JP3461200B2 - 車両のルーフ昇降装置 - Google Patents

車両のルーフ昇降装置

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JP3461200B2
JP3461200B2 JP15608394A JP15608394A JP3461200B2 JP 3461200 B2 JP3461200 B2 JP 3461200B2 JP 15608394 A JP15608394 A JP 15608394A JP 15608394 A JP15608394 A JP 15608394A JP 3461200 B2 JP3461200 B2 JP 3461200B2
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糺 佐々木
均 青野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルーフ本体上において
ルーフ本体とは別体に、ルーフ本体に対して昇降可能に
設けられている昇降ルーフを有する車両において、その
昇降ルーフを昇降させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ルーフ本体とは別体の昇降ルーフ
がルーフ本体上に設けられた車両が市販されている。こ
の昇降ルーフはルーフ本体に対して昇降自在にルーフ本
体に取り付けられており、通常はルーフ本体上に覆い被
さっており、車両のルーフの一部をなしている。必要時
には、この昇降ルーフを上昇させることにより、ルーフ
本体と昇降ルーフとの間にある程度の空間を形成するこ
とができる。昇降ルーフとルーフ本体との間には蛇腹状
のカーテン部材が予め取り付けられており、昇降ルーフ
を上昇させるとそのカーテン部材もともに上昇し、ルー
フ本体と昇降ルーフとの間に形成される空間を外界から
遮断する。このように外界から遮断された空間内に、例
えば、ベッドを敷けば、その空間を臨時の寝室として利
用することができるし、あるいは、荷物の置き場として
も利用することができる。昇降ルーフの昇降は手動でも
可能であるが、一般的には、モーターを用いて行われ
る。例えば、実開昭56−75019号公報に記載され
ている車両では、モーターにより昇降ルーフが昇降され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】同公報記載の車両にお
ける昇降ルーフは、起倒自在のリンク部材を介してルー
フ本体に支持されている。昇降ルーフがルーフ本体に覆
い被さっている状態ではリンク部材は倒れた状態にあ
る。この状態から、モーターを用いて、リンク部材のル
ーフ本体側取付部をスライドさせつつ、リンク部材の昇
降ルーフ側取付部を上昇させることにより、昇降ルーフ
が持ち上げられて行く。モーターによりリンク部材を倒
れた状態から起立状態に移行させる際に、最も大きな力
を必要とするのは、リンク部材を倒れた状態から持ち上
げるときの初期動作時である。リンク部材が倒れた状態
では上方向への力は作用させ難いからである。リンク部
材が一旦持ち上がれば、リンク部材がルーフ本体と傾斜
をなすため、上方向の力が作用しやすくなる。このた
め、リンク部材が一旦持ち上がった後は、初期起立動作
時ほどの大きな力は必要ない。一般には、この初期動作
時に必要な大きな力を確保するためにのみ、比較的大型
のモーターを用いることが必要となるが、ルーフ本体と
昇降ルーフとの間には設置スペースに限界があるため、
大型モーターを用いることは好ましいことではない。
【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、大型モーターを用いることなく、リンク
部材の初期起立動作を確実かつ円滑に行わせることがで
き、ひいては、小型モーターだけでリンク部材の作動を
可能にすることができる車両のルーフ昇降装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ルーフ本体に対して昇降ルーフを昇降
させる車両のルーフ昇降装置において、一端が昇降ルー
フに他端がルーフ本体に支持されこれらの一端または他
端が車両の前後方向に移動可能で起倒自在な単一のリン
ク部材と、このリンク部材の一端または他端を車両の前
後方向に移動させてリンク部材を起立動作させるアクチ
ュエータと、このアクチュエータによるリンク部材の起
立動作をアシストするアシスト手段と、を備え、アシス
ト手段は、リンク部材が起立動作する方向に沿って傾斜
して設けられたレールと、リンク部材の両端間の任意の
一点に取り付けられ且つ昇降ルーフの全閉状態位置から
全開状態位置までレールに係合して移動可能である係合
部材を有し、レールの傾斜が、リンク部材の任意の一点
とリンク部材の一端または他端の移動方向との間の垂直
距離が全閉状態位置から全開状態位置まで常に大きくな
るように設けられていることを特徴としている。このよ
うに構成された本発明においては、例えば、ルーフ本体
に支持されるリンク部材の他端が車両の前後方向に移動
可能な場合には、アシスト手段のレールがリンク部材が
起立動作する方向に沿って傾斜して設けられているの
で、リンク部材の他端がアクチュエータにより付勢され
ると、係合部材が昇降ルーフの全閉状態位置から全開状
態位置までレールに係合して移動し、このとき、リンク
部材の任意の一点とリンク部材の一端または他端の移動
方向との間の垂直距離が全閉状態位置から全開状態位置
まで常に大きくなる。その結果、本発明によれば、上述
した垂直距離が大きくなるとリンク部材を起立させよう
とするモーメントが大きくなり、大型モータを用いなく
てもリンク部材の起立動作を円滑に行うことができる。
【0006】係合部材としては、ローラーを用いること
が好ましい。ローラーを用いることにより、リンク部材
がレールに沿って円滑に移動することができるようにな
る。本発明の好ましい実施形態においては、一端が昇降
ルーフに、他端がルーフ本体に支持されているダンパー
部材が設けられる。アシスト手段に加えてこのダンパー
部材を設けることにより、昇降ルーフの上昇を容易に行
うことができる。
【0007】本発明の他の好ましい実施態様において
は、ルーフ本体と昇降ルーフとの間は車両の前方側また
は後方側の一方においてはリンク部材により連結され、
車両の前方側または後方側の他方においてはX字型リン
クにより連結される。車両の前方側と後方側の双方にお
いて昇降ルーフ昇降用のリンク部材を設けることもでき
るが、後方側をX字型リンクとすることにより、ルーフ
の構造を複雑にすることなく、昇降ルーフを昇降させる
ことが可能となる。
【0008】リンク部材とX字型リンクをこのように配
置する場合、前述のダンパー部材はリンク部材とX字型
リンクとの間に配置することが好ましい。ダンパー部材
をリンク部材よりも車両前方に配置することも可能であ
るが、本実施例のようにダンパー部材をリンク部材とX
字型リンクとの間に配置した方が、ダンパー部材をリン
ク部材よりも車両前方に配置する場合よりもダンパー部
材の長さを短くすることができ、部品の小型化ひいては
装置の小型化を図ることができる。本発明のさらに他の
好ましい実施態様においては、リンク部材の一端または
他端には昇降ルーフまたはルーフ本体上を移動するため
の移動機構が設けられる。この移動機構により、リンク
部材はルーフ本体に沿って円滑に移動することができ
る。移動機構としては、ルーフ本体に設けられたレール
を転動するローラー、あるいは、車幅方向に延びる雄ネ
ジ付きロッドに係合している雌ネジ付きスライド部材が
ある。本発明のさらに他の好ましい実施態様において
は、アクチュエータはその全体がルーフ本体よりも上方
には突出しないように配置される。すなわち、アクチュ
エータはその全体がルーフ本体の下方に位置している
か、あるいは、その一部のみがルーフ本体よりも上方に
位置している。
【0009】前述の公報記載の車両においては、昇降ル
ーフ昇降用のモーターは昇降ルーフ自体に取り付けられ
ていた。このため、リンク部材には昇降ルーフの重量と
モーターの重量の双方が作用し、リンク部材への負担が
大きいものとなっていた。特に、前述したように、モー
ターが比較的大型のものが使用されると、リンク部材に
作用する重量はその分だけ大きくなっていた。本発明に
おいては、アシスト手段を設け、モーターを小型化し、
リンク部材に作用する重量を小さくし、リンク部材にか
かる負担を減少させている。同時に、モーターの少なく
とも一部がルーフ本体の下方に位置するようにモーター
を配置し、ルーフ本体上におけるモーターの設置スペー
スが小さくなるようにしている。また、前述の公報記載
の車両においては、昇降ルーフが持ち上げられた状態か
ら閉鎖状態に移行する場合、リンク部材のルーフ本体側
取付部をスライドさせリンク部材を倒していくとき、持
ち上げ状態の初期から移動するほど、リンク部材の高さ
移動量が大きくなり、リンク部材のルーフ本体側取付部
を一定にスライドさせた場合、昇降ルーフの閉鎖速度が
増して急激に閉まり、閉鎖音の発生、装置保護等に問題
がある。本発明においては、アシスト手段により、昇降
ルーフの閉鎖状態に移行するとき、急激に閉まるのを抑
制している。
【0010】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。車両1のル
ーフ本体2の上方にはルーフ本体2に対して昇降自在に
昇降ルーフ3が取り付けられている。昇降ルーフ3は車
両1の前方側においては左右一対のリンク部材4を介し
て、車両1の後方側においては左右一対のX字型リンク
5を介して、さらに、リンク部材4とX字型リンク5と
の間において左右一対のダンパ部材6を介してルーフ本
体2に対して昇降自在に支持されている。ルーフ本体2
の中央には車室内に通じる開口7が形成されており、開
口7の長手方向前後には長手方向に延びる複数の補強用
ビード8が相互に平行に設けられている。開口7の車幅
方向両側には各々ガイドレール9が長手方向に延びるよ
うに形成されている。図3はガイドレール9の車幅方向
の断面を示す。ガイドレール9は対向する一対のガイド
レール壁10からなる。ガイドレール壁10はその上端
内側に相互に向かい合って開口する一対のレール11が
設けられており、このレール11は車両1の後方から前
方に向かうにつれて上方に傾斜するように設けられてい
る。ガイドレール壁10の下端にはフランジ部12が形
成されており、ガイドレール壁10はこのフランジ部1
2においてルーフ本体2にボルト13で固定されてい
る。
【0011】ルーフ本体2にはガイドレール9の下端に
沿って凹部14が車両1の長手方向に形成されており、
凹部14(図2及び図3参照)の内部には、リンク部材
4の下端に取り付けられたローラー16(後述する)を
転動させるレール15が形成されている。リンク部材4
はその上端において昇降ルーフ3に枢動自在に支持され
ているとともに(図1参照)、その下端には一対のロー
ラー16が取り付けられている。ローラー16はルーフ
本体2の凹部14に設けられたレール15に嵌められて
おり、レール15に沿って凹部14の内部を車両1の長
手方向に転動し得る。さらに、リンク部材4の上端と下
端との間の任意の一点には一対のローラー17がローラ
ー16と同じ向きに取り付けられており、ローラー17
はガイドレール壁10の上端に設けられているレール1
1に転動自在に嵌め込まれている。図2に示すように、
ルーフ本体2の凹部14の後方にはモーター取付用穴1
8が形成されており、図4に示すように、リンク部材駆
動用のモーター19はその一部のみがルーフ本体2の上
方に突出するようにモーター取付用穴18に取り付けら
れている。モーター19の出力軸19aはギヤ機構20
に動力を供給し、ギヤ機構20はこの動力を駆動ケーブ
ル22に伝達する。駆動ケーブル22は車両前方側の一
端がリンク部材4の下端のローラー16に枢動自在に取
り付けられており、他端は車両後方側に延び、フリーの
状態にある。駆動ケーブル22にはその表面に溝が設け
られており、この溝はギヤ機構20内部の歯車(図示せ
ず)と常に噛合している。このような構造によって、モ
ーター19が正転すると、駆動ケーブル22は車両前方
に進み、リンク部材4の下端のローラー16をレール1
5に沿って車両前方に付勢する。モーター19が逆転す
ると、駆動ケーブル22は車両後方に進み、リンク部材
4の下端のローラー16をレール15に沿って車両後方
に引張する。
【0012】図5は昇降ルーフ3を裏面から見た斜視図
である。昇降ルーフ3は本体部分3aと本体部分の四方
を囲む周囲壁部分3bとからなり、所定の高さを有して
いる。本体部分3aの前方中央には開口が形成されてお
り、この開口にはガラスパネル25が嵌め込まれてい
る。ガラスパネル25の車幅方向両側にはリンク部材4
の上端を枢動自在に取り付けるためのリンク部材取付部
26(左右両側のうち片側のみ図示)が設けられてい
る。リンク部材取付部26の後方にはダンパ部材6を取
り付けるためのダンパ部材取付部27(片側のみ図
示)、さらにその後方にはX字型リンク5を取り付ける
ためのX字型リンク取付部28(片側のみ図示)が設け
られており、各取付部26,27,28の周囲には昇降
ルーフ3の強度を確保するための補強部材29が設けら
れている。これらの各取付部26,27,28及び補強
部材29は昇降ルーフ3の高さよりも低く形成されてお
り、昇降ルーフ3から突出しないようになっている。昇
降ルーフ3の前端には、昇降ルーフ3がルーフ本体2に
対して閉じているときに双方の間をシーリングするシー
ル部材30(一部のみ図示)が嵌め込まれている。図6
は昇降ルーフ3とルーフ本体2との間に設けられている
テント部材31の斜視図である。テント部材31は中心
線32に対して左右対称であり、図6はその片側半分の
みを示す。テント部材31は昇降ルーフ側取付部33に
おいて昇降ルーフ3の車両長手方向側部に、ルーフ本体
側取付部34においてルーフ本体2に適当な手段で各々
取り付けられている。テント部材31は折り曲げライン
35に沿って折り曲げられ、折り曲げライン35から中
心線32に至る部分においては、昇降ルーフ側取付部3
6において昇降ルーフ3の前端に、ルーフ本体側取付部
37においてルーフ本体2に適当な手段で各々取り付け
られている。
【0013】テント部材31は昇降ルーフ3がルーフ本
体2に対して閉じている場合には、蛇腹状に折り畳まれ
た状態で昇降ルーフ3の内部に格納され、昇降ルーフ3
がルーフ本体2に対して開くにつれて徐々に伸びる。昇
降ルーフ3が全開状態になったときには、図6に示すよ
うな状態になり、昇降ルーフ3とルーフ本体2との間に
形成される空間を外界から遮断する。この場合、図6に
おいて、昇降ルーフ側取付部33とルーフ本体側取付部
34と折り曲げライン35とで囲まれる部分38Aが車
両1の長手方向側部において昇降ルーフ3とルーフ本体
2との間に位置し、昇降ルーフ側取付部36とルーフ本
体側取付部37と折り曲げライン35とで囲まれる部分
38Bが昇降ルーフ3の前端において昇降ルーフ3とル
ーフ本体2との間に位置する。テント部材31の部分3
8Bには前方視界確保のために透明部材からなる窓39
が形成されている。また、窓39の上方にはテント部材
31のほぼ全長にわたってファスナー部材40が設けら
れており、必要に応じて、テント部材31を開放できる
ようになっている。図7はルーフ本体2の中央開口7の
上にベッド41を敷いた状態を示している。ベッド41
は、昇降ルーフ3をルーフ本体2に対して上昇させ、全
開状態にした後に開口7の上に敷かれる。または、最初
から開口7の上に敷かれている。ベッド41は3分割に
したもの、あるいは、3段に折り畳んだものが好まし
い。
【0014】次いで、図8を参照して、リンク部材4の
動きに伴う昇降ルーフ3の開閉状態を示す。車両1の走
行中などの昇降ルーフ3を開く必要がない場合には、リ
ンク部材4の下端に取り付けられているローラー16は
ガイドレール9の最下端(すなわち、車両1の最も後方
側)の位置X1にあり、この状態では、図8に鎖線で示
すように、リンク部材4は寝た状態にあり、昇降ルーフ
3もルーフ本体2に対して閉じた状態にある。車両1が
停止し、昇降ルーフ3を開く必要が生じた場合には、モ
ーター19が正転される。モーター19の正転により駆
動ケーブル22は車両1の前方に向かって移動を開始す
る。リンク部材4はその下端において駆動ケーブル22
と枢動自在に連結しているので、駆動ケーブル22の車
両前方への移動により、ローラー16がレール15に沿
って車両前方へ転動を開始し、これに伴い、リンク部材
4の任意の一点に支持されているローラー17も車両前
方に向かってレール11に沿って上昇を開始する。この
ように、二つのローラー16,17が転動を行うことに
伴って、リンク部材4は当初の寝た状態(鎖線で示す状
態)から矢印Y1の方向に沿って徐々に起き上がって行
く。
【0015】レール11は車両前方に向かって上方に傾
斜しているため、リンク部材4の下端のローラー16が
駆動ケーブル22に押されて車両前方に向かうにつれ
て、駆動ケーブル22すなわちモーター19がローラー
16に対して及ぼす力の作用方向(すなわち、レール1
5が延びる方向)とローラー17との間の垂直距離は大
きくなる。リンク部材4を矢印Y1の方向に持ち上げよ
うとする、ローラー17に関するモーメントMは次式で
表される。 モーメントM=(モーター19がローラー16に及ぼす
付勢力F)×(ローラー17とローラー16との間の垂
直距離L) モーター19がローラー16に及ぼす付勢力Fは一定で
あるが、ローラー17とローラー16との間の垂直距離
Lは、リンク部材4の矢印Y1の方向への上昇に伴い、
大きくなる。すなわち、ローラー16が駆動ケーブル2
2に押されて車両前方に移動するにつれて、リンク部材
4を矢印Y1の方向に持ち上げようとするモーメントM
が大きくなり、リンク部材4の初期起立動作が容易に行
われることとなる。以後、駆動ケーブル22がローラー
16を押し続け、ローラー16がガイドレール9の最も
車両前方側の位置X2に達したときに、ローラー17は
ガイドレール9の最上端に達し、この時点でモーター1
9は作動を停止する。この間、昇降ルーフ3を矢印Y1
の方向に上昇を続け、ローラー16が位置X2に達した
ときには、ルーフ本体2に対して全開の状態(図8の実
線で示す状態)になる。
【0016】なお、ダンパー部材6はローラー16が位
置X1にある状態においては、図8に示すように、寝た
状態にある。このため、ダンパー部材6の付勢力は昇降
ルーフ3には僅かしか作用しない。ローラー17がレー
ル11を上昇するにつれて、ダンパー部材6も寝た状態
から徐々に起立状態に移行し、昇降ルーフ3に対して及
ぼす付勢力が大きくなる。すなわち、ダンパー部材6は
ローラー17がレール11のある地点に達した時点から
昇降ルーフ3に付勢力を及ぼし始め、昇降ルーフ3の上
昇を促進する。すなわち、昇降ルーフ3は当初は、すな
わち、ダンパー部材6があまり作動しない間において
は、モーメントMの作用のみにより初期起立動作を行
い、その初期起立動作がほぼ終了した時点からモーメン
トMの作用に加えてダンパー部材6の付勢力を受けて起
立動作を行う。このように、昇降ルーフ3はモーメント
M及びダンパー部材6の作用を効果的に受けて、ルーフ
本体2に対して上昇する。昇降ルーフ3を閉じる場合す
なわち昇降ルーフ3をルーフ本体2に向かって下降させ
る場合には、モーター19を逆転させる。これにより、
駆動ケーブル22は車両後方に移動し、ローラー16は
レール15に沿って車両後方に転動を開始し、ローラー
17はレール11に沿って下降する。これらのローラー
16,17の転動に伴い、リンク部材4は矢印Y2の方
向に下降し、ローラー16が当初の位置X1に達した時
点で昇降ルーフ3はルーフ本体2に対して閉じた状態
(図8の鎖線で示す状態)になる。
【0017】次に図9を参照して本発明の車両のルーフ
昇降装置の他の実施例について説明する。図1に示す実
施例においては、ガイドレール9及びレール15などの
リンク部材4を駆動する機構はルーフ本体2の側に取り
付けられているが、本発明はこれに限定されず、リンク
部材を駆動させる機構を昇降ルーフ3の側に取り付ける
ようにしてもよい。即ち、図9に示すように、この他の
実施例においては、車両1のルーフ本体2の上方にはル
ーフ本体2に対して昇降自在に昇降ルーフ3が取り付け
られている。昇降ルーフ3は車両1の前方側においては
左右一対のリンク部材4を介して、車両1の後方側にお
いては左右一対のX字型リンク5を介して、さらに、リ
ンク部材4とX字型リンク5との間において左右一対の
ダンパ部材6を介してルーフ本体2に対して昇降自在に
支持されている。ルーフ本体2の中央には車室内に通じ
る開口7が形成されており、開口7の長手方向前後には
長手方向に延びる複数の補強用ビード8が相互に平行に
設けられている。開口7に対向する昇降ルーフ3の車幅
方向両側には各々ガイドレール109が長手方向に延び
るように形成されている。これらのガイドレール109
には、図示しないが図3及び図4に示された一対のガイ
ドレール壁10、一対のレール11、フランジ部12、
ボルト13、凹部14、レール15、ローラー16、一
対のローラー17が設けられている。また、同様に、昇
降ルーフ3には、リンク部材4を駆動するためのリンク
部材駆動用のモーター等(図示せず)が設けられてい
る。
【0018】また、ルーフ本体2の開口7の車幅方向両
側には、リンク部材4の下端を枢動自在に取り付けるた
めのリンク部材取付部126が設けられている。リンク
部材4の下端は、このリンク部材取付部126内を車両
前後方向に移動可能である。このように構成された他の
実施例においても、図1に示された実施例と同様な作用
・効果を奏することができる。また、上記の実施例にお
いては、昇降ルーフ3の車両後方側を起点とし、前方側
を上昇及び下降させ、ルーフ本体2に対して開閉させて
いたが、昇降ルーフ3の車両前方側を起点とし、後方側
を上昇及び下降させることにより、昇降ルーフ3の開閉
を行うことも可能である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明におけるアシスト
手段は、リンク部材が起き上がるにつれてリンク部材の
支持点をアクチュエータの付勢力の作用方向から引き離
すようにしているので、リンク部材が起き上がるにつれ
てリンク部材を起き上げさせようとするモーメントが大
きくなる。すなわち、本発明のアシスト手段はリンク部
材の初期起立動作を促進させる。これによって、リンク
部材の初期起立動作に必要な大きな力を確保するために
用いられていた大型モーターを用いることが不要とな
り、小型モーターでもってリンク部材の起立動作を確実
に行わせることが可能になるとともに、昇降ルーフは閉
鎖時に急激に閉まるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両のルーフ昇降装置の一実施例に
おける昇降ルーフが開いた状態を示す斜視図
【図2】 図1に示した実施例において昇降ルーフを取
り除いた状態での車両のルーフ本体の斜視図
【図3】 昇降ルーフが開きつつある状態におけるガイ
ドレールとリンク部材との関係を示す車幅方向断面図
【図4】 リンク部材とアクチュエータとの配置関係を
示す概略図
【図5】 昇降ルーフを裏面からみた斜視図
【図6】 昇降ルーフとルーフ本体との間に配置される
テント部材の斜視図
【図7】 ルーフ本体上にベッドを配置した状態を示す
概略図
【図8】 リンク部材と昇降ルーフの動きを示す説明図
【図9】 本発明の他の実施例における昇降ルーフが開
いた状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 車両 2 ルーフ本体 3 昇降ルーフ 4 リンク部材 5 X字型リンク 6 ダンパー部材 9 ガイドレール 10 ガイドレール壁 11 レール 12 フランジ部 14 凹部 15 レール 16 ローラー 17 ローラー 19 モーター 22 駆動ケーブル 31 テント部材 109 ガイドレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 糺 広島県東広島市八本松町吉川5702−4 ダイキョー・ベバスト株式会社 テクニ カルセンター内 (72)発明者 青野 均 広島県東広島市八本松町吉川5702−4 ダイキョー・ベバスト株式会社 テクニ カルセンター内 (56)参考文献 特開 平5−112134(JP,A) 実開 平4−51840(JP,U) 実開 昭61−163724(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 7/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルーフ本体に対して昇降ルーフを昇降さ
    せる車両のルーフ昇降装置において、 一端が上記昇降ルーフに他端が上記ルーフ本体に支持さ
    れこれらの一端または他端が車両の前後方向に移動可能
    で起倒自在な単一のリンク部材と、 このリンク部材の一端または他端を車両の前後方向に
    動させてリンク部材を起立動作させるアクチュエータ
    と、このアクチュエータによる 上記リンク部材の起立動作を
    アシストするアシスト手段と、を備え、上記アシスト手段は、上記リンク部材が起立動作する方
    向に沿って傾斜して設けられたレールと、上記リンク部
    材の両端間の任意の一点に取り付けられ且つ上記昇降ル
    ーフの全閉状態位置から全開状態位置まで上記レールに
    係合して移動可能である係合部材を有し、上記レールの
    傾斜が、上記リンク部材の任意の一点と上記リンク部材
    の一端または他端の移動方向との間の垂直距離が全閉状
    態位置から全開状態位置まで常に大きくなるように設け
    られていることを特徴とする車両のルーフ昇降装置。
  2. 【請求項2】 上記係合部材はローラーである請求項1
    記載の車両のルーフ昇降装置。
  3. 【請求項3】 更に、一端が上記昇降ルーフに、他端が
    上記ルーフ本体に支持されているダンパー部材を備えて
    いる請求項1又は請求項2に記載の車両のルーフ昇降装
    置。
  4. 【請求項4】更に、上記ルーフ本体と前記昇降ルーフと
    を連結するX字型リンクを備えている請求項1乃至3の
    何れか1項記載の車両のルーフ昇降装置。
  5. 【請求項5】 上記ダンパー部材は上記リンク部材と上
    記X字型リンクとの間に配置されている請求項3記載の
    車両のルーフ昇降装置。
  6. 【請求項6】 更に、上記リンク部材の一端また他端に
    リンク部材が上記昇降ルーフまたは上記ルーフ本体に
    沿って移動するための移動機構が設けられている請求項
    1乃至5の何れか1項記載の車両のルーフ昇降装置。
  7. 【請求項7】 上記アクチュエータはその全体が上記ル
    ーフ本体よりも上方に突出していないように設けられて
    いる請求項1乃至6の何れか1項記載の車両のルーフ昇
    降装置。
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