JP3297748B2 - 光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置

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JP3297748B2
JP3297748B2 JP8943392A JP8943392A JP3297748B2 JP 3297748 B2 JP3297748 B2 JP 3297748B2 JP 8943392 A JP8943392 A JP 8943392A JP 8943392 A JP8943392 A JP 8943392A JP 3297748 B2 JP3297748 B2 JP 3297748B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光半導体装置に関
し、特に、発光素子と受光素子とが同一の半導体基板上
に集積された光半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発光素子と受光素子との組み合わせによ
る光半導体装置としては、これまでに様々なものが報告
されている。例えば、IEEE Trans.Electron Devices,
vol. ED-31, No.6, 805(1984) には、受光素子としての
一つのヘテロ接合フォトトランジスタのコレクタ部の上
に発光素子としての一つのダブルヘテロ接合発光ダイオ
ードを集積した光半導体装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
光半導体装置においては、受光側は正入力(オン入力)
として働くだけであり、正入力及び負入力(オフ入力)
の両方を実現することは不可能であった。
【0004】従って、この発明の目的は、正入力及び負
入力の両方が可能な光半導体装置を提供することにあ
る。
【0005】この発明の他の目的は、受光部の並列分割
を簡単に実現することができる光半導体装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第一の発明は 発光素子(LD)と、発
光素子(LD)の一方の端子に互いに並列に接続された
少なくとも二つのフォトトランジスタ(HPT1、HP
T2)とを有する光半導体装置であって、 基板(1)上
に発光素子(LD)が形成され、この発光素子(LD)
上に光吸収層(7)を介して少なくとも二つのフォトト
ランジスタ(HPT1、HPT2)を構成する半導体層
(8、9、10)が形成され、この半導体層(8、9、
10)に互いに隣接するフォトトランジスタ(HPT
1、HPT2)間の分離用の溝(11)が形成されてい
ことを特徴とするものである。
【0007】この発明の第二の発明は、発光素子(L
D)と、発光素子(LD)の一方の端子に互いに並列に
接続された少なくとも二つのフォトトランジスタ(HP
T1、HPT2)とを有し、基板(1)上に発光素子
(LD)が形成され、この発光素子(LD)上に光吸収
層(7)を介して少なくとも二つのフォトトランジスタ
(HPT1、HPT2)を構成する半導体層(8、9、
10)が形成され、この半導体層(8、9、10)に互
いに隣接するフォトトランジスタ(HPT1、HPT
2)間の分離用の溝(11)が形成されている要素光半
導体装置が、基板(1)上に互いに溝(13)により分
離されて一次元アレイ状に集積されていることを特徴と
するものである。この発明の第三の発明は、発光素子
(LD)と、発光素子(LD)の一方の端子に互いに並
列に接続された少なくとも二つのフォトトランジスタ
(HPT1、HPT2)とを有する光半導体装置であっ
て、少なくとも二つのフォトトランジスタ(HPT1、
HPT2)を構成する半導体層(8、9、10)はベー
ス層(9)を中心としてエネルギーギャップ及びキャリ
ア濃度が対称な構造を有することを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】上述のように構成されたこの発明の第一の発
、第二の発明及び第三の発明による光半導体装置によ
れば、発光素子(LD)に対する受光素子としてのフォ
トトランジスタ(HPT1、HPT2)の接続の仕方及
びフォトトランジスタ(HPT1、HPT2)のバイア
スの仕方によって正入力及び負入力の両方が可能にな
る。上述のように構成されたこの発明の第一の発明及び
第二の発明による光半導体装置によれば、受光部の並列
分割を簡単に実現することができる。
【0009】上述のように構成されたこの発明の第二の
発明による光半導体装置によれば、フォトトランジスタ
(HPT1、HPT2)への光入力をそれらの端面から
行い、これらの光入力に応じて発光素子(LD)の端面
から光出力を得ることにより、光半導体装置の一次元ア
レイのカスケード接続を行うことが可能となる。上述の
ように構成されたこの発明の第三の発明による光半導体
装置によれば、少なくとも二つのフォトトランジスタ
(HPT1、HPT2)を構成する半導体層(8、9、
10)がベース層(9)を中心としてエネルギーギャッ
プ及びキャリア濃度が対称な構造を有することにより、
これらのフォトトランジスタ(HPT1、HPT2)を
逆にして使用しても全く同一の特性を得ることができる
ため、これらのフォトトランジスタ(HPT1、HPT
2)を極性を全く意識せずに形成することができ、これ
によって全体の素子設計が非常に簡単になり、素子形成
プロセスも極めて簡単になる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。なお、実施例の全図において、同一
または対応する部分には同一の符号を付し、重複説明は
省略する。
【0011】図1はこの発明の第一実施例による光半導
体装置を示す。
【0012】図1に示すように、この第一実施例による
光半導体装置においては、アノードが接地されたレーザ
ダイオードLDのカソードに、二つのヘテロ接合フォト
トランジスタHPT1、HPT2が互いに並列に、かつ
互いに逆極性に接続されている。この場合には、ヘテロ
接合フォトトランジスタHPT1のコレクタがレーザダ
イオードLDのカソードに接続され、そのエミッタには
負極電源により負電圧が印加されている。また、ヘテロ
接合フォトトランジスタHPT2のエミッタがレーザダ
イオードLDのカソードに接続され、そのコレクタは接
地されている。なお、このヘテロ接合フォトトランジス
タHPT2のコレクタには、正極電源により正電圧を印
加するようにしても良い。
【0013】上述のように構成されたこの第一実施例に
よる光半導体装置においては、ヘテロ接合フォトトラン
ジスタHPT1のベースへの光入力1及びヘテロ接合フ
ォトトランジスタHPT2のベースへの光入力2に応じ
て、レーザダイオードLDから光出力が得られる。すな
わち、光入力1によりヘテロ接合フォトトランジスタH
PT1がオンしている時にはレーザダイオードLDにそ
のしきい値電流以上の順方向電流が流れることによりレ
ーザ発振が起きて光出力が得られるが、光入力2により
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT2がオンすると、
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2を通
っても電流が流れるようになることにより、レーザダイ
オードLDに流れる順方向電流がしきい値電流以下に減
少して光出力が得られなくなる。この場合、光入力1が
正入力、光入力2が負入力になっている。すなわち、正
入力及び負入力の両方が可能であることがわかる。
【0014】図2は上述の第一実施例による光半導体装
置の具体的な構造例を示す。
【0015】図2に示すように、この光半導体装置にお
いては、p型GaAs基板1上に、いわゆるSDH(Separa
ted Double Hetero)レーザから成るレーザダイオードL
Dとヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2
とがモノリシックに集積されている。
【0016】この場合、p型GaAs基板1の表面に形成さ
れた、一方向に延在するストライプ状のリッジ1aの上
に形成されたp型クラッド層としてのp型AlGaAs層2
と、その上に形成された例えばi型GaAs層から成る活性
層3と、その上に形成された第一のn型クラッド層とし
てのn型AlGaAs層4とにより、レーザダイオードLDを
構成するSDHレーザの共振器が形成されている。符号
5は電流ブロック層としてのp型AlGaAs層、6は第二の
n型クラッド層としてのn型AlGaAs層を示す。なお、S
DHレーザについては、例えば12th IEEE Internationa
l SemiconductorLaser Conference, paper F-1, 78(199
0) に記載されている。
【0017】n型AlGaAs層6上には光吸収層としてのn
型GaAs層7が形成され、その上にn型AlGaAs層8、p型
GaAs層9及びn型AlGaAs層10が順次形成されている。
この場合、リッジ1aの上方の部分のn型AlGaAs層8、
p型GaAs層9及びn型AlGaAs層10には、ヘテロ接合フ
ォトトランジスタHPT1、HPT2の分離用の溝11
が形成されている。そして、この溝11の一方の側(図
2中左側)のn型AlGaAs層8、p型GaAs層9及びn型Al
GaAs層10をそれぞれコレクタ層、ベース層及びエミッ
タ層としてヘテロ接合フォトトランジスタHPT1が形
成され、溝11の他方の側(図2中右側)のn型AlGaAs
層8、p型GaAs層9及びn型AlGaAs層10をそれぞれエ
ミッタ層、ベース層及びコレクタ層としてヘテロ接合フ
ォトトランジスタHPT2が形成されている。
【0018】この図2に示す光半導体装置においては、
光吸収層としてのn型GaAs層7を介してレーザダイオー
ドLD上にヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、H
PT2が積層されているため、このn型GaAs層7により
レーザダイオードLDからの出力光が吸収されることに
より、レーザダイオードLDとヘテロ接合フォトトラン
ジスタHPT1、HPT2とは光学的に互いに独立して
いる。また、このようにレーザダイオードLD上にヘテ
ロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2が積層さ
れた構造により、受光部の並列分割が極めて簡単に実現
されている。
【0019】図2に示す光半導体装置におけるヘテロ接
合フォトトランジスタHPT1、HPT2は、好適に
は、ベース層としてのp型GaAs層9を中心としてエミッ
タ層またはコレクタ層としてのn型AlGaAs層8及びn型
AlGaAs層10がエネルギーギャップ及びキャリア濃度と
も完全に対称な構造に形成される。このようにヘテロ接
合フォトトランジスタHPT1、HPT2をベース層を
中心として対称な構造に形成することによって、次のよ
うな利点を得ることができる。すなわち、正入力用のヘ
テロ接合フォトトランジスタHPT1と負入力用のヘテ
ロ接合フォトトランジスタHPT2とはエミッタ及びコ
レクタが逆になっているので、これらのヘテロ接合フォ
トトランジスタHPT1、HPT2の素子設計を別個に
行おうとすると、理想的にはヘテロ接合フォトトランジ
スタHPT1のエミッタ層、ベース層及びコレクタ層と
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT2のエミッタ層、
ベース層及びコレクタ層とを別々に形成しなければなら
なくなる。しかし、上述のようにヘテロ接合フォトトラ
ンジスタHPT1、HPT2をベース層を中心として対
称な構造とすることによって、これらのヘテロ接合フォ
トトランジスタHPT1、HPT2はエミッタ及びコレ
クタを逆にして使用しても全く同一の特性を得ることが
できるため、これらのヘテロ接合フォトトランジスタH
PT1、HPT2は極性を全く意識せずに形成すること
ができる。これによって、全体の素子設計が非常に簡単
になり、素子形成プロセスも極めて簡単になる。
【0020】さらに、これらのヘテロ接合フォトトラン
ジスタHPT1、HPT2は、好適には、例えば図3に
示すような構造に形成される。図3中、EC は伝導帯の
下端(底)のエネルギー、EV は価電子帯の上端(頂
上)のエネルギーである。図3に示すように、ベース層
としてのp型GaAs層9とエミッタ層またはコレクタ層と
してのn型AlGaAs層8及びn型AlGaAs層10との間に真
性(i型)GaAs層及びいわゆるグレーディッド(grade
d)i型AlGaAs層が設けられている。ここで、このグレ
ーディッドi型AlGaAs層のAl組成は、ベース層としての
p型GaAs層9に向かって例えば0.3から0に変化して
いる。この場合、ベース層としてのp型GaAs層9の両側
に設けられたi型GaAs層は、光吸収によりベース層、す
なわち受光層としてのp型GaAs層9で発生したキャリア
がポテンシャルの坂を効率良く走行することができるよ
うにするためのものである。また、グレーディッドi型
AlGaAs層は、p型GaAs層9とn型AlGaAs層8及びn型Al
GaAs層10とのヘテロ接合によるエネルギーバンドの不
連続がもたらすポテンシャルスパイクを抑えるためのも
のである。
【0021】次に、図2に示す光半導体装置の製造方法
について説明する。
【0022】図2に示すように、まずp型GaAs基板1の
表面にリッジ1aを形成した後、このp型GaAs基板1上
に例えば有機金属化学気相成長(MOCVD)法によ
り、レーザダイオードLD用のp型AlGaAs層2、例えば
i型GaAs層から成る活性層3、n型AlGaAs層4、p型Al
GaAs層5及びn型AlGaAs層6を順次エピタキシャル成長
させ、このn型AlGaAs層6上に光吸収層としてのn型Ga
As層7をエピタキシャル成長させた後、このn型GaAs層
7上にヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT
2用のn型AlGaAs層8、p型GaAs層9及びn型AlGaAs層
10を順次エピタキシャル成長させる。この場合、リッ
ジ1a上のp型AlGaAs層2、活性層3及びn型AlGaAs層
4は、全体として三角柱状にエピタキシャル成長させ
る。なお、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、H
PT2を図3に示すような構造とする場合には、n型Al
GaAs層8上にグレーディッドi型AlGaAs層及びi型GaAs
層を順次エピタキシャル成長させた後にこのi型GaAs層
上にp型GaAs層9をエピタキシャル成長させ、さらにこ
のp型GaAs層9上にi型GaAs層及びグレーディッドi型
AlGaAs層を順次エピタキシャル成長させた後にこのグレ
ーディッドi型AlGaAs層上にn型AlGaAs層10をエピタ
キシャル成長させる。
【0023】この後、n型AlGaAs層10上にフォトリソ
グラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せ
ず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてn
型AlGaAs層10、p型GaAs層9及びn型AlGaAs層8の所
定部分を例えば反応性イオンエッチング(RIE)法の
ようなドライエッチング法により順次エッチング除去す
ることにより、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT
1、HPT2の分離用の溝11を形成する。これによっ
て、目的とする光半導体装置が完成される。
【0024】なお、次のような方法を用いることによ
り、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2
の分離用の溝11をフォトマスクを用いることなく形成
することが可能である。
【0025】すなわち、図4Aに示すように、光半導体
装置を製造するためのエピタキシャル成長の際にレーザ
ダイオードLDの上方の部分のn型AlGaAs層10に比較
的尖った頂部が形成されるようにし、このn型AlGaAs層
10の全面にレジスト12を塗布する。すると、このレ
ジスト12はn型AlGaAs層10の頂部の近傍では他の部
分に比べて薄くなる。
【0026】そこで、次にこのレジスト12を全面露光
した後、このレジスト12の表面層を所定厚さだけ剥離
し、図4Bに示すように、n型AlGaAs層10の頂部を露
出させる。
【0027】次に、このレジスト12をマスクとしてn
型AlGaAs層10、p型GaAs層9及びn型AlGaAs層8をウ
エットエッチング法により順次エッチングする。これに
よって、図4Cに示すように、フォトマスクを用いるこ
となく溝11を形成することができる。
【0028】この第一実施例による光半導体装置におい
ては、上述のようにレーザダイオードLDとしてSDH
レーザを用いていることにより、次のような多くの利点
を得ることができる。すなわち、このSDHレーザは、
しきい値電流が例えば1〜3mA程度と非常に低く、従
って動作電流を数mAというレーザダイオードとしては
極めて低い値にすることが可能である。このため、この
SDHレーザは動作電流の点でトランジスタのような電
子素子との整合性が非常に良く、従ってこのSDHレー
ザと同時に集積するヘテロ接合フォトトランジスタHT
P1、HTP2の設計に負担がかからず、光半導体装置
を実現する上での柔軟性が高い。また、光半導体装置の
低消費電力化を図ることができる。
【0029】また、SDHレーザは内部電流狭窄型のレ
ーザであり、一回のエピタキシャル成長で形成すること
ができる。従って、上述のように、SDHレーザ用の層
とヘテロ接合フォトトランジスタHTP1、HTP2用
の層との全ての層を一回のエピタキシャル成長で成長さ
せることができ、従って光半導体装置の製造プロセスが
非常に簡単である。
【0030】この第一実施例による光半導体装置は、光
入力1により、図5に示すような光入出力特性を持たせ
ることが可能である。この図5に示す光入出力特性は、
図6に示すような一般的なニューロンの入出力曲線(シ
グモイド関数)に類似の特性である。そして、さらに光
入力2によって、図7に示すような抑制効果を得ること
ができる。従って、この第一実施例による光半導体装置
は、光ニューロ素子としての応用が可能である。
【0031】また、一般的には、この第一実施例による
光半導体装置は、光入力1と光入力2との信号強度の差
によって動作する差動光増幅素子として利用することが
可能である。この場合、適当なバイアス光を与えること
により、リニアな光増幅素子を実現することが可能であ
る。さらに、例えばしきい値前後の値を2値とした光論
理素子としての応用も可能である。
【0032】また、この第一実施例による光半導体装置
においては、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、
HPT2のベース層、すなわち受光層をp型GaAs層9に
より形成し、レーザダイオードLDの活性層3をi型Ga
As層により形成していることから、ヘテロ接合フォトト
ランジスタHPT1、HPT2の受光波長とレーザダイ
オードLDの発光波長とは同一であるが、ヘテロ接合フ
ォトトランジスタHPT1、HPT2のベース層とレー
ザダイオードLDの活性層3とを異なる半導体層で形成
することにより、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT
1、HPT2の受光波長とレーザダイオードLDの発光
波長とを異ならせることが可能である。例えば、ヘテロ
接合フォトトランジスタHPT1、HPT2のベース層
をGaInP層により形成し、レーザダイオードLDの活性
層3を上述と同様にi型GaAs層により形成することによ
り、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2
の受光波長を可視光領域の波長とし、レーザダイオード
LDの発光波長を赤外光領域の波長とすることが可能で
ある。このようにヘテロ接合フォトトランジスタHPT
1、HPT2の受光波長とレーザダイオードLDの発光
波長とを異ならせることにより、この光半導体装置を波
長変換素子として用いることが可能となる。このような
波長変換素子としての光半導体装置は、波長変換を伴っ
た光ニューロ素子、差動光増幅素子、光論理素子などと
しての応用が可能である。
【0033】図8はこの発明の第二実施例による光半導
体装置を示す。
【0034】図8に示すように、この第二実施例による
光半導体装置においては、レーザダイオードLDのカソ
ードに、正入力用の並列に接続されたk個(k≧2)の
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT11〜HPT1k
と負入力用の並列に接続されたk個のヘテロ接合フォト
トランジスタHPT21〜2kとが互いに並列に接続さ
れている。すなわち、上述の第一実施例による光半導体
装置においては正入力部及び負入力部はそれぞれ1個で
あるのに対して、この第二実施例による光半導体装置に
おいては正入力部及び負入力部はそれぞれk個ずつあ
る。
【0035】この第二実施例による光半導体装置の動作
は、光入力が複数になることを除いて、上述の第一実施
例による光半導体装置と同様である。
【0036】また、この第二実施例による光半導体装置
の具体的な構造としては、例えば図2に示す構造におけ
るヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2の
代わりに、溝11により互いに分離されたk個のヘテロ
接合フォトトランジスタをそれぞれ形成したものを用い
ることができる。
【0037】図9はこの発明の第三実施例による光半導
体装置を示す。
【0038】図9に示すように、この第三実施例による
光半導体装置においては、p型GaAs基板1上に、図2に
示すと同様な構造の光半導体装置が一次元アレイ状に集
積されている。この一次元アレイ状に集積された各光半
導体装置は、n型AlGaAs層4に達する溝13により相互
に分離されている。
【0039】この場合、この光半導体装置の一次元アレ
イは、互いに平行に多数設けられている。
【0040】この第三実施例による光半導体装置におい
ては、一次元アレイ状に配列された各光半導体装置のヘ
テロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2への光
入力を図9に示すようにそれらの端面から行い、これら
の光入力に応じてレーザダイオードLDから光出力を
得、この光出力を次段の光半導体装置の一次元アレイに
対する光入力として用いることにより、光半導体装置の
一次元アレイをカスケード接続することが可能である。
【0041】この第三実施例による光半導体装置は、各
光半導体装置のレーザダイオードLDとして動作電流の
低いSDHレーザを用いているので、集積型であるにも
かかわらず、消費電力を十分に低くすることができる。
【0042】また、この第三実施例による光半導体装置
は、図2に示す光半導体装置を一次元アレイ状に配列
し、それらの間を溝13により分離しただけの非常に単
純な構造で実現することができるとともに、第一実施例
で述べたと同様の非常に簡単なプロセスで製造すること
ができる。
【0043】図2に示す光半導体装置は、消費電力及び
製造プロセスの点で集積化に有利な条件を満たしている
ことは上述の通りであるが、そのままでは通常は基板表
面に垂直な方向からヘテロ接合フォトトランジスタHP
T1、HPT2に光入力を行い、レーザダイオードLD
の端面から光出力を得ることになり、光入力の方向と光
出力の方向とが互いに90°ずれてしまうことから、カ
スケード接続を行う場合には適していない。この点に関
しては、図9に示すように、ヘテロ接合フォトトランジ
スタHPT1、HPT2の端面から光入力を行うことに
よりカスケード接続が可能となるが、入力光のアライン
メントは必ずしも容易でなく、またこの方法で実現可能
なのは一次元アレイのみであり、二次元アレイの実現は
難しい。そこで、次にこの問題を解決することができる
実施例について図10〜図14を参照しながら説明す
る。
【0044】図10はこの発明の第四実施例による光半
導体装置を示し、そのレーザダイオードの導波路方向
(共振器長方向)の断面図である。
【0045】図10に示すように、この第四実施例によ
る光半導体装置においては、基板表面に対して45°傾
斜した溝21と基板表面に対して垂直な溝22とがp型
GaAs基板1に達するように形成されており、これらの溝
21、22の間の部分のp型AlGaAs層2、活性層3及び
n型AlGaAs層4により、いわゆる45°反射型曲がり共
振器構造のスラブ型導波路構造のレーザダイオードLD
が形成されている。この場合、レーザダイオードLDの
溝21側の端面の45°反射壁によって、図10中下方
に光出力が取り出される。ここで、この光出力の取り出
し部におけるp型GaAs基板1の裏面には、例えば半導体
多層膜から成るいわゆるブラッグリフレクタ(DBRと
も呼ばれる)23が設けられている。また、この場合、
p型GaAs基板1を通して光出力が取り出されることか
ら、p型GaAs基板1に対して透明な光出力を得るため
に、レーザダイオードLDの活性層3は例えばInGaAs層
により形成される。
【0046】なお、溝21、22は、例えばRIE法の
ようなドライエッチング法によって簡単に形成すること
ができる。
【0047】図11はこの発明の第五実施例による光半
導体装置を示す。
【0048】図11に示すように、この第五実施例によ
る光半導体装置においては、溝21ばかりでなく、溝2
2も基板表面に対して45°傾斜して形成されており、
従ってレーザダイオードLDの共振器の両端面が45°
反射壁になっている。そして、このレーザダイオードL
Dの両端面の45°反射壁によって、図11中下方に互
いに等価な二つの光出力が取り出される。この場合、レ
ーザダイオードLDの溝22側の端面の45°反射壁に
よって取り出される光出力の取り出し部におけるp型Ga
As基板1の裏面にも、ブラッグリフレクタ24が設けら
れている。
【0049】図12はこの発明の第六実施例による光半
導体装置を示す。
【0050】図12に示すように、この第六実施例によ
る光半導体装置においては、ともに基板表面に対して4
5°傾斜し、かつ互いに平行に溝21、22が形成され
ている。また、n型AlGaAs層4と光吸収層としてのn型
GaAs層7との間には、ブラッグリフレクタ25が設けら
れている。この場合、レーザダイオードLDの溝21側
の端面の45°反射壁によって、図12中下方に光出力
が取り出される。レーザダイオードLDの溝22側の端
面の45°反射壁によっても光出力が取り出されるが、
ブラッグリフレクタ25と光吸収層としてのn型GaAs層
7とによって、実際にはこの溝22側の端面の45°反
射壁による光出力は、図12中上方に出てこない。従っ
て、この場合の光出力は、図10に示す第四実施例によ
る光半導体装置の光出力と等価である。
【0051】なお、上述の第四実施例及び第五実施例に
おいては、溝21、22が互いに平行でないため、これ
らの溝21、22を形成するためのドライエッチングは
2回必要であったが、この第六実施例においては、溝2
1、22が互いに平行であるため、これらの溝21、2
2を形成するためのドライエッチングは1回で済むとい
う利点がある。
【0052】図13はこの発明の第七実施例による光半
導体装置を示す。
【0053】図13に示すように、この第七実施例によ
る光半導体装置においては、レーザダイオードLDのp
型クラッド層としてのp型AlGaAs層2の一部に回折格子
(グレーティング)26が形成されている。このように
p型AlGaAs層2中に回折格子26を形成するためには、
p型AlGaAs層2aをエピタキシャル成長させた後、エピ
タキシャル成長を一旦中断してこのp型AlGaAs層2aの
表面にエッチングにより回折格子26を形成し、その後
p型AlGaAs層2bをエピタキシャル成長させればよい。
【0054】この第七実施例による光半導体装置におい
ては、導波路であるp型AlGaAs層2に形成された回折格
子26の部分ではp型AlGaAs層2に対して垂直な方向に
レーザ光が散乱されることにより、図13中下方に光出
力が取り出される。
【0055】上述の第四実施例、第五実施例、第六実施
例及び第七実施例による光半導体装置においては、p型
GaAs基板1を通して下方、すなわち基板裏面側に光出力
が取り出されるので、レーザダイオードLDの発光波長
はp型GaAs基板1に対して透明なものである必要があ
り、従ってレーザダイオードLDの活性層3はGaAs層で
はなくInGaAs層などにより形成する必要がある。しか
し、図14に示すこの発明の第八実施例による光半導体
装置のように、p型GaAs基板1にエッチングにより穴1
bを形成し、この穴1bから光出力を取り出すようにす
ることにより、レーザダイオードLDの発光波長をp型
GaAs基板1に対して透明なものとする必要がなくなり、
レーザダイオードLDの活性層3をi型GaAs層により形
成することが可能となる。なお、この場合、穴1bの部
分のp型AlGaAs層2の裏面にブラッグリフレクタ23が
設けられる。
【0056】この第八実施例は、図10に示す第四実施
例による光半導体装置においてp型GaAs基板1に穴1b
を形成したものに相当するが、第五実施例、第六実施例
及び第七実施例による光半導体装置のp型GaAs基板1に
同様な穴1bを形成するようにしても良い。
【0057】なお、第四実施例、第五実施例、第六実施
例、第七実施例及び第八実施例による光半導体装置にお
いて、光出力端面にマイクロレンズを直接形成すること
が可能であるが、このマイクロレンズの形成面は平坦で
ある方が望ましいので、このようにマイクロレンズを光
出力端面に直接形成する場合には、第八実施例のように
p型GaAs基板1に穴1bを形成する場合よりも、第四実
施例、第五実施例、第六実施例及び第七実施例のように
p型GaAs基板1に穴1bを形成しない場合の方が好まし
い。
【0058】以上のような第四実施例、第五実施例、第
六実施例、第七実施例及び第八実施例による光半導体装
置によれば、いずれも表面からの光入力及び裏面からの
光出力が可能となるので、光半導体装置の一次元アレイ
は勿論、二次元アレイも容易に実現することができる。
また、光半導体装置のカスケード接続も簡単に行うこと
ができる。
【0059】なお、例えば図2に示すようにレーザダイ
オードLDとしてSDHレーザを用いた光半導体装置に
おいて、このSDHレーザを第四実施例、第五実施例及
び第六実施例による光半導体装置におけるレーザダイオ
ードLDと同様に45°反射型曲がり共振器構造とする
ことにより、非常に簡単なプロセスで光半導体装置の製
造が可能である。すなわち、レーザダイオードLD形成
用の層、光吸収層としてのn型GaAs層7及びヘテロ接合
フォトトランジスタHPT1、HPT2形成用の層を一
回のエピタキシャル成長で成長させた後、ヘテロ接合フ
ォトトランジスタHPT1、HPT2の分離用の溝11
を形成し、さらにレーザダイオードLDの共振器の45
°反射壁の形成及び素子分離を行うだけで、光半導体装
置の一次元アレイまたは二次元アレイを実現することが
できる。
【0060】図15はこの発明の第九実施例による光半
導体装置を示す。
【0061】図15に示すように、この第九実施例によ
る光半導体装置においては、全体として例えば円柱状の
形状を有するp型AlGaAs層2、活性層3及びn型AlGaAs
層4の上下にブラッグリフレクタ27、28を設けた共
振器構造を有するいわゆる垂直共振器型面発光レーザが
レーザダイオードLDとして用いられており、光出力は
図15中下方に取り出される。なお、垂直共振器型面発
光レーザについては、例えば、Technical Digest of Th
ird Optoelectronics Conference, 13B1-1, 196(1990)
、Technical Digest of Third Optoelectronics Confe
rence, 13B1-3,200(1990) 及びTechnical Digest of Th
ird Optoelectronics Conference, 13B1-4, 202(1990)
に記載されている。
【0062】この第九実施例によれば、第四実施例、第
五実施例、第六実施例、第七実施例及び第八実施例のよ
うにレーザダイオードLDを45°反射型曲がり共振器
構造としたり、回折格子26を形成したりしないで済む
という利点がある。また、この第九実施例による光半導
体装置は、表面からの光入力及び裏面からの光出力が可
能であるばかりでなく、レーザダイオードLDとして用
いられている面発光型レーザは設計次第でしきい値電
流、従って動作電流をかなり低くすることができるた
め、光半導体装置の二次元アレイ化に適している。さら
に、このように動作電流が低い面発光レーザは、SDH
レーザと同様に、動作電流の点でトランジスタのような
電子素子との整合性も非常に良いため、レーザダイオー
ドLDと同時に集積するヘテロ接合フォトトランジスタ
HPT1、HPT2の設計に負担がかからず、光半導体
装置を実現する上での柔軟性が高い。
【0063】図16はこの発明の第十実施例による光半
導体装置を示す。
【0064】図16に示すように、この第十実施例によ
る光半導体装置は、第九実施例による光半導体装置にお
いて、光出力端のp型GaAs基板1に穴1bを形成し、こ
の穴1bから光出力を取り出すようにしたものである。
【0065】この第十実施例によれば、第八実施例と同
様に、レーザダイオードLDの発光波長がp型GaAs基板
1に対して透明なものに制限されないので、レーザダイ
オードLDの活性層3をi型GaAs層により形成すること
ができる。
【0066】なお、第九実施例及び第十実施例による光
半導体装置においても、光出力端面にマイクロレンズを
直接形成することが可能である。
【0067】ところで、図1に示す光半導体装置におい
ては、通常、負極電源とヘテロ接合フォトトランジスタ
HPT1との間に例えば数十オーム程度の負荷抵抗が設
けられる。すなわち、図17に示すように、負極電源と
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1との間に負荷抵
抗Rが設けられる。この負荷抵抗Rは光半導体装置の外
部に設けることも考えられるが、次に述べる第十一実施
例のようにすれば、光半導体装置にモノリシックに設け
ることができる。
【0068】図18はこの発明の第十一実施例による光
半導体装置を示す。
【0069】図18に示すように、この第十一実施例に
よる光半導体装置においては、ヘテロ接合フォトトラン
ジスタHPT1、HPT2を構成するn型AlGaAs層8、
p型GaAs層9及びn型AlGaAs層10の上下にブラッグリ
フレクタ31、32が設けられている。これらのブラッ
グリフレクタ31、32は、例えばAlAs層とAlGaAs層と
を交互に積層した半導体多層膜により形成される。その
他の構成は、図2に示す光半導体装置と同様である。
【0070】この場合、ヘテロ接合フォトトランジスタ
HPT1、HPT2を構成するn型AlGaAs層8、p型Ga
As層9及びn型AlGaAs層10の上下にブラッグリフレク
タ31、32が設けられた構造により共振器が形成され
ている。ここで、n型AlGaAs層8、p型GaAs層9及びn
型AlGaAs層10の厚さは、ヘテロ接合フォトトランジス
タHPT1、HPT2に対する光入射によってこの共振
器中に形成される光の定在波の腹の部分が受光層として
のp型GaAs層9の所に位置するように選ばれている。よ
り具体的には、これらのn型AlGaAs層8、p型GaAs層9
及びn型AlGaAs層10の合計の厚さ、すなわち共振器長
は、入力光の波長の(n+1)/2倍(n=1、2、
…)に選ばれており、これによって光入射により共振器
中に形成される光の定在波の腹の部分を受光層としての
p型GaAs層9の所に位置させることができる。また、こ
の場合、少なくとも光入射側のブラッグリフレクタ32
の反射率は、入射光を効率良く取り入れることができる
ように、好適には小さく選ばれる。
【0071】このようにヘテロ接合フォトトランジスタ
HPT1、HPT2に対する光入射によって共振器中に
形成される光の定在波の腹の部分を受光層としてのp型
GaAs層9の所に位置させていることから、この受光層と
してのp型GaAs層9の厚さを極めて小さくしても、十分
に高い量子効率(光−キャリア変換効率)、すなわち十
分に高い光利得を得ることができる。
【0072】さらに、ヘテロ接合フォトトランジスタH
PT1、HPT2のベース層、すなわち受光層をp型Ga
As層ではなく例えばInGaAs層により形成する場合には、
ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、HPT2に対
する光入射によって共振器中に形成される光の定在波の
腹の部分が受光層の所に位置させることは、非常に有効
である。すなわち、InGaAsはAlGaAsに対して格子不整合
があるため、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、
HPT2のコレクタ層またはエミッタ層としてのn型Al
GaAs層8上に受光層としてのInGaAs層をエピタキシャル
成長させる場合には、このInGaAs層の厚さは臨界膜厚以
下にする必要がある。ところが、この臨界膜厚は10〜
20nmのオーダーで極めて小さいため、単にこのInGa
As層を受光層として用いた場合には、十分な量子効率、
すなわち十分に高い光利得を得ることはできない。しか
し、このように受光層としてのInGaAs層の厚さが極めて
小さくても、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、
HPT2に対する光入射によって共振器中に形成される
光の定在波の腹の部分をこの受光層としてのInGaAs層の
所に位置させるようにすることによって、十分な量子効
率、すなわち十分に高い光利得を得ることができるよう
になる。
【0073】さて、この第十実施例による光半導体装
置においては、ヘテロ接合フォトトランジスタHPT1
のエミッタ層としてのn型AlGaAs層10上のブラッグリ
フレクタ32により所要の抵抗値を有する負荷抵抗Rが
形成されるように、このブラッグリフレクタ32とn型
AlGaAs層10とのヘテロ界面の組成急峻性が調整されて
いる。すなわち、この場合、負荷抵抗Rはブラッグリフ
レクタ32自身に内在しており、光半導体装置内に完全
にモノリシック化されている。これに対して、光吸収層
としてのn型GaAs層7とn型AlGaAs層8との間のブラッ
グリフレクタ31は、このブラッグリフレクタ31とn
型AlGaAs層8とのヘテロ界面グレーディッド構造とする
ことなどにより、可能な限り低抵抗化が図られている。
【0074】図19はこの発明の第十実施例による光
半導体装置を示す。この第十実施例による光半導体装
置の等価回路は図17に示す通りである。
【0075】図19に示すように、この第十実施例に
よる光半導体装置は、図15に示す第九実施例による光
半導体装置のヘテロ接合フォトトランジスタHPT1、
HPT2の上下にブラッグリフレクタ31、32を設け
て共振器構造を形成するとともに、ヘテロ接合フォトト
ランジスタHPT1のn型AlGaAs層10上のブラッグリ
フレクタ32に負荷抵抗Rを内在させたものである。こ
の負荷抵抗Rの形成方法は第十実施例で述べた通りで
ある。
【0076】この第十実施例によれば、レーザダイオ
ードLDとして垂直共振器型面発光レーザを用いた光半
導体装置において、第十実施例と同様な利点を得るこ
とができる。
【0077】以上、この発明の実施例につき具体的に説
明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるもの
ではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が
可能である。
【0078】例えば、レーザダイオードLDとヘテロ接
合フォトトランジスタHPT、HPT2との積層順序を
逆にしても良い。すなわち、ヘテロ接合フォトトランジ
スタHPT1、HPT2の上に光吸収層を介してレーザ
ダイオードLDを積層しても良い。
【0079】また、レーザダイオードLD及びヘテロ接
合フォトトランジスタHPT1、HPT2は、AlGaAs/
GaAs系以外の半導体ヘテロ構造を用いて形成しても良
い。さらに、p型GaAs基板1の代わりに他の化合物半導
体基板を用いても良い。
【0080】また、レーザダイオードLDとしては、例
えばいわゆるSAN(Self-AlignedNarrow Stripe) レ
ーザなどを用いても良い。
【0081】さらにまた、レーザーダイオードLDの代
わりに発光ダイオードを用いても良い。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の第一の発
、第二の発明及び第三の発明によれば、正入力及び負
入力の両方が可能な光半導体装置を実現することができ
る。また、この発明の第一の発明及び第二の発明によれ
ば、受光部の並列分割を簡単に実現することができる。
また、この発明の第二の発明によれば、光半導体装置の
一次元アレイのカスケード接続を行うことが可能とな
る。 また、この発明の第三の発明によれば、光半導体装
置全体の素子設計が非常に簡単になり、素子形成プロセ
スも極めて簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例による光半導体装置を示
す回路図である。
【図2】この発明の第一実施例による光半導体装置の構
造例を示す断面図である。
【図3】この発明の第一実施例による光半導体装置にお
けるヘテロ接合フォトトランジスタのエネルギーバンド
構造の一例を示すエネルギーバンド図である。
【図4】この発明の第一実施例による光半導体装置にお
けるヘテロ接合フォトトランジスタの分離用の溝の形成
方法を説明するための断面図である。
【図5】この発明の第一実施例による光半導体装置の光
入出力特性の例を示すグラフである。
【図6】一般的なニューロンの入出力特性を示すグラフ
である。
【図7】この発明の第一実施例による光半導体装置にお
いて光入力2によって抑制効果を得る場合の光入出力特
性の例を示すグラフである。
【図8】この発明の第二実施例による光半導体装置を示
す回路図である。
【図9】この発明の第三実施例による光半導体装置を示
す斜視図である。
【図10】この発明の第四実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図11】この発明の第五実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図12】この発明の第六実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図13】この発明の第七実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図14】この発明の第八実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図15】この発明の第九実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図16】この発明の第十実施例による光半導体装置を
示す断面図である。
【図17】この発明の第十一実施例による光半導体装置
を示す回路図である。
【図18】 この発明の第十実施例による光半導体装
置の構造例を示す断面図である。
【図19】 この発明の第十実施例による光半導体装
置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 p型GaAs基板 2、5 p型AlGaAs層 3 活性層 4、6、8、10 n型AlGaAs層 7 n型GaAs層 11、13 溝 HPT1、HPT2 ヘテロ接合フォトトランジスタ LD レーザダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−240766(JP,A) 特開 昭62−189817(JP,A) 特開 平2−125467(JP,A) 特開 平3−274030(JP,A) 特許3057889(JP,B2) 伊賀健一・小山二三夫,総合報告 面 発光半導体レーザー,応用物理,日本応 用物理学会,Vol.60,No.1, p.2−13 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/15 H01L 31/10 - 31/11 H01L 31/12 H01S 5/10 - 5/24 H01L 33/00

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子と、上記発光素子の一方の端子
    に互いに並列に接続された少なくとも二つのフォトトラ
    ンジスタとを有する光半導体装置であって、 基板上に上記発光素子が形成され、この発光素子上に光
    吸収層を介して上記少なくとも二つのフォトトランジス
    タを構成する半導体層が形成され、この半導体層に互い
    に隣接する上記フォトトランジスタ間の分離用の溝が形
    成されていることを特徴とする光半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記少なくとも二つのフォトトランジス
    タは上記発光素子の一方の端子に互いに並列に、かつ互
    いに逆極性に接続された二つのフォトトランジスタを含
    むことを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記少なくとも二つのフォトトランジス
    タを構成する半導体層はベース層を中心としてエネルギ
    ーギャップ及びキャリア濃度が対称な構造を有すること
    を特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記発光素子は内部電流狭窄型の半導体
    レーザであることを特徴とする請求項1記載の光半導体
    装置。
  5. 【請求項5】 上記発光素子はSDHレーザであること
    を特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記光半導体装置は光ニューロ素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  7. 【請求項7】 上記光半導体装置は光増幅素子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  8. 【請求項8】 上記光半導体装置は光論理素子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  9. 【請求項9】 上記光半導体装置は波長変換素子である
    ことを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  10. 【請求項10】 上記半導体層の上方から上記フォトト
    ランジスタに光入力が行われ、上記基板の裏面側から光
    出力が行われることを特徴とする請求項1記載の光半導
    体装置。
  11. 【請求項11】 上記発光素子は曲がり共振器構造を有
    する半導体レーザであることを特徴とする請求項10記
    載の光半導体装置。
  12. 【請求項12】 上記発光素子は活性層の近傍に回折格
    子が形成された半導体レーザであることを特徴とする請
    求項10記載の光半導体装置。
  13. 【請求項13】 上記発光素子は垂直共振器型面発光レ
    ーザであることを特徴とする請求項10記載の光半導体
    装置。
  14. 【請求項14】 上記光出力が行われる部分における上
    記基板に穴が形成されていることを特徴とする請求項1
    0記載の光半導体装置。
  15. 【請求項15】 上記半導体層の上下にブラッグリフレ
    クタが設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    光半導体装置。
  16. 【請求項16】 光入力が行われたときに上記ブラッグ
    リフレクタの間に形成される光の定在波の腹の部分が上
    記フォトトランジスタのベース層に位置するように上記
    半導体層の厚さが設定されていることを特徴とする請求
    項15記載の光半導体装置。
  17. 【請求項17】 一方の上記ブラッグリフレクタが少な
    くとも一つの上記フォトトランジスタの負荷抵抗を構成
    することを特徴とする請求項15記載の光半導体装置。
  18. 【請求項18】 発光素子と、上記発光素子の一方の端
    子に互いに並列に接続された少なくとも二つのフォトト
    ランジスタとを有し、基板上に上記発光素子が形成さ
    れ、この発光素子上に光吸収層を介して上記少なくとも
    二つのフォトトランジスタを構成する半導体層が形成さ
    れ、この半導体層に互いに隣接する上記フォトトランジ
    スタ間の分離用の溝が形成されている要素光半導体装置
    が、上記基板上に互いに溝により分離されて一次元アレ
    イ状に集積されていることを特徴とする光半導体装置。
  19. 【請求項19】 発光素子と、上記発光素子の一方の端
    子に互いに並列に接続された少なくとも二つのフォトト
    ランジスタとを有する光半導体装置であって、 上記少なくとも二つのフォトトランジスタを構成する半
    導体層はベース層を中心としてエネルギーギャップ及び
    キャリア濃度が対称な構造を有することを特徴とする光
    半導体装置。
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