JP3480915B2 - タンク - Google Patents

タンク

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JP3480915B2
JP3480915B2 JP20633099A JP20633099A JP3480915B2 JP 3480915 B2 JP3480915 B2 JP 3480915B2 JP 20633099 A JP20633099 A JP 20633099A JP 20633099 A JP20633099 A JP 20633099A JP 3480915 B2 JP3480915 B2 JP 3480915B2
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幸郎 武富
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貯蔵空間を有す
る筒状のタンク本体部の頂部に、屋根構造体が架設され
たタンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は従来のプレストレストコンクリ
ート造タンク(以下、「PCタンク」と言う。)の一例
を示す縦断面図、図18は図17に示したタンクの特徴
の説明図である。図17または図18において、タンク
101は、タンク本体部102と、このタンク本体部1
02の頂部に架設された屋根部(屋根本体部)105
と、タンク本体部102の頂部から外側に向かって所要
の長さで張り出して周設された点検用通路を構成する片
持ちスラブ106と、この片持ちスラブ106の外側周
縁に周回して設けられた落下防止柵(手摺り)107と
で構成されている。
【0003】そして、タンク本体部102は、円形の底
版103と、この底版103の周縁に立設された所要の
厚さを有する平面視円環状に形成された円筒状の側壁1
04とで、内部に内容物としての水道水Aを貯蔵する貯
蔵空間Sを有するように構成されている。なお、側壁1
04は、プレストレストコンクリート造(以下、「PC
造」と言う。)で構成され、コンクリート中に縦方向お
よび横方向にPC鋼材が配設されている。そして、屋根
部105は、タンク本体部2と一体化した鉄筋コンクリ
ート造(以下、「RC造」と言う。)の屋根板体(スラ
ブ)をドーム状に形成したドーム状屋根である。
【0004】図19は従来のドーム状屋根を備えたタン
クの他の例を示す縦断面図である。図19において、タ
ンク111は、タンク本体部112と、このタンク本体
部112の頂部に架設された屋根部115とで構成され
ている。そして、タンク本体部112は、円形の底版1
13と、この底版113の周縁に立設された所要の厚さ
を有する平面視円環状に形成された円筒状の側壁114
とで、内部に内容物としての水道水Aを貯蔵する貯蔵空
間Sを有するように構成されている。
【0005】また、屋根部115は、屋根周縁部を形成
する張り出し屋根部116と、屋根中心部を形成する屋
根本体部117とを組み合わせてドーム状屋根を構成し
ている。この張り出し屋根部116と屋根本体部117
とは、鉛直断面内で一定の曲率半径を有している。な
お、張り出し屋根部116は、側壁114の頂部から内
部方向に一体的に張り出されたRC造の屋根板体として
形成され、屋根本体部117は、鋼製材料の骨組、屋根
面材からなり、屋根全体は、RC造と鋼製の骨組とを組
み合わせた複合構造(ハイブリット)である。このよう
なドーム状屋根を備えたタンクは、例えば特許第268
9860号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図17および図18に
示したPCタンクの屋根部105は、RC造の屋根板体
(スラブ)をドーム状に形成している特徴を有する。し
かし、ドーム状の屋根部105は、下記の欠点を有す
る。まず、タンク101は、頂部の外周部に人が歩くこ
とのできる点検用通路を周設することが義務付けられて
いるが、屋根部105の周縁部が傾斜した曲面状に形成
されているので、平坦な上面を有する片持ちスラブ10
6を、図17に示すように、側壁104の頂部から外方
に向かって張り出させなければならない。そして、ドー
ム状の屋根部105は、外力(特に、鉛直荷重W)に対
して屋根板体の断面内応力(引張応力、圧縮応力)によ
って抵抗するので、断面外応力(曲げモーメント、せん
断力)は生じない構造体である。
【0007】したがって、ドーム状の形状を保持するた
めに屋根部105の外周部に沿って水平方向の大きな引
張力(フープ・テンション)が生じるので、テンション
・リング部材をタンク本体部102の頂部に円周方向に
設置しなければならない。また、テンション・リング部
材にPC鋼材を配設して緊張し、プレストレストを与
え、コンクリート断面に引張応力が生じるのを防いでい
るので、タンク本体部102の側壁104の縦方向PC
鋼材の定着部と、円周方向のテンション・リング部材の
PC鋼材とが交差し、複雑な構造となる。
【0008】次に、RC造の屋根部105は、下記の欠
点を有する。まず、RC造の屋根部105は、耐久性に
優れるものの、単位容積重量が大きいので、総重量が重
くなるため、本来、大スパン屋根部に不向きな材料であ
り、ドーム状の屋根骨組という特殊な構造と結びつくこ
とが多い。また、屋根部105自体の構造が大型化、複
雑化するのみならず、タンク本体部102、底版103
も大型化し、経済性、施工性が悪くなる場合がある。
【0009】次に、屋根部105の屋根板体は、コンク
リート断面厚さを薄くし(通常10cm程度が多い)、
鉄筋を配筋しているので、屋根部105に換気孔、点検
孔に必要な開口部を設ける場合、開口部の平面的形状、
配置などが制限される。さらに、屋根板体のコンクリー
ト断面厚さを余り薄くすると、鉄筋のかぶり厚さを適正
に確保できず、水道水Aからの塩素雰囲気に曝され、コ
ンクリートの経時的劣化が進行するので、耐久性に劣
り、また、薄くて傾斜した屋根板体のコンクリート打設
などの施工性は悪い。
【0010】また、RC造の屋根板体を構築するために
は、底版103全体に多数の支柱を散点状に立設し、屋
根部105全体に敷設した型枠を支持する、総支保工が
必要となる。そして、屋根部105の型枠もドーム形状
に合わせて曲面状に製作するので、型枠の製作、コンク
リート打設などが複雑化する。さらに、タンク本体部1
02の側壁104に配設されたPC鋼材の緊張の作業順
序は、縦方向のPC鋼材を緊張した後、屋根部105を
構築してからタンク本体部102の円周方向のPC鋼
材、テンション・リング部材のPC鋼材を緊張するの
で、施工順序が断続的で、複雑化する。
【0011】したがって、RC造の屋根板体をドーム状
に形成した屋根部105は、構造力学的には合理的であ
るが、施工性が悪く、工期が長くなるとともに、コスト
が高くなる。また、屋根部105の耐用年数がタンク本
体部102の耐用年数よりも短い場合、タンク本体部1
02自体は未だ使用できるのに、タンク101全体を取
り壊すことになるので、経済性に劣る。
【0012】次に、図19に示したタンク111の屋根
構造は、RC造と鋼製の骨組みとを組み合わせた複合構
造のドーム状屋根で、低温液化ガスを貯蔵する大容量の
タンクの上部を覆う大スパン屋根に最適なものである。
そして、屋根本体部117を鋼製の材料で構成すること
によって軽量化するとともに、張り出し屋根部116と
屋根本体部117とを組み合わせて構造的に一体化し、
一定の曲率半径を有するドーム状屋根としている。
【0013】また、張り出し屋根部116と屋根本体部
117とを組み合わせたドーム状の屋根部115は、一
体化した構造力学的モデルを形成することが必須要件と
されるので、前述したドーム状屋根の問題点をそのまま
保有する。さらに、張り出し屋根部116と屋根本体部
117との接合部は、屋根本体部117の断面内応力
(引張応力、圧縮応力)を円滑に伝達する一体化した完
全で複雑な構造を要求される。
【0014】この発明は、上記したような不都合を解消
するためになされたもので、屋根構造体を、タンク本体
部の側壁から内側に向かって横方向に張り出したコンク
リート造の周辺屋根部と、この周辺屋根部の先端部によ
って区画された水平面開口部を閉塞する金属製の屋根本
体部とを組み合わせた複合構造で構成することにより、
屋根本体部の軽量化、耐腐食性の向上を図るとともに、
その形状を自由に選択できる融通性、屋根本体部全体を
吊り上げて取り外すことのできる自在性、周辺屋根部を
点検用通路として使用する利便性、耐久性、施工性、経
済性などの多機能に優れたタンクを提供するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】まず、請求項1の発明
は、内部に貯蔵空間を有する筒状のタンク本体部と、こ
のタンク本体部の頂部に架設される屋根構造体とからな
るタンクであって、タンク本体部は、所要の壁厚を有し
て環状平面形をなす側壁と、このタンク本体部の底部を
塞ぐ底版とで構成し、屋根構造体を、タンク本体部の側
壁と一体的にコンクリート造で形成された周辺屋根部
と、この周辺屋根部によって区画された水平面開口部を
閉塞する屋根本体部とを組み合わせて構成し、屋根本体
部を、屋根面材を取り付ける屋根骨組と、この屋根骨組
の平面視周縁部に付設した連結部とで構成し、周辺屋根
部を、タンク本体部の側壁から内側に向かって横方向に
所要の張り出し長さでスラブ、および/または梁を張り
出して平面視環状形に形成し、屋根本体部を、水平面開
口部を閉塞するスパン長を、タンク本体部の側壁の内法
スパン長から周辺屋根部の張り出し長さを控除した長さ
に形成し、屋根本体部の自重を支持する屋根骨組が、周
辺屋根部と独立した骨組として構成され、連結部で周辺
屋根部に接合され、周辺屋根部が、その先端部近傍に設
置された連結部を介して伝達された屋根本体部の自重を
側壁に伝達する、曲げモーメントが支配的な曲げ材の
持ち構造を構成し、屋根本体部の自重を、屋根骨組をア
ルミニウム合金製とするとともに、タンク本体部の側壁
から内側に向かった周辺屋根部の張り出し長さを少なく
とも点検用通路に必要な内法を備えた長さに形成し、屋
根本体部のスパン長を小さくすることによって、軽量化
し、屋根本体部を、タンク完成後に点検、修理などの目
的で、その屋根本体部全体を吊り上げてタンク本体部か
ら取り外し可能とし、屋根本体部を、前記水平面開口部
を着脱自在に閉塞する軽量化と耐腐食性に優れた蓋体と
して構成し、屋根本体部の耐用年数をタンク本体部の耐
用年数と同一にすることのできる耐久性能を有するもの
である。
【0016】
【0017】
【0018】さらに、請求項の発明は、請求項1のタ
ンクにおいて、周辺屋根部を、上面が略水平状に、また
は上面が屋根本体部に向かって上昇する所要の勾配で傾
斜している片持ちスラブ、および/または片持ち梁で形
成したものである。
【0019】
【0020】また、請求項の発明は、請求項1のタン
クにおいて、屋根本体部が、アルミニウム合金製の屋根
面材、アルミニウム合金製の屋根骨組によってトラス構
造を構成したドーム状屋根を形成しているものである。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】ここで、各用語について説明する。まず、
タンク本体部とは、内部に貯蔵空間を有する筒状の容器
構造体で、所要の壁厚を有して環状平面形をなす側壁
と、タンク本体部の底部を塞ぐ底版とを備えている。次
に、屋根構造体とは、貯蔵空間の上方水平面を閉塞する
ため、タンク本体部の側壁の頂部に架設される屋根であ
る。なお、側壁の頂部とは、側壁の最上部が一般的であ
るが、これに限定されず、貯蔵空間の上方の位置にあれ
ば、側壁の最上部より下方であってもよい。そして、屋
根構造体は、ドーム状の屋根形状が多いが、その平面
的、立面的形状を自由に選択できる。
【0025】次に、周辺屋根部とは、タンク本体部の側
壁の頂部から内側に向かって張り出し、側壁と一体的に
コンクリート造で形成された屋根構造体の一部である。
そして、周辺屋根部は、所要の長さで横方向に張り出
し、貯蔵空間の上方水平面の一部を閉塞するので、先端
部(張り出した先端縁)が水平面開口部を区画する。次
に、屋根本体部とは、水平面開口部を閉塞する屋根構造
体の主要部であり、雨水を流すために所要の水勾配で傾
斜している屋根面(屋根の表面)を形成する。
【0026】また、屋根面材とは、屋根面に敷設されて
雨水を流す面部材で、屋根葺き材と言われる。この屋根
面材の材質は、耐腐食性からアルミニウム合金製の薄い
板体が望ましいが、鉄、ステンレス、銅などの金属板、
ガラス、合成樹脂板などの板体、膜など、屋根葺き材と
して通常使用されているものでもよく、屋根面材の軽量
化、耐腐食性、強度、コストなどの観点から適宜選択す
る。そして、一つの屋根本体部に複数の材質の屋根面材
を混用してもよい。
【0027】次に、屋根骨組とは、屋根構造体自体に加
わる鉛直荷重、水平力に対し、それ自体で独立して抵抗
し得る骨組である。そして、骨組の型式は、立体トラス
構造、平面トラス構造などのトラス構造が一般的である
が、柱、梁などからなるラーメン構造体でもよい。さら
に、単一材、組立材からなる梁部材を架設する簡易な構
造でもよい。なお、屋根骨組は、鋼製、アルミニウム合
金製などの金属製で構成されている。
【0028】次に、連結部とは、屋根本体部を周辺屋根
部に接合するため、屋根骨組の両端部近傍に付設されて
いる接合部を言い、屋根骨組の支点(構造力学的に理想
化した構造物を支持する点を言う。)に相当する。そし
て、連結部は、屋根本体部の平面視周縁部に所定の間隔
で配置されていることが多く、周辺屋根部の先端部近傍
と接合され、屋根骨組に加わる鉛直荷重、水平力を周辺
屋根部に伝達する。なお、連結部の材質は、アルミニウ
ム合金製、鋼製、ステンレス製など、所要の強度を有す
るものであれば、何でもよい。
【0029】次に、連結部が水平方向に滑動可能で、上
下方向の移動を拘束されて支持されている変形能とは、
ローラー支点を構成していることを言い、連結部が水平
方向の移動および上下方向の移動を拘束されて支持され
ている変形能とは、ピン支点を構成していることを言
う。
【0030】なお、連結部は、ローラー支点またはピン
支点を構成する。そして、連結部を通る鉛直平面内の変
形(2次元変形)は鉛直変形、水平変形、回転変形の3
種類に分類されるが、水平変形および回転変形が自由
で、鉛直変形が拘束された支点をローラー支点と言い、
水平変形および鉛直変形が拘束され、回転変形が自由な
支点をピン支点と言う。また、鉛直変形、水平変形、回
転変形のすべてが拘束されている支点を固定支点と言
う。
【0031】このローラー支点、ピン支点、固定支点
は、力、変形という構造力学的モデルの概念であり、接
合部の具体的な構造を捨象したものである。そして、連
結部には水平変形、鉛直変形に対応してせん断力、鉛直
力(圧縮力、引張力)が生じるが、回転変形は自由なの
で、連結部に曲げモーメントは生じない。ここで、せん
断力とは、ピン支点に発生する水平反力(スラスト)で
あって、連結部に対して水平力として作用する。
【0032】次に、連結部が鉛直荷重に対してローラー
支点を構成する場合を説明する。ローラー支点を構成す
る連結部は、屋根本体部の自重、積雪荷重などの鉛直荷
重に対して水平方向に滑動可能に支持されるとともに、
上下方向の移動が拘束されている。しかし、地震時、暴
風時などに加わる水平力に対しては、少なくとも一部の
連結部が水平力に抵抗することができるように、屋根本
体部の平面視周縁部上に連結部を配置する。そして、連
結部は、作用する鉛直力(圧縮力、引張力)、せん断力
(ただし、地震時、暴風時)に耐え得る構造とする。
【0033】次に、連結部が鉛直荷重に対してすべてピ
ン支点を構成する場合を説明する。ピン支点を構成する
連結部は、鉛直荷重、水平力に対して水平方向および上
下方向の移動が拘束される。したがって、連結部は、鉛
直荷重、水平力のいずれの場合にも、鉛直力(圧縮力、
引張力)、せん断力が生じる。
【0034】次に、鉛直荷重とは、構造物に加わる荷重
のうち、物体が持つ重量によるもので、重力方向に働く
荷重を言い、自重(固定荷重)、積載荷重、積雪荷重な
どがある。また、水平力とは、構造物に加わる荷重のう
ち、水平方向に作用する外力を言い、地震力、風圧力な
どがある。
【0035】次に、アルミニウム合金とは、アルミニウ
ムを主成分とする合金で、表1に要約したように、JI
S H 4000に規定されている。
【0036】
【表1】
【0037】そして、アルミニウム合金などの機械的性
質は、表2に示す性質を有する。
【0038】
【表2】
【0039】なお、屋根面材に使用するアルミニウム合
金は、純アルミニウムの加工性、耐腐食性を低下させる
ことなく、強度を増加させるものが望ましく、例えばA
l−Mn系(3000系)が適当である。そして、屋根
骨組に使用するアルミニウム合金は、強度、耐腐食性の
良好な構造用部材が望ましく、例えば、Al−Mn−S
i系(6000系)が適当である。
【0040】次に、コンクリート造とは、鉄筋コンクリ
ート造(RC造)、プレストレストコンクリート造(P
C造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(「SRC造」)など
を言う。そして、施工方法は、現場打ちコンクリート
造、プレキャストコンクリート造(「Pca造」)のい
ずれでもよい。また、スラブとは、所定の厚さを有する
コンクリート造の板状体(床版)であり、主に鉛直荷重
を受けるが、地震時には面内のせん断力、軸力をも受け
ることがある。なお、一方の端部が固定支点で支持さ
れ、他方の端部(先端部)が自由に構成されているスラ
ブは、片持ちスラブと言う。
【0041】次に、梁とは、略水平、または、所要の勾
配で傾斜した状態で、少なくとも1以上の支点で支持さ
れている構造部材であり、材軸に対して直角または斜め
の鉛直荷重を受けると、部材に曲げモーメント、せん断
力が生じる。そして、梁の縦断面形状は、長方形が一般
的であるが、任意形状でよく、壁状の部材としてもよ
い。また、コンクリート造の場合、スラブと梁とが一体
化して形成されることが多い。なお、一方の端部が固定
支点で支持され、他方の端部(先端部)が自由に構成さ
れている梁は、片持ち梁と言う。そして、スラブ、梁は
曲げ材に属する。
【0042】次に、曲げ材とは、曲げモーメントを負担
する部材を言う。なお、部材断面に生じている力は、曲
げモーメント、せん断力、軸方向力(軸力)に分類され
るが、曲げモーメントが支配的な部材を曲げ材と言う。
そして、貯蔵空間の内容物は、水、石油などの液体、ま
たは、石炭(粒状物)、穀物(粒状物)、セメント(粉
体物)などの固体のいずれでもよい。また、内容物の特
性は、耐腐食性の観点から屋根本体部の屋根面材、屋根
骨組の材質の選択に影響を与える。
【0043】次に、図1の説明図に基づいてこの発明の
タンク1における屋根構造体6を説明すると、屋根構造
体6は、タンク本体部2の側壁4から内側に向かって横
方向に張り出したコンクリート造の周辺屋根部7と、こ
の周辺屋根部7の先端部によって区画された水平面開口
部Hを閉塞する金属製の屋根本体部14とを組み合わせ
た複合構造とされ、周辺屋根部7に屋根本体部14の連
結部17で接合しているので、軽量性、耐久性、施工
性、経済性、融通性に優れたものとなる。
【0044】この発明は、屋根本体部14の軽量化と耐
腐食性との向上を特徴としている。そして、金属製の屋
根骨組によって軽量化と耐腐食性とがもたらされ、さら
に、周辺屋根部7によって屋根本体部14の、大きさが
小型化し、軽量化が促進される。また、屋根本体部14
の軽量化は、周辺屋根部7と屋根本体部14とを各々独
立した骨組として構成すること、屋根本体部14全体を
吊り上げることができる自在性という面を発揮する。さ
らに、耐腐食性は、屋根本体部14の耐久性を向上させ
る。なお、アルミニウム合金は、それ自体が耐腐食性を
有する。また、鋼製は、鉄骨に防錆処理を施して耐腐食
性を強化するか、または、防錆処理を施さずに部材断面
の腐食分を予め設計で考慮する場合がある。
【0045】次に、この発明にかかるタンク1の屋根構
造体6の特徴、効果を説明する。第一に、屋根構造体6
は、コンクリート造の周辺屋根部7と、金属製の屋根本
体部14とを組み合わせた複合構造(ハイブリット)で
ある。そして、周辺屋根部7は、タンク本体部2の側壁
4と構造的に一体化されたコンクリート造構造部材とし
て構成されている。また、屋根本体部14は、屋根骨組
を金属製とすることにより、自重の軽量化、耐腐食性の
向上を図っている。したがって、この発明は、従来技術
のPCタンクがRC造の屋根板体で形成されている種々
の問題点を解消することができる。
【0046】第二に、周辺屋根部7と屋根本体部14と
を、各々独立した骨組として構成し、屋根本体部14の
連結部17を周辺屋根部7の先端部近傍に載置し、連結
部17を介在的部材として周辺屋根部7と屋根本体部1
4とを構造的に一体化して接合している。したがって、
この発明は、周辺屋根部7と屋根本体部14とが同一曲
率半径を有する一体化したドーム状の屋根という制約を
なくすことができ、従来技術のタンクがドーム状の屋根
部を形成している種々の問題点を解消することができ
る。
【0047】また、屋根本体部14の平面形状、立面形
状を自由に選択することができる。特に、屋根本体部1
4の立面形状は、周囲環境を考慮した威圧感の少ない美
観を形成することができる。そして、屋根骨組も、重
量、コスト、耐力などの点から最適な構造型式を選ぶこ
とができる。
【0048】第三に、タンク本体部2は頂部に水平面開
口部を有する一つの大きい強固なコンクリート造の容器
構造体をなし、屋根本体部14はタンク本体部2の水平
面開口部を閉塞する蓋体としての性格を有する。そし
て、周辺屋根部7は屋根構造体6の一部であるが、タン
ク本体部2の側壁4の頂部と構造的に一体化されたコン
クリート造構造部材として構成されている。また、屋根
本体部14は屋根構造体6の主要部であるが、周辺屋根
部7の上に載置され、着脱自在に接合することができ
る。
【0049】上述したように、屋根本体部14は、屋根
骨組を金属製によって構成し、軽量化と耐腐食性との向
上を図っている。次に、屋根本体部14の特徴、効果を
説明する。第一に、屋根本体部14の屋根骨組を独立し
た骨組として構成する。なお、屋根本体部14は、屋根
本体部14に加わる鉛直荷重(自重、積載荷重、積雪荷
重など)を両端部の連結部17によって支持された屋根
骨組によって抵抗する、独立した構造力学的機構を構成
する。
【0050】第二に、屋根本体部14の連結部17は、
周辺屋根部7に対してローラー支点またはピン支点を選
択して構成する。この連結部17がローラー支点を構成
する場合、屋根本体部14は水平方向に滑動可能に支持
されているので、屋根骨組に鉛直荷重が作用しても、連
結部17には鉛直力(圧縮力、引張力)のみが生じ、せ
ん断力は生じない。したがって、タンク本体部2の内外
の温度差、気圧差などの理由により、タンク本体部2の
頂部と屋根本体部14との間に水平変形のずれが生じて
も、連結部17で水平変形のずれを吸収するので、屋根
本体部14に与える影響は少ない。すなわち、屋根本体
部14の屋根骨組は、タンク本体部2と構造的に切り離
された独立した骨組である。
【0051】なお、連結部17は、屋根骨組に鉛直荷重
が作用した時に、設計上想定される方向、量の水平変形
を吸収し得る構造で、移動する方向のみ滑動可能に構成
すればよく、水平面のあらゆる方向に滑動可能に構成す
る必要はない。例えば、放射状に立体トラスを構成した
ドーム状屋根骨組の場合、放射状方向、すなわち、半径
方向のみを所定の変形量の水平変形を吸収し得る構造に
すればよい。また、連結部17がピン支点を構成する場
合は水平方向、上下方向ともに拘束されて支持されてい
るので、屋根骨組に鉛直荷重が作用しても、連結部17
に鉛直力(圧縮力、引張力)のみならず、せん断力も生
じる。
【0052】第三に、屋根本体部14全体を吊り上げる
ことができる。屋根本体部14は、自重を軽くしてある
ので、クレーン作業車などによって吊り上げることがで
きる。したがって、工事中は、屋根本体部14を地上で
組み立てて、タンク本体部2が構築された後で屋根本体
部14全体を吊り上げてタンク本体部2に架設すること
ができるので、工期短縮、コストダウンが図れる。ま
た、タンク完成後に貯蔵空間Sの点検、修理などの目的
で、屋根本体部14の連結部17の上下方向の移動の拘
束を解除することにより、屋根本体部14全体を吊り上
げてタンク本体部2から取り外すことができ、貯蔵空間
Sの保守点検、屋根本体部14の修理が容易になる。
【0053】第四に、屋根本体部14の耐久性を向上さ
せることができる。敷地の立地条件、外気の条件、貯蔵
空間S内の内容物などの設計条件に対し、屋根骨組、屋
根面材の耐腐食性を適切に構成することができる。特
に、内容物が水道水Aの場合、水道水Aに含まれる塩素
が気化した空気(塩素雰囲気)に曝されても、金属製
(特に、アルミニウム合金)の特徴を最大限に活かし、
屋根本体部14の軽量化を図りつつ耐久性をも向上させ
る。したがって、屋根本体部14の耐用年数を、タンク
本体部2の耐用年数と同一にすることにより、経済性に
優れたタンク構造物を提供できる。
【0054】次に、周辺屋根部7の特徴、効果を説明す
る。第一に、周辺屋根部7は、連結部17を介して伝達
された鉛直力(圧縮力、引張力)をタンク本体部2の側
壁4に伝達する構造力学的機構を構成する。この屋根本
体部14に加わる鉛直荷重により、屋根骨組の連結部1
7には鉛直力が発生する。ここで、周辺屋根部7の先端
部の近傍に連結部17を接合しているので、周辺屋根部
7の張り出した先端部に鉛直力が集中荷重として加わ
る。したがって、周辺屋根部を片持ちスラブまたは片
持ち梁などの曲げ材で構成し、鉛直力を伝達する機構に
することは、屋根本体部14を軽量化して鉛直力を小さ
くすることにより、構造設計上可能になる。
【0055】第二に、周辺屋根部7は、タンク本体部2
の側壁4と構造的に一体化されたコンクリート造構造部
材として構成され、タンク本体部2の内側に向かって横
方向に所定の長さを張り出している。したがって、屋根
本体部14のスパンは周辺屋根部7の張り出し長さの分
だけ短くなる。そして、屋根本体部14は、金属製とし
ていることと相俟って、水平面積が小さくなるので、軽
量化、コストダウンが促進される。
【0056】また、周辺屋根部7は、人が歩くことので
きる点検用通路として利用することができる。さらに、
片持ちスラブを側壁4から外側に向かって張り出させる
ことがなくなるので、タンク本体部2の側壁4は、外側
に向く突起物のない、平滑な壁面となる。
【0057】そして、周辺屋根部7は所要の長さだけ内
側に張り出しているだけなので、タンク本体部2の頂部
という高所で足場を組みコンクリート打ちをする作業が
軽減されるとともに、側壁4のコンクリート打ちに必要
な足場、支柱をそのまま利用することができ、支保工工
事が少なくて済む。また、周辺屋根部7のスラブのコン
クリート断面厚さを厚くすることは容易なので、鉄筋の
かぶり厚さを適正に確保でき、水道水Aからの塩素雰囲
気に曝されても、コンクリートの経時的劣化を遅延させ
ることができるため、耐久性に優れる。
【0058】第三に、周辺屋根部7は、ドーム状の屋根
部を形成していない。従来技術のタンクが、ドーム状の
屋根部を形成している問題点を解消することができる。
したがって、ドーム状の形状を保持するために必要なテ
ンション・リング部材をタンク本体部2の頂部に円周方
向に設置する必要がなくなるので、タンク本体部2の側
壁4の頂部の構造、縦方向PC鋼材の定着部が簡単な構
造となる。
【0059】また、タンク本体部2の側壁4に配設され
たPC鋼材の緊張の作業は、縦方向のPC鋼材と円周方
向のPC鋼材とを連続して緊張することができるので、
施工性がよくなる。さらに、タンク本体部2の円周方向
に引張力が生じないので、周辺屋根部7を側壁4の内側
に周設して連続した平面視環状形に形成する場合でも、
周辺屋根部7の断面内の円周方向の鉄筋補強が不要であ
る。また、平面視環状形の周辺屋根部7の一部に、換気
孔、点検孔に必要な、切り欠き部または開口部を自由に
設置することができる。
【0060】第四に、周辺屋根部7は、その上面が略水
平状に、または、上面が屋根本体部14に向かって上昇
する所定の勾配で傾斜して横方向に張り出して形成され
ている。したがって、周辺屋根部7の型枠は平面状に製
作すればよいので、型枠の製作、コンクリート打設など
を簡易化することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図に
基づいて説明する。図2はこの発明の第1実施形態であ
るタンクの斜視図、図3は図2に示したタンクの縦断面
図、図4は図2に示したタンクの斜め横からの側面図、
図5は図2に示したタンクの頂部の平面図、図6は図2
に示したタンクの屋根本体部を取り外した状態の平面
図、図7は連結部の構成の一例を示す斜視図であり、図
1と同一または相当部分に同一符号を付してある。な
お、図2において、落下防止柵の図示が省略されてい
る。また、図2および図6において、床開口部の図示が
省略されている。
【0062】タンク1は、タンク本体部2と、このタン
ク本体部2の頂部に架設される屋根構造体6とで構成さ
れている。そして、タンク本体部2は、内部に貯蔵空間
Sを有する筒状の容器構造体で、タンク本体部2の底部
を塞ぐ平面視円形状の底版3と、この底版3の周縁上に
所要の壁厚で立設された円環状平面形をなす側壁4とを
備えている。上記した側壁4は、PC造で構成されてい
るので、コンクリート中に鉄筋の他に縦方向、円周方向
にPC鋼材が埋入されている。そして、図5に示すよう
に、側壁4の外側に平面上で4箇所の突条部5が所要の
幅で突設されているが、突条部5は側壁4の円周方向の
PC鋼材を緊結する定着部である。
【0063】上記した屋根構造体6は、タンク本体部2
の側壁4の頂部から内側に向かって横方向に張り出した
周辺屋根部7と、この周辺屋根部7の先端部(張り出さ
れた先端縁)によって区画された水平面開口部Hを閉塞
する屋根本体部14とを組み合わせて構成されている。
そして、周辺屋根部7は円環状で、屋根本体部14の平
面形状は円形であり、円形のタンク本体部2の側壁4と
相似形である。
【0064】なお、周辺屋根部7は、側壁4から内側に
向かって水平方向に所要の長さを張り出させて周設する
ことにより、平面視円環状形に形成されている。そし
て、周辺屋根部7は、片持ちスラブ8と、この片持ちス
ラブ8の先端部に上方に立設されている立ち上がり部9
とからなり、片持ちスラブ8と立ち上がり部9とは一体
化したRC造構造部材として形成されている。また、片
持ちスラブ8の上面は略水平状に形成されているので、
人が歩くことのできる点検用通路として利用することが
できる。
【0065】そして、片持ちスラブ8の張り出し長さ
(図8のL)は、点検用通路に必要な内法寸法、片持ち
スラブ8を曲げ材として設計する経済性、型枠などの施
工性、屋根本体部14のスパン長さとの相関関係などの
観点から決定する。特に、この片持ちスラブ8の張り出
し長さを調整することにより、タンク本体部2の側壁4
の内法スパン長さ(図8のD)が異なる場合であって
も、同一スパン長さの屋根本体部14を架設することが
できるので、屋根本体部14を標準化することができ
る。そして、片持ちスラブ8は、側壁4と一体的にコン
クリート造で形成され、円周方向の所定位置に清掃、点
検用の床開口部11が設けられている。なお、片持ちス
ラブ8の外側周縁には、周回して落下防止柵(手摺り)
13が設けられている。
【0066】上記した立ち上がり部9は、片持ちスラブ
8の先端部に、平面視円環状に周設、立設されている。
そして、立ち上がり部9は、後述する屋根骨組16に付
設した連結部17を接続固定する柱状部と、パラペット
(建物の屋上でその先端部を保護するために設けられる
低い手摺壁)との役目を果たす。さらに、立ち上がり部
9は、縦断面が長方形で、上面が略水平になっている。
【0067】上記した屋根本体部14は、ドーム状の屋
根形状で、雨水を流すために所定の水勾配で傾斜してい
る球形状の屋根面(屋根の表面)を形成する。そして、
屋根本体部14の平面形状は円形で、そのスパン長さ
(図8のD1 )は側壁4の内法スパン長さ(図8のD)
から周辺屋根部7の張り出し長さ(図8のL)を控除し
たものである。また、屋根本体部14は、屋根面を覆う
屋根面材15と、この屋根面材15を取り付けるアルミ
ニウム合金製の屋根骨組16と、この屋根骨組16に付
設され、屋根本体部14を立ち上がり部9に接合する連
結部17とで構成されている。
【0068】上記した屋根面材15は、耐腐食性からア
ルミニウム合金製の薄い板体とするのが望ましいが、
鉄、ステンレス、銅などの金属板、ガラス、合成樹脂板
などの板体、膜などの屋根葺き材であってもよい。ま
た、屋根骨組16は、アルミニウム合金製の球形状の立
体トラス構造を構成している。この立体トラス構造は、
球形状の屋根面において、線状の構造部材(弦材と言
う。)を交点(節点)で小さな三角形状の面を多数形成
するように構成されている。
【0069】そして、弦材の断面形状は、図7に示すよ
うに、H形状の組立断面としているが、その他の公知の
ものでよい。なお、図示しないが、屋根骨組16の外周
縁部にはドーム状の形状を保持するために円周水平方向
の引張力(フープ・テンション)に抵抗する、アルミニ
ウム合金製のテンション・リング構造部材が配置されて
いる。したがって、屋根骨組16は、鉛直荷重、水平力
に対して、それ自体で独立して抵抗し得る骨組となって
いる。
【0070】上記した連結部17は、屋根本体部14を
周辺屋根部7に接合するために屋根骨組16の両端部に
付設されている接合部であり、周辺屋根部7の立ち上が
り部9の上面に載置される。この連結部17は、図7に
一例を示すように、支持脚部18と締結具21とで構成
されている。そして、支持脚部18は、ベースプレート
19を備えたH形状断面で、ベースプレート19に2個
の長孔20が穿孔されている。
【0071】次に、締結具21は、アンカーボルト22
と、このアンカーボルト22に螺合するナット23と、
このナット23とベースプレート19との間に配設され
る座金24とで構成されている。そして、アンカーボル
ト22は、下部が立ち上がり部9のコンクリート中に埋
入され、上部が立ち上がり部9から突出し、ベースプレ
ート19に穿孔された長孔20を貫通し、ナット23に
よってベースプレート19に緊結されている。
【0072】上記した長孔20は、屋根骨組16の平面
視半径方向(図の矢印符号で示す、屋根骨組16の中
央部から外部に向かう放射状方向)に細長くなっている
が、平面視円周方向(屋根骨組16の周縁部)の孔径
は、アンカーボルト22の外径に施工上必要なクリアラ
ンス(通常5mm程度)を加えたものになっている。し
たがって、連結部17は、屋根骨組16の半径方向の水
平方向に滑動可能であるが、円周方向の水平変形を拘束
され、上下方向の移動も拘束されている、ローラー支点
を構成している。
【0073】この連結部17は、図6に示すように、周
辺屋根部7の立ち上がり部9に同心円状に14個が配置
されている。そして、屋根骨組16に自重、積雪荷重な
どの鉛直荷重Wが加わると、連結部17は、半径方向に
ローラー支点を構成しているので、半径方向に移動自在
で、屋根骨組16の平面形が同心円状に拡大するように
変形する。しかし、連結部17は、同心円上に適宜の間
隔を離して水平移動可能な方向を半径方向に向けて配置
され、かつ、円周方向の水平変形が拘束されているの
で、地震時、暴風時などに加わる水平力に対し、少なく
とも一部がローラー支点ではなく、ピン支点として機能
し、水平力に抵抗することができる。
【0074】また、連結部17がローラー支点を構成し
ている屋根骨組16に鉛直荷重Wが加わると、連結部1
7に鉛直力(圧縮力)は作用するが、せん断力は生じな
い。しかし、地震時、暴風時などに水平力が加わると、
鉛直力(圧縮力、引張力)のみならずせん断力が生じ
る。この圧縮力は、ベースプレート19を介して立ち上
がり部9に直接に伝達され、引張力は、アンカーボルト
22の引張り耐力によって抵抗し、せん断力は、アンカ
ーボルト22のせん断耐力によって、立ち上がり部9に
伝達される。
【0075】図8は、連結部がローラー支点を構成して
いる屋根骨組に、鉛直荷重が加わったときの応力、変形
状態の説明図であり、図1〜図7と同一または相当部分
に同一符号を付して説明を省略する。図8において、D
は側壁4の内径、Lは片持ちスラブ8の張り出し長さ、
1は片持ちスラブ8によって区画された水平面開口部
Hの内径、Pは鉛直荷重Wの分散した鉛直荷重、Qは片
持ちスラブ8の先端部にかかる鉛直荷重、NC は屋根骨
組16の弦材に生じている軸力(圧縮力)、DX は連結
部17の水平変形量、Mg は鉛直荷重Qによって片持ち
スラブ8の根元部(側壁4との接合端)に生じる曲げモ
ーメントを示す。
【0076】上記した第1実施形態のタンク1は、図8
に示すように、自重、積雪荷重などの鉛直荷重Wによっ
て屋根本体部14が変形し、外径が所定値大きくなる。
このように鉛直荷重Wによって屋根本体部14が大きく
なるように変形しても、半径方向(水平方向)へ滑動可
能なローラー支点を構成する連結部17で屋根本体部1
4は片持ちスラブ8に接合されているので、連結部17
には鉛直力のみが生じる。したがって、連結部17を介
して鉛直力が片持ちスラブ8の先端に伝達され、片持ち
スラブ8に曲げモーメントMg が発生するが、この曲げ
モーメントMg を側壁4および片持ちスラブ8で支えれ
ばよいことになる。
【0077】図9は屋根本体部を吊り上げる状態の説明
図であり、図1〜図8と同一または相当部分に同一符号
を付して説明を省略する。図9において、Cはクレーン
作業車を示す。上述したように、屋根本体部14は、屋
根面材15と、アルミニウム合金製の屋根骨組16とで
構成され、軽量化されているので、連結部17の上下方
向の移動の拘束を解除することにより、屋根本体部14
を持ち上げて取り外すことができる。
【0078】なお、図7に示した連結部17は、締結具
21によって立ち上がり部9に固定され、上下方向の移
動を拘束されているので、アンカーボルト22に螺合し
ているナット23を取り外すことにより、上下方向の移
動の拘束を容易に解除できる。したがって、完成後は屋
根本体部14を持ち上げて取り外すことにより、貯蔵空
間Sの点検、修理などを容易にすることができ、また、
構築時は、隣の地上で屋根本体部14を組み立てて持ち
上げて取り付けることにより、工期を短縮することがで
きるとともに、コストダウンを図ることができる。
【0079】なお、図7に示す連結部17で、ベースプ
レート19に穿孔されている長孔20を丸孔に変え、丸
孔の孔径をアンカーボルト22の外径に施工上必要なク
リアランスを加えたものにすると、連結部17の半径方
向、円周方向の水平方向の変形が拘束され、連結部17
はピン支点を構成する。この連結部17をピン支点にす
ると、鉛直荷重、水平力の何れの場合にも、連結部17
に鉛直力(圧縮力、引張力)、せん断力が生じ、この鉛
直力、せん断力は、ベースプレート19およびアンカー
ボルト22によって立ち上がり部に伝達される。
【0080】次に、屋根本体部14は、屋根骨組16を
アルミニウム合金製とすることにより、軽量化、耐腐食
性の向上を図っている。そして、軽量化に関し、同一ス
パン長のドーム状の屋根を、従来技術におけるRC造ま
たは鋼製にした場合と、この発明にした場合とを比較す
ると、この発明における屋根本体部14の自重は、RC
造の約1/30、鋼製の約1/3になる。さらに、この
発明による屋根本体部14の実質的スパン長は、タンク
本体部2の内法スパン長から周辺屋根部14の張り出し
長さの合計を控除したものであるので、屋根本体部14
の水平面積は減少し、その総重量も大幅に減少する。
【0081】図10はこの発明の第2実施形態であるタ
ンクの縦断面図、図11は図10に示したタンクの屋根
本体部を取り外した状態の平面図であり、図1〜図9と
同一または相当部分に同一符号を付して説明を省略す
る。なお、図11において、落下防止柵の図示が省略さ
れている。これらの図において、周辺屋根部7は、前述
した片持ちスラブ8および立ち上がり部9と、片持ちス
ラブ8の下側に所定間隔で円周方向に、側壁4と一体的
にコンクリート造で形成された片持ち梁10とで構成さ
れている。
【0082】そして、片持ちスラブ8には、前述した清
掃、点検用または換気用の床開口部11、切り欠き部1
2が設けられている。なお、床開口部11、切り欠き部
12には、図示を省略したが、開閉自在な蓋、換気装置
などが設置されている。そして、床開口部11、切り欠
き部12の平面形状、数、配置などは自由に設けること
ができ、片持ちスラブ8の外側周縁には、周回して落下
防止柵(手摺り)13が設けられている。
【0083】この第2実施形態が第1実施形態と異なる
のは、片持ち梁10を設けた点と、切り欠き部12を設
けた点とである。このように、周辺屋根部7を、片持ち
スラブ8に片持ち梁10を加えた構成にする必要がある
場合としては、周辺屋根部7の先端部に加わる鉛直荷重
(図8のQ)が大きい場合、周辺屋根部7の張り出し長
さ(図8のL)が大きい場合、周辺屋根部7の先端部が
区画する水平面開口部Hが不規則な形状である場合、片
持ちスラブ8に大きな切り欠き部12が多数配置される
場合など、片持ちスラブ8だけで屋根本体部14からの
鉛直荷重をタンク本体部2の側壁4に伝達することがで
きない場合が考えられる。なお、この第2実施形態の機
能などについての説明は省略するが、第1実施形態と同
様に機能し、第1実施形態と同様な効果を得ることがで
きる。
【0084】図12はこの発明の第3実施形態であるタ
ンクの縦断面図、図13は図12に示したタンクの頂部
の平面図、図14は図12に示したタンクの屋根本体部
を取り外した状態の平面図、図15は連結部の構成の他
の例を示す説明図であり、図1〜図11と同一または相
当部分に同一符号を付して説明を省略する。なお、図1
3および図14において、落下防止柵の図示が省略され
ている。
【0085】この実施形態における周辺屋根部7の平面
形状は、その根元部(側壁4との接合端)が円形である
が、先端部(張り出された先端縁)が略八角形状の環状
をなしている。そして、周辺屋根部7は、片持ちスラブ
8と、この片持ちスラブ8の先端部に上方に立設されて
いる立ち上がり部9とからなるが、片持ちスラブ8は、
その上面が屋根本体部14の中央部に向かって上昇する
所定の勾配で傾斜して形成されている。
【0086】このように、片持ちスラブ8が傾斜してい
るので、屋根本体部14から流れる雨水を容易に側壁4
の外部に排水することができ、傾斜を余り大きくしなけ
れば、点検用通路として利用することができる。しか
し、片持ちスラブ8の傾斜を大きくする場合は、簡易な
キャットウオークを設ければよい。さらに、傾斜した片
持ちスラブ8は、屋根本体部14の立面形状と相俟っ
て、屋根構造の外観を特徴づける。なお、立ち上がり部
9は、片持ちスラブ8の先端部に、平面視略八角形の環
状で周設、立設されている。
【0087】この実施形態における屋根本体部14は、
八角形の角錐台状の屋根形状を形成し、平面形状が八角
形で、タンク本体部2の側壁4の円形と非相似形をなし
ている。このように、タンク本体部2の形状とは無関係
に、屋根本体部14の平面、立面形状を自由に選択する
ことができる。そして、屋根本体部14を構成する屋根
骨組16も、八角形の角錐台に最適な構造型式を幅広く
採用することができる。なお、屋根骨組16は、鉛直荷
重、水平力に対して、それ自体で独立して抵抗し得る骨
組となっているからである。
【0088】次に、図15に示す連結部17は、ローラ
ー支点を構成する一例であるが、支持脚部18と締結具
21とからなり、周辺屋根部7の立ち上がり部9の上面
に載置されている。そして、支持脚部18は、H形状断
面部材を屋根骨組16の弦材から下方に突設し、その下
部に、2個の長孔(図示は省略されている。)が穿孔さ
れているベースプレート19を備えている。
【0089】また、締結具21は、アンカーボルト22
と、このアンカーボルト22に螺合するナット23と、
このナット23とベースプレート19との間に配設され
る座金24とで構成されているが、ベースプレート19
と立ち上がり部9との間に中間プレート25が挿入され
ている。この中間プレート25は、上面にフッ素樹脂加
工が施され、ベースプレート19との摩擦係数を減少さ
せている。なお、この中間プレート25は、ローラー支
点の場合に用いられるが、ピン支点の場合には不要であ
る。そして、連結部17は、図14に示すように、周辺
屋根部の立ち上がり部9に同心円状に8個配置されて
いる。
【0090】この第3実施形態が第1実施形態と異なる
のは、片持ちスラブ8を上面が屋根本体部14の中央部
に向かって上昇する所要の勾配で傾斜させた点と、落下
防止柵(手摺)13を側壁4の頂部に一体化したRC造
の壁体で形成している点とである。このRC造の落下防
止柵13は、タンク本体部2の側壁4を外側に突起物の
ない平滑な壁面を形成しているので、タンク1を容易に
施工することができる。そして、この第3実施形態の機
能などについての説明は省略するが、第1実施形態と同
様に機能し、第1実施形態と同様な効果を得ることがで
きる。
【0091】図16はこの発明の第4実施形態であるタ
ンクの要部の縦断面図であり、図1〜図15と同一また
は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。図にお
いて、周辺屋根部7としてのスラブ8Aは、タンク本体
部2の側壁4から内側に向かって所要長張り出すととも
に、タンク本体部2の側壁4から外側に向かって所定長
張り出して平面視円環状に周設されている。そして、ス
ラブ8Aは、上面が略水平で、水平面開口部Hを区画し
ている。
【0092】この第4実施形態が第1実施形態と異なる
のは、スラブ8Aが側壁4の外側へ突出している点であ
る。そして、この第実施形態の機能などについての説
明は省略するが、第1実施形態と同様に機能し、第1実
施形態と同様な効果を得ることができる。
【0093】以上、この発明を図面の実施形態に基づい
て説明したが、この発明は、前記実施形態に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更し
ない限りどのようにでも実施することができる。例え
ば、タンク本体部2は、円環状平面形について説明した
が、多角形、その他の環状平面形であってもよい。そし
て、この発明は、単一のタンク本体部2に架設される場
合のみならず、複数のタンク本体部2が近接して一体化
されて構成された、群タンクにも適用できる。
【0094】また、連結部17を構成する支持脚部18
と締結具21との構造は、前記実施形態に限定されず、
連結部17に生じるせん断力、鉛直力(圧縮力、引張
力)を伝達し得るものであればよく、また、締結具21
はアンカーボルト22、ナット23、座金24による場
合に限定されず、任意形状、任意構造の金属製であって
もよい。さらに、連結部17は、周辺屋根部7の立ち上
がり部9の上面に載置されている場合に限定されず、立
ち上がり部9を設けずに直接片持ちスラブ8または片持
ち梁10の上面に載置してもよい。
【0095】そして、連結部17がローラー支点または
ピン支点を構成する場合について説明したが、連結部1
7はその中間的性質を有する弾性支持支点であってもよ
い。ここで、弾性支持支点とは、水平弾性剛性(t/c
m)に比例して水平方向に移動可能で、上下方向の移動
を拘束されて支持されている支点を言う。さらに、連結
部17は周辺屋根部7の立ち上がり部9に載置され、立
ち上がり部9の上面が略水平になっている場合について
説明したが、立ち上がり部9の上面が傾斜面を有するも
のであってもよい。このとき、ローラー支点またはピン
支点の水平方向、上下方向は、それぞれ傾斜面の平行方
向、垂直方向と読み替える。
【0096】また、周辺屋根部7を片持ちスラブ8、ま
たはスラブ8Aで、または片持ちスラブ8と片持ち梁1
0とで構成した例を示したが、片持ち梁10のみでも、
アルミニウム合金製の板体、および/またはアルミニウ
ム合金製もしくはコンクリート造の梁で形成しても、同
様な効果を得ることができる。さらに、周辺屋根部7の
梁の形式として片持ち梁10について説明したが、その
他の支持条件、例えば両端をピン支点で支持してもよ
い。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、屋根構造体を、タンク本体部の側壁から内側に向
かって横方向に張り出したコンクリート造の周辺屋根部
と、この周辺屋根部の先端部によって区画された水平面
開口部を閉塞する金属製の屋根本体部とを組み合わせた
複合構造とし、周辺屋根部に屋根本体部の連結部を接合
した構成としているので、軽量性、耐久性、施工性、経
済性、融通性に優れたタンクを提供することができる。
【0098】この発明によると、周辺屋根部を一体化し
たタンク本体部は頂部に水平面開口部を有する一つの大
きい強固なコンクリート造の容器構造体をなし、屋根本
体部はタンク本体部の水平面開口部を閉塞する蓋体とし
て構成されている。この発明は、屋根本体部の軽量化、
耐腐食性を特徴とし、金属製の屋根骨組によって軽量化
と耐腐食性とがもたらされ、さらに、周辺屋根部によっ
て屋根本体部の大きさの小型化、軽量化が促進される。
この屋根本体部の軽量化は、周辺屋根部と屋根本体部を
各々独立した骨組として構成すること、屋根本体部全体
を吊り上げることのできる自在性という面を発揮する。
【0099】次に、耐腐食性は、敷地の立地条件、外気
の条件、貯蔵空間内の内容物などの設計条件に対し、屋
根骨組、屋根面材の耐腐食性を適切に構成することので
きる融通性を発揮し、特に、内容物が水道水の場合、水
道水に含まれる塩素が気化した空気(塩素雰囲気)に曝
されても、金属製(特にアルミニウム合金)の特徴を最
大限に活かして耐久性を向上させることができる。した
がって、屋根本体部の耐用年数を、タンク本体部の耐用
年数と同一にすることにより、経済性に優れたタンク構
造物を提供することができる。
【0100】また、屋根構造体は、コンクリート造の周
辺屋根部と、金属製の屋根本体部とを組み合わせた複合
構造とされているので、軽量化、耐腐食性、小型化に優
れ、従来技術のPCタンクがRC造の屋根板体で形成さ
れている種々の欠点を解消する。
【0101】さらに、周辺屋根部は、タンク本体部の側
壁と構造的に一体化されたコンクリート造構造部材とし
て構成され、タンク本体部の内側に向かって横方向に所
定の長さを張り出しているので、屋根本体部のスパン長
さは周辺屋根部の張り出し長さの分だけ短くなり、屋根
本体部を小型化することができる。そして、周辺屋根部
を、人が歩くことのできる点検用通路として利用するこ
とができる。したがって、タンク本体部の側壁は、外側
に突起物のない、平滑な壁面とすることができる。さら
に、タンク本体部の頂部という高所で足場を組み、コン
クリート打ちをする作業が軽減される。
【0102】次に、周辺屋根部をコンクリート造のスラ
ブ、および/またはコンクリート造の梁で形成したの
で、周辺屋根部は、連結部を介して伝達された屋根本体
部の鉛直力をタンク本体部の側壁に伝達する構造力学的
機構を構成することができる。したがって、スラブ、梁
のコンクリート断面厚さを厚くすることは容易にでき、
鉄筋のかぶり厚さを適正に確保できるため、水道水の塩
素雰囲気に曝されても、コンクリートの経時的劣化を遅
延させることができるため、耐久性に優れる。
【0103】また、屋根本体部は鉛直荷重(自重、積載
荷重、積雪荷重など)に対して、屋根骨組の両端部近傍
の連結部で支持された屋根骨組によって抵抗する、独立
した構造力学的機構を構成し、連結部を介して伝達され
る鉛直荷重を側壁に伝達するので、周辺屋根部と屋根本
体部とが同一曲率半径を有する一体化したドーム状の屋
根という制約をなくすことができる。 したがって、屋根
本体部の平面形状、立面形状を自由に選択することがで
きる。 特に、屋根本体部の立面形状は、周囲環境を考慮
した威圧感の少ない美観を形成することができ、屋根骨
組も、重量、コスト、耐力等の点から最適な構造型式を
選ぶことができる。
【0104】次に、周辺屋根部を、側壁から内側に向か
って横方向に所要の張り出し長さで張り出し平面視環
状形に形成したので、周辺屋根部の平面形状を、タンク
本体部の側壁の平面形状と、相似形、非相似形の何れも
自由に選択できる。さらに、周辺屋根部を、点検用通路
として利用することが容易になる。
【0105】また、周辺屋根部の内法を点検用通路に必
要な内法にしたので、側壁の外側へ突出させることなく
点検用通路を設けることができる。
【0106】次に、屋根本体部全体を吊り上げてタンク
本体部から取り外すことができる構成にしたので、完成
後は屋根本体部を持ち上げて取り外すことにより、貯蔵
空間の点検、修理などを容易にすることができる。
【0107】次に、請求項の発明によれば、周辺屋根
部の上面を略水平状に、または中央部に向かって上昇す
る所要の勾配で傾斜している片持ちスラブ、および/ま
たは片持ち梁で形成したので、略水平状の場合は点検用
通路として利用でき、また、所要の勾配で傾斜させた場
合は雨水を容易に排水させることができる。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】次に、請求項3の発明によれば、ドーム状
の屋根本体部は、スパン長さ、屋根頂部の高さ(ライ
ズ)が小さくなるので、軽量で、小型化した威圧感のな
い外観となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のタンクにおける屋根構造体の原理を
示す説明図である。
【図2】この発明の第1実施形態であるタンクの斜視図
である。
【図3】図2に示したタンクの縦断面図である。
【図4】図2に示したタンクの斜め横からの側面図であ
る。
【図5】図2に示したタンクの頂部の平面図である。
【図6】図2に示したタンク屋根本体部を取り外した状
態の平面図である。
【図7】連結部の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】鉛直荷重が加わったときの応力、変形状態の説
明図である。
【図9】屋根本体部を吊り上げる状態の説明図である。
【図10】この発明の第2実施形態であるタンクの縦断
面図である。
【図11】図10に示したタンクの屋根本体部を取り外
した状態の平面図である。
【図12】この発明の第3実施形態であるタンクの縦断
面図である。
【図13】図12に示したタンクの頂部の平面図であ
る。
【図14】図12に示したタンクの屋根本体部を取り外
した状態の平面図である。
【図15】連結部の構成の他の例を示す説明図である。
【図16】この発明の第4実施形態であるタンクの要部
の縦断面図である。
【図17】従来のプレストレストコンクリート造タンク
の一例を示す縦断面図である。
【図18】図17に示したタンクの特徴の説明図であ
る。
【図19】従来のドーム状屋根を備えたタンクの他の例
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 タンク本体部 3 底版 4 側壁 5 突条部 6 屋根構造体 7 周辺屋根部 8 片持ちスラブ 8A スラブ 9 立ち上がり部 10 片持ち梁 11 床開口部 12 切り欠き部 13 落下防止柵 14 屋根本体部 15 屋根面材 16 屋根骨組 17 連結部 18 支持脚部 19 ベースプレート 20 長孔 21 締結具 22 アンカーボルト 23 ナット 24 座金 25 中間プレート S 貯蔵空間 H 水平面開口部 A 内容物(水道水) C クレーン作業車
フロントページの続き (72)発明者 武富 幸郎 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事務所内 (72)発明者 渡辺 邦夫 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事務所内 (56)参考文献 特開 平7−34715(JP,A) 特開 平11−182088(JP,A) 特開 平9−78878(JP,A) 特開 平10−61245(JP,A) 特開 平9−209452(JP,A) 特開 平8−94785(JP,A) 実開 昭62−112398(JP,U) 特公 昭45−1779(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に貯蔵空間を有する筒状のタンク本
    体部と、このタンク本体部の頂部に架設される屋根構造
    体とからなるタンクであって、 タンク本体部は、所要の壁厚を有して環状平面形をなす
    側壁と、このタンク本体部の底部を塞ぐ底版とを備え、 屋根構造体は、タンク本体部の側壁と一体的にコンクリ
    ート造で形成された周辺屋根部と、この周辺屋根部によ
    って区画された水平面開口部を閉塞する屋根本体部とを
    組み合わせて構成され、 屋根本体部は、屋根面材を取り付ける屋根骨組と、この
    屋根骨組の平面視周縁部に付設した連結部とを備え、 周辺屋根部は、タンク本体部の側壁から内側に向かって
    横方向に所要の張り出し長さでスラブ、および/または
    梁を張り出して平面視環状形に形成され、 屋根本体部は、水平面開口部を閉塞するスパン長を、タ
    ンク本体部の側壁の内法スパン長から周辺屋根部の張り
    出し長さを控除した長さに形成され、 屋根本体部の自重を支持する屋根骨組は、周辺屋根部と
    独立した骨組として構成され、連結部で周辺屋根部に接
    合され、 周辺屋根部は、その先端部近傍に設置された連結部を介
    して伝達された屋根本体部の自重を側壁に伝達する、曲
    げモーメントが支配的な曲げ材の片持ち構造を構成し、 屋根本体部の自重を、屋根骨組をアルミニウム合金製と
    するとともに、タンク本体部の側壁から内側に向かった
    周辺屋根部の張り出し長さを少なくとも点検用通路に必
    要な内法を備えた長さに形成し、屋根本体部のスパン長
    を小さくすることによって、軽量化し、 屋根本体部を、タンク完成後に点検、修理などの目的
    で、その屋根本体部全体を吊り上げてタンク本体部から
    取り外し可能とし、 屋根本体部を、前記水平面開口部を着脱自在に閉塞する
    軽量化と耐腐食性に優れた蓋体として構成し、 屋根本体部の耐用年数をタンク本体部の耐用年数と同一
    にすることのできる耐久性能を有する、 ことを特徴とするタンク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のタンクにおいて、 周辺屋根部は、上面が略水平状に、または上面が屋根本
    体部に向かって上昇する所要の勾配で傾斜している片持
    ちスラブ、および/または片持ち梁で形成されている、 ことを特徴とするタンク。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のタンクにおいて、 屋根本体部は、アルミニウム合金製の屋根面材、アルミ
    ニウム合金製の屋根骨組によってトラス構造を構成した
    ドーム状屋根を形成している、 ことを特徴とするタンク。
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