JP3299680B2 - Cr−Mo−I合金めっき皮膜および前記皮膜を有する部材 - Google Patents
Cr−Mo−I合金めっき皮膜および前記皮膜を有する部材Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Mo(モリブデ
ン)とI(沃素)を含むCr(クロム)合金めっき(以
下、Cr−Mo−I系合金めっきともいう。)に関す
る。このCr合金めっき皮膜は、耐熱性、耐摩耗性、耐
腐食性、耐腐食摩耗性に優れるので、摺動部材や耐食部
材や耐熱部材に好適に使用できる。
ン)とI(沃素)を含むCr(クロム)合金めっき(以
下、Cr−Mo−I系合金めっきともいう。)に関す
る。このCr合金めっき皮膜は、耐熱性、耐摩耗性、耐
腐食性、耐腐食摩耗性に優れるので、摺動部材や耐食部
材や耐熱部材に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダライナやピストンリ
ングには硬質Crめっきが施されている。この硬質Cr
めっき皮膜は、200℃以上の熱雰囲気で軟化して耐摩
耗性が低下する欠点や、硫酸・塩酸等により自身が溶解
するので使用雰囲気に限界がある。
ングには硬質Crめっきが施されている。この硬質Cr
めっき皮膜は、200℃以上の熱雰囲気で軟化して耐摩
耗性が低下する欠点や、硫酸・塩酸等により自身が溶解
するので使用雰囲気に限界がある。
【0003】そしてこの硬質Crめっきは、Cr−H系
の合金めっきと考えられている。硬質Crめっき中の水
素は、Crめっき皮膜に硬度を与えるが、高温下で放出
されるので、硬度低下・耐摩耗性の劣化を引き起こすと
言われている。
の合金めっきと考えられている。硬質Crめっき中の水
素は、Crめっき皮膜に硬度を与えるが、高温下で放出
されるので、硬度低下・耐摩耗性の劣化を引き起こすと
言われている。
【0004】他方、Crめっき皮膜の耐熱性・耐摩耗性
・耐食性を改善するために、Moを含むCr合金めっき
(以下、Cr−Mo系合金めっきともいう。)が研究さ
れている(特公昭44−73574号、金属表面技術
VOL21(1970),No.7,P356、あるい
は表面技術 VOL40(1989),No.3,P3
87)。
・耐食性を改善するために、Moを含むCr合金めっき
(以下、Cr−Mo系合金めっきともいう。)が研究さ
れている(特公昭44−73574号、金属表面技術
VOL21(1970),No.7,P356、あるい
は表面技術 VOL40(1989),No.3,P3
87)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらを追試
したところによると、再現性に乏しく、かつ、電流効率
が3%以下(めっき速度4μm/Hr以下)で経済的で
ない。
したところによると、再現性に乏しく、かつ、電流効率
が3%以下(めっき速度4μm/Hr以下)で経済的で
ない。
【0006】本発明の課題は、硬質Crめっき以上の耐
熱性・耐摩耗性・耐食性を有しているCr合金めっきを
提供することにある。更に本発明の別の課題は、電流効
率の高いCr合金めっきを提供することにある。
熱性・耐摩耗性・耐食性を有しているCr合金めっきを
提供することにある。更に本発明の別の課題は、電流効
率の高いCr合金めっきを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、新しいCr
−Mo系合金めっきを探索する過程で、従来の硬質Cr
めっき以上の耐熱性・耐摩耗性・耐食性を有し、同時
に、極めて高い電流効率でめっきできるCr−Mo−I
系合金めっきを見出した。高い電流効率を与えるため
に、本発明のCr合金めっきは、Iを添加する。
−Mo系合金めっきを探索する過程で、従来の硬質Cr
めっき以上の耐熱性・耐摩耗性・耐食性を有し、同時
に、極めて高い電流効率でめっきできるCr−Mo−I
系合金めっきを見出した。高い電流効率を与えるため
に、本発明のCr合金めっきは、Iを添加する。
【0008】すなわち、本発明のCr−Mo−I合金め
っき皮膜は、重量比で、I:0.1〜1.4%、Mo:
0.4〜3.8%を含んでいる。
っき皮膜は、重量比で、I:0.1〜1.4%、Mo:
0.4〜3.8%を含んでいる。
【0009】本発明のCr合金めっきの主要成分である
Moは、耐熱性・耐摩耗性・耐食性を与える。
Moは、耐熱性・耐摩耗性・耐食性を与える。
【0010】なお、Moの含有量が0.4%より少なく
なると、Cr合金めっき皮膜の耐食性が悪化する。ま
た、Moの含有量が3.8%より多くなると、Cr合金
めっきの電流効率が低くなりすぎる。
なると、Cr合金めっき皮膜の耐食性が悪化する。ま
た、Moの含有量が3.8%より多くなると、Cr合金
めっきの電流効率が低くなりすぎる。
【0011】また、本発明のCr合金めっきの主要成分
であるIは、Cr合金めっきの際に触媒の作用を果たし
て電流効率を向上させるとともに、Cr、Moと共析し
て耐熱性を与える。
であるIは、Cr合金めっきの際に触媒の作用を果たし
て電流効率を向上させるとともに、Cr、Moと共析し
て耐熱性を与える。
【0012】なお、Iの含有量が0.1%未満で、Mo
含有量が飽和する。また、Iの含有量が1.4%を越え
ると、充分なMo含有量が得られない。
含有量が飽和する。また、Iの含有量が1.4%を越え
ると、充分なMo含有量が得られない。
【0013】なお、IとMoの含有量のより好ましい範
囲は、Iが0.1〜0.9%、Moが0.5〜2.5%
である。
囲は、Iが0.1〜0.9%、Moが0.5〜2.5%
である。
【0014】本発明のCr合金めっき皮膜は、重量比
で、CrO3 に対してI:0.1〜1.4%、Mo:5
〜35%を含むめっき液を用い、20〜70℃の温度範
囲内でめっきすることにより得ることができる。
で、CrO3 に対してI:0.1〜1.4%、Mo:5
〜35%を含むめっき液を用い、20〜70℃の温度範
囲内でめっきすることにより得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のCr合金めっき皮膜は、
Cr−Mo−I合金めっき皮膜であり、重量比で、I:
0.1〜1.4%、Mo:0.4〜3.8%を含んでい
る。本発明のCr合金めっき皮膜は以下のめっき条件で
得ることができる。
Cr−Mo−I合金めっき皮膜であり、重量比で、I:
0.1〜1.4%、Mo:0.4〜3.8%を含んでい
る。本発明のCr合金めっき皮膜は以下のめっき条件で
得ることができる。
【0016】めっき浴: CrO3 :400〜900g/l Cl- :5〜15g/l IO3 - :2〜8g/l F- :0〜3.5g/l MoO4 -- :50〜450g/l めっき温度:20〜70℃ 電流密度:40〜80A/dm2
【0017】上記めっき浴におけるIO3 - は、沃素酸
(HIO3 )、あるいは沃素酸塩(KIO3 、NaIO
3 など)の形で添加され、MoO4 -- は、モリブデン
酸塩(Na2 MoO4 ・2H2 O、(NH4 )6 Mo7
O24・4H2 Oなど)の形で添加される。
(HIO3 )、あるいは沃素酸塩(KIO3 、NaIO
3 など)の形で添加され、MoO4 -- は、モリブデン
酸塩(Na2 MoO4 ・2H2 O、(NH4 )6 Mo7
O24・4H2 Oなど)の形で添加される。
【0018】なお、上記めっき液において、Cl- はめ
っきの光沢領域を広がらせる作用を有し、F- はめっき
皮膜の密着性を高める作用を有している。F- はKF、
NaF、H2 SiF6 、K2 SiF6 の形で添加するこ
とができる。
っきの光沢領域を広がらせる作用を有し、F- はめっき
皮膜の密着性を高める作用を有している。F- はKF、
NaF、H2 SiF6 、K2 SiF6 の形で添加するこ
とができる。
【0019】下記に示すめっき条件(A)で得られるC
r−Mo−I系合金めっき皮膜のめっき面の性状を表1
(クラックの状況)および表2(めっき面の光沢)に示
す。
r−Mo−I系合金めっき皮膜のめっき面の性状を表1
(クラックの状況)および表2(めっき面の光沢)に示
す。
【0020】めっき条件(A): めっき浴: CrO3 :800g/l HCl :10g/l KIO3 :4g/l KF :1.5g/l Na2 MoO4 ・2H2 O:700g/l以下 めっき温度:20〜70℃ 電流密度:40〜80A/dm2
【0021】 (注)記号●は、クラック密度大 ◎は、クラック密度小 〇は、クラックレス
【0022】 (注)記号◎は、光沢 〇は、半光沢 △は、白色 ▲は、灰色 ●は、黒色
【0023】表1および表2により、次のことがわか
る。めっき温度60℃以上またはMo/CrO3 が0.
16以上でクラックレスになり、めっき粒子が微細化す
る。また、Mo/CrO3 が低く、低温で光沢が得ら
れ、Mo/CrO3 が高く、高温で無光沢・黒色化す
る。
る。めっき温度60℃以上またはMo/CrO3 が0.
16以上でクラックレスになり、めっき粒子が微細化す
る。また、Mo/CrO3 が低く、低温で光沢が得ら
れ、Mo/CrO3 が高く、高温で無光沢・黒色化す
る。
【0024】前記めっき条件(A)(ただし、めっき温
度は40℃)で得られるCr合金めっき皮膜のMo含有
量、I含有量、および硬度、ならびに電流効率を表3に
示す。なお、Mo含有量およびI含有量はEPMAで測
定した。
度は40℃)で得られるCr合金めっき皮膜のMo含有
量、I含有量、および硬度、ならびに電流効率を表3に
示す。なお、Mo含有量およびI含有量はEPMAで測
定した。
【0025】
【0026】表3において、Cr合金めっき皮膜のMo
含有量に対する硬度と電流効率とI含有量との関係をグ
ラフ表示したものを図1に示す。図1から明らかなよう
に、Cr−Mo−I系合金めっき皮膜中のI含有量は、
Mo含有量の増加とともに減少する。しかし、略1.3
%以上のMo量で、略一定値の0.15%となる。ま
た、硬度はビッカース硬さでHV980〜600の硬さ
が得られ、Mo含有量の増加とともに低下する傾向を有
している。なお、前記めっき条件(A)におけるKIO
3 の量を増やせばI含有量を1.4%まで増やすことが
可能であり、また、KIO3 の量を減らせばI含有量を
0.1%まで低下させることが可能である。
含有量に対する硬度と電流効率とI含有量との関係をグ
ラフ表示したものを図1に示す。図1から明らかなよう
に、Cr−Mo−I系合金めっき皮膜中のI含有量は、
Mo含有量の増加とともに減少する。しかし、略1.3
%以上のMo量で、略一定値の0.15%となる。ま
た、硬度はビッカース硬さでHV980〜600の硬さ
が得られ、Mo含有量の増加とともに低下する傾向を有
している。なお、前記めっき条件(A)におけるKIO
3 の量を増やせばI含有量を1.4%まで増やすことが
可能であり、また、KIO3 の量を減らせばI含有量を
0.1%まで低下させることが可能である。
【0027】また、表3において、Mo/CrO3 に対
するCr−Mo−I系合金めっき皮膜のMo含有量をグ
ラフ表示したものを図2に示す。図2から明らかなよう
に、めっき浴中のMo/CrO3 が増加すると、Cr−
Mo−I系合金めっき皮膜のMoの含有量が増加するこ
とがわかる。
するCr−Mo−I系合金めっき皮膜のMo含有量をグ
ラフ表示したものを図2に示す。図2から明らかなよう
に、めっき浴中のMo/CrO3 が増加すると、Cr−
Mo−I系合金めっき皮膜のMoの含有量が増加するこ
とがわかる。
【0028】次に、Cr−Mo−I系合金めっき(実施
例)とCr−Mo系合金めっき(比較例)の電流効率の
比較を表4に示し、それをグラフ表示したものを図3に
示す。
例)とCr−Mo系合金めっき(比較例)の電流効率の
比較を表4に示し、それをグラフ表示したものを図3に
示す。
【0029】なお、表4における実施例は表3の値に基
づいており、比較例は、硫酸浴系のCrめっき浴にモリ
ブデン塩を加えためっき浴によるデータである(金属表
面技術 VOL21(1970),No.7,P356
を参照)。
づいており、比較例は、硫酸浴系のCrめっき浴にモリ
ブデン塩を加えためっき浴によるデータである(金属表
面技術 VOL21(1970),No.7,P356
を参照)。
【0030】
【0031】図3から明らかなように、本発明のCr−
Mo−I系合金めっきは、Mo−Cr系合金めっきに比
較して電流効率が高い。また、Mo/CrO3 が比較的
大きな値でもめっき可能である。
Mo−I系合金めっきは、Mo−Cr系合金めっきに比
較して電流効率が高い。また、Mo/CrO3 が比較的
大きな値でもめっき可能である。
【0032】次に、めっき後、大気中で、種々の温度で
2時間加熱した後のビッカース硬さを測定し、耐熱性を
評価した結果を表5に示し、それをグラフ表示したもの
を図4に示す。
2時間加熱した後のビッカース硬さを測定し、耐熱性を
評価した結果を表5に示し、それをグラフ表示したもの
を図4に示す。
【0033】なお、実施例のめっき皮膜は、表3におい
てMo/CrO3 が0.05のときのMo−Cr−I系
合金めっき皮膜である。また、比較例Aは硫酸浴系の硬
質Crめっき皮膜であり、比較例Bはフッ化浴系の硬質
Crめっき皮膜であり、これらのめっき条件を以下に示
す。
てMo/CrO3 が0.05のときのMo−Cr−I系
合金めっき皮膜である。また、比較例Aは硫酸浴系の硬
質Crめっき皮膜であり、比較例Bはフッ化浴系の硬質
Crめっき皮膜であり、これらのめっき条件を以下に示
す。
【0034】 比較例A 比較例B CrO3 250g/l 230g/l H2 SO4 2.5g/l 1.2g/l H2 SiF6 ────── 5g/l めっき温度 55℃ 50℃ 電流密度 50A/dm2 50A/dm2
【0035】
【0036】図4から明らかなように、比較例Aおよび
比較例Bとも、600℃の加熱で硬度がHV500前後
に低下するが、本発明のCr−Mo−I系合金めっき
は、600℃以上でも高い硬度を維持している。
比較例Bとも、600℃の加熱で硬度がHV500前後
に低下するが、本発明のCr−Mo−I系合金めっき
は、600℃以上でも高い硬度を維持している。
【0037】次に、Cr合金めっき皮膜について、耐硫
酸腐食性に及ぼすMo含有量の影響を表6に示し、それ
をグラフ表示したものを図5に示す。
酸腐食性に及ぼすMo含有量の影響を表6に示し、それ
をグラフ表示したものを図5に示す。
【0038】なお、めっき皮膜は表3に示したものであ
る。耐硫酸腐食性は、浴温30℃の0.1%(PH1.
5)の希硫酸液に被めっき物を浸漬する腐食試験を行
い、2Hr後と4Hr後における時間当たりの腐食量
(μm/Hr)により評価した。
る。耐硫酸腐食性は、浴温30℃の0.1%(PH1.
5)の希硫酸液に被めっき物を浸漬する腐食試験を行
い、2Hr後と4Hr後における時間当たりの腐食量
(μm/Hr)により評価した。
【0039】
【0040】図5から明らかなように、耐硫酸腐食性
は、Cr合金めっき皮膜中のMoが増加するとともに向
上し、Mo含有量が0.4%以上で極めて優れている。
は、Cr合金めっき皮膜中のMoが増加するとともに向
上し、Mo含有量が0.4%以上で極めて優れている。
【0041】以下、本発明のCr−Mo−I系合金めっ
き皮膜の耐摩耗性を、往復動摩擦試験機を使用して評価
した試験結果を説明する。
き皮膜の耐摩耗性を、往復動摩擦試験機を使用して評価
した試験結果を説明する。
【0042】実施例A、Bおよび比較例Dのめっき条件
は、前記めっき条件(A)において 、実施例A:Na2 MoO4 ・2H2 O 150g/l 実施例B:Na2 MoO4 ・2H2 O 300g/l 比較例D:Na2 MoO4 ・2H2 O 0g/l とし、めっき温度:40℃、電流密度:80A/dm2
としたものである。また、比較例Cのめっき条件は、前
記したフッ化浴系のものである。
は、前記めっき条件(A)において 、実施例A:Na2 MoO4 ・2H2 O 150g/l 実施例B:Na2 MoO4 ・2H2 O 300g/l 比較例D:Na2 MoO4 ・2H2 O 0g/l とし、めっき温度:40℃、電流密度:80A/dm2
としたものである。また、比較例Cのめっき条件は、前
記したフッ化浴系のものである。
【0043】上記4種類の皮膜を施した試験片を使用し
て往復動摩耗試験を行った。図6は、試験に使用した往
復動摩擦試験機の概要を示す。ピン状の上試験片10は
固定ブロック11により保持され、上方から油圧シリン
ダ12により下向きの荷重が加えられて、下試験片13
に押接される。一方、平盤形状の下試験片13は可動ブ
ロック14により保持され、クランク機構15により往
復動させられる。16はロードセルである。
て往復動摩耗試験を行った。図6は、試験に使用した往
復動摩擦試験機の概要を示す。ピン状の上試験片10は
固定ブロック11により保持され、上方から油圧シリン
ダ12により下向きの荷重が加えられて、下試験片13
に押接される。一方、平盤形状の下試験片13は可動ブ
ロック14により保持され、クランク機構15により往
復動させられる。16はロードセルである。
【0044】試験条件は、以下の通りである。 (ならし条件) 荷重:2kgf 往復動速度:100cpm 時間:5min (摩耗条件) 荷重:10kgf 往復動速度:600cpm 時間:60min (潤滑条件)軽油相当の粘度の軸受油(JH2) (摺動相手材:下試験片)シリンダライナ用ボロン鋳鉄
【0045】往復動摩耗試験後の皮膜の摩耗量(μm)
を表7に示す。なお、表中の熱処理は、めっき後、大気
中で300℃、2時間の熱処理を行い、放冷したもので
ある。
を表7に示す。なお、表中の熱処理は、めっき後、大気
中で300℃、2時間の熱処理を行い、放冷したもので
ある。
【0046】
【0047】図7に示されているように、実施例A、B
の皮膜は、自身の摩耗量および相手材の摩耗量ともに少
なく、かつ、熱処理による摩耗量の増加もほとんどな
い。
の皮膜は、自身の摩耗量および相手材の摩耗量ともに少
なく、かつ、熱処理による摩耗量の増加もほとんどな
い。
【0048】本発明のCr−Mo−I系合金めっき皮膜
は摺動部材や耐食部材に好適に使用できる。すなわち、
本発明の皮膜は摺動部材例えば内燃機関の構成部品(シ
リンダライナやピストンリング等)の摺動面や、耐食部
材例えば海洋、船舶用部品等の耐食性を必要とされる面
に、被覆される。
は摺動部材や耐食部材に好適に使用できる。すなわち、
本発明の皮膜は摺動部材例えば内燃機関の構成部品(シ
リンダライナやピストンリング等)の摺動面や、耐食部
材例えば海洋、船舶用部品等の耐食性を必要とされる面
に、被覆される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明のCr−Mo
−I合金めっき皮膜は、耐熱性、耐摩耗性、耐食性が高
いので、従来の硬質Crめっきが使用できない摺動部材
や耐食部材や耐熱部材に利用できる。また、本発明のC
r−Mo−I合金めっきは、電流効率が高い利点を有し
ている。
−I合金めっき皮膜は、耐熱性、耐摩耗性、耐食性が高
いので、従来の硬質Crめっきが使用できない摺動部材
や耐食部材や耐熱部材に利用できる。また、本発明のC
r−Mo−I合金めっきは、電流効率が高い利点を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr合金めっき皮膜のMo含有量に対する硬度
と電流効率とI含有量との関係を示すグラフである。
と電流効率とI含有量との関係を示すグラフである。
【図2】Mo/CrO3 に対するCr合金めっき皮膜の
Mo含有量を示すグラフである。
Mo含有量を示すグラフである。
【図3】Cr合金めっきの電流効率を示すグラフであ
る。
る。
【図4】耐熱性試験の結果を示すグラフである。
【図5】耐硫酸腐食性試験の結果を示すグラフである。
【図6】往復動摩擦試験機の説明図である。
【図7】摩耗試験の結果を示すグラフである。
10 上試験片 11 固定ブロック 12 油圧シリンダ 13 下試験片 14 可動ブロック 15 クランク機構 16 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−47285(JP,A) 特開 昭62−26324(JP,A) 特開 昭48−102040(JP,A) 特開 平3−79786(JP,A) 特開 昭58−39791(JP,A) 特開 昭60−238495(JP,A) 特開 昭49−90232(JP,A) 特開 昭62−136593(JP,A) 特公 昭4−4016(JP,B1) 米国特許4810336(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 3/56 C22C 27/06
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比で、I:0.1〜1.4%、M
o:0.4〜3.8%を含み、ビッカース硬さがHV9
80〜600の範囲にある耐摩耗性・耐食性・耐熱性に
優れたCr−Mo−I合金めっき皮膜。 - 【請求項2】 請求項1記載のCr−Mo−I合金めっ
き皮膜が摺動面に被覆されていることを特徴とする摺動
部材。 - 【請求項3】 請求項1記載のCr−Mo−I合金めっ
き皮膜が耐食性を必要とされる面に被覆されていること
を特徴とする耐食部材。 - 【請求項4】 請求項1記載のCr−Mo−I合金めっ
き皮膜が耐熱性を必要とされる面に被覆されていること
を特徴とする耐熱部材。
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