JP3300709B2 - 二流体噴射燃料弁 - Google Patents

二流体噴射燃料弁

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JP3300709B2
JP3300709B2 JP31285592A JP31285592A JP3300709B2 JP 3300709 B2 JP3300709 B2 JP 3300709B2 JP 31285592 A JP31285592 A JP 31285592A JP 31285592 A JP31285592 A JP 31285592A JP 3300709 B2 JP3300709 B2 JP 3300709B2
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禎範 永江
陽三 土佐
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼル機関の燃料噴
射に適用される燃料弁に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の機関内燃焼で生成され
るNOx の低減を図る手段として、同一の燃料弁から燃
料と水をシリンダ内に噴射すると効果があるとされてい
る。図6に従来技術による燃料と水を噴射する燃料弁の
縦断面図を含む燃料−水噴射装置の系統図を示す。図6
を参照してまず燃料弁の構成について説明する。図にお
いて、1は燃料弁本体、2はノズルチップ、3は噴口、
4は燃料入口金物、5は本体内燃料油路、6は押え金物
内燃料油路、7はノズルチップ内燃料油路、8は油溜
り、9は針弁、10は針弁ばね受、11は針弁ばね、1
2は針弁用開弁圧力調整金物、13は水注入金物、14
は注水逆止弁、15は逆止弁ばね、16は本体内水路、
17は押え金物内水路、18はノズルチップ内水路であ
り、ノズルチップ2内に穿設された燃料油路7と水路1
8とは前記油溜り8で合流している。
【0003】次に前述した燃料弁に対する燃料及び水の
供給システムの構成について説明する。燃料供給システ
ムでは、21は燃料タンク、22は燃料供給ポンプ、2
3は燃料噴射ポンプ、24はバレル、25はプランジ
ャ、26は吐出弁、27は等圧弁であり、燃料噴射ポン
プの吐出弁26出口と燃料弁側の燃料入口金物4は燃料
噴射管で接続されている。水供給システムでは、28は
水タンク、29は水供給ポンプ、30は水供給管、31
は電磁弁、32は水注入管で前記燃料弁側の水注入金物
13に接続されており、33はコントローラで図示しな
い機関のクランク軸の回転と同期した信号を入力して前
記電磁弁31の開弁時期及び開弁期間が制御される。
【0004】次に前述した従来例の作用について説明す
る。燃料は燃料タンク21から燃料供給ポンプ22によ
り燃料噴射ポンプ23に供給され、該噴射ポンプのバレ
ル24内でプランジャ25により高圧に圧縮され吐出弁
26から吐出され噴射管を介して燃料弁1へ圧送され
る。高圧燃料は燃料弁1内に穿設された本体内油路5と
押え金物内油路6及びノズルチップ内油路7を経て油溜
り8に導かれ、その燃圧による力が針弁ばね11のばね
力に打勝つと針弁9が押上げられ噴口3から燃料が噴射
される。噴射終了後の油溜り8内及び該部と連通する油
路並びに水路は、前記燃料噴射ポンプの吐出弁26の側
路に設けられた等圧弁26によって規定される残留圧力
R となっている。
【0005】次に燃料弁への水の供給及び燃料弁内での
燃料と水の混合について説明する。ここで示した燃料弁
においては、燃料の噴射時期以外の時期に、油溜り8及
びノズルチップ内の油路7に水を注入し燃料と水を混合
させて噴射させる。水タンク28内の水は水供給ポンプ
29により前記残留圧力PR より高圧の給水圧力PS
昇圧されて水供給管30に吐出されている。コントロー
ラ33の制御で電磁弁31が開弁すると、前述の給水圧
力PS の水は水注入管32から水注入金物13を経て注
水逆止弁14を開弁して本体内水路16へ注入される。
この際、注入される水量はコントローラ33により電磁
弁31の開弁時間を調整することにより最適に制御され
る。前述のようにして油溜り8及びノズルチップ内油路
7まで注入された水が燃料と適正に混合して後、燃料噴
射時期に燃料噴射ポンプ23から吐出された燃料の高い
燃圧が前記部分の混合燃料に伝えられ、針弁9を押上げ
て噴口3からシリンダ内に噴射される。この際、注水逆
止弁14は閉弁され、燃料が水の供給系へ逆流すること
はない。
【0006】従来技術による二流体噴射燃料弁の第2従
来例の縦断面図を図7に示した。図7を参照して第2従
来例の構成と作用について説明する。基本的な全般構成
は、図6に示した第1従来例と同様であるが、本例では
図7に見られるように注水逆止弁14の下流側直後に合
流通路100が設けられ、押え金物内に穿設された水路
17と燃料油路6を連通している。図示されていない水
タンクから水供給ポンプにより電磁弁を経て注入された
水は、本体内水路16から押え金物内水路17と注水逆
止弁14のばね室を経て合流通路100へ流入し、該合
流通路から流出した水は、押え金物に穿設されている燃
料油路6内の燃料を上流側へ押し戻すように逆流させ燃
料油路6内へ流入する。その後、図示しない燃料噴射ポ
ンプから燃料が吐出されると、まず油溜り8及びノズル
チップ内燃料油路7の燃料が噴射され、続いて押え金物
内燃料油路6に注入された水が噴射され、最後に再び前
記の注入水より上流の燃料油路内にあった燃料が噴射さ
れる。この結果、燃焼初期の着火が確実に行われ、燃焼
域への水の導入によりNOxの発生を低減することが可
能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
従来の技術においては次のような問題点があった。即
ち、図6に示した第1従来例の燃料弁においては、注水
逆止弁14から下流側の水路が長く、逆止弁ばね15の
ばね室と本体内水路16と押え金物内水路17及びノズ
ルチップ内水路18に燃料噴射終了後及び機関停止中に
水が滞留する。また、図7に示した第2従来例の燃料弁
においても、注入逆止弁14より下流の逆止弁ばね15
のばね室及び合流通路100に同様に水が滞留する。水
の滞留があると腐食や錆を生じるので燃料噴射終了後及
び機関停止時に前記した該当箇所への水の滞留をなくす
必要がある。
【0008】本発明の目的は前記の問題点を解決し、機
関内燃焼での着火が確実で安定した燃焼が維持され、N
x の発生を低減でき、且つ燃料噴射の終了後及び機関
停止時に燃料弁内の燃料油路に水の滞留がなく、滞留水
による腐食や錆を生じることのない二流体噴射燃料弁を
提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二流体噴射
燃料弁は、同一の噴射ノズルから燃料と水とをシリンダ
内に噴射する二流体噴射燃料弁において、前記燃料弁内
に設けられた注入水の水路(17)に介装された注水逆
止弁(14)と、該注水逆止弁及び逆止弁ばねが収納さ
れるばね室(202)のシート部下流側直後の部位と前
記燃料弁内に設けられた燃料の油路(6)とを連通する
合流通路(200)、(201)と、前記ばね室(20
2)の前記合流通路(201)への接続部位よりも下流
側の開口部と油溜り(8)とを連通するノズルチップ内
燃料油路(7)とをそなえ、1サイクルでの噴射が(燃
料)−(水)−(燃料)の順の3段階になされると共
に、噴射終了後に前記注水逆止弁(14)よりも下流の
油路内における水の滞留を阻止したことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明では前記のような構成としたので次のよ
うに作用する。即ち、注水逆止弁14のシート部直後の
ばね室202上部から押え金物内燃料油路6に連通する
合流通路201及び200があり、ばね室202とその
下流端から油溜り8に連通するノズルチップ内燃料油路
7には残留燃料が溜っているので、水注入金物13から
注入された水は、燃料噴射ポンプの吐出弁26の側路の
等圧弁27を注水圧で押し開き、合流通路201、20
0内の残留燃料を上流側に押し戻し、燃料油路6内へ流
入する。その後、燃料噴射ポンプから高圧の燃料が吐出
されると、まず最初に油溜り8とノズルチップ内燃料油
路7及びばね室202内に溜っていた燃料が噴射され、
次に前記のようにして注入された水を噴射し、最後に再
び燃料を噴射する。このように1サイクル当りに(燃
料)−(水)−(燃料)の3段階で燃料と水がシリンダ
内の噴射され、燃料噴射の終了後及び機関停止時には注
水逆止弁14より下流の油路内には水が滞留することが
ない。これにより、前記注水逆止弁14にシート部、ば
ね室202内の逆止弁ばね15等の構成部材の、滞留水
による腐蝕や錆の発生を防止できる。なお、燃料弁内へ
の水注入の時期と量は、給水系統の電磁弁の開弁時期と
開弁時間で制御され、燃料噴射ポンプから燃料を吐出し
ていない時期に注入される。
【0011】
【実施例】次に図1から図3までを参照して本発明の第
1実施例について説明する。図1は本発明に係る第1実
施例として注水逆止弁にボール弁を用いた二流体噴射燃
料弁の縦断面図で、図2は図1におけるII−II断面図、
図3は図2におけるIII −III 断面図である。図1にお
ける符号1〜17までの名称とその機能は、図6を参照
して前記した従来例と同じである。なお、図1には示さ
れていないが、図6において符号21〜33で示した燃
料供給系及び水供給系の各要素の名称や機能も従来例と
同様である。
【0012】まず、その構成について説明する。図2及
び図3に見られるように、押え金物には注水逆止弁14
のシート部下流側直後押え金物内水路17から押え金物
内燃料油路6へ連通する合流通路201及び200が設
けられ、ノズルチップ内燃料油路7は注水逆止弁14の
ばね室202の下流側開口部と油溜り8とを連通してい
る。第2実施例として、注水逆止弁314に針弁型でガ
イド部を有する逆止弁を使用した場合を図4及び図5に
示した。針弁型の注水逆止弁314は、そのシート部4
01で燃料と水の封止を行い、ガイド部402でばね室
202内を摺動する。弁のセンタ保持が確実であるので
シール性が向上する。
【0013】次に作用について説明する。第1実施例も
第2実施例も、注水逆止弁14の封止作用を除きほかそ
の他の作用は同様である。注水逆止弁14のシート部直
後のばね室202上部から押え金物内燃料油路6に連通
する合流通路201及び200があり、ばね室202と
その下流端から油溜り8に連通するノズルチップ内燃料
油路7には残留燃料が溜っているので、水注入金物13
から注入された水は、燃料噴射ポンプの吐出弁26の側
路の等圧弁27を注水圧で押し開き、合流通路201,
200内の残留燃料を上流側に押し戻し、燃料油路6内
へ流入する。その後、燃料噴射ポンプから高圧の燃料が
吐出されると、まず最初に油溜り8とノズルチップ内燃
料油路7及びばね室202内に溜っていた燃料が噴射さ
れ、次に前記のようにして注入された水を噴射し、最後
に再び燃料を噴射する。このように1サイクル当りに
(燃料)−(水)−(燃料)の3段階で燃料と水がシリ
ンダ内の噴射され、燃料噴射の終了後及び機関停止時に
注水逆止弁14より下流の油路内に水が滞留することが
ない。なお、燃料弁内への水注入の時期と量は、給水系
統の電磁弁の開弁時期と開弁時間で制御され、燃料噴射
ポンプから燃料を吐出していない時期に注入される。
【0014】
【発明の効果】本発明は前記のように構成され作用する
ので次のような効果が得られる。即ち、的確な着火と安
定した機関内燃焼を実現し得ると共に、排気ガス中に含
まれるNOを低減でき、且つ燃料噴射の終了後及び機
関停止時に燃料弁内の燃料油路に水の滞留がなく、注水
逆止弁のシート部、逆止弁ばね等の構成部材の、滞留水
による腐蝕や錆の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る二流体噴射燃料弁の
縦断面図。
【図2】図1におけるII−II断面図。
【図3】図2におけるIII −III 断面図。
【図4】第2実施例による図1におけるII−II断面図。
【図5】図4におけるV−V断面図。
【図6】第1従来例の二流体噴射燃料弁の縦断面図を含
む系統図。
【図7】第2従来例に係る二流体噴射燃料弁の縦断面
図。
【符号の説明】
1…燃料弁本体、2…ノズルチップ、3…噴口、4…燃
料入口金物、5…本体内燃料油路、6…押え金物内燃料
油路、7…ノズルチップ内燃料油路、8…油溜り、9…
針弁、10…針弁ばね受、11…針弁ばね、12…針弁
用開弁圧力調整金物、13…水注入金物、14…注水逆
止弁、15…逆止弁ばね、16…本体内水路、17…押
え金物内水路、200…合流通路、201…合流通路、
202…ばね室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−27757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 43/00 F02M 43/02 F02M 43/04 F02M 25/022 F02D 19/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の噴射ノズルから燃料と水とをシリ
    ンダ内に噴射する二流体噴射燃料弁において、前記燃料
    弁内に設けられた注入水の水路(17)に介装された注
    水逆止弁(14)と、該注水逆止弁及び逆止弁ばねが収
    納されるばね室(202)のシート部下流側直後の部位
    と前記燃料弁内に設けられた燃料の油路(6)とを連通
    する合流通路(200)、(201)と、前記ばね室
    (202)の前記合流通路(201)への接続部位より
    も下流側の開口部と油溜り(8)とを連通するノズルチ
    ップ内燃料油路(7)とをそなえ、1サイクルでの噴射
    が(燃料)−(水)−(燃料)の順の3段階になされる
    と共に、噴射終了後に前記注水逆止弁(14)よりも下
    流の油路内における水の滞留を阻止したことを特徴とす
    る二流体噴射燃料弁。
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