JPS6119699B2 - - Google Patents

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JPS6119699B2
JPS6119699B2 JP19381881A JP19381881A JPS6119699B2 JP S6119699 B2 JPS6119699 B2 JP S6119699B2 JP 19381881 A JP19381881 A JP 19381881A JP 19381881 A JP19381881 A JP 19381881A JP S6119699 B2 JPS6119699 B2 JP S6119699B2
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Noryuki Myazaki
Masanori Fukushima
Masahiro Fukuda
Akitoshi Okabayashi
Sada Narahara
Kenji Muramatsu
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Publication date
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Priority to FR8220097A priority patent/FR2517223B1/fr
Priority to DE19823244328 priority patent/DE3244328A1/de
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  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はH型鋼圧延用ロール、特にユニバーサ
ルミルの水平スタンド用スリーブロールに供され
るスリーブに関するものである。 今日、H型鋼の圧延は生産性、品質確保の見地
から、第1図に示すように、ユニバーサルミルの
使用が一般化している。これを簡単に説明する
と、ユニバーサルミルは上下一対の水平ロール
1,1と左右一対の竪ロール2,2を具備してな
り、圧延材(H型鋼)3はこれらロール間を通さ
れて、高さ方向と幅方向から同時に圧延成形され
ていくのである。 ここにおいて水平ロール1,1には、そのロー
ルの形状並びに部分的な所要性質の相違に基づ
き、図例のように別体のスリーブ5をロールアー
バ4に焼嵌めて組立たスリーブロールを使用する
のが通例である。すなわち、この種のロールにあ
つては、圧延によつてその使用層が損傷摩耗する
と、そのスリーブ5のみを改削あるいは新品に取
替て再使用に供するのである。 しかして、このようなH型鋼圧延用スリーブロ
ールに用いられるスリーブ5についてみると、そ
の圧延材3と接する部分即ち使用層には、耐焼付
性、耐摩耗性、耐クラツク性が要求され、他方圧
延材3と接しないスリーブ内面側即ち内層には、
焼嵌め応力や圧延時の負荷応力等に耐える強靭性
が要求される。すなわち、アーバ4に焼嵌めて組
立られるスリーブ5には、更にその内外部分によ
り相反する性質を具備することが要求される訳で
ある。そこで、従来よりこの種スリーブロールの
用途には、その使用量と内層とを異材質で形成し
かつ両者を溶着一体化せしめて構成した複合スリ
ーブを利用することも多用されている。 しかし乍ら、最近の圧延材品質の確保に対する
高度な要求に伴い、上記複合スリーブの使用によ
つても、スリーブロールの性能並びに耐用性の維
持向上に充分対応できない問題点が認められつつ
ある。これは、H型鋼圧延用水平ロールにあつて
は、そのスリーブ5の使用層において、更に部分
的に異なる性質が要求されるためである。すなわ
ち、スリーブ5のウエブ成形部6においては、圧
延材3の熱が集中し易いため図中A部において焼
付を発生し易い問題があり、一方そのフランジ成
形部7においては、比較的低温の圧延材フランジ
先端部と摺動するため、フランジ先端から20〜40
mm位置にまで至る図中B部の摩耗が激しい問題点
を抱えているが、これに対して、複合スリーブの
使用層材質にかつてのような球状黒鉛鋳鉄を用い
た場合では、焼付防止には有効な反面、上記局部
摩耗の進行が著しく早期にその改削を要する欠点
があり、またアダマイト材質を用いた場合では、
耐摩耗性の向上に有効な反面、上記焼付防止の点
に問題を残し、結局いずれの場合も必要ロール性
能を兼備することができないためである。 そこで最近では、アダマイト材質がフランジ成
形部7の耐摩耗性に良好であり、しかもそのC含
有量を高めることによつて、その耐焼付性も一般
に改善されることに着目して、複合スリーブの使
用層材質として、いわゆる高C%のアダマイト材
質を用いる傾向にある。しかし乍ら、この高C%
アダマイト材質にあつても、耐事故性を確保する
見地から、そのC含有量の増加には限度があり、
従つてウエブ成形部6の焼付問題を完全に解消で
きないのが実情である。 本発明は上記の如きH型鋼圧延用スリーブロー
ルの問題点に鑑み、この種ロールに供される複合
スリーブの使用層について必要な耐焼付性、耐摩
耗性、耐事故性の性質を全て満足することができ
るものを提供せんとするものであり、これがため
に本発明は、圧延材と接する使用層を耐焼付性に
優れる材質の第1外層と耐摩耗性に優れる材質の
第2外層の二層に形成し、一方圧延材と接しない
内層を強靭性に優れる材質で形成し、かつこれら
第1外層、第2外層及び内層を溶着一体化せしめ
てなる三層スリーブにおいて、その第1外層、第
2外層及び内層を各々下記に詳述するような特定
化学成分を有する材質で形成することを特徴とす
るものである。 すなわち、本発明に係る三層スリーブは、従来
使用層と内層の二層から構成されていたこの種複
合スリーブを、その使用層について更に異材質か
らなる第1外層と第2外層の二層に構成し、使用
層の各部に要求される異なる性質を同時に満足せ
しめるものである。第2図はこのような三層スリ
ーブの構造例を図示し、ここにおいてaは耐焼付
性に優れる第1外層、bは耐摩耗性に優れる第2
外層、cは強靭性に優れる内層を示し、各層を形
成する材質の具体例は下記に列記される。 なお、本発明の理解のために述べると、従来か
らもある種の用途に対して三層ロールおよびスリ
ーブの製造及び適用例が存在することが知られて
いるが、この従来公知の三層ロールおよびスリー
ブにあつては、中間層を介在せしめるのは外層と
内層の溶着健全性の向上等を企図するものであつ
て、勿論その中間層は使用に供されず、使用量は
二層ロールおよびスリーブと同じく外層のみであ
る。これに対して本発明に係る三層スリーブは、
上記説明からも明らかなように、第1外層と共に
第2外層も同時に使用層として圧延に直接供され
る部分となり、上記従来の三層ロールおよびスリ
ーブとはその技術的趣旨が明確に区別されるもの
である。また、このような本質的な相違に基づ
き、両者は各層を形成する材質及び層厚において
顕著に異なる構成を具備するものとなろう。 以下本発明に係る三層スリーブの第1外層、第
2外層及び内層を形成する材質を掲げ、各層につ
いて詳細に説明する。 〔第1外層〕 耐焼付性に優れる外層は、C2.0〜3.2%、Si0.6
〜2.5%、Mn0.4〜1.5%、P0.1%以下、S0.1%以
下Ni2.5%以下、Cr0.5〜2.0%でかつ<1.5Si%、
Mo0.2〜2.0%を各重量%含み、残部Feおよび通
常の不純物からなる材質、又は上記成分に必要に
応じてTi、Al、Zrの一種又は二種以上を合計量
で0.1重量%以下含有せしめてなる材質から形成
される。 (i) 化学組成(重量%、残部Feおよび通常の不
純物) C:2.0〜3.2% Cは耐焼付性を主目的とするため2.0%以上
含有せしめる。2.0%未満では、セメンタイト
および黒鉛の量が少なく、耐焼付性は劣化す
る。しかし、3.2%を超えると、セメンタイト
および黒鉛の量が多くなり、耐クラツク性の面
で問題となる。 Si:0.6〜2.5% Siは黒鉛を晶出させると共に基地の耐焼付性
を向上する。0.6%未満では、耐焼付性を向上
する黒鉛を晶出せず、また基地の耐焼付性も劣
化する。 しかし、2.5%を超えると、基地が脆くな
る。 Mn:0.4〜1.5% MnはSの害を除き、硬度、耐摩耗性の増加
に寄与する。0.4%未満ではその効果がなく、
一方1.5%を超えると材質が脆くなる。 P:0.1%以下 Pは溶湯の流動性を高め、耐摩耗性、耐焼付
性を付与するが、材質を脆くするため0.1%以
下に抑える。 S:0.1%以下 SはPと同様に材質を脆弱にするため0.1%
以下に抑える。 Ni:2.5%以下 Niは基地硬度を高めるが、反面組織の高温
安定性を減じ、耐肌荒性を劣化させる。2.5%
を超えると、上記の点で問題をきたす。 Cr:0.5〜2.0%でかつ<1.5Si% Crはセメンタイトの安定と共に基地の耐摩
耗性を向上する。0.5%未満では、セメンタイ
トが少なくなると共に耐摩耗性の面で不足す
る。しかし、2.0%を超えると、黒鉛を晶出せ
ず、耐焼付性を劣化する。なおCrの増加によ
つても安定に黒鉛を晶出せしめるためには、Si
含有量との相関関係でCr<1.5Si%の条件を満
足する必要がある。 Mo:0.2〜2.0% Moは基地硬度を高めるが、0.2%未満ではそ
の効果が十分でない。しかし、2.0%を超える
と、相応の効果がなく経済的に不利である。 Ti、Al、Zrの単独又は複合:合計量0.1%以下 本材質はC含有量が2.0〜3.2%の範囲にある
ため、鋳造巣を発生し易く、上記元素を一種又
は二種以上含有せしめることにより、より健全
な材質が得られる。このさい、上記元素は全て
強力な脱酸剤であるため、過剰の添加は過酸化
状態をきたし、溶湯の流動性を阻害する。この
ため、それらは合計量で0.1%以下に抑えられ
る。 (ii) 接 種 接種は組織の微細化、黒鉛化の助長のために
有効である。本材質についても、接種技術を応
用すれば、より微細なかつ黒鉛の均一に分布し
た材質が得られる。このさい、接種量はSi分と
して0.05〜1.0%が適当である。すなわちち、
0.05%未満では接種効果が期待できず、一方
1.0%を超えても相応の効果が得られないため
である。接種剤としては、CaSi FeSiが好適で
ある。なお、接種後のSi含有量は、上記0.6〜
2.5%の範囲に止まるように成分調整される。 (iii) 顕微鏡組織 本材質の顕微鏡組織は、セメンタイト、黒鉛
及び基地の三相からなる。セメンタイトは、耐
摩耗性、耐焼付性に奏効するが、多過ぎると耐
クラツク性を損う。黒鉛は耐焼付性に有効であ
るが、多過ぎると耐摩耗性を減じる。また、基
地はマルテンサイトを析出すると組織の高温安
定性を減じ、使用時に問題を発生するため、パ
ーライト、ベーナイトに調整するのが良い。 (iv) 外層の厚さ ウエブ成形部6はロール表面から10〜50mmで
あり、一方、フランジ先端部は通常ロール表面
から100mm程度であるから、その外面から20〜
80mmとする。なお、鋳造にさいしては、外面取
代並びに第2外層との溶着部分を考慮して、30
〜130mmとする。 〔第2外層〕 耐摩耗性に優れる第2外層は、C1.8〜3.0%、
Si0.2〜1.5%、Mn0.4〜1.5%、P0.1%以下、S0.1
%以下、Ni0.5〜3.5%、Cr0.5〜6.0%、Mo0.5〜
2.5%を各重量%含み、残部Feおよび通常の不純
物からなる材質、又は上記成分に必要に応じて
Ti、Al、Zrの一種又は二種以上を合計量で0.1重
量%以下、及び/又は、Nb1.0%以下、V1.0%以
下一種又は二種を各重量%含有せしめてなるいず
れかの材質から形成される。 (i) 化学組成(重量%、残部Feおよび通常の不
純物) C:1.8〜3.0% Cは耐摩耗性を主目的として1.8%以上含有
せしめる。1.8%未満では、セメンタイトの量
が少なく、耐摩耗性は劣化する。しかし、3.0
%を超えると、脆くなり本材質の使用目的に適
合しない。 Si:0.2〜1.5% 本材質ではSiは脱酸を主目的としており、
0.2%未満ではその効果が不足し、一方1.5%を
超えると材質が脆くなる。 Mn:0.4〜1.5% MnはSの害を除き、硬度、耐摩耗性の増加
に寄与する。0.4%未満ではその効果がなく、
一方1.5%を超えると材質が脆くなる。 P:0.1%以下 Pは溶湯の流動性を高め、耐摩耗性、耐焼付
性を付与するが、材質を脆くするため0.1%以
下に抑える。 S:0.1%以下 SはPと同様に材質を脆弱にするため0.1%
以下に抑える。 Ni:0.5〜3.5% Niは基地硬度を高め、耐摩耗性の向上のた
めに0.5%以上を含有せしめる。しかし、その
含有量が多過ぎると、熱的に不安定なマルテン
サイトを析出し、肌荒の原因となるためその上
限を3.5%以下に抑える。 Cr:0.5〜6.0% Crはセメンタイトの安定と共に、セメンタ
イト中に含まれてその体積を増加し、またセメ
ンタイトを硬く、強くして耐摩耗性の向上に寄
与する。しかし、0.5%未満ではその効果が少
なく、一方6.0%を超えると脆くなる。 Mo:0.5〜2.5% Moは基地硬度を高め、第2外層材質の必要
性から0.5%以上を含有せしめる。しかし、2.5
%を超えると、相応の効果がなく経済的に不利
となる。 Ti、Al、Zrの単独又は複合:合計量0.1%以下 これらの元素を一種又は二種以上含有せしめ
ることにより、本材質における鋳造巣の発生を
確実に防止でき、より健全な材質が得られる。
このさい、上記元素は全て強力な脱酸剤である
ため、過剰の添加は過酸化状態をきたし、溶湯
の流動性を阻害する。このため、それらの合計
量は0.1%以下に抑えられる。 Nb、V:各々1.0%以下 Nb、Vは必要に応じてその一種又は二種が
含有される。すなわち、Nbは鋳造組織の微細
化に効果があり、またNbを含有せしめると耐
摩耗性が向上する。この効果は、Nb1.0%以下
で十分である。VもNbと同様の目的で含有さ
れるもので、その含有量はやはり1.0%以下で
よく、1.0%を超えるとV又はNb炭化物が多く
なり脆くなる。 (ii) 顕微鏡組織 本材質の顕微鏡組織は、セメンタイトと基地
の二相からなる。基地は通常パーライトからな
り、またその耐摩耗性に対する要求度に応じ
て、一部ベーナイト、マルテンサイトを含ませ
ることもできる。 (iii) 第2外層の厚さ 本スリーブロールの使用層厚さは、フランジ
幅も含めて通常100〜250mmであり、前記第1外
層の厚さを除くと、第2外層は20〜230mmとな
る。なお、鋳造にさいしては、内外の溶着部分
を考慮して、30〜240mmとする必要がある。 〔内 層〕 強靭性に優れる内層は、C2.8〜3.8%、Si1.5〜
3.2%、Mn0.3〜1.0%、P0.1%以下、S0.03%以
下、Ni2.0%以下、Cr3.0%以下、Mo0.6%以下、
Mg0.02〜0.1%を各重量%含み、残部Feおよび通
常の不純物からなる材質で形成される。 (i) 化学組成(重量%、残部Feおよび通常の不
純物) C:2.8〜3.8% 本材質は、後に述べるように、球状黒鉛鋳鉄
材質からなる。ここにおいて、C2.8%未満で
は材質のチル化が進行し靭性が低下する。一方
3.8%を超えると黒鉛化が過剰となり強度面で
不足を来たす。 Si:1.5〜3.2% Siは黒鉛化の制御を主目的として含有される
が、1.5%未満では黒鉛化が不足し、一方3.2%
を超えると黒鉛化が過剰となると共にフエライ
ト中に固溶したSiが材質を脆弱化する。 Mn:0.3〜1.0% Mnは通常Sと結合してSの悪影響を除去す
るのに有効であるが、0.3%未満ではその効果
がなく、一方1.0%を超えると材質を硬く脆く
する。 P:0.1%以下 Pは溶湯の流動性を高めるが、材質を脆くす
るため0.1%以下に抑える。 S:0.03%以下 Sは黒鉛の球状化を図るために低く抑えなけ
ればならず、0.03%以下とする。 Ni:2.0以下 Niは黒鉛化と基地の強化に有効に作用する
が、2.0%を超えるとその効果が飽和するため
経済性の観点から2.0%以下とする。 Cr:3.0%以下 Crはセメンタイトの安定作用を有するが、
3.0%を超えると材質がチル化して脆弱とな
る。 Mo:0.6%以下 Moは基地の強化作用を有するが、0.6%を超
えるとその効果が飽和すると共に材質を硬くす
る傾向が顕著となるため0.6%以下とする。 Mg:0.02〜0.1% Mgは黒鉛の球状化を行わしめるために添加
するが、0.02%未満ではその効果がなく、一方
0.1%を超えて添加されるとMgのチル化作用お
よびドロス等の鋳造欠陥を発生し易くなる点か
ら好ましくない。 (ii) 接 種 黒鉛化の助長および組織の微細化のために、
一般に接種によるのが好結果をもたらすことが
知られている。本材質についても、接種技術を
利用して、その鋳込直前にCaSi、FeSi等の接
種剤をSi分として1.0%以下添加すると、強靭
性の向上に一層有効である。接種量は上記1.0
%を超えてもそれ以上の効果が得られないため
である。なお、接種後のSi含有量は、上記1.5
〜3.2%の範囲に止まるように成分調整され
る。 (iii) 顕微鏡組織 内層材質の顕微鏡組織は、球状黒鉛、少量の
共晶セメンタイトおよび基地の三相からなるい
わゆる球状黒鉛鋳鉄材質である。 本発明の三層スリーブは、第1外層、第2外層
及び内層について各々上記のような材質を有し、
これら異材質からなる三層を溶着せしめて一体の
複合スリーブに構成される。なお、本発明の三層
スリーブであつては、鋳造後、材質の強靭性確保
及び硬度、耐摩耗性の調整向上を目的として、通
常、オーストナイト域まで昇温する熱処理と、こ
れに放随する焼戻し、恒温変態、歪取りのための
共析変態温度以下の熱処理が施される。 次に本発明に係る三層スリーブの製造法につい
て簡単に説明する。このような三層スリーブは、
遠心力鋳造法横型、竪型および傾斜型を利用する
ことにより、容易に製造される。例えば第3図に
示すように、回転金型8の両端内面に砂型もしく
は耐熱レンガ9を装設して構成された遠心力鋳造
用鋳型に、取鍋10から外層a、第2外層b及び
内層cの各溶湯を、適宜タイミングで順次鋳込む
ことにより、冶金学的に一体結合した所期の三層
スリーブが鋳造される。なお、内層溶湯の鋳造に
さいしては、第4図に示す如く、第1外層及び第
2外層を鋳造した鋳型を直立し、これを静置鋳造
により鋳込むこともできる(但しこの場合は、後
にその芯部を加工して穿孔する)。 このようにして鋳造された三層スリーブは、第
1外層、第2外層、内層の各層間において、互い
に冶金学的に溶着して一体結合している。なお、
各層の境界部においては、不可避にそれらの混合
層が形成される。 ところで、本発明の三層スリーブにあつても、
実際の製造に際しては各層間の溶着、合金元素の
他層への溶け込みに問題を発生する場合が起り得
る。そこで、これらの問題を解消すると共により
良好な性能を発揮するスリーブを製造するために
は、必要に応じてはやはり各層間に更に中間層を
介在せしめるようにすることも望ましい。その場
合、各層間に中間層を介在せしめると、最大五層
のスリーブロールとなるが、中間層の介在有無及
びその介在位置は経済性等の諸点に勘案して総合
的に決める必要がある。なお、本スリーブロール
の場合では、中間層を第2外層と内層との間に設
けるようにするのが一般に効果が大である。 叙上のようにして製造された本発明の三層スリ
ーブは、通常アーバに焼嵌めてスリーブロールと
して使用される。アーバの材質としては従来から
SCM−4、SF−60、鋳鋼、ダクタイル鋳鉄等が
使用され、その直径は通常500〜800mmとされる。
また、焼嵌め率は0.8×10-3程度とされるが、焼
嵌めに際しては増摩剤や接着剤が使用される場合
もある。上記アーバの材質等は圧延スタンドの設
計、圧延条件(圧延荷重やモータ出力等)によつ
て適宜選択されるものである。尚、アーバの材質
等によつては、スリーブロールの圧延特性である
耐焼付性や耐摩耗性が左右されるものではなく、
また、耐事故性(割損事故に対する抵抗性)は、
スリーブ内面の接線方向の強度と残留応力によつ
て決まり、アーバの材質等と直接関しない。因み
に、これまでの経験から、スリーブ内面の引張強
度(接線方向)が45Kg/mm2以上、残留引張応力
(接線方向)が15Kg/mm2以下であれば問題のないこ
とが知られている。 次に本発明の実施例について、従来例、参考例
と共に説明する。 第1表に記載した材質を用いて複合スリーブ
を製造した。同表中、従来例の外層は高Cアダ
マイト材で形成されたものであり、参考例は本
発明を利用したものであり、本発明に係る第1
外層、第2外層に補助的元素を添加し、品質の
向上を図つたものである。
【表】 第1表の複合スリーブを用いて材質試験を行
なつた。 (i) 耐焼付性 高温摩擦係数の測定結果により判断され、
実際圧延上もよく一致することが確かめられ
ている。 スリーブ外表面から10〜30mm深さの位置で
φ300mmの試験片を採取し、下記の試験条件
で高温摩擦係数の測定を行なつた。 相手材:SS50、相手材径:φ270mm 試験幅:20mm、載荷荷重:100Kg 水冷:1.2/分 試験片回転数:500rpm (ii) 耐摩耗性 大越式摩耗試験の試験結果により判断さ
れ、傾向値として判断すれば実際圧延結果と
同傾向を示す。 スリーブ外表面から100mm深さの位置で軸
方向に厚さ10mm、幅20×長さ50mmの試験片を
採取し、下記の試験条件で無潤滑における比
摩耗量を測定した。 すべり速度:3.4m/秒 すべり距離:200m 最終荷重:17.6〜18.5Kg 回転論:SUJ2(HRC60〜63) (iii) 耐事故性(割損事故に対する抵抗性) スリーブ内面(内層内面)における接線方
向の引張強度、残留応力を測定した。 結 果 (i)〜(iii)の測定結果を第2表に示す。
【表】 尚、参考例2のスリーブについて、内層内面
のほかの部分の接線方向(周方向)の残留応力
は次の通りであつた。 スリーブ外表面………5.2Kg/mm2(圧縮) スリーブ外表面から150mm深さ………0.3Kg/mm2
(圧縮) また、参考例1及び2の径方向断面の硬度分
布を第5図に示す。 第2表より、本発明の実施例は従来例に対し
て、スリーブの外表面においては耐焼付性が、ス
リーブの中間部分(フランジ成形部分)では耐摩
耗性が各々極めて優れていることが判る。しか
も、耐事故性についても良好であることが判る。 以上詳細に述べたように、本発明はH型鋼圧延
用ロール、特にユニバーサルミルの水平スタンド
用スリーブロールに供されるスリーブについて、
その圧延材と接する使用層と強靭性の要求される
内層とを異材質で形成すると共に、その使用層に
ついては、部分的に異なる性質の要求に対応すべ
く、これを更に耐焼付性に優れる材質の第1外層
と耐摩耗性に優れる材質の第2外層の二層に形成
し、各層に所要性質を満足せしめて構成したもの
であるから、そのウエブ成形部においては耐焼付
性に優れ、フランジ成形部においては耐摩耗性に
優れ、内層においては強靭性を具備するものが得
られる。従つて、本発明に係るスリーブロールを
使用すれば、圧延時における焼付のトラブルを有
効に防止し、同時に局部摩耗の問題も大きく軽減
され、かつ又割損等に対する十分な耐事故性を具
備して、この種圧延ロールの性能、耐用性及び安
全性の全ての面に優れたものが提供される。 なお、本発明では内層材質として球状黒鉛鋳鉄
材質を用いることを1つの特徴としているが、こ
れによる長所は次の通りである。すなわち、内層
材質としてはいわゆる黒鉛鋼が強靭性の面で優れ
ており、一般にその引張強さは60〜70Kg/mm2、伸
びは1.0〜4.0%である。これに対して、球状黒鉛
鋳鉄の場合では、引張強さ50〜60Kg/mm2、伸び0.5
〜2.0%と黒鉛鋼のそれに比し強靭性に劣るが、
反面残留応力が低温度で解放され易い利点があ
り、通常の製造法によればその残留応力(焼嵌め
面接線方向引張残留応力)は黒鉛鋼の場合の約60
%で、この種ロールで最も問題とされる焼嵌め面
からの割損に対し高い抵抗性を発揮する特長があ
る。またその製造コストの面でも有利なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はユニバーサルミルによるH型鋼の圧延
状況を現わす要部断面正面図である。第2図は本
発明の三層スリーブ構造例を示す断面図である。
第3図、第4図はいずれも本発明に係る三層スリ
ーブの製造工程を示す断面図である。第5図は本
発明三層スリーブを利用した参考例について、そ
の径方向断面の硬度分布を測定して示す図であ
る。 1……水平ロール、2……竪ロール、3……圧
延材(H型鋼)、4……アーバ、5……スリー
ブ、6……ウエブ成形部、7……フランジ成形
部、a……第1外層、b……第2外層、c……内
層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 圧延材と接する使用層を耐焼付性に優れる材
    質の第1外層と耐摩耗性に優れる材質の第2外層
    の二層に形成し、一方圧延材と接しない内層を強
    靭性に優れる材質で形成し、かつこれら第1外
    層、第2外層及び内層を溶着一体化せしめてなる
    三層スリーブにおいて、 前記第1外層は、 C:2.0〜3.2%、Ni:2.5%以下、 Si:0.6〜2.5%、Cr:0.5〜2.0%で Mn:0.4〜1.5%、 かつ1.5×Si%未満、 P:0.1%以下、Mo:0.2〜2.0%、 S:0.1%以下 を各重量%含み、残部Feおよび通常の不純物か
    らなり、前記第2外層は、 C:1.8〜3.0%、Ni:0.5〜3.5%、 Si:0.2〜1.5%、Cr:0.5〜6.0%、 Mn:0.4〜1.5%、Mo:0.5〜2.5%、 P:0.1%以下、 S:0.1%以下、 を各重量%含み、残部Feおよび通常の不純物か
    らなり、一方前記内層は、 C:2.8〜3.8%、Ni:2.0%以下、 Si:1.5〜3.2%、Cr:3.0%以下、 Mn:0.3〜1.0%、Mo:0.6%以下、 P:0.1%以下、Mg:0.02〜0.1%、 S:0.03%以下、 を各重量%含み、残部Feおよび通常の不純物か
    らなることを特徴とするH型鋼圧延ロール用三層
    スリーブ。
JP19381881A 1981-12-01 1981-12-01 H型鋼圧延ロ−ル用三層スリ−ブ Granted JPS5893858A (ja)

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US06/445,270 US4546527A (en) 1981-12-01 1982-11-29 Composite sleeve for use in rolling rolls for H-section steel and channel steel
SE8206812A SE447966B (sv) 1981-12-01 1982-11-30 Sammansatt mantel for en varmvalsningsvals
FR8220097A FR2517223B1 (fr) 1981-12-01 1982-11-30 Manchon composite destine a etre utilise dans les cylindres de laminage pour la fabrication de profiles en h et en u
DE19823244328 DE3244328A1 (de) 1981-12-01 1982-11-30 Verbundmantel fuer walzen fuer das heisswalzen von h-profilstahl und u-profilstahl
GB08234184A GB2113129B (en) 1981-12-01 1982-12-01 Hot-rolling rolls
BE2/59936A BE895201A (fr) 1981-12-01 1982-12-01 Chemise composite pour cylindres de laminage de profiles d'acier a section en h et de profiles d'acier creux

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