JP3293045B2 - 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法 - Google Patents

鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法

Info

Publication number
JP3293045B2
JP3293045B2 JP34094192A JP34094192A JP3293045B2 JP 3293045 B2 JP3293045 B2 JP 3293045B2 JP 34094192 A JP34094192 A JP 34094192A JP 34094192 A JP34094192 A JP 34094192A JP 3293045 B2 JP3293045 B2 JP 3293045B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage tank
concrete
steel
roof
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34094192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06207478A (ja
Inventor
宏治 石井
正則 玉田
勇 奥積
和田  晃
Original Assignee
株式会社石井鐵工所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社石井鐵工所 filed Critical 株式会社石井鐵工所
Priority to JP34094192A priority Critical patent/JP3293045B2/ja
Publication of JPH06207478A publication Critical patent/JPH06207478A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3293045B2 publication Critical patent/JP3293045B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液体や低温液化ガ
ス、粉体、粒状物等を貯蔵する貯槽に関し、詳しくは、
底壁と側壁よりなる貯槽本体の、その側壁上部を少なく
とも鋼板で形成し、屋根をコンクリート構造体で形成し
た複合構造の貯槽に関し、また、コンクリート構造体の
屋根を空気圧を加えた可撓膜体を用いて形成する複合構
造貯槽の構築法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鋼製貯槽は、例えば図5に示すよ
うに、底壁202と側壁203からなる有底円筒状の貯
槽本体201上部に、その貯槽本体201上部を覆う屋
根板207と屋根骨206からなるドーム状屋根205
を取付けて形成し、全て鋼製の鋼構造体で形成してい
た。また、従来のコンクリート製貯槽は、例えば図6に
示すように、底壁212と側壁213からなる有底円筒
状の貯槽本体211上部に、そのその貯槽本体211上
部を覆うドーム状屋根215を取付けて形成し、全てコ
ンクリート製のコンクリート構造体で形成していた。
【0003】また、空気圧を加えた可撓膜体を用いてコ
ンクリート構造体の屋根を形成する構築法は、例えば、
貯槽等構造物上部を被覆する可撓膜体周縁の取付部をコ
ンクリート製側壁上端のアンカーボルト等の取付部に気
密に固定し、この可撓膜体を下から空気圧で張設しその
膜体上にコンクリートを打設して、ドーム状コンクリー
ト構造体の屋根を形成する構築法が、特開平4−111
872号公報や特開平4−202976号公報に本願出
願人等の発明として紹介されている。
【0004】これら発明の従来技術は、コンクリート製
側壁内の鉄筋と接続して側壁の上端より突出した埋込み
アンカーボルトに可撓膜体周縁の取付部の取付孔を嵌合
してナットで固定したり、可撓膜体周縁の取付部を直接
側壁のコンクリート構造体へ埋設して固定したり等の固
定手段を用いて可撓膜体を側壁上部に取付け、空気圧で
張設した可撓膜体の上面全面に側壁内上部の鉄筋と接続
した鉄筋等の補強材を配設後コンクリートを打設して、
コンクリート構造体の屋根を形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の鋼製貯槽は、貯
槽本体はもとより、屋根も全て高強度の鋼を用いて鋼構
造体に形成しているために貯槽全体は比較的軽く、例え
ば、貯蔵液が空の時に貯槽周囲に雨水等が滞留すると、
その水に貯槽全体が浮かんでしまう問題があり、また、
貯槽高さに比べて直径が大きい貯槽内部に圧力が加わる
と、その圧力によって貯槽下部外周縁が浮き上がってし
まうアップリフト発生の問題等があった。
【0006】また、従来のコンクリート製貯槽は、コン
クリート構造体の重い屋根が引張力に弱いコンクリート
構造体の側壁上部を水平に押し拡げようと作用するため
に側壁と屋根の接合部にひび割れを生じさせ易く、ま
た、コンクリート構造体の側壁がコンクリート強度を発
現するまでは屋根の構築作業に着手できない手待ちの問
題や、側壁と屋根のコンクリート打継ぎ部にひび割れや
結合不良の問題を生じ易く、その結果、側壁と屋根の接
合部における気密性や液密性が不完全になってしまう問
題等があった。
【0007】また、特開平4−111872号公報や特
開平4−202976号公報に紹介された屋根の構築法
は、可撓膜体の固定手段として埋込みアンカーボルトを
用いるものでは、コンクリート構造体の側壁上端全周に
沢山の埋込みアンカーボルトを定められたピッチをもっ
て植設する作業が大変な上に、植設した埋込みアンカー
ボルトへ可撓膜体取付部の取付孔を嵌合させる作業に手
間がかかり、また、可撓膜体周縁の取付部を直接側壁の
コンクリート構造体へ埋設固定するものでは、埋設固定
するコンクリート構造体の強度発現まで可撓膜体の取付
部が動かないように固定して養生する作業が大変であ
り、いずれの可撓膜体取付け作業も容易ではなく、ま
た、空気圧で張設した可撓膜体の上面全面に配設する鉄
筋等の補強材と側壁内上部の鉄筋を接続する作業も、位
置合わせをして接続する作業が繁雑であった。
【0008】この発明は上述の課題に鑑みてなされたも
ので、鋼製貯槽の持つ利点とコンクリート製貯槽の持つ
利点を組合わせ、総体的に耐久性と施工性が良く、経済
的に優れた貯槽となるように、鋼構造とコンクリート構
造を複合して形成した貯槽と、その貯槽の構築法とし
て、コンクリート構造体の屋根を空気圧を加えた可撓膜
体を用いて形成する、鋼板とコンクリート体の複合構造
貯槽の構築法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の鋼板とコンク
リート体の複合構造貯槽は、底壁と側壁よりなる貯槽本
体の少なくとも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコ
ンクリート構造体で形成してなる、鋼板とコンクリート
の複合構造貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状
平板の少なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼
製水平リングを形成し、該鋼製水平リングに上記コンク
リート構造体の屋根を接続したものである。
【0010】また、底壁と側壁よりなる貯槽本体の少な
くとも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコンクリー
ト構造体で形成してなる、鋼板とコンクリートの複合構
造貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状平板の少
なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リ
ングを形成し、該鋼製水平リングの内側端縁に貯槽本体
上部を被覆する可撓膜体の周縁を固定し、該可撓膜体の
外面に上記鋼製水平リングと接続する上記コンクリート
構造体の屋根を形成した鋼板とコンクリート体の複合構
造貯槽である。
【0011】また、底壁と側壁よりなる貯槽本体の少な
くとも側壁上部を鋼板で形成し、該鋼板の側壁上部に環
状平板の少なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の
鋼製水平リングを形成し、該鋼製水平リングに設けた膜
体取付部に貯槽本体上部を被覆する可撓膜体を取付け、
該可撓膜体の内面の貯槽本体内部に空気圧を加え、該空
気圧を加えた可撓膜体の外面に上記鋼製水平リングと接
続するコンクリート構造体の屋根を構築する鋼板とコン
クリート体の複合構造貯槽の構築法である。
【0012】
【作用】貯槽本体の少なくとも側壁上部を鋼板で形成し
てなる、鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽の側壁上
部に、環状平板の少なくとも外側端縁を上方に折り曲げ
た形状の鋼製水平リングを形成し、該鋼製水平リングに
上記コンクリート構造体の屋根を接続した鋼板とコンク
リート体の複合構造貯槽は、重いコンクリート構造体の
屋根が鋼製の貯槽本体を上からしっかり抑えつけるた
め、貯槽の周囲に雨水等が滞留しても、浮力を受けて貯
槽が浮き上がることなく、また、貯槽の内部に圧力が加
わっても、貯槽下部の外周縁がアップリフトすることも
ない。また、重いコンクリート構造体の屋根を側壁上に
取付けても、高強度の鋼製水平リングを介して屋根を鋼
板製の側壁上部に接続するために、重い屋根が側壁上部
を水平外側に押し拡げようとするスラスト力を鋼製水平
リングが抑えることができる。更に、側壁と水平リング
は強固な同種金属結合なので、コンクリート製貯槽のよ
うに重い屋根が側壁と屋根の接合部にひび割れを生じさ
せず、水平リングが側壁と屋根を強固に気密及び液密に
接合し、その屋根の構築においても、側壁のコンクリー
ト構造体の強度発現を待つ必要がなく、鋼製の側壁形成
後すぐにも屋根の構築作業に着手できる。
【0013】また、貯槽本体の少なくとも側壁上部を鋼
板で形成してなる、鋼板とコンクリート体の複合構造貯
槽の側壁上部に、環状平板の少なくとも外側端縁を上方
に折り曲げた形状の鋼製水平リングを形成し、該鋼製水
平リングの内側端縁に貯槽本体上部を被覆する可撓膜体
の周縁を固定し、該可撓膜体の外面に上記鋼製水平リン
グと接続するコンクリート構造体の屋根を形成した鋼板
とコンクリート体の複合構造貯槽は、可撓膜体がコンク
リート構造体で形成した屋根の雨水侵入や貯液ベーパー
漏出を遮断することはもとより、可撓膜体は鋼製水平リ
ングの内側端縁に気密及び液密に接続でき、かつ、シー
ル性のある鋼製の側壁及び底壁とも一連に接続して、貯
槽全体のシール層として機能するため、屋根と側壁の結
合部のみならず、貯槽全体の気密性及び液密性を向上さ
せることができる。
【0014】更に、貯槽本体の少なくとも側壁上部を鋼
板で形成し、該鋼板の側壁上部に環状平板の少なくとも
外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リングを形
成し、該鋼製水平リングに設けた膜体取付部に貯槽本体
上部を被覆する可撓膜体を取付け、該可撓膜体の内面の
貯槽本体内部に空気圧を加え、該空気圧を加えた可撓膜
体の外面に上記鋼製水平リングと接続するコンクリート
構造体の屋根を構築する鋼板とコンクリート体の複合構
造貯槽の構築法は、空気圧を加えた可撓膜体を型枠や足
場として利用できることはもとより、例えば、鋼製水平
リング膜体取付部のアンカーボルト植設を、コンクリー
ト製貯槽のように側壁内の鉄筋に配慮する必要もなく簡
単に作業をすることができ、また、可撓膜体水平リング
取付部の取付孔に合わせて鋼製水平リングに直接アンカ
ーボルトをスタッド溶接などで後から植設すること等も
できるので、いずれも固定手段において、可撓膜体の取
付け作業が容易であるばかりか、コンクリート構造体の
屋根に配設される鉄筋等の補強材も、コンクリート製貯
槽のように側壁内の鉄筋を意識して位置合わせをする必
要もなく鋼製水平リングに結合することができるので、
その作業もきわめて容易である。また、鋼製水平リング
は外側端縁を上方に折り曲げた形状にしているので、屋
根形成のために打設するコンクリートをせき止めて落下
防止用の型枠としても利用できる。
【0015】
【実施例】図面により実施例を説明する。図1は、この
発明に係る鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽の一実
施例を示す側断面説明図であり、図2は、その貯槽の屋
根を形成する構築法を示す側断面説明図である。まず、
図中1は円盤状の底壁2と円筒状の側壁3からなる貯槽
本体であり、鋼板や形鋼等を用いて貯蔵に適した液密や
気密の鋼構造体に形成する。その貯槽本体1の側壁3上
部には、環状平板の端縁を上方に折り曲げて樋状に補強
した水平リング4を形鋼や鋼板等で形成して取付けてお
り、貯槽本体1上部を被覆するコンクリート構造体のド
ーム状屋根5が水平リング4に接続して、鋼板とコンク
リート体の複合構造貯槽に全体を形成している。
【0016】このように形成した複合構造貯槽は、鋼製
水平リング4によってコンクリート構造体の屋根5を鋼
板製の側壁3上部に強固に接続して支え、かつ側壁3上
部を水平外側に押し拡げようとするトラスト力を抑える
ことができるため、側壁3と屋根5の接合部にひび割れ
が生じることのない耐久性に優れた貯槽とすることがで
きる。また、重いコンクリート構造体の屋根5が鋼製の
貯槽本体1を上からしっかり抑えつけるため、貯槽の周
囲に雨水等が滞留しても貯槽は水に浮くことなく安全
で、また貯槽の内部に圧力が加わっても貯槽下部の外周
縁がアップリフトすることなく安全である。また、貯槽
近隣に火災が発生しても、コンクリート構造体の屋根5
が耐火構造体として機能するため、貯槽を火災から守る
ことができる。
【0017】また、このコンクリート構造体の屋根5
は、貯槽本体1側壁3上部の水平リング4に形成した膜
体取付部(図示省略)と貯槽本体1上部を被覆する可撓
膜体9の周縁に形成した水平リング取付部(図示省略)
とを接合して、水平リング4に可撓膜体9を気密に取付
け、その可撓膜体9を取付けた貯槽本体1内部に送風設
備10より空気を送り、コンクリート構造体の屋根5の
形成に必要な空気圧力を加えて可撓膜体9をドーム状に
膨らませ、その膨らんだ可撓膜体9の上面全面に端部を
水平リング4と結合した鉄筋等の補強材6を配設し、膨
らんだ可撓膜体9を型枠にしてコンクリートを打設し、
コンクリート構造体の屋根5に形成する。
【0018】このように形成するコンクリート構造体の
屋根5は、既設の屋根のないオープントップ式鋼製貯槽
にも水平リング4を取付けて容易に屋根を取付けること
ができ、既設鋼製貯槽の屋根の改修にも利用することが
できる。なお、コンクリート構造体の屋根5の構築に用
いた可撓膜体9は、気密で高張力の布や金属膜等で形成
する。この可撓膜体9は、屋根5の構築後には取り外し
て他の工事に転用してもよいが、そのまま取付けておい
て恒久的な雨水侵入防止層や貯液ベーパー漏出防止層と
して利用する。
【0019】水平リング4は、図示において、環状平板
の内外両端を上方に折り曲げて樋状に形成しているが、
重い屋根5からのスラスト力を受けることができるとと
もに、可撓膜体9や補強材6の取付けが便利で、打設コ
ンクリートの落下防止ができるように形成すればよく、
外端を上方に折り曲げて内端を水平のまま、又は、外端
を上方に折り曲げるとともに内端を下方に折り曲げた形
状等に形成する。
【0020】また、詳細図を省略はしたが、水平リング
4に形成する膜体取付部は、可撓膜体9の周縁に形成し
た水平リング取付部と気密な接合ができるように、例え
ば、可撓膜体9の水平リング取付部の取付孔ピッチに合
わせて水平リング4の全周にわたって予め溶接でボルト
を取り付けて形成するか、若しくは、可撓膜体9を水平
リング4に当接して可撓膜体9の水平リング取付部の取
付孔に合わせて直接水平リング4にボルトを取付けて形
成するか、または、係合片や係合用の開口孔を設ける等
して形成する。
【0021】更に、図示省略したが、可撓膜体9の周縁
に形成する水平リング取付部は、上記水平リング4に形
成した膜体取付部と気密に接合できるように、隔接ピッ
チをもった取付孔や係合片等を設けることによって水平
リング取付部とする。上述のように水平リング4の膜体
取付部と可撓膜体9の水平リング取付部を形成しておい
て、例えば、水平リング4の膜体取付部のボルトに可撓
膜体9の水平リング取付部の取付孔を嵌合わせるととも
に、シール材等を咬ましてナットで抑えて、膜体取付部
と水平リング取付部は気密に接合される。
【0022】なお、水平リング4は、現場でも製作施工
することができるが、工場であらかじめ膜体取付部ごと
プレハブ・ユニット化しておいて、現場で組立溶接すれ
ば、現場で膜体取付部等の寸法出しや寸法合わせ等をす
る必要がないので、組立精度も良くなり、現場での組立
て施工も容易となる。
【0023】また、コンクリート構造体の屋根5の中に
配設される鉄筋等の補強材6の端部は、詳細図を省略し
たが、鋼製水平リング4の上面に直接溶接で固定した
り、係合材等を介した結合等で結合し、側壁3と水平リ
ング4及び屋根5を結合力の強い一体の構造体貯槽とな
るように形成する。なお、必要に応じて、水平リング4
を支える支持材7を水平リング4の下部に形成したり、
側壁3の座屈防止に補強リング8を側壁3の内面や外面
に巻付けて形成する。
【0024】図3及び図4は、この発明に係る第2、第
3の実施例を示す鋼板とコンクリートの複合構造貯槽で
ある。図3において、101は、コンクリート構造体の
底壁102と鋼板製の側壁103からなる貯槽本体であ
り、104は鋼製水平リング、105はコンクリート構
造体の屋根である。図3の第2の実施例では、底壁10
2の腐食の問題がなく、又、底部を安定させて強固にな
るように、底壁102をコンクリート構造体で形成して
いる。
【0025】また、図4において、111は、コンクリ
ート構造体の底壁112と地上部分を鋼板製とし地中部
分をコンクリート構造体とした側壁113からなる貯槽
本体であり、114は鋼製水平リング、115はコンク
リート構造体の屋根である。図4の第3の実施例では、
安定性が良く、地震や風に強く、また、貯蔵液圧や土圧
に強く、耐久性、耐食性が良くなるように、貯槽本体1
11地中部分の側壁をコンクリート構造体に形成し、貯
槽全体を半地下式に形成している。
【0026】
【発明の効果】この発明に係る鋼板とコンクリート体の
複合構造貯槽は、底壁と側壁よりなる貯槽本体の少なく
とも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコンクリート
構造体で形成してなる、鋼板とコンクリートの複合構造
貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状平板の少な
くとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リン
グを形成し、該鋼製水平リングに上記コンクリート構造
体の屋根を接続したので、環状平板の端縁を折り曲げて
形成した高強度の鋼製水平リングを介して、耐火構造の
重いコンクリート構造体の屋根を鋼板製の側壁上部に強
固に接続して支承し、かつ側壁上部を外側に押し拡げよ
うとするスラスト力を上記鋼製水平リングにて抑えるこ
とができ、側壁と屋根の接合部にひび割れが生じること
のない耐久性に優れた貯槽とすることができる。また重
いコンクリート構造体の屋根が鋼製の貯槽本体を上から
しっかり抑えつけるため、貯槽の周囲に雨水等が滞留し
ても貯槽は水に浮くことなく安全で、また、貯槽の内部
に圧力が加わっても貯槽下部の外周縁がアップリフトす
ることなく安全であり、このような異常時にも安全な貯
槽にすることができるとともに、そのコンクリート構造
体の屋根の構築作業も手待ちがなくスムーズにできて、
貯槽の構築工期を短縮することができる。
【0027】また、底壁と側壁よりなる貯槽本体の少な
くとも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコンクリー
ト構造体で形成してなる、鋼板とコンクリートの複合構
造貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状平板の少
なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リ
ングを形成し、該鋼製水平リングの内側端縁に貯槽本体
上部を被覆する可撓膜体の周縁を固定し、該可撓膜体の
外面に上記鋼製水平リングと接続する上記コンクリート
構造体の屋根を形成した鋼板とコンクリート体の複合構
造貯槽にあっては、可撓膜体がコンクリート構造体で形
成した屋根の雨水侵入や貯液ベーパー漏出を遮断できる
ことはもとより、可撓膜体は鋼製水平リングの内側端縁
に気密及び液密に接続でき、コンクリートは外側端縁を
上方に折り曲げた形状の鋼製水平リングに気密及び液密
に接続し支承することができ、かつ、シール性のある鋼
製の側壁及び底壁とも一連に接続して、貯槽全体のシー
ル層として機能するため、屋根と側壁の結合部のみなら
ず、貯槽全体が気密性及び液密性に優れた安全で機能性
の高い貯槽にすることができる。
【0028】更に、底壁と側壁よりなる貯槽本体の少な
くとも側壁上部を鋼板で形成し、該鋼板の側壁上部に環
状平板の少なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の
鋼製水平リングを形成し、該鋼製水平リングに設けた膜
体取付部に貯槽本体上部を被覆する可撓膜体を取付け、
該可撓膜体の内面の貯槽本体内部に空気圧を加え、該空
気圧を加えた可撓膜体の外面に上記鋼製水平リングと接
続するコンクリート構造体の屋根を構築する鋼板とコン
クリート体の複合構造貯槽の構築法は、空気圧を加えた
可撓膜体を型枠や足場として利用できるので安全な構築
法であって、仮設費用を大幅に低減できることはもとよ
り、環状平板の鋼製水平リングの膜体取付部の形成が容
易であるとともに、鋼製水平リングの膜体取付部と可撓
膜体の水平リング取付部との接合は、予め地上にて位置
合わせし仮接合しておいてから貯槽上部にて気密に固定
することができる等、その接合作業がきわめて容易にで
きるばかりか、コンクリート構造体の屋根に配設される
鉄筋等の補強材取付け作業も鋼製水平リングへ溶接等に
よって固着するため取付作業が容易にでき、またコンク
リート構造体の屋根に打設されるコンクリートの打設作
業も外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リング
によってせき止められて落下防止用の型枠として利用で
きるため、施工性がよく、貯槽の構築工期を短縮でき
て、経済的に貯槽を構築することができる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る鋼板とコンクリート体の複
合構造貯槽の一実施例を示す側断面説明図。
【図2】 この発明に係る複合構造貯槽の屋根を構築
する構築法を示す側断面説明図である。
【図3】 この発明に係る第2の実施例を示す複合構
造貯槽の側断面説明図。
【図4】 この発明に係る第3の実施例を示す複合構
造貯槽の側断面説明図。
【図5】 従来の鋼製貯槽の側断面説明図。
【図6】 従来のコンクリート製貯槽の側断面説明
図。
【符号の説明】
1,101,111,201,211 貯槽本体 2,102,112,202,212 底壁 3,103,113,203,213 側壁 4,104,114 水平リング 5,105,115,205,215 屋根 6 補強材 7 支持材 8 補強リング 9 可撓膜体 10 送風設備 206 屋根骨 207 屋根板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−55365(JP,A) 実開 昭59−56497(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 7/18 302 B65D 88/02 B65D 90/02 E04G 11/04 F17C 3/00 - 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底壁と側壁よりなる貯槽本体の少なく
    とも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコンクリート
    構造体で形成してなる、鋼板とコンクリートの複合構造
    貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状平板の少な
    くとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リン
    グを形成し、該鋼製水平リングに上記コンクリート構造
    体の屋根を接続したことを特徴とする鋼板とコンクリー
    ト体の複合構造貯槽。
  2. 【請求項2】 底壁と側壁よりなる貯槽本体の少なく
    とも側壁上部を鋼板で形成し、かつ屋根をコンクリート
    構造体で形成してなる、鋼板とコンクリートの複合構造
    貯槽であって、上記鋼板の側壁上部に、環状平板の少な
    くとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の鋼製水平リン
    グを形成し、該鋼製水平リングの内側端縁に貯槽本体上
    部を被覆する可撓膜体の周縁を固定し、該可撓膜体の外
    面に上記鋼製水平リングと接続する上記コンクリート構
    造体の屋根を形成したことを特徴とする鋼板とコンクリ
    ート体の複合構造貯槽。
  3. 【請求項3】 底壁と側壁よりなる貯槽本体の少なく
    とも側壁上部を鋼板で形成し、該鋼板の側壁上部に環状
    平板の少なくとも外側端縁を上方に折り曲げた形状の
    製水平リングを形成し、該鋼製水平リングに設けた膜体
    取付部貯槽本体上部を被覆する可撓膜体を取付け、該
    可撓膜体の内面の貯槽本体内部に空気圧を加え、該空気
    圧を加えた可撓膜体の外面に上記鋼製水平リングと接続
    するコンクリート構造体の屋根を構築することを特徴と
    る鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽の構築法。
JP34094192A 1992-11-30 1992-11-30 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法 Expired - Fee Related JP3293045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34094192A JP3293045B2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34094192A JP3293045B2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06207478A JPH06207478A (ja) 1994-07-26
JP3293045B2 true JP3293045B2 (ja) 2002-06-17

Family

ID=18341712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34094192A Expired - Fee Related JP3293045B2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3293045B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105083796A (zh) * 2015-07-01 2015-11-25 太仓市顺邦防腐设备有限公司 聚丙烯卧式贮罐
CN105253478A (zh) * 2014-07-18 2016-01-20 徐琴玉 一种耐腐蚀的卧式储藏罐
US9943861B2 (en) 2009-10-29 2018-04-17 Alfa Laval Corporate Ab Centrifugal separator with a control unit for speed control

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103643834B (zh) * 2013-12-12 2017-01-25 中国电力工程顾问集团华东电力设计院有限公司 一种储灰圆形筒仓
CN105350805B (zh) * 2015-11-04 2017-06-30 兰州理工大学 混凝土矩形贮液结构防止液体晃动的方法
KR101876424B1 (ko) * 2018-03-08 2018-07-10 주식회사 세연사 지주구조물용 프리캐스트 연결구조체 및 그 시공방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9943861B2 (en) 2009-10-29 2018-04-17 Alfa Laval Corporate Ab Centrifugal separator with a control unit for speed control
CN105253478A (zh) * 2014-07-18 2016-01-20 徐琴玉 一种耐腐蚀的卧式储藏罐
CN105083796A (zh) * 2015-07-01 2015-11-25 太仓市顺邦防腐设备有限公司 聚丙烯卧式贮罐

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06207478A (ja) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4698491B2 (ja) 水中構造物の仮締切工法及び構造
AU2013342824B2 (en) Method for constructing cylindrical tank
US8020721B2 (en) Tank for storing cryogenic fluids and method for constructing a fluid tight tank
JP3293045B2 (ja) 鋼板とコンクリート体の複合構造貯槽とその構築法
AU624381B2 (en) Joining of a concrete element to a support
JPS6092565A (ja) 複合迫高カバ−
JP3888174B2 (ja) 仮締切工法
JPH0726568A (ja) 鉄骨柱、杭および基礎梁の接合構造
JP3376478B2 (ja) コンクリート製ドーム屋根の構築法に使用する膜体構造
JP4757590B2 (ja) 鉄筋コンクリート造既存建物の耐震補強工法
JP2608474B2 (ja) コンクリート製屋根及びその構築法
JP3480915B2 (ja) タンク
JP2006348480A (ja) 建築物及び建築物形成方法
JPH1113140A (ja) 複合構造建築物における仕口構造
KR102558424B1 (ko) Rc 기둥과 코핑의 접합 연결구 및 그 시공방법
JPH06280420A (ja) 複合構造貯槽
JP2852707B2 (ja) 地下構築物
JPH08291636A (ja) 組立式プールおよびその施工方法
JP2538759B2 (ja) 地下室および地下室の構築方法
JPH0342105Y2 (ja)
JP3239249B2 (ja) 鋼製屋根施工法とその施工に使用する部材
WO1998031898A1 (en) Construction of liquid retaining structures
JPH06108697A (ja) コンクリート製ドーム屋根における空気膜の取付構造
JP2001048289A (ja) 貯 槽
JPS5827386B2 (ja) 気密サイロの築造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080405

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120405

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees