JP3302454B2 - 車両のルーフ昇降装置 - Google Patents

車両のルーフ昇降装置

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JP3302454B2
JP3302454B2 JP17956293A JP17956293A JP3302454B2 JP 3302454 B2 JP3302454 B2 JP 3302454B2 JP 17956293 A JP17956293 A JP 17956293A JP 17956293 A JP17956293 A JP 17956293A JP 3302454 B2 JP3302454 B2 JP 3302454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルーフ本体上において
ルーフ本体とは別体に、ルーフ本体に対して昇降可能に
設けられている昇降ルーフを有する車両において、その
昇降ルーフを昇降させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ルーフ本体とは別体の昇降ルーフ
がルーフ本体上に設けられた車両が市販されている。こ
の昇降ルーフはルーフ本体に対して昇降自在にルーフ本
体に取り付けられており、通常はルーフ本体上に覆い被
さっており、車両のルーフの一部をなしている。必要時
には、この昇降ルーフを上昇させることにより、ルーフ
本体と昇降ルーフとの間にある程度の空間を形成するこ
とができる。昇降ルーフとルーフ本体との間には蛇腹状
のカーテン部材が予め取り付けられており、昇降ルーフ
を上昇させるとそのカーテン部材もともに上昇し、ルー
フ本体と昇降ルーフとの間に形成される空間を外界から
遮断する。このように外界から遮断された空間内に、例
えば、ベッドを敷けば、その空間を臨時の寝室として利
用することができるし、あるいは、荷物の置き場として
も利用することができる。昇降ルーフの昇降は手動でも
可能であるが、一般的には、モーターを用いて行われ
る。例えば、実開昭56−75019号公報に記載され
ている車両では、モーターにより昇降ルーフが昇降され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】同公報記載の車両にお
ける昇降ルーフは、起倒自在のリンク部材を介してルー
フ本体に支持されている。昇降ルーフがルーフ本体に覆
い被さっている状態ではリンク部材は倒れた状態にあ
る。この状態から、モーターを用いて、リンク部材のル
ーフ本体側取付部をスライドさせつつ、リンク部材の昇
降ルーフ側取付部を上昇させることにより、昇降ルーフ
が持ち上げられて行く。モーターによりリンク部材を倒
れた状態から起立状態に移行させる際に、最も大きな力
を必要とするのは、リンク部材を倒れた状態から持ち上
げるときの初期動作時である。リンク部材が倒れた状態
では上方向への力は作用させ難いからである。リンク部
材が一旦持ち上がれば、リンク部材がルーフ本体と傾斜
をなすため、上方向の力が作用しやすくなる。このた
め、リンク部材が一旦持ち上がった後は、初期起立動作
時ほどの大きな力は必要ない。一般には、この初期動作
時に必要な大きな力を確保するためにのみ、比較的大型
のモーターを用いることが必要となるが、ルーフ本体と
昇降ルーフとの間には設置スペースに限界があるため、
大型モーターを用いることは好ましいことではない。
【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、大型モーターを用いることなく、リンク
部材の初期起立動作を確実かつ円滑に行わせることがで
き、ひいては、小型モーターだけでリンク部材の作動を
可能にすることができる車両のルーフ昇降装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を実現するための手段及び作用】この目的を達成
するため、本発明に係るルーフ昇降装置は、車両のルー
フ本体に対して昇降可能な昇降ルーフを昇降させる装置
において、一端が昇降ルーフに、他端がルーフ本体に支
持され、この一端または他端は車両前後方向に移動可能
かつ車両前後方向に枢動可能であり、内筒部と外筒部と
で構成された伸縮自在な第一リンク部材と、一端が昇降
ルーフに、他端がルーフ本体に支持され、この一端また
は他端は車両前後方向に移動可能かつ車両前後方向に枢
動可能であり、車両の長手方向において第一リンク部材
の後方または前方に近接して配置された第二リンク部材
と、第一リンク部材の一端または他端を車両の長手方向
に沿って車両前方または後方へ移動させるアクチュエー
タと、一端が昇降ルーフに、他端がルーフ本体に支持さ
れているダンパー部材と、第二リンク部材に設けられ、
昇降ルーフがルーフ本体に対して全開状態になったとき
に第一リンク部材と第二リンク部材とを連結させる連結
機構と、ルーフ本体側に設けられ、昇降ルーフがルーフ
本体に対して閉じた状態になったときに第一リンク部材
と第二リンク部材との連結を解除する連結解除機構とを
備えることを特徴とする。伸縮自在な第一リンク部材は
アクチュエータにより車両前方(または車両後方)に移
動するにつれて収縮状態から伸長状態へ移行する。これ
に伴い、昇降ルーフを上昇させようとするモーメントを
徐々に大きくすることができ、これによって、大型モー
ターを用いることなく、小型モーターにより第一リンク
部材の初期起立動作を行わせることが可能になる。
【0006】昇降ルーフがルーフ本体に対して全開状態
になると連結機構により第一リンク部材と第二リンク部
材とが連結される。第二リンク部材は第一リンク部材と
異なり伸縮しないように形成されているので、昇降ルー
フが閉じるとき、すなわち、昇降ルーフが下降するとき
には第一リンク部材は収縮することなく、アクチュエー
タにより車両後方(または車両前方)へ移動する。昇降
ルーフの下降中に第一リンク部材が収縮すると、昇降ル
ーフが急激に下降し、勢いよくルーフ本体上に閉じてし
まうことが起こり得るが、第二リンク部材との連結によ
り第一リンク部材は収縮することがなくなるので、昇降
ルーフの急激な下降を防止することができる。昇降ルー
フが全閉状態になった時点では、第一リンク部材及び第
二リンク部材はそれらの最後端位置(または最前端位
置)まで後退しており、この時点で、連結解除機構によ
り第一リンク部材と第二リンク部材との連結が解除され
る。このため、次に昇降ルーフが開き始めるときには、
第一リンク部材は単独でアクチュエータにより車両前方
(または車両後方)へ移動し、次の昇降ルーフ上昇サイ
クルが開始される。
【0007】本発明の好ましい実施態様においては、連
結機構は、第二リンク部材に枢動自在に取り付けられ、
一端において第一リンク部材と係合なフック部材と、こ
のフック部材をこのフック部材が第一リンク部材に係合
する方向に付勢する付勢部材とからなる。第一リンク部
材がアクチュエータにより車両前方(または車両後方)
に移動するにつれて、第二リンク部材も第一リンク部材
に追随して車両前方(または車両後方)に移動する。昇
降ルーフが全開状態になった時点において第二リンク部
材は第一リンク部材に追いつく。フック部材は第一リン
ク部材に係合する方向に常に付勢部材により付勢されて
いるため、第二リンク部材が第一リンク部材に追いつい
た時点で第二リンク部材に取り付けられているフック部
材が第一リンク部材に係合する。これによって、前述し
たように、昇降ルーフが閉じるときにおける第一リンク
部材の収縮が防止される。本発明の好ましい実施態様に
おいては、連結解除機構は、フック部材の他端に形成さ
れた突出部と、第二リンク部材がルーフ本体に沿って車
両後方(または車両前方)へ移動したときにフック部材
と第一リンク部材との係合を解除する方向に突出部を枢
動させるガイド部材とからなる。
【0008】第二リンク部材が車両後方(または車両前
方)へ移動するにつれて、フック部材の突出部はガイド
部材と当接することによりフック部材と第一リンク部材
との係合を解除する方向に枢動する。これによって、第
一リンク部材と第二リンク部材との係合が解除され、昇
降ルーフはいつでも開くことができる状態になる。特
に、本発明の好ましい実施態様においては、第一リンク
部材は、ダンパー部材の付勢力が比較的小さい作動範囲
において、収縮状態のまま、その他端がアクチュエータ
によりルーフ本体に沿って車両前方(または車両後方)
に移動しつつ、該他端を起点として起立するように構成
されている。第一リンク部材は、ダンパー部材の付勢力
が比較的小さい作動範囲内においては、収縮状態のま
ま、すなわち、伸長することなく、一定長さの状態で起
立動作を行う。この起立動作は、アクチュエータと連結
している第一リンク部材の一端または他端がアクチュエ
ータによってルーフ本体または昇降ルーフに沿って車両
前方(または車両後方)に移動することに伴い、リンク
部材がその一端または他端を中心として回動することに
よって行われる。この場合、第一リンク部材の任意の一
点に着目すると、リンク部材がルーフ本体に沿って移動
しつつ回動し、これによって、起立して行くにつれて、
その任意の一点とアクチュエータの駆動力の作用線との
間の垂直距離が徐々に大きくなっていく。第一リンク部
材を起立させようとするモーメントはアクチュエータの
駆動力と前記垂直距離との積で表される。このため、第
一リンク部材の初期起立動作時においては、第一リンク
部材の移動距離に比例して、第一リンク部材を起立させ
ようとするモーメントが大きくなり、小型モーターを用
いても第一リンク部材の初期起立動作が円滑に行われ
る。
【0009】本発明の好ましい実施態様においては、第
一リンク部材が、ダンパー部材の付勢力が比較的小さい
作動範囲において、収縮状態のまま、その他端または一
端がアクチュエータによりルーフ本体に沿って車両前方
(または車両後方)に移動しつつ、該他端または一端を
起点として起立した後、ダンパー部材が付勢力を昇降ル
ーフに作用させて昇降ルーフを上昇させるように構成さ
れている。すなわち、第一リンク部材の初期起立動作に
おいては、前述したように、リンク部材の移動距離に比
例して増大するモーメントの作用によって第一リンク部
材の初期起立動作が円滑に行われるが、その後は、ダン
パー部材が本来の作動を開始し、昇降ルーフに付勢力を
作用させる。これによって、昇降ルーフはその全開位置
まで上昇する。本発明の他の好ましい実施態様において
は、ルーフ本体と昇降ルーフとの間は車両の前方側また
は後方側の一方においては第一及び第二リンク部材によ
り連結され、車両の前方側または後方側の他方において
はX字型リンクにより連結される。車両の前方側と後方
側の双方において昇降ルーフ昇降用のリンク部材を設け
ることもできるが、前方側または後方側の一方をX字型
リンクとすることにより、ルーフの構造を複雑にするこ
となく、昇降ルーフを昇降させることが可能になる。
【0010】第一及び第二リンク部材とX字型リンクを
このように配置する場合、前述のダンパー部材は第一及
び第二リンク部材とX字型リンクとの間に配置すること
が好ましい。ダンパー部材を双方のリンク部材よりも車
両前方または後方に配置することも可能であるが、双方
のリンク部材とX字型リンクとの間に配置した方が双方
のリンク部材よりも車両前方または後方に配置する場合
よりもダンパー部材の長さを短くすることが可能にな
り、部品の小型化ひいては装置全体の小型化を図ること
ができる。さらに、本発明の好ましい実施態様において
は、アクチュエータは、第一リンク部材が起立状態から
寝た状態に移行した後、該第一リンク部材が起立しない
範囲において、該第一リンク部材の他端または一端を車
両前方または後方に移動させ、該第一リンク部材を収縮
させる。第一リンク部材が寝た状態に移行したとき、す
なわち、昇降ルーフがルーフ本体に対して閉じた状態に
なったとき、第一リンク部材をそのまま寝た状態のまま
にしておいても何ら差し支えはない(この状態では、第
一リンク部材は伸長状態にある)。しかし、昇降ルーフ
を上昇させ、ルーフ本体に対して開く状態にする場合、
アクチュエータにより第一リンク部材の他端または一端
を車両前方または後方に移動させ、これにより、第一リ
ンク部材を一旦収縮させてから、さらに、アクチュエー
タにより第一リンク部材の他端または一端を車両前方ま
たは後方に移動させ、第一リンク部材を回動させつつ起
立させることになる。本実施態様のように、第一リンク
部材が寝た状態に移行した直後に、アクチュエータによ
り第一リンク部材の他端または一端を車両前方または後
方に移動させ、予め第一リンク部材を収縮させておけ
ば、昇降ルーフを開くときに、第一リンク部材を収縮さ
せるための時間を短縮することができ、アクチュエータ
を作動させてから昇降ルーフが開き始めるまでの応答時
間を短縮することができる。
【0011】
【実施例】図1乃至図15に本発明の一実施例を示す。
図1に示すように、車両1のルーフ本体2の上方にはル
ーフ本体2に対して昇降自在に昇降ルーフ3が取り付け
られている。昇降ルーフ3は車両1の前方側においては
左右一対の第一リンク部材4及び第二リンク部材5を介
して、車両1の後方側においては左右一対のX字型リン
ク6を介して、さらに、第一及び第二リンク部材4,5
とX字型リンク6との間において左右一対のダンパ部材
7を介してルーフ本体2に対して昇降自在に支持されて
いる。第一リンク部材4は内筒部4aと中空の外筒部4
bとからなる。内筒部4aは外筒部4bの内部を軸心方
向に自在に摺動し得るように形成されており、その結果
として、第一リンク部材4はその軸心方向に伸縮自在と
なっている。第二リンク部材5は、第一リンク部材4と
は異なり、非伸縮性の一本の剛性ロッド部材からなって
いる。ルーフ本体2の中央には車室内に通じる開口8が
形成されており、開口8の長手方向前後には長手方向に
延びる複数の補強用ビード9が相互に平行に設けられて
いる。
【0012】ルーフ本体2には、開口8の車幅方向両側
において、凹部10(図1では見えない位置にある)が
車両1の長手方向に形成されており、この凹部10には
図2に示すレール機構12が嵌め込まれている。図2に
示すように、レール機構12は、断面がコ字型で相互に
向かい合っている一対のレール部分14と、レール部分
14の下端から外側に延びるフランジ部分15と、フラ
ンジ部分15の下方に形成されている断面がほぼU字型
の空洞部16とからなる。レール機構12は、空洞部1
6がルーフ本体2の凹部10に嵌め込まれた状態でフラ
ンジ部分15をルーフ本体2にボルトその他の適当な手
段で固定することにより、ルーフ本体2に取り付けられ
ている。図3に示すように、第一リンク部材4の内筒部
4aの下端及び第二リンク部材5の下端には各々ローラ
ー機構が設けられている。第一リンク部材4の内筒部4
aの下端は断面がほぼ逆U字型形状である第一ブラケッ
ト18の上面に固定されている。第一ブラケット18は
シャフト20を介して断面がほぼU字型形状である第二
ブラケット22に枢動自在に取り付けられている。さら
に、第一ブラケット18の両側面に隣接して一対のロー
ラー24が回転自在にシャフト20に支持されている。
【0013】図4は第一リンク部材4に対するローラー
機構の断面図である。図4に示すように、第一ブラケッ
ト18、第二ブラケット22及びローラー24はブッシ
ュ25,26,27及びワッシャー28,29を介して
シャフト20に対して回動自在に取り付けられている。
第二リンク部材5の下端は断面がほぼ逆U字型形状であ
る第三ブラケット30の上面に固定されている。第三ブ
ラケット30の内部にはシャフト32が通っており、第
三ブラケット30はシャフト32に嵌合されたブッシュ
33(図5参照)を介してシャフト32に対して枢動自
在であるようにシャフト32に支持されている。第三ブ
ラケット30の両側面には、それに隣接して一対のロー
ラー34がブッシュ35,36(図5参照)を介して回
転自在にシャフト32に支持されている。第一リンク部
材4に対するローラー24及び第二リンク部材5に対す
るローラー34はともにレール機構12のレール部分1
4に転動自在に支持されている。この結果、第一リンク
部材4及び第二リンク部材5はともにレール機構12に
沿って車両前後方向に移動可能であるとともに、レール
機構12に対して車両前後方向に枢動自在である。
【0014】第一リンク部材4の外筒部4b及び第二リ
ンク部材5はそれらの上端において昇降ルーフ3に枢動
自在に支持されている。図2及び図6に示すように、レ
ール機構12の空洞部16の両側壁には各々中空通路3
8a,38bが設けられており、この中空通路38a,
38bの内部には各々駆動ケーブル40a,40bが中
空通路38a,38bに沿って摺動自在であるように配
置されている。図1に示すように、開口8の前方側にお
いてルーフ本体2の裏面にはモーター42と、モーター
42によって駆動されるギヤ機構43とが配置されてい
る。駆動ケーブル40a,40bはともにギヤ機構43
と係合しており、ギヤ機構43を介してモーター42の
動力を受けることにより、矢印Y1またはY2の方向に
相互に反対方向に同時に移動する。図8にギヤ機構43
の基本原理を示す。ウォームギヤが形成されているモー
ター42の出力軸42aはギヤ機構43のウォームギヤ
43aと噛合しており、モーター42の出力の方向を9
0度変えている。ギヤ機構43のウォームギヤ43aの
先端には歯車43bが取り付けられている。各駆動ケー
ブル40a,40bには歯車43bと噛合し得るような
溝が切られており、歯車43bと噛合した状態に配置さ
れている。モーター42が正転し、歯車43bが矢印D
の方向に回転すると、駆動ケーブル40aは矢印Y1の
方向に進み、駆動ケーブル40bは矢印Y2の方向に進
む。モーター42が逆転し、歯車43bが矢印Dとは反
対の方向に回転すると、駆動ケーブル40aは矢印Y2
の方向に進み、駆動ケーブル40bは矢印Y1の方向に
進む。
【0015】図3に示すように、駆動ケーブル40aの
一端は、図1で見て左側のレール機構12に配置されて
いる第二ブラケット22の下端に取り付け部材44を介
して結合されている。一方、駆動ケーブル40aの他端
は図1で見て右側のレール機構12の空洞部16に設け
られている中空通路38a(車幅方向の内側に位置する
中空通路)の内部に摺動自在に配置されている(すなわ
ち、この他端は右側のレール機構12の第二ブラケット
22とは連結されていない)。同様に、駆動ケーブル4
0bの一端は図1で見て右側のレール機構12に配置さ
れている第二ブラケット22の下端に取り付け部材44
を介して結合され、他端は図1で見て左側のレール機構
12の空洞部16の中空通路38bの内部に摺動自在に
配置されている(すなわち、この他端は左側のレール機
構12の第二ブラケット22(図2に示されているも
の)とは連結されていない)。このような構成により、
モーター42が正転すると、駆動ケーブル40a,40
bひいては左右双方のレール機構12の第二ブラケット
22及びその第二ブラケット22に連結されている第一
リンク部材4が車両1の前方に向かって移動することに
なり、他方、モーター42が逆転すると、駆動ケーブル
40a,40bひいては左右双方のレール機構12の第
二ブラケット22及びその第二ブラケット22に連結さ
れている第一リンク部材4が車両1の後方に向かって移
動することになる。
【0016】第二リンク部材5の下端と結合している第
三ブラケット30の内部には、第一リンク部材4と第二
リンク部材5とを連結させる連結機構としてのフック部
材46が配置されている。第三ブラケット30から車両
後方側に突出している突出部分30aの間にはシャフト
48が取り付けられており、フック部材46はシャフト
48を中心として枢動自在であるようにシャフト48に
取り付けられている。フック部材46にはストッパ49
が形成されており、ストッパ49がシャフト32に当接
することにより、フック部材46がそれ以上、図7で見
て反時計方向に枢動できないようにされている。図7に
示すように、フック部材46の車両前方側端部は下方に
鋭角的に屈曲しており、フック部分50を形成してい
る。また、フック部材46の車両後方側端部は楕円状の
突出部52を形成している。シャフト48にはコイルス
プリング53が嵌められており、コイルスプリング53
の両端はフック部材46のシャフト48よりも車両後方
側の下辺に設けられた切り欠き54と、第三ブラケット
30の上面に設けられた孔55とに掛けられている。コ
イルスプリング53は図7で見て反時計方向にフック部
材46を付勢している。
【0017】図2に示すように、レール機構12の最後
方にはガイド部材60が配置されている。ガイド部材6
0はレール機構12のレール部分14の上方において車
両1の前方に向かって上方に傾斜するガイド面62を有
している。ガイド面62の前端はフック部材46の突出
部52よりも高い位置にあるように配置されている。後
述するように、第二リンク部材5がフック部材46のフ
ック部分50において第一リンク部材4と連結した状態
で車両後方に向かって移動すると、レール機構12の最
後方において、フック部材46の突出部52がガイド面
62に当接する。さらに、第二リンク部材5が第一リン
ク部材4とともに車両後方に向かって移動を続けると、
フック部材46の突出部52がガイド面62に沿ってガ
イドされることにより、フック部材46はコイルスプリ
ング53の付勢力に打ち勝ってシャフト48を中心とし
て時計方向に回動する。このフック部材46ひいてはフ
ック部分50の時計方向への回動により、第二リンク部
材5と第一リンク部材4との連結状態が解除される。図
9は昇降ルーフ3を裏面から見た斜視図である。昇降ル
ーフ3は本体部分3aと本体部分の四方を囲む周囲壁部
分3bとからなり、周囲壁部分3bによって昇降ルーフ
3は所定の高さを有している。本体部分3aの前方中央
には開口が形成されており、この開口にはガラスパネル
65が嵌め込まれている。ガラスパネル65の車幅方向
両側には第一リンク部材4の外筒部4bの上端を枢動自
在に取り付けるための第一リンク部材取付部66aと第
二リンク部材5の上端を枢動自在に取り付けるための第
二リンク部材取付部66b(何れも左右両側のうち片側
のみ図示)が設けられている。第一リンク部材取付部6
6aの後方にはダンパ部材7を取り付けるためのダンパ
部材取付部67(片側のみ図示)、さらにその後方には
X字型リンク6を取り付けるためのX字型リンク取付部
68(片側のみ図示)が設けられており、各取付部66
a,66b,67,68の周囲には昇降ルーフ3の強度
を確保するための補強部材69が設けられている。これ
らの各取付部66a,66b,67,68及び補強部材
69は昇降ルーフ3の高さよりも低く形成されており、
昇降ルーフ3から突出しないようになっている。昇降ル
ーフ3の前端には、昇降ルーフ3がルーフ本体2に対し
て閉じているときに双方の間をシーリングするシール部
材70(一部のみ図示)が嵌め込まれている。
【0018】図10は昇降ルーフ3とルーフ本体2との
間に設けられているテント部材71の斜視図である。テ
ント部材71は中心線72に対して左右対称であり、図
10はその片側半分のみを示す。テント部材71は昇降
ルーフ側取付部73において昇降ルーフ3の車両長手方
向側部に、ルーフ本体側取付部74においてルーフ本体
2に適当な手段で各々取り付けられている。テント部材
71は折り曲げライン75に沿って折り曲げられ、折り
曲げライン75から中心線72に至る部分においては、
昇降ルーフ側取付部76において昇降ルーフ3の前端
に、ルーフ本体側取付部77においてルーフ本体2に適
当な手段で各々取り付けられている。テント部材71は
昇降ルーフ3がルーフ本体2に対して閉じている場合に
は、蛇腹状に折り畳まれた状態で昇降ルーフ3の内部に
格納され、昇降ルーフ3がルーフ本体2に対して開くに
つれて徐々に伸びる。昇降ルーフ3が全開状態になった
ときには、図10に示すような状態になり、昇降ルーフ
3とルーフ本体2との間に形成される空間を外界から遮
断する。この場合、図10において、昇降ルーフ側取付
部73とルーフ本体側取付部74と折り曲げライン75
とで囲まれる部分78Aが車両1の長手方向側部におい
て昇降ルーフ3とルーフ本体2との間に位置し、昇降ル
ーフ側取付部76とルーフ本体側取付部77と折り曲げ
ライン75とで囲まれる部分78Bが昇降ルーフ3の前
端において昇降ルーフ3とルーフ本体2との間に位置す
る。
【0019】テント部材71の部分78Bには前方視界
確保のために透明部材からなる窓79が形成されてい
る。また、窓79の上方にはテント部材71のほぼ全長
にわたってファスナー部材80が設けられており、必要
に応じて、テント部材71を開放できるようになってい
る。図11はルーフ本体2の中央開口7の上にベッド8
1を敷いた状態を示している。ベッド81は、昇降ルー
フ3をルーフ本体2に対して上昇させ、全開状態にした
後に開口8の上に敷かれる。または、最初から開口8の
上にベッド81を敷いておいてもよい。ベッド81は3
分割にしたもの、あるいは、3段に折り畳んだものが好
ましい。次いで、図12乃至図14を参照して、第一リ
ンク部材4及び第二リンク部材5の動きに伴う昇降ルー
フ3の開閉状態を示す。車両1の走行中などの昇降ルー
フ3を開く必要がない場合には、第一リンク部材4の内
筒部4aの下端のローラー24はレール機構12のレー
ル部分14の車両最後方位置X1にある。この状態で
は、第一リンク部材4は伸長状態にあり、かつ、第一リ
ンク部材4がルーフ本体2となす角度をθとすると、θ
=θ1 であり、ルーフ本体2に対して寝た状態にある。
【0020】一方、第二リンク部材5の下端のローラー
34はローラー24に隣接して車両後方側に位置してお
り、第二リンク部材5も第一リンク部材4と同様にルー
フ本体2に対して寝た状態にある。フック部材46の突
出部52はガイド部材60のガイド面62の下面に当接
している。このため、フック部材46はシャフト48を
中心として時計方向に枢動した状態に維持されており、
フック部材46の先端のフック部分50は第一リンク部
材4のローラー機構のシャフト20にはフックしていな
い。また、ダンパー部材7は収縮状態にあり、ルーフ本
体2に対してほぼ寝た状態にある。昇降ルーフ3はルー
フ本体2に対して閉じた状態にある。車両1が停止し、
昇降ルーフ3を開く必要が生じた場合には、モーター4
2が正転される。モーター42の正転により第一リンク
部材4の下端の各ローラー24は駆動ケーブル40a,
40bに引張されて、ローラー24がレール部分14に
沿って車両前方へ転動を開始し、第一リンク部材4は車
両1の前方に向かって移動を開始する。第一リンク部材
4の車両前方への移動に伴って、第一リンク部材4の内
筒部4aが外筒部4bの中に進入し、全体として、第一
リンク部材4が収縮する。
【0021】第一リンク部材4のローラー24が位置X
1から位置X2まで進む間においては、第一リンク部材
4は収縮のみを行い、起立状態へは移行しない。ダンパ
ー部材6も収縮した状態のままである。また、昇降ルー
フ3は閉じた状態のままであり、第二リンク部材5も当
初の静止状態のままである。第一リンク部材4のローラ
ー24が位置X1から位置X2に到達すると、第一リン
ク部材4の収縮動作が終了する。この時点においては第
一リンク部材4がルーフ本体2となす角度θはθ=θ2
(θ2 >θ1 )である。第一リンク部材4のローラー2
4が位置X2からさらに車両前方へ移動を行うと、ロー
ラー24の移動につれて、第一リンク部材4は収縮した
状態のままで徐々に起立を開始し、ローラー24が位置
X2から位置X3(図13参照)へ移動する間に、θ=
θ3 (θ3 >θ2 )をなすまでに起立する。この第一リ
ンク部材4の寝た状態から起立状態への移行に伴い、昇
降ルーフ3は徐々に矢印Y3の方向に上昇する、すなわ
ち、ルーフ本体2に対して開いていく。昇降ルーフ3が
矢印Y3の方向に上昇すると、第二リンク部材5は第二
リンク部材取付部66bを介して昇降ルーフ3に引っ張
り上げられることになる。この作用によって、第二リン
ク部材5のローラー34が車両前方に向かって転動を開
始し、その結果として、第二リンク部材5も第一リンク
部材4の後を追うようにして車両前方に移動する。
【0022】前述のように、第一リンク部材4が収縮し
た状態のまま、ローラー24の車両前方への移動に伴っ
て矢印Y3の方向に持ち上がって行くと、それにつれ
て、第一リンク部材4の外筒部4bの先端の第一リンク
部材取付部66aとローラー24との間の垂直方向距離
が大きくなる。第一リンク部材4を矢印Y3の方向に持
ち上げようとするモーメント、すなわち、ローラー24
を中心とする第一リンク部材取付部66aに対するモー
メントMは次式で表される。 モーメントM=(モーター42がローラー24に及ぼす
駆動力F)×(ローラー24と第一リンク部材4の先端
の第一リンク部材取付部66aとの間の垂直距離L) モーター42がローラー24に及ぼす駆動力Fは一定で
あるが、ローラー24と第一リンク部材取付部66aと
の間の垂直距離Lは、前述のように、第一リンク部材4
の矢印Y3の方向への上昇に伴い、大きくなる。すなわ
ち、ローラー24が位置X2から位置X3まで車両前方
に移動するにつれて、換言すれば、第一リンク部材4が
起立するにつれて、第一リンク部材4を矢印Y3の方向
に持ち上げようとするモーメントMが大きくなる。この
ため、第一リンク部材4の初期起立動作が容易に行われ
ることとなる。
【0023】ローラー24の位置X1から位置X3まで
の移動に伴って、第一リンク部材4が寝た状態(θ=θ
1 の状態)から起立状態(θ=θ3 の状態)まで移行す
る間、すなわち、θ1 ≦θ≦θ3 の間においては、ダン
パー部材7がルーフ本体2との間でなす角度が比較的小
さいため、ダンパー部材7が昇降ルーフ3に対して及ぼ
す付勢力は極めて小さい。すなわち、この間において
は、昇降ルーフ3は専ら前述したモーメントMの作用に
よって矢印Y3の方向に上昇する。モーター42は、ロ
ーラー24が位置X3に達した時点で停止し、ローラー
24は位置X3を超えては車両前方へ転動しない。第一
リンク部材4が起立状態(θ=θ3 の状態)に移行した
後においては、ダンパー部材7が昇降ルーフ3に対して
ダンパー部材7の本来の付勢力を及ぼすため、その付勢
力によって昇降ルーフ3はダンパー部材7が伸長し切る
まで上昇し、昇降ルーフは図14に示す全開位置に至
る。この間、第一リンク部材4もθ=θ3 における収縮
状態から伸長しつつ、起立し(すなわち、θがθ3 から
徐々に大きくなり)、昇降ルーフ3が図14に示す全開
位置に至った時点では伸長しきった状態になる。
【0024】前述したように、第一リンク部材4のロー
ラー24が位置X2から位置X3へ移動し、それに伴っ
て、昇降ルーフ3が上昇すると、第二リンク部材5も第
二リンク部材取付部66bを介して引っ張り上げられ
る。これによって、第二リンク部材5は第一リンク部材
4に追随して車両前方へ移動する。ダンパー部材7の付
勢力が昇降ルーフ3に作用して昇降ルーフ3が全開状態
になると、図14に示すように、第二リンク部材5が位
置X3に停止している第一リンク部材4に追い付く。第
二リンク部材5が第一リンク部材4に追い付くと、ま
ず、フック部材46の先端のフック部分50の前方側の
カム面50aが第一リンク部材4のシャフト20に当接
する。さらに、第二リンク部材5が車両前方に移動を続
けると、コイルスプリング53の付勢力に打ち勝ってシ
ャフト48が図7で見て時計方向に枢動し、カム面50
aは第一リンク部材4のシャフト20に当接しつつ、擦
り上がって行く。フック部分50の先端がシャフト20
を超えて上方に至ると、コイルスプリング53の付勢力
の作用により、フック部材46は反時計方向に枢動す
る。この間も第二リンク部材5は車両前方に移動を続け
ているため、フック部材46が反時計方向に枢動したと
きには、フック部材46は先端のフック部分50におい
て第一リンク部材4のシャフト20にフックすることに
なる。図15は、フック部材46のフック部分50が第
一リンク部材4のシャフト20にフックすることによ
り、第一リンク部材4と第二リンク部材5が連結した状
態を示す。
【0025】なお、昇降ルーフ3が全開状態に達した後
は、昇降ルーフ3はダンパー部材7の付勢力によって全
開状態に維持される。全開位置(図14)にある昇降ル
ーフ3を下降させ、ルーフ本体2に対して閉じた位置
(図12)に戻す場合には、モーター42を逆転させ
る。第一リンク部材4のローラー24は駆動ケーブル4
0a,40bを介してモーター42の駆動力を受け、車
両後方に向かって移動を開始する。第一リンク部材4が
車両後方に移動を開始すると、第一リンク部材4の第一
ブラケット18が第二リンク部材5の第三ブラケット3
0に当接し、第二リンク部材5は第一リンク部材4によ
って車両後方に押される。第一リンク部材4と第二リン
ク部材5とはフック部材46を介して連結状態にあるの
で、第二リンク部材5も第一リンク部材4とともに車両
後方に移動する。この場合、伸縮自在の第一リンク部材
4は非伸縮性の第二リンク部材5と連結されているた
め、収縮することなく、伸長しきった状態のまま、車両
後方に移動する。さらに、この車両後方への移動に伴
い、起立状態から徐々に寝た状態へ移行する。すなわ
ち、第一リンク部材4とルーフ本体2とがなす角度θが
徐々に小さくなっていき、ローラー24が当初の位置X
1に至ったときに昇降ルーフ3はルーフ本体2に対して
閉じた状態になる。
【0026】このように、第一リンク部材4は伸長状態
に維持された状態で位置X3から位置X1に戻る。すな
わち、第一リンク部材4はその車両後方への移動の途中
で収縮することはない。このため、昇降ルーフ3を閉じ
る過程で第一リンク部材4が急に収縮し、そのために、
昇降ルーフ3が急激に下降し、昇降ルーフ3が勢いよく
ルーフ本体2に衝突して閉じるという動作を防止するこ
とができる。フック部材46を介して連結されている第
一リンク部材4と第二リンク部材5とが位置X1に近づ
くと、フック部材46の突出部52がガイド部材60の
ガイド面62の下方に進入し、突出部52が徐々に下方
に押されるにつれて、フック部材46はシャフト48を
中心として徐々に時計方向に枢動を行う。第一リンク部
材4と第二リンク部材5とがさらに移動し、位置X1に
至ると、その時点で、フック部材46は時計方向への枢
動を停止する。このときには、フック部材46の先端の
フック部分50は第一リンク部材4のシャフト20より
も上方まで枢動しており、第一リンク部材4と第二リン
ク部材5との連結が解除されている。すなわち、図12
に示すような当初の状態に戻る。この間、ダンパー部材
7も伸長しきった状態から収縮を開始し、ローラー24
が位置X1に至った時点で収縮状態になる。
【0027】以上が、昇降ルーフ3をルーフ本体2に対
して閉じた状態(図12)から全開状態(図14)に移
行させ、さらに、全開状態から閉じた状態へ戻す場合の
1サイクルである。本実施例の説明から明らかであるよ
うに、昇降ルーフ3を閉じた状態から全開状態に移行さ
せる場合、まず最初に、モーター42を正転させ、ロー
ラー24を位置X1から位置X2まで転動させ、これに
よって、第一リンク部材4を収縮させる。この間はロー
ラー24が転動するのみであり、昇降ルーフ3は閉じた
ままである。このため、モーター42を正転させ始めて
から、実際に昇降ルーフ3が上昇を始めるまで、ある程
度の待ち時間を必要とする。この待ち時間を解消させる
ため、モーター42を逆転させてローラー24を位置X
3から位置X1に戻した後(すなわち、昇降ルーフ3を
ルーフ本体2に対して閉じた後)、モーター42を正転
させ、ローラー24を位置X1から位置X2まで予め転
動させておいてもよい。このようにしておけば、昇降ル
ーフ3を開ける際に、待ち時間なく昇降ルーフ3を開け
始めることができる。
【0028】本実施例においては、昇降ルーフ3の車両
後方側を起点とし、前方側を上昇及び下降させることに
より、昇降ルーフ3をルーフ本体2に対して開閉させて
いるが、昇降ルーフ3の車両前方側を起点とし、後方側
を上昇及び下降させることにより昇降ルーフ3を開閉さ
せることも可能である。さらに、本実施例においては、
レール機構12、各リンク部材のローラー機構、モータ
ー43、ギヤ機構42及び駆動ケーブル40a,40b
などのリンク部材を駆動させる機構はルーフ本体2側に
取り付けられているが、この機構を昇降ルーフ3側に取
り付けても、本実施例と同様の作用効果を達成させるこ
とができる。図16乃至図19は本実施例の変更例であ
る。本変更例においては、図16に示すように、昇降ル
ーフ3の他に第二昇降ルーフ90が設けられている。昇
降ルーフ3が車両の後方側を中心として車両の前方側が
上昇することにより開くのに対して、第二昇降ルーフ9
0は車両の前方側を中心として車両の後方側が上昇して
開くように形成されている。本変更例においては、図1
6に示すように、昇降ルーフ3と第二昇降ルーフ90が
ともに閉じているときには、昇降ルーフ3の前端部分と
第二昇降ルーフ90の前端部分とは相互に隣接して接し
合い、連続した状態にあり、昇降ルーフ3と第二昇降ル
ーフ90とで車両1のルーフを形成している。
【0029】図19に示すように、ともに閉じた状態に
ある昇降ルーフ3と第二昇降ルーフ90の下方にはテン
ト部材92(一部のみ図示)が折り畳まれた状態で収納
されている。本変更例においては、図17に示すよう
に、最初に昇降ルーフ3が前述の実施例に従って上昇す
る。昇降ルーフ3が上昇すると、それに伴って、昇降ル
ーフ3の内部に折り畳まれた状態で収納されていたテン
ト部材92も昇降ルーフ3に引っ張られて上昇し、昇降
ルーフ3とルーフ本体2との間に形成される空間を外界
から遮断する。テント部材92は前方部分93と側方部
分94とからなり、前方部分93の中央には窓95が設
けられている。図17に示すように昇降ルーフ3が全開
状態になった時点では、側方部分94は一部のみが張ら
れた状態になっており、残りの部分は未だ第二昇降ルー
フ90の下方に折り畳まれた状態で収納されている。昇
降ルーフ3が全開状態に至った後、第二昇降ルーフ90
が上昇を開始する。第二昇降ルーフ90の上昇は前述の
実施例において述べたルーフ昇降装置と同様の装置を用
いて行ってもよいし、あるいは、手動で行ってもよい。
図18に示すように、第二昇降ルーフ90が全開状態に
なると、テント部材92の側方部分94の全体が張られ
た状態になり、テント部材92を張る作業が終了する。
【0030】前述の実施例と比較して明らかであるよう
に、本変更例のように二つの昇降ルーフを設けることに
より、昇降ルーフ3,90とルーフ本体2との間に形成
される空間をより大きくすることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明における第一リン
ク部材は寝た状態から起立状態へ移行するにつれて、第
一リンク部材先端の昇降ルーフへの取付部をアクチュエ
ータの付勢力の作用方向から引き離すようにしているの
で、第一リンク部材が起き上がるにつれて第一リンク部
材を起き上げさせようとするモーメントが大きくなる。
このモーメントによって第一リンク部材の初期起立動作
が促進される。このため、第一リンク部材の初期起立動
作に必要な大きな力を確保するためにのみ用いられてい
た大型モーターを用いることが不要となり、小型モータ
ーでもって第一リンク部材の起立動作を確実に行わせる
ことが可能になる。さらに、第一リンク部材が起立状態
から寝た状態へ移行するときには、連結機構により非伸
縮性の第二リンク部材と連結した状態で移行するので、
移行の途中で第一リンク部材が急に収縮することがな
く、ひいては、昇降ルーフがルーフ本体に対して勢いよ
く落下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る昇降ルーフが開いた状
態を示す斜視図である。
【図2】レール機構の斜視図である。
【図3】第一リンク部材及び第二リンク部材のローラー
機構を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線における断面図である。
【図5】図3のB−B線における断面図である。
【図6】図2のC−C線における断面図である。
【図7】第三ブラケットに取り付けた状態のフック部材
の平面図である。
【図8】駆動ケーブルを駆動するギヤ機構の概略図であ
る。
【図9】昇降ルーフを裏面からみた斜視図である。
【図10】昇降ルーフとルーフ本体との間に配置される
テント部材の斜視図である。
【図11】ルーフ本体上にベッドを配置した状態を示す
概略図である。
【図12】第一リンク部材及び第二リンク部材との関係
における昇降ルーフの動きを示す説明図であり、昇降ル
ーフは閉じた状態にある。
【図13】第一リンク部材及び第二リンク部材との関係
における昇降ルーフの動きを示す説明図であり、昇降ル
ーフは開きつつある状態にある。
【図14】第一リンク部材及び第二リンク部材との関係
における昇降ルーフの動きを示す説明図であり、昇降ル
ーフは全開状態にある。
【図15】第一リンク部材と第二リンク部材とが連結し
た状態を示す斜視図である。
【図16】変更例に係る昇降ルーフ及び第二昇降ルーフ
を備えた車両の斜視図である。
【図17】変更例に係る昇降ルーフを全開状態にしたと
きの斜視図である。
【図18】変更例に係る昇降ルーフ及び第二昇降ルーフ
の双方を全開状態にしたときの斜視図である。
【図19】図16のD−D線における断面図である。
【符号の説明】
1 車両 2 ルーフ本体 3 昇降ルーフ 4 第一リンク部材 4a 内筒部 4b 外筒部 5 第二リンク部材 6 X字型リンク 7 ダンパー部材 8 開口 12 レール機構 14 レール部分 18 第一ブラケット 22 第二ブラケット 24 ローラー 30 第三ブラケット 34 ローラー 40a,40b 駆動ケーブル 42 モーター 43 ギヤ機構 46 フック部材 50 フック部分 53 コイルスプリング 71 テント部材 81 ベッド

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のルーフ本体に対して昇降可能な昇
    降ルーフを昇降させる装置において、 一端が前記昇降ルーフに、他端が前記ルーフ本体に支持
    され、前記一端または前記他端は車両前後方向に移動可
    能かつ車両前後方向に枢動可能であり、内筒部と外筒部
    とで構成された伸縮自在な第一リンク部材と、 一端が前記昇降ルーフに、他端が前記ルーフ本体に支持
    され、前記一端または前記他端は車両前後方向に移動可
    能かつ車両前後方向に枢動可能であり、前記車両の長手
    方向において前記第一リンク部材の後方または前方に
    接して配置された第二リンク部材と、 前記第一リンク部材の前記一端または前記他端を前記車
    両の長手方向に沿って車両前方または後方へ移動させる
    アクチュエータと、 一端が前記昇降ルーフに、他端が前記ルーフ本体に支持
    されているダンパー部材と、前記第二リンク部材に設けられ、 前記昇降ルーフが前記
    ルーフ本体に対して全開状態になったときに前記第一リ
    ンク部材と前記第二リンク部材とを連結させる連結機構
    と、前記ルーフ本体側に設けられ、 前記昇降ルーフが前記ル
    ーフ本体に対して閉じた状態になったときに前記第一リ
    ンク部材と前記第二リンク部材との連結を解除する連結
    解除機構とを備えることを特徴とする車両のルーフ昇降
    装置。
  2. 【請求項2】 前記連結機構は、 前記第二リンク部材に枢動自在に取り付けられ、一端に
    おいて前記第一リンク部材と係合なフック部材と、 前記フック部材を該フック部材が前記第一リンク部材に
    係合する方向に付勢する付勢部材とからなるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフ昇降装
    置。
  3. 【請求項3】 前記連結解除機構は、 前記フック部材の他端に形成された突出部と、 前記第二リンク部材が前記ルーフ本体に沿って車両後方
    または前方へ移動したときに前記フック部材と前記第一
    リンク部材との係合を解除する方向に前記突出部を枢動
    させるガイド部材とからなるものであることを特徴とす
    る請求項2に記載の車両のルーフ昇降装置。
  4. 【請求項4】 前記第一リンク部材は、前記ダンパー部
    材の付勢力が比較的小さい作動範囲において、収縮状態
    のまま、その一端または他端が前記アクチュエータによ
    り車両前方または後方に移動しつつ、該一端または他端
    を起点として起立するものであることを特徴とする請求
    項1乃至3の何れか一項に記載の車両のルーフ昇降装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第一リンク部材が、前記ダンパー部
    材の付勢力が比較的小さい作動範囲において、収縮状態
    のまま、その一端または他端が前記アクチュエータによ
    り車両前方または後方に移動しつつ、該一端または他端
    を起点として起立した後、前記ダンパー部材が付勢力を
    前記昇降ルーフに作用させて前記昇降ルーフを上昇させ
    ることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載
    の車両のルーフ昇降装置。
  6. 【請求項6】 前記第一リンク部材及び前記第二リンク
    部材は前記車両の前方側または後方側の一方において前
    記ルーフ本体と前記昇降ルーフとに支持されており、前
    記車両の前方側または後方側の他方においては前記ルー
    フ本体と前記昇降ルーフとはX字型リンクにより連結さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項
    に記載の車両のルーフ昇降装置。
  7. 【請求項7】 前記ダンパー部材は前記第一リンク部材
    及び前記第二リンク部材と前記X字型リンクとの間に配
    置されていることを特徴とする請求項6に記載の車両の
    ルーフ昇降装置。
  8. 【請求項8】 前記アクチュエータは、前記第一リンク
    部材が起立状態から寝た状態に移行した後、該第一リン
    ク部材が起立しない範囲において、該第一リンク部材の
    前記一端または前記他端を車両前方または車両後方に移
    動させ、該第一リンク部材を収縮させることを特徴とす
    る請求項1乃至7の何れか一項に記載の車両のルーフ昇
    降装置。
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