JP3298692B2 - 金属ガスケット - Google Patents
金属ガスケットInfo
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Description
り、更に詳しくは、異種材料からなるシリンダブロック
及びチェンケースカバーと、それらの上のシリンダヘッ
ドとの間に介在してこれらを好適にシールし得る金属ガ
スケットに関する。
機関を構成するシリンダブロックとこの上に取り付けら
れたシリンダヘッドとの接合面には、この接合面から燃
焼ガス,冷却水,潤滑油等の流体の漏洩を防止するた
め、種々のガスケットを介装する。従来、このようなガ
スケットとしては、アスベスト材,化学繊維材或いはカ
ーボンシート材等から形成された所謂ソフトガスケット
が提供されているが、前記ソフトガスケットは、その素
材による不可避的な問題として、内燃機関の運転に伴う
経時劣化並びに耐熱性の確保が困難であるといった欠点
があり、これに替わって、耐熱性,耐圧縮性,耐久性に
富み、良好な復元性(バネ特性)及び熱伝導性を有する
金属製のガスケットが広く使用されるようになってきて
いる。
新により、エンジンの小型軽量化,高出力化,省燃費化
等の開発が進んでおり、例えば、バルブ数を1気筒当た
り従来の2個に対して4個〜5個と増加し、このバルブ
を作動させるカム軸を従来の1本に対して2本と増加
し、このカム軸を高速度で回転させることにより、吸入
効率及び排気効率を向上させることが案出されている。
ここで、前記カム軸を回転駆動する方式としては、ベル
ト駆動方式とチェン駆動方式があり、一般には駆動時の
騒音が小さく、給油作業が不要であるベルト駆動方式が
採用されていた。しかるに、このベルト駆動方式に用い
るタイミングベルトは、高負荷に対する耐久性に乏し
く、またチェンの改良によって駆動時の騒音が低減して
いることから、チェン駆動方式によるエンジンに転換す
る傾向がある。
するため、チェンに適宜給油を行う必要がある。そこ
で、チェン駆動方式によるエンジンは、オイルの飛散を
防ぎ、また駆動時の騒音を極力低減するために、シリン
ダブロックの隣に前記チェンを被覆するチェンケースカ
バーを取り付け、この隣合うシリンダブロック及びチェ
ンケースカバーの上にシリンダヘッドを取り付けた構成
となっている。
ルミニウムから一体に成形するが、シリンダブロックと
チェンケースカバーは、シリンダブロックは鋳鉄,チェ
ンケースカバーはアルミニウムからそれぞれ別体に成形
し、シリンダブロックとチェンケースカバーを隣合わせ
に、各々の下部をロック状態にして締結ボルトで堅固に
結合し、この隣合うシリンダブロック及びチェンケース
カバーの上にシリンダヘッドを載置した後、締結ボルト
で堅固に結合するものである。
トは、隣合うシリンダブロック及びチェンケースカバー
とこれらの上に取り付けるシリンダヘッドとの接合面に
介在して、前記隣合うシリンダブロック及びチェンケー
スカバーと前記シリンダヘッドとをシールする機能を有
するものとなっている。
ダブロックとチェンケースカバーは、それぞれ鋳鉄とア
ルミニウムといった異種金属から成形するためにそれぞ
れの熱膨張率が異なり、アルミニウム製のチェンケース
カバーは、鋳鉄製のシリンダブロックより温度の影響に
よる変形が大きい。これによって、上記エンジンの運転
中にシリンダブロックの燃焼室内での連続的爆発に伴う
温度上昇時には異なった熱膨張変形をなし、更に運転終
了後のエンジンの冷却時において、前記温度上昇時との
温度差によるアルミニウム製のチェンケースカバーの収
縮変形から、シリンダブロックとガスケットは密着して
いるが、チェンケースカバーと金属ガスケットとの間に
は僅かな隙間が生じる。
ケットの厚み或いは枚数を増したり、金属ガスケットの
チェンケースカバーとの接合部にシール材を塗布するこ
とによって対応していたが、金属ガスケットの厚み或い
は枚数を増すことは、コスト的見地から好ましくなく、
またシール材を塗布することは、製造コストを助長する
上、製造工程を複雑にするといった欠点がある。従って
従来は、上述したチェンケースカバーの熱膨張変形に良
好に対応し得る金属ガスケットは提供されていないのが
実情である。
あって、その目的は、異種材料からなるシリンダブロッ
ク及びチェンケースカバーと、それらの上のシリンダヘ
ッドとの間に介装して、シリンダブロックとチェンケー
スカバーとの熱膨張変形の相違に追従し、シリンダブロ
ック及びチェンケースカバーと、それらの上のシリンダ
ヘッドとの間のシール効果を長期間にわたって保証する
金属ガスケットを提供することにある。
のうち、請求項1に記載のものは、弾性変形可能な金属
板からなり、隣合うシリンダブロック及びチェンケース
カバーとそれらの上のシリンダヘッドとの間に介在して
前記隣合うシリンダブロック及びチェンケースカバーと
前記シリンダヘッド間をシールする金属ガスケットにお
いて、前記シリンダブロックと前記金属ガスケットとの
チェンケースカバー側の接合端部から前記チェンケース
カバー側に向けて下方に傾斜した第一ステップビードを
有しており、前記シリンダブロックの前記チェンケース
カバー側の端面上部の稜線部に面取りを施し、その面取
った上縁部を第一ステップビードの起点位置とし、前記
チェンケースカバーのシリンダブロック側の端面を含む
面内における鉛直延長線上の位置を第二の位置とし、前
記起点位置から第二の位置までの最短距離と等しい距離
を前記第二の位置から前記チェンケースカバー側に延出
した位置を第三の位置とし、前記第一ステップビード
を、前記起点位置から前記第三の位置に向けて下方に傾
斜させて形成したことを特徴とする。
に記載のものにおいて、前記第三の位置から前記チェン
ケースカバーの背面側に、前記チェンケースカバーの前
記金属ガスケットに対する接合面と平行に所定幅の平板
部を設け、この平板部から前記チェンケースカバーの背
面側に穿孔を形成したことを特徴とする。また、請求項
3に記載のものは、請求項2に記載のものにおいて、前
記穿孔よりも前記チェンケースカバーの内側で、前記第
一ステップビードの水平延長線に交差し且つ前記第一ス
テップビードと交差しない位置に、前記穿孔から離れる
方向に向けて下方に傾斜した第二ステップビードを形成
すると共に、前記穿孔よりも前記チェンケースカバーの
外側で、前記第一ステップビードの水平延長線に交差し
且つ前記第一ステップビードと交差しない位置に、前記
穿孔から離れる方向に向けて下方に傾斜した第三ステッ
プビードを形成したことを特徴とする。
に記載のものにおいて、前記一組の第二及び第三ステッ
プビードの間で、前記シリンダブロックと前記チェンケ
ースカバーのそれぞれの接合面側の上部の稜線部に面取
りを施し、前記シリンダブロックの面取った上縁部を前
記起点位置とすると共に、前記チェンケースカバーの面
取った上縁部を前記第三の位置としたことを特徴とす
る。さらに、請求項5に記載のものは、弾性変形可能な
金属板からなり、隣合うシリンダブロック及びチェンケ
ースカバーとそれらの上のシリンダヘッドとの間に介在
して前記隣合うシリンダブロック及びチェンケースカバ
ーと前記シリンダヘッド間をシールする金属ガスケット
において、前記シリンダブロックと前記金属ガスケット
とのチェンケースカバー側の接合端部から前記チェンケ
ースカバー側に向けて下方に傾斜した第一ステップビー
ドを有しており、前記第一ステップビードの前記下方へ
の傾斜の終点位置から前記チェンケースカバーの背面側
に、前記チェンケースカバーの前記金属ガスケットに対
する接合面と平行に所定幅の平板部を設け、この平板部
から前記チェンケースカバーの背面側に穿孔を形成し、
前記穿孔よりも前記チェンケースカバーの内側で、前記
第一ステップビードの水平延長線に交差し且つ前記第一
ステップビードと交差しない位置に、前記穿孔から離れ
る方向に向けて下方に傾斜した第二ステップビードを形
成すると共に、前記穿孔よりも前記チェンケースカバー
の外側で、前記第一ステップビードの水平延長線に交差
し且つ前記第一ステップビードと交差しない位置に、前
記穿孔から離れる方向に向けて下方に傾斜した第三ステ
ップビードを形成したことを特徴とする。
載のものによれば、金属ガスケットに、この金属ガスケ
ットとシリンダブロックとのチェンケースカバー側の接
合端部からチェンケースカバー側に向けて下方に傾斜し
た第一ステップビードを形成したことで、この第一ステ
ップビードが柔軟な弾性変形をなす。これによって、組
み立てた最初、隣合うシリンダブロック及びチェンケー
スカバーとそれらの上のシリンダヘッドとの間に平板状
態で介在して、前記隣合うシリンダブロック及びチェン
ケースカバーと前記シリンダヘッドとをシールし、その
後、使用後の冷却により、熱の影響に伴うシリンダブロ
ック及びチェンケースカバーの変形に対して、前記第一
ステップビードが初期の屈折した状態に弾性変形してシ
リンダブロックとチェンケースカバーとの変形の相違に
追従するので、シリンダブロック及びチェンケースカバ
ーと金属ガスケットとの間に隙間体積に変化が生じるこ
とがなく、常に良好なシール状態を維持するこが可能と
なる。
第一ステップビードを、起点位置から第三の位置に向け
て下方に傾斜するように形成したことで、シリンダブロ
ックに面取った面と、チェンケースカバーのシリンダブ
ロック側の上端部と、第一ステップビードとによって囲
む閉空間の容積が、熱の影響に伴うシリンダブロック及
びチェンケースカバーの変形にかかわらず常に一定にな
る。
属ガスケットが有する弾性変形力が分散せず、この弾性
変形力が穿孔周縁にスムーズに伝達するので、最初に介
装したときの平板状態の変形及び熱の影響に伴うシリン
ダブロックとチェンケースカバーとの変形の相違に追従
する第一ステップビードの変形を容易にする。また、請
求項3に記載のものによれば、第二及び第三ステップビ
ードの間で、前記閉空間を密閉することが可能となる。
リンダブロックに面取った面と、チェンケースカバーに
面取った面と、第一ステップビードとによって囲む閉空
間を密閉すると共に、この閉空間の容積が、熱の影響に
伴うシリンダブロック及びチェンケースカバーの変形に
かかわらず常に一定になる。さらに、請求項5に記載の
ものによれば、請求項1に係る発明と同様に、金属ガス
ケットに、この金属ガスケットとシリンダブロックとの
チェンケースカバー側の接合端部からチェンケースカバ
ー側に向けて下方に傾斜した第一ステップビードを形成
したことで、この第一ステップビードが柔軟な弾性変形
をなす。これによって、組み立てた最初、隣合うシリン
ダブロック及びチェンケースカバーとそれらの上のシリ
ンダヘッドとの間に平板状態で介在して、前記隣合うシ
リンダブロック及びチェンケースカバーと前記シリンダ
ヘッドとをシールし、その後、使用後の冷却により、熱
の影響に伴うシリンダブロック及びチェンケースカバー
の変形に対して、前記第一ステップビードが初期の屈折
した状態に弾性変形してシリンダブロックとチェンケー
スカバーとの変形の相違に追従するので、シリンダブロ
ック及びチェンケースカバーと金属ガスケットとの間に
隙間体積に変化が生じることがなく、常に良好なシール
状態を維持するこが可能となる。また、請求項5に記載
のものによれば、請求項2に係る発明と同様に、金属ガ
スケットが有する弾性変形力が分散せず、この弾性変形
力が穿孔周縁にスムーズに伝達するので、最初に介装し
たときの平板状態の変形及び熱の影響に伴うシリンダブ
ロックとチェンケースカバーとの変形の相違に追従する
第一ステップビードの変形を容易にする。また、請求項
5に記載のものによれば、請求項3に係る発明と同様
に、第二及び第三ステップビードの間で、前記閉空間を
密閉することが可能となる。
に説明する。図1ないし図6は、本発明の金属ガスケッ
トの実施例を示す図であり、これらの図において符号1
で示すものは自動車用エンジンその他の内燃機関を構成
するシリンダブロック、11はこのシリンダブロック1
と隣合わせに締結ボルトで結合したチェンケースカバ
ー、21はこの隣合うシリンダブロック1及びチェンケ
ースカバー11の上に締結ボルトで結合したシリンダヘ
ッドである。
この鋳鉄を溶解して鋳型に鋳込んで成形したものであ
り、チェンケースカバー11は、アルミニウムを素材と
し、シリンダブロック1と同様に鋳造により成形したも
のである。これら各々の端面のうち、隣合わせで接合す
るシリンダブロック接合端面2とチェンケースカバー接
合端面12は、フライス盤等の工作機械で切削加工を施
し、表面が仕上げられている。更に、シリンダブロック
接合端面2の上部の稜線部は、面取られて面取り部3と
なっている。
バー11との間には、前記切削加工時に、シリンダブロ
ック接合端面2及びチェンケースカバー接合端面12に
形成されるツールマーク等の表面凹凸による接合不良を
防止する端面用ガスケット31が介在している。この端
面用ガスケット31は、同一平面内に位置するシリンダ
ブロックシール面4とチェンケースカバーシール面14
よりも突出すると、隣合うシリンダブロック1及びチェ
ンケースカバー11の上にシリンダヘッド21を結合し
た際に、その突出部が折れ曲がって精密な接合状態が損
なわれるため、必ずその端縁が各シール面4,14より
下方となるように形成して組み付ける。
チェンケースカバー11の上には、アルミニウムを素材
とし、このアルミニウムを溶解して鋳型に鋳込んで成形
したシリンダヘッド21が締結ボルトで堅固に結合して
おり、隣合うシリンダブロック1及びチェンケースカバ
ー11とシリンダヘッド21との間には、弾性変形可能
な金属板からなる金属ガスケット41が介在している。
を図4に、図4におけるA−A断面を図5に示すよう
に、シリンダブロック1の燃焼室(図示せず)に対応し
た複数個の燃焼室孔42と、シリンダブロック1とシリ
ンダヘッド21とを結合する締結ボルトの配設位置に合
わせたボルト孔43と、チェンケースカバー11とシリ
ンダヘッド21とを結合する締結ボルトの配設位置に合
わせたボルト孔44と、チェンケースカバー11の内周
に沿ったチェンケースカバー孔45とを形成し、更に第
一ステップビード51及び穿孔61と、第二ステップビ
ード62及び第三ステップビード63とを形成してなる
ものである。尚、図5は、立体的状態を明瞭にするた
め、模式的に形成状態を図示したものであって、金属ガ
スケット41の板厚と第一ないし第三ステップビード5
1,62,63の幅等との比率は一致しない。
成される。即ち、先ずシリンダブロック1に、図1及び
図2に示すように面取り部3を形成して、その上縁部5
を第一の位置(第一ステップビードの起点位置)Aと
し、この第一の位置Aを起点として、チェンケースカバ
ー接合端面12上の位置である第二の位置Bに第一ステ
ップビード51の幅の中心が位置し、第三の位置Cを終
点として下方に傾斜させて、チェンケースカバー11の
両側端部の肉厚よりも小さく、この両側端部に合わせて
チェンケースカバー孔45の外側に形成したものであ
る。ここで、明らかに線分ABと線分BCは等しい。
チェンケースカバー11の背面側に、チェンケースカバ
ーシール面14と平行に所定幅の平板部64を設けた上
で、この平板部64からチェンケースカバー11の背面
側に形成したものであり、チェンケースカバー11の両
側端部の肉厚よりも小さく、第一ステップビード51の
位置に合わせてチェンケースカバー孔45の外側に形成
している。尚、平板部64の幅は、形成上の要請から1
mm以上とするのが好ましい。
1の内側であって且つ前記チェンケースカバー孔45を
囲み、第一ステップビード51の水平延長線と交差し
て、穿孔61から離れる方向に向けて下方に傾斜させて
形成したものであり、第三ステップビード63は、穿孔
61の外側であって且つ前記第二ステップビード62を
囲み、第一ステップビード51の水平延長線と交差し
て、穿孔61から離れる方向に向けて下方に傾斜させて
形成したものである。
と、端面用ガスケット31の上部と、チェンケースカバ
ー接合端面12の上部と、第一ステップビード51とに
よって囲む閉空間Dには、液体パッキンを介装してい
る。この液体パッキンは、経時に連れて液体から変形自
在な軟体に変化する。次に、上記の構成からなる金属ガ
スケット41の作用について説明する。
せたエンジンのシール部を示す要部拡大断面図である。
図2に示すエンジンの運転開始前のシール部の状態にお
いては、シリンダブロック1とチェンケースカバー11
の各シール面4,14は同一平面内に位置し、金属ガス
ケット41の第一ステップビード51は、隣合うシリン
ダブロック1及びチェンケースカバー11とシリンダヘ
ッド21とを結合する締結ボルトの緊締力によるシリン
ダヘッド21の面圧で弾性変形し、平板状態となって介
在している。このとき、液体パッキンが介在する前記閉
空間Dの断面積は、図2において面積abcdeとなっ
ている。
リンダブロック1の燃焼室内での連続的爆発に伴い温度
上昇が起こると、それぞれの部材は熱膨張変形をなす。
この際、鋳鉄製のシリンダブロック1とアルミニウム製
のチェンケースカバー11とは、異なった熱膨張係数を
有するため、チェンケースカバー11は、シリンダブロ
ック1より膨張するが、隣合うシリンダブロック1及び
チェンケースカバー11とシリンダヘッド21とは締結
ボルトで堅固に結合しているため、チェンケースカバー
11の膨張は、シリンダヘッド21の面圧によって抑制
され、エンジンの運転開始後も図2に示す状態から変化
しない。
示す運転開始前の状態が続くが、運転終了後には温度下
降が起こり、エンジンは冷却する。この温度変化によっ
て、図1に実線で示すように、チェンケースカバー11
は、シリンダブロック1及びシリンダヘッド21より収
縮率が大きく、且つその下部においてシリンダブロック
1と堅固に結合しているため、前記第二の位置Bにおい
てeはe′,第三の位置Cにおいてfはf′と変化し
て、シリンダブロックシール面4とチェンケースカバー
シール面14とに段差が生じる。これに伴い、平板状態
となって介在していた金属ガスケット41の第一ステッ
プビード51は、チェンケースカバー11の収縮に追従
して弾性変形し、初期の屈折した状態となって介在す
る。この第一ステップビード51の弾性変形は、平板部
64が常にチェンケースカバーシール面14と密接した
ままであって、穿孔61が弾性力の分散を防ぐので、シ
リンダヘッド1とチェンケースカバー11との変形の相
違に追従する第一ステップビード51の変形をスムーズ
に行う。
形後の前記閉空間Dの断面積は、図1において面積ab
cde′f′となり、この面積abcde′f′と前記
面積abcdeは合同である。この命題が正しいことを
裏付けるには、第二の位置Bにおける第一ステップビー
ド51の下面の位置をgとし、三角形ageと三角形
f′ge′が合同であることを示せばよい。先ず、第二
の位置B,第三の位置Cの定義から辺aeと辺f′e′
は等しい。また、初期のシリンダブロックシール面4と
チェンケースカバーシール面14は同一平面内に位置し
ていたので辺aeと辺f′e′は平行であり、即ち角g
f′e′と角gaeは等しい。更に、明らかに角aeg
と角f′e′gは等しい。ゆえに1辺とその両端の角が
等しいことから上記命題は正しく、従ってエンジンの運
転開始前及び運転中と運転終了後とにおいて、液体パッ
キンが介在する閉空間Dの容積に変化はないといえる。
ースカバー接合端面12の上部の稜線部に面取り部13
を形成し、この面取り部13の上縁部15を前記第三の
位置Cとしても同様のことがいえ、変形後の第一ステッ
プビード51の下面と変形前の面取り部13との交点を
hとすると、三角形ahfと四角形ee′f′hの面積
は等しい。
たとき、液体パッキンは軟体であるため、前記閉空間D
の形状変化に追従して変形する。この場合、前記第二及
び第三ステップビード62,63は、穿孔61から離れ
る方向で下方に傾斜した傾斜終了部においてチェンケー
スカバーシール面14と密接しているので、液体パッキ
ンの外部への漏洩を防止する。更に、第二及び第三ステ
ップビード62,63の間で前記面取り部3,13を形
成すると、液体パッキンは完全に密封状態となって漏洩
防止が確実に可能となる。
化に伴うシリンダブロック1とチェンケースカバー11
との熱膨張変形の相違に対して、金属ガスケット41に
形成した第一ステップビード51が好適に追従変形する
ので、シリンダブロック1及びチェンケースカバー11
と金属ガスケット41との間に隙間が生じることがな
く、常に良好なシール状態を維持するこができる。そし
て、穿孔61が、金属ガスケット41の弾性変形力の分
散を防ぎ、この穿孔61周縁に弾性変形力をスムーズに
伝達するので、最初に介装したときの平板状態の変形及
び熱の影響に伴うシリンダブロック1とチェンケースカ
バー11との変形の相違に対する追従変形を容易にす
る。
て、チェンケースカバー11が熱膨張変形しても常に閉
空間Dの容積を一定とすることができ、第二及び第三ス
テップビード62,63を形成したことで、液体パッキ
ンの外部への漏洩を防止することができる。特に、第二
及び第三ステップビード62,63の間で前記面取り部
3,13を形成すると、液体パッキンは完全に密封状態
となって漏洩防止を一層確実にすることができる。尚、
図1及び図2は、変形状態を明瞭にするため、模式的に
シール状態を図示したものであって、金属ガスケット4
1の板厚と第一ステップビード51の幅等との比率は一
致しない。
ガスケット31の上部に、面取り部に切欠32を形成す
ると、両段部33,34がシリンダブロック1とチェン
ケースカバー11とを完全にシール状態とするので、液
体パッキンの漏洩を確実に防止することができる。尚、
前記第一ステップビード51の幅、即ち前記第一の位置
Aと第三の位置Cとの間の長さは、シリンダブロックシ
ール面4とチェンケースカバーシール面14とに段差が
生じたとき、この段差の約五倍以上必要であることが実
験的に確認されており、例えば約0.3mmの段差が生じ
る場合には、1.5mm以上の幅の第一ステップビード5
1を形成すればよい。また、本実施例においては、金属
ガスケット41を一枚の金属板からなるものとして説明
したが、これに限られるものではなく、シリンダブロッ
ク1及びチェンケースカバー11に接触する一枚の金属
板に本発明を適用し、多層ガスケットとすることも可能
である。
の金属ガスケットによれば、以下の効果を得ることがで
きる。請求項1に記載のものによれば、金属ガスケット
に、この金属ガスケットとシリンダブロックとのチェン
ケースカバー側の接合端部からチェンケースカバー側に
向けて下方に傾斜した第一ステップビードを形成したこ
とで、この第一ステップビードが柔軟な弾性変形をな
し、最初に介装したときの平板状態の変形及び熱の影響
に伴うシリンダブロックとチェンケースカバーとの変形
の相違に追従して好適に弾性変形できるので、シリンダ
ブロック及びチェンケースカバーと金属ガスケットとの
間に隙間が生じることがなく、常に良好なシール状態を
維持するこができる。
シリンダブロックに面取った面と、チェンケースカバー
のシリンダブロック側の上端部と、第一ステップビード
とによって囲む閉空間の容積を、熱の影響によるシリン
ダブロック及びチェンケースカバーの変形にかかわらず
常に一定とすることができ、従ってこの閉空間内の液体
パッキンの漏洩を防止することができる。また、請求項
2に記載のものによれば、金属ガスケットが有する弾性
変形力が分散せず、穿孔の周縁に弾性変形力がスムーズ
に伝達するので、最初に介装したときの平板状態の変形
及び熱の影響に伴うシリンダヘッド及びチェンケースカ
バーの変形に追従する弾性変形を容易にすることができ
る。
二及び第三ステップビードの間で、前記閉空間を密閉す
ることが可能となり、従って液体パッキンの漏洩を防止
することができる。また、請求項4に記載のものによれ
ば、シリンダヘッドに面取った面と、チェンケースカバ
ーに面取った面と、第一ステップビードとによって囲む
閉空間の容積が、チェンケースカバーの変形にかかわら
ず常に一定とすることができると共に、この閉空間を変
形を容易にする形状で密閉することができ、従ってこの
閉空間内の液体パッキンの漏洩を防止することができ
る。そして、請求項5に記載のものによれば、金属ガス
ケットに、この金属ガスケットとシリンダブロックとの
チェンケースカバー側の接合端部からチェンケースカバ
ー側に向けて下方に傾斜した第一ステップビードを形成
したことで、この第一ステップビードが柔軟な弾性変形
をなし、最初に介装したときの平板状態の変形及び熱の
影響に伴うシリンダブロックとチェンケースカバーとの
変形の相違に追従して好適に弾性変形できるので、シリ
ンダブロック及びチェンケースカバーと金属ガスケット
との間に隙間が生じることがなく、常に良好なシール状
態を維持するこができ、また、金属ガスケットが有する
弾性変形力が分散せず、穿孔の周縁に弾性変形力がスム
ーズに伝達するので、最初に介装したときの平板状態の
変形及び熱の影響に伴うシリンダヘッド及びチェンケー
スカバーの変形に追従する弾性変形を容易にすることが
でき、さらに、第二及び第三ステップビードの間で、前
記閉空間を密閉することが可能となり、従って液体パッ
キンの漏洩を防止することができる。
エンジンの運転後のシール部の状態を示す要部詳細断面
図である。
エンジンの運転前のシール部の状態を示す要部詳細断面
図である。
たエンジンの運転後のシール部の状態を示す要部詳細断
面図である。
部分正面図である。
である。
ットの部分正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 弾性変形可能な金属板からなり、隣合う
シリンダブロック及びチェンケースカバーとそれらの上
のシリンダヘッドとの間に介在して前記隣合うシリンダ
ブロック及びチェンケースカバーと前記シリンダヘッド
間をシールする金属ガスケットにおいて、 前記シリンダブロックと前記金属ガスケットとのチェン
ケースカバー側の接合端部から前記チェンケースカバー
側に向けて下方に傾斜した第一ステップビードを有して
おり、 前記シリンダブロックの前記チェンケースカバー側の端
面上部の稜線部に面取りを施し、その面取った上縁部を
第一ステップビードの起点位置とし、前記チェンケース
カバーのシリンダブロック側の端面を含む面内における
鉛直延長線上の位置を第二の位置とし、前記起点位置か
ら第二の位置までの最短距離と等しい距離を前記第二の
位置から前記チェンケースカバー側に延出した位置を第
三の位置とし、前記第一ステップビードを、前記起点位
置から前記第三の位置に向けて下方に傾斜させて 形成し
たことを特徴とする金属ガスケット。 - 【請求項2】 前記第三の位置から前記チェンケースカ
バーの背面側に、前記チェンケースカバーの前記金属ガ
スケットに対する接合面と平行に所定幅の平板部を設
け、この平板部から前記チェンケースカバーの背面側に
穿孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の金属
ガスケット。 - 【請求項3】 前記穿孔よりも前記チェンケースカバー
の内側で、前記第一ステップビードの水平延長線に交差
し且つ前記第一ステップビードと交差しない位置に、前
記穿孔から離れる方向に向けて下方に傾斜した第二ステ
ップビードを形成すると共に、前記穿孔よりも前記チェ
ンケースカバーの外側で、前記第一ステップビードの水
平延長線に交差し且つ前記第一ステップビードと交差し
ない位置に、前記穿孔から離れる方向に向けて下方に傾
斜した第三ステップビードを形成したことを特徴とする
請求項2に記載の金属ガスケット。 - 【請求項4】 前記一組の第二及び第三ステップビード
の間で、前記シリンダブロックと前記チェンケースカバ
ーのそれぞれの接合面側の上部の稜線部に面取りを施
し、前記シリンダブロックの面取った上縁部を前記起点
位置とすると共 に、前記チェンケースカバーの面取った
上縁部を前記第三の位置としたことを特徴とする請求項
3に記載の金属ガスケット。 - 【請求項5】 弾性変形可能な金属板からなり、隣合う
シリンダブロック及びチェンケースカバーとそれらの上
のシリンダヘッドとの間に介在して前記隣合うシリンダ
ブロック及びチェンケースカバーと前記シリンダヘッド
間をシールする金属ガスケットにおいて、 前記シリンダブロックと前記金属ガスケットとのチェン
ケースカバー側の接合端部から前記チェンケースカバー
側に向けて下方に傾斜した第一ステップビードを有して
おり、 前記第一ステップビードの前記下方への傾斜の終点位置
から前記チェンケースカバーの背面側に、前記チェンケ
ースカバーの前記金属ガスケットに対する接合面と平行
に所定幅の平板部を設け、この平板部から前記チェンケ
ースカバーの背面側に穿孔を形成し、 前記穿孔よりも前記チェンケースカバーの内側で、前記
第一ステップビードの水平延長線に交差し且つ前記第一
ステップビードと交差しない位置に、前記穿孔から離れ
る方向に向けて下方に傾斜した第二ステップビードを形
成すると共に、前記穿孔よりも前記チェンケースカバー
の外側で、前記第一ステップビードの水平延長線に交差
し且つ前記第一ステップビードと交差しない位置に、前
記穿孔から離れる方向に向けて下方に傾斜した第三ステ
ップビードを形成 したことを特徴とする金属ガスケッ
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05576093A JP3298692B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 金属ガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05576093A JP3298692B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 金属ガスケット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06272765A JPH06272765A (ja) | 1994-09-27 |
JP3298692B2 true JP3298692B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=13007807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05576093A Expired - Fee Related JP3298692B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 金属ガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3298692B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19534962C2 (de) * | 1995-09-20 | 1997-12-11 | Reinz Dichtungs Gmbh | Zylinderkopfdichtung |
JP5365484B2 (ja) * | 2009-11-30 | 2013-12-11 | Nok株式会社 | ガスケット及び密封構造 |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP05576093A patent/JP3298692B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06272765A (ja) | 1994-09-27 |
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