JP3296439B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP3296439B2 JP19661991A JP19661991A JP3296439B2 JP 3296439 B2 JP3296439 B2 JP 3296439B2 JP 19661991 A JP19661991 A JP 19661991A JP 19661991 A JP19661991 A JP 19661991A JP 3296439 B2 JP3296439 B2 JP 3296439B2
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮機または膨張機など
として用いられるスクロール流体機械の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のスクロール流体機械の主要
部は、圧縮機としては図2に示すごとく構成されてい
る。基本要素は、フレーム3と;フレーム3に取付けら
れ、外周部に吸入ポート6、中心部に吐出ポート7を持
つ鏡板1aおよびこの鏡板1aに直立して設けられた渦
巻状のラップ1bからなる固定スクロール1と;背面に
オルダムリング5および主軸4の偏心部4aが係合する
鏡板2aおよびこの鏡板2aに直立して設けられた渦巻
状のラップ2b(固定スクロールのそれと同一形状)か
らなる旋回スクロール2;とからなり、位相をずらして
両ラップ1b,2bを互に組合せた構造となっている。
主軸4は、軸受14b,14cによりフレーム3に回転
自在に支持され、偏心部4aが旋回スクロール2の鏡板
2a背面に設けられたボス部2cに係合し、旋回スクロ
ール2を駆動する。オルダムリング5は、一方ではフレ
ーム3上を往復運動し他方では旋回スクロール部材2に
対し相対的に往復運動することにより旋回スクロール2
の自転を防止する。上記主軸4を回転させると、旋回ス
クロール2は自転することなく公転(旋回運動)され、
吸入ポート6から吸込れたガスは圧縮室8に流入する。
この圧縮室8は、旋回スクロール2の旋回運動により順
次中心部に移動するとともに容積が減少し、圧縮室8に
閉じ込まれたガスは次第に昇圧されて固定スクロールの
鏡板1aの吐出ポート7から吐出される。
【0003】上述したスクロール流体機械では、両スク
ロールラップ部の密封性が常に要求され、スクロールラ
ップの形状寸法を高い精度で仕上げるために、従来は主
としてスクロールをFe,Alなどの金属材料で作り、
これをNCフライス盤等による切削により加工してい
た。この為、精密加工に多大の時間を要していた。また
スクロール流体機械がおかれている熱的環境や、それか
ら受ける影響などについて従来は十分考慮されておら
ず、吸入ガスの過熱や部材の熱変形などの問題が残され
ていた。特に、圧縮要素が高圧ガス(圧縮された吐出ガ
ス)の雰囲気におかれる高圧容器密閉方式のスクロール
圧縮機では、固定スクロール1やフレーム3等の部材を
通じた熱伝導により内部の吸入ガスの加熱が促進され、
さらに、部材の温度分布や作用する圧力により部材が変
形し、密封性が十分に満足されず、漏れが増加して圧縮
機の性能に悪影響を与えていた。
【0004】また、従来のスクロール1,2は金属で作
られていたため、運転中に両スクロールの摺動面が摩耗
したり焼付固渋を生じるなどの恐れがあり、信頼性の面
でも問題があった。特にオイルフリー化に際しては、熱
膨張および熱伝導の低減化と、摺動部の摩耗の低減化が
深刻かつ重要な問題であった。
【0005】したがってスクロール流体機械としての性
能を高度に保持するためには、スクロール流体機械の構
成部材の隙間を長期にわたって適正に維持し、その密封
性を確保することと、摺動部の耐久性を保証することが
必要である。このため特開昭58−214689には、
両スクロールの双方または一方の全部または一部を、高
温熱処理をしたアルミナ(Al23 )系酸化物、炭化
ケイ素(SiC)系酸化物、窒化ケイ素(Si34
または窒化ホウ素(BN)系窒化物などの非金属材料す
なわちセラミックスにより製作することにより、圧縮熱
による変形を抑え、適正な隙間の管理、維持を可能に
し、熱の伝導を低減し、摺動部の信頼性を向上させる旨
の技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記開示
内容では、セラミックスの成形性や精度維持、摺動部の
油の保持性などについて考慮されておらず、加工工数や
信頼性の面で問題が残されていた。すなわち、上記開示
されている従来のセラミックスは、均質な特性を得る技
術が確立しておらず、信頼性に欠ける。また高温処理に
よる焼結の前後で寸法変化が15〜20%と大きく、高
い寸法精度を得る為には、高温処理後の研削、仕上加工
等に多大な加工工数を要し、製造コストが非常に高い、
また高温処理後のセラミックスは、セラミックスの粒子
どうしが拡散し合って緻密化焼結されているためミクロ
ンオーダの気孔分散が悪く、緻密質で潤滑油の保持能力
が劣り、潤滑性が悪いなどの問題があり、実用化が図ら
れていない。
【0007】本発明の目的は上記にかんがみ、スクロー
ル流体機械がおかれている熱的環境やそれから受ける影
響を抑え、高い密封性を維持して耐摩耗性に優れ、軽量
で効率が高く、かつ加工性に優れた信頼性の高いスクロ
ール流体機械を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明
のスクロール流体機械においては、互に噛み合う1対の
スクロールの一方もしくは両方の全体もしくはラップと
鏡板のラップ側の部分、旋回スクロール駆動用の駆動軸
の軸受、旋回スクロールと駆動軸の偏心部とが係合する
旋回軸受、または旋回スクロールの自転防止用オルダム
リングを、ニアネットシェイプ性(機械加工なしに最終
仕上寸法に近い寸法にセラミックスを焼結成形のみで成
形し得ること)に優れ且つ摺動特性に優れた精密焼結セ
ラミックスで構成する。例えば、骨材粒であるAl2
3 ,SiC,TiN,ZrNなどの無機化合物粒子をS
iの窒化生成物であるSi34 で結合させる反応結合
法による反応結合精密焼結セラミックスとして上記部材
を成形焼結することにより、焼結品の寸法精度を再現性
良く制御することができる。また、これは気孔率が2〜
30%の開気孔を持つ多孔質セラミックス焼結体として
得ることができるので、開気孔に油や固体潤滑剤などを
含浸し、耐摩耗性に優れ、焼付きを生ぜず、摩擦係数の
小さいものにすることができる。また、この様なセラミ
ックスで形成された固定スクロールを金属製のフレーム
に締結する場合には、歪応力緩和のための締結ボルト用
インサート部材を介して、もしくは弾性的に変形可能な
支持部材を介して固定スクロールをフレームに固定する
ことにより、セラミックスと金属との熱膨張差に因る歪
を緩和する構成を採用するのがよい。
【0009】
【作用】本発明の構成によるスクロール流体機械におい
ては、前記セラミックスよりなるスクロールやその他の
摺動部を有する部材は、研削その他の仕上加工などの後
工程を大幅に省略して造ることができ、加工性に優れ、
熱的影響を抑え、高い体積効率および低い動力損失の高
性能なスクロール流体機械となる。
【0010】
【実施例】以下本発明のスクロール流体機械の実施例を
図1、図3〜図12を参照にして圧縮機を例に取り説明
する。図1に示すスクロール圧縮機は、密閉容器10内
に圧縮機構部と電動機部が収納されている。圧縮機構部
では、固定スクロール1と旋回スクロール2が互にラッ
プを噛合せて圧縮室(密閉空間)8を形成している。固
定スクロール1は、円盤状の鏡板1aと、これに直立し
た渦巻状のラップ1bとからなり、その中心部に吐出孔
7、外周部に吸入孔6を備えている。旋回スクロール2
は、円盤状の鏡板2aと、これに直立し、固定スクロー
ル1のラップ1bとほぼ同一形状に形成されたラップ2
bとボス部2cからなっている。フレーム3は、中央部
に軸受部14b,14cを有し、この軸受部に主軸4が
回転自在に支承され、主軸先端の偏心軸4aは上記ボス
2cに係合されている。またフレーム3には固定スクロ
ール1が複数本のボルト等により固定され、旋回スクロ
ール2とフレーム3との間にはオルダムリング5および
オルダムキーからなるオルダム機構が介在し、旋回スク
ロール2は固定スクロールに対して、自転しないで旋回
運動するように構成されている。主軸4の偏心軸4aと
は反対の側には電動機部のロータ13bが直結してい
る。
【0011】固定スクロール1の吸入孔6には密閉容器
10を貫通して吸入管11が接続され、前記吐出孔7が
開口する吐出室10aは通路18a,18bを介して下
部の電動機室10bと連通し、電動機室10bは密閉容
器10に設けられた吐出管12に通じている。
【0012】旋回スクロール1の背面とフレーム3とで
囲まれた空間9(以下背圧室と称す)には、旋回スクロ
ール2と固定スクロール1で形成される複数個の圧縮室
8内のガス圧による軸方向のガス力(この力は旋回スク
ロール2を固定スクロール1に対し離反させる方向に作
用する)に対抗するため、吸入圧力と吐出圧力の中間の
圧力が作用する。この中間圧力は、旋回スクロール2の
鏡板2aに細孔2dを設け、この細孔2dを介して圧縮
途中の圧縮室8と該背圧室9を連通して圧縮室8内のガ
スを背圧室9に導くことによって設定され、この中間圧
力が旋回スクロールの背面に作用する。
【0013】主軸4及び偏心軸4aには、主軸の下端に
突出した給油管4bから偏心軸4aの上端面まで給油孔
(図示せず)が穿設され、密閉容器の下部に溜っている
潤滑油を、各軸受部14a,14b,14cに送る構造
となっている。軸受部に送られた潤滑油は、軸受部の潤
滑に供された後、背圧室9に排出され、オルダム機構
部、両スクロールの鏡板外周部等の潤滑に供された後、
圧縮室8に送られて圧縮室内の潤滑やシールに供され、
冷媒ガスとともに吐出孔7から吐出室10aに排出され
る。吐出室10aに排出された潤滑油は冷媒ガスと共に
通路18a,18bを経て下部の電動機室10bに送ら
れ、冷媒ガスと分離されて密閉容器10の下部の油溜り
に溜めれる。
【0014】上記構造のスクロール圧縮機において、電
動機13に直結した主軸4が回転すと、偏心軸部4aに
より駆動されて旋回スクロール2は旋回運動を行う。こ
の旋回運動により圧縮室8は、順次中心部に移動すると
ともに容積が減少し、吸入孔6から吸込まれ圧縮室8に
閉じ込められたガスは次第に昇圧され、中央の吐出孔7
から吐出室10aに吐出される。この吐出された高温高
圧のガスは、通路18a,18bを介して下部の電動機
室10bへ流入し、次いで吐出管12から外部へ吐出さ
れる。
【0015】さて、本実施例においては、固定スクロー
ル1および旋回スクロール2のいずれか1方または双方
は、ニアネットシェイプ性に優れ、焼結の前後で寸法変
化が小さい精密焼結セラミックスにより作られている。
このセラミックスとして例えば、Al23 ,SiC,
TiN,Zrなどの無機化合物粒子を、Siの窒化生成
物であるSi34 で結合させることによって出来る反
応結合セラミックスが用いられている。
【0016】Al23 やSi34 ,SiCといった
通常の常圧焼結セラミックスでは、焼結時に15〜20
%も線収縮し、体積は半減する。このときの焼結の進み
方は、図3(a)に示すごとく、セラミックス同士が一
体化しながら緻密化が進行する。この焼結収縮の進み具
合にはセラミックス製造工程の殆ど全ての要因が影響す
る。したがって前記常圧焼結で焼結後の寸法精度を制御
する為には、原料粉の純度、粒度、成形体密度の均一
性、焼結時の温度分布などを厳しく管理する必要があ
る。しかし、これには自ら限界があり、焼結品の寸法精
度を0.1%以下に制御することは事実上不可能に近
い。
【0017】これに対して、反応結合精密セラミックス
は、図3(b)に模式的に示すごとく、セラミックス粒
子とSi粒子の混合粉体を窒素雰囲気中で加熱すること
により、Siを窒化してSi34 を生成させる。この
ときSi34 はセラミックス粒子間を結合すると同時
に、窒化時に23%体積膨張するため、圧粉体の空間を
埋めて緻密化する。Siの窒化反応では、気相反応を通
してSi34 が生成される。原料として加えたセラミ
ックス粒子の表面から反応生成物Si34 が生じ、こ
れがセラミックス粒子間を結合する。気相反応であるこ
とに加え、セラミックス粒子が3次元骨格を構成するこ
とで、焼結時の寸法変化が殆ど生じない。したがって、
セラミックスを焼成したままで、研削、仕上加工などの
加工工数を大巾に省略して、前記両スクロール部材を精
度良く作ることができる。
【0018】また本実施例によれば、圧縮室8を形成す
る両スクロール1,2の鏡板1a,2a及び渦巻状のラ
ップ1b,2bが、前記セラミックスにより作られてい
るため、熱膨張率が通常の鉄などの金属に比べ1/3程
度と小さく、圧縮熱による変形を防止し、適正な隙間の
管理が可能となる。
【0019】さらに、前記セラミックスは熱伝導率も低
く、内部に熱を伝え難いので、圧縮機構部に吸入された
ガスの加熱量が小さくなるので、比容積の増大も少な
く、単位時間に吸入されるガス量が多くなり、高い体積
効率が得られる。
【0020】一方、前記セラミックスは、焼結時に窒素
ガスなどの通路としての役割を果たすミクロンオーダの
開気孔(2〜30%の気孔率)を持つので、これに固体
潤滑剤や油を含浸させて摺動部の摩擦特性を良くするこ
とができる。本実施例では、軸受部を潤滑した後、背圧
室9に排出された潤滑油が、旋回スクロール外周部の摺
動部や、圧縮室内のラップ部分の摺動部に送られ、摺動
面に油が含浸され、油の保持性が大巾に向上するため、
摩擦係数が低下して動力損失が下り、高性能な圧縮機を
実現することができる。また、前記摺動面の耐焼付性も
著るしく向上して、信頼性の高い圧縮機を得ることがで
きる。
【0021】加うるに、該セラミックスの密度は、鉄系
材料の1/3程度と低い(すなわち軽い)ので、該セラ
ミックスからなる旋回スクロール2を用いると、旋回運
動により旋回スクロール2に発生する遠心力を小さくで
きる。したがって軸受部14aに作用する荷重も低くな
るので、圧縮機を駆動する電動機の駆動周波数を従来の
鉄系材料の旋回スクロールを使用した場合に比べ高くす
ることが可能となる。すなわち図4に示すこどく、旋回
スクロールに発生する遠心力は旋回スクロールの密度に
比例するので、荷重的に従来の圧縮機と同等になる周波
数まで最高駆動周波数を上げることが可能となる。
【0022】さらに図5に示す実施例では、自転防止材
であるオルダムリング5が前記セラミックスで形成され
ている。前述の旋回スクロール2と同様、図4に示すご
とく軽量になることによりオルダムリング5の往復動に
ともなう貫性力が低下し、キー/キー溝部の荷重が低下
するため、最高駆動周波数を高くすることが可能となる
ばかりでなく、耐焼付性、耐摩耗性が改善されるので、
圧縮機の信頼性や効率の向上に寄与する割合が大きい。
また、該セラミックスを、金型で成形し、成形体のワッ
クス分を除却した後、加熱処理して焼結体を得ることに
より、高い形状精度を維持でき、仕上加工を省略して加
工工数の大巾な低減も可能となる。
【0023】次に軸受部に前記セラミックスを用いた実
施例を述べる。図6は前記セラミックスを旋回スクロー
ル2のボス部2cの軸受14aおよびフレーム部の軸受
14bに用いた例を示す。いずれの場合も、環状の該セ
ラミックス製の軸受を、直接焼はめ、あるいはTi系材
料やAl系材料からなるインサート材(図示せず)を介
し金属製の母材に取り付けてある。
【0024】この場合においても、焼結体からなる軸受
の寸法精度を精度良く制御できるので、加工工数を大巾
に下げることができる。また、微細な開気孔を持つので
潤滑油が含浸され、摩擦係数が小さくなり、動力損失が
低下して、高性能な圧縮機を実現できる。さらに、過途
的な軸受部の油切れ、潤滑油不足などの際にも焼付、噛
りなどの現象を回避できる。動力損失による軸受部自体
の発熱が減少し、耐焼付性が向上するので、従来以上に
高い負荷で圧縮機を運転できるなど、高い信頼性を持っ
た圧縮機を実現できる。
【0025】図7は前記セラミックス製の固定スクロー
ル1をフレーム3と結合する方法の一実施例を示したも
のである。固定スクロール1は、締結ボルト用インサー
ト部材22(例えばCu系、Al系等の金属材料)を介
して、複数個の締結ボルト21によりフレーム3に固定
されている。スクロール圧縮機の運転温度範囲が広い場
合には、該セラミックス製固定スクロール1と、Fcな
どの金属材料からなるフレーム部材3の熱膨張の違いに
より微小な寸法差が生じる。この寸法差をインサート部
材22で吸収し、両部材に生じる歪応力を緩和すること
ができる。
【0026】図8は前記セラミックス製の固定スクロー
ル1の固定法に関する他の実施例を示す。固定スクロー
ル1は、十字形ばね板よりなる支持部材25を介してフ
レーム2に固定される。固定スクロール1の反ラップ側
には四つのL形突起1dにより十字形のガイド溝が形成
されており、該ガイド溝に支持部材25が嵌入され、支
持部材25の各外端部が、フレーム3に固定された締結
部材23にナット24等で固定される。フレーム3に対
する固定スクロール1の角度位置及び軸心からの位置
は、ガイド溝1dと支持部材25との嵌め合いにより拘
束されている。また軸方向については、支持部材25の
スプリング効果により固定スクロール1はフレーム3に
押圧されていると同時に、本実施例では固定スクロール
1の反ラップ側には吐出室10aが形成されて常に吐出
圧が付与されるため、固定スクロール1は圧縮室8との
差圧により運転時には常にフレーム3側に押圧され、固
定される。
【0027】図9、図10は固定スクロール1の固定法
に関する更に他の実施例を示す。図9に示す実施例では
支持部材25が中央部で複数個の割ピン26により固定
スクロール1に固定されている。セラミックスと金属と
の熱膨張差による歪を割ピンの弾性により緩和し、セラ
ミックスの割れ等の発生を回避することができる。また
図10では固定スクロール1の反ラップ側には支持部材
25が、直接、あるいはインサート材(例えばTi系、
Al系などの金属材料)を介して、接合されており、該
支持部材25が各外端部において締結ボルト23を介し
てフレーム3に固定されている。
【0028】図8〜図10の様な構造で固定スクロール
1をフレーム3に対して固定することにより、セラミッ
クスと金属部材との熱膨張の差による歪を支持部材25
で緩和し、セラミックス製のスクロール部材を使用する
ことが可能となる。また図8〜図10の実施例に示した
固定法を用いれば、圧縮室内に異常に高い圧力が生じた
場合(例えば液状の冷媒を吸入口から吸込んだ場合等)
には、固定スクロール1は支持部材25のばね力に抗し
て反ラップ方向に押し上げられ、ラップ間の軸方向隙間
を大きくしてガスを低圧側へ逃がし、過度の圧力上昇を
防ぐ。また異物を混入した場合などにも同様に反ラップ
方向に固定スクロール1が微動し、スクロール圧縮機の
損傷を回避するなど、信頼性を一段と向上させることが
可能となる。
【0029】図11は一部を前記セラミックスにより製
作した旋回スクロール2を示したものである。スクロー
ル部材のうち、渦巻状のラップ部分を含む一部122は
前記精密成形セラミックス製で、残りの部分は金属製部
材121からなり、両部材を接合して1体化している。
図12は同様に固定スクロール1を製作した例を示す。
111は前記精密成形セラミックス製の部分、112は
金属材製の部分を示す。これら実施例で、金属製部材は
実質的にセラミックス製スクロールの機械的強度を補強
する役目を担う。また、圧縮室を形成するラップ及び鏡
板部は、前記セラミックスにより構成されているので、
熱的影響を抑え、適正な隙間管理が可能となり、高い効
率を維持するとともに、前記と同様、高い信頼性と加工
工数の低減が可能となる。
【0030】なお、以上の各実施例においては、旋回式
のスクロール圧縮機である場合を示したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。すなわち本発明は、旋回
式のスクロール膨張機であっても、あるいは、互に偏心
して噛み合った1対のスクロールを一定の位相差にて同
一方向に同一回転速度で回転させることにより一方のス
クロールから見て相対的に他方のスクロールを自転なし
に旋回運動させる両回転型式のスクロール流体機械であ
っても、前記各実施例と同様の効果を奏する。さらに本
発明は、圧縮機や膨張機型のスクロール流体機械以外
に、ラップの巻数が少い移送型のスクロール流体機械
(液体用ポンプ等として用いられる)にも適用すること
ができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
クロール部材の全部あるいは一部を、ニアネットシェイ
プ性に優れ、かつ摺動特性の秀でたセラミックスにより
形成することにより、スクロール流体機械がおかれてい
る熱的環境や、それから受ける影響を抑え、体積効率が
高く、動力損失が小さい、高性能かつ信頼性の高いスク
ロール流体機械を、少ない加工工数で実現することがで
きる。更に、気孔に油を含浸させて、より信頼性を高め
られる。またオルダムリングや軸受を同様のキラミック
スで作ることにより、高い寸法精度を得、仕上加工の大
幅な省略が可能となり、且つ耐焼付性、耐摩耗性が向上
すると共に、オルダムリングの軽量化ひいては慣性力の
低下を図ることができる。さらには、前記セラミックス
で形成された固定スクロールを金属材料製のフレームに
締結する場合に、歪応力緩和のための締結ボルト用イン
サート部材を介して、もしくは弾性的に変形可能な支持
部材を介して固定スクロールをフレームに固定すること
により、セラミックスと金属との熱膨張差に因る歪を緩
和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスクロール圧縮機の断面
図、
【図2】従来のスクロール圧縮機の要部断面図、
【図3】本発明に用いるセラミックスと従来のセラミッ
クスの説明図、
【図4】材質の違いによる荷重の違いを示す概念図、
【図5】本発明の実施例におけるオルダムリングの斜視
図、
【図6】本発明の実施例における軸受部を示す断面図、
【図7】本発明の実施例における固定スクロールの固定
手段を示す断面図、
【図8】本発明の実施例における固定スクロールの他の
固定手段を示す断面図(図8a)と平面図(図8b)、
【図9】同じく更に他の固定手段を示す断面図(図9
a)と平面図(図9b)、
【図10】同じく更に別の固定手段を示す断面図(図1
0a)と平面図(図10b)、
【図11】本発明の他の実施例における旋回スクロール
の断面図、
【図12】本発明の他の実施例における固定スクロール
の断面図。
【符号の説明】
1:固定スクロール 2:旋回スク
ロール 3:フレーム 4:主軸 5:オルダムリング 6:吸入口 7:吐出口 10:密閉容器 13:電動機 14:軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01C 1/02 F04C 18/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板とこれに直立して形成された渦巻状
    のラップを有する固定スクロールと、固定スクロールを
    その鏡板外周部で複数個の締結ボルトにより締結支持す
    るようにしたフレームと、鏡板およびこれに直立して形
    成された渦巻状のラップを有し且つフレームと固定スク
    ロールとの間にて固定スクロールに対して互にラップを
    内側にして噛み合う様に配置された旋回スクロールと、
    を具備し、これらのスクロールを互に相対的に見て自転
    なしに旋回運動させる様に構成すると共に、固定スクロ
    ール又は両方のスクロールの全体、又はラップとそれに
    連なる鏡板のラップ側の部分焼結セラミックスからな
    ものとしたスクロール流体機械において、少なくとも前記固定スクロールの焼結セラミックスに
    は、ニアネットシエイプ性に優れ且つ摺動特性に優れた
    反応結合精密焼結セラミックスを用いるものとし、前記
    フレームには、金属材料を用いるものとして、前記固定
    スクロールの外周部が歪応力緩和のための締結ボルト用
    インサート部材を介して前記フレームに締結されている
    ことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】 鏡板とこれに直立して形成された渦巻状
    のラップを有する固定スクロールと、固定スクロール
    その鏡板外周部で複数個の締結ボルトにより締結支持す
    るようにしたフレームと、鏡板およびこれに直立して形
    成された渦巻状のラップを有し且つフレームと固定スク
    ロールとの間にて固定スクロールに対して互にラップを
    内側にして噛み合う様に配置された旋回スクロールと、
    を具備し、これらのスクロールを互に相対的に見て自転
    なしに旋回運動させる様に構成すると共に、固定スクロ
    ール又は両方のスクロールの全体、又はラップとそれに
    連なる鏡板のラップ側の部分焼結セラミックスからな
    ものとしたスクロール流体機械において、少なくとも前記固定スクロールの焼結セラミックスに
    は、ニアネットシエイプ性に優れ且つ摺動特性に優れた
    反応結合精密焼結セラミックスを用いるものとし、前記
    フレームには、金属材料を用いるものとして、前記固定
    スクロールは、フレームに対して固定スクロールの角度
    位置および軸心からの位置を拘束し且つ軸心方向には固
    定スクロールをフレームに対して弾力的に押圧する支持
    部材を介し てフレームに締結されている ことを特徴とす
    るスクロール流体機械。
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