JP3298350B2 - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

Info

Publication number
JP3298350B2
JP3298350B2 JP2734095A JP2734095A JP3298350B2 JP 3298350 B2 JP3298350 B2 JP 3298350B2 JP 2734095 A JP2734095 A JP 2734095A JP 2734095 A JP2734095 A JP 2734095A JP 3298350 B2 JP3298350 B2 JP 3298350B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
film
colored layer
resin
cipigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2734095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08201618A (ja
Inventor
弘信 篠原
康夫 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2734095A priority Critical patent/JP3298350B2/ja
Publication of JPH08201618A publication Critical patent/JPH08201618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3298350B2 publication Critical patent/JP3298350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐熱性に優
れ、カラーディスプレイの大型化が可能であり優れた画
像性能を与えるカラーフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶素子に色分解用カラーフィル
ターを組み合わせたカラー液晶表示素子が多々製品化さ
れている。このようなカラー液晶表示素子は車載用途や
屋外用途など用途範囲の拡大にともない、大型化が可能
で厳しい環境下での使用に耐え、しかも画像の鮮明性に
も優れていることが要求されており、カラーフィルター
にも耐熱性、透明性に優れ、しかも軽量で生産性にも優
れていることが求められている。これらの要求特性のう
ちどれかひとつでも劣っているものをカラーフィルター
に用いると、液晶ディスプレイの画像鮮明性が劣ったも
のとなったり、また生産性や軽便性などに劣るため高価
なものとなったりするなど問題が多い。このようなカラ
ーフィルターは、透明基板の上に赤(R)、緑(G)、
青(B)の三原色で構成される着色層を形成してなるも
のが通常に用いられており、従来より透明基板の材料と
してガラスが広く用いられている。ガラスは光学特性、
耐熱性に優れた材料であるが、割れやすくまた重量が大
きいため、ディスプレイを大型化すると重いため持ち運
びが難しく、さらに割れを防止するための特別な扱いが
必要になるなど不便である問題があった。また、ガラス
の場合、ロールの形態で取り扱うことが困難であるた
め、製品の生産性、量産性が低くなるという問題も有し
ていた。そこで上記の問題を解決するために、透明基板
の材料としてガラスの代わりにポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(PET)やポリカーボネート樹脂(PC)な
どの透明熱可塑性樹脂を用いる技術が開示されている。
これら透明熱可塑性樹脂から得られるフィルムは可撓性
に優れしかも軽量であるのでガラスに比べ生産性や軽便
性が向上する。しかし、PETは耐熱性に劣るため、着
色層形成時にかかる熱によってフィルムが変形するおそ
れがあった。また、PETフィルムは透明性が充分でな
いので、このようなフィルムから得られるカラーフィル
ターをディスプレイに用いると表示画像が暗くなる問題
があった。一方、PCは表面が傷つきやすく、カラーフ
ィルターの製造過程で基板の傷付きを防ぐための技術が
必要であり、生産コストがかかる問題があった。また耐
熱性も充分でないので車載用途など高温下での耐久性が
要求される用途には使用できないなど用途範囲が限られ
る問題もあった。また、PETやPCは複屈折が大きい
ため、これらの樹脂からなるフィルムを基板とするカラ
ーフィルターを用いるとディスプレイの画像がゆがむ問
題を有していた。さらにPETやPCは比重が比較的大
きい樹脂であるため、大画面用のカラーフィルターでは
重量が重く持ち運びが困難な場合があった。このような
事情から、耐熱性、透明性に優れ、しかも軽量で生産性
にも優れているカラーフィルターが望まれているが、従
来よりそのようなカラーフィルターは知られていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたものであり、優れた耐熱性、
透明性、生産性をすべて満たし、ディスプレイの大型化
や画像鮮明性の向上に大きく寄与しうるものであるカラ
ーフィルターを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
ーは、透明基板上に着色層を形成してなるカラーフィル
ターであって、透明基板が下記一般式(I)で表される
単量体を重合して得られる、繰り返し単位中に下記一般
式(II)または(III)で表されるノルボルナン骨格を含む
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする
ものである。
【0005】
【化4】
【0005】
【化5】
【0006】
【化6】
【0007】〔一般式(I)〜(III)中、A,B,Cお
よびDは、水素原子または1価の有機基を示し、かつ
A,B,CおよびD中に極性基を含む。〕
【0008】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。この熱
可塑性樹脂の具体例としては、下記一般式(I)で表され
少なくとも1種の単量体、すなわち少なくとも1種の
テトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデ
センと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重
合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合
体を挙げることができる。
【0009】
【化7】
【0010】(式中、A〜Dは、前記に同じ。)前記一
般式(I)で表されるテトラシクロドデセン誘導体にお
いて、A、B、CおよびDのうちに極性基を含むこと
が、耐熱性や架橋ポリマー粒子の分散性、他成形品との
密着性の点から必要である。さらに、この極性基が−
(CH2 nCOO 1 (ここで、 1 は炭素数1〜20
の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表される
基であることが、得られる水添重合体が高いガラス転移
温度を有するものとなるので好ましい。特に、この−
(CH2 n COO 1 で表される極性置換基は、一般
(I)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたり
に1個含有されることが好ましい。
【0011】前記一般式において、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られ
る水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、
得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点
から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以
上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特に
メチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好
ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合した炭素
原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換基と
して結合されている一般式(I)のテトラシクロドデセ
ン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特に、
この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(I)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]ドデカ−8−エンが好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520
号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記
載された方法によって、メタセシス重合、水素添加さ
れ、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができ
る。また、前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は
100℃〜200℃の範囲であることが好ましい。10
0℃未満では該樹脂組成物からなる成形品の耐熱性が劣
る。また、Tgが200℃を超えるものは、成形温度が
高くなり、良質な成形品を得ることが難しくなる。
【0012】また、水添重合体の水素添加率は、60M
Hz、 1H−NMRで測定した値が50%以上、好まし
くは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。
水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ
る。なお、本発明のノルボルナン骨格を有する熱可塑性
樹脂として使用される水添重合体は、該水添重合体中に
含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好まし
く、さらに1重量%であることが好ましい。上記のよう
な熱可塑性ノルボルネン系樹脂は非晶質ポリマーである
ため複屈折のないフィルムを得ることが可能であり、ま
た比重もPETが1.40、PCが1.20程度である
のに対し、1.10程度であるため、従来知られている
フィルムより軽量なフィルムとすることができ、大画面
化しても比較的軽量なフィルムが得られる。また上記の
ごとくガラス転移温度を100℃以上とすることにより
カラーフィルター作成時やディスプレイ組立時、また使
用時にかかる熱によるソリやうねりなどの変形のない耐
熱性に優れたフィルムが得られる。したがって、他の透
明材料では得ることの極めて難しかった、高い耐熱性と
透明性、生産性、軽便性をすべて満たすカラーフィルタ
ーを得ることが可能である。
【0013】本発明において、透明基板の材料として用
いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、必要に応じ、本
発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、例えば
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’
−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−
ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’
−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジ
エチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチ
ル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、
2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]ウンデ
カン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,
2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)
オクチルホスファイトを添加することができる。
【0014】また、上記の熱可塑性ノルボルネン系樹脂
には、上記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫
外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−
ト、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ジ
ヒドロキシ−4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾト
リアゾール;安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改
良用エラストマーなどを添加することができる。また、
加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加する
こともできる。本発明において、上記熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂は公知の成形方法、例えば射出成形、押出成
形、圧縮成形、溶液流延法などの方法によりカラーフィ
ルター用の透明基板とすることができる。この場合、該
透明基板の厚さは特に制限を受けるものではないが、通
常、0.005〜2mm、好ましくは0.01〜0.5
mmである。
【0015】本発明のカラーフィルターは、上記のごと
く得られた透明基板に、公知の着色層の形成方法、例え
ば染色法、顔料分散法、印刷法、電着法、写真法などの
方法を用いることができる。ここで染色法によるカラー
フィルターの具体例としては特開昭61−292604
号公報記載の方法で製造したもの、顔料分散法によるカ
ラーフィルターの具体例としては特開平5−34363
1号公報および特開平6−3521号公報記載の方法で
製造したもの、写真法によるカラーフィルターの具体例
としては特開昭60−216307号公報記載の方法で
製造したもの、印刷法によるカラーフィルターの具体例
としては特開昭60−263123号公報記載の方法で
製造したもの、また電着法によるカラーフィルターの具
体例としては特開昭60−23803号公報記載の方法
などで製造したものを挙げることができる。
【0016】本発明において、着色層を形成する着色組
成物に含まれる染料、顔料は公知のものを用いることが
でき、例えば染料としてはスミノール・ミリング・スカ
ーレット・G(住友化学)、チバクロン・スカーレット
・G−P(チバガイギー)、チバクロン・プロント・ス
カーレット(チバガイギー)、スミノール・ファスト・
レッド・G(住友化学)、スミライト・スプラ・レッド
・4BL(住友化学)、アミニル・レッド・E−2BL
(住友化学)、アミニル・レッド・E−3BL(住友化
学)、アジド・スカーレット・901(住友化学)、ス
ミノール・ミリング・スカーレット・FG(住友化
学)、スミノール・ミリング・オレンジ・FG(住友化
学)、スミノール・ファスト・オレンジ・PO(住友化
学)、マキシロン・レッド・GRL(チバガイギー)、
エリオシン・スカーレット・RE(チバガイギー)、ミ
カワン・ブリリアント・レッド・8BS(三菱化学)、
アシド・ライト・スカーレット・GL130(三菱化
学)、カヤノール・ミリング・レッドRS125(日本
化薬)、スミノール・ミリング・ブリリアント・グリー
ン・5G(住友化学)、アシド・ブリリアント・ミリン
グ・グリーン・G(住友化学)、ミカチオン・オリーブ
・グリーン・3GS(チバガイギー)、カヤノール・ミ
リング・グリーン・5GW(日本化薬)、ソオリイダゾ
ール・グリーン・P−GG(ヘキスト)、ペーパー・フ
ァスト・グリーン・5G(バイエル)、スミライト・ス
プラ・ターコイス・ブルー・G(住友化学)、チバクロ
ン・ブルー・3G−A(チバガイギー)、チバクロラン
・ブルー・8G(チバガイギー)、プロシオン・ターコ
イス・H−A(CIC)、カヤチオン・ターコイス・P
−A(日本化薬)、カヤチオン・ターコイス・P−NG
F(日本化薬)、スミカロン・ブルー・E−FBL(住
友化学)、スミカロン・ブリリアント・ブルー−S−B
L(住友化学)、スミノール・レベリング・スカイブル
ー・R・エキストラ・コンク(住友化学)、オラゾール
・ブルー・GN(チバガイギー)、マキシオン・ブルー
・3GS(三菱化学)、マキシオン・ブルー・2GS
(三菱化学)、カヤノール・ミリング・ブルー・GW
(日本化薬)、カヤシル・スカイブルー・R(日本化
薬)などが挙げられる。
【0017】また、顔料としては、有機顔料または無機
顔料が用いられ、無機顔料としては、金属酸化物、金属
錯塩などの金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コ
バルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、
マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどの金属酸
化物または複合酸化物などが挙げられる。また、有機顔
料としては、水または有機溶剤に不溶性の顔料が挙げら
れ、具体的には、カラーインデックスCI(The Societ
y of Dyers and Colourists 出版)でピグメント(Pigm
ent )に分類されている化合物、例えば、C.I.Pigment
Yellow 24, C.I.Pigment Yellow 31, C.I.Pigment Yell
ow 53, C.I.Pigment Yellow 83, C.I.Pigment Orange 4
3, C.I.Pigment Red 105, C.I.Pigment Red 149, C.I.
PigmentRed 176, C.I.Pigment Red 177, C.I.Pigment V
iolet 14, C.I.Pigment Violet29, C.I. Pigment Blue
15, C.I.Pigment Blue 15:3, C.I. Pigment Blue 22,
C.I.Pigment Blue 28, C.I.Pigment Green 15, C.I.Pig
ment Green25, C.I.Pigment Green 36, C.I.Pigment B
rown 28, C.I.Pigment Black 1, C.I.Pigment Black 7
などを挙げることができる。
【0018】本発明において、透明基板に着色層を形成
する組成物を塗布する方法は特に制限されるものではな
く、例えばスピンコーター法、ロールコーター法、カー
テンコーター法、スクリーン印刷法、オフセット印刷
法、フレキソ印刷法、スプレー法などで任意の厚さに塗
膜を形成し、例えば70〜150℃で10〜30分程度
乾燥することにより得られる。本発明において、透明基
板上に形成する着色層のパターンは特に限定されるもの
ではなく、正方形パターン、丸型ドットパターン、千鳥
パターン、ストライプパターン、多角形パターンいずれ
でも可能であり、パターン間にコントラストを向上させ
るためのブラックストライプなどを形成してもよい。こ
の場合、ブラックストライプを形成する黒色層は、公知
の黒色染料、黒色顔料を含むものでよい。また、本発明
において、透明基板の表面は、着色層を形成する組成物
を塗布する前に、その付着性を制御するためにプラズマ
処理等の物理的下地処理、あるいは、従来のゴム系、樹
脂系、特にアクリル系、シリコン系等の各種コート剤に
よる化学的下地処理を受けていてもよい。
【0019】本発明のカラーフィルターは、透明基板上
に着色層を形成した後、必要に応じて公知の保護層、透
明導電層、液晶配向膜などを形成することができる。ま
た、本発明において、カラーフィルターの透明基板は位
相差機能を有するものであってもよい。また、カラーフ
ィルターの着色層形成面とは反対の面に、偏光フィルム
を積層することにより、偏光フィルムの保護膜を兼ねる
ものとしてもよい。本発明のカラーフィルターは、液晶
表示素子や固体撮像素子などに用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.
4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加え
た。一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.
05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20ml
とパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキ
シエタン溶液10mlを混合した。この混合溶液4.9
mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密
栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタ
ノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。この重
合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌し
て静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によ
って取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添
重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対
して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を
行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機
によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104
水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性
樹脂Aを得た。 参考例2 6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、(a)
−1の時と同様にメタセシス開環重合した後、水添し、
ペレット化して重量平均分子量5.5×104、水添率
99.5%、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂B
を得た。
【0021】実施例1 参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aを280℃で押出成
形して300mm×210mm×0.1mmのフィルム
を得た。このフィルムの表面にパターンを有する遮光層
を形成し、さらに以下に示すような組成の感光性着色組
成物をスピンコーターにより塗布した後、80℃で10
分間乾燥した。次いで冷却した後、形成された着色層を
フォトマスクを通して高圧水銀ランプによって400m
J/cm2の紫外線に露光した。次いでこの基板を0.
05%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬して現像し、20μ
m×20μmの赤色画素を形成してカラーフィルターを
得た。 <感光性着色組成物> C.I.Pigment Red 177 90部 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体 50部 トリメチロールプロパントリアクリレート (東亜合成化学工業製 アロニックスM−309) 40部 光重合開始剤 (チバガイギー製 イルガキュアー−184) 24部 エチルセロソルブアセテート 790部 シュウ酸 6部 このカラーフィルターについて、耐熱性と耐傷性を評価
した。このカラーフィルターの着色層の上にさらにパタ
ーニングした透明導電層を形成し、通常の方法にしたが
って液晶パネルを10組作成した。この液晶パネルを駆
動させ、表示画像の鮮明性を評価した。評価結果を表1
に示す。なお、各評価は以下のように行った。
【0022】耐熱性 着色層形成後のカラーフィルターの、熱による変形の具
合を目視で観察した。 ○:平坦でフィルム端部のメクレがないもの △:フィルムの一部に変形があるもの ×:変形が著しくフィルムの平坦性が損なわれているもの 耐傷性 着色層形成後のカラーフィルターの傷つき具合を目視お
よび光学顕微鏡で観察した。 ○:光学顕微鏡でもほとんど傷が観察されないもの △:目視ではめだたないが、光学顕微鏡では傷がかなり観察されるもの ×:目視でも傷つきがはっきりと観察されるもの 表示画像の鮮明性 カラーフィルターを用いた液晶パネルを駆動させて得ら
れる表示画像の鮮明性を、以下の評価基準にしたがって
評価した。 ○:画像の歪みがなく鮮明な画像であるもの ×:画像が歪んでいるか、暗い画像であるもの
【0023】比較例1 参考例2で得られた熱可塑性樹脂Bを用いた他は実施例
1と同様にカラーフィルターを作成して評価を行った。
評価結果を表1に示す。 実施例2 参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aをトルエンに溶解
し、20%の樹脂溶液を得た。この溶液をダイスに通し
て均一の厚みの液にし、これを200℃で乾燥して厚み
100μmのキャストフィルムを得た。このフィルム
に、参考例1と同様の方法で着色層を形成してカラーフ
ィルターを作成して評価を行った。評価結果を表1に示
す。 比較例2 ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 厚さ
100μm)を用いて、参考例1の方法で着色層を形成
してカラーフィルターを作成して評価を行った。評価結
果を表1に示す。 比較例3 ポリカーボネートフィルム(帝人社製 厚さ100μ
m)を用いて、参考例1の方法で着色層を形成してカラ
ーフィルターを作成して評価を行った。評価結果を表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、本発明のカラー
フィルター(実施例1〜2)は着色層形成後の変形や傷
つきのない品質の優れたものであり、これらのカラーフ
ィルターを用いた液晶パネルは表示画像に歪みがなく鮮
明性の優れたものであった。これらに対し、極性基を有
しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いた場合には、
耐熱性が劣る(比較例1)。ポリカーボネート樹脂から
なるフィルムを用いたカラーフィルターは傷がつきやす
いものであり、このフィルターを用いた液晶パネルは表
示画像の歪みが大きく鮮明性に劣るものである(比較例
2)。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
フィルムを用いたカラーフィルターは熱による変形が大
きく、またこのフィルターを用いた液晶パネルは表示画
像が暗く鮮明性に劣るものである(比較例3)。 実施例3 参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aを280℃で押出成
形して300mm×210mm×0.1mmのフィルム
を得た。このフィルム上に、赤色インキを用いてスクリ
ーン印刷にて20μm×20μmの赤色画素を形成して
カラーフィルターを得た。このフィルムについて、実施
例1と同様の評価をおこなったところ、熱変形や傷つき
が全くなく透明性に優れたカラーフィルターであり、こ
のフィルターを用いた液晶パネルは表示画像に歪みがな
く鮮明性に優れたものであった。 比較例4 ポリカーボネートフィルム(厚さ100μm)を用いて
実施例4と同様に赤色画素を形成してカラーフィルター
を作成して実施例1と同様の評価をおこなったところ、
カラーフィルターの全面に細かい傷が観察され、このフ
ィルターを用いた液晶パネルは表示画像に歪みがあり、
またフィルターの傷により画像の明度が損なわれている
ものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターは、極性基を
有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂から得られる透明
性、耐熱性に優れたプラスチックフィルムを用いること
により、画像の鮮明性および生産性に優れたものとする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 101 G02F 1/1335 505

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される単量体を重
    合して得られる、繰り返し単位中に下記一般式(II)また
    は(III)で表されるノルボルナン骨格を含む熱可塑性ノ
    ルボルネン系樹脂からなる透明基板上に着色層を形成し
    てなるカラーフィルター。【化1】 【化2】 【化3】 〔一般式(I)〜(III)中、A,B,CおよびDは、水
    素原子または1価の有機基を示し、かつA,B,Cおよ
    びD中に極性基を含む。〕
JP2734095A 1995-01-23 1995-01-23 カラーフィルター Expired - Lifetime JP3298350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2734095A JP3298350B2 (ja) 1995-01-23 1995-01-23 カラーフィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2734095A JP3298350B2 (ja) 1995-01-23 1995-01-23 カラーフィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08201618A JPH08201618A (ja) 1996-08-09
JP3298350B2 true JP3298350B2 (ja) 2002-07-02

Family

ID=12218331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2734095A Expired - Lifetime JP3298350B2 (ja) 1995-01-23 1995-01-23 カラーフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3298350B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040126A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Nippon Zeon Co Ltd インキ層を有する成形体
KR100439541B1 (ko) * 2001-01-15 2004-07-12 삼성전자주식회사 부가중합형 노르보넨계 공중합체를 이용한 액정표시장치용무인쇄 도광판의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08201618A (ja) 1996-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5516456A (en) Liquid crystal display panel
US6114404A (en) Radiation curable ink compositions and flat panel color filters made using same
EP0947563A1 (en) Ink, color filter, liquid crystal panel, and computer, and process for producing color filter
EP0735401B1 (en) Color filter, method of producing the same and liquid crystal display device
CN1918515B (zh) 可固化树脂组合物、滤色器和液晶显示装置
US8298452B2 (en) Negative type resist composition for color filter, color filter using same, and liquid crystal display
KR20080070809A (ko) 감광성 전사 재료, 격벽과 그 형성 방법, 광학 소자와 그제조 방법, 및 표시 장치
JP4877352B2 (ja) カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP4867466B2 (ja) カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置
JP3298350B2 (ja) カラーフィルター
KR102288373B1 (ko) 착색 조성물, 착색 경화막 및 표시 소자
JP3389704B2 (ja) 導光板
JP2009251000A (ja) カラーフィルタおよびこれを用いた半透過型液晶表示装置
JPWO2012005203A1 (ja) トリアリールメタン系着色剤、着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子
JP2009210871A (ja) 着色塗布液組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置
JP3428176B2 (ja) 偏光フィルム
JP2017110150A (ja) 着色組成物、着色硬化膜及び表示素子
KR0140442B1 (ko) 액정 디스플레이 칼라필터용 황색 레지스트 조성물
JP2010160345A (ja) カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタの設計方法、および表示装置
CN101416112B (zh) 电子纸显示器中的滤色片所用的光敏抗蚀剂组合物
JP3267031B2 (ja) 光学フィルム
JP2003121632A (ja) 液晶表示装置用カラーフィルターおよびその製造方法ならびにそれを用いたカラー液晶表示装置
JP4441992B2 (ja) 偏光フィルムおよび偏光板
KR20120038701A (ko) 광학적층체, 편광판 및 표시장치
JP2011102833A (ja) カラーフィルタ用緑色感光性着色組成物及びカラーフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080419

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090419

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100419

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100419

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110419

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110419

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120419

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130419

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130419

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140419

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term