JP3296573B2 - セラミックコンデンサー電極用導体ペースト及びその導体ペーストを用いたセラミックコンデンサーの製造方法。 - Google Patents
セラミックコンデンサー電極用導体ペースト及びその導体ペーストを用いたセラミックコンデンサーの製造方法。Info
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Description
ー電極用導体ペーストに関するものである。
セラミックコンデンサーとしては、図1に示すようなも
のが公知である。
極、3はセラミック(誘電体)、4a、4bはメッキ層
である。そして、内部電極1としては、パラジウム、白
金あるいは銀/パラジウム等の貴金属が用いられ、メッ
キ層4a、4bとしては、各々ニッケルメッキ、半田メ
ッキが施されていた。
な貴金属が用いられていたので、近年、コストダウンを
目的として、内部電極を卑金属であるニッケルに置換し
ようとする試みがなされている。ところで、誘電体材料
として、チタン酸バリウムを主体としたペロブスカイト
型構造のセラミックを用いた場合、その焼成は1000
℃以上、例えば1300℃前後の高温で行われることが
多い。この場合、内部電極材料としてニッケルを用いる
と、ニッケル粒子の過焼結(粒成長)が起こり、その結
果空隙が発生し、極端な場合には焼成膜が島状に分断さ
れる。これは、静電容量を始めとするコンデンサーとし
ての諸特性を大幅に劣化させる原因となる。特に、積層
セラミックコンデンサーの小型・大容量化に伴って電極
膜の薄層化を図った場合、この点が大きな問題となる。
問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、空
隙の少ない緻密な内部電極膜を形成することができるセ
ラミックコンデンサー電極用導体ペースト及びその導体
ペーストを用いたセラミックコンデンサーの製造方法を
提供することにある。
目的を達成するために、積層セラミックコンデンサーの
焼成温度での内部電極膜の過焼結を抑制し、充分低い空
隙率を保つようにしたペーストであって、本発明のペー
ストの構成要旨は、表面が酸化ニッケルで全体の平均的
な化学組成がNiOX (0.07≦X≦0.56)で
あるニッケル粉末と有機ビヒクルよりなる、焼成後の空
隙率が41%以下である低空隙率のセラミックコンデン
サー電極用導体ペーストにある。この組成のペーストを
内部電極用とし、誘電体グリーンシート上に上記ペース
トを印刷し、次いで、空気中で熱処理することにより脱
脂し、さらに、窒素雰囲気中で焼成することにより、焼
成後の空隙率が41%以下である低空隙率のセラミック
コンデンサーを製造することができる。
度、積層セラミックコンデンサーの焼成温度に応じて選
択することができる。後記する理由により、1μ以上の
粒径の比較的大きいニッケル粉の場合はXの値は低めに
設定する方が好ましく、また、積層セラミックコンデン
サーの焼成温度が低い場合もXの値は低めに設定する方
が好ましい。
造方法は特に限定しないが、ニッケル粉を空気雰囲気中
で200℃前後の温度で適当な時間加熱することによ
り、容易に得ることができる。
スト用として常用されているすべてのものが使用可能で
あるが、例えば、有機ビヒクル中の樹脂成分としては、
エチルセルロースやレジン類等が使用できる。また、樹
脂成分を溶解するための溶媒としては、高沸点のターピ
ネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールア
セテート、ジブチルフタレート、または1,1,3−ト
リメチルペンタンジオールのモノエステルおよびジエス
テル化合物が挙げられる。
てより融点の高い酸化ニッケルが形成されたニッケル粉
を用いることにより、ニッケル粒子の過焼結が抑制され
る。しかし、NiOX のXが0.07未満では過焼結
の抑制効果が充分でなく、一方、Xが0.56を超える
と、焼成膜のシート抵抗が著しく増大し、電極材料とし
て不適当となる。
の粒界が少なくなり、焼成温度が低い場合は過焼結が起
こりにくい。従って、これらの場合における過焼結を抑
制するためのXの値は低めに設定するのが好ましい。
粉をバッチ式炉にて空気雰囲気中で200℃×1〜10
0時間加熱することにより、粒子表面を酸化させた。得
られたニッケル粉の水素還元減量により求めた酸素量を
以下の表1に示す。そして、それぞれのニッケル粉を有
機ビヒクルと重量比で1:1の割合で3本ロールミルを
用いて混合し、ペーストを得た。なお、有機ビヒクルと
しては、ターピネオールにエチルセルロースを溶解した
ものを用いた。
いて粒径0.5μのチタン酸バリウム粉末に適量のアク
リル系樹脂および溶剤を添加したものから得たグリーン
シート上に上記各ペーストを印刷し、バッチ式炉にて1
20℃×5分間乾燥後空気雰囲気中で徐々に加熱し、4
00℃で2時間保持することにより脱脂を行った。さら
に、これをベルト式炉にて窒素雰囲気(O2 1ppm以
下)中で最高温度1300℃で2時間保持することによ
り焼結を行った。
SEM像を写真撮影し、この写真より画像情報をイメー
ジスキャナーを介してパーソナルコンピューターに取り
込み、焼成膜の空隙率を算出した。その結果をシート抵
抗と合わせて以下の表1に示す。
ニッケル粒子の酸化が進むほど小さくなる。これは、ニ
ッケル粒子の表面に酸化ニッケルが形成されたことによ
り、粒子相互の過焼結が抑制され、空隙発生が抑えられ
たことによるものと考えられる。
示す。X=0、すなわち未処理のニッケル粉を使用した
場合に導通が得られなかったのは、ニッケル粒子の過焼
結により焼成膜が島状に分断されたことによる。そし
て、Xが0.07から0.15にかけてシート抵抗が僅
かに減少しているのは、過焼結が抑制され、焼成膜の連
続性がよくなったためと考えられる。また、Xが0.1
5以上になるとシート抵抗が増加するのは、ニッケル粒
子間に介在する電気抵抗率の大きな酸化ニッケルの量が
増加して、電気的導通が妨げられたからであると考えら
れる。
粉を、バッチ式炉にて空気雰囲気で200℃×1〜10
0時間加熱することにより、粒子表面を酸化させた。得
られたニッケル粉の水素還元減量により求めた酸素量を
以下の表2に示す。そして、それぞれのニッケル粉を実
施例1と同様の方法でペースト化し、さらにグリーンシ
ートのチタン酸バリウム粉末の平均粒径を0.1μと
し、焼成温度を1250℃とした以外は実施例1と同様
の方法でニッケル焼成膜を得た。この焼成膜の空隙率お
よびシート抵抗を同上方法で評価した結果を以下の表2
に示す。
焼成膜の空隙率はニッケル粉の酸化が進むほど小さくな
る。
同様の傾向を示している。すなわち、未処理およびX=
0.02のニッケル粉を用いた場合は、過焼結を抑制す
ることができず、焼成膜が島状に分断され、電気的導通
が得られなくなったものと考えられる。また、X=0.
08でシート抵抗は最小となり、Xが0.08以上にな
るとシート抵抗は増加する。
ト抵抗が33であるのに対し、実施例1ではX=0.1
5でシート抵抗は20であり、さらに、本実施例2では
X=0.48でシート抵抗は205であるのに対し、実
施例1ではX=0.56でシート抵抗は176である。
このように、略同程度の酸素量で比較すると、本実施例
2の方が実施例1よりシート抵抗は高くなっている。こ
の理由は、用いたニッケル粉の平均粒径が大きいので、
同一酸素量における単位ニッケル粒子当たりの表面酸化
層が厚くなり、電気的導通を妨げる効果が大きくなった
ことによるものと考えられる。
極用導体ペーストによれば、原料のニッケル粉の表面に
酸化ニッケルが形成され、しかも全体の酸化程度が適正
であるので、焼成膜の過焼結が抑制されるとともにシー
ト抵抗が適正値に維持された、焼成後の空隙率が41%
以下である低空隙率の緻密な電極膜を得ることができ
る。さらに、本発明のペーストを内部電極用とし、誘電
体グリーンシート上に本発明のペーストを印刷し、次い
で、脱脂し、さらに、窒素雰囲気中で焼成するという簡
単な工程でセラミックコンデンサーを製造することがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 表面が酸化ニッケルで全体の平均的な化
学組成がNiOX(0.07≦X≦0.56)であるニ
ッケル粉末と有機ビヒクルよりなる、焼成後の空隙率が
41%以下である低空隙率のセラミックコンデンサー電
極用導体ペースト。 - 【請求項2】 セラミックコンデンサーの製造方法であ
って、内部電極用ペーストが、表面が酸化ニッケルで全
体の平均的な化学組成がNiOX (0.07≦X≦
0.56)であるニッケル粉末と有機ビヒクルよりな
り、誘電体グリーンシート上に上記ペーストを印刷し、
次いで、空気中で熱処理することにより脱脂し、さら
に、窒素雰囲気中で焼成することにより、焼成後の空隙
率が41%以下である低空隙率のセラミックコンデンサ
ーを製造する方法。
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JP21861491A JP3296573B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | セラミックコンデンサー電極用導体ペースト及びその導体ペーストを用いたセラミックコンデンサーの製造方法。 |
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- 1991-08-29 JP JP21861491A patent/JP3296573B2/ja not_active Expired - Fee Related
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