JP3299794B2 - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
光記録媒体およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体、特に相変
化形情報記録媒体であって、光ビームを照射することに
より記録層材料に相変化を生じさせ、情報の記録、再生
を行い、かつ書換が可能である情報記録媒体およびその
製造方法に関するものであり、光メモリー関連機器に応
用される。
化形情報記録媒体であって、光ビームを照射することに
より記録層材料に相変化を生じさせ、情報の記録、再生
を行い、かつ書換が可能である情報記録媒体およびその
製造方法に関するものであり、光メモリー関連機器に応
用される。
【0002】
【従来の技術】電磁波、特にレーザービームの照射によ
る情報の記録、再生および消去可能な光メモリー媒体の
一つとして、結晶−非結晶相間、あるいは結晶−結晶相
間の転移を利用する、いわゆる相変化形記録媒体がよく
知られている。特に光磁気メモリーでは困難な単一ビー
ムによるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の光
学系もより単純であることなどから、最近その研究開発
が活発になっている。その代表的な例として、USP3
530441に開示されているように、Ge−Te,G
e−Te−Sn,Ge−Te−S,Ge−Se−S,G
e−Se−Sb,Ge−As−Se,In−Te,Se
−Te,Se−Asなどのいわゆるカルコゲン系合金材
料があげられる。また安定性、高速結晶化などの向上を
目的に、Ge−Te系にAu(特開昭61−21969
2)、Sn及びAu(特開昭61−270190)、P
d(特開昭62−19490)などを添加した材料の提
案や、記録/消去の繰り返し性能向上を目的にGe−T
e−Se−Sb、Ge−Te−Sbの組成比を特定した
材料(特開昭62−73438、特開昭63−2284
33)の提案などもなされている。しかしながら、その
いずれもが相変化形書換可能光メモリー媒体として要求
される諸特性のすべてを満足しうるものとはいえない。
特に記録感度、消去感度の向上、オーバーライト時の消
し残りによる消去比低下の防止、ならびに記録部、未記
録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となっている。
る情報の記録、再生および消去可能な光メモリー媒体の
一つとして、結晶−非結晶相間、あるいは結晶−結晶相
間の転移を利用する、いわゆる相変化形記録媒体がよく
知られている。特に光磁気メモリーでは困難な単一ビー
ムによるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の光
学系もより単純であることなどから、最近その研究開発
が活発になっている。その代表的な例として、USP3
530441に開示されているように、Ge−Te,G
e−Te−Sn,Ge−Te−S,Ge−Se−S,G
e−Se−Sb,Ge−As−Se,In−Te,Se
−Te,Se−Asなどのいわゆるカルコゲン系合金材
料があげられる。また安定性、高速結晶化などの向上を
目的に、Ge−Te系にAu(特開昭61−21969
2)、Sn及びAu(特開昭61−270190)、P
d(特開昭62−19490)などを添加した材料の提
案や、記録/消去の繰り返し性能向上を目的にGe−T
e−Se−Sb、Ge−Te−Sbの組成比を特定した
材料(特開昭62−73438、特開昭63−2284
33)の提案などもなされている。しかしながら、その
いずれもが相変化形書換可能光メモリー媒体として要求
される諸特性のすべてを満足しうるものとはいえない。
特に記録感度、消去感度の向上、オーバーライト時の消
し残りによる消去比低下の防止、ならびに記録部、未記
録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となっている。
【0003】とくにオーバーライト繰り返し特性に関し
てはSb−BiとSiO2−ZnS・SiO2の上引き層
を組み合わせた保護層を設けるなどの提案がなされてい
る(第39回応用物理学関連連合講演会予稿集30P−
L−1)。このような上引き層を設置することによりオ
ーバーライト繰り返し特性の改善が図れるとしている。
しかしながら消去比が低いなどの欠点を有している。こ
れらの事情から、優れたオーバーライト繰り返し特性を
持ち、消去比が高く、高感度の記録、消去が可能な光記
録媒体の開発が望まれていた。
てはSb−BiとSiO2−ZnS・SiO2の上引き層
を組み合わせた保護層を設けるなどの提案がなされてい
る(第39回応用物理学関連連合講演会予稿集30P−
L−1)。このような上引き層を設置することによりオ
ーバーライト繰り返し特性の改善が図れるとしている。
しかしながら消去比が低いなどの欠点を有している。こ
れらの事情から、優れたオーバーライト繰り返し特性を
持ち、消去比が高く、高感度の記録、消去が可能な光記
録媒体の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
に比較してオーバーライト繰り返し特性の向上を達成
し、消去比が高く低パワーで記録・消去の繰り返しが可
能な情報記録媒体を提供するものである。
に比較してオーバーライト繰り返し特性の向上を達成
し、消去比が高く低パワーで記録・消去の繰り返しが可
能な情報記録媒体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以上のよ
うな事情に対するものであり、オーバーライト繰り返し
特性に優れ、消去比が高く、記録消去時において低パワ
ーで記録・消去の繰り返しが可能な情報記録媒体を提供
するものである。
うな事情に対するものであり、オーバーライト繰り返し
特性に優れ、消去比が高く、記録消去時において低パワ
ーで記録・消去の繰り返しが可能な情報記録媒体を提供
するものである。
【0006】そこで本発明者らは改善に鋭意研究を重ね
た結果、前述目的に合致する記録材料を見出した。即ち
本発明は、(1)基板上に少なくとも記録層と保護層を
有する光記録媒体において、保護層が、主成分としてA
lNrを有する第1層と、第1層よりN含有量の少ない
第2層と、Alを有する第3層とを隣接して構成される
光記録媒体、(2)保護層の第1層に含まれるAlに対
するNの元素濃度比rが 0.82≦r≦1 (r=Nの元素濃度/Alの元素濃度)である上記
(1)の光記録媒体、(3)保護層のN含有量が第3層
の方向に、連続して現象するように変化している第2層
を有する上記(1)または(2)記載の光記録媒体、
(4)保護層の第3層の膜厚dが 200Å≦d≦2500Å である上記(1)ないし、(3)の何れかに記載の光記
録媒体、(5)保護層の第1層の膜厚d1と第2層の膜
厚d2との合計d1+d2が 150Å≦d1+d2≦2500Å である上記(1)ないし(4)の何れかに記載の光記録
媒体、(6)保護層の第1層の膜厚d1に対する第2層
の膜厚d2の比d2/d1が 0<d2/d1≦0.3 である上記(1)ないし(5)の何れかに記載の光記録
媒体、(7)光記録媒体中に設けられる記録消去を担う
記録層として、Ag、In、Sb、Teを含む4元系の
相変化記録媒体を主成分として含有し、消去時に化学量
論組成あるいはそれに近いAgSbTe2微結晶層が存
在する記録材料を有する上記(1)の光記録媒体、
(8)記録層の安定状態における化学構造が主として、
化学量論組成あるいはそれに近いAgSbTe2相と、
InとSbからなる相の混相状態をとる記録材料を有す
る上記(1)の光記録媒体、(9)保護層を作製すると
きAlターゲットを用い、N2を含む反応ガス中で反応
性スパッタ法により第1層を作製し、その後反応ガス中
のN2量を減ずることにより連続して第2層を設け、さ
らにその後反応ガス中にN2量を用いずに第3層を連続
して作製する上記(1)ないし(8)の何れかに記載の
光記録媒体の作製方法、に関するものである。
た結果、前述目的に合致する記録材料を見出した。即ち
本発明は、(1)基板上に少なくとも記録層と保護層を
有する光記録媒体において、保護層が、主成分としてA
lNrを有する第1層と、第1層よりN含有量の少ない
第2層と、Alを有する第3層とを隣接して構成される
光記録媒体、(2)保護層の第1層に含まれるAlに対
するNの元素濃度比rが 0.82≦r≦1 (r=Nの元素濃度/Alの元素濃度)である上記
(1)の光記録媒体、(3)保護層のN含有量が第3層
の方向に、連続して現象するように変化している第2層
を有する上記(1)または(2)記載の光記録媒体、
(4)保護層の第3層の膜厚dが 200Å≦d≦2500Å である上記(1)ないし、(3)の何れかに記載の光記
録媒体、(5)保護層の第1層の膜厚d1と第2層の膜
厚d2との合計d1+d2が 150Å≦d1+d2≦2500Å である上記(1)ないし(4)の何れかに記載の光記録
媒体、(6)保護層の第1層の膜厚d1に対する第2層
の膜厚d2の比d2/d1が 0<d2/d1≦0.3 である上記(1)ないし(5)の何れかに記載の光記録
媒体、(7)光記録媒体中に設けられる記録消去を担う
記録層として、Ag、In、Sb、Teを含む4元系の
相変化記録媒体を主成分として含有し、消去時に化学量
論組成あるいはそれに近いAgSbTe2微結晶層が存
在する記録材料を有する上記(1)の光記録媒体、
(8)記録層の安定状態における化学構造が主として、
化学量論組成あるいはそれに近いAgSbTe2相と、
InとSbからなる相の混相状態をとる記録材料を有す
る上記(1)の光記録媒体、(9)保護層を作製すると
きAlターゲットを用い、N2を含む反応ガス中で反応
性スパッタ法により第1層を作製し、その後反応ガス中
のN2量を減ずることにより連続して第2層を設け、さ
らにその後反応ガス中にN2量を用いずに第3層を連続
して作製する上記(1)ないし(8)の何れかに記載の
光記録媒体の作製方法、に関するものである。
【0007】通常、第1層を記録層の上部に設置し耐熱
保護層とした場合、記録消去時に熱膨張、収縮を繰り返
す第1層と、放熱層である第3層との界面で物理的歪が
生じやすいが、第2層を設置することで第1層と第3層
との界面の応力が軽減され、繰り返し回数が向上する。
また、AlNr中のNの量を連続的に変化させ徐々にA
lに近付けていくことにより、その効果はより顕著とな
る。
保護層とした場合、記録消去時に熱膨張、収縮を繰り返
す第1層と、放熱層である第3層との界面で物理的歪が
生じやすいが、第2層を設置することで第1層と第3層
との界面の応力が軽減され、繰り返し回数が向上する。
また、AlNr中のNの量を連続的に変化させ徐々にA
lに近付けていくことにより、その効果はより顕著とな
る。
【0008】本発明において第1層、第2層(中間
相)、第3層及び記録層の各層に含まれる元素組成の測
定にはオージェ電子分光法を用いたが、そのほかにもX
線マイクロアナリシス、蛍光X線、ラザフォード後方散
乱などの分析法が考えられる。その際にはオージェ電子
分光法で得られる値との較正をする必要がある。
相)、第3層及び記録層の各層に含まれる元素組成の測
定にはオージェ電子分光法を用いたが、そのほかにもX
線マイクロアナリシス、蛍光X線、ラザフォード後方散
乱などの分析法が考えられる。その際にはオージェ電子
分光法で得られる値との較正をする必要がある。
【0009】各層の膜厚は触針法により、あらかじめ較
正した製膜速度をもとに制御したが、そのほかにもSE
M等の直接観察等が考えられる。
正した製膜速度をもとに制御したが、そのほかにもSE
M等の直接観察等が考えられる。
【0010】第1層、中間相、第3層及び記録層の各層
中に含まれる物質の観測はX線または電子線回折が適し
ている。
中に含まれる物質の観測はX線または電子線回折が適し
ている。
【0011】本発明に用いた第1層を設置する際の反応
ガスにはアルゴンと窒素を流量比約3:1で混合して用
いたが、スパッタ装置、背圧、反応圧等の要件に依存す
るため、その都度適切な流量比を求める必要がある。
ガスにはアルゴンと窒素を流量比約3:1で混合して用
いたが、スパッタ装置、背圧、反応圧等の要件に依存す
るため、その都度適切な流量比を求める必要がある。
【0012】また、第1層のAlNr中のN元素濃度比
rは0.84≦r≦0.92がより好ましい。
rは0.84≦r≦0.92がより好ましい。
【0013】また、第3層の膜厚d3は充分な熱伝導率
や反射率を得るために400Å以上がより好ましく、記
録感度の点から2000Å以下がより好ましい。
や反射率を得るために400Å以上がより好ましく、記
録感度の点から2000Å以下がより好ましい。
【0014】第1層の膜厚d1と第2層の膜厚d2との合
計d1+d2はより良好な熱伝導率を得るために200Å
以上がより好ましく、第3層への熱伝達をより効率よく
行うために2000Å以下がより好ましい。
計d1+d2はより良好な熱伝導率を得るために200Å
以上がより好ましく、第3層への熱伝達をより効率よく
行うために2000Å以下がより好ましい。
【0015】第1層の膜厚d1に対する第2層の膜厚d2
の比d2/d1は第1層と第3層との界面の連続性をより
良好にするために0.05以上がより好ましく、第3層
への放熱効果を保持するためには0.25以下がより好
ましい。
の比d2/d1は第1層と第3層との界面の連続性をより
良好にするために0.05以上がより好ましく、第3層
への放熱効果を保持するためには0.25以下がより好
ましい。
【0016】以下本発明を添付図面に基づき説明する。
図1は本発明の構成例を示すものである。基板1上に耐
熱性保護層2、記録層3、第1層4及び第2層5、第3
層6が設けられている。耐熱性保護層2はかならずしも
設ける必要はないが、基板がポリカーボネート樹脂のよ
うに耐熱性が低い材料の場合には耐熱性保護層2を設け
ることが望ましい。
図1は本発明の構成例を示すものである。基板1上に耐
熱性保護層2、記録層3、第1層4及び第2層5、第3
層6が設けられている。耐熱性保護層2はかならずしも
設ける必要はないが、基板がポリカーボネート樹脂のよ
うに耐熱性が低い材料の場合には耐熱性保護層2を設け
ることが望ましい。
【0017】本発明の記録層は各種気相成長法、たとえ
ば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、
光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着
法などによって形成できる。気相成長法以外にゾルゲル
法のような湿式プロセスも適用可能である。最も好適と
考えられる方法として、AgInTe2とSbとを原材
料として用いる方法があり、それらをターゲットとして
rfマグネトロンスパッタ法で設置する。
ば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、
光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着
法などによって形成できる。気相成長法以外にゾルゲル
法のような湿式プロセスも適用可能である。最も好適と
考えられる方法として、AgInTe2とSbとを原材
料として用いる方法があり、それらをターゲットとして
rfマグネトロンスパッタ法で設置する。
【0018】記録層の膜厚としては100〜10000
Å、好適には200〜3000Åとするのがよい。10
0Åより薄いと光吸収能が著しく低下し、記録層として
の役割をはたさなくなる。また10000Åより厚いと
高速で均一な相変化がおこりにくくなる。
Å、好適には200〜3000Åとするのがよい。10
0Åより薄いと光吸収能が著しく低下し、記録層として
の役割をはたさなくなる。また10000Åより厚いと
高速で均一な相変化がおこりにくくなる。
【0019】基板の材料は通常ガラス、セラミックス、
あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で
好適である。樹脂の代表例としてはポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、
アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フッ素
系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などがあげられる
が、加工性、光学特性などの点でポリカーボネート樹
脂、アクリル系樹脂が好ましい。また基板の形状として
はディスク状、カード状あるいはシート状であってもよ
い。
あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で
好適である。樹脂の代表例としてはポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、
アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フッ素
系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などがあげられる
が、加工性、光学特性などの点でポリカーボネート樹
脂、アクリル系樹脂が好ましい。また基板の形状として
はディスク状、カード状あるいはシート状であってもよ
い。
【0020】耐熱性保護層2の材料としては、SiO,
SiO2,ZnO,SnO2,Al2O3,TiO2,In2
O3,MgO,ZrO2などの金属酸化物、Si3N4,A
lN,TiN,BN,ZrNなどの窒化物、ZnS,I
n2S3,TaS4などの硫化物、SiC,TaC,B
4C,WC,TiC,ZrCなどの炭化物やダイヤモン
ド状カーボンあるいはそれらの混合物が挙げられる。こ
れらの材料は単体で保護層とすることもできるが、お互
いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を
含んでいてもよい。但し耐熱保護層の融点は記録層の融
点よりも高いことが必要である。このような耐熱性保護
層は各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリ
ング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレー
ティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成でき
る。耐熱性保護層の膜厚としては200〜5000Å、
好適には500〜3000Åとするのがよい。200Å
よりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果さなく
なり、逆に5000Åよりも厚くなると感度の低下をき
たしたり、界面剥離を生じやすくなる。又、必要に応じ
て保護層を多層化することもできる。
SiO2,ZnO,SnO2,Al2O3,TiO2,In2
O3,MgO,ZrO2などの金属酸化物、Si3N4,A
lN,TiN,BN,ZrNなどの窒化物、ZnS,I
n2S3,TaS4などの硫化物、SiC,TaC,B
4C,WC,TiC,ZrCなどの炭化物やダイヤモン
ド状カーボンあるいはそれらの混合物が挙げられる。こ
れらの材料は単体で保護層とすることもできるが、お互
いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を
含んでいてもよい。但し耐熱保護層の融点は記録層の融
点よりも高いことが必要である。このような耐熱性保護
層は各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリ
ング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレー
ティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成でき
る。耐熱性保護層の膜厚としては200〜5000Å、
好適には500〜3000Åとするのがよい。200Å
よりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果さなく
なり、逆に5000Åよりも厚くなると感度の低下をき
たしたり、界面剥離を生じやすくなる。又、必要に応じ
て保護層を多層化することもできる。
【0021】記録、再生および消去に用いる電磁波とし
てはレーザー光、電子線、X線、紫外線、可視光線、赤
外線、マイクロ波など種々のものが採用可能であるが、
ドライブに取付ける際、小型でコンパクトな半導体レー
ザーが最適である。
てはレーザー光、電子線、X線、紫外線、可視光線、赤
外線、マイクロ波など種々のものが採用可能であるが、
ドライブに取付ける際、小型でコンパクトな半導体レー
ザーが最適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。但しこれらの実施例は本発明をなんら制限するも
のではない。
する。但しこれらの実施例は本発明をなんら制限するも
のではない。
【0023】実施例1 3.5インチグルーヴ付きポリカーボネートディスク基
板上に下部耐熱保護層としてZnS・SiO2(20m
ol比混)を2000Å、Ag−In−Sb−Te系記
録層を200Å、第1層を1300Å、第2層を200
Å、第3層を900Å、順次rfマグネトロンスパッタ
法により設置し、ディスクを作製した。第1層中のAl
Nrのr値は0.85であり、第2層中のAlNrのr
値は0.80であった。記録層はディスク作製時にはア
モルファス状態であり、波長830nmの半導体レーザ
ー光により充分結晶化させ初期化状態(未記録状態)と
した。
板上に下部耐熱保護層としてZnS・SiO2(20m
ol比混)を2000Å、Ag−In−Sb−Te系記
録層を200Å、第1層を1300Å、第2層を200
Å、第3層を900Å、順次rfマグネトロンスパッタ
法により設置し、ディスクを作製した。第1層中のAl
Nrのr値は0.85であり、第2層中のAlNrのr
値は0.80であった。記録層はディスク作製時にはア
モルファス状態であり、波長830nmの半導体レーザ
ー光により充分結晶化させ初期化状態(未記録状態)と
した。
【0024】線速度1.3m/s、記録周波数720k
Hz、50%デューティ比で記録し、記録周波数0.2
kHzでオーバーライトを行ったときの周波数720k
Hzの信号のC/N、消去比、オーバーライト時のパワ
ー、オーバーライト繰り返し回数を測定し記録媒体とし
ての測定を行った。繰り返し回数はC/Nまたは消去比
が3dB以上劣化した時点とした。結果を表1に示す。
記録消去特性は非常に優れたものであり、同時に繰り返
し回数も104を達成している。
Hz、50%デューティ比で記録し、記録周波数0.2
kHzでオーバーライトを行ったときの周波数720k
Hzの信号のC/N、消去比、オーバーライト時のパワ
ー、オーバーライト繰り返し回数を測定し記録媒体とし
ての測定を行った。繰り返し回数はC/Nまたは消去比
が3dB以上劣化した時点とした。結果を表1に示す。
記録消去特性は非常に優れたものであり、同時に繰り返
し回数も104を達成している。
【0025】比較例1 実施例1と同様のディスクを作製した。但し、第2層は
ないものとし、第1層は1500Åとした。ディスク特
性を表1中に示す。非常に優れたディスク特性が得られ
ているが、繰り返しの回数が5000回程度となってい
る。
ないものとし、第1層は1500Åとした。ディスク特
性を表1中に示す。非常に優れたディスク特性が得られ
ているが、繰り返しの回数が5000回程度となってい
る。
【0026】実施例2 実施例1と同様の構成のディスクを作製した。第1層作
製後、第2層作製時にN2流量を徐々に下げていき、連
続して第1層、第2層、第3層を設置した。第2層にお
けるr値を図2に示す。実施例1と同様のディスク特性
を下記表1中に示す。繰り返し回数が大きく向上してい
ることがわかる。また、記録パワーに変化は見られな
い。
製後、第2層作製時にN2流量を徐々に下げていき、連
続して第1層、第2層、第3層を設置した。第2層にお
けるr値を図2に示す。実施例1と同様のディスク特性
を下記表1中に示す。繰り返し回数が大きく向上してい
ることがわかる。また、記録パワーに変化は見られな
い。
【0027】
【表1】
【0028】実施例3 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
r値を0.97、0.92、0.88、0.83、0.
80とし繰り返し回数を測定した。結果を図3に示す。
これからわかるようにr≧0.82で良好な繰り返し特
性が得られる。 実施例4 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
第3層の膜厚dを100、200、350、500、7
00、900、1200、1500、2000、300
0Åと変化させたときのC/Nと記録パワーを図4に示
す。200Åから2500Åの間で良好な特性が得られ
ている。繰り返し回数は200Åから2500Åの間で
いずれも10000回から100000回という値が得
られた。 実施例5 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
第1層の膜厚d1と第2層の膜厚d2との膜厚比d2/d1
を一定(0.15)としたときの第1層と第2層の合計
膜厚d1+d2を変化させた。繰り返し回数の膜厚変化を
図5に示す。この図から150≦d1+d2≦2500の
範囲で繰り返し回数に大きな向上が見られた。
r値を0.97、0.92、0.88、0.83、0.
80とし繰り返し回数を測定した。結果を図3に示す。
これからわかるようにr≧0.82で良好な繰り返し特
性が得られる。 実施例4 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
第3層の膜厚dを100、200、350、500、7
00、900、1200、1500、2000、300
0Åと変化させたときのC/Nと記録パワーを図4に示
す。200Åから2500Åの間で良好な特性が得られ
ている。繰り返し回数は200Åから2500Åの間で
いずれも10000回から100000回という値が得
られた。 実施例5 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
第1層の膜厚d1と第2層の膜厚d2との膜厚比d2/d1
を一定(0.15)としたときの第1層と第2層の合計
膜厚d1+d2を変化させた。繰り返し回数の膜厚変化を
図5に示す。この図から150≦d1+d2≦2500の
範囲で繰り返し回数に大きな向上が見られた。
【0029】実施例6 実施例2と同様の構成、製膜法でディスクを作製した。
第1層と第2層の合計膜厚を一定(1500Å)とした
ときの第1層の膜厚d1と第2層の膜厚d2との膜厚比d
2/d1を変化させた。繰り返し回数の膜厚比変化を図6
に示す。この図から0<d2/d1≦0.3の範囲で繰り
返し回数に大きな向上が見られた。
第1層と第2層の合計膜厚を一定(1500Å)とした
ときの第1層の膜厚d1と第2層の膜厚d2との膜厚比d
2/d1を変化させた。繰り返し回数の膜厚比変化を図6
に示す。この図から0<d2/d1≦0.3の範囲で繰り
返し回数に大きな向上が見られた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりオー
バーライト繰り返し特性が良好であり、消去比が高く低
パワーで記録−消去を行うことができる。
バーライト繰り返し特性が良好であり、消去比が高く低
パワーで記録−消去を行うことができる。
【図1】本発明の光記録媒体の構成を示す断面の模式
図、
図、
【図2】実施例2の第2層におけるr値の変化を示すグ
ラフ、
ラフ、
【図3】実施例3におけるr値と繰り返し回数の関係を
示すグラフ、
示すグラフ、
【図4】実施例4における第3層の膜厚dとC/Nと記
録パワーとの関係を示すグラフ、
録パワーとの関係を示すグラフ、
【図5】実施例5における第1層と第2層の合計膜厚と
繰り返し回数との関係を示すグラフ、
繰り返し回数との関係を示すグラフ、
【図6】実施例6における第1層と第2層の膜厚比と繰
り返し回数との関係を示すグラフ。
り返し回数との関係を示すグラフ。
1 基板 2 耐熱保護層 3 記録層 4 第1層 5 第2層 6 第3層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々山 治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 影山 喜之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平5−144084(JP,A) 特開 平4−232779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 G11B 7/26
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも記録層と保護層を有
する光記録媒体において、保護層が、主成分としてAl
Nrを有する第1層と、第1層よりN含有量の少ない第
2層と、Alを有する第3層とを隣接して構成され、該
第1層のAlNr中のAlに対するNの元素濃度比r
(r=Nの元素濃度/Alの元素濃度)が、 0.84≦r≦0.92 であ ることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 保護層のN含有量が第3層の方向に、連
続して減少するように変化している第2層を有すること
を特徴とする請求項1記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 保護層の第3層の膜厚dが 200Å≦d≦2500Å であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光
記録媒体。 - 【請求項4】 保護層の第1層の膜厚d1と第2層の膜
厚d2との合計d1+d2が 150Å≦d1+d2≦2500Å であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れ
かに記載の光記録媒体。 - 【請求項5】 保護層の第1層の膜厚d1に対する第2
層の膜厚d2の比d2/d1が 0<d2/d1≦0.3 であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れ
かに記載の光記録媒体。 - 【請求項6】 光記録媒体中に設けられる記録消去を担
う記録層として、Ag、In、Sb、Teを含む4元系
の相変化記録媒体を主成分として含有し、消去時に化学
量論組成あるいはそれに近いAgSbTe2微結晶層が
存在する記録材料を有することを特徴とする請求項1記
載の光記録媒体。 - 【請求項7】 記録層の安定状態における化学構造が主
として、化学量論組成あるいはそれに近いAgSbTe
2相と、InとSbからなる相の混相状態をとる記録材
料を有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒
体。 - 【請求項8】 保護層を作成するときAlターゲットを
用い、N2を含む反応ガス中で反応性スパッタ法により
第1層を作製し、その後反応ガス中のN2量を減ずるこ
とにより連続して第2層を設け、さらにその後反応ガス
中にN2量を用いずに第3層を連続して作製することを
特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の光
記録媒体の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33041192A JP3299794B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 光記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33041192A JP3299794B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 光記録媒体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06180860A JPH06180860A (ja) | 1994-06-28 |
JP3299794B2 true JP3299794B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=18232305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33041192A Expired - Fee Related JP3299794B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 光記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3299794B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0685441B2 (ja) * | 1986-06-18 | 1994-10-26 | 日産自動車株式会社 | 半導体装置 |
JP4279533B2 (ja) * | 2002-09-09 | 2009-06-17 | 日鉱金属株式会社 | スパッタリングターゲット及び光記録媒体 |
JP4817137B2 (ja) * | 2002-09-09 | 2011-11-16 | Jx日鉱日石金属株式会社 | スパッタリングターゲット及び光記録媒体 |
-
1992
- 1992-12-10 JP JP33041192A patent/JP3299794B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06180860A (ja) | 1994-06-28 |
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