるが、この硫酸吸収塔
内の硫酸は濃度が約98.5%(水分が1.5%)、温
度が約90℃であり、吸収塔材質にはSS41等が用い
られ、厚さ10mmのSS41で10年程度の耐食性を有
する。このように純粋な硫酸であって水分が極く少量で
100℃以下であればSS41程度の低級金属材料でも
そこそこの耐食性を有する。ところが硫酸に水分が含有
されるとその腐食性は著しく増大し、例えば60%H2
SO4 、60℃の条件では汎用材の中でも高級金属材と
されるSUS316Lでもその腐食速度は、259.1
mm/年と実用的な耐食性を示さない。これに対して、上
記従来Ni基合金Bは典型的な超耐硫酸腐食合金である
が、同じ条件での腐食速度は、0.01mm/年と著しく
小さく、極めて優れた耐硫酸腐食性を有することがわか
る。
からなる腐食環境は、むしろ硫酸製造設備等の特殊なケ
ースに限られ、多くの場合は望まないのに硫酸が副次的
に生成し、このためこの副次的に生成した硫酸には、硫
酸以外に各種の物質が含まれ、したがって純粋な硫酸と
異なる腐食挙動をとる。例えばS分を含む化石燃料を燃
焼させ、その排ガス温度を150℃以下に冷却すると硫
酸が生ずるが、この硫酸には未燃ススとしてのカーボン
が通常含まれる。この凝縮硫酸環境を模擬して、120
℃、60wt%H2 SO4 においてカーボン混入の有無に
ついて代表的な超耐硫酸合金として上記従来Ni基合金
Bの腐食速度を調査した結果、カーボン無しの純粋な6
0wt%H2 SO4 中では従来Ni基合金Bの腐食速度は
0.03mm/年と非常に良好であったのに対し、カーボ
ン有りの場合では、その腐食速度は、20.2mm/年と
大きく増大した。
食性を一様に特定することは難しい。
金の開発では単純な純粋硫酸を用いての耐食性評価が一
般的であり、Mo含有量の増大により耐食性を向上する
方法がとられ、その結果開発されたのが、単純硫酸環境
での実用超耐硫酸合金として知られる従来Ni基合金B
である。
対して総合的な耐食性を有するNi基合金として開発さ
れた従来Ni基合金としては、上記従来Ni基合金Aが
挙げられる。この従来Ni基合金Aは、H2 SO4 、H
NO3 、HCl等の単純酸に対して良好な耐食性を示
し、Cr量の増加でHNO3 に対する耐食性を付与し、
Mo量の増大で、HCl、H2 SO4 に対する耐食性を
付与している。
と同様に120℃、60wt%H2 SO4 においてカーボ
ン混入(硫酸1ccにつき3g)の有無について腐食速度
を調査した。その結果、従来Ni基合金Aは、単純な6
0%H2 SO4 中で比較的良好な耐食性を示すも、カー
ボンを混入した60%H2 SO4 中では腐食速度が1
5.2mm/年と大きく、耐食合金としての実用性を有し
ていないのである。
単純な硫酸や酸環境を想定して設計開発されているた
め、実用環境で生ずる色々な物質を含んだ硫酸環境の腐
食特性に追随出来ないことを示唆している。即ち、多様
な腐食性を有する硫酸環境に対する総合的な耐硫酸Ni
基合金として開発されていないことを示すものである。
様々な物質の混入によって変わる硫酸環境の腐食性を体
系付け、各種の硫酸環境に耐える総合的に信頼性の高い
耐硫酸腐食性に優れたNi基合金を開発すべく研究を行
った。その結果、上記各種の硫酸環境は、 (a) 硫酸は、水分の含有量で、20%前後の水分の
含有で最も腐食性が増大し、温度的には、これら硫酸濃
度が維持される120℃前後において最も強い腐食性を
示すところから120℃、80%硫酸の硫酸酸性環境、 (b) この種の条件の硫酸は、非酸化性的な酸特性を
有するが、Cl- を含有して還元性酸の特性を有するよ
うになったCl- 含有の硫酸酸性環境、 (c) 未燃スス、すなわちカーボンの混入により弱酸
化性酸としての特性が、またFe3+やNO3 - の混入に
より、その混入量の増大とともに酸化性酸の腐食特性
が、それぞれ増大するが、かかるカーボンまたはFe3+
やNO3 - が混入した硫酸酸性環境、 の(a)〜(c)の3種類のシュミレーションの環境に
体系付けすることができ、これら各種実機実用環境で生
ずる硫酸酸性環境も上述の(a)〜(c)の環境に大別
でき、実用環境で最も過酷な化石燃料の燃焼ガスによっ
て生ずる硫酸露点腐食も上記シュミレーション環境より
マイルドであるところから、上記シュミレーション環境
において総合的に優れた耐食性を有するNi基合金が、
実用環境においても最も信頼性が高い耐食性に優れたN
i基合金であり、またこの耐食性Ni基合金は、パイプ
素材として使用することが多いので展伸性に優れている
ことが必要であることがわかったのである。
において総合的に優れた耐食性を示し、さらに展伸性に
も優れたNi基合金の成分組成を決定すべく努力した結
果、重量%で、 (イ) Cr:17〜21.6%、Mo:19〜24%
でかつ38%<Cr+Mo<44%を満足するように含
有し、さらにFe:0.01〜1.89%を含有するN
i基合金に、Ta:1.04〜3.32%を含有せしめ
ると、耐硫酸腐食性が向上すると共に加工性、特に熱間
加工性も向上する。
o:19〜24%、(但し、38%<Cr+Mo<44
%)、Ta:1.04〜3.32%、Fe:0.001
〜4.0%を含有するNi基合金に、さらに、Zr:
0.001〜0.01%、B:0.001〜0.01%
のうちの1種または2種を含有してもよい、 (ハ) 上記(ロ)のNi基合金に、さらに、Nb:
0.1〜0.5%、W:0.1〜2.0%、Cu:0.
1〜2.0%のうちの1種または2種以上を[4Nb+
W+Cu]≦2.0%の割合で含有してもよい、などの
知見が得られたのである。
れたものであって、重量%で、 (1) Cr:17〜21.6%、Mo:19〜24%
であって、かつ38%<Cr+Mo<44%を満足する
量を含有し、さらに、Ta:1.04〜3.32%、F
e:0.01〜1.89%を含有し、残りがNiおよび
不可避不純物からなる耐硫酸腐食性および加工性に優れ
たNi基合金、 (2) 上記(1)のNi基合金に、さらに、Zr:
0.001〜0.01%、B:0.001〜0.01%
のうちの1種または2種を含有した耐硫酸腐食性および
加工性に優れたNi基合金、 (3) 上記(2)のNi基合金に、さらに、Nb:
0.1〜0.5%、W:0.1〜2.0%、Cu:0.
1〜2.0%、のうちの1種または2種以上を[4Nb
+W+Cu]≦2%の割合で含有した耐硫酸腐食性およ
び加工性に優れたNi基合金、に特徴を有するものであ
る。
れたNi基合金の成分組成を上記の範囲に限定した理由
は下記の通りである。
果たす成分であり、特にCrは酸化性酸に対する耐食性
を向上させ、Moは非酸化性酸に対する耐食性を向上さ
せる作用を有することが知られているが、CrおよびM
oがTaと同時に含有することにより各種の硫酸酸性環
境において耐硫酸腐食性が格段に向上する。しかし、C
rの含有量が17%未満では合金表面に緻密な不働態皮
膜を形成することができないために十分な耐硫酸腐食性
が得られず、一方、Cr含有量が22%を越えると加工
性が極端に低下し、圧延加工中に割れが生じて好ましく
ない。したがってCrの含有量は17〜21.6%に定
めた。
酸腐食性を得ることはできず、一方、24%を越えて含
有すると酸化性酸を含む硫酸腐食に対する抵抗が低下す
るので好ましくない。したがってMoの含有量は19〜
24%に定めた。
を有するためにCrとMoの含有量のバランスが重要で
あり、CrとMoの合計量が38%以下でもまたCrと
Moの合計量が44%以上でも耐硫酸腐食性が低下する
ので好ましくない。したがって38%<Cr+Mo<4
4%に定めた。
に不働態化を促進させる効果があり、Cr:17〜2
1.6%、Mo:19〜24%であって38%<Cr+
Mo<44%の満足する量のCrおよびMoとともに含
有させることにより耐硫酸腐食性を向上させる成分であ
るが、その含有量が1.04%未満では各種硫酸酸性腐
食環境において耐硫酸腐食性を十分に得ることができ
ず、一方、3.32%を越えて含有すると母相に有害相
であるTCP相が析出量の許容範囲を越えて析出し、加
工性を低下させるので好ましくない。したがって、Ta
の含有量は1.04〜3.32%の範囲に定めた。
しているために塑性加工性が悪化するが、Feを0.0
1%以上添加することにより加工性の低下を防ぐことが
できる。しかし、1.89%を越えて添加すると加工性
は向上するが耐硫酸腐食性が悪化するので好ましくな
い。
1.89%に定めた。
ので特に優れた熱間加工性が要求される場合に必要に応
じて含有されるが、0.001%未満では効果が得られ
ず、一方その含有量が0.01%を越えると逆に加工性
に劣化傾向が現われるようになるから、その含有量を
0.001〜0.01%と定めた。
酸腐食性を改善する成分であるが、その含有量がNb:
0.1%未満、W:0.1%未満、Cu:0.1%未満
では添加による効果が上がらず、一方、Nbが0.5%
を越え、Wが2.0%を越え、Cuが2.0%を越え、
または、[4Nb+W+Cu]が2%を越えると加工性
が低下するので好ましくない。
選ばれる元素のうち1種または2種以上の添加は、 Nb:0.1〜0.5%、 W:0.1〜2.0%、 Cu:0.1〜2.0%であって、且つ[4Nb+W+
Cu]≦2%を満足するように定めた。
純物としてMn,Mg,CおよびSiなどの含有は避け
られないが、これらの含有量が、それぞれ、 Mn:0.1%以下、 Mg:0.05%以下、 C:0.01%未満、 Si:0.05%以下 であれば、合金特性が何ら損なわれるものではない。
表4に示される成分塑性を有し、厚さ:8.5mmのイン
ゴットを作製し、このインゴットを1000〜1230
℃の範囲内の所定の温度に加熱し、この温度に保持しな
がら、まず、1回の熱間圧延で8mm厚さを減少させ、以
下、1回の熱間圧延で1mmの厚さを減少させつつ最終的
に厚さ:3mmの本発明Ni基合金板1〜17、比較Ni
基合金板1〜16および従来Ni基合金板1〜5を作製
し、圧延中の割れの有無を観察し、その観察結果を表1
〜表4に示した。本発明Ni基合金板1〜17、比較N
i基合金板1〜16および従来Ni基合金板1〜5を切
断して、縦:25mm、横:50mmの寸法の試験片を作製
し、一方、60%H2 SO4 、80%H2 SO4 、60
%H2SO4 3ccにつき活性炭微粉末1gの割合で懸濁
させた液(以下、60%H2 SO4 活性炭と記す)、8
0%H2 SO4 3ccにつき活性炭微粉末1gの割合で懸
濁させた液(以下、80%H2 SO4 +活性炭と記
す)、60%H2 SO4 に100ppm のHClを添加し
た液(以下、60%H2 SO4 +100ppm HClと記
す)、60%H2 SO4 に10ppm のHNO3 を添加し
た液(以下、60%H2 SO4 +10ppm HNO3 と示
す)および60%H2 SO4 に400ppm のFeCl3
を添加した液(以下、60%H2 SO4 +400ppm F
e3+と記す)をそれぞれ用意した。これら硫酸液を温
度:120℃に加熱し、この加熱した硫酸液に上記本発
明Ni基合金板1〜17、比較Ni基合金板1〜16お
よび従来Ni基合金板1〜5の各試験片をそれぞれ24
時間浸漬し、取り出して重さを測定し、減少した重量を
表面積と時間で割り、1年間の腐食速度(mm/year)を
算出し、その値を表5〜表8に示した。
i基合金板1〜17は、いずれも熱間圧延中に割れが発
生しないところから熱間加工性に優れており、さらに1
20℃に加熱された60%H2 SO4 、80%H2 SO
4 、60%H2 SO4 +活性炭、80%H2 SO4 +活
性炭、60%H2 SO4 +100ppm HCl、60%H
2 SO4 +10ppm HNO3 、および60%H2 SO4
+400ppm Fe3+に対しても1mm/year未満の腐食速
度を示すところから各種硫酸酸性環境において耐硫酸腐
食性に優れていることがわかる。
および従来Ni基合金板1〜5は、少なくとも1種類の
硫酸液に対して1mm/year以上の腐食速度を示すところ
から、耐硫酸腐食性に劣っており、また1mm/year未満
の腐食速度を有していても熱間圧延中に割れが発生した
りして加工性に劣ることがわかる。
は、単純な硫酸に対して優れた耐食性を示すのみなら
ず、従来のNi基合金では対応が不可能であった還元
性、非酸化性、弱酸化性そして酸化性までの各種硫酸酸
性環境に対しても優れた耐食性を有し、このため硫酸酸
性環境に限らず広範なそして環境特性も判然としない実
用環境に対しても高い信頼性を持って使用可能である。
また加工性に優れるので板、管棒、線と形状を問わず製
造が可能であり、多くの分野に適用可能である。
の燃焼排気ガス系から硫酸凝縮を伴う熱回収も可能とな
る。即ち、この発明のNi基合金を用いると、燃焼ガス
処理システムにおける空気予熱器と脱硫装置の間に設置
しても硫酸露点腐食に耐えることができる熱交換器を作
ることができ、燃焼ガスの熱の一層の有効利用を計るこ
とができるなど産業上優れた効果を奏するものである。
なお、この発明のNi基合金は上述のごとく各種硫酸酸
性環境下で使用することが最も有効であるが、これに限
定されるものではなく、塩酸、フッ酸、臭酸、りん酸、
硝酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリさらに、中
性である海水等にも使用可能であり、化学プラント、電
気めっき装置および半導体装置などの構造用部材、食品
加工および医療用器具、潮水にさらされる各種刃物や手
工具にも適用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 Cr:17〜21.6%、 Mo:19〜24%、 であって、かつ、 38%<Cr+Mo<44%、 を満足する量を含有し、さらに、 Ta:1.04〜3.32%、 Fe:0.01〜1.
89%、 を含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなること
を特徴とする耐硫酸腐食性および加工性に優れたNi基
合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Cr:17〜21.6%、 Mo:19〜24%、 であって、かつ、 38%<Cr+Mo<44%、 を満足する量を含有し、さらに、 Ta:1.04〜3.32%、 Fe:0.01〜1.
89%、 を含有し、さらに、 Zr:0.001〜0.01%、 B:0.001〜0.01%、 のうちの1種または2種を含有し、残りがNiおよび不
可避不純物からなることを特徴とする耐硫酸腐食性およ
び加工性に優れたNi基合金。 - 【請求項3】 重量%で、 Cr:17〜21.6%、 Mo:19〜24%、 であって、かつ、 38%<Cr+Mo<44%、 を満足する量を含有し、さらに、 Ta:1.04〜3.32%、 Fe:0.01〜1.
89%、 を含有し、さらに、 Zr:0.001〜0.01%、 B:0.001〜0.01%、 のうちの1種または2種を含有し、さらに、 Nb,W,Cuの中から選ばれる元素のうち1種または
2種以上を、 Nb:0.1〜0.5%、 W:0.1〜2.0%、 Cu:0.1〜2.0%、 であって、且つ[4Nb+W+Cu]≦2%の条件を満
足するように含有し、残りがNiおよび不可避不純物か
らなることを特徴とする耐硫酸腐食性および加工性に優
れたNi基合金。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP25636093A JP3303024B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 耐硫酸腐食性および加工性に優れたNi基合金 |
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