JPH08158004A - 複合超硬ロール - Google Patents

複合超硬ロール

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JPH08158004A
JPH08158004A JP29514894A JP29514894A JPH08158004A JP H08158004 A JPH08158004 A JP H08158004A JP 29514894 A JP29514894 A JP 29514894A JP 29514894 A JP29514894 A JP 29514894A JP H08158004 A JPH08158004 A JP H08158004A
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JP
Japan
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cemented carbide
thermal expansion
cast iron
roll
inner layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP29514894A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kimura
広之 木村
Hiroaki Katayama
博彰 片山
Tsunao Kawanaka
綱夫 川中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造中に割れの発生し難い複合超硬ロールを
提供する。 【構成】 本発明の複合超硬ロールは、耐摩耗性に優れ
た超硬合金からなる円筒状の超硬スリーブの内面に、鋳
鉄からなる内層を鋳造により形成された複合超硬ロール
において、前記内層は、前記超硬スリーブの熱膨張係数
以上で、かつ、その差が4×10-6(℃-1)以下である
熱膨張係数を有する高Ni鋳鉄からなる。また、超硬ス
リーブがWC−Co系超硬合金により形成される場合、
内層を、Niが30〜45wt%含有した高Ni鋳鉄に
より形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼線材及び棒材等の
圧延に使用される複合超硬ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】線材圧延において、超硬ロールをロール
軸に機械的手段で固着した組立ロールが用いられる場合
がある。超硬ロール13は、例えば、図3の如く、WC
とCoとが焼結一体化されたWC超硬材により形成され
ている。しかし、超硬ロール13は全体が超硬材である
ため、経済的でないばかりか、重量が重くなり取り替え
作業が困難であるなどの問題があった。
【0003】上記問題点を解決するため、図4に示すよ
うに、超硬合金からなる超硬スリーブ11の内面に普通
鋳鉄からなる内層12aとダクタイル鋳鉄からなる内層
12bを溶着した複合超硬ロール13Aが報告されてい
る(特開昭57−171561号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、超硬スリーブ
を形成する超硬合金の熱膨張係数と内層(12a、12
b)を形成する鋳鉄材の熱膨張係数の差が大きいため、
内層が完全に凝固した後、500℃程度から常温に至る
冷却過程で、超硬合金と鋳鉄材との熱膨張差が大きくな
り、ロールに割れが発生し易くなる。
【0005】また、内層を鋳鉄材で形成した場合、前記
内層鋳造後の冷却過程で、前記内層の組織がオーステナ
イトからパーライトに変態し、前記内層が膨張する。そ
のため、前記超硬スリーブに引張応力が残留し、ロール
の割れが助長される。本発明はかかる問題に鑑みなされ
たもので、製造中に割れの発生し難い複合超硬ロールを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の複合超硬ロール
は、耐摩耗性に優れた超硬合金からなる円筒状の超硬ス
リーブの内面に、鋳鉄からなる内層を鋳造により形成さ
れた複合超硬ロールにおいて、前記内層は、前記超硬ス
リーブの熱膨張係数以上で、かつ、その差が4×10-6
(℃-1)以下である熱膨張係数を有する高Ni鋳鉄から
なることを特徴とする。また、超硬スリーブがWC−C
o系超硬合金により形成される場合、内層を、Niが3
0〜45wt%含有した高Ni鋳鉄により形成すること
ができる。
【0007】
【作用】複合超硬ロールの製作時に発生する熱応力は、
ロールに割れが生じる原因であり、熱応力は超硬スリー
ブと内層の熱膨張係数の差に起因する。複合超硬ロール
が、超硬スリーブと、鋳鉄材からなる内層とで複層化さ
れる場合、前記超硬スリーブを形成する超硬合金の熱膨
張係数と前記内層を形成する鋳鉄材の熱膨張係数の差が
大きく、また変態による膨張のために、ロールに割れが
生じ易い。
【0008】一方、本発明の内層を形成する高Ni鋳鉄
の熱膨張係数は、超硬合金のそれに比較的近接してお
り、Ni含有量により熱膨張係数を変化させ、超硬合金
の熱膨張係数との差を小さくすることができる。また、
高Ni鋳鉄の熱膨張係数を、超硬合金の熱膨張係数以上
に、かつ、その差を4×10-6(℃-1)以下にすること
により、高Ni鋳鉄の熱膨張係数が超硬合金のそれと近
接するようになり、鋳造後の冷却過程で割れが生じ難く
なる。高Ni鋳鉄の熱膨張係数が超硬合金のそれ未満で
あると、超硬スリーブに引張応力が残留するようにな
り、割損の恐れが生じる。熱膨張係数の差が4×10-6
(℃-1)を越える場合は、超硬スリーブと内層の熱膨張
差が大きくなり、超硬スリーブに過度の圧縮応力が発生
し、内層金属側の溶着面と垂直方向に割れが発生し易く
なる。また、高Ni鋳鉄は、溶融状態からの凝固冷却過
程で相変態を生じないため、内層を高Ni鋳鉄により形
成することにより、内層の鋳造後の冷却過程で内層の変
態による膨張が発生せず、変態に起因する引張応力が超
硬スリーブに残留しないため、超硬スリーブに割れがよ
り生じにくくなる。
【0009】超硬スリーブとしてWC−Co系超硬合金
を使用する場合、WCの含有率は通常65wt%〜90wt
%程度であり、熱膨張係数は5×10-6〜7×10
-6(℃-1)程度である。一方、高Ni鋳鉄の熱膨張係数
は、鋳鉄中のNi含有量により大きく変化し、Ni含有
量の増加とともに熱膨張係数は小さくなり、Ni36w
t%で極小値(5×10-6(℃-1))をとり、更にNi
を増加すると、熱膨張係数は逆に大きくなる。かかるデ
ータから、超硬合金の熱膨張係数と近接する範囲である
5×10-6〜11×10-6(℃-1)にするには、Ni量
を30〜45wt%とすればよいことが分かった。すな
わち、Ni量が30wt%未満あるいは45wt%を越
えると、超硬合金との熱膨張係数差が大きくなり、割れ
が発生し易くなる。尚、Ni量が30wt%未満でも、
Coを添加すると高Ni鋳鉄の熱膨張係数を小さくする
ことができる。又、C,Si,Mnは添加量の増加とと
もに、熱膨張係数を若干上昇させるが、NiやCoほど
の大きな影響はない。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係る複合超硬ロール3の構
造を示す断面図であり、構造自体は従来と同様である
が、内層2を形成する材料が異なる。前記複合超硬ロー
ル3は、円筒状部材で形成された超硬スリーブ1を有
し、該超硬スリーブ1の内周面に円筒状の前記内層2が
形成されており、前記超硬スリーブ1の内周面と前記内
層2の外周面は、遠心力鋳造により溶着されている。
【0011】前記超硬スリーブ3は、圧延材と接しこれ
を圧延成形する部分であって、耐摩耗性を有しかつ高温
硬度の高いWC−Co系超硬合金により形成されてい
る。前記内層2は、靱性の優れた高Ni鋳鉄により形成
されている。超硬スリーブ1と内層2との複層化の方法
は、遠心力鋳造法に限らず置注鋳造法によっても行うこ
とができる。尚、高Ni鋳鉄の鋳込温度は、高Ni鋳鉄
の凝固点+250℃以上とするのがよい。鋳込温度が凝
固点+250℃未満であると、前記超硬スリーブ1との
溶着不良が起き接着強度が低下するようになる。また、
鋳造時に前記超硬スリーブ1を400℃未満に予熱して
おくと、溶着不良が防止でき効果的である。予熱温度を
400℃以上にすると、前記超硬スリーブ1の表面が酸
化されるため溶着に悪影響が出てくる。
【0012】複合超硬ロールの他例を図2に示す。該複
合超硬ロール3Aは、所望の孔型が外周面に形成された
2個の超硬スリーブ1A、1Aを有し、該超硬スリーブ
1A、1Aの外周面を露出させるように内層2Aが遠心
力鋳造により溶着形成されている。次に図1に係る複合
超硬ロール3の具体的製造例について説明する。 (1) 先ず、下記の材質、室温から500℃における平均
熱膨張係数の超硬合金からなる超硬スリーブ1を製作し
た。
【0013】 寸法 外径φ210×幅72mm(厚さ20mm) 材質 WC75wt%+バインダー金属25wt% バインダー金属組成 12wt%Co−12wt%Ni−1wt%Cr 平均熱膨張係数 7×10-6(℃-1) (2) この超硬スリーブ1の内面に遠心力鋳造法により内
層2を溶着形成し、実施例に係る複合超硬ロール3を作
成した。前記内層2は下記に示す成分・平均熱膨張係数
の高Ni鋳鉄であり、鋳込温度1530℃で溶解し、回
転速度800rpm(超硬内面Gno=61)で回転す
る前記超硬スリーブ1の内部に鋳込んで厚さ25mmの
内層2を形成した。
【0014】材質 C :2.6wt%、 Si:3.5wt%、Ni:
32wt%、 Cr:1.2wt%、Mn:0.7
wt%、 Mg:0.05wt%、P :0.012
wt%、S :0.008wt% 残部実質的にFe 平均熱膨張係数 8×10-6(℃-1) (3) 比較例として、前記成分の超硬合金のみからなる超
硬スリーブ1を製作した。尚、圧延で使用する部分は、
表面から20mm未満程度である。
【0015】 寸法 外径φ210×幅72mm(厚さ45mm) (4) 実施例と比較例に係る複合超硬ロールの重量を比較
すると、比較例の重量は23kgであるのに対し、実施
例の重量は18kgであった。実施例のほうが比較例よ
り15kg軽量に製作でき、重量が20kg以下になっ
たため、ロールの取り替え作業が2人から1人に省人化
できた。 (5) また、実施例における超硬合金の熱膨張係数と高N
i鋳鉄の熱膨張係数の差は1×10-6(℃-1)であり、
超硬合金の熱膨張係数と近接する範囲内であるため、ロ
ールの割れは発生し難くなっている。
【0016】尚、上記成分の高Ni鋳鉄のNi含有量を
28wt%減少すると、高Ni鋳鉄の熱膨張係数は16
×10-6(℃-1)に上昇する。更に、Coを5wt%添
加すると、高Ni鋳鉄の熱膨張係数は9×10
-6(℃-1)になり熱膨張係数を小さくすることができ
た。
【0017】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、内
層は、超硬スリーブの熱膨張係数以上で、かつ、その差
が4×10-6(℃-1)以下である熱膨張係数を有する高
Ni鋳鉄により形成されるので、超硬スリーブと内層の
熱膨張差が小さくなり、かつ、内層鋳造後の冷却過程に
おける内層の相変態に従う膨張が発生せず、ロール製作
時の割れが発生し難くなる。また、超硬合金の使用量が
減少するため、単層の超硬ロールに比べコストダウンが
図れ、ロールの組み替えが容易にできる。
【0018】超硬スリーブがWC−Co系超硬合金で形
成される場合、内層を、Niが30〜45wt%含有し
た高Ni鋳鉄により形成することにより、靱性の高い、
割れの発生し難い複合超硬ロールの製造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合超硬ロールの断面図である。
【図2】組立ロールに適用した本発明に係る複合超硬ロ
ールの断面図である。
【図3】従来の単層のスリーブを有する超硬ロールの断
面図である。
【図4】従来の複層のスリーブを有する複合超硬ロール
の断面図である。
【符号の説明】
1 超硬スリーブ 2 内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 29/08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性に優れた超硬合金からなる円筒
    状の超硬スリーブ(1)の内面に、鋳鉄からなる内層
    (2)が鋳造により形成された複合超硬ロールにおい
    て、 前記内層(2)が、前記超硬スリーブ(1)の熱膨張係
    数以上で、かつ、その差が4×10-6(℃-1)以下であ
    る熱膨張係数を有する高Ni鋳鉄からなることを特徴と
    する複合超硬ロール。
  2. 【請求項2】 超硬スリーブ(1)がWC−Co系超硬
    合金からなり、内層(2)が、Niを30〜45wt%
    含有した高Ni鋳鉄からなる請求項1に記載の複合超硬
    ロール。
JP29514894A 1994-11-29 1994-11-29 複合超硬ロール Pending JPH08158004A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6110084A (en) * 1997-06-27 2000-08-29 Mitsubishi Materials Corporation Combined roll having excellent resistance to thermal shock
CN104525913A (zh) * 2014-11-18 2015-04-22 西安理工大学 护轨及其制备方法
CN104533993A (zh) * 2014-11-18 2015-04-22 西安理工大学 刹车盘及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6110084A (en) * 1997-06-27 2000-08-29 Mitsubishi Materials Corporation Combined roll having excellent resistance to thermal shock
CN104525913A (zh) * 2014-11-18 2015-04-22 西安理工大学 护轨及其制备方法
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