JP3297407B2 - のり面の緑化に使用するポット - Google Patents

のり面の緑化に使用するポット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、のり面の緑化に使
用されるポットに関し、とくに、表土の少ない岩盤質や
硬土質ののり面に木を植生するのに最適なポットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】切り開かれた岩盤が表出したのり面は、
経時的な風化を防止すると共に、美観を向上させる目的
で表面に草を植生させている。ところが、勾配が急で、
岩盤質ののり面は、表土が少ないので、植生させるのが
極めて難しい。この種ののり面に植生する工法として、
のり面にネットを張設して種子混合の厚層基材を吹き付
ける工法が提案されている(特公昭39−18516号
公報、特開昭49−130005号公報)。
【0003】しかしながら、これ等の工法は、施工後の
雨で厚層基材が流失しないように施工するのが難しく、
施工後、種子が発芽する前に大雨が降ると、ほとんどの
厚層基材がのり面から流失し、流失土の処理と再施工に
著しく手間がかかる欠点があった。さらに、この工法で
は、のり面に草を植生できても、木を植生できない。そ
れは、厚層基材と一緒に木の種子を吹き付けると、のり
面に衝突する衝撃で種子が著しく損傷を受けるからであ
る。さらに、草の種子は1〜数週間と極めて短期間に発
芽するが、木の種子は発芽するまでに数カ月もかかるこ
ともあって、この工法では、到底のり面に効率よく木を
植生できない。例えば、西洋芝や牧草は、季節により多
少変化するが、約7日で発芽するのに対し、ネズミモ
チ、シャリンバイ等の木は、発芽するのに3カ月〜5カ
月を要する。さらに、ウバメガシなどは11月に採種、
貯蔵して翌年の3月の適期に播種しても、根の伸長が先
行し双子葉の出現に長い日数を要する。
【0004】この弊害を防止する工法として、ネットに
代わって、不織布等のマット内に種子、土砂、肥料、土
質安定剤等を混入する工法も提案されている(実開昭5
0−121506号公報)。しかしながら、この工法
は、のり面全体に厚いマットを張設する為、材料が著し
く高価になり、しかも厚いマットをのり面に固定するの
に手間が掛かり、施工単価が著しく高価になる欠点があ
る。さらに、この工法も、のり面に草は植生できても木
を植生することはできない。
【0005】さらに、この工法を改良する植生法とし
て、厚層基材、種子、保水剤等を充填した袋体とネット
とをのり面に固定する工法(特公昭57−55851号
公報、特開昭52−51708号公報)、並びに本発明
者が開発した固形肥料を帯状マットでのり面に取り付
け、この上をネットで覆う工法(特公昭61−2209
6号公報)が開発されている。
【0006】これらの工法は、のり面全体に隙間なく袋
やマットを固定しないので、施工単価を安くでき、しか
もマットで厚層基材の流失が防止できるので、現在、急
勾配の岩のり面の植生に多用されている。ところが、こ
れらの工法も、のり面の厚層基材に長期間にわたって充
分な量の水分が保水できず、夏場の日照りが強いとき等
は、厚層基材を吹き付けた後、散水して厚層基材に給水
する必要があった。この為、施工時期によっては、施工
後の管理に手間がかかることもあり、又、乾燥に弱い種
子が植生し難い欠点があった。厚層基材の保水性は、マ
ットを厚くすると共に、これの張設面積を広くし、又袋
体の個数を増加すればよいが、そうすると施工単価が著
しく高騰する欠点があった。
【0007】本発明者は、この欠点を解消するために、
植生用のポットを使用する植生工法を開発した(特開平
10−114947号公報)。この植生工法は、紙パル
プを箱形に成形したポットを使用する。ポットは上方を
開口している箱形に成形している。ポットは、木を植え
付けてのり面に固定される。ポットは、のり面に張った
ネットに引っかけて固定される。さらにポットの上に厚
層基材を塗布して、ポットを確実に固定すると共に、厚
層基材に肥料や草の種等を添加している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ポットを使用する工法
は、苗木をポットの内部で生育させるので、苗木をより
好ましい環境で生育できる。それは、ポット内に、苗木
の生育に好ましい培養土や肥料等を充填して、これに苗
木を植え付けできるからである。さらに、ポットには、
保水性と通水性に優れた培養土を充填するので、植え付
けした後、長い期間にわたって雨が降らないときにも、
木が枯渇するのを有効に防止できる特長もある。さら
に、紙製のポットは、苗木が大きく生育して、木の根が
ポットから外部まで生育する状態になったときに、ポッ
トを腐食させることによって、より理想的な環境で生育
できる。全く腐食しないポットを使用すると、木が小さ
いときにはよく生育するが、木が大きくなって、根がポ
ットの内部で密に集合するようになると、木の生育が悪
くなってしまう。このため、ポットは、木が所定の大き
さになとる腐食して根の生育を阻害しないようにするの
が理想である。
【0009】のり面に使用される腐食性のポットは開発
されている。たとえば、特開平7−129283号公報
には、厚手の段ボール紙や分解腐食性のプラスチックを
筒状に成形したポットが記載される。さらに、特開平9
−209366号公報には、竹筒、厚手の段ボール紙や
分解腐食性のプラスチックを筒状に成形したポットが記
載される。これ等の公報に記載されるポットは、竹筒や
紙筒を使用するので、木が生育するときに腐食させて、
木の根を自由に成長できる特長がある。
【0010】しかしながら、本発明者が実際に行った実
験によると、これ等のポットは、腐食させるタイミング
を、木の根の生育状態に理想的なタイミングとするのが
極めて難しい。木が充分に生育していない状態でポット
が腐食してしまうと、木の根をポットで充分に保護でき
なくなって、苗木の生育が悪くなってしまう。とくに、
長い期間に雨が降らないときに木が枯渇してしまう弊害
がある。反対に木が大きく生育した状態で、ポットが腐
食できないと、ポットが根の生育を悪くして木の成長を
阻害する弊害がある。
【0011】紙製のポットは、種々の形状に成形できる
特長はあるが、腐食する期間が速すぎるので、苗木が充
分に生育しない状態で腐食してしまう。反対に竹筒は木
が相当に大きく生育しても腐食せず、腐食が遅すぎて木
の生育を阻害する欠点がある。
【0012】本発明は、極めて簡単な構造で、この欠点
を解消することに成功したもので、本発明の重要な目的
は、木の生育状態に対して理想的なタイミングで腐食し
て、のり面に植え付けした木を理想的な環境で生育でき
るのり面の緑化に使用するポットを提供することにあ
る。
【0013】また、本発明の他の大切な目的は、木を理
想的な環境で生育できるにもかかわらず、極めて安価に
多量生産できるのり面の緑化に使用するポットを提供す
ることにある。
【0014】さらにまた、本発明の他の大切な目的は、
処理によって腐食期間を木に理想的なタイミングに調整
できるのり面の緑化に使用するポットを提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明ののり面の緑化に
使用するポットは、紙を容器の形状に成形している。さ
らに、本発明のポットは、油を含浸させて耐久性を向上
させている。
【0016】
【0017】
【0018】さらにまた、本発明のポットは、古紙繊維
を集合して、上方を開口している容器の形状に成形して
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためののり面の緑化に使用する
ポットを例示するものであって、本発明はのり面の緑化
に使用するポットを下記のものに特定しない。
【0020】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0021】本発明ののり面の緑化に使用するポット
は、のり面に植付穴を開けないでのり面の表面に固定し
て使用される。
【0022】のり面に植付穴を開けないで、のり面の表
面に接触して固定されるポットは、上方を開口する容器
の形状として、しかも、のり面と対向する背面を平面状
に形成する。背面を広い面積でのり面に当接させて、安
定してのり面に固定するためである。
【0023】のり面に植付穴を開けないでのり面の表面
に固定されるポットを図1の斜視図に示す。図1のポッ
ト1は、紙繊維を成形して製作される。ポット1は、
料に古紙パルプを使用して、古紙を有効に再利用でき
る。また、原料コストを低減できる特長もある。
【0024】
【0025】図1のポットは、木を上方に生育させるた
めに、上方を開口する箱形に成形している。箱形のポッ
ト1は、開口部に向かって大きくなる形状に成形してい
る。この形状のポット1は、運搬し、あるいは貯蔵する
ときに、積層状態として、高さの低減を図ることができ
る。
【0026】ポット1の大きさは、木をのり面に活着さ
せるまで生育できるように、好ましくは3〜7号鉢の大
きさに成形される。ポット1の背面は、のり面になじみ
やすいように、平面とし、ポット1に植え付けした木の
根を貫通させて、のり面に活着させるために、スリット
状の貫通孔5を開口している。貫通孔5は、スリット状
でなくて、丸や多角形の孔とすることもできる。また、
ポットの背面は、貫通孔を設けることなく、成長する根
で破壊できる強度、たとえば、部分的に薄く成形するこ
ともできる。
【0027】ポット1の上端開口部は、のり面に固定す
る状態で、概ね水平となるように傾斜して切断された形
状とする。また、図に示すポット1は、開口部を補強す
るために、約lcm〜2cmの巾で、外側に盛り上げる
ようにして肉厚部の鍔6を設けている。この肉厚部の鍔
6は、ポット1をネットに連結する連結具7を確実に定
位置に連結する。連結具7は、ポット1の底部を挿入で
きるが、肉厚部となっている鍔6は通過できない方形状
に折曲した金属線で、ネットに引っかけるフック7Aを
設けている。連結具7は、好ましくは、焼きなましした
鉄線で製作する。この連結具7は、ポット1と同じよう
に、腐食して消失するとともに、土に鉄分を補給する。
【0028】この構造のポット1と連結具7は、のり面
に張設したネットに、簡単に連結できる。ポット1は、
土を入れて木の苗を生育させた後に、のり面に張設した
ネットに連結する。ただ、ネットをのり面に張設する前
に、木の苗を生育させたポットをネットに連結し、この
ネットをのり面に張設することもできる。
【0029】ポット1は、油を含浸させて腐食する耐久
性を向上させる。ポット1に油を含浸させるには、ポッ
ト1を油に浸漬する。油に浸漬された紙製のポット1
は、繊維の隙間に油が浸透し、あるいは繊維自体にも油
が浸透する。ポット1は、油に全体あるい一部を浸漬し
て、全体あるいは一部を残して油を含浸させる。油に一
部を浸漬するポットは、油が浸透して全体に油を含浸さ
せることができる。ただ、本発明のポットは、必ずしも
全体に油を含浸する必要はない。たとえば、紙筒製のポ
ットは、下部を除く部分に油を含浸させることもでき
る。このポットは、植付穴に入れた状態で下部が先に腐
食して、ポット内で成長する木の根をポットの下部から
のり面にスムーズに生育できる。
【0030】ポットは、油に浸漬しないで、表面に油を
スプレーして含浸させることもできる。この方法は多量
のポットに能率よく油を含浸できる。また、油のスプレ
ー量を変更して、油の含浸量を調整することもできる。
ポットに多量の油を含浸させて、ポットが腐食する期間
を長くし、あるいはポットに含浸する油を少なくして、
比較的短期間で腐食させることもできる。ポットを腐食
させる期間は、ポットに植え付けする木の種類に最適な
期間とする。根の成育が遅い木を植え付けるポットは、
油の含浸量を多くして、ポットが腐食する期間を長くす
る。反対に根の成育が速い木は、ポットに含浸する油量
を少なくして、ポットが腐食する期間を短くする。
【0031】ポットに含浸させる油量は、スプレー量で
調整し、あるいは、油に浸漬する時間で調整する。ポッ
トを油に浸漬する時間を長くすると、ポットの油含浸量
は多くなる。反対にポットの浸漬時間を短くすると、油
含浸量は少なくなる。さらに、ポットを浸漬する油温度
を調整して、含浸量を調整することもできる。油温を高
くすると、油は粘度が低くなって紙製のポットに速やか
に浸透される。このように、温度の高い油は、ポットの
浸漬時間を短くして、充分に含浸できる。さらに、油を
溶媒で希釈して、ポットの含浸量を調整することもでき
る。溶媒で希釈された油は、含浸させた後に溶媒を気
化、乾燥させることにより、油の含浸量を少なくでき
る。
【0032】さらに、油の粘度によっても含浸量は変化
し、高粘度の油は含浸させるのに時間がかかる。ポット
に含浸させる油は、植物乾性油、植物半乾性油、植物不
乾性油、海産動物油、陸産動物油や油脂で、これ等を単
独であるいは複数種を混合して使用する。植物乾性油と
して、あまに油、大豆油、醤油油が使用できる。植物半
乾性油として、コーン油、ごま油、なたね油、ぬか油等
が使用できる。植物不乾性油として、ひまし油、落花生
油、オリーブ油、つばき油等が使用できる。海産動物油
として、いわし油、にしん油、さんま油、ながす鯨油等
が使用できる。さらに、陸産動物油として、豚脂、牛
脂、バター脂等が使用できる。油脂はパーム油ややし油
等の植物脂、牛脂や豚脂等の動物脂が使用できる。
【0033】常温で液状の油は、加温しないでポットを
浸漬し、あるいはポットの表面にスプレーする。常温で
粘度が高い油、あるいは液状でない油は、加温して液状
としてポットを浸漬し、あるいはスプレーして紙製ポッ
トに含浸させる。加温した油に浸漬し、あるいはスプレ
ーするポットは、油をよりスムーズに含浸できる。
【0034】ポットに含浸させる油は、使用済みのテン
プラ油が最適である。それは、廃棄するテンプラ油を有
効に再利用することによって、処理コストを著しく低減
し、しかも植物の根との相性が良く、油が根の成育を阻
害しないからである。さらに、使用済みのテンプラ油
は、加温しないでポットに速やかに含浸できる特長もあ
る。たとえば、テンプラ油に5分浸漬した厚さを約8m
m、外径を100mmとする紙筒製のポットは、のり面
の植付穴に挿入した状態で約2年も腐食しない耐久性を
実現した。ただ、本発明のポットは、含浸させる油をテ
ンプラ油に特定するものではなく、前述の全ての油を含
浸させることもできる。
【0035】図1に示すように箱形に成形しているポッ
ト1は、のり面に固定する前工程で油を含浸させる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】さらに、図1に示すポットは以下のように
して施工される。
【0042】のり面8は、図2に示すように、のり面8
上のゴミ、浮土、浮石等を除去した後、ネット12を凹
凸状ののり面8の前面に沿って固定する。ネット12
は、これがのり面8に沿って固定されるように、例え
ば、長さを50cmとする止釘13を、100m当り
に20本程打ち込み、更に長さを20cmとする止釘1
3を、のり面8の状態に合わせて、100mにつき2
00〜300本程打ち込んで固定する。
【0043】のり面8に固定されたネット12に、所定
の間隔でポット1を連結する。ポット1は、図1と図2
示すように、一時に多量の水が補給されたときに、速
やかに排水できないので、底には水抜穴14を開口して
いる。水抜穴14は、ポット1に木の苗を生育させると
き、あるいは、ポット1をのり面8に固定して、多量の
雨が降ったときに、ポット1に溜る水を速やかに排水し
て、根腐れを防止する。
【0044】紙パルプで製造されたポット1は、木の根
がポット1からのり面8に伸びて成長し、のり面8に活
着した後、腐食して消失させる。ポット1に植え付けし
た苗木11は、約1年でのり面8に活着する。したがっ
て、ポット1は、使用耐用年数を概ね1年〜2年とし
て、その後に、腐食化して土に還元して消失させる。
【0045】ポット1に木の苗を植生させるには、別途
に製造されたビニールポットで発芽させて育苗した苗木
を、工事前にポット1に移植し、現地で定植させる。ポ
ット1は、樹種及び現場に応じた、培養土を調整し、良
好な根鉢を形成するものとする。ただ、ポットの培養土
に、直接に播種して木の苗を生育させることもできる。
【0046】のり面8に張設するネット12には、上に
吹き付けられた厚層基材15の降雨による流失を防止す
ると共に、落石防止とのり面8の保護を兼用するよう
に、所要の強度を有すると共に耐候性を有するもの、例
えば網目が10〜50mmである金網が使用される。
【0047】ネット12をのり面8に固定した後、ネッ
ト12とポット1の表面全体に、厚層基材15を吹き付
ける。厚層基材15は、例えば、土砂、草花の種子、肥
料、ピートモス、バーク、土壌改良剤、パルプ、稲藁等
を混合したものを使用し、これを例えば、1〜10c
m、好ましくは、3〜8cmの厚さに吹き付ける。連結
具7を介してネット12に連結されるポット1は、表面
に吹き付けられる厚層基材15に被覆されて、より確実
にのり面8に固定される。
【0048】以上の工程で、のり面8にポット1が固定
されると、ポット1に植え付けられた木は、次第に成長
し、根をポット1からのり面8に伸ばして成長させて、
のり面8に活着する。木は、のり面8に活着するまでは
ポット1の客土16で生育される。木がのり面8に活着
すると、のり面8の水分で生育するので、冠水の必要は
ない。木がのり面8に活着するまで、いいかえると、ポ
ット1で生育される間は、ポット1内の客土16が過乾
燥状態になるとよくない。このため、たとえば、15日
以上雨が降らないときには、ポット1に冠水する。統計
からすれば、関西地方では、15日以上連続して雨から
降らないのは、1年に2〜3回である。この状態になる
と、ポット1が過乾燥となるので、人工的に冠水して木
を生育させる。木がのり面8に活着した後は、木はのり
面8で生育されるので、ポット1は必要なくなる。この
ため、紙パルプ製のポット1は、この状態になると、腐
食化して土に還元して消失される。ポット1の連結具7
やネット12を金属製とすると、これ等が腐食して土に
還元される。
【0049】
【発明の効果】本発明ののり面の緑化に使用するポット
は、木の生育状態に対して理想的なタイミングで腐食さ
せて、のり面に植え付けした木を理想的な環境で生育で
きる特長がある。それは、本発明ののり面の緑化に使用
するポットが、紙を容器の形状に成形すると共に、油を
含浸させて耐久性を向上させているからである。この構
造のポットは、油を含浸させるという極めて簡単な処理
で、ポットが腐食するタイミングを生育させる木に理想
的な状態に調整できる。したがって、のり面に植え付け
る木に理想的なタイミングで腐食させて、植え付けした
木を理想的な環境で生育できる特長が実現できる。さら
に、本発明のポットは、木を理想的な環境で生育できる
にもかかわらず、極めて安価に多量生産できる特長もあ
る。また、本発明のポットは、廃棄される古紙を有効利
用して安価にポットを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例ののり面の緑化に使用するポッ
トの斜視図
【図2】図1に示すポットを使用してのり面に木を生育
させる状態を示す断面図
【符号の説明】
1…ポット 5…貫通孔 6…鍔 7…連結具 7A…フック 8…のり面 11…苗木 12…ネット 13…止釘 14…水抜穴 15…厚層基材 16…客土
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−56498(JP,A) 特開 平9−135636(JP,A) 特開 平10−117513(JP,A) 特開 昭51−122901(JP,A) 特開 平10−114947(JP,A) 特開 昭48−33612(JP,A) 実開 昭59−95856(JP,U) 実開 平5−70253(JP,U) 特公 昭43−28045(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 102 A01G 9/10 ZAB

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を容器の形状に成形してなるのり面の
    緑化に使用するポットにおいて、古紙パルプを集合して、上方を開口している容器の形状
    に成形すると共に、 油を含浸させてなることを特徴とす
    るのり面の緑化に使用するポット。
  2. 【請求項2】 ポット(1)が上方を開口する容器の形状
    であって、のり面と対向する背面を平面状に形成してい
    請求項1に記載されるのり面の緑化に使用するポッ
    ト。
  3. 【請求項3】 ポット(1)が、開口部を補強するために
    肉厚部の鍔(6)を設けている請求項2に記載されるのり
    面の緑化に使用するポット。
  4. 【請求項4】 ポット(1)の背面に貫通孔(5)を開口して
    いる請求項2に記載されるのり面の緑化に使用するポッ
    ト。
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