JP3295058B2 - 発酵葡萄液及びその製造方法並びに発酵葡萄液添加酒 - Google Patents

発酵葡萄液及びその製造方法並びに発酵葡萄液添加酒

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な発酵葡萄液並び
にその利用手段である発酵葡萄液添加酒に係るものであ
る。
【0002】
【従来技術】通常の葡萄発酵は、周知のとおりワインで
実現している。そしてその製造工程は、果実を破砕して
発酵させ、発酵液を圧搾して更に後発酵を行ったり(赤
ワイン)、果実の圧搾液を発酵させて(白ワイン)いる
もので、発酵後適宜期間の熟成をおいてアルコール飲料
として提供されている。
【0003】また所謂日本酒(清酒)は、周知の通り米
澱粉を糖質に変え、糖質を発酵させてアルコールとした
飲料である。またアルコール、グルコース、水飴その他
のものを混合して清酒に似せた合成清酒も知られてお
り、特にこの合成清酒に風味改善手段としてワインを添
加混合することも知られている(特開昭59−3488
0号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、日本酒は、
出荷後酒屋の店頭に置かれて販売されているが、特に冷
蔵保存がなされていない状態での長期保存では、生酒は
勿論のこと火入れ処理した清酒でさえも数ヶ月で品質が
劣化する。そこで売れ残った日本酒は、蔵元に返品し、
再度濾過火入れ、調合を行って再度出荷する。このよう
に日本酒においては、瓶詰め後、常温保存を行うと、品
質低下が生ずるという問題がある。
【0005】また国内での葡萄栽培は、主として生食適
性を備えた品種が対象であり、ワイン専用品種の栽培
は、栽培適性を備えた地域での限られた範囲で栽培され
ているにすぎない。また生食適性を備え広く国内で栽培
されているマスカットベリーAは赤ワイン原料として採
用されている。しかし香りが高く食味の良いネオマスカ
ット種や、ナイヤガラ等を標準的な醸造方法に則って醸
造すると、独特の臭気が生じ、ワイン通にはあまり好ま
れない。
【0006】そこで本発明は、生食適性を備えた葡萄を
原料として、新規な醸造手段によって得た葡萄発酵液並
びに前記発酵葡萄液の応用手段を提案したものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明に係る発酵葡萄液は、糖
度20〜23度のマスカット・ベリーA等の生食適性を
備えた葡萄を、圧潰破砕せずに粒状態としたままで、天
然酵母を以て低温発酵させて、3〜5%の低アルコール
飲料としたものである。
【0008】また前記の低発酵葡萄液の製造方法は、糖
度20〜23度の有核マスカット・ベリーA等の生食適
性を有する原料葡萄を圧潰破砕せず粒状態としたまま
で、且つ野生酵母付着状態で、原料葡萄に対して天然酵
母を育成した予備発酵液を約4:1の重量比で加えて1
週間程度、12〜15℃での一次発酵を行った後、糖質
原料をを加えて7〜8℃の低温発酵を行い、更に7〜1
後再度の糖質原料の補充を行い15〜20日の低温
発酵を継続し、発酵処理後の上澄み液を得ることを特徴
とするものである。
【0009】また本発明に係る発酵葡萄液添加酒は、日
本酒に対して前記の発酵葡萄液を5〜30%添加して、
火入れ処理を施さないで、瓶詰めしてなることを特徴と
するものである。
【0010】従って生食適性を備えてなる葡萄を原料と
して、風味豊かな低アルコール飲料を得ることができ、
しかも日本酒に添加することで、日持ちの悪い日本酒を
使用して常温保存が可能な新規な酒を提供できたもので
ある。
【0011】
【実施の形態】次に本発明に係る発酵葡萄液の製造を、
その製造工程順に添って説明する。原材料として、無加
温ハウスかレインカット有機栽培の有核マスカット・ベ
リーAを、茎部分から粒をもぎ取った粒状態のものを使
用するもので、この葡萄粒A20kgを発酵槽Bに収納
して、全ての原料葡萄Aが浸漬されるように、予備発酵
液Cを5lを注ぎ入れて第一次発酵を行う。前記の一次
発酵は、仕込み温度を12〜15℃として、1週間程度
発酵させる。
【0012】尚前記の予備発酵液Cは、後述する一次発
酵終了液や発酵終了液を使用しても良いし、独自に培養
発酵させたものを使用しても良い。独自製出について説
明すると、原料葡萄を軽く水洗し、腐敗果や花かすを除
去し、半日程度陰干しを行い、容器内に収納して果粒を
軽く潰し、砂糖(原料比1%程度)をふりかけ、容器満
杯状態で密封して3〜4日攪拌せずに12〜15℃を保
ち、その後容器を移し替えて1日2回の攪拌を行いなが
ら12〜15℃で7〜10間発酵させる。この発酵液を
発酵元(予備発酵液)として使用する。
【0013】次に割水を1lとして、砂糖1kgを溶か
した補足糖質原料(砂糖液D)を、発酵槽Bに補充し、
7〜10日程度、7〜8℃を保ちながらの低温発酵を行
う。更に前記低温発酵後に、割水5lに蜂蜜500gを
溶かした補足糖質原料(蜂蜜液E)を発酵槽Bに補充す
る。そして15〜20日間に低温発酵を継続させ、アル
コール分が3〜5%程度となったら、発酵槽Bによる発
酵処理を終了する。なお仕込み当初から、発酵対象液の
上層に浮かび上がる果皮果肉は、下に沈めるように日に
2回の緩やかな攪拌を行う。
【0014】前記の発酵処理終了後に、果肉や果皮を圧
搾することなく、果肉が溶解して袋状となった果皮等の
浮遊物G、並びに種その他の沈殿物Hを、取り除いた
(中間部分の液を排出したり或いは吸引する他、浮遊物
をざる等で偏らせて露出した清浄面からの汲み取りなど
の手段による)上澄み液を取り出して、低発酵葡萄液E
を得るものである。前記工程で得た発酵葡萄液の成分の
一例は表1のとおりである。
【0015】
【表1】
【0016】前記低発酵葡萄液Eは、炭酸を含有して、
充分な甘み、香りを備え、そのまま(ストレート)或い
は氷で割って(ロック)、飲料として供することができ
る。
【0017】次に本発明は、前記発酵葡萄液を日本酒に
添加したものであり、実験例として採用した日本酒の成
分は表2のとおりである。
【0018】
【表2】
【0019】表2記載の全体が300mlとなるように
清酒に各々、前記の発酵葡萄液15,30,60,90
mlを添加した各10本合計40本のサンプルを用意
し、コルク栓を施して常温貯蔵を行った。その結果いず
れも3カ月後、6カ月後、1年後において、変質腐敗が
認められなかった。
【0020】同様に生酒に添加して300mlとした発
酵葡萄液の各量の添加した実験例でも同様であった。但
し清酒と異なり、澱が多い。
【0021】更に前記の低発酵葡萄液の原料として中国
産「ニューナイ」を使用した発酵液を日本酒に添加して
製出したアルコール飲料についても、同様の日持ち機能
が確認できた。
【0022】清酒に前記の発酵葡萄液を添加し、6カ月
熟成させた酒の食味は、表3に示すとおりで、日本酒の
風味は消され、従前に無い新規な風味であった。更に発
酵葡萄液添加量30%の6ヶ月放置した後の成分は表4
のとおりである。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、糖度20〜23
度のマスカット・ベリーA等の生食適性を備えた葡萄
を、圧潰破砕せずに粒状態としたままで、天然酵母を以
て低温発酵させて、3〜5%の低アルコール飲料とした
発酵葡萄液及びその製造方法であり、また前記発酵葡萄
液を、日本酒に対して5〜30%添加して、火入れ処理
を施さないで、瓶詰めしてなる発酵葡萄液添加酒であ
り、新規な風味豊かなアルコール飲料を提供すると共
に、日持ちの悪い日本酒をそのまま原材料として、日持
ちの良い新規な風味の酒を提供できたものである。しか
も発酵葡萄液原料の仕込み時期と日本酒の仕込み時期が
同一時期であるので、発酵温度管理等が容易となり、そ
の製造は効率的に実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低発酵葡萄液の製造工程の説明図。
【符号の説明】
A 葡萄粒 B 発酵槽 C 予備発酵液 D 砂糖液 E 蜂蜜液 F 発酵葡萄液 G 浮遊物 H 沈殿物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖度20〜23度のマスカット・ベリー
    A等の生食適性を備えた葡萄を、圧潰破砕せずに粒状態
    としたままで、天然酵母を以て低温発酵させて、アルコ
    ール分3〜5%の低アルコール飲料とした発酵葡萄液。
  2. 【請求項2】 糖度20〜23度の有核マスカット・ベ
    リーA等の生食適性を有する原料葡萄を圧潰破砕せず粒
    状態としたままで、且つ野生酵母付着状態で、原料葡萄
    に対して天然酵母を育成した予備発酵液を約4:1の重
    量比で加えて1週間程度、12〜15℃での一次発酵を
    行った後、糖質原料を加えて7〜8℃の低温発酵を行
    い、更に7〜10日後再度の糖質原料の補充を行い、1
    5〜20日の低温発酵を継続してアルコール分3〜5%
    し、発酵処理後の上澄み液を得ることを特徴とする発
    酵葡萄液の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の発酵葡萄液又は請求項2記
    載の製造方法で得た発酵葡萄液を、日本酒に対して5〜
    30%添加し、火入れ処理を施さないで、瓶詰めしてな
    ることを特徴とする発酵葡萄液添加酒。
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