JP3298563B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上の堆
積層に開口部を深さを異ならせて形成する半導体装置の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】先願である特願平10−298209号
の特許出願では、デジタルIC用として、デプレッショ
ン型(以下、D型という)及びエンハンスメント型(以
下、E型という)の電界効果トランジスタ(以下、FE
Tという)を混載させた半導体装置を実現するための製
造方法が開示されている。
【0003】同一半導体基板上にデプレッション型FE
Tとエンハンスメント型FETとを混載する場合、デプ
レッション型FETとエンハンスメント型FETとのゲ
ート電極を深さを異ならせて形成することが知られてい
る。
【0004】上述した特願平10−298209号の特
許出願では、図4及び図5に示すようにGaAs基板2
1上にアンドープGaAsバッファ層22,i−GaA
s層23,n−AlGaAs電子供給層24が順に積層
され、n−AlGaAs電子供給層24上に、n−Ga
Asキャップ層28とi−AlGaAs層27とを接合
した第1のエッチングストッパ層と、i−GaAs層2
6とi−AlGaAs層25とを接合した第2のエッチ
ングストッパ層とが上下2段に形成されている。
【0005】そして、n−GaAsキャップ層28とi
−AlGaAs層27とを接合した第1のエッチングス
トッパ層を選択結晶エッチングして、D型FET用のゲ
ート電極29を形成するためのリセス29aが設けら
れ、i−GaAs層26とi−AlGaAs層25とを
接合した第2のエッチングストッパ層を選択ウエットエ
ッチングして、E型FET用のゲート電極30を形成す
るためのリセス30aが設けられ、それぞれのリセス2
9a及び30aにD型FET用のゲート電極29及びE
型FET用のゲート電極30が形成されている。
【0006】なお図5では、図4に図示されたオーミッ
クコンタクトを取るためのキャップ層等を省略して、D
型FET用及びE型FET用のゲート電極29,30を
形成するためのリセス29a,30aに注目して図示し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4及び図
5に示す同一半導体基板上にデプレッション型FETと
エンハンスメント型FETとを混載した場合、キャップ
層28に接合した図示しないソース・ドレイン間の電流
は、n−AlGaAs電子供給層24に至る縦方向に流
れることが考えられる。
【0008】図4及び図5に示す技術では、n−AlG
aAs電子供給層24上に、n−GaAsキャップ層2
8,i−AlGaAs層27,i−GaAs層26,i
−AlGaAs層25が4層に渡って形成されている。
【0009】AlGaAs層25,27は、そのバンド
ギャップがGaAs層26,28のものより大きいた
め、図4及び図5に示すようにAlGaAs層25,2
7とGaAs層26,28とが接合したエピタキシャル
構造を用いてD型及びE型のFETを製造すると、Ga
As層26,28とAlGaAs層25,27の界面で
抵抗が大きくなり、その結果、FETのオン抵抗が大き
くなってしまう。
【0010】さらに選択ウエットエッチングに用いるA
lGaAs層25,27のAlの組成比は、0.4〜
0.9であり、そのAlの組成比が高いほどGaAs層
26,28よりもバンドギャップは大きくなってしま
う。
【0011】そのため、図4及び図5に示す技術を用い
て製造したD型FETを利用して、アナログ高周波回路
を含んだデジタル/アナログ混成のICを作成した場
合、D型FETのオン抵抗が大きくなり、アナログ高周
波回路での最大出力電流の低下及び効率の劣化を招くと
いう問題がある。
【0012】これらの問題の原因について技術的に解明
したところ、D型FETとE型FETとのゲートの深さ
制御を、バンドギャップの大きいAlGaAs層25,
27を2層使用して行うことに原因があることが分かっ
た。
【0013】本発明の目的は、D型FETのオン抵抗を
小さく抑え、アナログ高周波回路での最大出力電流の低
下及び効率の劣化を防止する半導体装置の製造方法を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板
に堆積した半導体層に開口部を深さを異ならせて形成
する半導体装置の製造方法であって、前記開口部が形成
される前記半導体層の層厚方向の途中に1層のエッチン
グストッパ層を介装し、前記1層のエッチングストッパ
層を境として前記半導体層に対するエッチングの種類を
切替えて、前記開口部の深さを異ならせるものである。
【0015】また前記1層のエッチングストッパ層を境
として等方性エッチングから異方性エッチングに切替え
るものである。
【0016】また本発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体基板上に堆積した半導体層に開口部を深さを
異ならせて形成する半導体装置の製造方法であって、前
記開口部が形成される前記半導体層の層厚方向の途中に
1層のエッチングストッパ層を介装し、前記半導体層
マスクを用いて異方性エッチングを行い、前記エッチン
グストッパ層に達する複数の開口部を形成し、さらに前
記複数の開口部のうち、その一部の開口部を施蓋してエ
ッチング環境から隔離し、その残りの開口部に対して異
方性エッチングを継続して行い、前記エッチングストッ
パ層を越えて前記開口部の深さを増すものである。
【0017】また本発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体基板上に堆積した半導体層に開口部を深さを
異ならせて形成する半導体装置の製造方法であって、前
記開口部が形成される前記半導体層の層厚方向の途中に
1層のエッチングストッパ層を介装し、前記半導体層
マスクを用いて異方性エッチングを行い、前記マスクに
設けた透過部の開口寸法の大小に応じて、前記開口部の
深さを制御するものである。
【0018】また前記半導体装置は、デプレッション型
FETとエンハンスメント型FETとを含むものであ
り、前記開口部は、前記デプレッション型FET及びエ
ンハンスメント型FETのゲート電極を形成するリセス
をなすものである。
【0019】また前記1層のエッチングストッパ層は、
前記デプレッション型FETが必要とする閾値電圧を得
るための深さ位置に介装するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
より説明する。
【0021】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図で
ある。
【0022】図1に示す本発明に係る半導体装置の製造
方法は基本的構成として、半導体基板1上の堆積層2,
4に開口部6,7を深さを異ならせて形成する半導体装
置の製造方法を対象とするものであり、開口部6,7が
形成される堆積層2,4の層厚方向の途中に1層のエッ
チングストッパ層3を介装し、そのエッチングストッパ
層3を境として堆積層2,4に対するエッチングの種類
を切替えて、開口部6,7の深さを異ならせることを特
徴とするものである。
【0023】本発明の実施形態1に係る半導体装置の製
造方法では、エッチングストッパ層を境として等方性エ
ッチングから異方性エッチングに切替える。
【0024】また前記半導体装置は、デプレッション型
FETとエンハンスメント型FETとを含むものであ
り、この場合の開口部6,7は、デプレッション型FE
T及びエンハンスメント型FETのゲート電極を形成す
るリセスをなすものである。
【0025】またエッチングストッパ層3は、デプレッ
ション型半導体装置が必要とする閾値電圧を得るための
深さ位置に介装するものである。
【0026】次に図1に示す本発明に係る半導体装置の
製造方法を具体例を用いて実施形態1として説明する。
【0027】図1に示す本発明の実施形態1に係る半導
体装置の製造方法は、デプレッション型(D型)FET
とエンハンスメント型(E型)FETとの半導体装置を
用いたロジック回路を内蔵したデジタル/アナログ混成
集積回路で使われるヘテロエピタキシャル成長させたG
aAs半導体基板などを使用する半導体装置の製造方法
に関するものである。
【0028】まず図1(a)に示すように、GaAs
(100)半導体基板1上に、n型にドーピングされた
n−GaAsチャネル層2を堆積し、そのチャネル層2
上に、n型にドーピングされたn−AlGaAsエッチ
ングストッパ層3を堆積し、このエッチングストッパ層
3上に、チャネル層としてn型にドーピングされたn−
GaAs層4を堆積する。
【0029】次に図1(b)に示すように、半導体基板
1の表面に、開口幅5a,5bのあるマスク5としてS
iO2やSiN層を形成する。
【0030】ここで、マスク5としてSiO2やSiN
を例示したが、次工程の選択エッチングや異方性エッチ
ングに対して耐性のあるものであれば、どのような材料
を用いても構わない。
【0031】次に図1(c)に示すように、マスク層5
をマスクとして、n−GaAs層4をパターニングして
選択エッチング(等方性エッチング)を行う。
【0032】ここでは、n−GaAs層4とn−AlG
aAsエッチングストッパ層3の組み合わせを用いてい
るため、SF6+BCl3等をエッチングガスとして選択
することにより、n−AlGaAsエッチングストッパ
層3が選択エッチングされず、n−GaAs層4のみが
選択エッチングされる。
【0033】n−AlGaAsエッチングストッパ層3
は、D型FETの所望の閾値電圧(Vth)を得られる
ような位置に挿入しておく。
【0034】図1(c)に示す段階にて、D型FETの
開口部6の形成工程が完了する。D型FETの開口部6
は、n−AlGaAsエッチングストッパ層3による制
御で所望の深さまで開口されたため、D型FETの開口
部6には、PR(フォトレジスト)9にて施蓋して、エッ
チング環境から隔離する。
【0035】図1(d)に示すように、D型FETの開
口部6をPR(フォトレジスト)9にて施蓋した後、n−
AlGaAsエッチングストッパ層3を塩酸及び硫酸な
どでエッチングして除去する。
【0036】次にn−AlGaAsエッチングストッパ
層3を除去した後、クエン酸+H22+H2Oなどのエ
ッチャントで異方性エッチングを行う。このエッチャン
トでのエッチングを行うと、図1(d)のように(11
1)面で形成される楔型形状の開口部7としてエッチン
グされる。
【0037】次いで図1(e)に示すように、D型FE
Tの開口部6を施蓋していたPR(フォトレジスト)9と
マスク層5を除去する。
【0038】最後に図1(f)に示すように、D型FE
Tの開口部6にゲート電極G1を形成し、その左右にソ
ースS1、ドレインD1を形成してD型FETを完成す
る。一方、E型FETの開口部7にゲート電極G2を形
成し、その左右にソースS2、ドレインD2を形成して
E型FETを完成する。
【0039】これにより、半導体基板1上に異なるVt
hをもつデプレッション型(D型)とエンハンスメント
型(E型)とのFETが形成される。
【0040】以上のように本発明の実施形態1によれ
ば、GaAsやINPなどの閃亜鉛鉱構造及びSiなど
のダイヤモンド構造の半導体半導体基板1上にマスク
(例えばSiO2やSiNなど)5を用いて、n−AlG
aAsエッチングストッパ層3を境として半導体を異方
性エッチングする。
【0041】GaAsなどの(100)半導体基板1で
(111)面が露出するような異方性エッチングを行う
と、そのエッチング部の断面形状は楔型(V字)とな
る。
【0042】この異方性エッチングのエッチャントとし
ては多くのものが知られており、その一例を示すと、ク
エン酸+H22+H2Oや、NH3+H22+H2O等が
ある。もちろん、ここに挙げたエッチャント以外でも異
方性エッチングが可能であれば問題はなく、しかも、露
出する面が(111)面である必要もない。ここで重要
なことは、異方性エッチングを利用して、ある結晶方位
面で形成される窪み(開口部)を再現性良く作成するこ
とにある。
【0043】同一半導体基板上にE/D構成ロジック回
路(エンハンスメント型FET/デプレッション型FE
Tの組み合わせからなるロジック回路構成)を実現する
ためには、ゲート電極が形成される面の半導体基板表面
からの深さが異なるFETを同一半導体基板上に作るこ
とが必要である。
【0044】ここで上述の異方性エッチングを利用する
と、AlGaAsとGaAs等を組み合わせた選択エッ
チング方法を用いることなく、E/D構成を実現するこ
とができる。
【0045】それは、楔型開口部7が(111)結晶面
を利用して形成されるため、楔型斜面の半導体基板1に
対する角度が一定になり、マスク5の開口幅5bの寸法
に基づいて決まる楔型尖端の位置(深さ)8、つまりV
th(閾値電圧)が一義的に決まるためである。
【0046】マスク5の開口幅の寸法が大きければ、楔
型溝(開口部)は深くなり(Vthは浅くなり)、小さ
ければ、楔型溝(開口部)は浅くなる(Vthは深くな
る)。
【0047】その開口部6,7に半導体基板1の半導体
とショットキ接合をするような金属をスパッタなどの方
法で形成すれば、ゲート電極G1,G2となる。
【0048】つまりマスク5の開口幅5a,5bの寸法
のみでVthが決まるため、マスク5の開口幅5a,5
bの寸法が大きければVthは浅くなり、小さければV
thは深くなる。
【0049】ロジック回路を構成するD型FETのId
ss(Vgs=0V時のIds)は、回路の消費電流に
大きく影響するため、このバラツキは出来るだけ小さく
する必要がある。IdssはVthで決まり、そのVt
hは楔型ゲート電極G2の深さで決まる。
【0050】楔型ゲート電極G2の深さ、すなわち開口
部7の深さは、前述したようにマスク層5の開口幅5b
の開口寸法で決まるが、一般にPR(フォトレジスト)
を使用した異方性のエッチングを利用した場合は、その
開口寸法は数十nm程度ばらつく。開口寸法がばらつく
ことにより、Vth,Idssがばらつき、回路の消費
電流がばらつく。
【0051】例えばゲート開口部7の寸法が設計寸法に
対して50nm小さくなったとすると、片側では50n
mの半分の25nm小さくなる。(111)面で作られ
る面の(100)半導体基板1の表面となす角度は約5
4度であるため、その深さの変化分は、25/tan
(90−54)で求められ、その値は、楔型ゲート電極
G2の深さが約34.4nm浅くなることを意味する。
【0052】ここで、Vth=−0.6V、Idss=
20mA/mmのFETを仮定し、そのFETのVth
が深さに対して5mV/nmで変化すると、Vthは−
0.77V程度になり、その結果、Idssは27mA
/mmほどになってしまう。
【0053】その電流値は、ゲート開口部7が設計寸法
通りだった場合の35%増しであり、ばらつきとしては
非常に大きくなる。
【0054】上述したように本発明の実施形態1では、
D型FETのゲート電極G1の深さ、すなわち開口部6
の深さは、異方性エッチングによる楔型ゲート電極G2
の深さにより決めるのではなく、エッチングストッパ層
3及び堆積層2,4の組合わせとエッチングガスとによ
る選択エッチング(等方性エッチング)を利用すること
により、ゲート電極G1の深さを正確に制御し、Vth
を制御する。
【0055】エッチングストッパ層3としてn−AlG
aAs、堆積層2,4としてGaAsを用い、エッチン
グガスとしてSF6+BCl3を用いた場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、選択エッチン
グ(等方性エッチング)が可能なエッチングストッパ層
3及び堆積層2,4の材料とエッチングガスの組み合わ
せ、例えば、AlGaAs及びGaAsとエッチングガ
スSF6+SiCl4との組合わせ、InGaP及びGa
AsとエッチングガスSF6+BCl3との組合わせ、A
lAs及びGaAsと(リン酸+H22)のエッチャン
ト等でもよいことはもちろんである。
【0056】以上のように本発明の実施形態1によれ
ば、異方性エッチングを利用してゲート開口部7を開口
し、かつ、Vth制御が必要な場合には、選択エッチン
グ(等方性エッチング)を利用することにより、特性の
安定したE/D構成のロジック回路を1層のエッチング
ストッパ層3のみを挿入することにより実現することが
できる。
【0057】さらに本発明の実施形態1によれば、FE
Tのオン抵抗を増加させるエッチングストッパ層3が1
層しかないため、デジタル/アナログ混成ICを作成し
た場合、アナログ回路で使用するD型FETのオン抵抗
は大きくならず、DC特性やRF特性を向上することが
できる。
【0058】(実施形態2)図2は、本発明の実施形態
2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図で
ある。
【0059】図2に示す本発明に係る半導体装置の製造
方法は基本的構成として、開口部6,7が形成される堆
積層2,4の層厚方向の途中に1層のエッチングストッ
パ層3を介装し、堆積層2,4にマスク5を用いて異方
性エッチングを行い、エッチングストッパ層3に達する
複数の開口部6,7を形成し、さらに複数の開口部6,
7のうち、その一部の開口部6を施蓋してエッチング環
境から隔離し、その残りの開口部7に対して異方性エッ
チングを継続して行い、エッチングストッパ層3を越え
て開口部7の深さを増すものである。
【0060】次に図2に示す本発明に係る半導体装置の
製造方法を具体例を用いて実施形態2として説明する。
【0061】図2(a)において、GaAs(100)
半導体基板1上に、n型にドーピングされたn−GaA
sチャネル層2を堆積し、そのチャネル層2上に、n型
にドーピングされたn−AlGaAsエッチングストッ
パ層3を堆積し、そのエッチングストッパ層3上に、チ
ャネル層としてn型にドーピングされたn−GaAs層
4を堆積する。
【0062】次に図2(b)に示すように、半導体基板
1の表面にマスク5としてSiO2及びSiN層を形成
する。
【0063】ここではマスク5としてSiO2及びSi
N層を例示したが、次工程の選択エッチングに対して耐
性のあるものであれば、どのような材料を用いても構わ
ない。またマスク5には、開口幅5a,5bの異なる開
口(5a>5b)を設けている。
【0064】次に図2(c)に示すように、マスク5を
用い、かつエッチャントとして、例えばクエン酸+H2
2+H2Oを用い、異方性エッチングを行う。
【0065】この場合、エッチングストッパ層3が異方
性エッチングを制御し、エッチングストッパ層3の深さ
位置まで開口部6,7が形成される。異方性エッチング
であるため、開口部6,7の側壁が傾斜した(111)
面で楔型に形成される。
【0066】n−AlGaAsエッチングストッパ層3
は、D型FETの所望の閾値電圧(Vth)が得られる
ような深さ位置に挿入しておく。
【0067】図2(c)に示す段階にて、D型FETの
開口部6の形成工程が完了する。D型FETの開口部6
は、n−AlGaAsエッチングストッパ層3による制
御で所望の深さまで開口されたため、D型FETの開口
部6は、PR(フォトレジスト)9にて施蓋して、エッチ
ング環境から隔離する。
【0068】図2(d)に示すように、D型FETの開
口部6をPR(フォトレジスト)9にて施蓋した後、n−
AlGaAsエッチングストッパ層3を塩酸及び硫酸な
どでエッチングして除去する。
【0069】次にn−AlGaAsエッチングストッパ
層3を除去した後、クエン酸+H22+H2Oなどのエ
ッチャントで異方性エッチングを継続して行う。このエ
ッチャントでのエッチングを行うと、図2(d)のよう
に(111)面で形成される楔型形状の開口部7として
エッチングされる。
【0070】次いで図2(e)に示すように、D型FE
Tの開口部6を施蓋していたPR(フォトレジスト)9と
マスク5を除去する。
【0071】最後に図2(f)に示すように、D型FE
Tの開口部6にゲート電極G1を形成し、その左右にソ
ースS1、ドレインD1を形成してD型FETを完成す
る。一方、E型FETの開口部7にゲート電極G2を形
成し、その左右にソースS2、ドレインD2を形成して
E型FETを完成する。
【0072】これにより、半導体基板1上に異なるVt
hをもつデプレッション型(D型)とエンハンスメント
型(E型)とのFETが形成される。
【0073】その他の構成は、本発明の実施形態1と同
様である。本発明の実施形態2では、本発明の実施形態
1と同様の効果を得ることができるばかりでなく、堆積
層2,4にマスク5を用いて異方性エッチングを行い、
エッチングストッパ層3に達する複数の開口部6,7を
形成し、さらに複数の開口部6,7のうち、その一部の
開口部6を施蓋してエッチング環境から隔離し、その残
りの開口部7に対して異方性エッチングを継続して行
い、エッチングストッパ層3を越えて開口部7の深さを
増すものであるため、エッチングの種類を途中で切替え
る必要がなく、作業効率を向上させることができる。
【0074】(実施形態3)図3は、本発明の実施形態
3に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図で
ある。
【0075】ロジック回路の消費電流を決めるのはD型
FETであり、そのためにD型FETのVthがばらつ
かないようにする必要があることは前述した通りであ
る。
【0076】しかしながら、ロジック回路に与えられる
電圧が低い場合、E型FETのVthがばらついて浅く
なりすぎると、ロジックの出力電圧の振幅が小さくなり
過ぎるという問題が生じる。このような場合にはE型F
ETのVthを精度良く制御する必要がある。
【0077】図3に示す本発明に係る半導体装置の製造
方法は、E型FETのVthがばらつくことなく、E/
D構成を形成できる製造方法について述べる。
【0078】図3に示す本発明に係る半導体装置の製造
方法は基本的構成として、開口部6,7が形成される堆
積層2,4の層厚方向の途中に1層のエッチングストッ
パ層3を介装し、堆積層2,4にマスク5を用いて異方
性エッチングを行い、マスク5に設けた透過部の開口幅
5a,5bの寸法の大小(5a<5b)に応じて、開口
部6,7の深さを制御するものである。
【0079】次に図3に示す本発明に係る半導体装置の
製造方法を具体例を用いて実施形態3として説明する。
【0080】図3(a)において、GaAs(100)
半導体基板1上に、n型にドーピングされたn−GaA
sチャネル層2を堆積し、そのチャネル層2上に、n型
にドーピングされたn−AlGaAsエッチングストッ
パ層3を堆積し、そのエッチングストッパ層3上に、チ
ャネル層としてn型にドーピングされたn−GaAs層
4を堆積する。
【0081】次に図3(b)に示すように、半導体基板
1の表面にマスク5としてSiO2及びSiN層を形成
する。
【0082】ここではマスク5としてSiO2及びSi
Nを例示したが、次工程の選択エッチングに対して耐性
のあるものであればどのような材料を用いても構わな
い。またマスク5には、開口幅5a,5bを異ならせて
(5a<5b)開口を設けている。
【0083】次に図3(c)に示すように、マスク5を
用い、かつエッチャントとして、例えばクエン酸+H2
2+H2Oを用い、異方性エッチングを行う。
【0084】ここで、エッチャントとして、例えばクエ
ン酸+H22+H2Oを用いることにより、図3(c)
のように開口部6,7が(111)面で形成される楔型
にエッチングされる。
【0085】図3(c)において、D型FETの開口部
6は、マスク5の開口幅5aが開口幅5bより狭いた
め、AlGaAsエッチングストッパ層3に達する前に
エッチングが停止する。この場合、マスク5の開口幅5
aが狭いため、完全なV字(楔型)となってエッチング
が停止する。
【0086】一方、E型FETの開口部7は、マスク5
の開口幅5bが開口幅5aより広いため、n−AlGa
Asエッチングストッパ層3に達する。この場合、マス
ク5の開口幅5bが広いため、完全なV字(楔型)とな
る前にAlGaAsエッチングストッパ層3にてエッチ
ングが停止する。
【0087】最後に図3(d)に示すように、D型FE
Tの開口部6にゲート電極G1を形成し、その左右にソ
ースS1、ドレインD1を形成してD型FETを完成す
る。一方、E型FETの開口部7にゲート電極G2を形
成し、その左右にソースS2、ドレインD2を形成して
E型FETを完成する。
【0088】これにより、半導体基板1上に異なるVt
hをもつデプレッション型(D型)とエンハンスメント
型(E型)とのFETが形成される。
【0089】その他の構成は、本発明の実施形態1,2
と同様であるが、本発明の実施形態3では、E型FET
のVthを精度良く制御することができ、かつ、工程の
数を削減することができるという利点がある。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、D
型FETのオン抵抗を小さく抑え、アナログ高周波回路
での最大出力電流の低下及び効率の劣化を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る半導体装置の製造方
法を製造工程順に示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る半導体装置の製造方
法を製造工程順に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る半導体装置の製造方
法を製造工程順に示す断面図である。
【図4】従来例に係る半導体装置の製造方法を製造工程
順に示す断面図である。
【図5】従来例に係る半導体装置の製造方法を製造工程
順に示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2,4 堆積層 3 エッチングストッパ層 5 マスク 6,7 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 H01L 21/306 H01L 21/308 H01L 21/338 H01L 29/812

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に堆積した半導体層に開口
    部を深さを異ならせて形成する半導体装置の製造方法で
    あって、 前記開口部が形成される前記半導体層の層厚方向の途中
    に1層のエッチングストッパ層を介装し、 前記1層のエッチングストッパ層を境として前記半導体
    に対するエッチングの種類を切替えて、前記開口部の
    深さを異ならせることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記1層のエッチングストッパ層を境と
    して等方性エッチングから異方性エッチングに切替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に堆積した半導体層に開口
    部を深さを異ならせて形成する半導体装置の製造方法で
    あって、 前記開口部が形成される前記半導体層の層厚方向の途中
    に1層のエッチングストッパ層を介装し、 前記半導体層にマスクを用いて異方性エッチングを行
    い、 前記エッチングストッパ層に達する複数の開口部を形成
    し、 さらに前記複数の開口部のうち、その一部の開口部を施
    蓋してエッチング環境から隔離し、その残りの開口部に
    対して異方性エッチングを継続して行い、前記エッチン
    グストッパ層を越えて前記開口部の深さを増すことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に堆積した半導体層に開口
    部を深さを異ならせて形成する半導体装置の製造方法で
    あって、 前記開口部が形成される前記半導体層の層厚方向の途中
    に1層のエッチングストッパ層を介装し、 前記半導体層にマスクを用いて異方性エッチングを行
    い、 前記マスクに設けた透過部の開口寸法の大小に応じて、
    前記開口部の深さを制御することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体装置は、デプレッション型F
    ETとエンハンスメント型FETとを含むものであり、 前記開口部は、前記デプレッション型FET及びエンハ
    ンスメント型FETのゲート電極を形成するリセスをな
    すものであることを特徴とする請求項1,2,3,又は
    4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記1層のエッチングストッパ層は、前
    記デプレッション型FETが必要とする閾値電圧を得る
    ための深さ位置に介装することを特徴とする請求項5に
    記載の半導体装置の製造方法。
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