JP3297489B2 - 身体組織の皮内ステープル留めを行う装置及び方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、意図的に形成したもの
ではない開口又は手術（外科的処置）により形成した開
口を包囲する皮膚の皮内（皮下）結合装置及び方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、縫合糸又はステープル等を使用す
る手術が良く行われている。一般に、皮膚組織（cutane
ous matter）を成功裏に結合する鍵は、あらゆる組織を
取り扱うときの最高度の優しさである。負傷した組織は
壊死し、その後線維症及び瘢痕になる。

【０００３】開口に隣接する手術端（手術箇所の端部）
を結合する組織の取扱い時には、開口端の取扱いに注意
して、皮膚に生じる通常良く知られた隠しおおせぬマー
ク（telltale marks) を最小にしなければならない。例
えば、皮膚手術における縫合糸の適用は、しばしば隠し
おおせぬクロスハッチ状マークを生じさせる反面、皮内
での縫合糸の使用により縫合糸を早期に除去でき、隠し
おおせぬマークを最小にできる。皮内縫合糸の適用と
は、一般に、表皮及び真皮の充分下に縫合糸を導入する
ことをいう。皮内縫合糸とは、一般に、表皮の下に導入
される縫合糸をいう。いずれにせよ、表皮の下の任意の
レベルで皮膚組織を結合する基準を「皮内又は皮下（su
bcutaneous) 」と呼ぶ。本明細書では留め具の皮内適用
について説明するけれども、そのような留め具の適用
は、本明細書に開示する適用で可能なあらゆるレベルで
行うことができる。

【０００４】手術による皮膚組織の結合はまた、ステー
プルの適用によっても行うことができる。ステープル
は、一般に金属材料からなり、開口を包囲する皮膚に突
き刺した後、アンビルに対してステープルの両端部を押
し付けることにより閉じられる。いずれの場合でも、皮
膚の一部が最初は一緒に引っ張られ、次に、自然に治癒
するまで皮膚を一体に保持すべくステープル留め又は縫
合される。外科医にとってこれらのステップはしばしば
煩わしいことである。なぜならば、皮膚を一体に保持す
るのに１つの運きが必要であり且つステープル留め又は
縫合に他の運きが必要だからである。

【０００５】現在まで、開口を包囲する皮膚組織の一部
をグリップし、該皮膚組織を一緒に引っ張り、次に皮内
レベルすなわち表皮の下にステープルを導入できる装置
は出現していない。また、皮膚組織を一緒に引っ張るこ
とができ且つ皮内領域すなわち真皮の下の領域にステー
プルを発射できる装置も出現していない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決できる皮膚組織の結合装置及び方法を提供すること
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、身体の
皮膚組織のような媒体の少なくとも２つの隣接端部を結
合するための手術装置において、フレームにより支持さ
れた１対のジョーと、該ジョーを互いに近付き合う方向
及び離れる方向に移動させる手段と、各ジョーから延び
且つ対向ジョーに対面している身体組織係合手段であっ
て、両ジョーが第１開放位置から第２閉鎖位置まで互い
に近付き合う方向に移動するときに媒体のそれぞれの対
向部分と係合できる身体組織係合手段とを有しており、
該係合手段が、媒体の２つの端部を互いに近付き合う方
向に変位させ、一緒に引っ張って接近させ且つ不規則な
すなわちうねりのある波形の形状にし、これにより長い
ロッド状の留め具が媒体のほぼ中央に向くようにして媒
体の対向部分を結合する手術装置が提供される。

【０００８】ジョーを互いに近付き合う方向及び離れる
方向に移動させる手段が設けられており、該手段は、互
いに近付き合う方向に手で移動させることができる手段
を手で握ることにより作動される。前記両ジョーを互い
に近付き合う方向及び離れる方向に移動させる手段は、
各ジョーに設けられたカム面と、該カム面と係合するフ
ォークの形態のカム係合手段であって両ジョーを互いに
近付き合う方向に移動させるカム係合手段とで構成する
のが好ましい。フォークは、その歯がカム面に隣接した
状態でフレームにより摺動可能に支持され且つ第１位置
から第２位置まで移動でき、その歯をカム面に係合さ
せ、且つ対向する両ジョーをそれらの閉鎖位置に向けて
互いに近付き合う方向に移動させる。

【０００９】ジョーを互いに近付き合う方向及び離れる
方向に移動させる手段には１対のハンドルが設けられて
おり、該ハンドルは、互いに近付き合う方向に握り締め
られると、フォークをその第１位置から第２位置に移動
させる。両ハンドルが一緒に握り締められると、ハンド
ルの枢動運動が長さ方向運動に変換され、フォークをそ
の第１位置から第２位置に移動させる。

【００１０】プランジャロッドの形態のプランジャ手段
が設けられており、該プランジャ手段は第１位置から第
２位置まで移動して長いロッド状留め具と係合し、該留
め具を身体組織の境界と皮内とのほぼ中間に向ける。プ
ランジャロッドは、ハンドルを更に連続的に握り締めて
いき、フォークがその第２位置から第３位置に移動する
ときのフォークの運動により移動される。ハンドルの付
加的な枢動運動は長さ方向運動に変換される。ハンドル
を緩めると、ばね作用により、ハンドル、フォーク及び
対向するジョーがそれらの第１位置に戻される。

【００１１】各ジョーには、開口に隣接する皮膚の端縁
部と係合できるように位置決めされた鋭い尖端部材を設
け、両ジョーが互いに近付き合う方向に変位されるとき
に皮膚部分が互いに近付き合う方向に移動して係合し、
それらの間の境界がうねりのある波形形状になるように
するのが好ましい。本発明の装置は更にカートリッジを
有しており、該カートリッジはジョーに隣接して配置さ
れ且つ複数の長いロッド状留め具を支持するようになっ
ている。また、各留め具は、その手元側端部に鋭い先端
部を有しており、皮膚の皮内穿通が容易に行えるように
なっている。

【００１２】本発明のカートリッジの各実施例は、身体
組織が鋭い尖端部材によりグリップされるときに留め具
が身体組織に向かって前進できる位置にロッド状留め具
を弾性押圧する手段を有している。別の実施例として、
本明細書には身体組織の少なくとも２つの部分を結合す
る手術装置が開示されており、該手術装置は、１対の支
持部材と、各支持部材の先端部に支持された組織グリッ
プジョーと、各ジョーから延び且つ対向ジョーに対面し
ている身体組織係合手段とを有しており、該身体組織係
合手段が身体組織のそれぞれの対向部分と係合でき、両
ジョーが互いに近付き合う方向に移動するときに身体組
織の対向部分を互いに近付き合う方向に変位させ且つ対
向部分の境界で係合して不規則な形状にし、これによ
り、長い留め具部材が身体組織の境界のほぼ中央に向く
ようにして身体組織の対向部分を結合する。支持部材同
士の間には弾性手段が配置されていて、支持部材及びジ
ョーを反対方向に押圧している。また、支持部材と係合
して遠位方向に前進させ、これにより支持部材及びジョ
ーを互いに近付き合う方向に移動させる形状をもつ手段
が設けられている。この実施例においては、枢動可能な
支持部材と係合して対向するジョーを互いに近付き合う
方向に移動させる作動手段が設けられている。この作動
手段には、該手段を前進させるべく手で移動可能な少な
くとも１つのハンドルを設けることができる。

【００１３】本発明の装置は、特に、長いロッド状留め
具を貯蔵し且つ発射することができ、且つ所定の複数の
ロッド状留め具が発射されたときに視覚表示を与える、
ロッド状留め具と関連する手段を有している。この表示
手段（インジケータ手段）は、目立つカラー部分（すな
わち黄色）を有するフラッグの形態にできるし、或いは
発射された留め具数又は残留留め具数を表示できる適当
な較正目盛りで構成できる。

【００１４】本発明の一実施例においては、対をなす支
持部材を押圧するコイルばねが組み込まれている。ま
た、手でグリップするトリガにはストラップ又はベルト
状部材が取り付けられており、該ストラップは、両ジョ
ーを閉じるべくカム面を介して支持部材を互いに近付き
合う方向に移動させる先端方向の力を先端部が発生する
ように、ストラップの運動を変換する湾曲経路に沿って
移動するように拘束されている。先端方向に延びた２本
の脚を備えた中心軸をもつヨークには、各脚に支持され
たロールが設けられている。更に、ベルトすなわちスト
ラップ状部材は可撓性のある金属ストラップで構成で
き、且つばね押圧された爪を通すように配置された、ナ
イロンのような弾性材料からなるパッドを有している。
爪は、先端部を閉じる留め具ばね力を付与すべく、ベル
トが湾曲経路上で自由に移動できるようにする。しかし
ながら、ベルトの先端方向への運動の所定部分において
は運動を停止して、外科医が、これまでに達成された遠
位方向への運動を損なうことなくジョーの位置及び方向
を安定化できるようにする。これは、爪とナイロンパッ
ドとの係合により達成される。

【００１５】長い留め具は、補充、着脱又は取替え可能
なカートリッジ内に支持されている。留め具はコイルば
ねにより発射位置に向かって押圧されており、留め具
は、ジョーが閉じられた後に留め具発射ステップを続行
できるように配置された発射プレートによりカートリッ
ジから発射される。広い基部をもつスタビライザプラッ
トホームが両ジョーを包囲しており、留め具の正確な位
置決めを行うためのジョーの位置及び方向を安定化させ
る安定位置決め手段を構成している。プラットホームは
ハウジング又は支持フレームと一体に形成できるし、或
いは着脱可能な別部材として形成することもできる。

【００１６】一実施例においては、先端のジョー閉鎖力
及び留め具発射力はラック形装置により与えられ、この
ラック形装置は全体として円形断面をもつロッドである
が、その外面には複数の個々の歯が設けられている。ト
リガすなわち手で操作するハンドルは弧状の駆動部材を
有しており、該駆動部材は、ラックの歯と係合する複数
の歯を備えた表面を有している。トリガを固定のハンド
グリップの方向に握り締めると、駆動部材の歯とラック
の歯とが係合してラックを先端方向に前進させ、両ジョ
ーを接近させ且つ留め具を前進させるのに必要な力が付
与される。本明細書に開示された留め具駆動プレートの
ような適当な連続留め具駆動手段を組み込むことができ
る。この実施例では、これは、トリガの所定の運動範囲
に亘って関連する歯面と係合できるようにハウジングさ
れたリーフ形のばね爪を組み込むことにより、オペレー
タがラックの運動を中断できるようにする装置が設けら
れている。従って、留め具を正確に位置決めすべく、オ
ペレータが、ジョーの位置及び方向を安定化させる運動
を停止させたいと欲する場合には、トリガの位置を損な
うことなく運動を停止できる。配向及び位置決めを完了
した後は運動を再開できる。ストロークの終時に、トリ
ガは、歯面との干渉から外れる爪ばねの運動により休止
位置に戻すことができる。ワイヤ形の爪ばねを用いるこ
ともできる。

【００１７】カートリッジの形態のステープル貯蔵手段
が設けられており、この貯蔵手段にはロッド状留め具が
重ねられており且つばね押圧形フォロワにより発射位置
に向かって押圧されている。カートリッジは装置に永久
的に取り付けてもよいし、着脱可能で交換又は補充でき
るようにしてもよい。ユニークな留め具駆動プレートが
設けられており、該プレートは、駆動側端部が手元側方
向に押圧されたコイルばねが好ましい。先端方向の力は
トリガ及び関連するラックにより与えられ、ばねの先端
の駆動端を前方に押して留め具を発射させる。その後
は、それ自体のばね力により手元側位置に戻ることがで
きる。別の構成として、コイルばねの先端部に別の留め
具駆動プレートを取り付けてもよい。このようにすれ
ば、ヨークが遠位方向に前進されるときに、ジョーの所
定部分が強制的に閉じられる。ヨークが遠位方向に更に
移動すると、駆動部材とコイルばねの先端縁とが係合さ
れ、これにより駆動部材が更に移動すると留め具駆動ば
ねが遠位方向に移動され、整列された次の留め具と係合
して該留め具をカートリッジから発射させる。

【００１８】以下、本発明の好ましい実施例を説明す
る。

【００１９】

【実施例】先ず図１を参照すると、本発明により構成さ
れた皮膚を表皮下又は皮下においてステープルで留める
ための装置１０が全体的に図示されている。一般に、こ
の装置は、組織を近付けるため、間隔をあけて離れた開
位置から閉位置へと移動可能な一対の対向ジョー１２
と、ジョーを、ジョーの閉位置へとカムで付勢するため
の機構と、留め具を、近付けた組織部分に表皮下的に打
ち込むための機構とを含んでいる。ハウジング１４から
ほぼ横方向に延びる一対のハンドル１６が、本明細書で
以下に記載する仕方で、ジョー１２をカムにより付勢
し、留め具を打ち込むように作動する。

【００２０】ジョー１２は、ハウジング１４から延び、
互に離れるように弾性的に付勢されており、図２に示す
ような通常の開位置と図９に示すような閉位置との間を
移動可能である。ジョー１２がそれらの開位置と閉位置
との間を移動する際にジョー１２の正確な位置調整が行
なわれるよう、案内シャフト１３が、ジョー１２の一対
の向い合う孔を貫通して摺動可能に延びている。

【００２１】各ジョー１２は、その自由端に横方向把持
部材１８を含み、この把持部材１８は、通常、ジョー１
２の主部に対して鈍角に方向付けされている。横方向把
持部材１８は、互に向い合って位置し、ほぼ互に向って
延びているため、ジョー１２をそれらの閉位置に移動さ
せると、把持部材１８の間に位置する部分的に重複する
身体組織の二つの部分を、互に非常に近接した状態にも
ってゆくことができる。

【００２２】図１１を参照すると、一方の把持部材１８
ａが、のこ歯状端部を備えた一対の間隔をおいて位置す
る鋭く尖った皮膚把持先端部２８を有するＵ字形部材３
０を含んでおり、先端部２８は、ほぼ反対側の把持部材
１８に向って延びている。Ｕ字形部材３０は、ねじ３２
等の適当な手段により、アーム２４ａに取り外し可能に
取り付けられている。Ｕ字形部材３０がねじ３２の回り
に回転するのを防止するのを助けるため、Ｕ字形部材３
０のベースの一端が、アーム２４ａのノッチ３６に位置
する定位ピン３４を含んでいるのがよい。

【００２３】反対側の把持部材１８ｂは、一対の狭い間
隔をおいて位置する鋭く尖った皮膚把持先端部３８を含
み、先端部３８は、先端部２８の間の中ほどに位置して
いる。図１１に示すように、皮膚把持先端部３８は、同
様にＵ字形部材４０の形態で設けられているのがよく、
Ｕ字形部材４０は、その狭い間隔をおいて位置するプロ
ングの端にのこ歯状の先端を有し、ねじ４２等の適当な
手段によりアーム２４ｂに取り外し可能に取り付けられ
ている。Ｕ字形部材４０のベース４４は、プロング４６
から外部的に、アーム２４ｂに沿って側面方向に延びて
いるのがよい。ベース４４の一端が、アーム２４ｂのノ
ッチ５０に位置していてＵ字形部材４０がねじ４２の回
りに回転するのを防止するのを助ける定位ピン４８を含
んでいるのがよい。

【００２４】把持部材１８ｂは、更に、角をなして方向
付けされたプロング５４の形態の第三の鋸歯状皮膚把持
先端部５２を含んでいるのがよい。プロング５４は、プ
ロング４６から間隔をおいて位置し、プロング５４の鋸
歯状皮膚把持先端部５２が先端部２８の外側に位置する
ように位置決めされている。ジョー１２を、以下に詳細
に説明するように一緒に合わせると、先端部２８、３８
及び５２は、身体開口部を包囲する皮膚の部分を、仮想
線５６によって示すような部分的に重複した正弦波状の
形態に把持する。皮膚を近接させ保持する機能を果たす
のに、他の形態のプロング又は異なる数のプロングを利
用できることは明らかである。

【００２５】図２を参照すると、ハウジング１４が、ジ
ョー１２を保持するためのフレームを提供しており、ハ
ウジング半部１９ａ、１９ｂ及び取り外し可能なカバー
１７を含み、組み立てが容易なため直ちに内部にアクセ
スすることを可能ならしめている。細長い中空部２２
が、ハンドル１６の反対側のハウジング１４の端に長さ
方向に延びている。各ジョー１２は、中空部２２からほ
ぼ長さ方向に延びる細長いアーム２４を含み、その横方
向把持部材１８は、ハウジング１４の外側に位置してい
る。アーム２４は、ハウジングの内側で、ピン２６によ
り、互に向かう運動及び互に離れる運動可能に回動可能
に相互連結されており、ジョー１２がそれらの閉位置に
移動した時に、それらの形状を保持するのに充分な構造
剛性を有するものである。その他、ジョー１２とアーム
２４とは、それらの閉鎖端(enclosed end)において横方
向ウェブにより相互連結され、一体的に形成されていて
もよい。

【００２６】続けて図２を参照すると、長さ方向の仕切
が、アーム２４の間に位置し、その閉鎖端においてピン
２６によりアーム２４に連結されている。仕切５８は、
中空部２２を二分し、中空部２２から外側に延び、前部
スタビライザ板２０で終了している。一対の弧状の板ば
ね６０が、仕切５８に関して対称的に位置している。ば
ね６０の最内端が、図３及び図１０に示すように、リベ
ット６２等の適当な手段により、仕切５８に取り付けら
れている。板ばね６０は、それらの自由端がジョー１２
のアーム２４を付勢して、通常、ジョー１２をそれらの
開位置に押しやるように外側に付勢する。図９に示すよ
うに、仮想線で示す長さ方向のスロット６４が、仕切５
８の各側部に沿って延び、ジョー１２がそれらの閉位置
に移動するにつれ、板ばね６０が長さ方向に退却できる
凹みを提供している。

【００２７】図３に最も良く示すように、ハウジング１
４の足部が、後部スタビライザ２１を提供している。前
部スタビライザ２０及び後部スタビライザ２１は、本明
細書で以下に説明するような身体組織の部分の結合の
間、装置１０の位置の安定化を助ける。引っ込めること
のできるのが良い位置合わせピン５９が、前部スタビラ
イザ板２０から下方に延びている。

【００２８】図６を参照して、ジョー１２を閉じるため
の機構を説明する。各ジョー１２のアーム２４は、アー
ム２４に対して鋭角をなして位置決めされたカム面６８
を有するカム部分６６を含んでいる。各カム部分６６
は、ステンレス鋼又は他の適当な材料で形成することが
できる。そのため、カム部分６６は、アーム２４に成形
されたインサートの形態で備っているのが好ましい。そ
の他、カム部分６６及びカム面６８は、アーム２４と一
体に形成してもよい。

【００２９】図２及び図６に示すように、フォーク７０
が、ハウジング１４に保持され、カム面６８と接触して
ジョーを閉じるようになっている。フォーク７０は、ハ
ウジング１４内において仕切５８に設けられたスロット
(図示せず)内に長さ方向に設けられている。図３を参照
すると、フォーク７０は、ピン２６が貫通して延びる長
さ方向のスロット７１を含んでいる。図６に最も良く示
すように、フォーク７０は、中空部２２内に位置し、そ
の分枝７２は、カム面６８に沿って転動するローラー７
４を有している。ローラー７４の代りとして、カム面６
８と摩擦的に係合するフラッタ(flatter)面を設けても
よい。図２及び図９に示すように、ローラー７４は、図
２及び図３に最も良く示されている近位(第一の)位置か
ら図９及び図１０に示されている遠位(第三の)位置への
長さ方向の運動の間、中空部２２を形成する向い合う内
部壁部分７６に接触している。この運動の間、フォーク
７０は、ローラー７４がカム面６８と係合する中間(第
二の)位置にあって、アーム２４を互に向かって移動さ
せ、ばね６０を横方向にスロット６４内へと付勢し、図
９に示すように、ジョー１２をそれらの閉位置へと移動
させる。

【００３０】図１０を参照すると、更にフォーク７０の
遠位位置への長さ方向の運動は、可撓性の細長いロッド
状留め具７８が、閉じたジョー１２の間の通路内に放出
されるようにする。留め具７８は、その前端即ち近位端
(図１１及び図１３参照)において鋭い貫入先端部７９を
有し、親出願である、1990年9月13日出願の米国特許出
願第581,776号、及び1990年12月19日出願の米国特許第6
30,224号に説明されている。各々の留め具７８は、尖っ
た先端部の寸法及び相対間隔によって決定される逆の勾
配になった皮膚部分と係合するのに充分な長さのもので
ある。各々の留め具５８は、外面に身体組織内の所定の
位置に保持するのを改善するための手段を含んでいても
よい。

【００３１】図１２を参照すると、各横方向把持部材１
８ａ、１８ｂは、ノッチ８０を含み、このノッチは、ジ
ョー１２をそれらの閉位置に移動させた時に、向い合う
ノッチ８０を整合可能である。分るように、ノッチ８０
は、留め具７８の通路に一致する長さ方向の空隙８２を
提供する。長さ方向の空隙８２を通して近接させた身体
組織部分に留め具を打ち込むための機構に転ずると、図
３、図１０及び図１４に示す発射機構８３が、ジョー１
２に近接して位置し、細長いプランジャ８４と、内側の
細長い固定管状部材８６と、外側管状部材８８とを含
み、外側管状部材８８は、管状部材８６を同心的に包囲
し、管状部材８６に沿って長さ方向に移動するようにな
っている。固定管状部材８６は、仕切５８の下端部に近
接した孔８９内にねじ９１により固定され、中空部２２
の下部に長さ方向に延びている。図１５を参照すると、
細長いプランジャ８４は、固定管状部材８６を通り管状
部材８８内を長さ方向に延びる可撓性のワイヤ状ロッド
を備えており、ワイヤ状ロッドは、ワイヤ状ロッドが管
状部材８８とともに移動するよう、その近位端において
適当な手段により管状部材８８に固定されている。プラ
ンジャ８４は、超弾性金属でできているのが好ましい。
斯かる金属の一例には、カリフォルニア州、メンローパ
ークのレイチェム・コーポレーション(Reychem Corporat
ion)から入手可能なNITINOL銘柄の金属がある。他の弾
性材料を利用できることは、明らかである。図示の実施
態様において認められるように、プランジャ８４の断面
は、少なくともその遠位端において、ロッド状留め具７
８の断面とほぼ同じである。

【００３２】外側管状部材８８及び連結されたプランジ
ャ８４は、留め具７８を発射するため、フォーク７０の
近位位置と一致する図３に示す近位(退却)位置と、フォ
ーク７０の遠位位置と一致する図１０に示す遠位位置と
の間を長さ方向に移動可能である。その他、図１５に示
すように、プランジャ８４は、横方向タブ８５を含んで
いてもよく、タブ８５は、プランジャ８４の運動を制限
するため、二つのカートリッジ半部によって形成された
チャンネル内に支持されて移動する。タブは、プランジ
ャ８４の中央部に位置していてもよく任意である。

【００３３】再び図３及び図１０を参照すると、停止ブ
ロック９０が、外側管状部材８８の自由端に固定されて
いる。環状当接要素９２が、外側管状部材８８を包囲
し、停止ブロック９０の遠位に位置している。クロスヘ
ッドガイド９４が、フォーク７０から横方向に(lateral
ly)延び、クロスヘッドガイド９４がフォーク７０とと
もに移動するよう、図１４に示すようにねじ９６により
フォーク７０に連結されている。クロスヘッドガイド９
４は、外側管状部材８８が摺動可能に位置する孔を備
え、停止ブロック９０と環状当接要素９２との間に位置
している。クロスヘッドガイド９４は、フォーク７０の
近位位置と一致するクロスヘッドガイド９４が停止ブロ
ック９０に接触する位置から、フォーク７０の中間位置
への運動の終末の近位とほぼ一致するクロスヘッドガイ
ド９４が環状当接要素９２に当接する位置へ、管状部材
８８に沿って長さ方向に移動可能である(図３及び図１
０を比較参照)。そのため、外側管状部材８８は、フォ
ーク７０がその遠位位置へ移動する際、フォーク７０と
ともに移動する。フォーク７０の近位位置への戻り運動
の間、管状部材８８とフォーク７０は一緒に移動して、
クロスヘッドガイド９４が停止ブロック９０に当接する
までプランジャ８４を近位位置へと戻す。

【００３４】図３及び図１０に最も良く示すように、プ
ランジャ８４は、直線状セグメント１００ａ、１００ｂ
及び直線状セグメント１００ｄで終了する弧状セグメン
ト１００ｃにより形成される非直線状通路１００に沿っ
て移動する。セグメント１００ｄは、長さ方向の空隙８
２と軸方向に整列している。図１４に示すように、通路
１００は、カートリッジ本体半部１０２ａ、１０２ｂに
より形成されている。分るように、通路１００は、放出
されたロッド状留め具７８の方向ベクトルを変化させる
手段を提供する。

【００３５】図３、図４及び図１４を参照して、留め具
を保管するためのカートリッジを説明する。図３に示す
留め具カートリッジ１０６は、単一の留め具１０８の長
さよりも長い開口部における身体組織の端部を留めるた
め、一度に一本ずつ端と端とがくっついた関係に連続発
射できるように多数のロッド状留め具７８を保持するよ
うになっている。留め具カートリッジ１０６は、留め具
を斜めに積み上げて装置の遠位部分の輪郭を小さくし、
手術処理の間ユーザーの可視範囲を大きくするのを可能
ならしめる形態になっている。この斜の積み上げは、装
置に蓄積することのできる留め具の数を増やすことにも
なる。カートリッジは、取り外して他の充填したカート
リッジと交換することができるよう、取り外し自在に設
けるのが良い。

【００３６】留め具カートリッジ１０６のケースは、適
当な手段により互に取り付けられた本体半部１０２ａ、
１０２ｂを含んでいる。図示のように、本体半部１０２
ｂは、仕切５８の前端から横方向把持部材１８に向かっ
て前方に延びるように仕切５８と一体的に形成されてい
るのがよい。各本体半部１０２ａ、１０２ｂは、本体半
部１０２ａ、１０２ｂが一緒に組み立てられると共働し
て室１０５を提供する細長い室部分１０５ａ、１０５ｂ
を含み、室においては、留め具１０８がそれらのそれぞ
れの長さ方向の面に沿って面どうしが接触した関係に側
面方向に積み上げられている。室１０５の横断方向の寸
法は、滑り嵌めを容易にするため各ロッド状留め具１０
８の外径(major diameter)と等しいか又はそれより僅か
に大きく、室１０５の角度のついた長さ方向の長さは、
所定数の留め具１０８を収容できる寸法になっている。
室１０５は、鋭角をなして後方に延びており、そのた
め、留め具１０８を、傾斜した態様で、図示のような後
方に向かって高くなるカスケード状部分重複側面方向配
置に積み重ねることができる。この配置は、垂直な積み
重ねと比較してスペースの節約になり好都合である。

【００３７】図４に示すように、留め具１０８は、室１
０５内において、セグメント１００ａ、１００ｂの間を
延びる発射室セグメントに向かって下方に付勢されてい
る。最も下の留め具７８が、発射室セグメント内へと付
勢され、発射室セグメントでは、留め具７８は、その遠
位端１０４がプランジャ８４の操作端１０３に近接する
時に放出可能に保持される。各留め具７８が放出され発
射された後、プランジャ８４は、その退却位置へと長さ
方向に引下げられ、プランジャ８４の端１０３は、セグ
メント１００ａへと戻り、次の留め具７８を、発射室セ
グメント内の留め具スタックから出るのに適した位置へ
と下方に付勢する。

【００３８】より詳細には、図１４に示すように、一対
のネゲータ(negator)スプリング１１０が、フォロア１
１２の横方向シャフト１２４に作用し、留め具７８を下
方に付勢する。各ネゲータスプリング１１０は、図示の
ようにジャケット１１４内に位置し、その下端は、ジャ
ケットに形成された弧状スロット１１６内に固定され、
もう一方の端は、円形ブッシュ１１８に固定されてい
る。初期位置にある各ネゲータスプリング１１０は、あ
る程度巻き出されており、このばねは、通常の渦巻きの
形態へと弾性的に付勢されている。フォロア１１２が室
１０５内を下方に摺動するにつれ、ばねは、その渦巻き
形態へと巻かれる。フォロア１１２は、室１０５内に、
積み重ねられたロッド状留め具７８の最も上にある留め
具１２０に近接して位置している。更に、長さ方向のス
ロット１２２が、室部分１０５ａ、１０５ｂ各々を二分
し、フォロア１１２が室１０５内を発射室セグメントに
向かって下方に移動する際、フォロア１１２の横方向シ
ャフト１２４の一端を受容し保持する。シャフト１２４
の端は、更に、ブッシュ１１８の孔部に保持されてい
る。各ジャケット１１４は、細長い窓１２６を備えてい
るのが良く、この窓を通して、利用できるロッド状留め
具１０８の残り数を示すフォロアのシャフト１２４の位
置を目で見ることができる。図７を参照すると、ジョー
を閉じプランジャ８４を作動させるための好ましい機構
が図示されており、この機構は、ハウジング部分１３２
からほぼ横方向に延びるハンドル１２８、１３０を含ん
でいる。ハンドル１２８は、ハウジング部分１３２と一
体的に形成され、ハンドル１３０は、図７の仮想線によ
って示すように、開位置と閉位置との間を運動可能に、
ピン１３４を介してハウジング部分１３２に枢着されて
いる。ハンドル１３０をハンドル１２８に向けて把握す
ると、フォーク７０が、その近位位置から遠位位置へと
移動し、それにより、ジョー１２を閉じ、以下により詳
細に説明するように、プランジャ８４を長さ方向に移動
させて留め具７８を放出させる。

【００３９】リンク部材１３８が、ピン１４０を介して
ハンドル１３０に枢着され、ハンドル１３０の回転運動
を、フォーク７０を長さ方向に遠位方向に移動させる長
さ方向の運動に変える。より具体的には、リンク部材１
３８は、ピン１４４を介して牽引棒１４２の後端に枢着
され、牽引棒１４２は、その遠位端においてフォーク７
０の近位端に連結されている。ばね１４６が、牽引棒１
４２とハウジング部分１３２とに取り付けられ、ハンド
ル１２８、１３０が解除されると、牽引棒１４２を近位
方向に移動させ、それにより、フォーク７０をその近位
位置に戻す。牽引棒１４２の後方への運動は、更に、ハ
ンドル１２８、１３０を、それらの開位置に戻す。

【００４０】操作においては、先ずハンドル１３０、１
２８を一緒に握って、ローラー７４がカム面６８と係合
してジョーを互いの方に向かわせ、組織部分を重複関係
及び波状形態にするよう、フォーク７０を移動させる。
更に、ハンドル１２８、１３０を握ると、プランジャ８
４をその退却位置からその発射位置に向かって移動さ
せ、そのため、プランジャ８４の操作端１０３は、セグ
メント１００ａ、１００ｂの間に位置する一番下の留め
具７８と係合し、その留め具７８をセグメント１００ｂ
へと遠位方向に放出(即ち、発射)させる。それに続くフ
ォーク７０によるプランジャ８４の運動は、留め具７８
を、弧状セグメント１００ｃを介してセグメント１００
ｄへと前方に移動させ、セグメント１００ｄにおいて留
め具７８は、発射されて身体組織の端部に貫入し、端部
を互に結合させる。

【００４１】図１６は、本発明の装置の別の実施態様を
全体的に示しており、この実施態様は、はさみ型ハンド
ル機構を有している。装置１４８は、図１の対向ジョー
１２と同様の一対の対向ジョー１５０を含み、ジョー１
５０は、ジョー閉鎖機構を包囲するハウジング１５２の
遠位端から延びている。一対のハンドル１５４が、ハウ
ジング１５２の近位端からほぼ近位方向に延びている。
ジョー１５０は、互に離れる方向に弾性的に付勢され、
ハンドル１５４を一緒に握ることにより、それらの通常
の開位置から互いの方に向かい第二の閉位置へと移動可
能である。図１のガイドシャフト１３と同様のガイドシ
ャフト１５５が、ジョー１５０の一対の向い合う孔を通
って摺動可能に延びており、ジョー１５０がそれらの開
位置と閉位置との間を運動する際、ジョー１５０の捩れ
を防いでいる。ハウジング１５２は、更に、図示のよう
に、組み立てを容易にするよう、ハウジング半部１５６
ａ、１５６ｂを備えているのがよい。

【００４２】各ジョー１５０は、図１に示す横方向把持
部材１８の同様の横方向把持部材１５８を含んでおり、
この把持部材１５８は、通常、それぞれのジョー１５０
の主部に対して適当な鈍角をなして方向付けされてい
る。したがって、図１６に示す把持部材１５８に関連し
て、図１１に関する先の説明を参照する。ジョー１５０
が、互いの方に向かい閉位置に移動すると、把持部材１
５８の間に位置する部分的に重複した身体組織の二つの
部分は、非常に近接した状態になる。更に、ハンドル１
５４の互いの方に向かう運動は、先に説明したような細
く長いロッド状留め具２２０を把持部材１５８の間に放
出せしめ、身体組織に貫入させて、先に説明したよう
に、二つの身体組織部分を互に結合させる。

【００４３】図２２及び図２６を参照すると、前部安定
部分１６０は、前部安定部分１６０から下方に延びる、
好ましくは退却可能な、位置合わせピン１９９を含んで
いる。ハウジング１５２の足部が、近位安定部分１６１
を提供している。スタビライザ１６０及び１６１は、以
下に説明するように、身体組織の部分を結合させる間、
装置１４８を安定化させるのを助けるものである。

【００４４】図２１を参照すると、ハウジング１５２
は、ジョー１５０を保持するためのフレームを提供して
いる。ジョー１５０は、先の実施態様と同様のハウジン
グ１５２の中空部１６２内に延びている。各ジョー１５
０は、中空部１６２からほぼ長さ方向に延びる細長いア
ーム１６６を含み、その横方向把持部材１５８は、ハウ
ジング１５２の外側に位置している。アーム１６６は、
ピン１６８により、互に向かう運動及び互に離れる運動
可能に回動可能に相互連結されている。その他、ジョー
１５０とアーム１６６とは、それらの閉鎖端において横
方向ウェブにより相互連結され、一体的に形成されてい
てもよい。

【００４５】第一の実施態様において先に説明したよう
に、長さ方向の仕切１９８が、中空部１６２を二分し、
スタビライザ板１６０で終了している。一対の弧状の板
ばね２００が、図２２及び図２５に示すように、リベッ
ト２０２により、仕切１９８に取り付けられ、ジョー１
５０をそれらの開位置へと付勢する。図２４に示すよう
に、長さ方向のスロット２０４が、ジョー１５０がそれ
らの閉位置に移動するにつれ、板ばね２００を収容する
凹みを提供している。

【００４６】図２３を参照すると、各アーム１６６は、
その外面２０８に沿って位置していてねじ２１１によっ
てアーム１６６のスロット２０９内に保持されたカム部
材２０６を含んでいる。各カム部材２０６は、後方に面
する面取りした縁２１０を含んでいる。フォーク２１２
が、ハウジング１５２により保持されており、フォーク
２１２は、フォーク２１２が、ピン１６８が貫通して延
びる長さ方向のスロット２１３を含み、各分枝の端にお
いてローラー２１６を有し、図２１に最も良く示す近位
位置から図２４に示す遠位位置へと移動する時、カム部
材２０６に沿って転動し係合する点においてフォーク７
０と同様である。ローラー２１６は、ハウジング１５２
の内壁の細長いスロット２１８内に位置し、中空部１６
２内のフォーク２１２の捩れを防止する。ローラー２１
６は、スロット２１８の向い合う凹んだ壁部と接触し、
フォーク２１２が長さ方向に移動する間、スロット２１
８の凹んだ壁部に沿って転動する。留め具２２０を発射
するためのフォーク２１２のその近位位置、中間位置及
び遠位位置の間の運動は、図２及び図６を参照して説明
した先の実施態様と同じである。

【００４７】留め具２２０を放出するための機構２２５
(図２２参照)は、第一の実施態様に関して説明した機構
と同様のものである。この機構は、細長いプランジャ２
２６、内側の細長い固定管状部材２２８、及び長さ方向
に可動な外側管状部材２３０を含み、外側管状部材２３
０は、管状部材２２８を同心的に包囲し、管状部材２２
８に沿って移動するようになっている。図２２及び図２
５を参照すると、管状部材２２８は、孔２３２内に固定
され、弧状の湾曲した部分２３４を含んでいる。プラン
ジャ２２６は、プランジャ８４と同じ材料でできている
ことが好ましい可撓性ワイヤ状ロッドを備えており、こ
のロッドは、固定管状部材２２８を通り管状部材２３０
内に長さ方向に延びている。分るように、ワイヤ状ロッ
ドの断面は、留め具２２０の断面とほぼ一致している。
プランジャ２２６の閉鎖端は、プランジャ２２６が管状
部材２３０とともに長さ方向に移動するように、管状部
材２３０内に固定されている。

【００４８】作動においては、身体組織を近接させるた
め及びロッド状留め具を発射させるための機構は、図２
〜図６に示す実施態様に関して説明した作動と同じであ
る。しかしながら、現実のロッド状留め具発射機構は、
以下に説明するように、図１６の実施態様に対して幾つ
かの点でユニークである。もう一度図２２を参照する
と、通路２４４は、一対の間隔をおいて位置する軸的に
整合したセグメント２４４ａ、２４４ｂを備え、セグメ
ント２４４ａは、管状部材２３８の弧状湾曲部分２３４
と連結し、セグメント２４４ｂは、閉じたジョーの間に
形成された長さ方向の空隙２２４に連結している。通路
２４４は、以下に説明する先に説明したように構成され
た孔状通路を有する仕切１９８のカートリッジ本体増設
部を備え付けることにより同様に設けることができる。

【００４９】放出の前に、留め具２２０は、セグメント
２４４ａ、２４４ｂ及びプランジャ２２６の間で整列
し、プランジャ２２６の近位端２４６が留め具２２０の
遠位端２４８に当接した状態でセグメント２２４ａ内に
位置する。フォーク２１２が、その中間位置から遠位位
置へ移動すると、クロスヘッドガイド２４０が、環状当
接要素２３８と当接し、外側管状部材２３０及びプラン
ジャ２２６を長さ方向に移動させ(図２５参照)、セグメ
ント２４４ｂを通して留め具２２０を放出(発射)してジ
ョー部材１５８ａ、１５８ｂの間に保持された身体組織
の重複した端部に貫入させる。次いで、フォーク２１２
をその近位位置に戻すことにより、プランジャ２２６を
元の位置に引き下げる。

【００５０】図２２及び図２５の参照を続けると、身体
組織に、一度に一本ずつ端と端とがくっついた関係に連
続発射できるように複数の留め具２２０を保持するよう
になっている別の留め具カートリッジ２５０が示されて
いる。留め具カートリッジ２５０の本体は、取り付け可
能なケース半部からなり、仕切１９８と一体的であるの
が好ましい。

【００５１】カートリッジ２５０の細長い室１５４は、
留め具２２０を、それらのそれぞれの長さ方向の面に沿
って面と面とが接触する関係に垂直に積み重ねる形態及
び寸法になっている。室２５４の横断方向の寸法は、各
留め具２２０の室内への滑り嵌めを容易にするため、各
ロッド状留め具２２０の外径(major diameter)と等しい
か又はそれより僅かに大きく、室１０５の角度のついた
長さ方向の長さは、所定数の留め具１０８を収容できる
寸法になっている。

【００５２】留め具２２０は、室２５４内において、ば
ね２６４とフォロア２６２により下方に付勢され(図２
２及び図２５参照)、最も下の留め具は、セグメント内
で、孔状セグメント２４４ａ、２４４ｂの間に位置す
る。各留め具２２０が放出された後、プランジャ２２６
は、セグメント２４４ａへと長さ方向に引下げられ、ば
ね２６４がフォロア２６２に力をかけるため、次の留め
具２２０を、発射室セグメント内へと移動させることが
できる。

【００５３】カバー２５６が、ねじ２５８によりハウジ
ング１５２に取り外し可能に取り付けられている。ばね
２６４の上端は、カバー２５６に下側に形成されたニッ
プルにより保持され、ばね２６４の下端は、フォロア２
６２の上部に形成されたスロット内に保持されている。
取り外し可能なカバー２５６は、留め具２５２へのアク
セスを可能にし、カートリッジ２５０を、取り除き、他
の充填されたカートリッジと交換することを可能にす
る。新しいカートリッジは、異なる大きさの留め具を任
意に収容することができる。細長い窓２６６が、室２５
４の向い合う側部を二分し、フォロア２６２の位置を目
で観察できるようにして留め具２５２の残り数を示すこ
とができる(図１６及び図２６参照)。

【００５４】図１６〜図２０を参照すると、フォーク２
１２を、その近位位置と遠位位置との間で移動させるた
めの一対のハンドル１５４が示されている。このハンド
ル機構は、図１６の実施態様の使用に関して説明されて
いるが、このハンドル機構は、図１の実施態様のフォー
ク７０を作動させるためのハンドル１２８及び１３０の
代替として用いることもできる。ハンドル１５４は、ハ
ンドル部分２６８からほぼ後方に延び、軸ピン２７０に
より、図１７に示す開位置と図１９に示す閉位置との間
を運動可能にハンドル部分に枢着されている。

【００５５】ハンドル１５４を一緒に握ると、平行四辺
形伝動装置２７２が作動してジョー１５８をそれらの閉
位置に移動させ、プランジャ２２６をその退却位置から
延ばした位置へと長さ方向に移動させて留め具２２０を
放出し発射する。平行四辺形伝動装置２７２は、その向
い合う端部において、細長いスロット２７６内に摺動可
能に設けられたピン２７４により、ハンドル１５４に枢
着されており、そのため、互に向かい互に離れるハンド
ル１５４の回動が、平行四辺形２７２を拡張及び収縮さ
せる。

【００５６】ピン２８０が、平行四辺形伝動装置２７２
を、その近位端２７８においてハンドル部分２６８に連
結し、ピン２８４が、伝動装置２７２を、その遠位端に
おいて牽引棒２８２に連結する。平行四辺形２７２が、
ハンドル１５４の回動運動の作用によって収縮する際、
その前端を矢印２８６の方向に長さ方向に前進させ、長
さ方向の運動は、フォーク２１２に連結された牽引棒２
８２に伝達され、フォークに長さ方向の運動を伝える。
牽引棒２８２の後端とハンドル部分２６８との間に取り
付けられたばね２８８が、ハンドル１５４を解除した時
に、牽引棒２８２を後方に移動させ、それにより、フォ
ーク２１２をその近位位置へと戻す。牽引棒２８２の後
方への運動は、更に、ハンドル１５４をそれらの開位置
へと戻す。

【００５７】図２７乃至図３０を参照すると、本発明の
いずれかの実施例で利用することができる別の形態の作
動ハンドルが示されている。ハンドル部分２９４には、
ハンドル２９２が回動可能に連結されており、このハン
ドル２９２はピン２９６を中心に図２６に示す開放位置
からハンドル２９０に隣接した図２９に示す閉鎖位置に
向けて回動してフォーク２１２をその遠位位置まで移動
させ、それによりジョー１５８を閉鎖し、且つプランジ
ャ２２６をその延長位置まで長さ方向に移動させて留め
具２２６を放出するようになっている。

【００５８】図２７乃至図３０を参照すると、ラック／
ピニオン組立体２９８がハンドル２９０、２９２の回動
運動をフォークの長さ方向運動に変換する。ラック／ピ
ニオン組立体２９８は一対の間隔を隔てた対向ラック３
００、３０２、ピニオンギヤ３０４、およびハンドル２
９２とピニオンギヤ３０４とを相互に連結するリンク部
材を有している。ラック３００は一対の押えねじ３０８
によりハンドル部分２９４にしっかり固着されており、
ピニオンギヤ３０４はその歯をラック３００、３０２と
係合させてラック３００、３０２間に位置決めされてい
る。リンク３０６の一端部はピン３１０を介してハンド
ル２９２に回動可能に連結されており、他端部はギヤ３
０４が回転する中心であるピン３１２によりピニオンギ
ヤ３０４に取付けられている。

【００５９】ラック３０２はハンドル部分２９４内に支
持されており、ハンドル部分２９４内で長さ方向に移動
するようになっている。ハンドル２９２をその閉鎖位置
に向けて回動させると、リンク部材３０６は図２９に矢
印３１４で示すようにギヤ３０４を遠位方向に移動させ
る。ラック３０２はギヤ３０４を噛み合っており、従っ
てギヤ３０４の回転によりラック３００を長さ方向に移
動させるようになっている。ギヤ３０４がラック３００
に沿って長さ方向前方に移動すると、ギヤ３０４は反時
計方向に回転してラック３０２を長さ方向遠位方向に移
動させる。ラック３０２はフォーク２１２にその近位端
部に隣接して連結可能であり、そしてフォーク２１２が
その近位位置からその遠位位置まで移動するように長さ
方向運動をフォーク２１２に伝達する。

【００６０】ラック３０２の後端部とハンドル部分２９
４の最も後方の延長部との間に取付けられた図３０に概
略的に示すばね２９７は、ハンドル２９０、２９２を解
放すると、ラック３０２を長さ方向後方に移動させ、か
くしてフォーク２１２をその近位位置へ戻す。ラック３
０２が長さ方向後方に移動すると、ギヤ３０４が時計方
向に回転し、ラック３００に沿って近位方向後方に移動
してリンク３０６を近位方向に移動させる。リンク３０
６はギヤ３０４の近位方向運動をハンドル２９２に伝
え、かくしてハンドル２９２をその解放位置へ戻す。

【００６１】図８を参照して本発明の作動原理を説明す
る。傷または外科手術切開のような開口３１８を取り囲
む皮膚の上面３１６が仮想的に示されている。間隔を隔
てたスタビライザ２０、２１を把持部材１８の近位端部
および遠位端部に隣接して組織部分に接触するように位
置決めした状態で横把持部材１８が皮膚の上面に概ね平
行に設置されるように、装置１０（または装置１４８）
を位置決めする。位置合わせピン５９を開口部３１８と
交差するように位置決めし、ジョーの鋭い先端部が皮膚
を最小に突き刺さるように装置１０を矢印の方向に降下
させる。

【００６２】その後、装置のハンドルを互いに絞ること
によりアーム２４を互いに向けて移動させ、ジョー１２
を閉じ、そして把持部材の鋭い先端部を相互に噛み合わ
せ、かくして仮想線５６で示すように、少なくとも部分
的に重なった波状または正弦曲線波状形状で、図１１に
示すように開口３１８を取り囲む皮膚部分を接合する。

【００６３】この時点でハンドルを更に絞ることによ
り、プランジャ８４を長さ方向に移動させて最も下方の
細長いロッド状留め具を積重ね列から把持部材１８間の
位置まで長さ方向に突出し、重なり波状形状を貫いて２
つの身体組織部分を互いに付着させる（図１３参照）。
次いで、ハンドルを解放して、ばね６０によりアーム２
４を外方に付勢し、かくしてジョー１２をそれらの第１
解放位置へ戻し、それらの先端部を開口部３１８に隣接
した身体組織から取り出す。上記のように、各留め具を
放出した後、次のロッド状留め具をばね１１０の作用に
よって室１０５の発射室部分内へ押し入れる。

【００６４】開口３１８の性質および大きさに応じて、
１つまたはそれ以上の留め具を隣接端─端関係で次々に
放出して傷の最も遠い部分で開始し、傷の最も近い部分
まで順次後方に進む。すなわち、装置１０を、最も後方
の留め具およびピン５９に隣接したその最も前方のスタ
ビライザプレート２０が開口３１８の中へ延び且つ先に
放出された留め具の最後端部に当接した状態で再び位置
決めする。その後、装置のハンドルをもう一度互いに絞
ることによりジョー１２を閉じて把持部材の鋭い先端部
を互いに噛み合わせて開口３１８を取り囲む皮膚部分を
接合し、他の留め具を重なり波状形状を貫くように放出
して２つの組織部分を付着させる。このとき、ハンドル
を解放してジョー１２をそれらの第１開放位置へ戻して
ジョー１２の鋭い先端部を開口３１８に隣接した身体組
織から取り出すことができる。

【００６５】次いで、必要に応じて、装置を最も後方挿
入留め具に隣接した領域で再び位置決めして、開口３１
８の最も近位の部分が閉じられるまで、上記のように開
口３１８の他の部分を接合する。わかるように、留め具
は、皮膚における開口３１８が自然の永久回復および傷
痕が最小または全く無い付着の用意をされるように、皮
膚の別々の部分を係合関係に保持する。

【００６６】図２２の実施例は身体組織における開口を
閉じるために上記と同じように作動する。明らかなよう
に、いずれかの実施例で、上記の種々のハンドル機構を
使用してジョーを閉じ、留め具を発射することができ
る。図３１を参照して、本発明の装置の別の実施例を開
示する。この実施例は中でも下記の特徴を有している。

【００６７】ａ）各々が二対の皮膚把持用先端部を有す
る一対のジョー、 ｂ）関連コイルばねスプレッダ装置でジョーを接近させ
るフォーク／ローラ装置、 ｃ）ロッド状留め具を発射位置に向けて付勢するコイル
ばね装置、 ｄ）最後の留め具を発射させたときを外科医に知らせる
視覚色指示装置、 ｅ）数個の部品を利用してジョーを接近させ且つ留め具
を前進させるユニット状可撓性フォーク駆動装置、 ｆ）留め具を効果的に発射させるために装置を配向位置
決めするためのスタビライザプラットフォーム。

【００６８】図３１を再び参照すると、装置４００の本
実施例の斜視図が示されている。上記実施例におけるよ
うに、ジョー４１２がそれら用の効果的な支持フレーム
をなすハウジング４１４により支持されている。このハ
ウジングは２つの部品を図示のように互いに適切に接着
剤で取付けか或いは溶接して構成される。ハンドル部分
４１６が設けられており、このハンドル部分４１６はフ
レームを把持するように構成されていおり、ハウジング
４１４には、トリガ機構４１８が後述のように回動可能
に取付けられている。このトリガ機構４１８は組織把持
ジョーを接近し易くし、その後、細長いロッド状留め具
を上記方法といくらか同様な方法で発射させるように構
成されいる。

【００６９】図３２を参照すると、装置４００は独特な
構成の広基部付きスタビライザプラットフォーム４２０
を組み入れてあり、このスタビライザプラットフォーム
４２０は好ましくは外側ハウジング４１４と一体に構成
されており、また上記のように鋭い把持先端部４２８を
利用して組織部分を接近させるために外科医がグリッパ
ジョーを位置決め配向させるのを助成するに十分な寸法
のものである。詳細には、広基部付きスタビライザプラ
ットフォームは、好適な所定の配向および向きでロッド
状留め具を発射させるように外科医が皮膚の表面に対し
て最も有利な角度で皮膚把持用先端部４２８を位置決め
することができるためにガイドを有利に構成する。プラ
ットフォーム４２０は好ましくは図示のように概ね正方
形の形状を有している。しかしながら、他の幾何形状
も、外科医が接近用ジョー４１２を適切な位置および配
向に保持しながら装置を皮膚に付けることができるのに
十分な表面積および横寸法を与えるものと予想される。
プラットフォーム４２０は好ましくはハウジングと一体
に構成され、同じ材料で製造し得る。１つのこのような
材料はジェネラルエレクトリック社製のＬＥＸＡＮ（登
録商標）材料のようなポリカーボネート材料である。

【００７０】図３３と共に図３２を参照すると、組織把
持先端部４２８は、本実施例では、２対の対向した鋭い
先端部として構成されており、これらの先端部は、組織
を把持するためにジョーを閉じると、各対の鋭い先端部
が幾らか変更された相互噛み合い配列で次の対の鋭い先
端部と隣接重なり状態で位置決めされるように位置決め
されていることがわかる。図示のように２対の隣接した
鋭い先端部を設けることにより接近力を開口を取り囲む
組織の領域にわたって一様に分布させる。

【００７１】図３３および図３４と共に図３２をもう一
度参照すると、ハウジング４２４には、位置決め位置合
わせピン４２２が位置決めされており、この位置合わせ
ピン４２２は図３４に概略的に示すばね４２６によりハ
ウジングの外方に付勢されている。このピン４２２は、
先の実施例における位置合わせピン５９、１９９と同様
に作用するようになっており、留め具の発射を出来るだ
け組織開口部に対して中央で行うために外科医が皮膚把
持ジョー４２８を開口部に対して正確に整合させること
ができるように、各ロッド状留め具を発射した後に身体
組織における開口に用意に挿入可能である装置を外科医
に与えるように機能する。小さい未留め部分を残して実
質的に開口全体を組織とともに留めた時点で、もう１つ
のロッド状留め具でもって閉止の終了が達成される。か
かる場合、位置合わせピン４２２は封止位置に対して抵
抗に合ってばね４２６を圧縮し、それにより位置合わせ
ピン４２２を引っ込ませてグリッパジョー４２８により
開口の残りの位置を把持して留める。

【００７２】図３３を参照すると、ジョーを閉じ且つジ
ョーを開放位置に向けて付勢するための別の構造体を設
けた図３１の線３３─３３に沿った部分横断面図が示さ
れている。ジョー４２８は図示のようにピン４３４のと
ころで回動可能に連結されているアーム４３０、４３２
の遠位端部に取付けられている。アーム４３０、４３２
はピン４３６により回動可能に連結され、コイルばね４
３６により互いから離れる方向に付勢されており、コイ
ルばね４３６の各端部は図示のように各アーム４３０、
４３２の夫々の内面部分に取付けられている。ジョーの
通常位置すなわち開放静止位置は図３３に実線で示す如
くである。後述のようにハウジング４１４のハンドル部
分４１６内に支持された手動作動可能なジョー接近／発
射装置は図示のように外方に延びる中央シャフト４３４
ａおよびヨークアーム４３４ｂ、４３４ｃを有するヨー
ク４３４に連結されている。各支持アーム４３４ｂ、４
３４ｃは図３３に最も良く示すようにそれぞれ遠位端部
でローラ４３８、４４０を支持している。ヨーク４３４
を初めの近位位置から遠位方向に前進させると、ローラ
４３８、４４０はカム面４３０ｂ、４３２ｂに係合して
乗って、ばね付勢アーム４３０、４３２を互いに向けて
接近させてジョー４１２を図３２に示す閉鎖位置まで移
動させる。その後、ローラ４３８、４４０は溝付き表面
４３０ａ、４３２に沿って係合可能に転動してジョー４
１２の接近を終了する。

【００７３】ジョー４１２を図３３に点線で示す開放位
置まで開くには、ローラ４３８、４４０が図３３に点線
で示す傾斜面４３０ｂ、４３２ｂに達するまで、ヨーク
４３４を近位位置まで図３３に矢印Ａ＆Ｂで示す方向に
引き抜く。ローラ４３８、４４０を表面４３０ａ、４３
２ａの近くの位置まで移動させて回動アーム４３０、４
３２から係合解除すると、弾性ばね４３６によりこれら
のアームを互いから外方に移動させてグリッパジョー４
１２を図３３に点線で示す開放位置に向けて互いから離
れる方向に移動させる。

【００７４】図３３と共に図３４を参照すると、発射用
位置にロッド状留め具４４４を蓄えるための留め具支持
カートリッジ４４２が示されている。このカートリッジ
４４２は器具とともに使い捨て可能であってもよく、或
いは取外し可能および交換可能であってもよい。更に、
カートリッジ４４２を取外し可能に構成した場合、この
カートリッジは使い捨て可能または留め具を充填可能で
あるのがよいと予想される。

【００７５】ロッド状留め具４４４は、図３４に示すよ
うにコイルばね４４８により発射位置に向けて下方に付
勢されているフォロワバー４４６によりカートリッジ４
４２の下方位置で発射位置に向けて付勢されている。か
くして、留めを行うために各ロッド状留め具４４４をジ
ョーのすぐ近くに位置決めされた開口部４５０から身体
組織内へ発射させる。この時点で、ロッド状留め具の全
積重ね体をコイルばねの圧力によって自動的に下方に移
動させて次のロッド状留め具を列形に位置決めして開口
部４５０を通して発射させる。コイルばね４４８は、図
示のように適当に支持され、或る材料で構成されてお
り、また図３７に示すように最後の留め具を発射するま
で、留め具フォロワ４４６に下向きの圧力を連続して付
加し易くするばね率を有している。

【００７６】図３４、図３６および図３７に示す視覚指
示フラッグ４５２がコイルばね４４８の上方に位置決め
されており、このフラッグ４５２は、各留め具を発射さ
せるにつれて留め具フォロワバー４４６を順次下方に前
進させると、フラッグ４５２が下方遠位方向に移動する
ような方法で図３６に示すように４５２ｂ、４５２ｃの
ところで留め具フォロワバー４４６に取付けられてい
る。フラッグ４５２の近位端部は明るく着色された（す
なわち、黄色）領域４５２ａを有しており、この領域４
５２ａは、所定数の留め具を発射させたときにハウジン
グ４１４１における開口窓４１４ａの背後に現れ始め
る。結局、フラッグの矩形の明るく着色された部分全体
４５０ａは、最後の留め具を発射させた後に窓４１４ａ
に完全に現れる。フラッグ４５２は可撓性であり、留め
具を発射すると、遠位方向に移動してコイルばね４４８
の次第に湾曲した形状に一致するようになっている。フ
ラッグは例えば薄いプラスチックシートで作られるのが
よい。初めは、フラッグ４５２の主部分は図３４に示す
ようにまっすぐである。更に、明るく着色した領域４５
０ａの部分についてのフラッグ４５２の長さは、最後の
留め具を発射させた後に明るく着色した領域が窓４１４
ａ内に現れるように定められる。また、フラッグ４５２
および窓４１４はフラッグの位置に対応する任意の時点
でカートリッジに残っている留め具の数を外科医に示す
ために目盛り付き印を有するのがよい。

【００７７】図３４と共に図３５を参照すると、図３４
に示すようにハウジング４１４の下部に設けられた適切
な空間内に位置決めされた発射プレート４５４には、留
め具を発射させるために別の装置が具体化されている。
留め具発射プレート４５４はヨーク４３４に取付けられ
た発射バー４５６を受入れるための矩形開口部４５４ａ
を有している。かくして、後述のようにハウジング４１
４内に収容された機構によりヨーク４３４を遠位方向に
前進させると、発射ロッド４５６はその初めの静止位置
から遠位方向に、すなわち、矩形開口部４５４ａの近位
縁部まで前進し、ついには開口部４５４ａの遠位壁部に
係合し、その時点でロッド状留め具に向かう留め具発射
プレート４５４の前進が始まる。留め具発射ロッド４５
６と発射プレート４５４の開口部４５４ａの遠位縁部と
の係合の前に、開口部４５４ａの２つの縁部間の発射バ
ー４５６の移動は開放ジョー位置と閉鎖ジョー位置との
間のヨーク４３４の対応する移動に相当する。かくし
て、発射バー４５６がプレート開口部４５４ａの遠位縁
部に係合してプレート４５４を遠位方向に前進させ始め
て次の列形ロッド状留め具を発射させる時点では、ロー
ラ４３８は図３３に点線で示すそれらの近位位置にあ
り、ジョー４２８は閉じられている。ヨーク４３４の残
りの遠位方向の移動により、ローラ４３８を図３３に点
線で示す近位位置から図３３に実線で示す遠位位置まで
前進させる間、プレート４５４は次の列形留め具４４４
を開口部４５０を通して発射させる。

【００７８】この後者の移動中、ローラの遠位位置がそ
れらの比較的遠位の位置に因りジョーに幾らか大きい又
はより確実な閉鎖力を及ぼすこと以外は、ジョー４１２
は閉じらる。かくして、身体組織をジョー４１２の鋭い
把持先端部４２８間に初めに把持すると、ついで、ヨー
ク４３４の移動と、ローラ４３８、４４０によるジョー
支持アーム４３０、４３２の係合表面４３０ａ、４３２
ａとの係合とにより、ジョーを接近させる。ジョー４１
２の鋭い先端部４２８の接近により、身体組織は先の実
施例について説明したように開口部のまわりで波状パタ
ーンをとる。ヨークの連続前進により、上記のように留
め具を身体組織に発射させる。

【００７９】プレート４５４の遠位方向に延びる細長い
留め具発射ピン４５４ｂの力により留め具をハウジング
４１４の最も下方の開口部４５０を通して遠位方向に移
動させる。ロッド状留め具は好ましくは先に述べたよう
に生物吸収可能な材料製である。留め具は細長く、好ま
しくは矩形の横断面形状を有している。また、留め具は
可撓性且つ弾性であり、従って、開口部４５０の曲線を
通過することが可能である。更に、留め具プレート４５
４も、好ましくはレイケン（Raychem)社（メンロパー
ク、カルフォーニア州）から市販されているＴＩＮＥＬ
商標金属のような超弾性の材料製であり、従って、留め
具の湾曲経路をたどるのに十分弾性である。この発射工
程を助成するために、留め具発射ピン４５４ｂの遠位部
分はその長さの主部分にわたってまっすぐであり、図３
５に示すようにわずかな曲率を有しており、後４５０の
湾曲部分を通り易くするのに十分に可撓性である。変更
例として、留め具発射プレートはＮＩＴＩＮＯＬ商標金
属のような他の超弾性材料で構成してもよい。また、硬
化された可撓性の鋼またはプラスチックも意図される。

【００８０】概要的には、トリガ４１８を絞ることによ
り装置をハンドル４１６に向けて始動すると、前方力が
ヨーク４３４に伝達される。この力は下記のごとく２連
続動作機能をもたらす。 １．鋭い先端部４２８により把持された開口を取り囲む
身体組織に接近するためにグリッパジョー４２８が互い
に接近する。

【００８１】２．その後、ロッド状留め具が、接近され
たジョーにより生じられた波状界面で身体組織内へ発射
する。 図３８乃至図４３を参照して、ジョーおよび鋭い先端部
を接近させ、その後にロッド状留め具を身体組織内へ発
射させるために必要な遠位方向力をヨーク４３４に与え
るためのハウジング４１４に支持された機構を以下に説
明する。トリガ４１８に連結された可撓性ストラップ４
５８がハウジング４１４内にこれによって支持されて収
容されており、トリガ４１８はピン４６０によりハウジ
ング４１４に回動可能に取付けられている。可撓性スト
ラップ４５８は湾曲トラック４６２内に摺動可能支持さ
れるように構成されており、遠位端部分に円筒形のコネ
クタ部材４６６を有しており、このコネクタ部材４６６
はヨーク４３４の近位シャフト４３４ｂを受入れて取付
けるための適切に構成された開口部４６６ａを有してい
る。コネクタ４６６のフランジ付き孔４６６ａとシャフ
ト４３４ｂのフランジ４３４ｃとの連結は、図３８に示
すように、図４０にはっきり示す中央スロット４６６ｂ
にシャフト４３４ｂを挿入することにより達成される。
かくして、ディスク状ヘッド４３４ｃがコネクタ４６６
に連結されたシャフト４３４ｂをコネクタ４６６に連結
している。この連結により、ヨーク４３４はトリガ４１
８を絞ると、コネクタ４６６と共に遠位方向に移動す
る。かくして、コネクタが遠位方向に移動すると、シャ
フト４３４ｂおよびヨーク４３４は遠位方向に移動し、
コネクタが近位方向に移動すると、シャフト４３４ｂお
よびヨーク４３４は近位方向に移動する。

【００８２】可撓性ストラップ４５８は可撓性金属構成
のものでもよく、あるいは力をヨーク４３４に伝達する
のに十分な強さの任意の可撓性材料製でもよい。ＬＥＸ
ＡＮ商標ポリカーボネート等のような別の材料を使用し
てもよい。図３８に最も良く示すように、可撓性ストラ
ップ４５８は隆起ナイロンパッド４６８を有しており、
このナイロンパッド４６８は可撓性および弾性であり、
かくして、シャフト４７２に回動可能に設けられ、ばね
４７４により反時計方向の回転のために付勢されている
爪４７０がこのパッド４６８に係合できる。ナイロンパ
ッド４６８は後述のようにラチェットプレートとして機
能する。

【００８３】細長いコイルばね４７６が一端でピン４８
０に連結されており、他端でスロット付きコネクタフラ
ップ４８２に連結されており、このコネクタフラップ４
８２は、組み立てると、ハンドグリップ４１６に向かう
トリガ４１８の回動が図示のようにばね４７６の付勢に
より阻止されるようにトリガ４１８に一体に連結されて
いる。かくして、ハンドグリップ部分４１６に向けてト
リガ４１８を手で絞ることにより、ばね４７６が特に図
３９に示すようにトリガ４１８の付勢に抗して延ばされ
る。ばね４７６によるトリガ４１８に作用する通常の付
勢は図３８に示す静止位置への方向である。

【００８４】図３８および図３９を参照すると、ハンド
グリップ４１６に向けてトリガ４１８を絞ることによ
り、可撓性ストラップ４５８を支持トラック４６２間に
構成された湾曲通路のまわりを前進させて、遠位方向に
位置決めされたコネクタ４６６をストラップ４５８と共
に遠位方向に移動させる。ストラップ４５８が湾曲トラ
ック４６２、４６４により構成された空間内で遠位方向
に前進すると、弾性ナイロンパッドは、シャフト４７２
に回動可能に設けられ、ばね４７４により反時計方向に
付勢されている爪４７０に係合する。

【００８５】ストラップ４５８の前進中、作動者が留め
具整合の目的或いはその他の目的でトリガの運動を中止
すれば、トリガ４１８に作用するばね４７６の一定の付
勢により、ストラップ４５８は、爪４７０の先端部４７
０ａがナイロンパッド４６８に強制的に係合し、ばね力
により爪４７０の先端部が図４０に４６８ａで最も良く
示すようにわずかなくぼみを生じるまで、わずかな近位
距離、引き返す。爪４７０とナイロンパッド４６８との
この可撓性弾性係合により、爪４７２の詰まりを生じ、
ナイロンラチェットパッド４６８がストラップ４５８の
更にの逆移動を防ぐ。その後、外科医が組織への接近お
よび発射連続動作を再び始めると、上記のように、ジョ
ーが完全に接近され、細長いロッド状留め具が発射され
るまで、トリガ４１８がハンドルグリップ４１６に向け
て更に近位方向に簡単に引かれる。工程のこの段階で、
ナイロンパッド４６８は図３９に示すように、すでに爪
４７０を通過しており、かくして爪４７０とナイロンパ
ッド４６８との相互作用を中止する。トリガを解放し、
図３１および図３８に示すようなその静止位置まで戻す
と、トリガはコイルばね４７６により自然に付勢され、
爪４７０はばね４７４の付勢下で下方に傾斜した配向を
とる。また、爪４７０の先端部４７０ａに係合して通過
するストラップ４５８の下方移動により、下向きの力が
爪４７０の先端部４７０ａに与えられる。その後、次の
組織への接近および留め具発射工程を上記のように繰り
返せばよい。

【００８６】図４４乃至図４８を参照すると、組織接近
装置の他の変更実施例が示されている。装置５００が図
４４に示されており、この装置５００は開口部を取り囲
む身体組織に接近するための且つ上記実施例と同様な方
法でロッド状留め具を発射させるためのハンドグリップ
５１６およびトリガ５１８を備えたハウジング５１４を
有している。図４４に示す装置は後述のように図４５乃
至図４８に示すような別の組織接近装置を組み入れてい
る。

【００８７】図４５を参照すると、枢ピン５３１が通っ
ている関連フランジ５３０ａ、５３２ａにより組織接近
アーム５３０、５３２が互いに回動可能連結されてい
る。枢ピン５３１はそのまわりに延びるループ５３４ａ
を介してワイヤ状ばね５３４を支持している。このばね
５３４は枢ピン５３１の遠位方向の部分で組織接近アー
ム５３０、５３２を互いから離れる方向に回動可能に付
勢するように構成されており、ピン５３１の近位方向の
部分においては、アーム５３０、５３２の部分が図示の
ように互いに向けて付勢されている。これらのアーム５
３０、５３２はばね型洗濯ばさみに似ている。図４５乃
至図４８を参照すると、直線ギヤ型構造体が円形の横断
面を有する細長いラック５３６の形態で設けられてお
り、複数の個々の円形歯５３６が図示のように設けられ
ている。ハウジング４１４には、トリガ５１８が枢ピン
５３８を介して枢着されており、このトリガ５１８は駆
動部材５４１の弧状の表面部分にわたって延びている複
数の起立歯５４０を有している。弧状駆動部材５４１の
歯５４０はラック５３６の歯５３６ａと噛み合い且つ相
互に係合するように寸法決めされている。トリガ５１８
を手でハンドグリップ５１６に引き寄せると、弧状駆動
部材５４１は反時計方向に回転し、これと関連した歯５
４０がラック５３６ａの歯５３６ａに係合して、遠位部
材５４４が組織接近アーム５３０、５３２の近位端部分
に係合するまで、ラック５３６を遠位方向に前進させ
る。ハンドグリップ５１８に向けてトリガ５１８を連続
して絞ることにより、ラック５３６に連結された遠位部
材５４４を連続して前進させて傾斜面５３０ｂ、５３２
ｂに実際に係合させ、それにより組織接近アーム５３
０、５３２の近位部分を図４８に示すように広げ離す。
この移動により、接近アーム５３０、５３２の遠位部分
を互いに向けて移動させる。この移動によりジョー５１
２の皮膚接近用鋭い先端部５２８を幾らか相互に噛み合
った位置（すなわち、図３２に最も良く示すように隣接
対向した位置および部分重なり位置）まで移動させて先
の実施例について説明したように組織を把持する。細長
いラック５３６および駆動部材５４１の起立歯５４０は
本質的に直線形態の一組の回転ギヤと同様に機能するこ
とがわかる。

【００８８】図４５、図４６および図４８でわかるよう
に、組織接近駆動部材５４４の遠位部分の最も遠い先端
は弧状になっている。組織接近アーム５３０、５３２の
表面５３０ｂ、５３２ｂは図４５および図４８に示すよ
うに駆動部材５４４の弧状遠位表面を受けるように傾斜
され且つ配向されている。かくして、駆動部材５４４の
弧状遠位表面と組織接近アーム５３０、５３２との係合
は部材５４４が傾斜表面５３０ｂ、５３２ｂを次第に登
る移動により容易にされ、アームの遠位方向移動の接近
は弾性ばね５３４と作動的に反対の力により容易にされ
る。

【００８９】留め具カートリッジ５４３は取外し可能且
つ交換可能であり、ばね押しフォロワ５４５により下方
に付勢されるロッド状留め具を蓄える。留め具の突出し
は、プッシャプレートとして機能し、ばね作用により近
位方向に付勢されるコイルばね５４７により直接達成さ
れる。かくして、ばね５４７は先の実施例と同様なプッ
シャ装置により遠位方向に前進され得る。留め具の発射
および発射装置の解放後、プッシャ機構はばね５４７の
付勢下でその元の位置へ戻る。変更例として、ばね５４
７を図示の実施例と同様に作動する別体のプッシャプレ
ートに取付けてもよい。

【００９０】外科医が留め具の整合および／または配向
の目的で組織接近運動を中止することができるために、
トリガ５１８は弧状部材５４６を有しており、この弧状
部材５４６は図示のように弧状上面に沿って複数のラッ
チェト歯５４８を有している。これらの歯は、ピン５５
１によりハウジング５１４に連結され、歯５４８に向け
て下方に付勢された板ばね５５０（側面図のみに図示）
により係合されるように構成されている。

【００９１】作動の際、外科医はジョー５１２を身体組
織における開口部に位置決めして開口部に跨がる組織を
把持し、次いでトリガ５１８をハンドグリップ５１６に
向けて十分近位方向に絞ってワイヤ状ばね５５０と弧状
部材５４６の歯５４８との係合を行う。その後、トリガ
を部分絞り位置に保持している間、留め具の整合または
他の目的でトリガの近位方向絞り運動を中止し得る。ジ
ョー５１２の位置および配向を完了した後、トリガ５１
８の連続近位方向運動を再開して組織接近／留め具発射
工程を終了する。ストロークの終了後、ラッチェト歯５
４８は遂にはばね５５０の遠位方向の位置まで前進し、
ばね５５０は係合解除位置まで降下する。ばね５５０お
よび駆動部材５４２は、上記のように、次の発射工程に
備えてトリガをその初めの未負荷位置へ戻すように公知
の手段により配置されている。例えば、トリガ５１８を
その初めの位置まで遠位方向に回動させるために弧状部
材５４６を干渉しないようにばねを変位させるように傾
斜表面を設けるのがよい。変更例として、板ばね５５０
は、トリガ５１８を弧状部材５４６から干渉されること
なしにその初めの位置へ戻すために弧状部材５４６が通
り得る孔を有してもよい。

【００９２】図４４と共に図４７を参照すると、位置合
わせピン５５４がハウジング５５６内に設けられてお
り、この位置合わせピン５５４は先の実施例について説
明した位置合わせピン４２２と同じように弾性ばね５５
８により外方にばね付勢されている。この位置合わせピ
ン５５４の構造および作動は先の実施例について上記し
た位置合わせピンの構造および機能と同じである。

【００９３】図４４乃至図４８に示す装置の機能および
作動は先に説明した実施例と同じである。この実施例は
少ない数の部品を利用していることがわかる。実施例は
ここでは皮膚物質の皮下付着を意図しているが、皮下レ
ベルで、即ち、表皮および真皮の下でこのようなロッド
状留め具を付けることは本発明の範囲内である。更にわ
かるように、ジョー、フォーク、ディバイダおよびカー
トリッジは、ハウジングの細長い中空部に長さ方向にす
べり込まされ、ねじのような適当な手段によりそこに保
持された組立体として設けることができる。また、上記
のように、留め具カートリッジは永久的に取付けてもよ
いし、或いは取外し可能および交換可能であってもよ
い。

【００９４】本発明を好適な実施例について詳細に示
し、説明したが、本発明の範囲および精神を逸脱するこ
となしに、形態および詳細の種々の変更例および変形例
を行うことができることは当業者には理解されよう。従
って、以上に示したもの（これらに限定するわけではな
いが）のような変更例は本発明の範囲内であると考えら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】身体組織を皮内結合する本発明の改善された装
置を示す、上から見た左側斜視図である。

【図２】図１の２−２線に沿う部分断面図である。

【図３】図２の３−３線に沿う部分断面図である。

【図４】図３の４−４線に沿う断面図である。

【図５】図３の５−５線に沿う断面図である。

【図６】装置の挟みジョーを互いに近付き合う方向及び
離れる方向に移動させるカム及びローラ装置を示す拡大
斜視図である。

【図７】図１の７−７線に沿う断面図であり、ジョー閉
鎖機構の一実施例の近位側部分を示すものである。

【図８】装置の挟みジョーが身体組織の開口の回りで閉
鎖位置にあるところを示す上から見た斜視図である。

【図９】図１の装置のジョー閉鎖機構を示す上から見た
断面図である。

【図１０】図９の１０−１０線に沿う断面図であり、複
数のロッド状留め具部材を貯蔵する低プロフィール装置
を示すものである。

【図１１】図１０の１１−１１線に沿う断面図であり、
組織部分を開口の両側で当接関係に保持するように身体
組織内に位置決めされたロッド状留め具部材を示すもの
である。

【図１２】図１１の１２−１２線方向から見た図１０の
装置の挟みジョーの正面図である。

【図１３】治癒を促進させるため、隣接係合関係をなし
て皮内に位置決めされたロッド状留め具部材により保持
された身体組織部分を示す断面図である。

【図１４】図示の便宜上部品を分離して示す拡大斜視図
であり、身体組織を突き刺すロッド状留め具部材を重ね
合わせ且つ前進させるのに使用する装置の一部を示すも
のである。

【図１５】留め具部材を前進させる機構の別の実施例を
示す拡大斜視図である。

【図１６】挟みジョー及び留め具発射機構を作動させる
鋏形ハンドルを用いた別の実施例を示す上から見た斜視
図である。

【図１７】図１６の装置の近位側ハンドル部分を示す、
図１６の１７−１７に沿う部分断面図である。

【図１８】図１７の１８−１８線に沿う断面図であり、
ジョーを閉じ且つ留め具部材を前進させる鋏形作動機構
を示すものである。

【図１９】留め具部材の発射後の閉鎖位置にある手動操
作ハンドルを示す図１６と同様な図面である。

【図２０】図１６の実施例の一部を形成するジョー閉鎖
／留め具前進機構を示す拡大斜視図である。

【図２１】挟みジョーを開閉させるローラ−カム機構を
示す図１６の装置の断面図である。

【図２２】別の形式の留め具貯蔵カートリッジを示す図
１６の装置の先端セクションの断面図である。

【図２３】図１６の装置の挟みジョーを開閉させるロー
ラカムを示す上から見た斜視図である。

【図２４】挟みジョーが閉鎖位置にあるところを示す図
２１と同様な断面図である。

【図２５】留め具を発射させるため発射機構が前進され
た状態にあるところを示す図２２と同様な断面図であ
る。

【図２６】図１６の装置の挟みジョーを下から見た斜視
図であり、留め具発射機構の作動中にジョーが閉鎖位置
にあるところを示すものである。

【図２７】ハンドルセクションにラックアンドピニオン
を組み込んだ、挟みジョー閉鎖／留め具部材発射機構の
別の実施例を示す図面である。

【図２８】図２７の２８−２８線に沿う断面図であり、
ピニオン及び関連するラックを示すものである。

【図２９】図２７に示す装置のラックアンドピニオン機
構の拡大斜視図である。

【図３０】図２７の装置のラックアンドピニオンセクシ
ョンの部分断面図であり、ラックアンドピニオン装置
が、留め具発射後の閉鎖されたジョーに対応する位置に
あるところを示すものである。

【図３１】皮膚の皮内ステープル留めを行う付加的特徴
を組み込んだ本発明の装置の別の実施例を上から見た斜
視図である。

【図３２】鋭い皮膚グリップチップ及びユニークなスタ
ビライザプラットホームの別の構成を示す図３１の３２
−３２線に沿う断面図である。

【図３３】図３１の実施例のジョー閉鎖機構を示す図３
１の３３−３３線に沿う拡大部分断面図である。

【図３４】図３１の実施例の留め具押圧／発射機構を示
す図３３の３４−３４線に沿う拡大部分断面図である。

【図３５】図３１の実施例に組み込まれた留め具発射プ
レートの形態をなす、ロッド状留め具を先端方向に前進
させる機構を上から見た斜視図である。

【図３６】最後のロッド状留め具が発射されたときにカ
ラー表示をする装置を上から見た図面である。

【図３７】最後の留め具が発射された後にロッド状留め
具を貯蔵するカートリッジを示す部分断面図である。

【図３８】図３１の３８−３８線に沿う断面図であり、
装置の先端部でジョーを機械的に閉じ且つロッド状留め
具を発射するハンドルの別の構成においてトリガが開放
開放位置にあるところを示すものである。

【図３９】図３８と同様な図面であり、装置のハウジン
グの近位側部分内に支持されたジョー閉鎖機構のトリガ
が完全に握り締められた位置にあるところを示すもので
ある。

【図４０】図３８及び図３９のジョー閉鎖／留め具発射
機構の斜視図であり、図示の便宜上部品が分離した状態
で示されている。

【図４１】図３８〜図４０のジョー閉鎖／留め具発射機
構のクラッチ装置の斜視図であり、ラチェット機構が係
合してトリガが部分発射位置にあるときの爪及び弾性パ
ッド形ラックの位置を示すものである。

【図４２】図４１の４２−４２線に沿う部分断面図であ
る。

【図４３】ラチェット機構が部分的に戻り位置にあると
ころを示す図４１と同様な図面である。

【図４４】ジョー閉鎖及び留め具発射を行う別の機構を
組み込んだ本発明の装置の別の実施例を示す斜視図であ
る。

【図４５】図４４の４５−４５線に沿う部分断面図であ
り、ジョー閉鎖／留め具発射機構を示すものである。

【図４６】図４５の４６−４６線に沿う断面図であり、
図４５のジョー閉鎖／留め具発射機構を示すものであ
る。

【図４７】図４４の４７−４７線に沿う断面図であり、
ジョーの先端部に配置された位置決めピンを示すもので
ある。

【図４８】ジョーが閉鎖位置にあるときの図４４の実施
例のジョー閉鎖機構を上から見たところを示すものであ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンリー ボラノス アメリカ合衆国 コネチカット州 06855 イースト ノーウォーク トネ ッタ サークル ９ (72)発明者 ディエゴ フォンテイン アメリカ合衆国 コネチカット州 06850 ノーウォーク グレンロック 12 (72)発明者 ヘンリー シェンキーウィッツ アメリカ合衆国 コネチカット州 06903 スタムフォード ジェインズ レーン 227 (72)発明者 マリア ロペツ イサ アメリカ合衆国 コネチカット州 06484 ハンティングトン ヒーザー リッジ 133 (72)発明者 マーク ジェイ サロー アメリカ合衆国 ロードアイランド州 02876スレイターズヴィル パチェコ ドライヴ （番地なし) (72)発明者 ジョン チャールズ ロバーツソン アメリカ合衆国 コネチカット州 06002 ブルームフィールド メイプル アベニュー 24 (72)発明者 ジョセフ エム ポール アメリカ合衆国 コネチカット州 06794 ワシントン ディポー シーナ ー マウンテン ロード 28 (72)発明者 スティーヴン ダブリュー ゲリー アメリカ合衆国 コネチカット州 06801 ベセル グラッシー プレイン ストリート 61 (72)発明者 ウェイン ピー ヤング アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10509 ブルースター オールヴィュー アベニュー （番地なし) (56)参考文献 米国特許4448194（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開392750（ＥＰ，Ａ １) スイス国特許発明166352（ＣＨ，Ａ ５) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61B 17/068

Claims (22)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 身体組織の少なくとも２つの部分を結合
   する手術装置において、 ａ）１対の対向ジョーと、 ｂ）身体組織係合手段とを有しており、該身体組織係合
   手段が各ジョーから延び且つ対向ジョーに対面してい
   て、媒体のそれぞれの対向部分と係合でき、ジョーが互
   いに近付き合う方向に移動されると、前記係合手段が身
   体組織の前記２つの端部を互いに近付き合う方向に変位
   させ且つ前記端部の境界で係合して端部を不規則な形状
   にし、少なくとも１つの留め具部材を身体組織の境界の
   ほぼ中間に向けて、身体組織の対向部分を結合し、 ｃ）アクチュエータ手段と、 ｄ）該アクチュエータ手段により作動される、前記対向
   ジョーを互いに近付き合う方向に移動させる移動手段と
   を更に有していることを特徴とする手術装置。
2. 【請求項２】 前記アクチュエータ手段が前記移動手段
   を作動すべく手で移動できる少なくとも１つのハンドル
   を備えていることを特徴とする請求項１に記載の手術装
   置。
3. 【請求項３】 ａ）前記ジョーが互いに近付き合う方向
   に移動されるとき、前記ジョーのほぼ中央に連続的に発
   射できるように位置決めされる複数のロッド状留め具部
   材と、 ｂ）身体組織の隣接端部をグリップし且つ少なくとも１
   つの前記留め具部材を身体組織内に発射するため、前記
   ジョーを互いに近付き合う方向に移動させる手で操作可
   能なグリップ手段とを更に有しており、前記少なくとも
   １つのハンドルの初期移動により前記ジョーが互いに近
   付き合う方向に移動され、前記ハンドルを更に移動させ
   ると少なくとも１つの留め具が身体組織の境界内に発射
   されることを特徴とする請求項２に記載の手術装置。
4. 【請求項４】 前記少なくとも１つの留め具部材が、前
   記ジョーの近位側で重なり合った形態に支持される複数
   のロッド状部材からなり、各ロッド状部材は個々に移動
   でき、身体組織の部分が互いに引き合わされるときに身
   体組織に穿通されることを特徴とする請求項３に記載の
   手術装置。
5. 【請求項５】 少なくとも１つの前記ジョーと関連して
   いるカム手段と、 第１位置から第２位置まで移動して前記カム手段と係合
   できるカム係合手段とを更に有しており、該カム係合手
   段が、前記対向するジョーの少なくとも一方のジョーを
   他方の他方のジョーに向かって第２位置まで移動させ、
   少なくとも一方の身体組織部分を他方の身体組織部分に
   向かって、前記身体組織部分が接近する位置まで移動さ
   せることを特徴とする請求項１に記載の手術装置。
6. 【請求項６】 フレームと、 該フレームから全体として後方に延びており且つ互いに
   近付き合う方向及び離れる方向に移動できる１対の対向
   ハンドルと、 該ハンドルと前記カム係合手段とを相互連結するリンク
   手段とを更に有しており、該リンク手段は、少なくとも
   一方の前記ハンドルを互いに近付き合う方向に移動させ
   ることにより移動され、前記リンク手段は、少なくとも
   一方の前記ハンドルの前記カム係合手段に向かう運動を
   変換してカム係合手段をその第１位置から第２位置に移
   動させることを特徴とする請求項５に記載の手術装置。
7. 【請求項７】 フレームと、 該フレームから全体として後方に延びており且つ互いに
   近付き合う方向及び離れる方向に移動できる１対の対向
   ハンドルと、 両端部が前記ハンドルに相互枢着された平行四辺形の伝
   達手段とを更に有しており、前記ハンドルを互いに近付
   き合う方向及び離れる方向に移動させることにより前記
   平行四辺形手段を伸長及び収縮でき、前記伝達手段が前
   記カム係合手段に相互連結されていて、前記ハンドルの
   互いに近付き合う方向の運動を変換して前記カム係合手
   段をその第１位置からその第２位置に移動させることを
   特徴とする請求項６に記載の手術装置。
8. 【請求項８】 フレームと、 該フレームから全体として横方向に延びている１対の対
   向ハンドルとを有しており、少なくとも一方のハンドル
   が互いに近付き合う方向及び離れる方向に移動でき、 前記フレームにより支持されており且つピニオンの回転
   運動により長さ方向に移動可能なラックを更に有してお
   り、前記カム係合手段が前記ラックに連結されていてラ
   ックと共に長さ方向に移動し、前記ピニオンが前記ハン
   ドルの他方に向かう運動により回転されて前記ラックを
   長さ方向に移動させ、前記カム係合手段をその第１位置
   から第２位置に移動させることを特徴とする請求項６に
   記載の手術装置。
9. 【請求項９】 前記少なくとも１つの留め具部材が少な
   くとも１つのロッド状部材からなり、少なくとも１つの
   前記ロッド状部材と係合でき且つ該ロッド状部材を身体
   組織部分内に移動させるべく第１位置から第２位置へと
   移動できるプランジャ手段を更に有しており、前記カム
   係合手段がその第２位置から第３位置に移動して前記プ
   ランジャ手段をその第２位置に移動させ、前記カム係合
   手段の前記第２位置が前記カム係合手段の前記第１位置
   と第３位置との間にあることを特徴とする請求項６に記
   載の手術装置。
10. 【請求項１０】 前記ジョーに隣接して配置された互い
    に間隔を隔てた１対の組織スタビライザ手段であって、
    ジョーがこれらの閉鎖位置へと互いに近付き合う方向に
    移動されるときにジョーに接近し、前記スタビライザ手
    段が、前記閉鎖した両ジョーの間で横方向に延びた前記
    経路の軸線に沿って位置決めされ且つ前記ジョーがこれ
    らの閉鎖位置に移動されるときに前記オーバーラップし
    た波形の端部に隣接する身体組織部分と接触するように
    位置決めされ、前記ジョーを身体組織部分の結合に適し
    た位置で安定化させることを特徴とする請求項１に記載
    の手術装置。
11. 【請求項１１】 身体組織の部分をオーバーラップした
    波形に保持する前記手段が、前記一方のジョーの互いに
    間隔を隔てた１対のグリップ部材からなり、前記ジョー
    がこれらの閉鎖位置に移動されるときに、互いに間隔を
    隔てた前記最初に述べた対をなすグリップ部材の間に位
    置決めされる前記他方のジョー上に位置決めされること
    を特徴とする請求項１に記載の手術装置。
12. 【請求項１２】 前記少なくとも１つの留め具部材が、
    前記ジョーの近位側に配置されたカートリッジ内で重な
    り合った形態で支持された複数のロッド状部材からな
    り、前記カートリッジが着脱可能であることを特徴とす
    る請求項１に記載の手術装置。
13. 【請求項１３】 所定数の留め具が発射されたときに視
    覚表示を与えるための、前記留め具に関連する手段を更
    に有していることを特徴とする請求項１に記載の手術装
    置。
14. 【請求項１４】 前記ジョーに隣接して配置され且つ開
    口を包囲する身体組織と係合できる寸法を有し且つ配置
    されたプレート状プラットホームであって、身体組織に
    対する前記ジョーの位置及び方向の安定化を容易にする
    プレート状プラットホームを更に有していることを特徴
    とする請求項１に記載の手術装置。
15. 【請求項１５】 ａ）複数の歯を備えたラックと、 ｂ）前記枢動可能なハンドルに取り付けられた駆動部材
    とを有しており、該駆動部材が、前記ラックの歯と噛み
    合うことができる寸法をもち且つ前記枢動可能なハンド
    ルが前記固定ハンドルの方向に枢動されるときに前記ラ
    ックの歯と係合するように配置された複数の歯を備えて
    おり、前記ラックの歯と前記駆動部材の歯との係合によ
    り前記ラックが先端方向に移動されることを特徴とする
    請求項２に記載の手術装置。
16. 【請求項１６】 １対のローラを支持しており且つ遠位
    方向に移動できるヨーク手段を更に有しており、前記ロ
    ーラが、前記長い部材のそれぞれの表面部分と係合して
    該長い部材と前記ジョーとを接近させ且つ近位側に移動
    でき、前記長い部材及び前記ジョーが、前記第１ばねの
    押圧力により互いに離れる方向に移動でき、前記ラック
    が前記ヨーク手段に取り付けられていて、前記両ジョー
    を接近させることを特徴とする請求項１５に記載の手術
    装置。
17. 【請求項１７】 留め具駆動プレートを更に有してお
    り、該留め具駆動プレートが、先端方向に前進されると
    きに最下方の留め具と駆動係合するように前進され、前
    記ヨーク手段は、前進して前記留め具駆動プレートと係
    合する部材を備えており、該部材は、前記ヨーク手段が
    遠位方向に前進されるときに前記留め具の孔を通って最
    下方の留め具を駆動することを特徴とする請求項１９に
    記載の手術装置。
18. 【請求項１８】 ａ）前記少なくとも１つの長いロッド
    状留め具を留め具発射位置に向かって押圧する弾性手段
    と、 ｂ）前記長い留め具を第１方向に発射するプレート状の
    発射手段と、 ｃ）身体組織内に挿入される前に前記長い留め具の方向
    を変える手段とを更に有していることを特徴とする請求
    項２に記載の手術用留め具装置。
19. 【請求項１９】 ａ）長い留め具部材を、少なくとも一
    部が非直線状である経路に沿って前進させ、留め具部材
    を身体組織の端部に向けて該端部を一体に結合する手段
    と、 ｂ）前記組織を接近させる手段の位置決め及び配向を容
    易にすべく、前記組織保持手段に隣接して配置されたス
    タビライザ手段とを更に有していることを特徴とする請
    求項２に記載の手術装置。
20. 【請求項２０】 ストラップ状部材を更に有しており、
    該ストラップ部材の先端には前記ヨーク手段に連結され
    るコネクタ部分が設けられており、ストラップ状部材
    は、枢動可能なハンドルの両位置間での移動により移動
    され、これに対応して前記ヨーク手段も近位位置と遠位
    位置との間で移動することを特徴とする請求項１６に記
    載の手術装置。
21. 【請求項２１】 前記部材が前記遠位位置に移動される
    と前記ストラップ部材と係合できる手段を更に有してお
    り、前記係合手段は、前記枢動可能なハンドルの枢動運
    動を停止させると、前記ストラップ状部材の近位方向へ
    の移動を防止できることを特徴とする請求項２０に記載
    の手術装置。
22. 【請求項２２】 前記ストラップ部材と係合できる前記
    手段が、前記ストラップ部材から独立して枢支された爪
    であることを特徴とする請求項２１に記載の手術装置。