JP3299951B2 - 洗浄剤 - Google Patents

洗浄剤

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JP3299951B2 JP2000033543A JP2000033543A JP3299951B2 JP 3299951 B2 JP3299951 B2 JP 3299951B2 JP 2000033543 A JP2000033543 A JP 2000033543A JP 2000033543 A JP2000033543 A JP 2000033543A JP 3299951 B2 JP3299951 B2 JP 3299951B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄性と殺菌性に
優れ、且つプラスチックに対する腐食や損傷の少ない洗
浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チック、ガラス、金属、陶磁器、タイル、木材、コンク
リート等の硬質表面の洗浄においては、洗剤処理により
目視で認知出来る汚れは除去できるが、微生物の除去に
は不十分なため、洗剤で汚れを除去し、その後アルコー
ル又は逆性石鹸に代表される殺菌剤を使用して、微生物
除去を行っていた。しかし、この方法では洗浄と殺菌の
2工程を要し、手間がかかるため、洗浄と殺菌とを同時
に行える簡便性に優れた洗浄剤が求められていた。
【0003】一方、硬質表面のうちプラスチックは、例
えばABS樹脂のように、その種類によっては耐薬品性
の弱いものがあり、洗浄剤によっては腐食や損傷を引き
起こす事も確認されている。
【0004】特開平3−127717号は糖系非イオン
界面活性剤と抗菌剤を含む人体用洗浄剤を開示してい
る。DE−A 4414696はアルキルポリグリコシ
ド、アニオン、非イオン、カチオン、両性界面活性剤を
含有する人体用洗浄剤を開示している。
【0005】本発明の目的は、洗浄と殺菌を同時に行う
ことができ、且つABS樹脂等のプラスチックに対して
腐食や損傷を認めない洗浄剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)アルキ
ルポリグリコシドを0.01〜50重量%、(B)カチ
オン系殺菌剤、ビグアナイド系殺菌剤及びアミノ酸系殺
菌剤より選ばれた殺菌剤を0.001〜25重量%及び
(C)脂肪酸塩を(B)/(C)=100/0.1〜1
00/20(重量比)の割合で含有する洗浄剤を提供す
る。
【0007】また本発明は、さらに下記式(I)で表さ
れる(D)アルキルジメチルアミンオキシドを含有する
上記の洗浄剤を提供する。
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、Rは炭素数8〜18の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕 また本発明は、さらに(E)キレート剤を含む上記の洗
浄剤を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】(A)成分は下記一般式(A−
1)で表されるアルキルポリグリコシドが好ましい。 R1(OR2)xy (A−1) 〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18、好ま
しくは10〜14のアルキル基もしくはアルケニル基、
又はアルキルフェニル基を示し、R2は炭素数2〜4の
アルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6の還元糖、好ま
しくはグルコースに由来する残基であり、xはその平均
値が0〜5、好ましくは0となる数を示し、yはその平
均値が1〜10、好ましくは1.1〜2.0となる数を
示す。〕。
【0011】(A)成分の配合量は0.01〜50重量
%であり、好ましくは0.1〜15重量%である。
【0012】また、(B)成分はカチオン系殺菌剤が好
ましく、カチオン系殺菌剤としては次の一般式(B−
1)もしくは(B−2)で表されるカチオン系界面活性
剤が好ましい。
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、R3〜R6のいずれか1つ又は2つ
が、炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基
又はアルケニル基、又は次式
【0015】
【化6】
【0016】で表される基を示し、残りは同一もしくは
異なって、炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基、又
は式−(CH2CH2O)mH(mはエチレンオキシド平均
付加モル数で、2〜20を示す)で表される基を示し、
7は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子、好ましく
は塩素、又は有機アニオンとなる基を示す。〕。
【0017】(B)成分としては、具体的には、ジアル
キルジメチルアンモニウムハライド、塩化ベンザルコニ
ウム、塩化ベンゼトニウム又はこれらの対イオンが他の
アニオンに変換されたカチオン界面活性剤系の殺菌剤、
クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン等のビ
グアナイド系殺菌剤、アルキルジアミノエチルグリシ
ン、アルキルポリアミノエチルグリシン等のアミノ酸系
殺菌剤が挙げられる。特に、式(B−1)で表され、R
3〜R6として炭素数8〜10の直鎖アルキル基を2つ有
し残余メチル基のものが、洗浄性と殺菌性の両面から最
も好ましい。
【0018】(B)成分の配合量は0.001〜25重
量%であり、好ましくは0.01〜10重量%である。
【0019】(C)成分としては、炭素数6〜18の直
鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸塩が好ましい。
より好ましくは、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸塩であ
る。塩の対イオンとしては、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアル
カリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン
が好ましい。溶解性の点より、ナトリウム、カリウム、
アルカノールアミンがより好ましい。カリウム、アルカ
ノールアミンが特に良い。配合安定性の面からはモノエ
タノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノ
ールアミン塩が良い。
【0020】(C)成分は、殺菌性を損なわずに洗浄性
を増強するため、(B)成分に対する重量比が(B)/
(C)=100/0.1〜100/20となるように配
合され、(B)/(C)=100/1〜100/10が
好ましい。
【0021】また、本発明の洗浄剤には、配合安定性の
向上や洗浄力の増強のために、更に下記の一般式(I)
で表される(D)アルキルジメチルアミンオキシドを添
加することができる。
【0022】
【化7】
【0023】〔式中、Rは炭素数8〜18の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕 (I)式中、Rは炭素数10〜14の直鎖アルキル基が
好ましい。アルキルジメチルアミンオキシドの配合量は
0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5
重量%である。
【0024】本発明の洗浄剤は、使用の簡便性から、
(A)〜(C)成分を水性媒体に溶解又は分散させた水
性液体洗浄剤とするのが好ましい。
【0025】更に、本発明の洗浄剤には、洗浄性や配合
安定性向上のため、金属キレート剤(E)、水溶性溶
剤、アルカリ剤や、ハロゲンを含むカチオン系殺菌剤を
用いた場合の腐食防止のため、防錆剤を添加するのが好
ましい。
【0026】金属キレート剤(E)としては、ヒドロキ
シカルボン酸又はその塩、アミノカルボン酸又はその塩
等が用いられ、特にエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒド
ロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ
酢酸、クエン酸及びこれらの塩が好ましい。金属キレー
ト剤は(B)成分100重量部に対して1〜30重量部
配合するのが好ましく、より好ましくは5〜20重量部
である。
【0027】また、水溶性溶剤としては、エタノール等
の炭素数1〜5の1価アルコール類、エチレングリコー
ル等の炭素数2〜12の2価アルコール類、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル等のポリアルキレングリ
コールアルキルエーテル等が挙げられる。水溶性溶剤の
配合量は0.01〜30重量%が好ましく、より好まし
くは0.1〜10重量%である。
【0028】また、アルカリ剤としては、アルカリ金属
の水酸化物もしくは炭酸塩もしくは硫酸塩もしくは珪酸
塩、アルカノールアミン類等が用いられ、特に洗浄力が
高く残存性が低いことから、モノエタノールアミンが好
ましい。アルカリ剤の配合量は0.01〜30重量%が
好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0029】また、防錆剤としては、珪酸塩類、安息香
酸塩、亜硝酸塩、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾー
ル等の化合物を挙げることができるが、なかでも特に亜
硝酸塩が好ましい。
【0030】本発明の洗浄剤には、必要に応じて香料、
染料、顔料等を適宜添加してもよい。
【0031】
【実施例】実施例1〜5及び比較例1〜5 表1に示す洗浄剤を調製し、下記の方法で洗浄性、殺菌
性及びプラスチックに対する影響について評価した。結
果を表1に示す。
【0032】<洗浄性評価>油を用いたリーナツ改良洗
浄試験法 溶融させた牛脂180gと菜種油20gの混合油に、ク
ロロホルム300gとスダンIII 0.3gを加えた後、
ガーゼで濾過したものをモデル油汚れとした。
【0033】予めヘキサンで清浄した30mm×80m
m×1mmサイズのポリエチレンを試験片とし、6枚1
組とし風袋重量を測定しておく。この試験片の一枚を上
記モデル油汚れに2秒間浸漬し、試験片の50mm付近
までモデル油汚れを付着させる。試験片下部に付着した
余分な汚れはペーパーで吸い取らせる。その後、25℃
±2℃にて風乾し重量を測定し、洗浄前の重量とする。
モデル油汚れが付着した試験片をリーナツ改良洗浄機に
セットし、洗浄剤を1%濃度に調整した洗浄液(25℃
±2℃)にて洗浄する。1分間後試験片を取り出し、風
乾後、重量を測定し、下記計算式により洗浄率を算出す
る。1つの洗浄剤につき6枚の洗浄率を算出し、その平
均値で評価した。
【0034】
【数1】
【0035】<殺菌性評価>ミクロプランター法による
最少殺菌濃度 各種洗浄剤の希釈系試料を調製し、被験菌(Esche
richia coli IFO3972、Pseud
omonas aeruginosa IFO1273
2)を100%殺菌できる最大の希釈倍率を求めた。即
ち、SCD培地に前培養した菌(約109〜1010ce
ll/ml)を0.1ml取り、滅菌した3.5°DH
硬水で洗浄剤を希釈した希釈系試料10mlに60秒間
接触させ、試料を一白金耳量採取し、後培養用SCD培
地0.3mlの入ったミクロシャーレー(CORNIN
G社製、96−Cell Wells)へ接種した。3
0℃で3日間培養し、ミクロプランター上で菌の育成が
認められない最大の希釈倍率を求めた。希釈倍率の値が
高いほど殺菌効果が高い。
【0036】<プラスチックに対する影響評価>10m
m×70mm×1mmサイズのABS樹脂製の試験片上
に、洗浄剤を0.5g含漬させた脱脂綿を置き、24時
間25℃±2℃にて自然放置後、試験片を目視観察し、
下記の基準で評価した。 評価基準 ○:試験片に異常が無く、更に応力を加えても割れない △:試験片に外観上の異常はないが、応力を加えると割
れる ×:試験片にクラックが認められる
【0037】
【表1】
【0038】なお、表1で用いた各成分は、以下のもの
である。
【0039】
【化8】
【0040】・比較ノニオン界面活性剤:C1225
(C24O)9H(ソフタノール90、日本触媒株式会
社)。
【0041】実施例6〜9 表2に示す厨房用洗浄剤を調製し、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、洗浄性と殺菌性の両方
に優れ、且つプラスチック、特にABS樹脂に対する腐
食や損傷の少ない洗浄剤が得られる。本発明の洗浄剤
は、硬質表面用の洗浄剤として好適である。
フロントページの続き (72)発明者 糸井 隆 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 東 利一 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 山澤 進 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平7−53995(JP,A) 特開 平10−330792(JP,A) 特表 平7−505183(JP,A) 特表 平8−501122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 1/00 - 3/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルキルポリグリコシドを0.0
    1〜50重量%、(B)カチオン系殺菌剤(ビグアナイ
    ド系殺菌剤及びアミノ酸系殺菌剤を除く)、ビグアナイ
    ド系殺菌剤及びアミノ酸系殺菌剤より選ばれた殺菌剤を
    0.001〜25重量%並びに(C)脂肪酸塩を(B)
    /(C)=100/0.1〜100/20(重量比)の
    割合で含有する洗浄剤。
  2. 【請求項2】 さらに下記式(I)で表される(D)ア
    ルキルジメチルアミンオキシドを含有する請求項1記載
    の洗浄剤。 【化1】 〔式中、Rは炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキ
    ル基又はアルケニル基を示す。〕
  3. 【請求項3】 (A)成分が下記一般式(A−1)で表
    されるアルキルポリグリコシドである請求項1又は2記
    載の洗浄剤。 R1(OR2)xy (A−1) 〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアル
    キル基もしくはアルケニル基、又はアルキルフェニル基
    を示し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、G
    は炭素数5〜6の還元糖に由来する残基であり、xはそ
    の平均値が0〜5となる数を示し、yはその平均値が1
    〜10となる数を示す。〕
  4. 【請求項4】 (B)成分が下記一般式(B−1)又は
    (B−2)で表されるカチオン系界面活性剤である請求
    項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤。 【化2】 〔式中、R3、R4、R5、R6のいずれか1つ又は2つが
    炭素数8〜16の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は
    アルケニル基、又は次式 【化3】 で表される基を示し、残りは同一もしくは異なって、炭
    素数1〜3のアルキル基、ベンジル基、又は式−(CH2
    CH2O)mH(mはエチレンオキシド平均付加モル数
    で、2〜20を示す)で表される基を示し、R7は炭素
    数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケ
    ニル基を示し、Xはハロゲン原子又は有機アニオンとな
    る基を示す。〕
  5. 【請求項5】 (C)成分が炭素数6〜18のアルキル
    基又はアルケニル基を有し、アルカリ金属塩、アルカリ
    土類金属塩又はアルカノールアミン塩である請求項1〜
    4の何れか1項記載の洗浄剤。
  6. 【請求項6】 さらに(E)キレート剤を含む請求項1
    〜5の何れか1項記載の洗浄剤。
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