JP3298944B2 - サイレントクラッチ付締付工具 - Google Patents

サイレントクラッチ付締付工具

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JP3298944B2
JP3298944B2 JP28965492A JP28965492A JP3298944B2 JP 3298944 B2 JP3298944 B2 JP 3298944B2 JP 28965492 A JP28965492 A JP 28965492A JP 28965492 A JP28965492 A JP 28965492A JP 3298944 B2 JP3298944 B2 JP 3298944B2
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克彦 佐々木
美徳 柴田
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ類の動力式締付工
具に関し、特にクラッチとストッパスリーブとを備え、
ねじ類を所定深さまで締付けたときにクラッチが切断さ
れてねじ締めが停止されるとともに、その後モータが回
転し続けてもクラッチが静かに空転して騒音を発しない
サイレントクラッチ付締付工具に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のサイレントクラッチ付締付工具に
は、特公平3−5952号公報に開示されているものが
知られている。この工具は下記の構成を備えている。な
お同公報の図2aを本明細書中図10として引用する。
この工具は、 (1) ハウジングとモータとクラッチとスピンドル88と
ストッパスリーブ89を備えている。 (2) ハウジングにモータとクラッチとスピンドル88が
内蔵されている。 (3) ストッパスリーブ89がハウジングに付設されてい
る。 (4) スピンドル88にはねじ類と結合してねじ類を回転
させるドライバビット90が取付可能である。
【0003】(5) スピンドル88に取付けられたドライ
バビット90はストッパスリーブ89の筒内で回転す
る。 (6) スピンドル88はハウジングに回転自在でかつ軸方
向にスライド可能に支承されている。 (7) このためスピンドル88のスライドとともにドライ
バビット90もストッパスリーブ89内でスライドす
る。 (8) クラッチは、モータで回転される第1ディスク81
と、その第1ディスクに対向する第2ディスク84と、
スピンドル88の端面に固定された第3ディスク87を
主体として構成されている。
【0004】(9) 第1ディスク81はハウジングに回転
自在で軸方向にスライド不能に支承されている。 (10)この第1ディスク81の端面にはクラッチ歯82が
形成されている。 (11)第2ディスク84はハウジングに回転自在で軸方向
にスライド可能に支承されている。 (12)この第2ディスク84の上側端面にはクラッチ歯8
2に噛合う第2クラッチ歯83が形成されている。
【0005】(13)第2ディスク84と第3ディスク87
のむかいあう端面には溝85,86が形成されており、
この溝85,86の深さは周方向に変化している。すな
わち最も深い底面85a,86aから徐々に深さの浅く
なる傾斜面85b,86bにつながっている。 (14)また溝85,86は周方向の所定範囲内で伸びてお
り、その境界は垂直面85c,86cとなっている。 この構成によりこの工具は次のように作動する。 (15) ドライバビット90をねじに押付けると、ドライ
バビット90とスピンドル88と第3ディスク87が後
退し、この結果第2ディスク84も後退する。
【0006】(16)このときクラッチ歯82と第2クラッ
チ歯83が噛合うとともに、溝85,86がその最も深
い底85a,86a同志で当接する。 (17)この状態でモータからドライバビット90にトルク
伝達が行なわれる。 (18)第1ディスク81が第2ディスク84を回転させ、
第2ディスク84が第3ディスク87を回転させると、
溝85,86間に接触圧が作用する。この力は溝85,
86の深さが周方向に変化しているために、第3ディス
ク87を傾斜面85b,86bに沿って前方に送り出す
ように作用する。
【0007】(19)そして溝85,86の垂直面85c,
86c同志が当接するとこの前方への送り出し成分がな
くなり、この状態でねじ締めが進行する。図10はこの
状態を示している。 (20)ねじ類が所定深さまで締付けられ、スピンドル88
がそれ以上前進しなくなると、クラッチ歯82と第2ク
ラッチ歯83の噛合いが外れる。 (21)すると第2ディスク84が第3ディスク87を回転
させようとする力も作用しなくなり、第2ディスク84
は溝85,86の斜面85b,86bに沿って前進し、
溝85,86がその最も深い底85a,86a同志で当
接しあう。 (22)この結果クラッチ歯82と第2クラッチ歯83間に
は斜面85b,86bの深さ分(軸方向の距離)だけの
クリアランスが生じ、刃先同志が再衝突することもなく
静かに空転し続ける。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のものにあっては、トルクの伝達が噛合いクラッ
チ歯82,83による噛合によってなされるため、それ
ぞれのクラッチ歯自体の耐久性が悪く、クラッチ歯の欠
けや摩耗が厳しいという問題点があった。特にねじ締め
初期において、締付工具の本体をねじを締付けする部位
側に押付けると、その押付け力によってドライバビット
90とともにスピンドル88が後退して、回転する第1
ディスク81のクラッチ歯82の歯面が第2ディスク8
4の第2クラッチ歯83の歯面に急激に当接することに
よって駆動回転が伝達されるために、この噛合面での耐
久性、耐摩耗性に問題があった。
【0009】さらに、上記した従来のものにあっては、
ねじの締付けが所定量(長さ)に達すると、第2ディス
ク84によってクラッチ手段における固定側のクラッチ
歯82と可動側の第2クラッチ歯83とを積極的に完全
に解離する構成であるため、ストッパスリーブの調整が
悪かったり、狭い場所や足場の悪い場所でのねじ締め作
業で締付けすべきねじが当初の希望した締付量に対して
締めたらない場合、そのままの状態でさらに締付けす
る、いわゆる追い締めができないという不具合が生起す
るものであった。
【0010】そこで本発明は上記した従来の欠点に鑑
み、駆動ギヤと噛合いクラッチとの間に中間クラッチ部
材を介在し、この中間クラッチ部材と駆動ギヤの間をカ
ム溝とボールにより回転伝達せしめる構成によって、噛
合いクラッチのクラッチ歯が当接し合う際の衝撃を中間
クラッチ部材によって吸収して、噛合いクラッチの噛合
いがスムーズに行なわれかつクラッチ歯の急激な当接が
防止され、噛合いクラッチ歯の耐久性が向上し得るとと
もに、当初の希望した締付量に対して締めたらない場合
でも追い締めが可能な締付工具を提供することを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本願発明は、
前記請求項に記載した構成のサイレントクラッチ付締付
工具とした。
【0012】
【作用】本発明の構成では、 (a) 駆動ギヤの溝←→ボール←→中間クラッチ部材の溝 (b) 噛合いクラッチの経路でトルク伝達が図られ、しか
も (c) 溝(いづれか一方)の深さが周方向に変化してい
る。 このために、ねじ締めのために工具をねじないしワーク
に押付けると、 (d) 駆動ギヤと中間クラッチ部材は、ボールが溝の最も
深い部分に位置した状態で噛合う。すなわち駆動ギヤと
中間クラッチ部材は最も近接する。
【0013】(e) そしてこの状態でクラッチ歯同志が噛
合う。 (f) クラッチ同志が噛合って溝間にボールを介して力が
作用しあうようになると、ボールは周方向に移動し、こ
の結果ボールは溝のうち深さの浅い部分に移る。このた
め中間クラッチ部材は前方に押出される。 (g) ねじ締めが完了してクラッチ歯の当接が解除される
と、ボールを溝の浅い部分に位置させておく力が作用し
なくなり、ボールは溝の深さの深い部分に移動する。こ
の結果中間クラッチ部材はその分後退し、クラッチ歯間
にクリアランスができる。 (h) その結果クラッチは静かに空転する。
【0014】(i) もしもねじ締めが不充分な状態で一旦
ねじ締め作業が停止すると、モータを停止させる。そし
て工具をワークに押付けた状態で再度モータを回転させ
る。 すると、クラッチ歯が噛合っていなくとも(ねじの締め
残し代がわずかであると従来の工具と同様、工具をワー
クに押付けてもクラッチ歯は噛合わない)、中間クラッ
チ部材をその慣性に抗して回転させ始めることになる。
このためにボールに溝の深さの浅いところに移動させる
力が作用して中間クラッチ部材が前方に押出される。こ
の結果クラッチ歯が再度噛合い、適正な締付け状態に復
帰する。すなわち従来の工具のように、ストッパスリー
ブの長さを調整するといった面倒はいらない。
【0015】(j) またボールが溝の深さの浅い部分に移
動するとき、中間クラッチ部材は駆動ギヤに対して相対
的に移動しない。すなわち駆動ギヤの回転数に比して中
間クラッチ部材は低い回転数で回転を始め、ついで駆動
ギヤの回転に追付いてゆく。 (k) このためクラッチ歯同志の当接開始時には駆動ギヤ
の回転数よりも低い回転数で当接しあうことになり、ク
ラッチ歯にかかる負荷が低減される。 このようにして本発明によると、締め残し分の締直し作
業が可能となり、またクラッチの耐久性も向上できる。
【0016】
【実施例】次に本発明を具現化した一実施例に係わる電
動式スクリュドライバについて図を参照して詳細に説明
する。図1において1はハウジングを示し、このハウジ
ング1内にモータ2とクラッチCLとスピンドル10が
収容されている。図中19はストッパスリーブを示し、
このストッパスリーブ19はハウジング1に付設されて
いる。このストッパスリーブ19はハウジング1に対し
て軸方向にスライド可能でありかつ任意の位置で固定で
きる。ハウジング1にはトリガ3がオペレータによって
操作可能に取付けられており、トリガ3がひかれている
間モータ2に電流が通電されて回転する。ハウジング1
のモータ2を取囲む位置には片面について9個の風穴4
a〜4iが形成されており、モータ2を冷却するように
なっている。それぞれの風穴4a〜4iは図2に良く示
されているように、トリガ3の側に偏けられており、冷
却風は矢印に示すようにトリガ3側に吹出されるように
なっている。すなわち図示X−X線より上方には冷却風
が吹出されないようになっている。ここで通常の作業
時、オペレータの顔面はX−X線より上方に位置してい
る。すなわちこの工具では風穴4a〜4iの向きを工夫
することにより、オペレータの顔面に冷却風が直接当ら
ないようにしている。
【0017】図1に良く示されているように、スピンド
ル10はハウジング1に固定されたリング状の軸受メタ
ル8,16によって回転可能でかつ軸方向にスライド可
能に支承されている。軸受メタル8の後端側はスピンド
10の軸方向移動用の空間7を介してハウジング1の
隔壁1aによって気密に封じられ、モータ2側から空間
7に異物がはいりこむのを防止している。スピンドル1
0の後端側側面は直径方向に2個所で面取り面9,9
形成するように面取りされており、この面取り面9は軸
受けメタル8の前端よりも前方に伸びている。このため
空間7はスピンドル10が後退しても常に面取り面9と
軸受けメタル8間の隙間を介して大気に連通している
(図3参照)。このためスピンドル10は軸受けメタル
8内を軽くスライドする。従来の構造では面取り面9が
ないために、軸受けメタル8とスピンドル10と隔壁1
とで囲繞される空間7が密封されており、ここにある
大気が時には加圧されあるいは減圧されることになり、
スピンドル10のスライド移動が滑らかにゆかなかっ
【0018】スピンドル10のまわりには、駆動ギヤ1
1が回転自在に遊嵌されている。駆動ギヤ11は後述の
ばねSPによってベアリング25に押付けられており、
軸方向にはスライドしない。駆動ギヤ11の外周にはギ
ヤ11aが形成されており、このギヤ11aはモータ2
の出力軸6に形成されているピニオン6aと噛合ってい
る。出力軸6はベアリング5で軸支されている。これに
よって駆動ギヤ11はスピンドル10のまわりをモータ
2によって回転される。
【0019】駆動ギヤ11の前方側端面には同一半径上
の3個所に溝20が形成されている(図4〜6参照)。
この溝20は、後述するスチールボール12の直径の2
倍相当の長さを有し、その深さは一定である。また周方
向の端部はスチールボール12と面的に当接する形状に
仕上げられている。なお図5,図6は、溝20,20,
20の中心を結ぶ周に沿って展開したときの形状を示し
ている。なお駆動ギヤ11にはクラッチ歯が不必要であ
るため、さほど大きな荷重が作用せず、焼結金属で形成
されている。このため生産コストが低く押えられてい
る。
【0020】図1に良く示されているように、駆動ギヤ
11の前方には中間クラッチ部材13が対向するように
配置されている。中間クラッチ部材13はスピンドル1
0のまわりに遊嵌されており、スピンドル10に対して
回転可能で軸方向にスライド可能となっている。中間ク
ラッチ部材13はばねSPによって駆動ギヤ11の側に
付勢されている。
【0021】中間クラッチ部材13の後端面には、前記
3個所の溝20,20,20と向かい合うように、3個
所の溝21が形成されている。この詳細が図4〜図6に
示されている。溝21は図から明らかなように、溝20
よりも長い。そして特に図6に明確なように溝21の中
心21aで深さ(軸方向の長さ)が最も大きく、その両
側では徐々に深さが浅くなる傾斜面となっており(21
b)、そして端面21cはスチールボール12と面的に
当接する形状になっている。そしてこの溝20,21に
亘ってスチールボール12が介装されている。このスチ
ールボール12はボールであり、溝20と21が無関係
に回転しないようにしている。しかしながらこのボール
12は溝20,21にゆとりをもって介装されているた
めに、溝20と21すなわち駆動ギヤ11と中間クラッ
チ部材13は所定の範囲内で相対回転できる。図5はボ
ール(スチールボール12)が溝21の中央21aに位
置している状態を示し、一方図6はボール(スチールボ
ール12)が溝21の左端で溝20の右端に位置してい
る状態を示している。
【0022】図5の状態ではスチールボール12が溝2
1の深さが最も深いところにあるため、駆動ギヤ11と
中間クラッチ部材13は最もよく接近する。それに反し
図6の状態ではスチールボール12が溝21の深さが浅
いところに移動するため、中間クラッチ部材13は駆動
ギヤ11から遠ざけられる。すなわち前方に押出され
る。今、溝21の深さの差がBであれば、図5の状態に
比して図6の状態になると、中間クラッチ部材13は駆
動ギヤ11からBだけ押出される。なお溝20の長さは
最小限スチールボール12の直径だけあればよい。また
本実施例では滑らかな動きを得るためにボールとしてス
チールボール12を使用したが、必ずしも球体である必
要はない。
【0023】図1に良く示されているように、中間クラ
ッチ部材13の前端面にはクラッチ歯14が形成され、
スピンドル10の大径部10aの後端面にはクラッチ歯
15が形成されている。クラッチ歯14と15は噛合い
可能となっている。サイレントクラッチCLは駆動ギヤ
11と中間クラッチ部材13とスチールボール12とを
主体として構成されており、後述のように作動する。な
おスピンドル10の先端側には軸孔17が形成され、こ
にドライバビット18が取付け可能となっている。ド
ライバビット18が取付けられると、ドライバビット1
8はストッパスリーブ19内でスピンドル10とともに
回転する。
【0024】次に図5〜図9を参照して本工具の作動を
説明する。まずモータ2が回転せず、ドライバビット1
8がねじに押付けられていないと、図7に示すように、
スピンドル10はばねSPによって前方に押出され、中
間クラッチ部材13はばねSPによって駆動ギヤ11に
付勢されている。このとき駆動ギヤ11と、中間クラッ
チ部材13間にトルクが作用しないため、駆動ギヤ11
と中間クラッチ部材13は最も近接する状態、すなわち
図5に示すように、ボール(スチールボール)12が溝
21中最も深さの深いところ21aに位置している。
【0025】この状態でオペレータが工具をワークに押
付けると、ドライバビット18を介してスピンドル10
が後退する(図7から図8への変化参照)。このためク
ラッチ歯14,15が噛合う。今モータ2が回転した状
態でスピンドル10が後退する場合を考えると、図5と
図6の中間の段階でクラッチ歯14と15が噛合い始め
る。ここで図5と図6を対比すると明らかなように、駆
動ギヤ11は左方に大きく移動(すなわち回転)してい
るのに、中間クラッチ部材13は移動(すなわち回転)
していない。すなわち駆動ギヤ11に比して中間クラッ
チ部材13の回転速度が遅い段階でクラッチ歯14と1
5は噛合うことができる。このためクラッチ歯14と1
5は緩やかな速度で噛合い、噛合った後高速で回転され
るようになり、クラッチ歯14,15に作用する負荷は
低減されている。つまり、クラッチ歯14と15が噛合
ったとき、中間クラッチ部材13は駆動ギヤ11の回転
方向とは相対的に逆方向に回転しながらその回転速度を
落してスピンドル10に噛合し、それによってクラッチ
歯14,15の噛合がスムーズに行なわれると共に、ク
ラッチ歯の耐久性が向上する。前記した溝20の長さは
駆動ギヤ11と中間クラッチ部材13の相対回転を許す
役割を有し、これが長いほど中間クラッチ部材13が高
速で回転し始めるまでの時間を長くできる。なお溝21
の傾斜面21bの長さを長くしてもよいが、溝21が周
方向に伸びる以上むやみに長くできない。そこで溝20
の長さを長くすることが有利となる。
【0026】クラッチ歯14と15が噛合って、中間ク
ラッチ部材13を回転させるのに抗する力が強くなる
と、溝20の図示右端でスチールボール12を押し、ス
チールボール12は溝21の傾斜面21bを転動する。
このため中間クラッチ部材13は溝21の深さの変化分
Bだけ前方に押出される。そしてこの状態でねじ締めが
進行する。この状態が図9に示されている。
【0027】図1から明らかなように、ストッパスリー
ブ19の先端がワークWに当接すると、オペレータが工
具をワークWに押付ける力はストッパスリーブ19がワ
ークWを押付ける力となってしまい、スピンドル10を
前方に押す力はばねSPの力だけになる。この状態でね
じ締めが進行し、クラッチ歯14と15の噛合いが外れ
ると、中間クラッチ部材13は自由に回転できるように
なり、この結果ばねSPの力によって図6の状態から図
5の状態に戻る。
【0028】この結果クラッチ歯14と15間には、前
記Bだけのクリアランスが生じ、クラッチ歯14と15
は騒音を発しないで静かに遊転する。すなわち図7の状
態に戻る。再度オペレータが次のねじにドライバビット
18を押付けると、図8の状態でクラッチが噛合い、図
9の状態でねじ締めが進行し、そして設定深さまでねじ
締めが進行すると図7の状態に復帰するという作動が繰
返される。
【0029】さて、次に締め残し代を締直す場合につい
て説明する。さて図7のクラッチ歯間のクリアランスが
Bであり、締め残し代がB未満であるとする。この場合
締め残されたねじにドライバビット18を当接させてド
ライバビット18を後退させても、クラッチ歯15が距
離Bだけ後退してクラッチ歯14と15が噛合う以前に
ストッパスリーブ19がワークWに当接してしまう。そ
こで図8のように、クラッチ歯14,15が噛合えな
い。このために従前の工具だと締め残したねじを締め直
すことができなかった。従来の工具でねじを締め残して
しまうと、ストッパスリーブ19を後退させ、図8の状
態を実現できるようにして締め直すしかなかった。
【0030】しかしながら本実施例の工具によると、一
旦トリガ3をゆるめてモータ2を停止させ、ついで締め
残したねじにドライバビット18を当接させ、ついでト
リガ3を操作してモータ2を回転させると図9の状態が
実現され、締め直しが可能となっている。一旦モータ2
を停止させると、駆動ギヤ11と中間クラッチ部材13
間にトルクが作用せず、図5に示すように、スチールボ
ール12は最も深さの深いところ21aに位置し、中間
クラッチ部材13は最も後退する。この状態でドライバ
ビット18をしめ残したねじに押付けても、前記したよ
うに締め残し代が小さいと、図8のように、クラッチ歯
14と15が噛合うことができない。丁度クリアランス
Bに等しいだけ締め残したとしても、クラッチ歯14と
15がぎりぎりに噛合い始める直前になるまで接近する
にすぎず、締め残り代が小さければそれだけクラッチ歯
14と15間にクリアランスが残ってしまう。
【0031】しかるに本実施例ではトリガ3を操作して
モータ2を動かし始めると、中間クラッチ部材13には
慣性があって急には回転できないために、図6に示すよ
うにスチールボール12が溝21の傾斜面21bを転動
し、中間クラッチ部材13が前方に押出される。このた
めに、図8の状態を経ることなく図9の状態が実現さ
れ、この状態で締め残し分を締め直すことができる。
【0032】なお本実施例では駆動ギヤ11の側に深さ
の変わらない溝20を設け、中間クラッチ部材13の側
に深さの変わっている溝21を設けている。しかしなが
らこれは逆にしてもよいし、V字状の溝でもよい。ま
本実施例では、周方向に3ケ所等間隔で溝20,21を
設けているが、溝20,21の数は1以上任意の数でよ
い。さらに本実施例では、スピンドル10がクラッチC
Lの軸を兼用しているが、クラッチ部の軸をスピンドル
10と別体としてもよい。その他数々の変形が可能であ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、モータの回転開始時に
中間クラッチ部材がスピンドルに形成されているクラッ
チ歯の方向に送りだされてクラッチが接続するため、締
め残したねじ類を締め直すことができる。またクラッチ
当接開始時には中間クラッチ部材の回転数が駆動ギヤの
それよりも遅く、クラッチ歯の当接時に作用する負荷が
軽減される。このためにクラッチの耐久性の向上が図ら
れ、また生産しやすい材質が使用可能となる。このよう
にして本発明によると従来のサイレントクラッチ付締付
工具よりも使い勝手もよく耐久性に優れた工具が実現さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の一部縦断面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図1のIII −III 線の一部拡大断面図
【図4】図1のIV−IV線断面図
【図5】駆動ギヤと中間クラッチ部材とスピンドルの展
開図(ただしトルクが作用しない状態)
【図6】駆動ギヤと中間クラッチ部材とスピンドルの展
開図(ただしトルクが作用している状態)
【図7】駆動ギヤと中間クラッチ部材とスピンドルの軸
方向の関係を示す図(ただしトルクが作用せず、工具が
ワークに押付けられていない状態)
【図8】駆動ギヤと中間クラッチ部材とスピンドルの軸
方向の関係を示す図(ただしトルクが作用せず、工具が
ワークに押付けられた状態)
【図9】駆動ギヤと中間クラッチ部材とスピンドルの軸
方向の関係を示す図(ただしトルクが作用し、工具がワ
ークに押付けられた状態)
【図10】従来の締付工具の一例
【符号の説明】
1 ハウジング 2 モータ 10 スピンドル 11 駆動ギヤ 12 スチールボール(ボール) 13 中間クラッチ部材 14 クラッチ歯(中間クラッチ部材) 15 クラッチ歯(スピンドル) 18 ドライバビット 19 ストッパスリーブ 20 溝 21 溝 21b 深さのかわる傾斜面 CL クラッチ SP ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−129677(JP,A) 実開 昭59−163468(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングの先端部に装設されたストッパ
    スリーブと、駆動装置から回転される駆動ギヤと、前記
    ストッパスリーブ内に位置されたドライバビットを備え
    かつ前記駆動ギヤと同軸に配置されて軸方向に移動可能
    に支承されたスピンドルと、該スピンドルの軸方向への
    移動によって前記駆動ギヤの回転力を前記スピンドルに
    対して伝達しまたは遮断する噛み合いクラッチ機構とを
    備えた締付工具であって、 前記駆動ギアと前記スピンドルとの間に、前記スピンド
    ルの軸方向に移動可能で前記駆動ギヤ側にばね付勢され
    るとともに、前記駆動ギヤに対して相対回転可能な中間
    クラッチ部材を介装し、 該中間クラッチ部材と前記スピンドルとの間に前記噛み
    合いクラッチ機構を設ける一方、 該中間クラッチ部材と前記駆動ギヤとの間に、前記駆動
    ギヤまたは前記中間クラッチ部材の少なくとも一方に形
    成した深さが変化する溝部と、該溝部に挿入された球体
    を有する軸方向変位手段を設け、 前記中間クラッチ部材が前記駆動ギヤに対して回転方向
    について変位した時に、前記球体が前記溝部の浅い位置
    へ転動することにより前記中間クラッチ部材を前記駆動
    ギヤから離間させて前記噛み合いクラッチ機構を噛み合
    わせる構成とした ことを特徴とするサイレントクラッチ
    付締付工具。
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