JP3297548B2 - Soi半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents
Soi半導体集積回路装置の製造方法Info
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- JP3297548B2 JP3297548B2 JP29931694A JP29931694A JP3297548B2 JP 3297548 B2 JP3297548 B2 JP 3297548B2 JP 29931694 A JP29931694 A JP 29931694A JP 29931694 A JP29931694 A JP 29931694A JP 3297548 B2 JP3297548 B2 JP 3297548B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SOI基板上に作製し
たMOS型半導体集積回路を高安定化するSOI半導体
集積回路装置の製造方法に関するものである。
たMOS型半導体集積回路を高安定化するSOI半導体
集積回路装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SOI基板上に形成した典型的なMOS
型電界効果トランジスタの断面構造を図5に示す。個々
のトランジスタを絶縁層上の薄いシリコン層内に形成し
ており、各トランジスタ間は完全に絶縁分離されてい
る。この結果、α線によるソフトエラー率が低減でき、
nチャネルMOSとpチャネルMOSの両者を用いた相
補型MOS構成において、ラッチアップを完全に防止で
きるという特徴がある。また、MOS構成のソース11
とドレイン12の各層の下が絶縁層14であり、PN接
合面積が小さいためにソース層11とドレイン層12の
寄生容量が低減できるという特徴もある。このような特
徴のために、SOI基板上に形成されるMOS型半導体
集積回路は将来の高性能集積回路の候補として注目され
ている。
型電界効果トランジスタの断面構造を図5に示す。個々
のトランジスタを絶縁層上の薄いシリコン層内に形成し
ており、各トランジスタ間は完全に絶縁分離されてい
る。この結果、α線によるソフトエラー率が低減でき、
nチャネルMOSとpチャネルMOSの両者を用いた相
補型MOS構成において、ラッチアップを完全に防止で
きるという特徴がある。また、MOS構成のソース11
とドレイン12の各層の下が絶縁層14であり、PN接
合面積が小さいためにソース層11とドレイン層12の
寄生容量が低減できるという特徴もある。このような特
徴のために、SOI基板上に形成されるMOS型半導体
集積回路は将来の高性能集積回路の候補として注目され
ている。
【0003】通常、この種のMOS型電界効果トランジ
スタを含む集積回路の製造においては、配線工程が終了
した後に水素を含む雰囲気中で400〜450℃の熱処
理(いわゆるポストメタライゼーションアニール)を行
い、ゲート酸化膜とシリコン界面の界面準位密度を低減
させて、トランジスタ特性を安定かつ高性能化する。し
かし、この種のトランジスタには寄生バイポーラトラン
ジスタ動作という寄生効果が現れる場合があり、閾値電
圧の低下やオフ電流の増大をもたらすなどの問題点があ
る。寄生バイポーラトランジスタ効果を図6を用いて説
明する。MOSトランジスタが動作して、チャネルを通
しソース21からドレイン22に電子が流れる。ドレイ
ン22付近には高電界領域が存在するために、上記電子
は電界からエネルギーを得て高エネルギー電子となり、
インパクトイオン化現象を起こして電子・正孔対を発生
させる。発生した電子26は電界方向にしたがってドレ
イン22方向に流れ、正孔27はソース21方向に流れ
る。この正孔27は、ソース、チャネル、ドレインをそ
れぞれエミッタ、ベース、コレクタとみなした寄生バイ
ポーラトランジスタのベース電流となり、エミッタ(ソ
ース21)からチャネルへの電子注入をもたらす。注入
された電子28はコレクタ(ドレイン22)へと流れ、
寄生バイポーラトランジスタが動作する。
スタを含む集積回路の製造においては、配線工程が終了
した後に水素を含む雰囲気中で400〜450℃の熱処
理(いわゆるポストメタライゼーションアニール)を行
い、ゲート酸化膜とシリコン界面の界面準位密度を低減
させて、トランジスタ特性を安定かつ高性能化する。し
かし、この種のトランジスタには寄生バイポーラトラン
ジスタ動作という寄生効果が現れる場合があり、閾値電
圧の低下やオフ電流の増大をもたらすなどの問題点があ
る。寄生バイポーラトランジスタ効果を図6を用いて説
明する。MOSトランジスタが動作して、チャネルを通
しソース21からドレイン22に電子が流れる。ドレイ
ン22付近には高電界領域が存在するために、上記電子
は電界からエネルギーを得て高エネルギー電子となり、
インパクトイオン化現象を起こして電子・正孔対を発生
させる。発生した電子26は電界方向にしたがってドレ
イン22方向に流れ、正孔27はソース21方向に流れ
る。この正孔27は、ソース、チャネル、ドレインをそ
れぞれエミッタ、ベース、コレクタとみなした寄生バイ
ポーラトランジスタのベース電流となり、エミッタ(ソ
ース21)からチャネルへの電子注入をもたらす。注入
された電子28はコレクタ(ドレイン22)へと流れ、
寄生バイポーラトランジスタが動作する。
【0004】このような寄生バイポーラトランジスタが
動作すると、ドレイン電流が、本来のMOSトランジス
タ動作による電流と寄生バイポーラトランジスタ動作に
よる電流の和になる。図7にSOI基板上のMOSトラ
ンジスタにおけるサブスレッショルド特性(ドレイン電
流のゲート電圧特性)を示すが、ドレイン電圧を増大さ
せるとドレイン付近の電界が増大し、寄生バイポーラト
ランジスタ効果が現れ、閾値電圧の低下とオフ電流の増
加が顕著になる。
動作すると、ドレイン電流が、本来のMOSトランジス
タ動作による電流と寄生バイポーラトランジスタ動作に
よる電流の和になる。図7にSOI基板上のMOSトラ
ンジスタにおけるサブスレッショルド特性(ドレイン電
流のゲート電圧特性)を示すが、ドレイン電圧を増大さ
せるとドレイン付近の電界が増大し、寄生バイポーラト
ランジスタ効果が現れ、閾値電圧の低下とオフ電流の増
加が顕著になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような閾値電圧
の急激な低下は集積回路の動作不良をもたらし、また、
オフ電流の増大は集積回路の待機時における消費電力を
増大させるという問題点を生じる。
の急激な低下は集積回路の動作不良をもたらし、また、
オフ電流の増大は集積回路の待機時における消費電力を
増大させるという問題点を生じる。
【0006】本発明は、寄生バイポーラトランジスタ効
果を抑止して高安定なMOS型トランジスタを形成し
た、SOI半導体集積回路装置の製造方法を得ることを
目的とする。
果を抑止して高安定なMOS型トランジスタを形成し
た、SOI半導体集積回路装置の製造方法を得ることを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、SOI基板
上に形成されたMOS型電界効果トランジスタを含むS
OI半導体集積回路の製造方法において、金属配線工程
の終了後に行う熱処理工程の後に、上記MOS型電界効
果トランジスタのゲート電極下のゲート酸化膜とチャネ
ル層間の界面に、5×10 10 〜2×10 11 /cm 2
の界面準位を少なくとも一部に形成する工程を含み、上
記界面準位形成の工程は、イオン、電子、X線等のエネ
ルギー粒子照射を用いることによって達成される。
上に形成されたMOS型電界効果トランジスタを含むS
OI半導体集積回路の製造方法において、金属配線工程
の終了後に行う熱処理工程の後に、上記MOS型電界効
果トランジスタのゲート電極下のゲート酸化膜とチャネ
ル層間の界面に、5×10 10 〜2×10 11 /cm 2
の界面準位を少なくとも一部に形成する工程を含み、上
記界面準位形成の工程は、イオン、電子、X線等のエネ
ルギー粒子照射を用いることによって達成される。
【0008】また、SOI基板上に形成されたMOS型
電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製
造方法において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工
程の後に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート
電極下のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×1
010〜2×1011/cm2の界面準位を少なくとも
一部に形成する工程を含み、上記界面準位形成の工程
は、ゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注
入、アバランシェ注入等による電子または正孔の注入を
用いることによって達成される。
電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製
造方法において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工
程の後に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート
電極下のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×1
010〜2×1011/cm2の界面準位を少なくとも
一部に形成する工程を含み、上記界面準位形成の工程
は、ゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注
入、アバランシェ注入等による電子または正孔の注入を
用いることによって達成される。
【0009】また、SOI基板上に形成されたMOS型
電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製
造方法において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工
程の後に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート
電極下のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×1
0 10 〜2×10 11 /cm 2 の界面準位を少なくとも
一部に形成する工程を含み、上記界面準位形成の工程
は、急熱冷却を用いることによって達成される。
電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製
造方法において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工
程の後に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート
電極下のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×1
0 10 〜2×10 11 /cm 2 の界面準位を少なくとも
一部に形成する工程を含み、上記界面準位形成の工程
は、急熱冷却を用いることによって達成される。
【0010】
【作用】本発明は、SOI基板上に形成されたMOS型
電界効果トランジスタを含む半導体集積回路装置の製造
方法において、上記MOS型電界効果トランジスタのソ
ース層およびドレイン層とゲート電極とのオーバラップ
部分を含むゲート電極下の、ゲート酸化膜とチャネル半
導体間の界面に、5×1010〜2×1011/cm2
の界面準位を有する領域を少なくとも一部に設け、上記
界面準位領域を、金属配線工程終了後の熱処理工程を行
ったのちに、上記MOS型電界効果トランジスタのゲー
ト電極下の、ゲート酸化膜と半導体層間の界面の一部に
イオン、電子、X線等のエネルギー粒子照射を用い、ま
たはゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注
入、アバランシェ注入等による電子または正孔の注入を
用い、あるいは急熱冷却を用いて設けるが、このように
ゲート電極下の界面準位を増加することによって、界面
準位を介してチャネル表面に形成される反転層電子と、
インパクトイオン化によりドレイン付近で発生する正孔
(ソース側に流れてきて寄生バイポーラトランジスタの
ベース電流になる)が再結合することによって、エミッ
タ(ソース)とベース(チャネル領域)との正の接合電
圧が低下するため、エミッタからベースへの電子注入が
抑制され、上記寄生バイポーラトランジスタ効果が抑止
される。したがって、閾値電圧の急激な低下を防ぎ、ま
た、オフ電流の増大を抑制することができる。
電界効果トランジスタを含む半導体集積回路装置の製造
方法において、上記MOS型電界効果トランジスタのソ
ース層およびドレイン層とゲート電極とのオーバラップ
部分を含むゲート電極下の、ゲート酸化膜とチャネル半
導体間の界面に、5×1010〜2×1011/cm2
の界面準位を有する領域を少なくとも一部に設け、上記
界面準位領域を、金属配線工程終了後の熱処理工程を行
ったのちに、上記MOS型電界効果トランジスタのゲー
ト電極下の、ゲート酸化膜と半導体層間の界面の一部に
イオン、電子、X線等のエネルギー粒子照射を用い、ま
たはゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注
入、アバランシェ注入等による電子または正孔の注入を
用い、あるいは急熱冷却を用いて設けるが、このように
ゲート電極下の界面準位を増加することによって、界面
準位を介してチャネル表面に形成される反転層電子と、
インパクトイオン化によりドレイン付近で発生する正孔
(ソース側に流れてきて寄生バイポーラトランジスタの
ベース電流になる)が再結合することによって、エミッ
タ(ソース)とベース(チャネル領域)との正の接合電
圧が低下するため、エミッタからベースへの電子注入が
抑制され、上記寄生バイポーラトランジスタ効果が抑止
される。したがって、閾値電圧の急激な低下を防ぎ、ま
た、オフ電流の増大を抑制することができる。
【0011】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は本発明の第1実施例として、SOI基板上の
MOS型電界効果トランジスタにホットキャリアを注入
することにより発生する界面準位の位置を示す図、図2
は上記第1実施例における寄生バイポーラトランジスタ
効果の抑止を示す図、図3は本発明の第2実施例とし
て、MOS型電界効果トランジスタにFNを注入するこ
とにより発生する界面準位の位置を示す図、図4は上記
第2実施例における寄生バイポーラトランジスタ効果の
抑止を示す図である。
る。図1は本発明の第1実施例として、SOI基板上の
MOS型電界効果トランジスタにホットキャリアを注入
することにより発生する界面準位の位置を示す図、図2
は上記第1実施例における寄生バイポーラトランジスタ
効果の抑止を示す図、図3は本発明の第2実施例とし
て、MOS型電界効果トランジスタにFNを注入するこ
とにより発生する界面準位の位置を示す図、図4は上記
第2実施例における寄生バイポーラトランジスタ効果の
抑止を示す図である。
【0012】第1実施例本発明の 第1実施例として、SOI基板上のMOS型電
界効果トランジスタの界面準位が、ホットキャリアの注
入によりドレイン付近に形成された状態を図1に示す。
ドレイン42付近の高電界領域で発生したホトキャリア
のごく一部がドレイン付近のゲート酸化膜46中に注入
され、界面準位を発生させる。図2はホットキャリア注
入によって発生した界面準位により、寄生バイポーラト
ランジスタ効果が抑止されたことを示す図である。図2
はホットキャリアが注入されたドレインをソース端子と
して測定したサブスレッショルド特性であり、ホットキ
ャリア注入前後の特性変化を示している。測定ドレイン
電圧は0.1Vと2.0Vの2種類で行っている。ドレイ
ン電圧が0.1Vの場合には、ホットキャリア注入前後
で殆ど特性変化がなく、本来のMOS型トランジスタ電
流に対してはホットキャリア注入が殆ど影響していない
ことが判る。しかし、寄生バイポーラトランジスタ効果
が現れるようなドレイン電圧2.0Vでは、ホットキャ
リア注入後には寄生バイポーラトランジスタ効果が抑制
され、閾値電圧の低下やオフ電流の増大が抑制されてい
ることが判る。界面準位量の評価結果から、5×10
10〜2×1011/cm2の界面準位があれば、必要
にして十分な寄生バイポーラトランジスタ効果の抑制効
果があることが判明した。このように、本来のMOSト
ランジスタ電流には殆ど影響しない程度の微量の界面準
位を生成させることによって、寄生バイポーラトランジ
スタ効果を抑制できることが判る。
界効果トランジスタの界面準位が、ホットキャリアの注
入によりドレイン付近に形成された状態を図1に示す。
ドレイン42付近の高電界領域で発生したホトキャリア
のごく一部がドレイン付近のゲート酸化膜46中に注入
され、界面準位を発生させる。図2はホットキャリア注
入によって発生した界面準位により、寄生バイポーラト
ランジスタ効果が抑止されたことを示す図である。図2
はホットキャリアが注入されたドレインをソース端子と
して測定したサブスレッショルド特性であり、ホットキ
ャリア注入前後の特性変化を示している。測定ドレイン
電圧は0.1Vと2.0Vの2種類で行っている。ドレイ
ン電圧が0.1Vの場合には、ホットキャリア注入前後
で殆ど特性変化がなく、本来のMOS型トランジスタ電
流に対してはホットキャリア注入が殆ど影響していない
ことが判る。しかし、寄生バイポーラトランジスタ効果
が現れるようなドレイン電圧2.0Vでは、ホットキャ
リア注入後には寄生バイポーラトランジスタ効果が抑制
され、閾値電圧の低下やオフ電流の増大が抑制されてい
ることが判る。界面準位量の評価結果から、5×10
10〜2×1011/cm2の界面準位があれば、必要
にして十分な寄生バイポーラトランジスタ効果の抑制効
果があることが判明した。このように、本来のMOSト
ランジスタ電流には殆ど影響しない程度の微量の界面準
位を生成させることによって、寄生バイポーラトランジ
スタ効果を抑制できることが判る。
【0013】ただし、寄生バイポーラトランジスタ効果
を抑制するには、界面準位の形成領域をドレイン側では
なくソース側に設定するのが効果的である。通常、デバ
イスを動作させているときに自然な形で生じるホットキ
ャリア効果では、ドレイン側にホットキャリアが注入さ
れ界面準位はドレイン付近に形成される。したがって、
ホットキャリア注入によって界面準位を形成するには、
ソース側にも故意に形成する必要がある。この種のホッ
トキャリアをドレイン側とソース側との両方に注入すれ
ば、対称的に寄生バイポーラトランジスタ効果を抑制す
ることができる。
を抑制するには、界面準位の形成領域をドレイン側では
なくソース側に設定するのが効果的である。通常、デバ
イスを動作させているときに自然な形で生じるホットキ
ャリア効果では、ドレイン側にホットキャリアが注入さ
れ界面準位はドレイン付近に形成される。したがって、
ホットキャリア注入によって界面準位を形成するには、
ソース側にも故意に形成する必要がある。この種のホッ
トキャリアをドレイン側とソース側との両方に注入すれ
ば、対称的に寄生バイポーラトランジスタ効果を抑制す
ることができる。
【0014】第2実施例 本発明の第2実施例として、SOI基板上のMOS型電
界効果トランジスタの界面準位を、FN注入を用いて発
生させた場合における、界面準位の発生位置を図3に示
す。FN注入は5〜6MV/cm以上の高電界をゲート
酸化膜に印加するとき、陰極側からゲート酸化膜内に流
れるトンネル電流の1種であるFN電流を、ゲート酸化
膜中に流すことをいうが、上記のように高電界を印加す
るために、高エネルギの電子および正孔が生成される。
FN注入による界面準位の生成機構は、ゲート酸化膜の
膜厚によっても異なるとも考えられているが、上記FN
注入によって、チャネル上の酸化膜界面に界面準位が発
生すると考えられるため、ソース・ドレインの正・逆接
続で対称な寄生バイポーラトランジスタ効果に対する抑
制効果を得ることができる。図4はゲートに正電圧を印
加してFN注入を行い、その注入前後のサブスレショル
ド特性を比較して示した図である。第1実施例と同様
に、ドレイン電圧0.1Vの場合にはFN注入前後で殆
ど特性変化はなく、本来のMOS型トランジスタ電流に
対しては、上記FN注入が殆ど影響していないことが判
る。しかしながら、寄生バイポーラトランジスタ効果が
現れ得るようなドレイン電圧の1.9Vでは、FN注入
後において寄生バイポーラトランジスタ効果が抑制さ
れ、閾値電圧の低下やオフ電流の増大が抑制されている
ことが判る。このようにFN注入によっても、本来のM
OS型トランジスタ電流に殆ど影響を与えない程度の微
量の界面準位生成によって、寄生バイポーラトランジス
タ効果を抑制できることが判る。
界効果トランジスタの界面準位を、FN注入を用いて発
生させた場合における、界面準位の発生位置を図3に示
す。FN注入は5〜6MV/cm以上の高電界をゲート
酸化膜に印加するとき、陰極側からゲート酸化膜内に流
れるトンネル電流の1種であるFN電流を、ゲート酸化
膜中に流すことをいうが、上記のように高電界を印加す
るために、高エネルギの電子および正孔が生成される。
FN注入による界面準位の生成機構は、ゲート酸化膜の
膜厚によっても異なるとも考えられているが、上記FN
注入によって、チャネル上の酸化膜界面に界面準位が発
生すると考えられるため、ソース・ドレインの正・逆接
続で対称な寄生バイポーラトランジスタ効果に対する抑
制効果を得ることができる。図4はゲートに正電圧を印
加してFN注入を行い、その注入前後のサブスレショル
ド特性を比較して示した図である。第1実施例と同様
に、ドレイン電圧0.1Vの場合にはFN注入前後で殆
ど特性変化はなく、本来のMOS型トランジスタ電流に
対しては、上記FN注入が殆ど影響していないことが判
る。しかしながら、寄生バイポーラトランジスタ効果が
現れ得るようなドレイン電圧の1.9Vでは、FN注入
後において寄生バイポーラトランジスタ効果が抑制さ
れ、閾値電圧の低下やオフ電流の増大が抑制されている
ことが判る。このようにFN注入によっても、本来のM
OS型トランジスタ電流に殆ど影響を与えない程度の微
量の界面準位生成によって、寄生バイポーラトランジス
タ効果を抑制できることが判る。
【0015】上記のように、微量であって適量の界面準
位をMOS型電界効果トランジスタのゲート電極下に生
成させることにより、寄生バイポーラトランジスタ効果
を抑止することができる。上記のような界面準位の生成
は、上記各実施例に示したホットキャリアやFN注入の
他に、イオン、電子、X線等のエネルギー粒子の照射
や、ゲート酸化膜中へのアバランシェ注入による電子ま
たは正孔の注入、あるいは、高温状態から急冷すること
によって、熱平衡状態と僅かに異なる原子配列を作り出
すために界面準位が形成されると考えられる、急熱冷却
法を用いることによっても可能である。
位をMOS型電界効果トランジスタのゲート電極下に生
成させることにより、寄生バイポーラトランジスタ効果
を抑止することができる。上記のような界面準位の生成
は、上記各実施例に示したホットキャリアやFN注入の
他に、イオン、電子、X線等のエネルギー粒子の照射
や、ゲート酸化膜中へのアバランシェ注入による電子ま
たは正孔の注入、あるいは、高温状態から急冷すること
によって、熱平衡状態と僅かに異なる原子配列を作り出
すために界面準位が形成されると考えられる、急熱冷却
法を用いることによっても可能である。
【0016】
【発明の効果】上記のように本発明によるSOI半導体
集積回路装置の製造方法は、SOI基板上に形成された
MOS型電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積
回路装置において上記MOS型電界効果トランジスタの
ソース層およびドレイン層と、ゲート電極とのオーバラ
ップ部分を含むゲート電極下の、ゲート酸化膜とチャネ
ル半導体間の界面に、5×1010〜2×1011/c
m2の界面準位を有する領域を、少なくとも一部にイオ
ン、電子、X線等のエネルギー粒子照射を用い、または
ゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注入、ア
バランシェ注入等による電子または正孔の注入を用い、
あるいは急熱冷却を用いて設け、また、上記界面準位を
形成する工程を、金属配線工程終了後に行う熱処理工程
の後に行うことにより、寄生バイポーラトランジスタ効
果を抑止し、閾値電圧の低下やオフ電流の増大を抑制
し、高安定で待機時における消費電力を低減したMOS
型トランジスタを基板上に形成した、SOI半導体集積
回路装置の製造方法を実現することができる。
集積回路装置の製造方法は、SOI基板上に形成された
MOS型電界効果トランジスタを含むSOI半導体集積
回路装置において上記MOS型電界効果トランジスタの
ソース層およびドレイン層と、ゲート電極とのオーバラ
ップ部分を含むゲート電極下の、ゲート酸化膜とチャネ
ル半導体間の界面に、5×1010〜2×1011/c
m2の界面準位を有する領域を、少なくとも一部にイオ
ン、電子、X線等のエネルギー粒子照射を用い、または
ゲート酸化膜中へのホットキャリア注入、FN注入、ア
バランシェ注入等による電子または正孔の注入を用い、
あるいは急熱冷却を用いて設け、また、上記界面準位を
形成する工程を、金属配線工程終了後に行う熱処理工程
の後に行うことにより、寄生バイポーラトランジスタ効
果を抑止し、閾値電圧の低下やオフ電流の増大を抑制
し、高安定で待機時における消費電力を低減したMOS
型トランジスタを基板上に形成した、SOI半導体集積
回路装置の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例として、MOS型電界効果
トランジスタにホットキャリアを注入したことにより発
生する界面準位の位置を示す図である。
トランジスタにホットキャリアを注入したことにより発
生する界面準位の位置を示す図である。
【図2】上記第1実施例における寄生バイポーラトラン
ジスタ効果の抑止を示す図である。
ジスタ効果の抑止を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例として、MOS型電界効果
トランジスタにFN注入を行うことにより発生する界面
準位の位置を示す図である。
トランジスタにFN注入を行うことにより発生する界面
準位の位置を示す図である。
【図4】上記第2実施例における寄生バイポーラトラン
ジスタ効果の抑止を示す図である。
ジスタ効果の抑止を示す図である。
【図5】SOI基板上に形成されたMOS型電界効果ト
ランジスタの断面構造を示す図である。
ランジスタの断面構造を示す図である。
【図6】寄生バイポーラトランジスタ効果の説明図であ
る。
る。
【図7】寄生バイポーラトランジスタ効果による閾値電
圧低下とオフ電流増大を示す図である。
圧低下とオフ電流増大を示す図である。
41,61…ソース 42,62…ドレイン 43,63…ゲート電極 45,65…チャネル半導体 46,66…ゲート酸化膜 47,67…界面準位
Claims (3)
- 【請求項1】SOI基板上に形成されたMOS型電界効
果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製造方法
において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工程の後
に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート電極下
のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×10 10
〜2×10 11 /cm 2 の界面準位を少なくとも一部に
形成する工程を含み、 上記界面準位形成の工程は、イオン、電子、X線等のエ
ネルギー粒子照射を用いることを特徴とするSOI半導
体集積回路装置の製造方法。 - 【請求項2】SOI基板上に形成されたMOS型電界効
果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製造方法
において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工程の後
に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート電極下
のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×1010
〜2×1011/cm2の界面準位を少なくとも一部に
形成する工程を含み、 上記界面準位形成の工程は、ゲート酸化膜中へのホット
キャリア注入、FN注入、アバランシェ注入等による電
子または正孔の注入を用いることを特徴とする SOI半
導体集積回路装置の製造方法。 - 【請求項3】SOI基板上に形成されたMOS型電界効
果トランジスタを含むSOI半導体集積回路の製造方法
において、金属配線工程の終了後に行う熱処理工程の後
に、上記MOS型電界効果トランジスタのゲート電極下
のゲート酸化膜とチャネル層間の界面に、5×10 10
〜2×10 11 /cm 2 の界面準位を少なくとも一部に
形成する工程を含み、 上記界面準位形成の工程は、急熱冷却を用いることを特
徴とする SOI半導体集積回路装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29931694A JP3297548B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | Soi半導体集積回路装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP29931694A JP3297548B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | Soi半導体集積回路装置の製造方法 |
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JPH08162641A JPH08162641A (ja) | 1996-06-21 |
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-
1994
- 1994-12-02 JP JP29931694A patent/JP3297548B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08162641A (ja) | 1996-06-21 |
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