JP3300458B2 - 水性の路面標示用組成物 - Google Patents
水性の路面標示用組成物Info
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Description
染性に優れており、又、溶剤を殆ど使用していないの
で、非危険物であり、安全性が高く、大気汚染の心配の
ない水性の路面標示用組成物に関する。
5665 1種(常温)、2種(加熱)、3種(溶
融)がある。路面標示用塗料は、区画線・道路標示(以
下、路面標示と略す)に使用され、乾燥性、付着性、耐
汚染性等が主に要求される。1種、2種の場合は、主に
外側線、車線境界線等に使用されているが、蒸発速度の
速いケトン系、エステル系、脂肪族系、芳香族系溶剤等
を使用しており、溶剤の揮発により塗膜を形成するの
で、安全性、大気汚染に問題がある。更に、1種、2種
は、消防法の危険物分類上、第四類第一石油類に属する
ので、貯蔵上の問題がある。
使用されており、180〜220℃に溶融して使う溶融
型塗料なので、超速乾性で、大気汚染の問題はない。水
性系の塗料としては、家庭用、建築用、工業用のもの
は、既に開発されている。これらの水性系の塗料を路面
標示に使用すると、一般の道路では、乾燥性、付着性、
耐汚染性等に問題があり、実用上耐え得るものは見出さ
れていない。
は、特開昭61−243866に開示されているが、組
成物を固化させるためには、水性分散物を施工した後
に、塗膜上に水溶性塩をふりかける必要がある。又、貯
蔵安定性急速硬化水性コーティング組成物は、特開平3
−157463に開示されているが、幅員の狭く、交通
量の多い日本の一般道路では、付着性、耐汚染性に問題
があった。
用塗料は、特開昭58−74757に開示されている
が、これは、有機溶媒中に樹脂を分散させたもので、消
防法の分類では危険物に該当し、又、付着性に関しては
疑問視される点が多かった。
種、2種は、蒸発速度の速い溶剤を使用しているので、
取り扱い上、安全性に問題があり、環境面では大気汚染
(VOC(VoltailOrganic Compo
unds)規制)の問題があり、更に、引火性が極めて
高いので、貯蔵上の問題があった。
剤を殆ど使用していないので、非危険物で安全性が高
く、大気汚染、貯蔵上の問題がなく、路面標示用塗料の
要求性能である乾燥性、耐汚染性を損なうことなく、路
面標示用塗料の1種、2種の問題点を解決することがで
きた。
あり、これにより上記問題点を解決できる。(1) 分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に反応性
官能基として炭素−炭素二重結合を少なくとも分子内に
二個有するモノマーまたはそのオリゴマーを含むことを
特徴とする水性の路面標示用組成物。 (2)エマルション固形分100重量部に対して、1〜
10重量部の該モノマーまたはそのオリゴマーを含有す
る請求項1記載の組成物。 (3)分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、エマルション固形分1
00重量部に対して、反応性官能基を有するコア・シェ
ル構造を持つエマルションを5〜40重量部含有するこ
とを特徴とする水性の路面標示用組成物。 (4)分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に反応性
官能基として炭素−炭素二重結合を少なくとも分子内に
二個有するモノマーまたはそのオリゴマーを含み、かつ
エマルション固形分100重量部に対して、反応性官能
基を有するコア・シェル構造を 持つエマルションを5〜
40重量部含有することを特徴とする水性の路面標示用
組成物。 (5)分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に造膜助
剤のジエチレングリコール ジエチルエーテルを含有す
ることを特徴とする水性の路面標示用組成物。 (6)分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中にエポキ
シ系のシランカップリング剤を含有することを特徴とす
る水性の路面標示用組成物。 (7)分子量10,000〜100,000の樹脂から
なる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃のガラス
転移温度を有した機械的安定性の優れたエマルション
と、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤からなる
塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充填剤、
およびその他塗料用添加剤との重量比率が、100:2
00〜100:900に構成され、更に該塗料中の不揮
発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中にロジン
エステルディスパージョンを含有することを特徴とする
水性の路面標示用組成物。
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、スチレ
ンなどを単量体とし、重合および/または共重合したも
のである。更に、エマルションは、少量の反応性官能基
を導入したエマルションのほうが好ましい。官能基とし
ては、カルボキシル基、エポキシド基、カルボニル基、
アミノ基、炭素−炭素二重結合等が挙げられる。コア
(芯)/シェル(殻)構造のエマルションへの官能基の
導入には、例えば、マルチステージフィード重合で得ら
れるシェル(殻)に反応性官能基を導入する手法もあ
る。
く、Tgが0〜50℃、分子量が10,000〜10
0,000でなければならない。また、エマルション
は、固形分(以下、NVと略す。)が45%未満(本明
細書において、%標示は特に断らない限り、重量%を意
味する)のものだと、付着性、耐汚染性は良いが、塗料
中のNVが低くなり乾燥性が劣るので、エマルションの
NVは、45%以上のものでなければならない。
の塗装機で、高圧化(100〜180kg/cm2 )で
使用される。また、路面標示用塗料の2種の施工方法
は、専用の塗装機で高圧化(100〜180kg/cm
2 )で、さらに加温(50〜80℃)して使用される。
又、速乾性を要求されるため、塗料中の不揮発分を高く
する必要がある。本発明で使用されるエマルションは、
ドライピグメント法(粉末顔料化)による塗料化が可能
な機械的安定性の優れたエマルションを提供する。例え
ば、機械的安定性の試験方法には、マロン式試験機があ
り、下記の様な試験条件で試験を行い評価することがで
きる。
重量が、試料固形分に対して0.5%未満のものであ
り、機械的安定性が良好なものである。それに対し、一
般的なエマルションは、凝固物の重量が試料固形分に対
して1%以上である。
5に示すように0〜50℃が良い。表4の比較例1に示
すように0℃未満では、付着性は良いが、塗膜が柔軟す
ぎて、耐汚染性、速乾性が劣る。エマルションのTg
は、表4の比較例2に示すように50℃以上では、造膜
助剤を多用するため、付着性は良いが、乾燥性と初期汚
染が劣る。エマルションのTgは好ましくは、10℃〜
30℃が良い。
1、2に示すように10,000〜100,000が良
い。表4の比較例3に示すように10,000未満のも
のを使用すると、乾燥性は良いが、塗膜強度が弱すぎ
て、塗膜がちぎれるように剥離したり、耐汚染性が劣
る。一般的なエマルションの分子量は100,000以
上であるが、表4の比較例4に示すようにこのようなも
のを使用すると、乾燥性、耐汚染性は良いが、塗膜強度
が下地との接着力よりも強すぎて、シート状に全面剥離
する。エマルションの分子量は好ましくは、20,00
0〜50,000が良い。
びその他塗料用添加物の重量比率は、表3の参考例1に
示すように100:200〜100:900が良い。こ
こで、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加物の重量
とは、本発明の路面標示用組成物からエマルションを除
いた残部重量を指す。表5の比較例6に示すよに10
0:(200以下)では、耐汚染性は良いが、塗料中の
不揮発分が低く、塗膜強度が低いため、乾燥性、付着性
が劣る。エマルション固形分と顔料、充填剤、およびそ
の他塗料用添加物の重量比率は、表5の比較例7に示す
ように100:(900以上)では、乾燥性は良いが、
CPVC(臨界顔料容積濃度)を越えるので、クラック
が発生し、付着性、耐汚染性が劣る。エマルション固形
分と顔料、充填剤、およびその他塗料用添加物の重量比
率は、好ましくは、100:250〜100:400が
良い。
低いので、付着性は優れるが、耐汚染性が劣る傾向にあ
る。そこで、塗料中に反応性官能基として炭素−炭素二
重結合を少なくとも分子内に二個有するモノマーまたは
そのオリゴマーを添加することにより、これらの問題点
を解決することができた。本発明に使用される該反応性
官能基を有するモノマーまたはそのオリゴマーは、エマ
ルション樹脂の官能基と結合反応し得る化合物であれ
ば、特に制限なく任意のものが使用される。これら、反
応性官能基は、好ましくは、分子末端に設けられるが、
その位置は制限されるものでなく分子内部に設けられて
も構わない。また、反応性官能基は、分子鎖上にあって
も、環状内にあっても良い。
有するモノマーとしてはアクリロイル基を分子の末端か
側鎖に有する化合物であって、分子末端に反応性を有す
る環構造を持つものである。例えば、一例の性状は、下
記の通りである。 名称:FA−511A(日立化成社製) Tg:120℃組成:下記構造の化合物構造式:
しては、上記化合物の二量体、三量体、あるいはそれら
の多量体等が挙げられる。反応性官能基を有するモノマ
ーまたはそのオリゴマーの添加量は、表6の実施例6に
示すようにエマルション(NV)に対して1〜10%が
良い。反応性官能基を有するモノマーまたはそのオリゴ
マーの添加量は、エマルション(NV)に対して1%以
下では、効果が期待できず、又エマルション(NV)に
対して10%以上では、表6の実施例7に示すように塗
料安定性が劣ってくる。好ましくは、反応性官能基を有
するモノマーまたはそのオリゴマーの添加量は、エマル
ション(NV)に対して2〜5%が良い。
有するモノマーまたはそのオリゴマーとの作用効果は明
確ではないが、反応性官能基を有するモノマーまたはそ
のオリゴマーがそれ自体重合すると共にエマルションの
樹脂分子と反応して結合し、高分子化して特異な三次元
網目構造を形成し、耐汚染性を向上させているものと推
測される。尚、反応性官能基を有するモノマーまたはそ
のオリゴマーとエマルション樹脂との反応には酸素を介
した酸化反応による結合反応も生起すると考えられる。
ーまたはそのオリゴマーが直接反応しなくても、反応性
の高いモノマーまたはそのオリゴマーを選択するか、も
しくは一般的な金属酸化物を少量添加することにより、
モノマーまたはそのオリゴマー自身が酸化反応し架橋し
て、エマルションの主鎖の中に介在して、特異な三次元
網目構造を形成し、耐汚染性を向上させることもでき
る。本発明に使用されるエマルションに反応性官能基を
有するモノマーまたはそのオリゴマーを添加することに
より、耐汚染性を向上させることができた。又エマルシ
ョンに、反応性官能基を有するコア・シェル構造のエマ
ルションを添加することにより、ガラスビーズ固着率、
付着性を向上させることができた。
コア・シェル構造のエマルションは、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、スチレン等を単量体と
し、重合および/または共重合したものである。更に、
コア・シェル構造のエマルションは、少量の反応性官能
基を導入したほうが好ましい。官能基としては、カルボ
キシル基、エポキシド基、カルボニル基、アミノ基、炭
素−炭素二重結合等が挙げられる。
有するコア・シェル構造のエマルションの具体例として
は、コア(芯)にエポキシド基を封入し、シェル(殻)
にアミノ基を有するものである。一例の性状は、下記の
通りである。 名称:VONCOAT EC−122(第日本インキ化
学工業製) 主成分:アクリル−エポキシ 外観:乳白色エマルショ
ンTg:15℃ 固形分:49〜51コア・シェル構造
を持つエマルションは、表7の実施例8に示すようにエ
マルション(NV)100重量部に対して、5〜40重
量部が良い。5重量部未満では、効果が期待できず、4
0重量部以上では、表7の参考例10に示すように塗料
安定性が劣ってくる。好ましくは、コア・シェル構造を
持つエマルションは、エマルション(NV)100重量
部に対して、10〜20重量部が良い。更に、表7の実
施例9に示すように、エマルションに反応性官能基を有
するモノマーまたはそのオリゴマーと、反応性官能基を
有するコア・シェル構造のエマルションを添加すること
により、更に付着性、ガラスビーズ固着率、耐汚染性が
向上する。
有するコア・シェル構造のエマルションとの作用効果は
明確ではないが、反応性官能基を有するコア・シェル構
造のエマルションが造膜時にそれ自体重合すると共にエ
マルションの官能基と反応して結合し、高分子化して特
異な三次元網目構造を形成し、ガラスビーズ固着率、付
着性を向上させているものと推測される。尚、反応性官
能基を有するコア・シェル構造のエマルションとエマル
ション樹脂との反応には酸素を介した酸化反応による結
合反応も生起すると考えられる。
分を溶解し易く、乾燥性との両立が課題であったが、表
8の実施例11に示すように蒸発速度の比較的速いジエ
チレングリコール ジエチルエーテルを使用することに
より、アスファルト付着、乾燥性を大幅に向上させるこ
とができる。一例を、比較のためのBFG、EHDGと
共に表1に示す。
カーに造膜助剤を40g入れ、その中に、3×3cmの
アスファルトフェルト紙(JIS A 6005)を入
れて、1時間後の溶解状況をガードナーの色数で判定す
る。蒸発速度は、酢酸ブチルを100とした場合の相対
数値(数値が大きい場合は、蒸発が速く、小さい場合
は、遅い。)。
ジエチレングリコール ジエチルエーテルのこと。BF
Gとは、日本乳化剤製の商品名で、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテルのこと。EHDGとは、日本乳化
剤製の商品名で、ジエチレングリコールモノ−2−エチ
ルヘキシルエーテルのこと。
料に添加した際、塗料安定性の良いエポキシ系のシラン
カップリング剤を使用することにより、付着性を大幅に
向上させることができる。シランカップリング剤には、
ビニル系シラン、アミノ系シラン、エポキシ系シラン、
クロル系シラン、メタクリロキシ系シラン、メルカプト
系シラン等があり、いずれも付着性に関しては、効果は
あるものの、塗料安定性の面ではエポキシ系シランが優
れる。尚、シランカップリング剤は、前記反応性官能基
を有するモノマーまたはそのオリゴマーあるいはコア・
シェル構造のエマルションと反応性であってもよいし、
あるいは反応性をもたせるように設計してもよい。シラ
ンカップリング剤は、式−1で求めた添加量以下では、
効果が期待できず、又、式−1で求めた添加量以上で
は、塗料安定性が劣ってくる。一例の性状は、下記の通
りである。
製) 組成:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン 分子量:246 沸点:310℃ 比重:1.07 最小被覆面積:317m2 /g シランカップリング剤の添加量=顔料使用量(g)×顔
料の比表面積(m2 /g)÷シランカップリング剤の最
小被覆面積(m2 /g) 式−1 更に、表10の実施例17に示すようにアスファルト成
分との親和性が良く、軟化点の高いロジンエステルディ
スパージョンを使用することにより付着性、耐汚染性を
大幅に向上させることができる。
は、トールオイルロジン等が例示できる。ロジンエステ
ルディスパージョンは、エマルション(NV)に対し
て、固形分換算で5%〜30%が良い。好ましくは、1
0%〜20%が良い。5%以下では、付着性、耐汚染性
の効果が期待できず、30%以上では、塗膜がモロクな
り、付着性が劣る。一例の性状は、下記の通りである。
ミカル社製) 組成:トールオイルロジン 不揮発分:50% 軟化点:90℃ pH:
8.5 粘度 :150cps(ブルックフィールド粘度計
50rpm、25℃) 本発明に使用される充填剤、顔料には、公知のものが挙
げられ、充填剤には、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、アルミナ、シリカ等を使用でき、着色顔料として
は、二酸化チタン、黄鉛、カーボンブラック等を使用で
きる。
添加剤としては、分散剤、湿潤剤、消泡剤、凍結防止
剤、増粘剤等公知のものが挙げられ、これらは耐水性の
良いものを選択する必要がある。
本発明はこれに限定されるものではない。路面標示用組
成物の調製方法は、エマルションに、顔料、充填剤、塗
料用添加剤を、ドライピグメンテーション法により塗料
化し、レットダウンで、残りの塗料用添加物を加える。
基本配合を表2に示す(バインダーと、顔料・充填剤の
重量比率は、100:400)。尚、基本配合で使用す
るエマルションの性状は、下記の通りである。
NV:50%
評価方法は、下記の通りである。試験場所は、恒温恒湿
室で実施。 乾燥性:JIS K 5665(1種)の試験方法でテ
ストを行った。JIS K 5410に規定するガラス
板(約200×100×2mm)の片面に平行に長片の
ほぼ中央に約78mm以上の幅に、アプリケーターを用
いて、100±20μmになるように塗る。
験片の中央部の一端に載せ、ハンドルを両手で軽く持っ
て、ロールの重量以外の力が塗面に加わらないようにし
ながら、試験片の短片方向に、塗膜を通過する時間が1
秒になるように一定の早さで転がす。10分後に試験用
ロールのタイヤに塗膜が付着しない場合は、◎。12分
後に付着しない場合は、○〜◎。15分後に付着しない
場合は、○。付着した場合は、×とした。
アスファルトブロックにアプリケーターを用いて、10
0±20μmになるように塗る。24時間後、4cm×
4cmのクロスカットを行った。95/100以上を
◎、90/100以上を○〜◎、80/100以上を
○。それ以下を×とした。
るアスファルトブロックにアプリケーターを用いて、1
00±20μmになるよう試験品と従来品(弊社ハード
ラインC−4000 JIS K 5665 1種適合
品)を2本引きで塗る。8時間乾燥後、園芸用赤玉土を
付着させた試験用ロールを、試験片の短片方向に力を加
えて転がす。試験用ロールを転がした部分の汚染状況
を、従来品と比較する。
し良好な場合は○〜◎、同等の場合は○、劣る場合を×
とした。 塗料安定性:40℃×30日後の粘度変化が、初期の粘
度の±10%以内は○、それ以外は、×とした。
5(1種)の試験方法でテストを行った。JIS K
5410に規定するガラス板(約430×170×3m
m)を水平に置いた中央部に長さ約400mm、幅約7
8mmに、アプリケーターを用いて塗り、直ちにJIS
R 3301に規定する路面標示塗料用ガラスビーズ
1号を散布する(ガラスビーズは、あらかじめ、約10
0gを、0.01gのけたまで量った物を使用する。m
1 )。
後、JIS K 5400の3.3(7.1)(はけ塗
り)に規定する乾いたはけを用いて塗膜に付着していな
い余分のガラスビーズを払い落とし、その質量を0.0
1gのけたまで量る(m2 )。更に、試験片を72時間
おいて、JIS K 5663の5.11(耐洗浄性)
に規定する洗浄試験機及びブラシを用い、乾燥状態のま
ま、この試験片を2000回こする(ブラシの1往復を
1回とする)。塗面から脱離したガラスビーズを集めて
水洗いした後、乾燥してその質量を0.01gのけたま
で量る(m3 )。
し、98%以上を◎、95〜98%未満を○とした。 ガラスビーズ固着率(%)=100×{(m1 −m2 )
−m3 }÷(m1 −m2 )参考 例1〜5 表2の基本配合に従って、エマルションのTg、分子
量、固形分の異なるもので、テストを行った結果を表3
に示す。尚、Tgの同じものはモノマー組成は同じであ
るが、Tgの異なるものは、モノマー組成を適宜変更し
て調製した。(体質顔料、着色顔料、分散剤、湿潤剤、
消泡剤、凍結防止剤、増粘剤の数量は、基本配合と同
じ。)
量、不揮発分の異なるもので、テストを行った結果を表
4に示す。(体質顔料、着色顔料、分散剤、湿潤剤、消
泡剤、凍結防止剤、増粘剤の数量は、基本配合と同
じ。)
剤の比率を変更してテストを行った結果を表5に示す。
(エマルション、凍結防止剤、増粘剤、造膜助剤の数量
は、基本配合と同じ。)比較例6は、バインダーと顔料
・充填剤の重量比率は100:80。比較例7は、10
0:1000。
に従って反応性官能基を有するモノマーまたはそのオリ
ゴマーを添加してテストを行った結果を表6に示す。
尚、実施例7は、本発明の範囲内であり、反応性官能基
を有するモノマーまたはそのオリゴマーの添加のタイミ
ングを考慮すれば塗料の安定性の問題は解消もしくは軽
減できる。
の基本配合に従って反応性官能基を有するコア・シェル
構造のエマルションを添加してテストを行った結果を表
7に示す。尚、参考例10は、反応性官能基を有するコ
ア・シェル構造のエマルションの添加のタイミングを考
慮すれば塗料の安定性の問題は解消もしくは軽減でき
る。
従って造膜助剤を変更してテストを行った結果を表8に
示す(エマルション、体質顔料、着色顔料、分散剤、湿
潤剤、消泡剤、凍結防止剤、増粘剤の数量は、基本配合
と同じ)。
ランカップリング剤を添加してテストを行った結果を表
9に示す。 *:シランカップリング剤の添加量は、次式により算出
した。 シランカップリング剤の添加量=顔料使用量(g)×顔
料の比表面積(m2 /g)÷シランカップリング剤の最
小被覆面積(m2 /g) サイラエースS−210 組成:ビニルメトキシシラン 最小被覆面積(m2 /g):526 サイラエースS−310 組成:N−(2−アミノエチ
ル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン 最小被覆面積(m2 /g):380 尚、実施例14〜15もシランカップリング剤のの添加
のタイミングを考慮すれば塗料の安定性の問題は解消も
しくは軽減できる。
に従って、ロジンエステルディスパージョンを添加して
テストを行った結果を表10に示す(エマルション、体
質顔料、着色顔料、分散剤、湿潤剤、消泡剤、凍結防止
剤、増粘剤の数量は、基本配合と同じ。)
は、乾燥性、付着性、耐汚染性等に優れ、かつ、溶剤を
殆ど使用していないので、非危険物であり、安全性が高
く、大気汚染の心配がない水性の路面標示用組成物を開
発することができた。
Claims (7)
- 【請求項1】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に
反応性官能基として炭素−炭素二重結合を少なくとも分
子内に二個有するモノマーまたはそのオリゴマーを含む
ことを特徴とする水性の路面標示用組成物。 - 【請求項2】 エマルション固形分100重量部に対し
て、1〜10重量部の該モノマーまたはそのオリゴマー
を含有する請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、エマルション固
形分100重量部に対して、反応性官能基を有するコア
・シェル構造を持つエマルションを5〜40重量部含有
することを特徴とする水性の路面標示用組成物。 - 【請求項4】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に
反応性官能基として炭素−炭素二重結合を少なくとも分
子内に二個有するモノマーまたはそのオリゴマーを含
み、かつエマルション固形分100重量部に対して、反
応性官能基を有するコア・シェル構造を持つエマルショ
ンを5〜40重量部含有することを特徴とする水性の路
面標示用組成物。 - 【請求項5】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に
造膜助剤のジエチレングリコールジエチルエーテルを含
有することを特徴とする水性の路面標示用組成物。 - 【請求項6】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に
エポキシ系のシランカップリング剤を含有することを特
徴とする水性の路面標示用組成物。 - 【請求項7】 分子量10,000〜100,000の
樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜50℃
のガラス転移温度を有した機械的安定性の優れたエマル
ションと、顔料、充填剤、およびその他塗料用添加剤か
らなる塗料であって、エマルション固形分と、顔料、充
填剤、およびその他塗料用添加剤との重量比率が、10
0:200〜100:900に構成され、更に該塗料中
の不揮発分が、70重量%以上であり、かつ該塗料中に
ロジンエステルディスパージョンを含有することを特徴
とする水性の路面標示用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08240093A JP3300458B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 水性の路面標示用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08240093A JP3300458B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 水性の路面標示用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271789A JPH06271789A (ja) | 1994-09-27 |
JP3300458B2 true JP3300458B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=13773550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08240093A Expired - Lifetime JP3300458B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 水性の路面標示用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3300458B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5939514A (en) * | 1996-09-26 | 1999-08-17 | Rohm And Haas Company | Coating composition having extended storage stability and method for producing wear resistant coatings therefrom |
JP2005060453A (ja) * | 2003-08-20 | 2005-03-10 | Kictec Inc | 路面標示用塗料 |
JP4564571B1 (ja) * | 2009-04-13 | 2010-10-20 | アイカ工業株式会社 | 建築物の外壁に意匠性を付与する一液型水系塗材組成物 |
JP2015535560A (ja) * | 2012-11-28 | 2015-12-14 | エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG | 自動車の環境認識を支援するための新規道路標示 |
KR102146147B1 (ko) * | 2013-10-21 | 2020-08-19 | 포터스 인더스트리즈, 엘엘씨 | 고속도로 표시용 수계 라텍스 페인트 조성물 |
CN107601960A (zh) * | 2017-09-22 | 2018-01-19 | 苏州振振好新型建材科技有限公司 | 一种真石漆及其制备方法和涂层、制品 |
-
1993
- 1993-03-18 JP JP08240093A patent/JP3300458B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06271789A (ja) | 1994-09-27 |
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