JP2954731B2 - 情報記録媒体及びそれを用いる情報記録方法 - Google Patents
情報記録媒体及びそれを用いる情報記録方法Info
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- JP2954731B2 JP2954731B2 JP3089319A JP8931991A JP2954731B2 JP 2954731 B2 JP2954731 B2 JP 2954731B2 JP 3089319 A JP3089319 A JP 3089319A JP 8931991 A JP8931991 A JP 8931991A JP 2954731 B2 JP2954731 B2 JP 2954731B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体、特に相変
化型情報記録媒体であって、光ビームを照射することに
より記録層材料に相変化を生じさせ、情報の記録、再生
を行い、かつ、書換えが可能である情報記録媒体に関す
るものであり、光メモリー関連機器、特に書換え可能な
コンパクトディスク(CD)に応用される。
化型情報記録媒体であって、光ビームを照射することに
より記録層材料に相変化を生じさせ、情報の記録、再生
を行い、かつ、書換えが可能である情報記録媒体に関す
るものであり、光メモリー関連機器、特に書換え可能な
コンパクトディスク(CD)に応用される。
【0002】
【従来の技術】電磁波、特にレーザービームの照射によ
る情報の記録、再生及び消去可能な光メモリー媒体の一
つとして、結晶−非晶質相間あるいは結晶−結晶相間の
転移を利用する、いわゆる相変化型光情報記録媒体がよ
く知られている。特に光磁気メモリーでは困難な単一ビ
ームによるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の
光学系もより単純であることなどから最近その研究開発
が活発になされている。その代表的な記録材料として
は、USP 3,530,441に開示されているよう
な、Ge−Te、Ge−Te−Sb−S、Ge−Te−
S、Ge−Se−S、Ge−Se−Sb、Ge−As−
Se、In−Te、Se−Te、Se−Asなどのいわ
ゆるカルコゲン系合金材料があげられる。又、安定性、
高速結晶化などの向上を目的としてGe−Te系にAu
(特開昭61−219692号公報)、Sn及びAu
(特開昭61−270190号公報)、Pd(特開昭6
2−19490号公報)等を添加した材料の提案や、記
録/消去の繰返し性能向上を目的として、Ge−Te−
Se−Sbの組成比を特定した材料(特開昭62−73
438号公報)の提案などもなされている。しかしなが
ら、そのいずれもが相変化型書換え可能光メモリー媒体
として要求される諸特性のすべてを満足しうるものとは
いえない。
る情報の記録、再生及び消去可能な光メモリー媒体の一
つとして、結晶−非晶質相間あるいは結晶−結晶相間の
転移を利用する、いわゆる相変化型光情報記録媒体がよ
く知られている。特に光磁気メモリーでは困難な単一ビ
ームによるオーバーライトが可能であり、ドライブ側の
光学系もより単純であることなどから最近その研究開発
が活発になされている。その代表的な記録材料として
は、USP 3,530,441に開示されているよう
な、Ge−Te、Ge−Te−Sb−S、Ge−Te−
S、Ge−Se−S、Ge−Se−Sb、Ge−As−
Se、In−Te、Se−Te、Se−Asなどのいわ
ゆるカルコゲン系合金材料があげられる。又、安定性、
高速結晶化などの向上を目的としてGe−Te系にAu
(特開昭61−219692号公報)、Sn及びAu
(特開昭61−270190号公報)、Pd(特開昭6
2−19490号公報)等を添加した材料の提案や、記
録/消去の繰返し性能向上を目的として、Ge−Te−
Se−Sbの組成比を特定した材料(特開昭62−73
438号公報)の提案などもなされている。しかしなが
ら、そのいずれもが相変化型書換え可能光メモリー媒体
として要求される諸特性のすべてを満足しうるものとは
いえない。
【0003】また、特開昭63−251290号公報に
は、結晶状態が実質的に三元以上の多元化合物単相から
なる記録層を形成した光情報記録媒体(以降「光記録媒
体」と略記することがある)が提案されている。ここで
の“実質的に三元以上の多元化合物単相”とは、三元以
上の化学量論組成をもった化合物(例えばIn3SbT
e2など)を記録層中に90原子%以上含むものとされ
ている。そして、このような記録層を用いることによ
り、高速記録、高速消去が可能となるとしている。だ
が、このものでは記録、消去に要するレ−ザ−パワ−は
未だ充分ではなく、消去比も低い(消し残りが大きい)
等の欠点を有している。更に、特開平1−277338
号公報には(Sba Te1-a )1-Y MY (ここで0.4
≦a<0.7、Y≦0.2であり、MはAg、Al、A
s、Au、Bi、Cu、Ga、Ge、In、Pb、P
t、Se、Si、Sn及びZnからなる群から選ばれる
少なくとも1種である。)で表される組成の合金からな
る記録層を有する光記録媒体が提案されている。この系
の基本はSb2Te3であり、Sb過剰にすることによ
り、高速消去、繰返し特性を向上させ、Mの添加により
高速消去を促進させている。加えて、DC光による消去
率も大きいとしている。しかし、この文献にはオ−バ−
ライト時の消去率は示されておらず(本発明者らの検討
結果では消し残りが認められた)、記録感度も不十分で
ある。
は、結晶状態が実質的に三元以上の多元化合物単相から
なる記録層を形成した光情報記録媒体(以降「光記録媒
体」と略記することがある)が提案されている。ここで
の“実質的に三元以上の多元化合物単相”とは、三元以
上の化学量論組成をもった化合物(例えばIn3SbT
e2など)を記録層中に90原子%以上含むものとされ
ている。そして、このような記録層を用いることによ
り、高速記録、高速消去が可能となるとしている。だ
が、このものでは記録、消去に要するレ−ザ−パワ−は
未だ充分ではなく、消去比も低い(消し残りが大きい)
等の欠点を有している。更に、特開平1−277338
号公報には(Sba Te1-a )1-Y MY (ここで0.4
≦a<0.7、Y≦0.2であり、MはAg、Al、A
s、Au、Bi、Cu、Ga、Ge、In、Pb、P
t、Se、Si、Sn及びZnからなる群から選ばれる
少なくとも1種である。)で表される組成の合金からな
る記録層を有する光記録媒体が提案されている。この系
の基本はSb2Te3であり、Sb過剰にすることによ
り、高速消去、繰返し特性を向上させ、Mの添加により
高速消去を促進させている。加えて、DC光による消去
率も大きいとしている。しかし、この文献にはオ−バ−
ライト時の消去率は示されておらず(本発明者らの検討
結果では消し残りが認められた)、記録感度も不十分で
ある。
【0004】同様に、特開昭60−177446号公報
では記録層に(In1-X SbX )1-Y MY (0.55≦
X≦0.80、0≦Y≦0.20であり、MはAu、A
g、Cu、Pd、Pt、Al、Si、Ge、Ga、S
n、Te、Se、Biである。)なる合金を用い、ま
た、特開昭63−228433号公報では記録層にGe
Te−Sb2Te3−Sb(過剰)なる合金を用いている
が、いずれも感度、消去比等の特性を満足するものでは
ない。これまでみてきたように、光記録媒体において
は、特に記録感度、消去感度の向上、オ−バ−ライト時
の消し残りによる消去比低下の防止、並びに記録部、未
記録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となってい
る。これらの問題点を解決する手段の一つとして、記録
層の上下に化学的に安定した耐熱性の良好な保護層を設
ける技術が提案されている(特開昭61−5450、6
3−259855)。耐熱保護層に要求される機能とし
ては、レーザー光に対する透明性、動作温度に対し高融
点であること、機械的強度が高いこと、化学的安定性に
富むこと等が挙げられるが、相変化型記録層、特にカル
コゲン系化合物を用いた記録層の場合、カルコゲン元素
が活性であるため、化学的に不活性な保護材料が極めて
重要な意味を持つ。
では記録層に(In1-X SbX )1-Y MY (0.55≦
X≦0.80、0≦Y≦0.20であり、MはAu、A
g、Cu、Pd、Pt、Al、Si、Ge、Ga、S
n、Te、Se、Biである。)なる合金を用い、ま
た、特開昭63−228433号公報では記録層にGe
Te−Sb2Te3−Sb(過剰)なる合金を用いている
が、いずれも感度、消去比等の特性を満足するものでは
ない。これまでみてきたように、光記録媒体において
は、特に記録感度、消去感度の向上、オ−バ−ライト時
の消し残りによる消去比低下の防止、並びに記録部、未
記録部の長寿命化が解決すべき最重要課題となってい
る。これらの問題点を解決する手段の一つとして、記録
層の上下に化学的に安定した耐熱性の良好な保護層を設
ける技術が提案されている(特開昭61−5450、6
3−259855)。耐熱保護層に要求される機能とし
ては、レーザー光に対する透明性、動作温度に対し高融
点であること、機械的強度が高いこと、化学的安定性に
富むこと等が挙げられるが、相変化型記録層、特にカル
コゲン系化合物を用いた記録層の場合、カルコゲン元素
が活性であるため、化学的に不活性な保護材料が極めて
重要な意味を持つ。
【0005】この点で一般的に用いられている酸化物系
誘電体材料等は未だ充分その要求に応えているとは言え
ない。更に耐熱保護層は放熱層(熱伝達層)としての機
能も備えている。一般に放熱層は熱伝導率が小さすぎる
場合、アモルファス化に必要な急冷効果が得られず、ま
た、大きすぎる場合、熱の有効利用ができず、すなわ
ち、結晶化に必要な徐冷条件がととのわず、記録・消去
感度の低下をもたらした。この様に放熱層は記録膜に適
応した熱伝導率に制御する必要がある。しかし、上記材
料群では広範囲な熱伝導率の制御は困難であった。例え
ば線速度が3m/s以下、特にコンパクトディスクの規
格になっている1.2〜1.4m/s程度の低線速度の
場合、記録時(レーザー光吸収時)に生じる熱の冷却速
度が不充分となりやすく、そのため、良好な記録マーク
が得られなくなる。
誘電体材料等は未だ充分その要求に応えているとは言え
ない。更に耐熱保護層は放熱層(熱伝達層)としての機
能も備えている。一般に放熱層は熱伝導率が小さすぎる
場合、アモルファス化に必要な急冷効果が得られず、ま
た、大きすぎる場合、熱の有効利用ができず、すなわ
ち、結晶化に必要な徐冷条件がととのわず、記録・消去
感度の低下をもたらした。この様に放熱層は記録膜に適
応した熱伝導率に制御する必要がある。しかし、上記材
料群では広範囲な熱伝導率の制御は困難であった。例え
ば線速度が3m/s以下、特にコンパクトディスクの規
格になっている1.2〜1.4m/s程度の低線速度の
場合、記録時(レーザー光吸収時)に生じる熱の冷却速
度が不充分となりやすく、そのため、良好な記録マーク
が得られなくなる。
【0006】
(1)本発明は従来技術における以上の問題を全て解消
し、高い記録感度及び消去比を有し、しかも記録・消去
の繰返しによるC/N劣化もなく、長寿命の記録が可能
な上、複雑なシステムも必要としない書換え可能型情報
記録媒体、および、(2)書換え可能なコンパクトディ
スクを提供しようとするものである。
し、高い記録感度及び消去比を有し、しかも記録・消去
の繰返しによるC/N劣化もなく、長寿命の記録が可能
な上、複雑なシステムも必要としない書換え可能型情報
記録媒体、および、(2)書換え可能なコンパクトディ
スクを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの情
報記録媒体およびそれを用いる情報記録方法である。こ
の情報記録媒体の構成について説明すると、上部耐熱保
護層の材料として比較的熱伝導率の大きい材料を用いる
のが特徴である。Cuを含むカルコパイライト型化合物
は光ディスクの耐熱保護層に求められる基本物性(高融
点、透光性)を満足するだけでなく、一般の高融点誘電
材料に比べ、熱伝導率が高く、又相変化ディスクに用い
られる記録層材料、特に本発明の記録層との整合性が良
好であるので上部耐熱保護層の材料として適している。
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの情
報記録媒体およびそれを用いる情報記録方法である。こ
の情報記録媒体の構成について説明すると、上部耐熱保
護層の材料として比較的熱伝導率の大きい材料を用いる
のが特徴である。Cuを含むカルコパイライト型化合物
は光ディスクの耐熱保護層に求められる基本物性(高融
点、透光性)を満足するだけでなく、一般の高融点誘電
材料に比べ、熱伝導率が高く、又相変化ディスクに用い
られる記録層材料、特に本発明の記録層との整合性が良
好であるので上部耐熱保護層の材料として適している。
【0008】また、下部耐熱保護層は常に必要なもので
はないが、基板が例えばポリカーボネート樹脂のように
耐熱性の低い材料の場合には下部耐熱保護層が必要であ
る。Ag、In、Te、Sbを含む4元系の相変化形記
録材料を主成分として含有する材料は記録(アモルファ
ス化)感度、消去(結晶化)感度・速度及び消去比が極
めて良好であるので記録層の材料として適している。
はないが、基板が例えばポリカーボネート樹脂のように
耐熱性の低い材料の場合には下部耐熱保護層が必要であ
る。Ag、In、Te、Sbを含む4元系の相変化形記
録材料を主成分として含有する材料は記録(アモルファ
ス化)感度、消去(結晶化)感度・速度及び消去比が極
めて良好であるので記録層の材料として適している。
【0009】上記記録層とその上に積層する上部耐熱保
護層との組合せにより、1.2〜1.4m/秒という低
線速度においても、記録(アモルファス化)時の急冷条
件及び消去(結晶化)時の徐冷条件を同時に満足するこ
とができ、良好な記録・再生特性が得られる。耐熱保護
層は光学的エネルギーギャップ(Eg.opt)が大き
いものが好ましく1.5eV以上のものが適している。
特にこれが大きいことはディスク反射率向上のためにも
好ましい。また耐熱保護層の融点は800℃、好ましく
は1000℃以上がよい。下記表Aに本発明の耐熱保護
層の材料の光学的エネルギーギャップ及び融点を示す。
護層との組合せにより、1.2〜1.4m/秒という低
線速度においても、記録(アモルファス化)時の急冷条
件及び消去(結晶化)時の徐冷条件を同時に満足するこ
とができ、良好な記録・再生特性が得られる。耐熱保護
層は光学的エネルギーギャップ(Eg.opt)が大き
いものが好ましく1.5eV以上のものが適している。
特にこれが大きいことはディスク反射率向上のためにも
好ましい。また耐熱保護層の融点は800℃、好ましく
は1000℃以上がよい。下記表Aに本発明の耐熱保護
層の材料の光学的エネルギーギャップ及び融点を示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明の記録層は各種気相成長法、例えば
真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光
CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法
等によって形成できる。気相成長法以外にゾルゲル法の
ような湿式プロセスも適用可能である。記録層の膜厚と
しては200〜10000Å、好適には400〜300
0Åとするのが良い。200Åより薄いと光吸収能が著
しく低下し、記録層としての役割を果たさなくなる。ま
た10000Åより厚いと高速で均一な相変化が起こり
にくくなる。
真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光
CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法
等によって形成できる。気相成長法以外にゾルゲル法の
ような湿式プロセスも適用可能である。記録層の膜厚と
しては200〜10000Å、好適には400〜300
0Åとするのが良い。200Åより薄いと光吸収能が著
しく低下し、記録層としての役割を果たさなくなる。ま
た10000Åより厚いと高速で均一な相変化が起こり
にくくなる。
【0012】基板の材料は通常ガラス、セラミックス、
あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コスト等の点
で好適である。樹脂の代表例としてはポリカーボネート
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等があげられる
が、加工性、光学特性等の点でポリカーボネート樹脂、
アクリル系樹脂が好ましい。
あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コスト等の点
で好適である。樹脂の代表例としてはポリカーボネート
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等があげられる
が、加工性、光学特性等の点でポリカーボネート樹脂、
アクリル系樹脂が好ましい。
【0013】下部耐熱性保護層の材料としては、Si
O、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、
In2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化物、Si
3N4、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、Z
nS、In2S3、TaS4等の硫化物、SiC、Ta
C、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイ
ヤモンド状カーボンあるいはそれらの混合物があげられ
る。これらの材料は単体で保護層とすることもできる
が、お互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて
不純物を含んでいてもよい。
O、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、
In2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化物、Si
3N4、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、Z
nS、In2S3、TaS4等の硫化物、SiC、Ta
C、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイ
ヤモンド状カーボンあるいはそれらの混合物があげられ
る。これらの材料は単体で保護層とすることもできる
が、お互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて
不純物を含んでいてもよい。
【0014】但し耐熱保護層の融点は記録層の融点より
も高いことが必要である。このような耐熱性保護層は各
種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、
プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング
法、電子ビーム蒸着法等によって形成できる。耐熱性保
護層の膜厚としては200〜5000Å、好適には500〜3000Å
とするのがよい。200Åより薄くなると耐熱性保護層と
しての機能を果たさなくなり、逆に5000Åよりも厚くな
ると、感度の低下をきたしたり、界面剥離を生じやすく
なる。又、必要に応じて保護層を多層化することもでき
る。
も高いことが必要である。このような耐熱性保護層は各
種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、
プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング
法、電子ビーム蒸着法等によって形成できる。耐熱性保
護層の膜厚としては200〜5000Å、好適には500〜3000Å
とするのがよい。200Åより薄くなると耐熱性保護層と
しての機能を果たさなくなり、逆に5000Åよりも厚くな
ると、感度の低下をきたしたり、界面剥離を生じやすく
なる。又、必要に応じて保護層を多層化することもでき
る。
【0015】反射層としてはAl、Auなどの金属材
料、またはそれらの合金などを用いることができる。好
ましくは熱伝導率が高い(好適には2.0W/cm・d
eg以上)材料、例えばAg、Au、Cu、Alが良
く、Ag(4.2W/cm・deg)、Au(3.0W
/cm・deg)、或いはそれらの合金が特に好まし
い。反射層はこの場合、放熱層としての機能も担ってい
る。反射層の膜厚は200〜3000Å、好適には50
0〜2000Åがよい。このような反射層は各種気相成
長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ
CVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子
ビーム蒸着法等によって形成できる。
料、またはそれらの合金などを用いることができる。好
ましくは熱伝導率が高い(好適には2.0W/cm・d
eg以上)材料、例えばAg、Au、Cu、Alが良
く、Ag(4.2W/cm・deg)、Au(3.0W
/cm・deg)、或いはそれらの合金が特に好まし
い。反射層はこの場合、放熱層としての機能も担ってい
る。反射層の膜厚は200〜3000Å、好適には50
0〜2000Åがよい。このような反射層は各種気相成
長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ
CVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子
ビーム蒸着法等によって形成できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 実施例I−1 ピッチ1.6μm、深さ700Åの溝付き、厚さ1.2
mm、直径1200mmφのポリカーボネート基板上に
表I−1に示す構成により、下部耐熱保護層、記録層、
上部耐熱保護層及び反射層を順次積層した。
する。 実施例I−1 ピッチ1.6μm、深さ700Åの溝付き、厚さ1.2
mm、直径1200mmφのポリカーボネート基板上に
表I−1に示す構成により、下部耐熱保護層、記録層、
上部耐熱保護層及び反射層を順次積層した。
【0017】
【表2】
【0018】光ディスクの評価は780nmの半導体レ
ーザー光をN.A.=0.5の対物レンズを通して、基
板側から照射し、媒体面で約1μmφのスポット径にし
ぼり込むことにより行った。製膜直後の記録膜は非晶質
である。測定に際し、最初に媒体面で3mWのDC光で
ディスク全面を十分に結晶化させ、それを初期(未記
録)状態とした。この時のディスクの回転線速度は1.
3m/s一定とした。次に書込みパワーを3〜10mW
まで1mWずつ変化させ、690nsのパルス巾にて記
録性能を評価した。再生光は0.6mW一定とした。そ
の結果4〜10mWでC/N45dB以上の信号が得ら
れた。更に3mWのDC光にて消去したところ、記録マ
ークはほぼ完全に消去され、消し残りは認められなかっ
た。
ーザー光をN.A.=0.5の対物レンズを通して、基
板側から照射し、媒体面で約1μmφのスポット径にし
ぼり込むことにより行った。製膜直後の記録膜は非晶質
である。測定に際し、最初に媒体面で3mWのDC光で
ディスク全面を十分に結晶化させ、それを初期(未記
録)状態とした。この時のディスクの回転線速度は1.
3m/s一定とした。次に書込みパワーを3〜10mW
まで1mWずつ変化させ、690nsのパルス巾にて記
録性能を評価した。再生光は0.6mW一定とした。そ
の結果4〜10mWでC/N45dB以上の信号が得ら
れた。更に3mWのDC光にて消去したところ、記録マ
ークはほぼ完全に消去され、消し残りは認められなかっ
た。
【0019】実施例I−2 記録層材料の組成をAg8In8Te16Sb68、反射層材
料をAgと変えた以外は実施例I−1と全く同様にして
ディスクを作製し、同様の評価を行った。 比較例I−1 記録層材料の組成をAg5In5Te10Sb80とした以外
は実施例I−1と同様の層構成とし、同様の評価を行っ
た。 比較例I−2 記録層をAg10In10Te20Sb60、上部保護層を下部
保護層と同じ[ZnS+SiO2(20%)]複合誘電
層とした以外は実施例I−1と同様の層構成のディスク
を作製し、同様の評価を行った。 比較例I−3 記録層をAg20In20Te30Sb30とした以外は実施例
I−1と同じ評価を行った。それらの結果を表I−2に
整理した。
料をAgと変えた以外は実施例I−1と全く同様にして
ディスクを作製し、同様の評価を行った。 比較例I−1 記録層材料の組成をAg5In5Te10Sb80とした以外
は実施例I−1と同様の層構成とし、同様の評価を行っ
た。 比較例I−2 記録層をAg10In10Te20Sb60、上部保護層を下部
保護層と同じ[ZnS+SiO2(20%)]複合誘電
層とした以外は実施例I−1と同様の層構成のディスク
を作製し、同様の評価を行った。 比較例I−3 記録層をAg20In20Te30Sb30とした以外は実施例
I−1と同じ評価を行った。それらの結果を表I−2に
整理した。
【0020】
【表3】
【0021】更に実施例I−1、2の試料について、以
下の条件にて1ビームオーバーライトを試みたところ、
極めて良好な結果を得た。 ・線速度…1.3m/S ・記録パワー(Pw)…7mW ・消去パワー(PE)…3mW ・記録周波数…f1=0.65MHz f2=0.85MHz 前記表I−2の右欄に、あらかじめf1で記録したトラ
ックにf2でオーバーライトしたときのC/Nと消去比
を示す。実施例I−1、2共に1000回以上のオーバ
ーライトをくり返しても、特性劣化は認められなかっ
た。
下の条件にて1ビームオーバーライトを試みたところ、
極めて良好な結果を得た。 ・線速度…1.3m/S ・記録パワー(Pw)…7mW ・消去パワー(PE)…3mW ・記録周波数…f1=0.65MHz f2=0.85MHz 前記表I−2の右欄に、あらかじめf1で記録したトラ
ックにf2でオーバーライトしたときのC/Nと消去比
を示す。実施例I−1、2共に1000回以上のオーバ
ーライトをくり返しても、特性劣化は認められなかっ
た。
【0022】実施例II−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuAl
Se2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイ
スクを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−
1と同じく、良い結果が得られた。 実施例II−2 上記実施例II−1の記録層材料の組成をAg8In8T
e16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例I
I−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験
をした。上記実施例の結果を下記表II−1に示す。
Se2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイ
スクを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−
1と同じく、良い結果が得られた。 実施例II−2 上記実施例II−1の記録層材料の組成をAg8In8T
e16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例I
I−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験
をした。上記実施例の結果を下記表II−1に示す。
【0023】
【表4】
【0024】更に、実施例II−1、2共に1000回
以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認めら
れなかった。 実施例III−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuGa
S2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイス
クを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−1
と同じく、良い結果が得られた。 実施例III−2 上記実施例III−1の記録層材料の組成をAg8In8
Te16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例
III−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の
試験をした。上記実施例の結果を下記表III−1に示
す。
以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認めら
れなかった。 実施例III−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuGa
S2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイス
クを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−1
と同じく、良い結果が得られた。 実施例III−2 上記実施例III−1の記録層材料の組成をAg8In8
Te16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例
III−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の
試験をした。上記実施例の結果を下記表III−1に示
す。
【0025】
【表5】
【0026】更に、実施例III−1、2共に1000
回以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認め
られなかった。 実施例IV−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuGa
Se2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイ
スクを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−
1と同じく、良い結果が得られた。 実施例IV−2 上記実施例IV−1の記録層材料の組成をAg8In8T
e16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例I
V−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験
をした。上記実施例の結果を下記表IV−1に示す。
回以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認め
られなかった。 実施例IV−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuGa
Se2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイ
スクを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−
1と同じく、良い結果が得られた。 実施例IV−2 上記実施例IV−1の記録層材料の組成をAg8In8T
e16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例I
V−1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験
をした。上記実施例の結果を下記表IV−1に示す。
【0027】
【表6】
【0028】更に、実施例IV−1、2共に1000回
以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認めら
れなかった。 実施例V−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuIn
S2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイス
クを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−1
と同じく、良い結果が得られた。 実施例V−2 上記実施例V−1の記録層材料の組成をAg8In8Te
16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例V−
1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験をし
た。上記実施例の結果を下記表V−1に示す。
以上のオーバーライトをくり返しても特性劣化は認めら
れなかった。 実施例V−1 実施例I−1における上部耐熱保護層の材料をCuIn
S2に替えた以外は実施例I−1と同じ条件で光デイス
クを作製し、同じ条件で試験をした結果、実施例I−1
と同じく、良い結果が得られた。 実施例V−2 上記実施例V−1の記録層材料の組成をAg8In8Te
16Sb68、反射層材料をAgに替えた以外は実施例V−
1と全く同様にしてディスクを作製し、同様の試験をし
た。上記実施例の結果を下記表V−1に示す。
【0029】
【表7】 表V−1 更に、実施例V−1、2共に1000回以上のオーバー
ライトをくり返しても特性劣化は認められなかった。
ライトをくり返しても特性劣化は認められなかった。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明の効果を要約すると
下記のとおりである。 (1)結晶−アモルファス転移特性の良好な記録層材料
と、熱伝導率の良好な上部耐熱保護層との組合せによ
り、低線速度下でも優れた記録・消去性能を有する相変
化形情報記録媒体を獲得できた。 (2)書換え可能なコンパクトディスクが提供可能とな
った。
下記のとおりである。 (1)結晶−アモルファス転移特性の良好な記録層材料
と、熱伝導率の良好な上部耐熱保護層との組合せによ
り、低線速度下でも優れた記録・消去性能を有する相変
化形情報記録媒体を獲得できた。 (2)書換え可能なコンパクトディスクが提供可能とな
った。
【図1】本発明の情報記録媒体の構成の一例を示す断面
の模式図である。
の模式図である。
1 基板 2 下部耐熱保護層 3 記録層 4 上部耐熱保護層 5 光学的反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 博子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−151481(JP,A) 特開 平3−9880(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 B41M 5/26 G11B 7/00
Claims (4)
- 【請求項1】 レーザー光の照射により情報の記録、消
去、再生を行う書換え可能な情報記録媒体において、基
板上に、記録層、上部耐熱保護層、光学的反射層を順次
積層したものであり、この上部耐熱保護層の材料がCu
を含むカルコパイライト型化合物であり、かつ、記録層
が下記一般式で表わされる相変化型記録材料を主成分と
して含有することを特徴とする情報記録媒体。一般式
AgαInβTeγSbδ ただし、5≦α≦17 6≦β≦18 13≦γ≦36 33≦δ≦77 α+β+γ+δ=100 - 【請求項2】 上部耐熱保護層の材料が、CuAl
S2、CuAlSe2、CuGaS2、CuGaSe2、C
uInS2のうちの何れかであることを特徴とする請求
項1記載の情報記録媒体。 - 【請求項3】 基板と記録層との間に更に下部耐熱保護
層を有することを特徴とする請求項1または2記載の情
報記録媒体。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の情報記
録媒体を1.2〜1.4m/秒の定線速度で回転させな
がら、記録層に基板側からレーザー光を照射して信号を
記録することを特徴とする情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3089319A JP2954731B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 情報記録媒体及びそれを用いる情報記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3089319A JP2954731B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 情報記録媒体及びそれを用いる情報記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0589519A JPH0589519A (ja) | 1993-04-09 |
JP2954731B2 true JP2954731B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=13967349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3089319A Expired - Fee Related JP2954731B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 情報記録媒体及びそれを用いる情報記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954731B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3089319A patent/JP2954731B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0589519A (ja) | 1993-04-09 |
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