JP3291226B2 - 軽合金射出成形機用射出ノズル - Google Patents

軽合金射出成形機用射出ノズル

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JP3291226B2 JP30809297A JP30809297A JP3291226B2 JP 3291226 B2 JP3291226 B2 JP 3291226B2 JP 30809297 A JP30809297 A JP 30809297A JP 30809297 A JP30809297 A JP 30809297A JP 3291226 B2 JP3291226 B2 JP 3291226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともシリン
ダバレルと、このシリンダバレル内で回転および軸方向
に駆動されるように設けられているスクリュとを備え、
スクリュを回転方向に駆動すると、軽合金射出材料チッ
プが計量され、軸方向に駆動すると、計量された軽合金
射出材料が、シリンダバレルの先端部に設けられている
射出ノズルから金型へ射出されるようになっている軽合
金射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機、例えばインラインスクリュ
式射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知
で、シリンダバレル、このシリンダバレル内で回転およ
び軸方向に駆動されるスクリュ、スクリュを回転および
軸方向に駆動する駆動装置等から構成されている。した
がって、スクリュを駆動装置により回転駆動すると共
に、ホッパから合成樹脂材料の代わりに例えばアルミニ
ウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス等の低融
点金属材料あるいは軽合金射出材料チップをシリンダバ
レルに供給すると、スクリュの回転による摩擦力、剪断
力、外部から加える熱等により半溶融状態にされる。こ
のとき、スクリュは後退し、半溶融状態の軽合金射出材
料は、シリンダバレルの前方に搬送され所定量が蓄積さ
れる。蓄積された軽合金射出材料は、スクリュを軸方向
に駆動することにより、シリンダの先端部に設けられて
いる射出ノズルから、型締めされた金型のキャビテイに
射出して軽合金成形品を得ることができる。
【0003】ところで、上記のような軽合金射出成形機
用の射出ノズルには、一般にオープン型ノズルが適用さ
れている。オープン型ノズルは、構造が簡単、保守管理
が容易、操作性がよい等の利点があるが、問題もある。
例えば、スクリュを回転駆動して軽合金射出材料チップ
を計量するとき、半溶融状態の軽合金射出材料はシリン
ダバレル内をスクリュにより前方へ搬送されるが、この
搬送する圧力により、射出ノズルの先端部から軽合金射
出材料が押し出される、いわゆる鼻たれ現象すなわちド
ルーイングが生じる欠点がある。また、射出待機中にシ
リンダバレル内で発生した内圧、残圧等により軽合金射
出材料が射出ノズルから噴出することもある。そこで、
射出ノズルの先端部の温度を成形温度よりも50〜10
0°C程度低くして、射出ノズルの先端部近傍の半溶融
状態の軽合金射出材料を固化させ、強制的に“コールド
プラグ”と呼ばれる“栓”を形成して、鼻たれ現象ある
いは噴出を抑制するようにしている。なお、このような
コールドプラグは、新たに計量された軽合金射出材料と
共に、次のショットで金型に射出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにコールドプ
ラグが形成されているので、一応鼻たれ現象等は抑制さ
れるが、問題も残っている。例えば、金型温度は射出ノ
ズルの温度よりも一般に200〜400°C程度低いの
で、射出ノズルを金型に密着させるときに、射出ノズル
の先端部の温度が下がり過ぎることがある。温度が下が
り過ぎると、コールドプラグは必要以上に硬くなり、そ
して長くなる。そうすると、射出時にコールドプラグの
抜け圧力が異常に高くなり、計量された半溶融状態の軽
合金射出材料のホッパへの逆流が多くなったり、あるい
はコールドプラグが全く抜けなくなり、計量された半溶
融状態の軽合金射出材料が射出されず、いわゆる空ショ
ットになり、軽合金射出材料チップが貯蔵されているホ
ッパの方へ逆流することがある。逆流すると、計量不
能、計量不安定等のトラブルを引き起こすことになる。
【0005】そこで、射出時にコールドプラグが抜け易
いように、オープン型ノズルの先端部は、ストレートあ
るいは射出方向に向かって拡径するようにテーパ状に形
成されている。しかしながら、このような形状の射出ノ
ズルでは、低温の大きな、あるいは多量のコールドプラ
グが金型へ射出され、軽合金成形品の品質を落とすこと
がある。さらに説明すると、コールドプラグおよびその
近傍の温度は下がって、流動性が低下した半溶融状態の
軽合金射出材料、すなわち固相成分含有率の高い半溶融
状態の軽合金射出材料になっているが、このような半溶
融状態の軽合金射出材料が、本来の流動性を有する正常
な半溶融状態の軽合金射出材料と共に金型内へ射出され
るので、ショートショット、表面欠陥、湯じわ等が発生
し、軽合金成形品の品質を著しく低下させることがあ
る。特に、小物の軽合金成形品を成形するときは、流動
性が低下した半溶融状態の軽合金射出材料が占める割合
が高くなり、一層品質を低下させる。
【0006】上記のような欠点は、射出ノズルの先端部
の温度を高くすることにより解消することはできる。し
かしながら、温度が高いとコールドプラグは柔らかく、
しかも短くなるので、ストレートあるいはテーパ状の射
出ノズルでは栓の効果が弱く、計量時の搬送圧あるいは
射出待機中の内圧、残圧等によりコールドプラグが抜け
ることがある。コールドプラグが抜けると、半溶融状態
の軽合金射出材料が射出ノズルから噴出し、火傷等の災
害を引き起こすほか、軽合金射出材料がマグネシウム合
金のような活性が高い場合は、発火、燃焼等の危険もあ
る。本発明は、上記したような問題点あるいは欠点を解
消した軽合金射出成形機用射出ノズルを提供することを
目的とし、具体的には比較的高い温度でコールドプラグ
を形成することができるにも拘らず、計量時の搬送圧、
射出待機中の内圧、残圧等により抜けることがなく、こ
れにより高品質の軽合金成形品を安全に得ることができ
る軽合金射出成形機用射出ノズルを提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、射
出ノズルのノズル孔の先端部に、コールドプラグが例え
柔らかくても、また短くても徒に抜けないように、突起
物を設けることにより達成される。すなわち、本発明
は、上記目的を達成するために、シリンダバレルと、該
シリンダバレル内で回転および軸方向に駆動されるよう
に設けられているスクリュとを備え、前記スクリュを回
転方向に駆動すると、溶融した軽合金射出材料がコール
ドプラグの後方の計量室に計量され、軸方向に駆動する
と、コールドプラグと共に計量された軽合金射出材料
が、前記シリンダバレルの先端部に設けられている射出
ノズルから金型へ射出されるようになっている軽合金射
出成形機において、前記射出ノズルの外周部には温度調
節が可能な加熱ヒータが設けられていると共に、該射出
ノズルのノズル孔の先端部には、半径内方へ突出した
数個の突起物が円周方向に所定の間隔をおいて設けられ
ている。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の突
起物が、軸方向に所定の間隔をおいて複数列設けられて
いる。複数列設けられている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1、2により本発明の実
施の形態を説明する。図1に示されているように、本実
施の形態に係わる軽合金射出成形機は、軽合金射出材料
チップを溶融するシリンダバレル1、このシリンダバレ
ル1内で回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられてい
るスクリュ10、シリンダバレル1の先端部に設けられ
ている射出ノズル5等から構成されている。
【0009】シリンダバレル1は、所定の長さを有し、
その先端部が計量室2となり、この計量室2から湯路3
が先端部に向けて形成されている。そして、この湯路3
に連通した状態で射出ノズル5が設けられている。ま
た、シリンダバレル1の外周部には、従来周知のように
ヒータ4、4、…が設けられ、計量時に軽合金射出材料
チップを外部から加熱するようになっている。なお、シ
リンダバレル1の後方寄りに軽合金射出材料チップが貯
蔵されているホッパが、そして後方端にはスクリュ10
を回転方向に駆動すると共に、軸方向には高速で駆動す
る駆動装置が設けられているが、図1には示されていな
い。
【0010】射出ノズル5は、その中心部にシリンダバ
レル1の湯路3に連通したノズル孔6を有するが、この
ノズル孔6は、本実施の形態では、ストレートになって
いる。そして、このノズル孔6の先端部に、図2に拡大
して示されているように、半径内方へ突出した突起物8
が設けられている。突起物8の形状、位置、数等は、格
別に限定されないが、図2の(イ)、(ロ)に示されて
いる実施の形態では、リング状になっている。したがっ
て、後述するコールドプラグは、突起物8の全周で支持
されることになる。これに対し、図2の(ハ)に示され
ている実施の形態では、突起物9、9、…は、円周方向
に所定の間隔をおいて複数個設けられている。したがっ
て、本実施の形態では、複数個の点で支持されることに
なる。しかしながら、これらの突起物8、9、9…の内
周面は、図2の(イ)に示されているように、先端部に
向かって縮径するようにテーパ状に形成されている。し
たがって、射出時にコールドプラグに所定の圧力が加わ
ると、コールドプラグは容易に抜けることになる。な
お、射出ノズル5の外周部には、周知のように温度調節
可能なヒータ7、7が設けられている。
【0011】次に、上記軽合金射出成形機を使用した成
形例を説明する。図1、2には示されていないが、ホッ
パにマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、錫等の純金属
あるいはこれらの合金からなる軽合金射出材料チップを
入れる。また、必要な箇所を不活性ガスの雰囲気にす
る。ヒータ4、4、…、7、7によりシリンダバレル
1、射出ノズル5等を加熱する。このとき、射出ノズル
5のヒータ7、7は、軽合金射出材料の成形温度より1
0〜30°C程度低く設定する。油圧モータによりスク
リュ10を回転駆動すると共に、ホッパの下部に設けら
れているスクリュフィーダ、ロータリィフィーダ等から
なる容量フィーダを駆動する。そうすると、ホッパから
供給される軽合金射出材料チップは、計量室2へ送られ
る過程でヒータ4、4、…により急速に加熱される熱に
より溶融が始まり、スクリュ10の回転駆動による摩擦
力、剪断力等により生じる熱により半溶融状態に計量さ
れる。すなわち、軽合金射出材料が固体状態の固相と、
液体状態の液相とが共存している状態に溶融される。計
量の進行と共に、スクリュ10は、計量される半溶融状
態の軽合金射出材料KMの搬送圧力により後退する。あ
るいはスクリュ10を強制的に後退させて計量を終わ
る。
【0012】計量が終わったら、金型20のスプルー充
填口21に射出ノズル5を密着させる。そうして、スク
リュ10を高速射出駆動装置により軸方向に駆動する。
そうすると、計量室2に蓄積されている半溶融状態の軽
金属射出材料KMが、型締めされている従来周知の金型
20のキャビテイに注入される。これにより、軽金属成
形品を得ることができる。
【0013】上記のようにして、計量するとき、射出ノ
ズル5のヒータ7、7は、軽合金射出材料の成形温度よ
り10〜30°C程度低く設定されているので、また低
温の金型20に接しているので、ノズル孔6の先端部に
は射出した残りの軽合金射出材料によりコールドプラグ
CPが形成される。そして、このコールドプラグCPの
先端部は、突起物8、9、9…に当接している。なお、
このコールドプラグCPの後方端に隣接している部分C
P’は、温度が低下し、流動性の低い溶融状態の軽金属
射出材料となり、その後方が正規の半溶融状態の軽金属
射出材料KMとなっている。このように、ノズル孔6の
先端部にはコールドプラグCPが形成され、そして突起
物8、9、9、…に当接しているので、コールドプラグ
CPは比較的柔らかく、且つ短く形成されているが、栓
の作用を奏し、計量中あるいは射出待機中に鼻たれ現
象、軽合金射出材料の噴出等が防止される。
【0014】射出するときは、コールドプラグCPに所
定の圧力が加わる。そうすると、比較的柔らかく、且つ
短く形成されているので、コールドプラグCPは、突起
物8、9、9、…を容易に抜けて、流動性の低い溶融軽
金属射出材料CP’と正規の半溶融状態の軽金属射出材
料KMと共に金型20へ射出される。以下同様にして計
量し、そして射出する。
【0015】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく、色々な形で実施できる。たとえば、図1、2に
は示されていないが、突起物8、9、9、…は、軸方向
に間隔をおいて複数列に設けることもできる。このとき
は、突起物8、9、9、…の高さを前後に差を付けるこ
ともできる。さらには、コールドプラグCPの外周面と
ノズル孔6の内周面との間の摩擦抵抗を大きくするため
に、ノズル孔6の内周面に先端部から所定長さにわたっ
て凹凸を付けることもできる。このように、突起物8、
9、9、…の高さ、大きさ、形状、数等を変化させ、コ
ールドプラグCPの抜け圧力を調節することもできる。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、射出ノ
ズルの外周部には加熱ヒータが設けられていると共に、
該射出ノズルのノズル孔の先端部には、半径内方へ突出
した複数個の突起物が設けられているので、加熱ヒータ
の設定温度を軽金属射出材料の融点近くまで高くし、コ
ールドプラグを柔らかく、且つ短く形成しても、複数個
突起物がストッパの作用を奏するので、計量時の搬送
圧あるいは射出待機中の内圧、残圧等によりコールドプ
ラグが抜けることがない、またコールドプラグは柔らか
く、且つ短いので正規の射出圧力では容易に抜ける、と
いう本発明特有の効果が得られる。したがって、半溶
融状態の軽合金射出材料が射出ノズルから噴出するよう
なこがなく、安全に軽金属成形品を得ることができる。
さらには、本発明によると、コールドプラグを柔らか
く、且つ短く形成することができるので、すなわち温度
が低く流動性の低い半溶融状態の軽合金射出材料の割合
を、極力小さくすることができるので、小物でも成形欠
陥のない高品質の軽金属成形品を得ることができるとい
う効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の要部を拡大して示す断
面図で、その(イ)は射出ノズル部分の断面図、その
(ロ)は射出ノズルの先端部の断面図、その(ハ)は射
出ノズルの先端部の他の実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダバレル 5 射出ノズル 7 ヒータ 10 スクリュ 8、9 突起物 CP コールドプ
ラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/02 B22D 17/30 B29C 45/20 B29C 45/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダバレル(1)と、該シリンダバ
    レル内で回転および軸方向に駆動されるように設けられ
    ているスクリュ(10)とを備え、前記スクリュ(1
    0)を回転方向に駆動すると、溶融した軽合金射出材料
    コールドプラグの後方の計量室(2)に計量され、軸
    方向に駆動すると、コールドプラグと共に計量された軽
    合金射出材料が、前記シリンダバレル(1)の先端部に
    設けられている射出ノズル(5)から金型(20)へ射
    出されるようになっている軽合金射出成形機において、 前記射出ノズル(5)の外周部には温度調節が可能な
    熱ヒータ(7、7)が設けられていると共に、該射出ノ
    ズル(5)のノズル孔(6)の先端部には、半径内方へ
    突出した複数個の突起物(9、9、…)が円周方向に所
    定の間隔をおいて設けられていることを特徴とする軽合
    金射出成形機用射出ノズル。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の突起物(9、9、…)
    が、軸方向に所定の間隔をおいて複数列設けられている
    軽合金射出成形機用射出ノズル。
JP30809297A 1997-10-23 1997-10-23 軽合金射出成形機用射出ノズル Expired - Fee Related JP3291226B2 (ja)

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