JPH07249835A - 半導体光素子 - Google Patents

半導体光素子

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JPH07249835A
JPH07249835A JP4070494A JP4070494A JPH07249835A JP H07249835 A JPH07249835 A JP H07249835A JP 4070494 A JP4070494 A JP 4070494A JP 4070494 A JP4070494 A JP 4070494A JP H07249835 A JPH07249835 A JP H07249835A
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semiconductor
semiconductor layer
refractive index
layer
group compound
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JP4070494A
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English (en)
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So Otoshi
創 大▲歳▼
Shinji Tsuji
伸二 辻
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体多層膜で構成されたブラッグ反射器の反
射率を高め、それを用いて低電流動作が可能な半導体発
光素子および高性能な半導体光素子を実現する。 【構成】半導体多層膜(ブラッグ反射器)4、11を用
いた半導体光素子において、半導体多層膜の一方の高屈
折率層をIII−V族化合物で、他方の低屈折率層をII−
VI族化合物で構成し、両者の化合物層を交互に周期的
に繰り返した積層膜でブラッグ反射器を構成する。 【効果】半導体多層膜を構成する高屈折率層と低屈折率
層との屈折率差が増大し、半導体多層膜の反射率を高く
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光素子に係り、
特に光インターコネクトなどの光源等に好適な化合物半
導体光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光インターコネクトなどの光源として
は、2次元アレイ化が可能であることから面発光型光素
子が有望視されている。この種の面発光型光素子の一例
として、量子井戸層が半導体多層膜(ブラッグ反射器)
で挟まれた構造のマイクロ共振器型光素子が知られてい
る。このブラッグ反射器を構成する半導体多層膜として
は、III−V族半導体だけで構成されており、互いに屈
折率の異なる2種の半導体層を周期的に積層したもので
ある。なお、この種の技術に関連するものとしては、例
えば「コヒーレンスと量子光学VI」(ジェー・エッチ
・エバリーほか編集)プレナムプレス、ニューヨーク
(1990)1249〜1257頁(山本喜久ほか著)
および日経エレクトロニクス No.504 7月9日号
第236頁(光エレクトロニクス広告集 III.光デバ
イス)、1990年等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の半導体多層膜
(ブラッグ反射器)で活性層(量子井戸層)を挟んだ面
発光型半導体レーザにおいて、しきい電流を低減するた
めには、ブラッグ反射器の反射率を高くする必要があ
る。それには半導体多層膜を構成する高屈折率層と低屈
折率層との屈折率差を大きくすることが重要である。し
かし、III−V族半導体のみで構成されていた従来の多
層膜の場合、屈折率差はGaAs系で25%程度と小さ
く、ブラッグ反射器の高反射率化が難しいという問題点
があった。特に、長波長帯の面発光型レーザ素子を構成
するInP系では、ブラッグ反射器としてInGaAs
P/InP多層膜が使われるが、この場合の屈折率差は
高々10%以下と小さく、高反射率を実現し、駆動電流
の低しきい値化を図ることが困難であった。
【0004】また、反射率を高めるには、周期的に繰り
返し積層する多層膜の周期を増大することにより、不十
分ながらもある程度の改善は図れるがその反面、積層数
が増大すれば光損失の問題が発生する、製造工程が複雑
化する等の問題点が生じ、何れも実用的でない。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記従来の
問題点を解決することにあり、高反射率のブラッグ反射
器を備えた半導体光素子を実現することにある。さらに
具体的には、多層膜の周期を最小にして、最大の反射率
が得られる積層膜で構成されるブラッグ反射器およびそ
れを備えた半導体光素子を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は、ブラッグ反射器を構成する化合物半
導体の多層膜の組み合わせと反射率との関係について種
々実験検討したところ、III−V族化合物同士の異なる
屈折率を有する多層膜、もしくはII−VI族化合物同士
の異なる屈折率を有する多層膜では、いずれも反射率の
増大に限界があり実用レベルでの十分な改善が見られな
かった。しかし、これら両化合物層を交互に周期的に積
層すると反射率が予想以上に著しく増大し、実用レベル
に十分に達するという知見を得た。
【0007】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものであり、上記目的は所定の半導体基板上にII−VI
族化合物からなる第1半導体層と、前記第1半導体層よ
りも屈折率の大きなIII−V族化合物の第2半導体層と
を周期的に積層した第1半導体領域を有するブラッグ反
射器を備えた半導体光素子により、達成される。
【0008】上記半導体光素子としては、この種のブラ
ッグ反射器の適用が可能なものであれば何れのものでも
よく、代表的なものとしては光源となる半導体レーザお
よび発光ダイオード等の化合物半導体で構成される発光
素子が挙げられるが、その他、受光素子、光フィルター
等の光インターコネクトに適用される半導体光素子が挙
げられる。
【0009】以下、半導体レーザおよび発光ダイオード
等の発光素子の場合を例に具体的に説明する。すなわ
ち、上記発光素子は、所定の半導体基板上に、少なくと
もII−VI族化合物の第1半導体層と前記第1半導体層
よりも屈折率の大きなIII−V族化合物の第2半導体層
とを周期的に積層して第1の半導体多層膜で構成される
ブラッグ反射器(第1半導体領域)と、少なともII−V
I族化合物の第3半導体層と前記第3半導体層よりも屈
折率の大きなIII−V族化合物の第4半導体層とを周期
的に積層して第2の半導体多層膜で構成されるブラッグ
反射器(第2半導体領域)と、これら第1および第2両
半導体多層膜のブラッグ反射器によって挟まれた前記何
れの半導体多層膜よりも禁制帯幅が狭い第5半導体層
(第3半導体領域)とを有して成る、面発光型の半導体
レーザもしくは発光ダイオードから成る半導体光素子に
より実現される。そして、ブラッグ反射器を構成する半
導体多層膜の各層の厚さは、素子内部で取り扱う光の波
長λに基づいて設定するものであり、通常は波長λの1
/4とする。
【0010】さらに、上記半導体光素子の実用的に好ま
しい構成例について以下に具体的に説明する。 (1)上記半導体基板がp、nいずれか一方の第1導電
形の半導体で構成され、その上に配設される第1の半導
体多層膜(第1半導体領域)も第1導電形の半導体で構
成され、さらにその上に配設される前記半導体多層膜よ
りも禁制帯幅が狭い第5半導体層(第3半導体領域)
が、少なくとも量子井戸層を有するアンドープ層で構成
され、さらにその上に配設される第2の半導体多層膜
(第2半導体領域)が第2導電形の半導体で構成された
半導体光素子。
【0011】(2)上記半導体基板、第2半導体層およ
び第4半導体層のいずれもがIII−V族化合物中のGa
As系半導体で構成され、第1半導体層および第3半導
体層のいずれもがII−VI族化合物中のZn、Cdおよ
びMgの少なくとも一種とSおよびSeの少なくとも一
種とからなる化合物層で構成された半導体光素子。
【0012】(3)上記半導体基板、第2半導体層およ
び第4半導体層のいずれもがIII−V族化合物中のIn
P系半導体で構成され、第1半導体層および第3半導体
層のいずれもがII−VI族化合物中のZn、Cdおよび
Mgの少なくとも一種とSおよびSeの少なくとも一種
とからなる化合物層で構成された半導体光素子。
【0013】(4)上記第5半導体層(第3半導体領
域)の実効的な屈折率の大きさが、上記第2半導体層お
よび第4半導体層の屈折率に比べ小さく、半導体層内で
の発光波長をλとしたとき第5半導体層の厚さdが0.
4λ≦d≦0.6λの関係を満たしている半導体光素
子。
【0014】(5)上記第5半導体層(第3半導体領
域)の実効的な屈折率の大きさが、上記第1半導体層お
よび第3半導体層の屈折率に比べ大きく、半導体層内で
の発光波長をλとしたとき第3半導体領域の厚さdが
0.9λ≦d≦1.1λの関係を満たしている半導体光
素子。
【0015】(6)上記半導体光素子において、動作電
流が発振しきい値以上であれば面発光型半導体レーザが
実現できる。 (7)上記半導体光素子として、動作電流が発振しきい
値以下であれば面発光型発光ダイオードが実現できる。
【0016】なお、受光素子についても同様の構成でブ
ラッグ反射器を配設することができる。その他、光フィ
ルター等については、上記発光素子や受光素子とは構成
が異なり、第5半導体層(第3半導体領域)は不要とな
る。いずれにしても本発明の半導体光素子は上記種々の
光素子を実装して光インターコネクトに有効に適用され
るものである。
【0017】
【作用】ブラッグ反射器の反射率を向上させるには、半
導体多層膜を構成する第1半導体層と第2半導体層、さ
らには第3半導体層と第4半導体層の各々に大きな屈折
率差を生じさせることが重要であり、本発明では第1半
導体層と第3半導体層とを、共にII−VI族化合物で、
第2半導体層と第4半導体層とを、共にII−VI族化合
物より屈折率の大きいIII−V族化合物で、それぞれ構
成している。
【0018】したがって、本発明の多層膜では従来のII
I−V族化合物同士、もしくはII−VI族化合物同士で構
成したものよりも常に大きな屈折率差が生じ、それに基
づいて反射率が著しく向上する。多層膜を構成する各半
導体層の繰り返し周期を同一周期として、従来例と比較
すると両者の反射率の差異は明らかである。
【0019】すなわち、III−V族化合物同士のInG
aAsP(屈折率N=3.45)/InP(N=3.1
7)を10周期形成した従来の多層膜の反射率は80%
程度であったのに対し、例えば、本発明のInP(屈折
率N=3.17)/ZnMgSSe(N=2.2)を同
一周期の10周期形成した多層膜の反射率は99.9%
にも達する。その結果、高性能な半導体光素子が実現で
きる。なお、ZnMgSSeは、青色あるいは緑色のレ
ーザ光を発するII−VI族半導体レーザのクラッド層と
して知られており、この材料の屈折率Nは、波長λ=
0.9μmで2.2程度にすることができる。また、波
長λ=1.3μm以上の長波長帯では、さらに低屈折率
になる傾向にある。
【0020】また、屈折率は、禁制帯幅の広い材料ほど
低い傾向にある。したがって、多層膜で構成するブラッ
グ反射器の低屈折率材料(II−VI族化合物半導体)と
しては、前述したようにZnMgSSeに限らず、III
−V族半導体よりも相対的に禁制帯幅の広い、例えばZ
n、CdおよびMgの少なくとも一種と、SおよびSe
の少なくとも一種との化合物でで構成される二元、三
元、四元、あるいは五元の化合物一般が適用できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。 〈実施例1〉図1は、面発光型発光ダイオードの断面構
成図を示したものである。以下、この図にしたがって発
光素子の構造を製造工程と共に説明する。図示のように
n−GaAs(100)面の基板1上に、分子線エピタ
キシ(MBE)法により、第1半導体層としてGaAs
に格子整合したn−CdMgS〔ドナー濃度ND=2×
1018(/cm3)〕の低屈折率層2と、第2半導体層
としてn−GaAs〔ND=4×1018(/cm3)〕の
高屈折率層3とを10周期積層し、n型ブラッグ反射器
4(第1半導体領域)を形成する。ただし、各層の厚さ
は素子内部での波長λの1/4とする。
【0022】次に、第5半導体層(第3半導体領域)と
して、アンドープCdMgS層5、アンドープIn0.2
Ga0.8As量子井戸層(厚さ10nm)6、アンドー
プCdMgS層7から成る共振器8を設ける。ただし、
共振器8の厚さはλ/2とする。
【0023】続けて、第4半導体層としてp−GaAs
の高屈折率層9〔厚さλ/4、アクセプタ濃度NA=4
×1018(/cm3)〕と、第3半導体層としてp−C
dMgSの低屈折率層10〔厚さλ/4、NA=2×1
18(/cm3)〕とを10周期積層し、p型ブラッグ
反射器11(第2半導体領域)を形成する。
【0024】また、電極との接触抵抗を下げるため、p
−GaAsキャップ層12を設ける。最後に、蒸着法に
よりn型電極13とp型電極14とを、それぞれ面の上
下に形成し、通常のエッチング法によりp型電極14の
一部を除去することにより3μmφの円形の出射窓15
を設け、図示の断面構造を有する面発光型半導体発光装
置を製造した。
【0025】この例ではn型ブラッグ反射器4(第1半
導体領域)と、p型ブラッグ反射器11(第2半導体領
域)とを、共に同一の半導体層で構成としたが、それぞ
れ他の組成の半導体層で構成することもできる。
【0026】なお、この例ではブラッグ反射器を構成す
る半導体層の屈折率差を40%とした。そして、反射率
は99.9%であった。比較例として第1半導体層およ
び第3半導体層を、共にGaAs系のGaAsとAlA
sで形成し、その他の構成は本実施例と同様にして製造
した場合、屈折率差は15%であり、反射率は95%で
あった。
【0027】上記本実施例の素子において、100μA
以下の低電流動作が可能であった。一方、比較例におい
ては、1mA以上の動作電流を要した。本実施例の面発
光型半導体発光装置を、光インターコネクトの光源とし
て用いることにより、高性能なシステムを構成すること
ができるようになった。
【0028】〈実施例2〉図2は、面発光型半導体レー
ザの断面斜視図、図3は図2の発光部とその周辺のブラ
ッグ反射器を含む素子要部の断面拡大図を示したもので
ある。以下、これらの図にしたがって発光素子の構造を
製造工程と共に説明する。図示のようにn−InP(1
00)面の基板1上に、MBE法により、第1半導体層
としてn−ZnMgSeの低屈折率層31〔ドナー濃度
D=2×1018(/cm3)〕と、第2半導体層として
n−InPの高屈折率層32〔厚さλ/4、ND=4×
1018(/cm3)〕を10.5周期積層し、n型ブラ
ッグ反射器33(第1半導体領域)を形成する。
【0029】次に、第5半導体層(第3半導体領域)と
して、アンドープInP層34、アンドープIn0.8
0.2As歪み量子井戸層(厚さ7nm)35、アンド
ープInP層36から成る共振器37を設ける。ただ
し、共振器37の厚さはλとする。
【0030】続けて、第3半導体層としてp−ZnMg
Seの低屈折率層38〔厚さλ/4、NA=2×1018
(/cm3)〕と、第4半導体層としてp−InPの高
屈折率層39(厚さλ/4、NA=4×1018(/c
3)〕を10.5周期積層し、p型ブラッグ反射器4
0(第2半導体領域)を形成する。また、電極との接触
抵抗を下げるため、p−InGaAsPキャップ層12
を設ける。
【0031】実施例1の場合、導波路構造が量子井戸面
内(x−y面内)で対称であるため、光偏向方向がx−
y面内で自由であり、自然放出光が発光モードに結合す
る割合βの最大値は0.5になる。一方、本実施例の図
2の構造は、さらに、βの値を向上させるために、エッ
チングによりメサ形状を図示のように楕円形(長軸の長
さ4μm、短軸の長さ2μm)にする。ここで、エッチ
ングはn型ブラッグ反射器33の一部に到達するように
行う。最後に、蒸着法を用いてn型電極13を設け、さ
らに、メサの側部をポリイミド41で埋め込んだ後、p
型電極14を蒸着する。
【0032】ブラッグ反射器33(第1半導体領域)、
40(第2半導体領域)を構成する多層膜の屈折率差お
よび反射率は、本実施例の場合も先の実施例1の場合と
ほぼ同様であった。
【0033】なお、本実施例では素子の構造がメサ構造
になっているため、発光領域の体積が実施例1よりも実
効的に小さい。よって、50μA以下の低電流動作が可
能であった。また、光インターコネクトの光源として本
実施例の半導体発光素子を用いることにより、高性能な
システムを構成することができるようになった。
【0034】以上の実施例は、いずれも代表的な発光素
子の構造例について示したものであるが、本発明はこれ
以外の構造にも有効である。例えば、素子の直列抵抗を
低減するために、ブラッグ反射器を形成している高屈折
率層と低屈折率層との間にグレーデッド層(組成が徐々
に変化した層)を設けた構造にも適用できる。また、p
型での抵抗を下げるため、電流伝導層を設け、多層膜の
サイドから正孔を注入する構造にも適用できる。
【0035】以下の実施例では発光素子以外の適用例に
ついて示す。 〈実施例3〉図4は、面入射型受光素子の要部構成断面
図を示したものであり、以下、この図にしたがって受光
素子の構造を製造工程と共に説明する。図示のように、
n−InP(100)面の基板1上に、MBE法によ
り、n−ZnMgSeの低屈折率層51〔厚さλ/4、
ドナー濃度ND=2×1018(/cm3)〕とn−InP
の高屈折率層52〔厚さλ/4、ドナー濃度ND=4×
1018(/cm3)〕を10.5周期積層し、n型ブラ
ッグ反射器53を形成する。
【0036】次に、n−InP層54(0.5μm)、
アンドープIn0.8Ga0.2As光吸収層(厚さ7nm)
55、p−InP層56(0.5μm)を設ける。続け
て、アンドープブラッグ反射器59を形成する。ここ
で、入射光の注入効率を考え、このアンドープブラッグ
反射器59は、従来通り、III−V族半導体だけで構成
することにし、低屈折率層57(厚さλ/4)はアンド
ープInP、高屈折率層58(厚さλ/4)はアンドー
プInGaAsPとする。周期数は6.5周期とする。
【0037】次に、エッチングによりメサ形状を10μ
mφの円形にする。ここで、エッチングはp−InP層
56に到達するように行なう。最後に、蒸着法を用いて
n型電極13を設け、さらに、エッチングで露出したp
−InP層56上にp型電極14を蒸着する。
【0038】この受光素子の性能を計測したところ、波
長1.56μmの入射光に対し、量子効率85%が得ら
れた。また、比較のために、上記アンドープブラッグ反
射器59とn型ブラッグ反射器53共にIII−V族半導
体だけで構成した素子では、量子効率60%であった。
【0039】〈実施例4〉図5は、光フィルタの断面構
成図を示したものである。以下、この図にしたがって光
フィルタの構造を製造工程と共に説明する。図示のよう
に、半絶縁性のInP(100)面の基板61上に、M
BE法により、アンドープZnMgSeの低屈折率層6
2(厚さλ/4)とアンドープInPの高屈折率層63
(厚さλ/4)を10周期積層することで本発明の光フ
ィルタを作成することができる。この光フィルタの性能
を計測したところ、反射率99%が得られた。また、比
較のために、上記アンドープの低屈折率層62をInG
aAsPとしIII−V族半導体だけで構成した素子で
は、反射率79%であった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、半導体多層
膜を構成する高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を増大
でき、ブラッグ反射器の反射率を一段と高めることがで
きるので、面発光型の半導体光素子(半導体レーザ、発
光ダイオードなど)の動作電流を大幅に低減できる。ま
た、半導体多層膜の反射率を高くできるた面型の光フィ
ルタ、受光素子等の半導体光素子の特性を向上させるこ
とができる。さらに、本発明の光素子を光インターコネ
クトが導入されているコンピュータシステムに適用する
ことで、システムの高性能化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる半導体発光装置の断面
図。
【図2】同じく他の実施例となる半導体発光装置の断面
図。
【図3】同じく図2の多層領域の断面拡大図。
【図4】同じく他の実施例となる受光素子の要部断面
図。
【図5】同じく他の実施例となる光フィルタの要部断面
図。
【符号の説明】
1…n型基板、 2、31…n型低屈折率層
(II−VI族化合物)、3、32…n型高屈折率層(III
−V族化合物)、4、33…n型ブラッグ反射器、1
1、40…p型ブラッグ反射器、12…p型キャップ
層、 13…n型電極、14…p型電極、
15…出射窓、34、36…高屈折率層、
41…ポリイミド、51…n型低屈折率層、
52…n型高屈折率層、53…n型ブラッグ反
射器、 54…n型InP、55…光吸収層、
56…p型InP、57…アンドープ低屈
折率層、 58…アンドープ高屈折率層、59…アン
ドープブラッグ反射器、61…半絶縁性基板、62…ア
ンドープ低屈折率層、 63…アンドープ高屈折率
層。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上にII−VI族化合物からなる
    第1半導体層と、前記第1半導体層よりも屈折率の大き
    なIII−V族化合物の第2半導体層とを周期的に繰り返
    し積層した第1半導体領域で構成したブラッグ反射器を
    具備して成る半導体光素子。
  2. 【請求項2】半導体基板上に、少なくともII−VI族化
    合物の第1半導体層と前記第1半導体層よりも屈折率の
    大きなIII−V族化合物の第2半導体層とを周期的に積
    層して第1の半導体多層膜で構成される第1半導体領域
    と、少なともII−VI族化合物の第3半導体層と前記第
    3半導体層よりも屈折率の大きなIII−V族化合物の第
    4半導体層とを周期的に積層して第2の半導体多層膜で
    構成される第2半導体領域と、これら第1および第2両
    半導体領域に挟まれ、少なくとも前記いずれの半導体多
    層膜よりも禁制帯幅の狭い第5半導体層で構成された第
    3半導体領域とを有して成る半導体発光素子を具備して
    成る半導体光素子。
  3. 【請求項3】上記半導体発光素子を面発光型半導体レー
    ザ、もしくは面発光型発光ダイオードとして成る請求項
    2記載の半導体光素子。
  4. 【請求項4】上記第5半導体層で構成された第3半導体
    領域の実効的な屈折率の大きさが、上記第2半導体層と
    上記第4半導体層との屈折率に比べ小さく、半導体内で
    の発光波長をλとしたとき、前記第3半導体領域の厚さ
    dを0.4λ≦d≦0.6λとして成る請求項2もしく
    は3記載の半導体光素子。
  5. 【請求項5】上記第5半導体層で構成された第3半導体
    領域の実効的な屈折率の大きさが、上記第1半導体層と
    上記第3半導体層の屈折率に比べ大きく、半導体内での
    発光波長をλとしたとき、前記第3半導体領域の厚さd
    を0.9λ≦d≦1.1λとして成る請求項2もしくは
    3記載の半導体光素子。
  6. 【請求項6】上記第1および第2の半導体多層膜を構成
    するII−VI族化合物およびIII−V族化合物の各々の膜
    厚を、半導体素子内での発光波長λの1/4として成る
    請求項2乃至5何れか記載の半導体光素子。
  7. 【請求項7】上記第1半導体層、もしくは上記第3半導
    体層を構成するII−VI族化合物を、Zn、Cdおよび
    Mgの少なくとも一種と、SおよびSeの少なくとも一
    種との化合物半導体で構成して成る請求項1乃至6何れ
    か記載の半導体光素子。
  8. 【請求項8】上記第2半導体層、もしくは上記第4半導
    体層を構成するIII−V族化合物を、GaAs系化合
    物、もしくはInP系化合物で構成して成る請求項1乃
    至6何れか記載の半導体光素子。
  9. 【請求項9】上記半導体基板と、上記第2半導体層もし
    くは上記第4半導体層とを同一のIII−V族化合物半導
    体で構成して成る請求項1乃至8何れか記載の半導体光
    素子。
  10. 【請求項10】少なくとも半導体基板上にII−VI族化
    合物からなる第1半導体層と、前記第1半導体層よりも
    屈折率の大きなIII−V族化合物の第2半導体層とを周
    期的に繰り返し積層した第1半導体領域で構成したブラ
    ッグ反射器を具備した受光素子を有して成る半導体光素
    子。
  11. 【請求項11】少なくとも半導体基板上にII−VI族化
    合物からなる第1半導体層と、前記第1半導体層よりも
    屈折率の大きなIII−V族化合物の第2半導体層とを周
    期的に繰り返し積層した第1半導体領域で構成したブラ
    ッグ反射器を具備した光フィルタを有して成る半導体光
    素子。
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