JP3302702B2 - 正電荷を有する改質コロイダルシリカの製造方法 - Google Patents
正電荷を有する改質コロイダルシリカの製造方法Info
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とその製造方法に係り、詳しくはカチオン系界面活性
剤、カチオン性コロイド、カチオン系エマルジョン、カ
チオン性粉末スラリー等の液と相容溶性、混和性がよ
く、またカチオン性繊維やセラミックスファイバー等と
の濡れ性に優れる実質的に塩素イオンを含有しない正電
荷の水性コロイダルシリカおよびその製造方法に関す
る。
ミニウム水溶液を混合反応させて酸化アルミニウムでコ
ーテイングした正電荷コロイダルシリカとその製造方法
については、米国特許第 3007878号明細書に記載されて
おり既に公知である。また、この種のコロイダルシリカ
を加熱熟成したのちアルカリ剤を添加してpHを4.5 〜
6.5 に調整する方法も知られている(特公昭47−26959
号公報) 。
許第 3864142号明細書にコロイダルシリカと塩基性塩化
アルミニウム水溶液を混合反応した液にHCO3 型の
アニオン交換樹脂を添加してClイオンをイオン交換除
去する方法が開示されている。また、特開平2−172812
号公報には、Cl- 含有コロイダルシリカを限外濾過
することにより脱Cl処理する方法が示されている。
カは正電荷という特異な性質を有することから多様な用
途に対して有用な物質であるが、上述した米国特許第 3
007878号や特公昭47−26959 号の製法で得られるコロイ
ダルシリカには多量のClが含まれているうえpHも低
いため、使用に際して金属腐食の問題が起きる。米国特
許第 3864142号のCl除去法では、HCO3 型アニオ
ン交換樹脂を添加する過程でCO2 ガスの発生を伴う
関係でバッチ処理しかできず、このためカラムのような
装置を使えないため操作が非常に面倒となる。また、特
開平2−172812号によるCl- 除去方法では、その実
施例からも明らかなように0.1 %程度まではClイオン
を低減化することはできるが、それ以上の低減化を図る
ためには時間が掛かり過ぎて実用的ではない。そのう
え、水性コロイダルシリカと塩基性塩化アルミニウム水
溶液を混合反応させて酸化アルミニウムでコーテイング
した正電荷をもつシリカ粒子のコロイドを作成したと
き、原料アルミニウム成分の相当量が液相中に溶解残留
しているため、限外濾過するとアルミニウム成分が消失
する問題点がある。
はアニオン成分の除去とは異なる方法でClイオンを無
害な他のアニオンに置き換えることで従来の正電荷コロ
イダルシリカを改良するという手段に着目して研究を遂
行した。また、研究の過程で酸化物のコーテイングによ
り正電荷を有するシリカ粒子のコロイドを作成したの
ち、酸化物のシリカ表面への沈着率を高めるためにはア
ルカリ剤の添加が必要であるとの知見を得た。
て開発されたもので、金属酸化物でコーテイングされた
実質的にClイオンを含有しない改質コロイダルシリカ
とその製造方法の提供を目的としている。
めの本発明による改質コロイダルシリカは、金属酸化物
でコーテイングしたコロイダルシリカであって、前記コ
ロイダルシリカが次の一般式で示されるClイオンを実
質的に含有しないことを構成上の特徴とするものであ
る。 一般式: SiO2・aR1 2O3・bR2 O3・cX・dCl・eMe2/n O・fH2O 上記の一般式において、R1 はAl、FeまたはCr
の金属元素、R2 はTiまたはZrの金属元素、Xは
Cl、HCO3 、CO3 またはOH以外のアニオン、
Meはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、アン
モニウム、第4級アンモニウムまたはアミン、nは原子
価、a〜fはモル係数でa=0 〜0.5 、b=0 〜0.5 (
但し、0.05≦a+b≦0.5)、c=0.02〜0.1 、d=0 〜
0.05、e=0.001 〜0.05、f=1.5 〜20を示す。
記一般式が示すようにSiO2 に対しClとして0.05
以下という実質的にCl- を含有しないことに特徴付
けられる。これは、後述するようにコロイダルシリカを
金属酸化物コーテイング処理に際して不可避的に混入す
るCl- をCl- 、HCO- 、CO3 2- またはOH
- 以外の他のアニオンとアニオン交換処理を介して効
果的に分離除去せしめることに依拠している。
化鉄、クロミア、二酸化チタン、ジルコニア等を挙げる
ことができるが、実用的かつ経済的の面からアルミナが
最も好ましい。なお、本発明の金属酸化物とは、微細な
無定形の水和物を意味する。金属酸化物のコーテイング
量は用途や金属酸化物の物性によって異なるが、モル係
数でa+b<0.05のときはシリカ粒子が正に帯電するに
は不十分であり、またa+b>0.5 の場合にはゲル化し
易いかコロイダルシリカとしての特徴が消失する傾向に
ある。したがって、適正なモル係数の関係は0.05≦a+
b≦0.5 の範囲にあり、好ましくは0.05≦a+b≦0.2
である。
オン(X)はCl- とアニオン交換すべきアニオンに
より、またカチオン成分(Me2/n O)はコロイダルシ
リカを調製する際のシリカ原料および中和処理によって
本質的に依拠し、それらの量cまたはeは主として両者
の相対関係で定まる。
CO3 - およびCl- 以外のアニオンであれば特に限
定はないが、例えばNO3 - 、NO2 - 、PO4 3- 、
HPO4 2-、SO4 2-、HSO4 - 、SO3 2- 、HSO3
- 、F- 、CN- 、BO2 -、BO3 3-などの無機アニ
オン、CH3COO- 、HCOO- 、CH3CH(O
H)COO- などの有機酸イオンが挙げられ、これら
のうちNO3 - またはCH3COO- が実用的で好まし
い。なお、OH- 、CO3 2- 、HCO3 - が除かれる
理由は、酸性側でアニオン交換する関係上、これらアニ
オンはpHの上昇、CO2 ガスの発生等によってコロ
イドの凝集や操作上のトラブルを招くからである。カチ
オン成分は、Clと同様 (e≦0.05) に可及的に不含で
あることが望ましい。したがって、コロイダルシリカの
安定化や金属酸化物等の吸着性およびアニオンとの関係
で不可避的に存在するものではあるが、好ましくは0.00
1 ≦e≦0.03の範囲にすることがよい。
金属酸化物の水和水によるものであるが、ビルドアップ
されたシリカ粒子であれば水和水は少ない。多くの場
合、1.5 ≦f≦20、好ましくは6≦f≦18の範囲にあ
る。なお、該水分量(f)は水以外の各成分の合計重量
%を 100重量%から差し引いた値とし、これをモル組成
に換算して算出する。
粒子径が3〜100nm の範囲で、好ましくは平均粒子径と
して5〜50nmの範囲にあり、SiO2 として10〜50重
量%、好適には15〜30重量%の範囲にある水性ゾルであ
る。
本発明による製造方法は、水性コロイダルシリカと塩基
性塩化金属塩水溶液とを反応させて正電荷を有する改質
コロイダルシリカを製造する方法において、前記反応を
介して金属酸化物でコーテイングしたコロイダルシリカ
を生成させ、ついで加熱熟成およびpH4〜6に中和処
理を施したのち、Cl- を含有するコロイダルシリカ
をNO 3 - またはCH 3 COO - を有するアニオン交換樹
脂と接触させて脱Clイオン処理をおこなうことをプロ
セス要件とする。
水ガラスを出発原料としてイオン交換法、解膠法、酸中
和法、電気透析法等によって製造されるもので、その製
造例は米国特許第 2577484号、同第 3711419号、同第 2
572578号、同第 3668088号等の明細書、特開昭52−3389
9 号、同平1−317115号等の公報に開示されている。そ
の他、米国特許第 3650977号明細書や特公昭46−7367号
公報に記載のある金属シリコンの酸化による方法、米国
特許第 2951044号明細書や特開昭62−127216号公報に開
示されている微細シリカ粉末の水分散により得られるコ
ロイダルシリカを使用することもできる。
範囲のものを使用することができるが、粒子径の大きい
ものはコロイドとしての用途が少ないため平均径5〜50
nmの微粒子を用いることが実用的である。なお、市販の
水性コロイダルシリカには、通常、コロイドの安定化剤
として微量のアルカリイオン (または水素イオン) が含
有されていてpH8〜10 (またはpH2〜5)を呈する
が、本発明の原料に供する場合には、これに酸を加える
か、カチオン交換樹脂を用いてアルカリ分を除去しpH
2〜8の範囲に調整する。しかし、pHが低く過ぎると
金属塩の加水分解が進行せずにシリカ表面への沈着率が
低下し、他方、pHが高すぎると混合時にゲル化を生じ
る。したがって、好ましいpHは6〜8の範囲に調整す
ることである。
としては、例えば塩基性塩化アルミニウム、塩基性塩化
鉄、塩基性塩化クロミウム、塩基性塩化チタニウム、塩
基性塩化ジルコニウム等の水溶液の1種または2種以上
が用いられる。これらのうち特にAl2(OH)X Cl
6-X で示される塩基性塩化アルミニウムが好ましく使
用される。塩基性金属塩水溶液の使用量は、コロイダル
シリカの粒子表面の金属酸化物被覆量が25〜100 %にな
るように設定することである。この場合、後工程の限外
濾過などの操作で濃縮する際に金属イオンとして一部が
溶出する現象を起こすため、使用量の設定にあたっては
予めこの溶出量を考慮することが望ましい。
ム水溶液によってコーテイングする方法は、例えば米国
特許第 3007878号明細書、特公昭47−26959 号公報等に
記載されている公知の方法によって処理することができ
る。すなわち、水性コロイダルシリカと塩基性塩化金属
塩水溶液を同時混合またはポンプ内混合などの混合操作
を強力な攪拌や剪断下に施してコーテイング処理をおこ
なう。コーテイング処理後の加熱熟成は、60〜80℃で0.
5 時間以上、好ましくは70℃前後の温度で1時間程度の
条件でおこなわれる。なお、加熱熟成はオニオン交換後
におこなってもよい。
ルカリ剤を添加してpH4〜6に調整する。アルカリ剤
としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物、アンモニア、4級アンモニウム水酸化物および
アミンを改質コロイダルシリカの使用目的に応じて使い
分けることができる。一般的に用いられるアルカリ剤
は、NaOH、Ca(OH)2 、NH4 OHである。
この際のpHが4を下廻ると塩基性金属塩化物の加水分
解が不十分となって金属イオンの溶出量が多くなり、6
を越えるとコロイドの安定性が悪くなる。かかる加熱熟
成およびpH調整によって、金属酸化物のコーテイング
が実質的に完成する。
したカラムに前処理で得られたClイオン含有量の多い
コロイダルシリカを通過させることによりおこなわれ
る。アニオン交換樹脂としては、強塩基性、弱塩基性の
いずれの樹脂も使用できるが、カラム内のpHを3〜6
の範囲にしておくことが好ましい。このpH調整によっ
て、コロイダルシリカの局部的なゲルの発生がなくな
り、操作がし易くなる。酸の種類は、樹脂のアニオンと
同じものを使用する。樹脂のアニオンには、Cl-、H
CO3 - 、CO3 2- またはOH- 以外のアニオンであ
れば特に限定はなく、正電荷コロイダルシリカの用途に
よって任意に定めることができる。一般的には、無機ア
ニオンとしてNO3 - 、NO2 - 、PO4 3- 、P2 O
6 - 、SO4 2- 、SO3 2- 、F- 、CN- ,BO2 -
、BO3 3- など、有機アニオンとしてCH3 CO-
、HCO2 - 、CH3 CH(OH)CO2 - などが用
いられる。改質コロイダルシリカの用途面を考慮する
と、特にNO3 - 、CH3 CO2 - は揮発性の酸根と
してセラミックス分野に好ましいアニオン成分となる。
l- を含有しない正電荷のコロイダルシリカが製造さ
れる。なお、ここにいう実質的とはSiO2 に対して
5モル%以下であることを意味するが、本発明の方法を
適用すると1モル%以下に減少させることが可能とな
る。
は必要に応じて限外濾過等の濃縮処理を施すことによ
り、製品濃度として概ね20〜30重量%まで濃縮すること
ができる。
ためにその粒子表面は負の電荷を帯びているが、本発明
に係る水性コロイダルシリカは正電荷をもつ微細な金属
酸化物で表面処理が施されており、実質的にCl- を
含有しない正の帯電に改質されている。したがって、使
用時における腐食の心配がなく、またカチオン性の素材
に対して優れた相溶性、混和性、濡れ性および分散性を
備えている。また、本発明の製造方法に従えば、従来技
術によるアニオン成分の除去手段とは異なり、Cl-
を無害なアニオンに置換するプロセスで前記の改質コロ
イダルシリカを効率よく製造することが可能となる。
明する。各例において、原料には表1に示す性状のコロ
イダルシリカおよび塩基性塩化金属塩として表2に示す
性状の代表的な塩基性塩化アルミニウムを用いた。
NaOH水溶液でpHを6に調整した。別に水388gに表
2の塩基性塩化アルミニウム77g を溶解し、この液を強
力攪拌しながら瞬時に前記pH6のコロイダルシリカを
添加し、そのまま室温で1時間攪拌を続けたのち、60℃
で4時間攪拌し放冷した。得られた液状物は、pH3.2
の正電荷コロイダルシリカであった。ついで、予めOH
型アニオン交換樹脂〔オルガノ(株)製“アンバーライ
トIRA-410 ”〕をpH4.5 となるまで添加攪拌しながら
中和処理を施し、網で樹脂を取り除いた。この正電荷コ
ロイダルシリカを、予め酢酸を流下させて水洗流出液の
pHが5.5 になるまで十分に水洗したアニオン樹脂カラ
ムに流下させ、ClイオンをCH3CO2 イオンに置換
したのち、限外濾過してSiO2 が25wt%になるまで
濃縮した。
シリカの性状を測定したところ、pHが5.0 、Clが30
ppm で、モル組成は大略SiO2 ・0.06Al2 O3・
0.04CH3COO・0.0002Cl・0.002 Na2 O・9.6
H2 Oを示すものであった。該改質コロイダルシリカ
を自然放置したところ、室温で1年間以上安定であっ
た。
H型アニオン交換樹脂をpH6.3 となるまで添加攪拌し
たものは、コロイドがゲル化して続く操作ができなくな
った。
ろ、正電荷コロイダルシリカを流下すると同時にCO2
ガスが発生しカラム内にガスの気泡が充満して正常な
イオン交換ができなくなった。
正電荷コロイダルシリカを流下すると同時にシリカのゲ
ルが発生しカラム内に液を流下することができなくなっ
た。
え、攪拌しながら30wt%HNO3 約0.1kg を添加してp
H7.5 とした。別に3kgの水に表2の塩基性塩化アルミ
ニウム1kgを溶解し、この液に強力攪拌下コロイダルシ
リカを瞬時に投入し室温で1時間攪拌を続けたのち、75
℃で1時間攪拌し放冷した。得られた液状物はpH3.9
の正電荷コロイダルシリカであった。次いで、このコロ
イドを1wt%NaOHでpH4.6 となるまで添加攪拌し
ながら中和処理した。これをA液とする。60kgの表1の
コロイダルシリカNo.1に水60kgを加え、攪拌下30wt
%HNO3 約1kgを添加してpH7.5 とし、これをB液
とする。別に30kgの水に表2の塩基性塩化アルミニウム
10kgを溶解し、これをC液とする。
10分間で投入し、室温で1時間攪拌を続けたのち75℃で
1時間攪拌し放冷した。得られた液状物はpH3.9 の正
電荷コロイダルシリカであった。次いで、このコロイド
に1wt%NaOHをpH4.6となるまで攪拌しながら添
加して中和処理した。他方、カラムに充填したアニオン
交換樹脂〔オルガノ(株)製“アンバーライトIRA−
410 ”〕120ml に30kgの4wt%NaNO3 水溶液で流
下させ、400ml の水で水洗後、30wt%HNO3約0.1kg
を添加した200ml の水を流下させ、更にカラムから流出
する水のpHが4.5 となるまで水洗した。このカラムに
上記で得られた正電荷コロイダルシリカを流下させて、
ClイオンとNO3 イオンをアニオン交換し、次いで
限外濾過にてSiO2 が20wt%になるまで濃縮した。
こうして得られた正電荷コロイダルシリカの性状を調べ
たところ、Clが200ppmであり、室温で1年以上安定で
あった。なお、改質コロイダルシリカはSiO2 ・0.0
9Al2 O3 ・0.07NO3 ・0.002 Cl・0.01Na2
O・12.5H2 Oで表されるモル組成を有するものであ
った。
中和処理したのちコロイダルシリカを流下させたとこ
ろ、アニオン交換樹脂の上端部分にシリカのゲルが発生
し、次の樹脂の再生ができなくなった。
ミニウムの使用量を0.7kg 、C液の調整に用いた塩基性
塩化アルミニウムを7.0kg に代えた以外はすべて同じ操
作で改質コロイダルシリカを作成した。得られた正電荷
コロイダルシリカはpHが4.5 、Al2 O3 が2.0
%、Clが30ppm であり、室温で1年以上安定であっ
た。なお、この改質コロイダルシリカはSiO2 ・0.0
6Al2 O3・0.06NO3 ・0.002 Cl・0.01Na2
O・12.6H2 Oで表されるモル組成を有するものであ
った。
NaOHの添加による中和処理をせずに、他は実施例3
と同じ操作で正荷電コロイダルシリカを作成した。得ら
れた正電荷コロイダルシリカはpHが4.2 、Al2 O3
が1.4 %、Clが30ppm であり、Al2 O3 のコロ
イドシリカ粒子への沈着効率が低く改質効果の劣るもの
であった。なお、得られた改質コロイダルシリカの組成
はSiO2・0.04Al2 O3 ・0.05NO3 ・0.002 C
l・0.01Na2 O・12.7H2 Oであった。
換後におこない、中和剤を1wt%NaOHの代わりに0.
8wt %Ca(OH)2 スラリーを使用してNaOHと
同モル量のCa(OH)2 を攪拌下に添加して中和処
理した。なお、Ca(OH)2 スラリーの中和速度は
遅いため添加後24時間pHの測定をしつつ攪拌を続けp
Hが4.6 で一定になったのち、限外濾過による濃縮操作
をおこなった。以上の条件以外は実施例3と同じ操作を
用いSiO2 が20wt%の正電荷コロイダルシリカを作
成した。この正電荷コロイダルシリカはpHが4.5 、A
l2 O3 が2.0 %、Clが30ppm であり、室温で1年
以上安定であった。また改質コロイダルシリカはSiO
2 ・0.06Al2 O3 ・0.06NO3 ・0.002 Cl・0.
01M・12.6H2 O(MはNa2 O+1/2 CaOを示
す。)で表されるモル組成を有するものであった。
換の後でおこない、中和剤を1wt%NaOHの代わりに
0.8wt %Ca(OH)2 スラリーを実施例4の1.5 倍
使用して攪拌下に添加して、中和処理した。添加後、48
時間pHの測定をしつつ攪拌を続けpHが6.2 で一定に
なった後、限外濾過による濃縮操作を施したが、コロイ
ド液の粘性が高く全く濃縮はできなかった。このときの
SiO2は9.5wt %であった。
コロイダルシリカは金属酸化物のコーテイングにより正
電荷を帯びたものであり、実質的にCl- を含有しな
い水性コロイダルシリカである。このため、使用に際し
て素材に対する腐食の危険性がなく、かつ例えばカチオ
ン系界面活性剤、カチオン性コロイド、カチオン系エマ
ルジョン、カチオン性粉末スラリー等との相容性、混和
性および、分散性に優れ、カチオン性繊維やセラミック
ス繊維等との濡れ性が良好であるから、適用範囲が著し
く広くなる。また、本発明の製造方法によればCl-
を含有するコロイダルシリカをカラムを用いてCl-
、HCO- 、CO3 2- またはOH- 以外のアニオン
とアニオン交換処理することにより前記の改質コロイダ
ルシリカを工業的に有利に生産することが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 水性コロイダルシリカと塩基性塩化金属
塩水溶液とを反応させて正電荷を有する改質コロイダル
シリカを製造する方法において、前記反応を介して金属
酸化物でコーテイングしたコロイダルシリカを生成さ
せ、ついで加熱熟成およびpH4〜6に中和処理を施し
たのち、Cl- を含有するコロイダルシリカをNO 3 -
またはCH 3 COO - を有するアニオン交換樹脂と接触
させて脱Clイオン処理をおこなうことを特徴とする正
電荷を有する改質コロイダルシリカの製造方法。 - 【請求項2】 Cl- を含有するコロイダルシリカを、
アルカリ剤でpH3〜6に中和したのちアニオン交換樹
脂のカラムを通過させる請求項1記載の正電荷を有する
改質コロイダルシリカの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のアニオン交換処
理をおこなったのち、限外濾過により濃縮処理すること
を特徴とする正電荷を有する改質コロイダルシリカの製
造方法。
Priority Applications (1)
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