JP3291143B2 - 複合超硬ロール - Google Patents

複合超硬ロール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼線材及び棒材等の
圧延に使用される複合超硬ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】線材圧延において、超硬ロールをロール
軸に機械的手段で固着した組立ロールが用いられる場合
がある。超硬ロール13は、例えば、図4の如く、WC
とCoとが焼結一体化されたWC超硬材により形成され
ている。しかし、超硬ロール13は全体が超硬材である
ため、経済的でないばかりか、重量が重くなり取り替え
作業が困難であるなどの問題があった。
【0003】上記問題点を解決するため、図5に示すよ
うに、超硬合金からなる超硬スリーブ11の内面に普通
鋳鉄からなる内層12aとダクタイル鋳鉄からなる内層
12bを溶着した複合超硬ロール13Aが報告されてい
る(特開昭57−171561号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、超硬スリーブ
を形成する超硬合金の熱膨張係数と内層(12a、12
b)を形成する鋳鉄材の熱膨張係数の差が大きいため、
内層が完全に凝固した後、塑性変形を起こし難くなる5
00℃程度から常温に至る冷却過程で、超硬合金と鋳鉄
材との大きな熱膨張差に起因して、大きな熱応力が生じ
るため、ロールに割れが発生し易くなる。
【0005】また、内層を鋳鉄材で形成した場合、前記
内層鋳造後の冷却過程で、前記内層の組織がオーステナ
イトからパーライトに変態し、前記内層が膨張する。そ
のため、前記超硬スリーブに引張応力が残留し、ロール
の割れが助長される。さらに、内層が超硬合金より比重
の小さい鋳鉄材により形成されていても、依然重量が重
く、ロールの取り替え作業が困難である。
【0006】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、製造中に割れの発生し難く、かつ、十分軽量な、複
合超硬ロールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合超硬ロール
は、耐摩耗性に優れた超硬合金からなる円筒状の超硬ス
リーブの内面に、円筒状の内層が鋳造により形成された
複合超硬ロールにおいて、前記内層が、前記超硬スリー
ブの熱膨張係数以上で、かつ、その差が15×10
-6(℃-1)以下である熱膨張係数を有するAl−Si合
金からなることを特徴とする。また、超硬スリーブがW
C−Co系超硬合金により形成される場合、内層を、S
iが10〜30wt%含有したAl−Si合金により形
成することができる。
【0008】
【作用】アルミニウムは鉄の1/3程度の比重しかない
ため、内層にアルミニウム合金を使用することによりロ
ール重量を著しく軽減することができ、取扱いが容易に
なる。また、Al−Si合金は相変態が生じないため、
冷却過程で内層の膨張が発生せず、変態に起因する引張
応力が超硬スリーブに残留しないため、鋳造後の冷却過
程で割れが生じ難くなる。
【0009】内層鋳造後の冷却過程において発生する応
力は、超硬スリーブと内層の熱膨張差によるものであ
り、その熱膨張差は、超硬合金と内層材の熱膨張係数差
と、内層の凝固後、塑性変形が起きにくくなる温度から
室温までの温度差によって決まる。Al−Si合金の場
合、塑性変形が起きにくくなる温度が300℃程度と低
いため、温度差に起因する熱膨張差は小さくなる。しか
も、Al−Si合金の熱膨張係数は、アルミニウム合金
の中でも小さい方であり、Si含有量により容易に調整
可能であり、本発明では、超硬合金の熱膨張係数以上
で、かつ、その差を15×10-6(℃-1)以下にしたの
で、熱膨張差が小さいことと相まって、超硬合金に引張
応力が生じず、熱膨張差による圧縮応力は小さくなり、
ロールの製作時に割れが生じ難くなる。Al−Si合金
の熱膨張係数が超硬合金のそれ未満であると、超硬スリ
ーブに引張応力が残留するようになり、割損の恐れが生
じる。熱膨張係数の差が15×10-6(℃-1)を越える
場合は、熱膨張係数差に起因する熱膨張が増加し、温度
差が小さくても、比較的大きな熱応力が残留するように
なり、ロールの割れが発生し易くなる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係る複合超硬ロール3の構
造を示す断面図である。前記複合超硬ロール3は、円筒
状部材で形成された超硬スリーブ1を有し、該超硬スリ
ーブ1の外周面を露出させるように円筒状の前記内層2
により鋳ぐるまれている。前記超硬スリーブ1は、圧延
材と接しこれを圧延成形する部分であって、側面はスリ
ーブ幅が径方向内方に拡大するよう傾斜しており、耐摩
耗性を有しかつ高温硬度の高いWC−Co系超硬合金に
より形成されている。内層2は、靱性の優れたAl−S
i合金により形成されている。超硬合金とAl−Si合
金とは溶着しにくいため、図例のように超硬スリーブ1
の側面を傾斜状に形成するなどしてスリーブの剥離を防
止することが望ましい。
【0011】超硬スリーブ1としてWC−Co系超硬合
金を使用する場合、WCの含有率は通常65wt%〜90
wt%程度であり、熱膨張係数は5×10-6〜7×10-6
(℃ -1)程度である。一方、Al−Si合金の熱膨張係
数は、Si含有量の増加とともに小さくなる。この傾向
から、熱膨張差による熱応力が小さくなる範囲である5
×10-6〜20×10-6(℃-1)にするには、Si量を
10〜30wt%とすればよい。Si量が30wt%を
越えると、溶解・鋳造性が悪くなるため、ロールの製作
が困難になり、10wt%未満であると、超硬合金との
熱膨張係数差が大きくなるため、割れが発生し易くな
る。
【0012】超硬スリーブ1と内層2との複層化の方法
は、溶解したAl−Si合金中に、超硬スリーブ1を浸
漬した後、昇温し保持する。その後、急激に冷却すると
超硬スリーブ1が熱割れを起こすため、徐冷して、Al
−Si合金を凝固冷却する。内層2の鋳造については、
前記浸漬法に限らず、遠心力鋳造法や置注鋳造法によっ
ても行うことができる。また、Al−Si合金のSi含
有量が12wt%を越える場合、溶製法によると粗大な
初晶Siが晶出するので、内層2の形成は、Al−Si
合金の急冷凝固粉末を用いて、粉末冶金や熱間成形によ
り一体化するとよい。
【0013】複合超硬ロール3の他例を図2及び図3に
示す。図2の例では、複合超硬ロール3Aは、所望の孔
型が外周面に形成された2個の超硬スリーブ1A、1A
を有し、該超硬スリーブ1A、1Aの外周面を露出させ
るように内層2Aが鋳造されている。また、図3の例で
は、超硬スリーブ1Bの内周部に、係合溝4Bが形成さ
れており、該係合溝4Bは、溝の幅が径方向外方に拡大
するよう形成され、内層2Bと係合してスリーブの剥離
を防止している。
【0014】次に図1に係る複合超硬ロール3の具体的
製造例について説明する。 (1) 先ず、下記の材質、寸法、熱膨張係数の超硬合金か
らなる超硬スリーブ1を製作した。 寸法 外径φ210×幅66mm〜72mm(厚さ20
mm) 材質 WC70wt%+13wt%Co−15wt%N
i−2wt%Cr 熱膨張係数 7.5×10-6(℃-1)程度 (2) 実施例1として、超硬スリーブ1を下記成分のAl
−Si合金溶湯中に浸漬した後、800℃まで温度を上
昇させ、30分間保持した後、徐冷することにより内層
2を形成した複合超硬ロール3を製作した。
【0015】 寸法 外径φ210×幅80mm(厚さ45mm) 材質 Al−12.5wt%Si−0.9wt%Cu−1.
1wt%Mg−0.8wt%Ni 熱膨張係数 19×10-6(℃-1)程度 (3) 実施例2として、超硬スリーブ1を下記成分のAl
−Si合金溶湯中に浸漬した後、950℃まで温度を上
昇させ、20分間保持した後、徐冷することにより、内
層2を形成した複合超硬ロール3を製作した。寸法は、
実施例1と同じである。
【0016】材質 Al−25wt%Si(溶湯処理の
時、Pを0.05wt%添加) 熱膨張係数 15×10-6(℃-1)程度 (4) 比較例として、前記成分の超硬合金のみからなる超
硬スリーブ1を製作した。尚、圧延で使用する部分は、
表面から20mm未満程度である。
【0017】 寸法 外径φ210×幅72mm(厚さ45mm) (5) 実施例1と比較例に係る複合超硬ロールの重量を比
較すると、比較例の重量は23kgであるのに対し、実
施例1の重量は超硬スリーブ11kgと内層3kgの合
計14kgであった。超硬合金の使用量が23kgから
11kgに半減したため材料コストが大幅に低減でき、
又、実施例1が比較例より9kg軽量に製作できたた
め、ロールの取り替え作業が2人から1人に省人化でき
た。 (6) また、実施例1及び2における超硬合金の熱膨張係
数とAl−Si合金のそれとの差は、それぞれ、11.
5×10-6(℃-1)程度、及び、7.5×10
-6(℃-1)程度であり、共に、熱膨張差による熱応力が
小さくなる範囲内にある。そのため、ロールの製造中の
超硬スリーブ1の割損や内層2のクラックも生じなかっ
た。
【0018】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、内
層が、超硬スリーブの熱膨張係数以上で、かつ、その差
が15×10-6(℃-1)以下である熱膨張係数を有する
Al−Si合金により形成されるので、熱膨張係数差と
温度差に起因する熱膨張による熱応力が小さくなり、か
つ、内層鋳造後の冷却過程における内層の相変態に従う
膨張が発生せず、ロール製作時の割れが発生し難くな
る。また、比重の高い超硬合金の使用量が減少するた
め、コストダウンのみならず、ロールの軽量化が図れ、
ロールの組み替えが容易にできる。
【0019】超硬スリーブがWC−Co系超硬合金で形
成される場合、内層を、Siが10〜30wt%含有し
たAl−Si合金で形成することにより、靱性の高い、
割れの発生し難い複合超硬ロールの製造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合超硬ロールの断面図である。
【図2】本発明に係る複合超硬ロールの第2実施例の断
面図である。
【図3】本発明に係る複合超硬ロールの第3実施例の断
面図である。
【図4】従来の単層のスリーブを有する超硬ロールの断
面図である。
【図5】従来の複層のスリーブを有する複合超硬ロール
の断面図である。
【符号の説明】
1 超硬スリーブ 2 内層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−158004(JP,A) 特開 平5−212558(JP,A) 特開 昭59−191505(JP,A) 特開 昭60−46861(JP,A) 特開 昭57−171561(JP,A) 実開 平2−65403(JP,U) 実開 平1−60701(JP,U) 実開 昭57−3402(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/00 B21B 27/03 520

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性に優れた超硬合金からなる円筒
    状の超硬スリーブ(1)の内面に、円筒状の内層(2)
    が鋳造により形成された複合超硬ロールにおいて、 前記内層(2)が、前記超硬スリーブ(1)の熱膨張係
    数以上で、かつ、その差が15×10-6(℃-1)以下で
    ある熱膨張係数を有するAl−Si合金からなることを
    特徴とする複合超硬ロール。
  2. 【請求項2】 超硬スリーブ(1)がWC−Co系超硬
    合金からなり、内層(2)が、Siを10〜30wt%
    含有したAl−Si合金からなる請求項2に記載の複合
    超硬ロール。
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FR2919511B1 (fr) * 2007-07-30 2010-01-29 Snecma Propulsion Solide Rouleau composite thermostructural
WO2015136330A1 (en) 2014-03-14 2015-09-17 Sandvik Intellectual Property Ab Compound roll
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