JP3048235B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP3048235B2
JP3048235B2 JP1326940A JP32694089A JP3048235B2 JP 3048235 B2 JP3048235 B2 JP 3048235B2 JP 1326940 A JP1326940 A JP 1326940A JP 32694089 A JP32694089 A JP 32694089A JP 3048235 B2 JP3048235 B2 JP 3048235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光の照射により、情報の記録、再生が可能
である光情報記録媒体に関するものである。
特に、本発明は、記録情報の消去、書換機能を有し、
情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光ディスク、
光カード、光テープなどの書換可能相変化型光記録媒体
に関するものである。
[従来の技術] 従来の書換可能相変化型光記録媒体の技術は、以下の
ごときものである。
これらの光記録媒体は、テルルを主成分とする記録層
を有する。記録時には、結晶状態の記録層に集束したレ
ーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部分的に溶融
する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、
アンモルファス状態の記録マークが形成される。
この記録マークの光線反射率は、結晶状態より低く、
光学的に記録信号として再生可能である。
また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照
射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱
することによって、アモルファス状態の記録マークを結
晶化し、もとの未記録状態にもどす。
このような書換可能な相変化型光記録媒体の具体的な
例としては、Te81Ge15Sb2S2(特開昭47−26897号公報)
やTe80Sb10Se10(特開昭61−145738号公報)のごとく、
テルルやTe−Se合金に少量のGeやSbなどの架橋元素を添
加し熱安定性を改良した記録材料を、記録層とするもの
がある。
この記録層は、アモルファス状態から結晶状態の切り
替えに際して、結晶状態のテルルと架橋元素のテルル化
物などに相分離するため、結晶化速度が遅い。そのため
記録情報の消去動作もしくは記録動作の速度が、遅くな
る欠点があった。
このような結晶化速度の遅い記録層の消去速度を補う
手段として、媒体走行方向に長くした消去動作用の光ス
ポットで消去をおこなう技術が提案されている。
しかしながら、この技術では光ヘッドが複雑であり、
光学ヘッドの量産化が困難である。また、消去速度を補
うための消去光スポットを長くする場合でも、技術的に
10μm程度までが限界であり、さらに高速の記録、消去
動作を実現するためには、真に結晶化速度が速いことが
必要である。
従来、結晶化速度の速いものとしては、Sb−Se合金を
記録層としたもの(特開昭60−155495号公報)やSb2 Te
3合金を記録層としたもの(特開昭59−185048号公
報)、Te−Ge−Sb合金を記録層としたもの(特開昭62−
209742号公報、特開昭63−225934号公報、N.Yamada et
al,Jpn.Appl.Phys.,26,Suppl.,26−4,61−66(1987))
が知られている。
[発明が解決しようとする課題] Sb−Se合金を記録層とする光記録媒体では、記録、消
去の繰り返しに伴い再生信号のノイズが増大する問題が
あった。また、Sb2 Te3合金を記録層とした光記録媒体
では、アモルファス状態の結晶化温度が100℃以下と低
く、記録マークの熱安定性に問題があった。さらに、Te
−Ge−Sb合金を記録層としたものでは、高速消去可能な
組成では、記録時に記録層に変形、開口が生じ易く、記
録、消去の繰り返しの可逆性はあるが、信頼性に乏しか
った。また、高速消去可能な組成では、アモルファス状
態の結晶化温度は、123〜143℃とやや低く、熱安定性に
乏しい。また、消去時の前記録信号の消去率も不十分で
あり、高速消去性と良好な熱安定性を両立することがで
きなかった。
本発明の目的は、結晶化速度の高速化により消去速度
を高速化した書換可能型光記録媒体を提供することであ
る。
本発明の別の目的は、記録感度が高く、かつキャリア
対ノイズ比、消去率などの記録特性に優れた光記録媒体
を提供することである。
本発明の更に別の目的は、多数回の記録、消去あるい
は書換動作を行っても、記録特性の劣化の少ない光記録
媒体を提供することである。
本発明の他の目的は、結晶化温度が高く、熱安定性に
優れた光記録媒体を提供することである。
本発明の更に他の目的は、耐酸化性、耐湿熱性に優れ
た長寿命の光記録媒体を提供することである。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、基板上に形成された記録層に光
を照射することによって、情報の記録、消去、再生が可
能であり、情報の記録および消去が非晶相と結晶相の間
の相変化により行われる光記録媒体であって、前記光記
録媒体が少なくとも記録層と変形防止層とを有し、該記
録層の組成が、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銀
(Ag)および金(Au)からなる群から選ばれた少なくと
も1種以上の金属と、アンチモン(Sb)、テルル(Te)
およびゲルマニウム(Ge)からなり、その組成が次の一
般式で表わされることを特徴とする光記録媒体である。
(Mx Sby Tel−x−y)1−z(Te0.5 Ge0.5)z 0.01≦x≦0.1 0.45<y≦0.57 0.2 ≦z≦0.35 (但しx、y、zおよび0.5は各元素の原子数比を表わ
す。
またMは、Pd,Ni,AgおよびAuから選ばれた少なくとも
1種以上の金属を表わす。) 記録層の組成の主成分は、SbとTeを主成分とするSb−
Te2元系に、式中Mで示したPd,Ni,AgおよびAuなどの金
属元素を加えた組成物である。
これらM−Sb−Te合金(Mは、Pd,Ni,Ag,Auの少なく
とも1種)は、アモルファス状態となり易く、また融点
も低く、光照射による加熱によって容易に溶融させるこ
とができるため、アモルファスの記録マークの形成が容
易である。
また、この合金は、Sb−Teの2元合金に比べて、結晶
化も速く、おおむね500〜150nsのレーザー光照射によ
り、消去が可能である。さらに、この合金を主成分とす
る記録膜では、Sb−Se合金系に見られるような、記録と
消去の繰返しに伴う不可逆的な相分離や、結晶の粗大化
が起こりにくく、記録感度の変動やキャリア対ノズル比
の低下に代表される記録特性の劣化を軽減することがで
きる。さらに、加えて、この合金は耐酸化性、耐湿熱性
に優れており、長年の使用によっても腐食などにより記
録情報が失われる事がないため、光記録媒体を長寿命化
することができる。
本発明の記録層は、この合金のアモルファス状態の熱
安定性をさらに向上させるため、GeTe化合物の固体溶
体、すなわち化学量論的化合物GeTeを加え混晶化したも
のである。前述のM−Sb−Te合金の代表的な結晶状態
は、斜方面体晶あるいは面心立方晶の単一結晶構造を有
する非化学量論的固溶相であり、その結晶構造と格子定
数は、GeTeに類似するため、容易に固溶体を形成する。
この固溶体の代表的な結晶状態は、x線回析法による分
析から、単一相とみなされる新規な非化学量論的化合物
である。結晶状態が、実質的に単一層であるため、記
録、消去の繰り返しによっても、相分離や組成の偏析な
どが起こり難く、記録特性の変動を低減できる。
また、本発明の光記録媒体の記録層の結晶状態は、実
質的に単相とみなしうる固溶相であり、アモルファス状
態から結晶状態の切り替えに際して、殆ど相分離しない
ため、結晶化速度が速く、高速で、記録、消去、書換動
作が可能であり、かつ熱安定性も良好である。
前述の記録相の組成式において、Mで表したPdなどの
金属の原子数比xが0.1より大きい場合には、消去率の
低下、記録再生信号のノイズの増大や、アモルファス化
が困難になるなどの弊害が生じる。また、0.01未満で
は、アモルファス状態の熱的安定性の改善効果、消去
率、キャリア対ノズル比の改善効果などの有意の効果が
認められない。
Sbの原子数比yが0.57より大きい場合には、記録、消
去の繰返し動作の可逆性が悪化する。
Ge0.5 Te0.5化合物の原子数比zが0.35より大きい場
合は、結晶化速度が遅くなり、高速の消去動作が困難に
なる。一方、0.2より小さい場合には、結晶化温度が低
いため、記録の熱安定性が低下する。
特に、記録、消去あるいは書換動作の繰返しによる記
録特性の劣化がきわめて少なく、消去速度が速く、かつ
熱的安定性が高いことから、Pdおよび/またはNiを含有
する次式(1)の組成の記録膜が好ましい。
式(1) (Mx Sby Tel−x−y)1−z(Te0.5 Ge0.5)z 0.01≦x≦0.1 0.45<y≦0.57 0.2 ≦z≦0.35 但しx,y,z、0.5は各元素の原子数比を表わし、MはPd
および/またはNiの元素を表す。
本発明の記録層の厚さとしては、記録感度を高くでき
ることから10〜150nmが好ましい。さらに良好な再生信
号のキャリア対ノイズ比を得るには、40〜150nmとする
ことが好ましい。
本発明の記録層の両面には変形防止層を設ける。この
場合の光記録媒体の構成は、例えば 基板/第一の変形防止層/記録層/第二の変形防止層 の積層構造とすることができる。
但しこれに限定するものではなく、第2補助変形防止
層上に本発明の効果を損なわない範囲で、他の層、例え
ば、紫外線硬化樹脂などの樹脂保護層や、他の基板と張
り合わせるための接着剤層などを設けてもよい。
この変形防止層は、記録時に基板、記録層などが熱に
よって変形し記録特性が劣化することを防止するための
ものである。前記の変形防止層としては、ZnSを主成分
とすることが重要である。特にZnSの薄膜、およびZnSと
Si,Ge,Ti,Zr,Teなどの金属の酸化物との混合物の薄膜
が、耐熱性が高いことから好ましい。特にZnS膜は、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、キャリア対
ノイズ比などの劣化が起きにくいことから好ましい。変
形防止層の厚さは、およそ10〜500nmである。変形防止
層が、基板や記録層から剥離し難く、クラックなの欠陥
が生じ難いことから、10〜300nmが好ましい。
本発明では、変形防止層に金属薄膜などの補助層を積
層して設けることができる。この場合の光記録媒体の構
成部材は、例えば、基板側から光を入射して使用する構
成では、 基板/第一の変形防止層/記録層/第二の変形防止層/
補助層 の積層構造とすることができる。
但しこれに限定するものではなく、第2層上に本発明
の効果を損なわない範囲で他の層、たとえば、紫外線硬
化樹脂などの樹脂保護層や、他の基板と張り合わせるた
めの接着剤層などを設けてもよい。
この補助層は、変形防止層からの熱拡散を容易にし、
記録時に溶融した記録層の冷却速度を高めることによ
り、アモルファス・マークの形成を容易にする。また、
変形防止層などが、熱的に変形することを防止する効
果、光学的干渉により再生信号のコントラストを改善す
る効果がある、 この補助層の厚さは、10〜100nmが好ましい。補助層
の材質としては、記録光の波長で光反射性、吸収性を有
し、かつ変形防止層よりも熱伝導度の高い金属あるいは
金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などと金属の混合
物、例えばZr,Hf,Ti,Ta,Mo,Si,Al,Auなどの金属や、こ
れらの合金、これらのZr酸化物、Si酸化物、Si窒化物、
Al酸化物などを混合したものが使用できる。特に化学的
安定性が高く、記録層を外的環境から保護し、酸化や腐
食を防止して光記録媒体の寿命を改善することができる
ことから、Hf,Taおよびこれらを主成分とする公知の合
金が好ましい。さらに消去率を大きくとれることからHf
もしくは、Hfを主成分とする公知の合金が特に好まし
い。
本発明に用いられる基板としては、プラスチック、ガ
ラス、アルミニウムなど従来の記録媒体と同様なもので
よい。収束した光ビームにより基板側から記録を行う場
合には、基板として透明材料を用いることが好ましい。
上記のような材料としては、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリカ−ボネイト、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂およ
びガラス等が好ましい。さらに好ましくは、複屈折が小
さいこと、形成が容易であることから、ポリカ−ボネイ
ト、エポキシ樹脂がよい。基板の厚さは、特に限定する
ものではないが、10μm以上、5mm以下が実用的であ
る。10μm未満では基板側から収束光で記録する場合で
もごみの影響を受けやすくなり、5mmを越える場合に
は、収束光で記録する場合、開口数の大きい対物レンズ
を使用することができなくなり、ピットサイズが大きく
なるため記録密度を上げることが困難になる。
基板はフレキシブルなものであってもよいし、リジッ
ドなものであっても良い。フレキシブルな基板は、テ−
プ状、あるいはシ−ト状で用いることができる。リジッ
トな基板は、カ−ド状、あるいは円形デイスク状で用い
ることができる。また必要に応じて、2枚の基板を用い
てエア−サンドイッチ構造、エア−インシデント構造、
密着張リ合わせ構造などとすることもできる。
本発明の光記録媒体の記録に用いる光源としては、レ
−ザ光やストロボ光のごとき高強度の光源であり、とり
わけ、半導体レ−ザを用いることは、光源が小型でかつ
消費電力が小さく、変調が容易であることから好まし
い。
記録は、結晶状態の記録層にレ−ザ光パルスなどを照
射してアモルファスの記録マ−クを形成して行なう。ま
た、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録マ−クを
形成してもよい。消去はレ−ザ光を照射することによっ
て、アモルファスの記録マ−クを結晶化するか、もしく
は結晶状態の記録マ−クをアモルファス化して行なうこ
とができる。
記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形が発生しに
くいことから記録時はアモルファスを行う方法が好まし
い。また、記録(アモルファス化)マーク形成時のピー
クレベルと、消去(結晶化)時のバイアスレベルの間
で、レーザパワーを変調してトラック上の一回のビーム
走査で書換えを行う1ビーム・オーバーライト方式は書
換えの所要時間が短くなることから好ましい。
特に、再記録前の記録信号の消去率が大きくとれるこ
とから、消去率を重視する用途には、次のごとく、光記
録媒体の主要部を構成することが好ましい。
すなわち、第1の変形防止層の厚さが50nm〜300nmで
あり、第2の変形防止層の厚さが10nm〜30nmであり、か
つ記録層の厚さが10nm〜60nm、補助層の厚さが20nm〜10
0nmとした記録層が急冷される構造が好ましい。但しこ
れに限定するものではなく、補助層上に本発明の効果を
損なわない範囲で他の層、たとえば、紫外線硬化樹脂な
どの樹脂保護層や、他の基板と張り合わせるための接着
剤層などを設けてもよい。
特に、高記録密度の記録が可能になることから、前述
の構成の光記録媒体の補助層の材質をAu、Al及びこれら
の金属を主成分とする公知の合金のいずれかとすること
がより好ましい。
また、記録感度が高いことから、記録感度を重視する
用途には、次のごとく、光記録媒体の構成部材を構成す
ることが好ましい。
すなわち、第1の変形防止層の厚さが50nm〜300nmで
あり、第2の変形防止層の厚さが150nm〜250nmであり、
記録層の厚さが10nm〜60nm、補助層の厚さが20nm〜100n
mの層構成が好ましい。但しこれに限定するものではな
く、補助層上に本発明の効果を損なわない範囲で他の
層、たとえば、紫外線硬化樹脂などの樹脂保護層や、他
の基板と張り合わせるための接着剤層などを設けてもよ
い。
特に、消去率が良好であることから、補助層の材質を
HfもしくはHfを主成分とする公知の合金とすることが好
ましい。
次に、本発明の光記録媒体の製造方法について述べ
る。
記録層、変形防止層、補助層などを基板上に形成する
方法としては、公知の真空中での薄膜形成法、例えば真
空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法
などがあげられる。特に組成、膜厚のコントロールが容
易であることから、スパッタリング法が好ましい。
形成する記録層などの厚さの制御は、公知の技術であ
る水晶振動子などの膜厚計をモニタリングすることで容
易に行える。
記録層などの形成は、基板を固定したまま、あるいは
移動、回転した状態のいずれで行ってもよい。膜厚の面
内の均一性に優れることから、基板を自転させることが
好ましく、さらに公転を組合わせることが、より好まし
い。
また、本発明の効果を著しく損なわない範囲におい
て、記録層、変形防止層、補助層などを形成した後、
傷、変形の防止などのため、公知の紫外線硬化樹脂など
の樹脂保護層などの他の層を必要に応じて設けてもよ
い。また、記録層、変形防止層、補助層などを形成した
後、あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成した後、2
枚の基板を対向して、公知の接着剤で張り合わせてもよ
い。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明
はこれらに限定されない。
なお実施例中の記録層の組成は、ICP発光分析(セイ
コー電子工業(株)製FTS−1100型)によって確認し
た。
また、記録信号のキャリヤ対ノズル比(C/N比)はス
ペクトラム・アナライザにより測定した。
また、消去率は、1回のビ−ム走査による消去、もし
くは別の周波数によるオーバーライトを行った後の残留
信号強度を、もとの(消去、書換え前)の信号強度から
引いた値で定義した。
実施例1 厚さ1.2mm、直径13cm、1.6μmピッチのスパイラル状
グルーブ付きポリカーボネイト製基板を毎分30回転で回
転させながら、スパッタリング法により記録層、変形防
止層および補助層を形成した。
まず、7×10-5Paまで排気した後、6×10-1PaのArガ
ス雰囲気中で基板上に130nmのZnSの第一変形防止層をス
パッタリング法により形成し、さらに、Sb、Te、Geおよ
びPdを水晶振動子膜厚計でモニタしながら同時スパッタ
リングして(Pd0.04Sb0.55Te0.38)0.65(Ge0.5 Te0.
5)0.35の元素組成の厚さ50nmの記録層を形成した。さ
らに該記録層上に200nmのZnSの第二変形防止層を形成
し、この第二変形防止層上に40nmのHf層を補助層として
形成し、本発明の光記録媒体を構成した。
この光記録体を線速度1.5m/秒で回転させ、基板側か
ら開口数0.5の対物レンズで集光した波長830nmの半導体
レーザ光を、膜面強度3.4mWの条件で連続照射しながら
トラック上を2回走査した記録層を結晶化した。このと
き結晶化により記録層の反射率は、初期の2倍に上昇し
た。その後、線速度15m/秒の条件で先と同一の光学系を
使用して、周波数4.5MHz、デューティー50%に変調した
15mWの半導体レーザ光により記録を行なった。
記録後、半導体レーザ光の強度を0.7mWとして記録部
分を走査し、記録再生を行なったところ記録マーク部分
の反射率が非晶化によって低下し記録が行なわれている
ことが確認できた。この再生信号のC/N比をバンド幅30k
Hzの条件で測定したところ、記録周波数のキャリヤ強度
は−14.5dBm、ノイズレベルは−65dBm、C/N比は良好な
デジタル記録が可能な50.5dBの値が得られた。この記録
条件は2−7変調コードで6.7Mbpsの高速データレート
の記録に対応している。
さらに記録部分を、線速度15m/秒の条件で9mWの半導
体レーザ光を1回照射したところ記録は消去された。こ
のときの消去率は30dBと良好であった。前記の結果から
約70necの消去光ビーム照射で消去可能であることが判
る。前記の記録、消去条件で1000回の記録、消去の繰返
し後も、記録、消去に要するレーザパワーは、不変であ
り、再生信号のノイズレベルの増加は見られず、C/Nも5
0.5dBと記録特性の劣化はほとんど見られなかった。ま
た消去率についても劣化することなく30dBの良好な値が
得られた。
前述のごとく記録と消去を同じ線速度で行えることか
ら、記録パルスを消去レベルのパワーに重ねて、1度の
動作で書換えを行なう1ビームオーバライト方式でも記
録書換えが可能と推定できる。
また、前述の記録条件で記録した光記録媒体を60℃、
90%相対湿度の恒温恒湿槽に1000時間置き、その後再生
したところC/Nの変化は3dB以内でほとんど劣化が見られ
なかった。また、再度、記録を行なった場合のC/Nは、
恒温恒湿度槽に入れる前とほとんど変化がなかった。
この結果から10年以上の媒体寿命があるものと推定で
きる。
さらに、この記録槽の結晶化温度を昇温時の直流電気
抵抗の変化、および光線透過率の変化から推定したとこ
ろ、10℃/分の昇温条件で160℃であった。従って、常
温での熱的安定性は良好であると推定できる。
実施例2 実施例1の記録層(Au0.03Sb0.49Te0.48)0.7(Ge0.5
Te0.5)0.3の組成とし、補助層を20nmのAu層とした他
は、実施例1と同様にして光記録媒体を製作した。この
光記録媒体の記録層を実施例1と同様な条件で結晶化し
た。このとき結晶化により記録層の反射率は、初期の2
倍に上昇した。その後、線速度7.5m/秒の条件で先と同
一の光学系を使用して、周波数2.5MHz、デューティー50
%に変調した12mWの半導体レーザ光により記録を行なっ
た。
この光記録媒体の再生を線速度を7.5m/秒の条件で行
なったところ、記録再生信号のC/N比は、50dBであっ
た。また、この記録部分を線速度7.5m/秒、6.0mWの消去
条件で消去することが可能であった。このときの消去率
は26dBであった。
実施例3 実施例1の基板を32mm四方の1.2mm厚のポリメチルメ
タクリレート板に替えた他は、実施例1と同様にして光
記録媒体を作製した。この記録媒体を静止状態で固定
し、実施例1と同様な光学系を用いて、記録、消去を行
なった。記録パルスは9.5mW、100nsecとした。また再生
は、0.5mWで行なった。この条件で10万回の記録、消去
サイクルを繰返した後も記録、消去が可能であり、この
ときの反射信号の変化率はほとんど変化が見られず、特
性の劣化はなかった。
また、この記録層の結晶化温度を昇温時の直流電気抵
抗の変化、および光線透過率の変化から測定したとこ
ろ、10℃/分の昇温条件で160℃であった。従って、常
温での熱的安定性は良好であると推定される。
比較例1 実施例2において、記録層の組成を下記(イ)、とし
た以外は実施例2と同様にして光記録媒体を作製した。
(イ) (Pd0.14Sb0.50T0.36)0.72(Ge0.5 Te0.5)0.
28 (イ)の組成の場合には、実施例2と同様の記録、消
去条件で記録、消去を繰返したところ10回の繰返しの
後、消去特性は著しく悪化した。このときの消去率は15
dB程度に悪化した。
比較例2 実施例3において、記録層の組成を下記(ロ)および
(ハ)に変更した以外は実施例3と同様にして光記録媒
体をそれぞれ作製し、同様に記録、消去を行なった。
(ロ) (Sb0.60Te0.40)0.7(Ge0.5 Te0.5)0.3 (ハ) (Au0.05Sb0.75Te0.20)0.7(Ge0.5 Te0.5)0.
3 この組成(ロ)と(ハ)の場合には、記録状態と消去
状態の反射率の差が、記録、消去の繰返し回数に伴い変
動し不安定であった。また1万回の記録消去後から、反
射率の変化量が徐々に小さくなり、記録、消去が困難に
なった。
実施例4 実施例3において、記録層の組成を(Ag0.05Sb0.57Te
0.38)0.7(Ge0.5 Te0.5)0.3としたものを作製した。
この光記録媒体を実施例3と同様にして記録、消去を
行なった。記録パルスは14mW、200nsec、消去パルス
は。6mW、300nsecとした。再生は0.5mWで行なった。こ
の条件で10万回の記録消去サイクルを繰返した後も、記
録、消去が可能であった。
実施例5 実施例3において記録層の組成を(Pd0.04Sb0.47Te0.
49)0.66(Ge0.5Te0.5)0.34とした光記録媒体を作製
し、実施例3と同様にして記録、消去を行なった。記録
パルスは、17mW、100nsec、消去パルスは、8mW、100nse
cとした。再生は0.5mWで行った。この条件で100万回の
記録、消去の繰り返しが可能であった。
実施例6 実施例5の(Pd0.04Sb0.47Te0.49)0.66(Ge0.5 Te0.
5)0.34の組成の記録層の材料を実施例1と同様のスパ
ッタ装置を使用して、同様の条件で、デュポン社製フッ
素樹脂“テフロン”シート上に500nm堆積し、この後、
このアモルファス状態の記録層を掻きおとして、記録層
の粉末をつくり、DSC測定(示差熱測定)を行った。試
料は、各測定あたり8mgとした。測定には、島津製作所
製DSC−50型を使用した。
昇温速度10℃/minで測定した場合の結晶化ピーク温度
は185℃、昇温速度20℃/minの場合は190℃と、通常の使
用環境温度に比べて十分に高い温度であった。
また、昇温速度5℃/min、10℃/min、20℃/min、40℃
/minの測定結果から求めた活性化エネルギーは、2.2eV
であった。
従来の報告例の記録層の材料Ge2Sb2Te5の結晶化温度
が142℃、活性化エネルギーが2.2eVであり(N.Yamada e
t al,J.Appl.Phys.,26,Suppl.,26−4,61−66(198
7))、この例と比較しても、本発明の記録層のアモル
ファス状態は、十分に高い熱安定性を有しており、記録
マークの安定性に優れているといえる。
実施例7 実施例1の記録層の組成を(Pd0.03Sb0.47Te0.50)0.
66(Ge0.5 Te0.5)0.34とし、補助層をNi80Cr20合金の5
0nm厚さの膜とし、さらにこの補助層の上に、アクリル
系の紫外線硬化樹脂の厚さ0.01mmの保護層を設けた第3
図に示す構造の光記録媒体を作製した、図中の数字は、
それぞれ基板:1、第一変形防止層:2、記録層:3、第二変
形防止層:4、補助層:5、樹脂保護層:6を示す。
この記録膜を実施例1と記録周波数を5.33MHzとした
他は、同様の条件で20回繰り返した。20回目の記録後の
再生信号のC/Nは50dBであった。その後、消去パワーの
みを7mW〜12mWの範囲で条件を変えて、記録、消去を繰
り返し、消去率を測定した。結果を次表1に示す。9〜
12mWの広いパワー・レンジで消去率30dB子以上の良好な
値が得られた。
表 1 消去パワー 消去率 (mw) (dB) 7.5 21.1 8.0 28.9 9.0 30.5 10.5 30.0 11.0 32.0 11.5 32.0 12.0 30.4 比較例3 実施例7の記録層の組成を、実施例7の記録層の組成
からPdを除いた組成にほぼ相当する(Sb0.48Te0.52)0.
64(Ge0.5 Te0.5)0.36の組成とした光記録媒体を作製
し、実施例7と同様に測定を行った。20回目の記録後の
C/Nは、50dBであった。測定結果を次表2に示す。消去
率は9mW〜12mWで、辛うじて26dB程度の値が得られる
が、実施例7と比較して4dBも低い値であった。
表 2 消去パワー 消去率 (mw) (dB) 7.0 12.8 8.0 24.8 9.0 26.1 10.0 25.3 11.0 26.8 12.0 26.4 実施例8 実施例1と同様のスパッタ装置を使用して、同様の真
空度、Arガス雰囲気中で、同様の基板を使用して、次に
示す記録層、変形防止層、補助層を形成し、さらにアク
リル系紫外線硬化樹脂の保護層を形成し、以下の層構成
の光記録媒体を作製した。
層構成 基板/第1変形防止層/記録層/第2変形防止層/補助
層/樹脂保護層 ここで、 第1変形防止層:ZnS、層厚160nm 記 録 層:(Pd0.03 Sb0.47 Te 0.50)0.66(G
e0.5 Te0.5)0.34層厚30nm 第2変形防止層:Si3N4 層厚23nm 補 助 層:Au 層厚40nm 樹脂保護層:アクリル樹脂、層厚0.01mm この光記録媒体を、対物レンズの開口数(N.A.)が0.
55、半導体レーザーの波長が780nmである他は、実施例
1と同様な記録装置を使用して、1ビーム・オーバーラ
イトを行った。
記録は、線速度8m/sec、記録パワーレベル16mW、消去
パワーレベル9mWとし、記録周波数3.7MHzと1.4MHz(各
パルス幅90nsec一定)の2つの周波数で交互に記録を10
回繰り返したのち、3.7MHzで記録した後のC/Nと1.4MHz
でオーバーライトした後の3.7MHzの消去率を測定した。
その結果、C/N50dB、消去率28dBの良好な値が得られ、
本発明の光記録媒体が、良好なオーバーライト特性を有
していることが確認できた。
[発明の効果] 本発明は光記録媒体の記録層をSb、Te、GeとPd、Ni、
AgおよびAuのうち少くとも1種からなる特定の組成と
し、かつZnSを主成分とする変形防止層を設けたので、
以下の効果が得られた。
(1) 結晶化速度の高速化により消去速度を高速化し
た書換可能型光記録媒体が得られる。
(2) 記録感度が高く、かつキャリア対ノイズ比、消
去率などの記録特性に優れた光記録媒体が得られる。
(3) 多数回の記録、消去あるいは書換動作を行って
も、記録特性の劣化の少ない光記録媒体が得られる。
(4) 結晶化温度が高く、熱安定性に優れた光記録媒
体が得られる。
(5) 耐酸化性、耐湿熱性に優れた長寿命の光記録媒
体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−211249(JP,A) 特開 平1−251342(JP,A) 特開 平1−112538(JP,A) 特開 昭63−292435(JP,A) 特開 昭62−222442(JP,A) 特開 昭63−142550(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された記録層に光を照射する
    ことによって、情報の記録、消去、再生が可能であり、
    情報の記録および消去が非晶相と結晶相の間の相変化に
    より行われる光記録媒体であって、前記光記録媒体が少
    なくとも記録層とZnSを主成分とする変形防止層とを有
    し、該記録層の組成が、パラジウム(Pd)、ニッケル
    (Ni)、銀(Ag)および金(Au)からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種以上の金属と、アンチモン(Sb)、テ
    ルル(Te)およびゲルマニウム(Ge)からなり、その組
    成が次の一般式で表わされることを特徴とする光記録媒
    体。 (Mx Sby Tel−x−y)1−z(Te0.5 Ge0.5)z 0.01≦x≦0.1 0.45<y≦0.57 0.2 ≦z≦0.35 (但しx、y、zおよび0.5は各元素の原子数比を表わ
    す。 またMは、Pd,Ni,AgおよびAuから選ばれた少なくとも1
    種以上の金属を表わす。)
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